Theoretical Problems
44th International Chemistry Olympiad
July 26, 2012 United States
of America
Practical
23
Name: Code:
実験手順(課題1)
• この冊子は10ページあり、実験課題1と解答用紙からなっている。
• 実験開始前に15分間、この冊子を読む時間がとられている。
• 実験課題1の解答を完成させるのに与えられた時間は、2時間15分である。
• 「START(始め)」の合図で始めよ。 「STOP(止め)」と言われたら、直ぐに実験 を止めよ。5分以内に止めないと失格になる。「STOP(止め)」の合図があった後も、
自分の実験場所で待機せよ。試験監督があなたの実験台に行き、次の物が置いてある かを確認する。
問題/解答冊子(今あなたの読んでいるこの冊子)
• あなたはIChOの規定に述べられている安全に関する規則に従わなければならない。実 験室に居るときは、常に安全メガネまたは認められた自分用のメガネをかけなければい けない。薬品を扱う際は、手袋を使ってもよい。
• 安全規則を破ると、実験監督者から1回目の警告(WARNING)を受ける。2回目の 警告を受けた場合には、実験室から退室させられ、実験問題の点数は0点となる。
• 安全に関する質問や実験室を退出する必要があるときは、躊躇なく近くのアシスタント に相談すること。
• あなたは割り当てられた場所でのみ操作をすることが許されている。
• 解答は、鉛筆ではなく、用意されているペンのみで記入せよ。
• 電卓は配布されたものを使うこと。
• 解答はすべて、解答用紙の所定の欄に記入すること。それ以外の場所に書かれたものは 採点の対象にならない。解答用紙の裏側は、下書き等に使える。
• 反応溶液の入ったラベル付きのバイアルは”Used Vials”のラベルが貼られた容器に捨てること。
• 廃液は”Liquid Waste”のラベルが貼られた容器に捨てること。
• アンプルの破片は”Broken Glass Disposal”のラベルが貼られた容器に捨てること。
• 薬品と実験器具の補充や交換は、最初の1回だけ許される。しかし、それ以降は1回 要求するごとに、実験問題の40点満点から1点が減点される。
•
2
試薬と実験器具リスト(課題1)
試薬リスト(太字が実際にラベルに書かれている記号)
危険性表示 (R)+ 安全性表示 (S)+
~2 M HCl*、50 mLの瓶入り R34, R37 S26, S45
~0.01 M KI3水溶液*、10 mLの瓶入 り、”I2”とラベルに書かれている
アセトン、(CH3)2CO、分子量=58.08 g mol-1、密度=0.791 g mL-1、バイアル中に 10.0 mL
R11, R36, R66, R67 S9, S16, S26
Acetone-d6、(CD3)2CO、分子量=64.12 g mol-1、密度=0.872 g mL-1、アンプル中に
所定量の3.0 mLが入っている
R11, R36, R66, R67 S9, S16, S26
+危険性表示、安全性表示については3ページを参照
* 正確なモル濃度は、ラベルに記載してある(物質名の前に書かれている)。
実験器具 - キット #1:
• 蒸留水入りのガラス瓶、一本
• 20 mLスクリュー管とテフロンコーティングのふた、15個
• 0.25 mL毎に目盛りが入った1 mL ポリエチレン製ピ
ペット、十本(右図参照)
• 0.5 mL毎に目盛りが入った3 mL ポリエチレン製ピペ
ット、十本(右図参照)
• デジタルタイマー(ストップウォッチ)、一個
1.00 mL
0.50 mL 0.75 mL
0.25 mL
3.0 mL
1.0 mL 2.0 mL
Name: Code:
危険性表示および安全性表示
(課題
1)R11 引火性が高い R34 火傷を起こす R36 眼を刺激する
R37 呼吸器系を刺激する
