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社団法人 日本機械工業連合会 社団法人 日本ロボット工業会

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(1)

日機連20先端-15

平成20年度

石油化学コンビナートのメンテナンス作業への RT 適用に関するニーズ調査研究報告書

平成21年3月

社団法人 日本機械工業連合会 社団法人 日本ロボット工業会

この事業は、競輪の補助金を受けて実施したものです。

http://ringring-keirin.jp/

(2)

我 が 国 機 械 工 業 に お け る 技 術 開 発 は 、戦 後 、既 存 技 術 の 改 良 改 善 に 注 力 す る こ と か ら 始 ま り 、や が て 独 自 の 技 術・製 品 開 発 へ と 進 化 し 、近 年 で は 、科 学 分 野 に も 多 大 な 実 績 を あ げ る ま で に な っ て き て お り ま す 。

し か し な が ら 世 界 的 な メ ガ コ ン ペ テ ィ シ ョ ン の 進 展 に 伴 い 、中 国 を 始 め と す る ア ジ ア 近 隣 諸 国 の 工 業 化 の 進 展 と 技 術 レ ベ ル の 向 上 、さ ら に は ロ シ ア 、イ ン ド な ど B R I C s 諸 国 の 追 い 上 げ が め ざ ま し い 中 で 、我 が 国 機 械 工 業 は 生 産 拠 点 の 海 外 移 転 に よ る 空 洞 化 問 題 が 進 み 、技 術・も の づ く り 立 国 を 標 榜 す る 我 が 国 の 産 業 技 術 力 の 弱 体 化 な ど 将 来 に 対 す る 懸 念 が 台 頭 し て き て お り ま す 。 こ れ ら の 国 内 外 の 動 向 に 起 因 す る 諸 課 題 に 加 え 、環 境 問 題 、少 子 高 齢 化 社 会 対 策 等 、 今 後 解 決 を 迫 ら れ る 課 題 も 山 積 し て お り 、 こ の 課 題 の 解 決 に 向 け て 、 従 来 に も 増 し て ま す ま す 技 術 開 発 に 対 す る 期 待 は 高 ま っ て お り 、機 械 業 界 を あ げ て 取 り 組 む 必 要 に 迫 ら れ て お り ま す 。

こ れ か ら の グ ロ ー バ ル な 技 術 開 発 競 争 の 中 で 、我 が 国 が 勝 ち 残 っ て ゆ く た め に は こ の 力 を さ ら に 発 展 さ せ て 、新 し い コ ン セ プ ト の 提 唱 や ブ レ ー ク ス ル ー に つ な が る 独 創 的 な 成 果 を 挙 げ 、世 界 を リ ー ド す る 技 術 大 国 を 目 指 し て ゆ く 必 要 が あ り ま す 。幸 い 機 械 工 業 の 各 企 業 に お け る 研 究 開 発 、技 術 開 発 に か け る 意 気 込 み に か げ り は な く 、方 向 を 見 極 め 、ね ら い を 定 め た 開 発 に よ り 、今 後 大 き な 成 果 に つ な が る も の と 確 信 い た し て お り ま す 。

こ う し た 背 景 に 鑑 み 、弊 会 で は 機 械 工 業 に 係 わ る 技 術 開 発 動 向 調 査 等 の テ ー マ の 一 つ と し て 社 団 法 人 日 本 ロ ボ ッ ト 工 業 会 に「 石 油 化 学 コ ン ビ ナ ー ト の メ ン テ ナ ン ス 作 業 へ のRT適 用 に 関 す る ニ ー ズ 調 査 研 究 」を 調 査 委 託 い た し ま し た 。 本 報 告 書 は 、 こ の 研 究 成 果 で あ り 、 関 係 各 位 の ご 参 考 に 寄 与 す れ ば 幸 甚 で す 。 平 成 2 1 年 3 月

社 団 法 人 日 本 機 械 工 業 連 合 会 会 長 金 井 務

(3)

はしがき

我が国の製造業を高度に成長させ、発展させて世界の一流先進国としての地位を築けた のは、化石燃料資源を有効に活用することを可能とした、いわゆる石油コンビナート事業 であります。特に1955年から1973年までの高度成長期時代には、全国で幾多の石 油コンビナートが設置され、日本の産業基盤育成や国力増強の基礎となったとことは、誰 もが認める事実であります。

