経済統計論
B:追試験
村澤 康友 2004年2月27日
注意:3問とも解答すること.なお平方根は大まかな近似でよい.
1. (20点)以下の用語の定義を式または言葉で書きなさい(各20字程度).
(a) 標本 (b) 統計量
(c) 尤度
(d) 第2種の誤り
2. (30点)母平均の推定に関して以下の問いに答えなさい(無作為標本を仮定してよい).
(a) 母平均と標本平均を定義しなさい.
(b) 「標本平均の期待値は母平均に等しい」ことを証明しなさい.
(c) 「標本平均は母平均の最も良い推定量である」と言う場合の「最も良い」とはどういう意味か?
3. (50点)ある大学で成績優秀者の公表を検討している.そこで無作為に抽出した10人の学生に意見 を求めたところ7人が反対であった.公表に反対の学生の割合をpとして,次の検定問題を考える.
H0:p= 0.5 vs. H1:p >0.5.
(a) (漸近検定)
i. 無作為標本を(X1, . . . , Xn)とする.標本比率X¯ の漸近分布を導出しなさい.
ii. H0の下でPr£X¯ ≥0.7¤
を求めなさい.
iii. 有意水準が何%以下ならH0はH1に対して棄却されるか?(この値をp値という)
(b) (厳密な検定)
i. 標本和S:=X1+· · ·+Xnの(厳密な)分布を導出しなさい.
ii. H0の下でPr[S≥7]を求めなさい.
iii. 有意水準が何%以下ならH0はH1に対して棄却されるか?
1. 統計学の基本用語
(a) 母集団のうち実際に観察される部分.
(b) 標本の関数.
(c) ある母数の下で標本の実現値を観測する確率(密度).
(d) H1が真なのにH0を採択する誤り.
2. 母平均の推定
(a) 母集団分布のpdfをf(.),標本を(X1, . . . , Xn)とする.母平均は µ:=
½ P
xxf(x) (離散)
R∞
∞ xf(x)dx (連続) . 標本平均は
X¯ := 1 n
Xn
i=1
Xi.
(b)
E¡ X¯¢
= E Ã1
n Xn
i=1
Xi
!
= 1
n Xn
i=1
E(Xi)
= 1
n Xn i=1
µ
= µ.
(c) 線形不偏推定量の中で分散が最小(正規母集団なら不偏推定量の中で分散が最小).
3. 母比率の検定 (a) (漸近検定)
i. 中心極限定理より
X¯ ∼aN µ
p,p(1−p) n
¶ . ii. Z ∼N(0,1)とすると
Pr£X¯ ≥.7¤
= Pr
"
X¯ −.5
p.5(1−.5)/10 ≥ .7−.5 p.5(1−.5)/10
#
≈ Pr h
Z ≥.2√ 40
i
= Prh Z ≥√
1.6i
≈ Pr[Z≥1.26]
≈ .10383.
iii. 10%.
(b) (厳密な検定)
2
i. Bin(n, p)のpdfは
Pr[S=s] =nCsps(1−p)n−s. ii.
Pr[S= 7] = 10C7(.5)10
= 10·9·8 3·2
1 210
= 120 1024, Pr[S= 8] = 10C8(.5)10
= 10·9 2
1 210
= 45
1024, Pr[S= 9] = 10C9(.5)10
= 10
1024, Pr[S= 10] = 10C10(.5)10
= 1
1024. したがって
Pr[S≥7] = 176 1024
= .171875.
iii. 17%.
※答案は返却します.採点や成績に関する質問にも応じます.オフィスアワーの時間(水・金の昼休み)
に研究室まで来てください.
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