R66 何度も触れると皮膚が乾燥してひび割れする可能性あり R67 蒸気に触れると眠くなったりめまいがしたりする可能性あり S9 換気のよい場所で容器中に保存する
S16 発火源から離して保管する
S26 眼に入ったらすぐ大量の水で洗い、医師の診察を受ける S45 事故が起きて気分が悪くなったら医師の診察を受ける
4
課題1
全体の
18%a b c d e f g 問題1 18%
10 2 10 12 16 12 8 70
速度論と同位体効果によるアセトンのヨウ素化の反応機構 の解析
化学反応の機構解明は、触媒や合成法の発展の基礎となる。反応機構の解析に最も 有効な手段の一つは、速度論の検討である。なぜならば、反応条件に応じた反応速度の変 化は反応機構に直接対応するからである。次に有効な手段としては、同位体置換された分 子を用いた研究が挙げられる。同位体置換された分子は、置換されていない分子と同様の 反応性を示すが、原子核の質量によってわずかに反応速度が変化する。
この課題では、速度論と同位体効果とを組み合わせて、以下に示す酸性水溶液中で のアセトンのヨウ素化の反応機構について調べる:
R3C CR3 O
+ I3-
R3C C
R2 O
I + R+ + 2I-
R = H or D
この反応は、以下の反応速度式に従って進行する:
反応速度 = k[アセトン]m[I3-
]n[H+]p
kで表される反応速度定数と、整数で表される反応次数m、n、pがこの実験で決定する値 である。また、六つの水素(1H)が重水素(2H, D)で置換されたアセトン-d6と、重水素 化されていないアセトンとについて反応性を比較し、反応の同位体効果(kH/kD)も決定す る。 これらの実験結果から、この反応の反応機構を推測する。
この課題に関する全ての説明を読み、実験を行う前に実験計画を立てること。
Name: Code:
実験方法
反応速度は温度に依存する。実験を行う部屋の室温を記録せよ。(実験室のアシスタント に訊くこと。)
o
C
デジタルタイマー(ストップウォッチ)の使い方
(1) COUNT UP の表示が出るまで[MODE]ボタンを押す。
(2) タイマーを開始させるときは、[START/STOP] ボタンを押す。
(3) タイマーを停止させるときは、再度[START/STOP] ボタンを押す。
(4) 表示をもとに戻すときは、[CLEAR] ボタンを押す。
操作手順
まず、必要な量の塩酸、蒸留水、三ヨウ化カリウム溶液(”I2”とラベルに書かれてい る)を、反応容器内に量り取れ。反応溶液中の初期濃度は、以下に示す範囲にすること
(以下の範囲を網羅する必要はないが、これらの範囲を大きく超えて初期濃度を設定して はならない):
[H+]:0.2 Mから1.0 Mの間 [I3-]:0.0005 Mから0.002 Mの間 [アセトン] :0.5 Mから1.5 Mの間
必要な量のアセトンを反応容器内の他の試薬を含む溶液に加えることで反応を開始さ せよ。素早く反応溶液のふたを閉め、タイマーを開始させ、容器を一度だけしっかりと振 り、容器を白い背景の前に置け。使用した試料の量を、a.の表の解答欄に記録せよ。反応 を開始させたら、バイアルを持ったり、液面下の部分に触れたりしてはいけない。反応の 進行は、I3-の黄褐色が消えていく様子を目で見ることで追跡せよ。反応溶液の色が消失す るまでにかかった時間を記録せよ。ヨウ化アセトンの蒸気を吸わないように、反応が完結
6 試料の濃度を変化させて、必要なだけ実験を繰り返せ。使用した試料の濃度を、c.の表 の解答欄に記録せよ。
ヒント:一回の実験毎にどれか一つの試料のみ濃度を変化させよ。
アセトンの反応速度の実験が終わった後は、アセトン-d6の反応速度を測定せよ。アセ トンについては十分な量が与えられているが、重水素化物は高価なため、アセトン-d6は
3.0 mLしか与えられていないことに注意せよ。アセトン-d6を追加で使用する際は、いか