しかし、その後四~五十年が経ち、コンビナートを構成する多くのプラント設備は長い 年月経過による劣化などが顕在化してきていることも事実であります。当然メンテナンス 作業や設備改善などによって、プラント機能・性能は維持されてきていますが、近年の少 子化や熟練技術者の高齢化・環境資源問題などにより、特にメンテナンス作業を従来どお りに実施することに支障が生じることが予想されています。

一方、近年の技術進歩の成果として、ロボット技術の進展は著しく、特に人と共存出来 る「次世代ロボット(サービスロボット)」が話題となり、新技術開発も盛んに行われて おります。このロボットテクノロジ(RT=Robot Technology)を活用し、人手作業とR Tによる作業を有効に組合せてプラント設備をメンテナンスすることの可能性を調査す ることは、今後、海外メーカとの競争に勝ち残り、日本の国力を維持、発展させると言う 観点からも重要な視点であると考えます。

本調査事業では、国内の石油コンビナートを中心に顕在化しつつあるプラント設備の高 経年化問題を解決し、人員不足や技能伝承などの人材問題を解消して、更には、安心・安 全、生産性向上に資する合理化・高度化を維持することを目的として、我が国が強みを有 するRTの適用可能性を調査、検討し、我が国の根幹をなすコンビナート産業の維持強化 と次世代ロボット産業の育成、発展を目指したいと考えます。

最後に、本事業の遂行にあたり、経済産業省及び関係機関のご指導と本事業を当会へ委 託された社団法人日本機械工業連合会のご高配に深謝するとともに、本事業にご協力頂い た「石油化学コンビナートのメンテナンスRT化調査研究専門委員会」(委員長:大道武 生 名城大学 教授)の委員各位のご尽力に対し、衷心より厚く御礼申し上げる次第であ ります。

平成21年3月

社団法人 日本ロボット工業会 会 長 利 島 康 司

(4)

石油化学コンビナートのメンテナンスRT化調査研究専門委員会名簿 委員名 機関名・所属・役職

委員長 大道 武生 名城大学 理工学部 機械システム工学科 教授 委 員 朝倉 紘治 (財)エンジニアリング振興協会 研究理事

委 員 足立 尚樹 ロボットビジネス推進協議会 ビジネスマッチング部会 (コンビナートRT・WG 幹事)

委 員 紺野 臣郞 石油連盟 技術環境安全部 参与 委 員 岩間 啓一 石油化学工業協会 技術部長

委 員 長井 和美 日本メンテナンス工業会 事務局長 委 員 中村 昌允 東京農工大学大学院 教授

委 員 油田 信一 筑波大学 教授

委 員 濱田 彰一 (社)日本ロボット工業会 技術部長

オブザーバ

藤沼 良夫 茨城県工業試験センター 原田 憲治 浜松市商工部産業政策課

今井 靖典 岡山県産業振興財団開発支援G 横森 万 三重県四日市センター

小笠原 伸 早稲田大学 Wabot House

細見 成人 次世代ロボット開発ネットワーク RooBO(運営委員長)

伊藤 嘉浩 中部経済産業局企業育成総合支援室 中平 大 中部経済産業局企業育成総合支援室 森安 輝 中国経済産業局次世代産業課

田中 幸仁 資源エネルギー庁 石油・天然ガス課

<コンビナートのメンテナンスRT化課題調査WG(鹿島コンビナート)>

委 員 朝倉 紘治 (財)エンジニアリング振興協会 研究理事

委 員 足立 尚樹 ロボットビジネス推進協議会 ビジネスマッチング部会 (コンビナートRT・WG 幹事)

委 員 紺野 臣郞 石油連盟 技術環境安全部 参与 委 員 長井 和美 日本メンテナンス工業会 事務局長 委 員 中村 昌允 東京農工大学大学院 教授

委 員 油田 信一 筑波大学 教授

<コンビナートのメンテナンスRT化課題調査WG(水島コンビナート)>

委 員 足立 尚樹 ロボットビジネス推進協議会 ビジネスマッチング部会 (コンビナートRT・WG 幹事)

委 員 紺野 臣郞 石油連盟 技術環境安全部 参与 委 員 長井 和美 日本メンテナンス工業会 事務局長 委 員 岩間 啓一 石油化学工業協会 技術部長

委 員 中村 昌允 東京農工大学大学院 教授 委 員 油田 信一 筑波大学 教授

(5)

<参考>

ロボットビジネス推進協議会「コンビナートのRT活用検討WG」のメンバー(敬称略)