なる場合も1点減点となる。この試料を使用する際は、手を上げて試験監督を呼び、アン プルを開けてもらうこと。一般的に、重水素置換された化合物は水素置換された化合物に 比べて反応速度が遅い。そのため、アセトン-d6の反応を行う際には反応が速く進む反応 条件で行う方がよい。
作業が終了したら、以下のことを行なうこと:
a) 水の入った容器を空にし、使わなかった器具と一緒に”Kit #1”と書かれた箱のなか に戻すこと。
b) 使ったピペットとふたをした使用済みバイアルは、ドラフトの中の指定の容器に置 くこと。
c) 空になったアンプルやその破片は、”Broken Glass Disposal”と書かれた容器に捨て ること。
実験台の片付けは、実験終了の合図の後に行なっても良い。
Name: Code:
a. アセトンについての結果を下の表に記録せよ。表の全部を埋める必要はない。
Run # 塩酸(HCl solution) の容積、
mL
水(H2O) の容積、
mL
I3– 溶液の容積、
mL
アセトン ((CH3)2CO)の
容積、mL
I3–が消えるま での時間、s
1
2
3
4
5
6
7
8
b. アセトン-d6についての結果を下の表に記録せよ。表の全部を埋める必要はない。
Run # 塩酸(HCl solution) の容積、mL
水(H2O) の容積、
mL
I3– 溶液の容積、
mL
アセトン-d6 ((CD3)2CO)の
容積、mL
I3–が消えるま での時間、s
1d
2d
3d
4d
8 c. 以下の表を用いて、濃度と、あなたが調べた色の消失から求めた平均の反応速度を計算 せよ。各反応混合溶液の体積は混ぜた元の溶液の体積の合計と等しいと仮定してよい。反 応速度定数kの計算(設問eとf)にあたり,測定した全てのRunの結果を使う必要はな いが,計算にあたってどのRun # (単独または複数)を用いたかは、右側の欄に印をつけ ることで明記せよ。
アセトン、(CH3)2CO:
Run # 初期の
[H+]、M
初期の [I3–]、
M
初期の [(CH3)2CO]、
M
I3-の色の消失まで の平均の反応速
度、M s-1
kHの算出に用い たか?
用いた 用いてない
1
☐
☐
2
☐
☐
3
☐
☐
4
☐
☐
5
☐
☐
6
☐
☐
7
☐
☐
8
☐
☐
アセトン-d6、 (CD3)2CO:
Run # 初期の
[H+]、M
初期の [I3–]、
M
初期の [(CD3)2CO]、
M
I3-の色の消失まで の平均の反応速
度、M s-1
kDの算出に用い たか?
用いた 用いてない
1d
☐
☐
2d
☐
☐
3d
☐
☐
4d
☐
☐
Name: Code:
d. アセトン、I3–、H+ について反応次数を整数で示せ。
反応速度=
m = n = p =
e. アセトン((CH3)2CO)の反応について反応速度定数kHを計算せよ。単位も示すこと。
kH =
f.アセトン-d6((CD3)2CO)の反応について反応速度定数kDを計算せよ。そして、kH/kDの値 (この反応の同位体効果)を計算せよ。
kD =
kH/kD =
10 g. 反応速度の同位体効果のデータから、この反応の機構に関する何らかの結論が出せるで あろう。下に示したのはアセトンのヨウ素化の考えられる反応機構である。この中の一つ が律速段階(R.D.S.)で、それよりも前の全ての段階は原料側に大きく有利な平衡である。
各段階の反応式の描かれている欄のすぐ隣の欄に、次のようにマークをつけよ。もし実 験の測定に基づいて得た反応速度式(設問d)が、その段階が律速であることと矛盾なく整 合するのであればレ点(✔)をつけ,その段階が律速であるとするには矛盾があるのであれ ば×をつけよ。その各段階が描かれている欄の右側二つ目の欄(右隣の次の欄)には,次の ようにマークをつけよ。もし実験の測定に基づいて得た同位体効果(設問f)が、その段階 が律速であることと矛盾なく整合するのであればレ点(✔)をつけ、その段階が律速である とするには矛盾があるのであれば×をつけよ。
律速段階が反 応速度式と整 合するか?
律速段階が同位体 効果と整合する
か?