篠崎(北九州市)、橋本(MSTC)、大築(NIRO)、佐野(㈱東芝テック)、中井(㈱

三井リース)、吉村(㈱日立プラント)、田中(川崎重工業㈱)、横山(㈱安川電機)平野(㈱

ライトウェア)、味岡(㈱エッチャンデス)、榊原(神鋼電機㈱)

(6)

目 次

・序

・はしがき

・石油化学コンビナートのメンテナンスRT化調査研究専門委員会名簿

第1章 調査研究の概要

1.1 調査研究の目的 ・・・・ 1

1.2 調査研究の概要 ・・・・ 1

1.3 調査研究の体制 ・・・・ 1

第2章 コンビナート経営環境変化と迫られる対応 2.1 造る時代からメンテナンス(維持・管理・保全)の時代へ ・・・・ 2 2.2 基幹産業の維持・強化と次世代産業の育成 ・・・・ 7

2.3 イノベーションを促す異業種連携・広域連携 ・・・・ 7

第3章 コンビナートの現状 3.1 コンビナートの概要 ・・・・ 9

3.2 石油精製業の現状 ・・・・ 10

3.3 石油化学業の現状 ・・・・ 18

3.4 プラントエンジニアリング業の現状 ・・・・ 22

第4章 プラントメンテナンスの現状 4.1 プラント高経年化 ・・・・ 25

4.2 コンビナートにおけるプラントメンテナンス ・・・・ 25

4.3 労働安全 ・・・・ 28

4.4 政府の取組 ・・・・ 28

第5章 プラントメンテナンスの新しい視点 5.1 なぜRT×メンテナンスなのか ・・・・ 30

5.2 プラントメンテナンスのパラダイム転換 ~考え方(文化)の変換~ ・ 30 5.3 生産性向上に向けた人と技術の役割分担の再定義 ・・・・ 32

5.4 異業種・他分野の技術導入の必要性 ・・・・ 32

5.5 タスクオリエンテッドとは ・・・・ 33

第6章 安全管理について 6.1 リスク管理の重要性について ・・・・ 35

6.2 人と技術の役割 ・・・・ 37

6.3 リスク管理手法を用いたプラントメンテナンス ・・・・ 43

第7章 ロボット業界の最新動向 7.1 産業用ロボットの現状 ・・・・ 46

7.2 次世代ロボット(サービスロボット)の開発状況 ・・・・ 48

(7)

7.3 ロボットビジネス化の取組状況 ・・・・ 52 7.4 コンビナートのRT化の取組について ・・・・ 54 第8章 コンビナートの共通課題

8.1 現地調査ヒアリング及びアンケート結果集計 ・・・・ 55 8.2 モデルプロジェクト ・・・・ 61 8.3 各地域の取組紹介 ・・・・ 63 第9章 提 言 ~今後の取り組みへの期待~

9.1 異業種・他分野との交流促進、技術導入 ・・・・ 68 9.2 オールジャパンでの広域連携、地域間のアライアンス構築 ・・・・ 68 9.3 プロジェクト化に向けたアクションプラン ・・・・ 68 9.4 枠組みの維持、機関連携のために ・・・・ 69 9.5 メンテナンスビジネス・技術の他分野への展開 ・・・・ 69

<添付資料>

(1)石油化学コンビナートのメンテナンスRT化調査研究専門委員会 ・・・・ 70 議事録(第1回~第3回)

(2)【RooBO 広域連携マッチング会】コンビナートにおけるRT活用の

可能性 東京セミナー講演資料 ・・・・ 78 ① 安全管理の重要性について 東京農工大学 中村 教授 ・・・・ 79

② ニーズからみた石油化学コンビナートの

メンテナンスにおけるRT活用 ・・・・ 95

・名城大学 大道 教授 (石油化学コンビナートのメンテナンス RT化調査研究専門委員会委員長)

③ 石油コンビナートのメンテナンスにおけるRT活用に関する

RooBOからのシーズ紹介 ・・・・ 117 ・次世代ロボット開発ネットワーク RooBO 運営委員長 細見成人氏

④ パネルディスカッション資料

・筑波大学 油田 教授 ・・・・ 126

・日本メンテナンス工業会 長井事務局長 ・・・・ 129

(8)

第1章 調査研究の概要 1.1 調査研究の目的

本調査研究では、国内石油コンビナートを中心に顕在しつつある「プラント設備の高経 年化問題」或いは「人員不足や技能伝承などの人材問題」、「安心・安全、生産性向上に資 する合理化・高度化の課題」や「環境資源問題」などの諸問題に対し、我が国が強みを有 するロボットテクノロジ(以下本報告書ではRT* 1(或いはロボ・テク)と記す)の適用 可能性を検討し、我が国基幹産業の維持強化と次世代産業の育成を目指すことを目的とす る。

* 1:ロボットは(センサ系・駆動系・知能系)の三つの要素を持ったシステム製品である。

ここで記すRT(=ロボットテクノロジ)は、一体のロボットを指すだけではなく、ロボ ットを構成する要素技術全てを含んで称している。

1.2 調査研究の概要

① メンテナンス作業等へのRT利用のニーズ調査

石油精製・化学企業が抱えているメンテナンス作業等の課題に対し、コンビナート現地 の調査を実施(鹿島・水島など)し、具体的なRTニーズを聴取した。なお、調査実施に あたっては、各コンビナートでのお互いのニーズの技術的な横通しを図ることを目的に地 域関係者なども参加した。これらの調査は「調査研究専門委員会」の下に「課題検討WG」

を設置し、調査結果の整理・まとめを行った。

② 各 地 域 間 連 携 を 踏 ま え た コ ン ビ ナ ー ト メ ン テ ナ ン ス 作 業 等 へ の R T 適 用 の あ り 方

(まとめ)

掘り起こしたニーズについて調査研究専門委員会で討議し、今後のRT適用推進方策の 検討や評価・まとめを行った。

<注記>

メンテナンス作業等へ適用するRTシーズについては、RTニーズを具体的にどう展開、

解決するか、などの詳細検討が必要である。具体的にはロボットビジネス推進協議会の会 員で構成する「RT活用検討WG」を設置し、各課題ニーズに対応するRTによる解決策 策定方針等の検討を行った。

(なお、このWGは本調査研究の事業予算外にて活動を行った)

1.3 調査研究の体制

コンビナートの業界団体職員や有識者、RT専門家などで構成する「石油化学コンビナ ートのメンテナンスRT化調査研究専門委員会」を当工業会内に設置し、現場ニーズ調査 とその整理を行った。

なお、コンビナート企業が解決を望んでいるメンテナンス作業の問題点などのニーズは、

「課題検討WG」で検討を行うとともに「コンビナートRT適用のアンケート調査」を実 施し、実情を把握した。

(また、各ニーズを解決するRTシーズに関しては、ロボットビジネス推進協議会ビジネ スマッチング部会の「RT活用検討WG」[=別事業]で検討を行った)

(9)

第2章コンビナート経営環境変化と迫られる対応

2.1 造る時代からメンテナンス(維持・管理・保全)の時代へ

(1) 経済構造の変化

我が国の人口構造は急速に変化している。総人口は2005年をピークに減少に転じ、

特に生産や消費を支える生産年齢人口(15 歳~64 歳)は2005年の8442万人から2 030年の最も楽観的な予測でも6875万人に減少すると見られている。(厚生労働省平 成 19 年社会保障審議会資料による)

また低成長経済、収縮経済の中で輸出減少などの影響が顕著に出始めており、構造変換 が待ったなしで求められている。そのような背景の中、設備投資の伸び率は平成18年度 をピークに暫減傾向にあり、平成20年度後半からの急激な経済状況の変化を考えれば、

さらに下降線をたどることは容易に想像できる。

一方、基礎素材産業の設備投資の中身を見ると、平成19年度に比べ、平成20年度の 設備投資計画では生産増強に向けられた費用は大きく減り、更新維持補修の費用が伸びて いる。つまり、設備を新設、更新するのではなく、長く丁寧にメンテナンスする時代に入 ったことが見て取れる。

図2-1 生産年齢人口(15~64 歳)の推移と将来見通し

(2) 経営環境変化への対応

経済構造の変化に伴って経営環境も変化している。設備投資予算が限られる中、基礎素 材産業の設備投資の中身を見ると技術革新につながる研究開発に大きな伸びが見られるが、

これは、経営者が技術革新による競争力の増強が重要であると意識していると考えられる。

しかしながら一方で研究開発投資が必ずしも成長要因に結びついておらず、研究開発の

(10)

質が問われる時代に入ったと言える。

このような認識に立った時、今回テーマとする石油精製、石油化学を中心とした石油コ ンビナート分野においても課題は共通しており、技術革新(イノベーション)を伴って足 腰の強い産業として成長することが求められている。