Name: Code: JPN1
実験手順(課題2)
• この冊子は17ページあり、実験課題2と解答用紙からなっている。
• 実験開始前に15分間、この冊子読む時間がとられている。
• 実験課題2の解答を完成させるのに与えられた時間は、2時間45分である。実験操作の 中には、30分間待つ必要があるものがあるので注意のこと。
• 「START(始め)」の合図で始めよ。 「STOP(止め)」と言われたら、直ぐに実験 を止めよ。5分以内に止めないと失格になる。「STOP(止め)」の合図があった後も、
自分の実験場所で待機せよ。試験監督があなたの実験台に行き、次の物が置いてある かを確認する。
問題/解答冊子(今あなたの読んでいるこの冊子)
TLCの プレート1枚が入っている、自分の受験番号が記されているジッパー付き ビニール袋(提出物)
“Product”(生成物)のラベルが貼ってあるバイアル瓶
• あなたはIChOの規定に述べられている安全に関する規則に従わなければならない。実 験室に居るときは、常に安全メガネまたは認められた自分用メガネをかけなければいけ ない。ピペットを使うときは、安全ピペッターを用いること。薬品を扱う際は、手袋 を使ってもよい。
• 安全規則を破ると、実験監督者から1回目の警告(WARNING)を受ける。2回目の警 告を受けた場合には、実験室から退室させられ、実験問題の点数は0 点となる。
• 安全に関する質問や実験室を退出する必要があるときは、躊躇なく近くのアシスタント に相談すること。
• あなたは割り当てられた場所でのみ操作をすることが許されている。
• 解答は、鉛筆ではなく、用意されているペンのみで記入せよ。
• 電卓は配布されたものを使うこと。
• 解答はすべて、解答用紙の所定の欄に記入すること。それ以外の場所に書かれたものは 採点の対象にならない。解答用紙の裏側は、下書き等に使える。
• バイアル瓶を捨てるときは“Broken Glass Disposal”(不用ガラス器具用)と書かれた容 器に捨てよ。
• すべての廃液は“Liquid Waste”(水溶性廃液)と書かれた容器に捨てよ。
2
• 薬品と実験器具の補充や交換は、最初の1回だけ許される。しかし、それ以降は1回 要求するごとに、実験問題の 40点満点から1点が減点される。
• 必要があれば、確認のために実験問題の英語公式版の閲覧を要求することができる。
Name: Code:
1 18
1 1
1.00794 H 0.28
2
17 2
4.00260 He 1.40
13 14 15 16
2 3
6.941 Li
4 9.01218
Be
原子番号 1 1.00794
H 0.28
原子量 5
10.811 B 0.89
6 12.011
C 0.77
7 14.0067
N 0.70
8 15.9994
O 0.66
9 18.9984
F 0.64
10 20.1797
Ne 1.50 原子記号
共有結合半径, Å
3 11
22.9898 Na
12 24.3050
Mg
3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13
26.9815 Al
14 28.0855
Si 1.17
15 30.9738
P 1.10
16 32.066
S 1.04
17 35.4527
Cl 0.99
18 39.948
Ar 1.80
4 19
39.0983 K
20 40.078
Ca 21
44.9559 Sc
22 47.867
Ti 1.46
23 50.9415
V 1.33
24 51.9961
Cr 1.25
25 54.9381
Mn 1.37
26 55.845
Fe 1.24
27 58.9332
Co 1.25
28 58.6934
Ni 1.24
29 63.546
Cu 1.28
30 65.39
Zn 1.33
31 69.723
Ga 1.35
32 72.61
Ge 1.22
33 74.9216
As 1.20
34 78.96
Se 1.18
35 79.904
Br 1.14
36 83.80
Kr 1.90
5 37
85.4678 Rb
38 87.62
Sr 39
88.9059 Y
40 91.224
Zr 1.60
41 92.9064