図2-2 機種別設備投資計画の伸び率推移(各年度3月調査時点での翌年度計画)

平成 20 年 3 月 31 日現在における経済産業省設備投資調査

(11)

図2-3 製造業における目的別設備投資の伸び率、構成比

(12)

(3) プラントオーナー企業の環境変化への対応

高度な石油精製技術にて得られるサルファーフリーのガソリン、軽油、各種の重油等は 社会を支える重要なエネルギー源であり、また石油化学工業からの各種製品は現代社会に おける基礎素材としてなくてはならないものとなっている。しかしながらその基礎分野に おける技術・マーケットの成熟化も進行しており、国内において設備のスクラップ&ビル ドを期待することはできない。このような状況下において、我が国の高度な操業技術とメ ンテナンス技術で既存設備の劣化を防止し、かつ高効率で長期に稼動させることが重要と なってくる。つまり「造る時代からメンテナンス(維持・管理・保守)の時代へ」という 大きな時代の変化の中でメンテナンスを長期的な視点で捉える経営が求められている。

図2-4 研究開発投資の効率<質>の伸び悩み

出所:産業構造審議会産業技術分科会資料

(4) 今求められている国際競争力とは何か・・・攻めのサービス産業としてのメンテ ナンス業

一方、メンテナンスに対するニーズが大きくなるにつれて、メンテナンス業が国際競争 力を伴った成長を実現する方策も求められてくる。技術開発投資の効率が上がらないとい う認識についてはすでに述べた。それでは、企業の研究、開発部門の現場はこのような状 況をどう捉えているのであろうか。平成15年度経済産業省「我が国の産業技術開発力に 関する実態調査」を見ると、外部の多様な知との融合の重要性が増大した結果、従来の1 社での基礎研究→応用研究→開発・事業化というモデルが崩れ、そこに対応しきれない状 況が見て取れる。

(13)

図2-5 リニア型の限界(1社で賄うことの限界)

(5)本調査事業の目指すもの

こういった状況を踏まえながら、本調査事業では、次世代産業とって有望な技術シーズ として、日本の強みでもあるRTが、メンテナンス業に積極的に導入されることによって、

技術に立脚したイノベーションが起こりえるのかどうかを俯瞰しながら、同時に課題(ニ ーズ)を抽出し、課題解決のプロセスを提示したいと考えている。

(14)

2.2 基幹産業の維持・強化と次世代産業の育成

(1) グローバル競争~外的要因~

石油コンビナートは我が国の基幹となる製造拠点である。石油関係では近年、アジア、

ロシア、南米、中東においても製造拠点が展開され、生産が増大している。これら、新興 国、地域との競争下におかれる一方、日本企業はエンジニアリングも含めて海外展開を強 化しており、それら外的要因への即応性のある対応が求められている。

(2) 人材確保・育成の課題~内的要因~

人口の減少、特に若年層の減少は顕著である。その中で様々な課題が人材確保、育成に おいて顕在化してきている。例えば、学校をはじめとした教育現場と生産現場との乖離、

つまり、生産現場で求める人材が教育現場で育っていないという現実や生産現場でOJT などを通じて行われてきた企業内教育が以前に比べて成果があがりにくくなっている現状 などがある。このような人的環境のなかで、ベテラン技術者が持っていた経験からもたら される職人技が充分伝承されず、一方でデータ化やマニュアル化への過度な依存から、既 存データ以外の事柄、マニュアルが想定していない事柄への応用力が低下している。

(3)RTからのアプローチ

上記(1)(2)のような外的要因、内的要因に対応する手立てとして情報通信技術、

ナノ技術などの次世代技術の活用、或いは今回は特にRTを活用した新しい発想と工学的 アプローチを明らかにすることが課題解決の戦略の一つであると考える。

2.3 イノベーションを促す異業種連携・広域連携

(1) 異業種連携の意義―――真の競争相手はどこにいるのか。

大容量無線通信技術の実用化など、いよいよ情報化社会を支える基盤が整ってきた。ま た、前述したように我が国の産業はグローバルな展開の中で存在意義を問われている。さ らに、国内では、「日本は今後も技術立国あり得るのか」という危機意識が真剣に議論され ている。このような認識に立てば、今までの縦割りの業種内の議論だけではなく、横断的 で戦略的な異業種連携が今こそ、求められていると言える。

(2) 広域連携の意義-選択と集中

前述したように研究開発投資の効率化を図るために、またリニア型の 1 社で全てを賄う 時代から、今後は事業のコアコンピタンスへの集中的な人、金、モノの投入が企業生き残 りの鍵となる時代へと移行している。そうであるならば、コアでない部分については、企 業の垣根を越えて、例え競合会社であっても情報共有、共同開発などが今以上に求められ てくるであろう。これを可能にするのが地域を越えた広域連携である。情報化社会の現代 において、全国の同じニーズ、課題を共有して、解決策を見出す方策は充分考えられる。

これら、地域を越えた横断的な取組み、戦略的な広域連携が求められていると言える。

(3) 次世代産業としてのロボット分野とRTからのアプローチ

平成16年に経済産業省において策定され新産業創造戦略では、以下の視点から国家戦 略分野としてロボットが掲げられており、我が国が強みを有する高度部品・材料産業集積 と、ものづくりに不可欠な要素技術のネットワーク化を通じた迅速且つ高度なすり合わせ を活かせる次世代の成長産業として期待されている。(図2-6参照)

・新産業創造戦略と次世代の成長産業としてのロボット分野の視点は以下が挙げられる。

(15)

○日本経済の将来の発展を支える戦略分野であること

○国民ニーズが強いもの、社会ニーズが強いもので、今後潜在需要を掘り起こせる分野 であること

○単に最終財・サービスとしての市場だけでなく、素材・材料加工・部品など川下から 川上まで、大企業から中堅・中小企業まで、大都市から地方まで、広範な広がりがあ って、我が国が持つ産業集積の強みを活かせる分野であること

○ 市 場 メ カ ニ ズ ム に よ る 競 争 の ダ イ ナ ミ ズ ム だ け で は 発 展 し に く い 障 壁 や 制 約 も 抱 え ており、成長の加速化と障害の除去のために、官民の一体的な取組を通じた政策の総 合展開が求められている分野であること

図2-6 先端的新産業分野

出展:経済産業省 新産業創造戦略概要より一部抜粋 しかし、現在RTは、研究者を中心としたシーズ先行の取組や、二足歩行ロボットなど が話題となるなど、新たなユーザ産業への導入が進んでおらず、次世代ロボット産業の市 場が開拓されているとは言い難い状況にある。

今回は、そのような状況を踏まえると共に、上記2.2のような外的要因、内的要因に 対応するため、ロボットを構成する要素技術(ロボットテクノロジ=RT)に焦点を当て、

プラントメンテナンスにおける新しい発想と工学的アプローチなどの可能性を探るもので ある。

(16)

第3章 コンビナートの現状 3.1 コンビナートの概要

コンビナートとは、一定の地域に企業、工場が相互に密接な関連をもって原料、燃料、

電力、道路・港湾設備等を共有しながら立地する形態を言う。種々な業種のコンビナート があり、例えば製鉄を中心とした鉄鋼コンビナート、食品関連の工場・流通関連を中心とし た食品コンビナート、石油関連を中心とした石油精製・石油化学コンビナート等がある。最 近は液晶パネル製造、家電製品組み立てを中心とした液晶コンビナートが有名である。

本報告書が対象とするのは、上記のうち石油精製・石油化学企業のコンビナートであり、

現代日本のエネルギー供給を支える一方、自動車や家電製品の部材としてなくてはならな い様々なプラスチックなどを供給する分野である。我が国の石油コンビナートの全体体系 ブロックを図3-1に示す。

日本は、石油精製・石油化学工業の原料となる原油の99.7%、年間2.4億 KL の原 油を大型タンカーにて中東等から輸入している。輸入された原油は、臨海工業地帯にある 製油所にて常圧蒸留塔と呼ばれる設備によって各成分に分離され、更に硫黄等の不純物が 除去されてガソリン、灯油、軽油、重油等として、自動車、暖房、発電所の燃料として使 われている。また原油を精製する際に副生するナフサは、製油所に隣接して立地する石油 化学工場に供給され、熱分解によりエチレン、プロピレン等の基礎化学製品となり、更に 様々な化学反応をへて各種の化学品、プラスチックの原料となる。

図3-1 我が国の石油コンビナート体系ブロック図

海外では石油精製企業が石油化学分野まで、または石油化学企業が石油精製部門までを 一貫して行う場合が多いが、日本では一部を除いて石油精製部門と石油化学部門は別な企 業体が運営している。しかしながらこのような形態では、エネルギー・留分の利用が最適 化されず、無駄が目立つ状況となってきた。このため最近は、石油精製企業と石油化学企