Nb 1.43
42 95.94
Mo 1.37
43 (97.905)
Tc 1.36
44 101.07
Ru 1.34
45 102.906
Rh 1.34
46 106.42
Pd 1.37
47 107.868
Ag 1.44
48 112.41
Cd 1.49
49 114.818
In 1.67
50 118.710
Sn 1.40
51 121.760
Sb 1.45
52 127.60
Te 1.37
53 126.904
I 1.33
54 131.29
Xe 2.10
6 55
132.905 Cs
56 137.327
Ba 57-71
La-Lu 72
178.49 Hf 1.59
73 180.948
Ta 1.43
74 183.84
W 1.37
75 186.207
Re 1.37
76 190.23
Os 1.35
77 192.217
Ir 1.36
78 195.08
Pt 1.38
79 196.967
Au 1.44
80 200.59
Hg 1.50
81 204.383
Tl 1.70
82 207.2
Pb 1.76
83 208.980
Bi 1.55
84 (208.98)
Po 1.67
85 (209.99)
At 86
(222.02) Rn 2.20
7 87 (223.02)
Fr 88 (226.03)
Ra 2.25
89-103 Ac-Lr
104 (261.11)
Rf 105 (262.11)
Db 106 (263.12)
Sg 107 (262.12)
Bh 108
(265) Hs
109 (266)
Mt 110
(271) Ds
111 (272)
Rg 112
(285) Cn
113 (284)
Uut 114
(289) Fl
115 (288)
Uup 116
(292) Lv
117 (294)
Uus 118
(294) UUo
57 138.906
La 1.87
58 140.115
Ce 1.83
59 140.908
Pr 1.82
60 144.24
Nd 1.81
61 (144.91)
Pm 1.83
62 150.36
Sm 1.80
63 151.965
Eu 2.04
64 157.25
Gd 1.79
65 158.925
Tb 1.76
66 162.50
Dy 1.75
67 164.930
Ho 1.74
68 167.26
Er 1.73
69 168.934
Tm 1.72
70 173.04
Yb 1.94
71 174.04
Lu 1.72 89
(227.03) Ac 1.88
90 232.038
Th 1.80
91 231.036
Pa 1.56
92 238.029
U 1.38
93 (237.05)
Np 1.55
94 (244.06)
Pu 1.59
95 (243.06)
Am 1.73
96 (247.07)
Cm 1.74
97 (247.07)
Bk 1.72
98 (251.08)
Cf 1.99
99 (252.08)
Es 2.03
100 (257.10)
Fm 101 (258.10)
Md 102
(259.1) No
103 (260.1)
Lr
4
試薬と実験器具リスト(課題2)
試薬リスト(太字が実際にラベルに書かれている記号)
危険性表示 (R)+ 安全性表示 (S)+ (salen)H2,a 約1.0 gb、バイアル入り R36/37/38 S26 S28A S37 S37/39
S45 Mn(OOCCH3)2 4H2O, 約1.9 gb、ガラス瓶
入り
R36/37/38 R62 R63 S26 S37/39
Lithium chloride solution, LiCl エタノー ル溶液(1M)12 mL、ガラス瓶入り
R11 R36/38 S9 S16 S26
Ethanol, 70 mL in a bottle
エタノール, 70 mL、ガラス瓶入り
R11 S7 S16
アセトン, (CH3)2CO, 100 mL、ガラス瓶入 り
R11 R36 R66 R67 S9 S16 S26
(salen*)MnClx,c 約3.5 mg/mLb溶液、約32 mL、ガラス瓶入り
KI3, 約0.010 M 水溶液,b 50 mL、ガラス瓶 入り, “I2”とラベルしてある
Ascorbic Acid(アスコルビン酸), 約0.030 M 水溶液,b 20 mL、ガラス瓶入り
1% Starch(でんぷん)水溶液, 2 mL、ガ ラス瓶入り
TLC plate(TLC板)5 cm × 10 cm シリカ ゲル TLC、ジッパー付きビニール袋に入 っている
+危険性表示、安全性表示については8ページを参照のこと
a (salen)H2:
OH
N N
OH
Name: Code:
b 正確な値がラベルに記載してある
c (salen*)MnClx (二つの置換基Rは同じでありH, COOH, SO3Hのいずれかである):
O
N N
O Clx Mn
R R
6 実験器具
共通して使用するもの:
• 天秤
• クランプ付きスタンド 個人コード番号のついたドラフトの中に置かれている
• ホットプレートスターラー、1台
• 300 mm 定規、1本
• 鉛筆、1本 キット #2:
• 250 mL 三角フラスコ、2個(1個は合成用、もう1個は結晶化用)
• メスシリンダー, 50 mL 、1個
• 20 mm の長さの卵形磁気撹拌子 、1個
• ブフナー漏斗、1個
• 円形ろ紙(ブフナー漏斗用、およびTLC展開槽用)
• 吸引ろ過に用いる125 mL 吸引フラスコ、1個
• 吸引ろ過に用いるゴム製アダプター、1個
• 0.5 L氷浴用プラスチック製バス 、1個
• ガラス棒、1本
• 1 mL プラスチックピペット、2本(右図参照)
• プラスチックスパチュラ、1本
• 反応生成物を入れるための、“Product”とラベルされた空の 4 mL バイアル、
1個 キット #3:
• 空のバイアル、3個 (TLCのための試料溶液用)
• 短いキャピラリー管 (100 mm)、10本、TLC 試料溶液スポット用
• 時計皿 (TLC 展開槽用) 、1枚
• 250 mL ビーカー(TLC 展開槽用)、1個 キット #4:
• すぐに使用できるように、共洗いしてある 25 mL ビュレット、1本
Name: Code:
• プラスチック製漏斗、1個
• 125 mL 三角フラスコ、4個
• 安全ピペッター、1個
• 10 mL ホールピペット、1本
• 5 mL ホールピペット、1本
8
危険性表示および安全性表示
(課題
2)R11 引火性が高い
R36/37/38 眼、 呼吸器系、皮膚を刺激する R62 生殖障害の恐れあり
R63 胎児に対して有害である危険性あり
R66 何度も触れると皮膚が乾燥してひび割れする可能性あり R67 蒸気に触れると眠くなったりめまいがしたりする可能性あり S7 密封容器内に保存する
S9 換気のよい場所で容器中に保存する S16 発火源から離して保管する
S26 眼に入ったらすぐ大量の水で洗い,医師の診察を受ける S28A 皮膚についたらすぐ大量の水で洗う
S37 扱う際には適切な手袋をはめる
S37/39 扱う際には適切な手袋をはめ、眼と顔を保護する
S45 事故が起きて気分が悪くなったら医師の診察を受ける
Name: Code:
課題2
全体の
22%
A B-i B-ii C-i C-ii Task 2 22%
10 15 4 4 2 35
Salen
マンガン錯体の合成と生成物の化学式の決定
ビス(サリチリデン)エチレンジアミン(salen)配位子を有する3d-ブロック元素の遷移 金属錯体は、有機合成における様々な酸化・還元反応の触媒として有効であることが知ら れている。
R OH
N N
HO R
(salen)H2, R = H
(salen*)H2, R = H, COOH, or SO3H
この反応においては、salen配位子が3d-ブロック元素の高酸化状態を安定化することが重 要である。特にマンガンsalen錯体については、反応条件によって、+2から+5の酸化状態 を有する錯体が得られる。この課題では、空気下エタノール中、塩化リチウムの存在下で、
(salen)H2と酢酸マンガン(II)を反応させることで、マンガンsalen錯体を合成する。この条
件では、(salen)MnClx(x = 0, 1, 2, 3のいずれか)が得られる。
この課題で行うことは (i)生成物の重量を求めること、(ii)生成物の純度を薄層クロマ トグラフィー(TLC)で評価すること、そして (iii)ヨウ素還元滴定を行うことにより、