ナフサ

ガソリン

灯軽油、

重油等

分解 合成

化学品

合成樹脂

樹脂加工業 合成繊維工業

(25%)

石油精製 石油化学

輸入ナフサ

(65%)

(10%)

(100%)

蒸留 精製 原油

ナフサ

ガソリン

灯軽油、

重油等

分解 合成

化学品

合成樹脂

樹脂加工業 合成繊維工業

(25%)

石油精製 石油化学

輸入ナフサ

(65%)

(10%)

(100%)

蒸留

精製

原油

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業にてそれぞれの熱源や留分を相互に活用してより付加価値の高い製品を製造する動きが 広がっている。更に、業種の違いを超えて電力などのエネルギー産業、鉄鋼業等と副産物 の相互利用、各種熱源、電力供給設備、道路・港湾等の物流設備の共有・連携による強化が 議論されている。

石油精製・石油化学工業は、主原料の原油が輸入に頼らざるを得ないことから主として 臨海工業地帯に立地している。しかし石油化学産業の下流部門にあたる樹脂加工業等の製 品は、大きく嵩張る事から消費者への物流が容易な消費地近く立地する場合が多い。大阪、

東京近郊にはこのような工場が数多く立地している。

3.2 石油精製業の現状

(1) 我が国の石油製品供給体制

石油は我が国の経済にとって必要不可欠なものであるが、我が国の99%以上は輸入に 依存しており、米国に次ぐ世界第2位の原油輸入大国である。

このように海外に原油を依存し、国内の石油製品需要への供給を安定的に行うためには 我が国の石油製品供給体制は、これまで国内生産を基本として、製品輸入は不足分を補完 する消費地精製方式を採用していた。

図3-2 我が国の製油所の蒸圧蒸留装置能力

(18)

石油業法廃止後も、供給安定性、供給効率性、品質確保の面から、原油を輸入し、精製 処理して石油製品を供給する消費地精製は現実的な方式として定着している。

我が国の石油製品需要は、高度経済成長と共に堅調に推移してきたが、2度にわたる石 油危機を境に、重厚長大産業傾斜の需要構造は大きく変化し、電力向け需要の大幅な減少 と LNG 化が進み、運輸部門、民生部門の需要が堅調に伸び、石油製品の需要構造は重油 から中間留分であるガソリン軽油、ガス等へ白油化が進んだ。

この間、日本の石油産業は国内の需要構造の変化に弾力的に対応するため重質油分解装 置等の2次装置を導入し、設備の高度化を図り石油製品の安定供給に対応できたのも消費 地精製方式によるものが大きい。

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図3-3 原油処理能力と稼働率の推移

(2) 国際石油情勢

主要原油スポット価格、OPECバスケット価格は2007年1月に1バレル55ドル前 後をつけた後、2007年は右上がりに上昇を続け、遂に年明けの2008年1月には一 時100.09ドルと初めて100ドルを超える値をつけ、1年間で実に40ドル以上の 値上がりとなった。更に2008年7月3日には米国原油 WTI は145.29ドルを記 録し、7月11日には時間外で147.27ドルを記録した。

この原油価格高騰は、中国、インド等の新興国の経済発展による石油需要増加傾向等の ファンダメンタル面に加えて、イラク国内の混乱等産油国における地政学的リスクの高ま り、米国メキシコ湾岸の原油生産施設を直撃したハリケーン、米国精製設備の老朽化によ るトラブルが価格高騰の上昇要因となった。この原油価格上昇とサブプライムローン(米 国の低所得者向け住宅融資)問題に起因するドル安が、年金ファンド等の投機資金を株式 市場から金、原油等の現物市場に流入させる結果となった。このため、世界の原油取引の 指標となるニューヨークマーカンタイル取引所でのWTI原油取引は、これらの資金投入 によって記録的に大きく影響されることになった。

しかし、サブプライムローンの焦げ付き問題は、2007年に米国地方銀行の破産等に よって顕在化したが、やがて、2008年夏ごろから世界の金融機関を連鎖的に波及して きた。特に2008年9月の米大手証券リーマン・ブラザーズの経営破綻をきっかけに金 融市場が機能不全に陥り、世界の株安や金融機関の経営悪化などの混乱を招き、貸し渋り や消費者心理の悪化を通じて、世界の経済活動に影響を及ぼして実体経済の悪化が始まっ た。