金属の酸化状態を決定することである。還元滴定では、あらかじめ調製してある、今回合 成する錯体と類似な錯体((salen*)MnClx、ただしベンゼン環の置換基RはH, COOH, ある
いはSO3H)の溶液を用いる。
始める前に、今回の課題の記述を全て読むこと。時間内に課題を終わらせるためには、
いくつかの操作を並行して行う必要がある。
10 操作手順
A. (salen)MnClxの合成
OH
N N
HO + Mn(OOCCH3)2 + O2 + LiCl O
N N
O Clx Mn
(salen)MnClx
1) (salen)H2の結晶を2,3個バイアルに入れておく。これは後ほどTLC実験で用いる。
2) 用意されたあらかじめ重さを量ってある約1.0gの(salen)H2を、撹拌子と一緒に250 mL三角フラスコに入れる。さらに35 mLのエタノールを加える。
3) フラスコをホットプレートスターラーの上に置く。撹拌子でかき混ぜを続けながら、
固体が全て溶けるまで加熱する。(通常は固体を全て溶かすためにはエタノールが 沸騰するかしないかくらいに加熱する必要がある。)その後、ホットプレートの設 定温度を混合物の沸点近く(ただし沸点よりは下)に下げる。フラスコの口が熱く なり過ぎるのを避けるため、混合溶液が沸騰しないように注意する。もしフラスコ が熱くなりすぎて素手で持てない場合には、折りたたんだペーパータオルを用いる。
4) フラスコをホットプレートから下ろし、あらかじめ重さを量ってある約1.9gの
Mn(OAc)2·4H2Oを混合物に加える。それによって混合物の色は濃い茶色になる。素
早くフラスコをホットプレートに戻し、15分間加熱・かき混ぜを続ける。フラス コの口が熱くなり過ぎるのを避けるため、混合溶液が沸騰しないように注意する。
5) フラスコをホットプレートから下ろし、1M LiClエタノール溶液(12 mL, 過剰量)
を加える。ホットプレートにフラスコを戻し、10分間加熱・かき混ぜる。フラス コの口が熱くなり過ぎるのを避けるため、混合溶液が沸騰しないように注意する。
6) その後、フラスコをホットプレートから下ろし、30分間氷浴に浸して結晶化させ る。5分ごとにフラスコの壁面の液面より下の部分をガラス棒でそっとこすったり ひっかいたりして、(salen)MnClxの結晶化を促進させる。最初の結晶は、氷冷した らすぐに、あるいは10〜15分後に現れるだろう。
7) ブフナー漏斗と吸引フラスコを用い、ドラフト内に設置してある真空ライン(真空 口のバルブには“Vacuum”とラベルしてある)により、生成した結晶固体を吸引ろ 過する。真空ラインにつないで吸引したまま、ピペットを用いてアセトン数滴で結 晶を洗浄し、さらに10〜15分間吸引したままにして風乾する(空気で乾燥させ る)。
8) 固体の生成物をあらかじめ重さを量っておいた“Product”とラベルの貼ってある容器 に入れ、計量する。生成物の質量mpを下の解答欄の中に記入する。さらに、今回
Name: Code:
の合成で用いた以下の試薬の質量も記入する。(salen)H2, mSおよび Mn(OOCCH3)2·4H2O, mMn
9) ラベルの貼ってある容器をジッパー付きビニール袋に入れる。
生成物を入れる空のガラス瓶の質量: _______________ g 乾燥させた生成物を入れたガラス瓶の質量: _______________ g 生成物の質量, mp: _______________ g
(salen)H2 の質量(ガラス瓶のラベルに記載してある値を記入する), mS:
_______________ g
Mn(OOCCH3)2·4H2Oの質量(ガラス瓶のラベルに記載してある値を記入する), mS: _______________ g
12 B. 用意された (salen*)MnClxの化学式の決定
O
N N
O Clx Mn
(salen*)MnClx
O
HOH2C O
HO OH O
N N
O Mn
+ xHCl O
HOH2C O
O O
+ x/2
OH + x/2
HO
R R R R
R = H, COOH, or SO3H
安全ピペッターの使い方 1) ピペットの口を安全ピペッターの口に差し込む。
2) ゴム球のバルブを押し潰す。
3) 上向きの矢印のバルブを押して溶液をピペット内に入れる。
4) 下向きの矢印のバルブを押して溶液をピペットからフラスコに移しこむ。
注意:ピペットとビュレットはすぐ使えるように整備されており、
共洗いによる洗浄は不要である。
1) 用意された (salen*)MnClx溶液をホールピペットで 10.00 mL とり、125 mL 三角フ ラスコに入れる。
2) 1)の溶液に、ホールピペットで 5.00 mL のアスコルビン酸水溶液を加え、よく振 り混ぜる。3-4 分放置する。
3) 直ちに(アスコルビン酸が空気中の酸素によって酸化をうけることを避けるため)
ビュレットに入れた KI3溶液を用いて滴定を行う。1% starch(でんぷん)5滴を加 え、青色または青緑色が少なくとも30秒続いた点を終点とする。
4) 時間が許せば、測定値の精度を上げるために1~2回上記の測定を繰り返し行う。
測定した滴定値を次の表に書き入れよ:
Name: Code:
# ビュレットのKI3溶 液の最初の読みの
値、mL
ビュレットのKI3溶液 の最終の読みの値、
mL
消費されたKI3溶液量、
mL
1 2 3
14 i. 消費された KI3 溶液量として、滴定値のうちの一つあるいは平均値を下記に記入し、
次に行う (salen*)MnClxのモル質量計算に使用せよ。
計算に用いるKI3滴定量: _____________ mL
瓶のラベルに記されている (salen*)MnClxの濃度: mg/mL
瓶のラベルに記されているアスコルビン酸の濃度: M
Name: Code:
ii. i.で得た滴定値と下記の表を参考にして、xの値とマンガンの酸化数を計算し、salen
の置換基RがH、COOH、SO3Hのいずれかであるか決定し、下記の構造式の解答欄に、そ れぞれ記入せよ。
O
N N
O Clx Mn
x = ________
マンガンの酸化数:_________
R x (組成から計算した分
子量)/x, g/mol
H 1 357
H 2 196
H 3 143
COOH 1 445
COOH 2 240
COOH 3 172
SO3H 1 517
SO3H 2 276
SO3H 3 196
16 C. TLCを用いた(salen)MnClxの同定
1) 合成した(salen)MnClxの結晶を2、3個バイアルに入れ、プラスチックピペットを 用いてエタノールを数滴加えて溶かす。
2) 別のバイアルに(salen)H2の結晶を2、3個サンプル瓶に入れ、エタノールを数滴加 えて溶かす。
3) もし必要であれば、はさみ(scissors:アシスタントに申し出ればもらえる)を用い てビーカー内で展開するのに適当な高さになるようにTLC板を切る。
4) 大きい円形ろ紙をビーカーの高さと同じくらいになるように折り、あるいは切り抜 き、ビーカーの中に置く。この操作はビーカー内をエタノール蒸気で満たすために 必要である。まずエタノールを入れてろ紙を濡らし、さらにビーカーの底から3-4 mmの深さになるまでエタノールを加える。時計皿でビーカーにふたをする。
5) 開始線に鉛筆で印をする。
6) キャピラリー管を用いて両方の溶液をTLC板にスポットする。
7) 時計皿でふたをしたビーカーの中で、10-15分間TLCを展開する。
8) 鉛筆を用いて溶媒の到達線に印をし、さらにTLC板上の色のついたスポットにも 印をする。
9) TLC板を空気中で乾かし、ジッパー付きビニール袋に入れる
10) (salen)H2および(salen)MnClxの両方のRf値を計算する。
。
Name: Code:
i. TLC板の様子を答案用紙に描け。
ii. (salen)H2および (salen)MnClxのRf値を決定し、記録せよ。
Rf, (salen)H2: _____
Rf, (salen)MnClx: _____
作業が終了したら、以下のことを行うこと:
a) 廃液はLiquid Wasteと書かれた容器に入れる。
b) 使用済みガラス瓶はBroken Glass Disposalと書かれた容器に入れる。
c) 使用済みガラス器具は“Kit #2”、“Kit #3”、“Kit #4”と書かれた箱に戻す。