この金融の信用収縮を受けた世界の急激な景気後退で、状況は一変、需要が急減したた め、素材、最終製品を問わず広範囲にわたる製造業の生産設備に過剰感が強まった。石油 製品需要は2008年9月以降、急激に落ち込み、中東産油国の原産効果を上回る速さで 燃料需要、ナフサ等の原料需要が減退した。この石油製品需要の減退を受けて原油先物市 場は7月の最高値をつけた後、10月には100ドル台を割り、12月には40ドル台を 割り込む動きを見せ、リーマンショックから6割強も下がった。現在、2008年1月時 点では40ドル後半で推移している。

(20)

(3) 地球温暖化対策

① 製油所の地球温暖化対策

京都議定書は、大気中の温室効果ガスの安定化を目的とする「気候変動枠組条約」の内 容を具体化するため、97年12月の COP3京都会議で採択された国際条約で、先進国に 法的拘束力を持つ温室効果ガスの削減目標(2008年~2012年で90年比 EU8%、

米国 7%、日本 6%の削減)を定めた。

これを受けて、日本では地球温暖化対策推進法に基づく「京都議定書目標達成」(20 05年4月閣議決定)に従って、わが国の6%削減約束の確実な達成を目指している。石 油産業関連の対策としては、①コンビナート等における複数主体の連携②バイオ燃料の利 用促進③サルファーフリー燃料の導入④クリーンディーゼル車の普及⑤石油の効率的利用 の促進などを要請されている。

石油産業としては、地球温暖化対策は経済と環境の両立を基本原則として、経団連自主 行動計画の確実な達成に向けて、1997年2月に「石油業界の地球環境保全自主行動計 画』を策定した。 2010年度を目標年次に「製油所エネルギー消費原単位」の改善の 数値目標達成に取り組んでいる。特に製油所の省エネルギーについては、熱回収の高度化、

設備の効率化、最適化等の推進により、2006年度の「製油所エネルギー消費原単位」

で1990年度比15%改善した。

2007年10月、今後の石油需要の減少を踏まえ、2010年度までに製油所から排 出される CO2を90年度比10%削減する目標を13%に引き上げた。

図3-4 地球環境保全自主行動計画

② ガソリン・軽油のサルファーフリー化

ディーゼル車から排出される窒素酸化物(NOx)やすす・粉塵などの粒子状物質(PM)

による大気汚染の悪化が大きな社会問題となったため、1989年にディーゼルトラック やバスから排出される NOx、PM を段階的に削減していく排ガス規制の強化が打ち出さ れた。

石油業界は、それまで0,5%(5000ppm)以下であった硫黄分を92年から0.2%

(21)

(2000ppm)、97年10月から0.05%(500ppm)までに低減してきた。

2006年11月、DPF(ディーゼル微粒子除去装置)が前倒して実施されたことに伴 い、硫黄分を2004年末までに0.005%(50ppm)以下とする規制が設けられた。

石油業界は、軽油深度脱硫装置等の新設、脱硫設備の改造等、設備投資の前倒しによる 努力の結果、国の規制(2004年)より1年9ヶ月早い2003年4月から50ppm の 軽油の全国供給を自主的に開始した。

更なる低硫黄化に向けて、2002年1月の東京都の環境基本計画、2003年6月、

国の石油製品品質小委員会のガソリン、軽油のサルファーフリーの答申があり、石業界界 は世界に先駆けて2005年1月より硫黄分10ppm 以下のサルファーフリーガソリン、

軽油の全国供給を開始した。

ガソリン、軽油の硫黄分のサルファーフリー化は、自動車排ガス中の NOx、PM 排出 量の削減に貢献するだけでなく、排ガス処理装置の装備によって、エンジンの燃費性能が 最大限に引き出されて燃費の向上に役立ため、地球温暖化対策としての CO2 の削減に寄 与することになる。

③ バイオマス燃料の取り組み

農作物や木材等を原料とするバイオマス燃料は、燃焼時に発生する CO2 の排出量が計 上されないカーボンニュートラル効果の点から、地球温暖化対策には有効なエネルギーで ある。

石油業界は、資源エネルギー庁の要請に基づき、2006年1月、この計画の実現に向 けて、バイオエタノール36万 KL(原油換算21万 KL)のバイオエタノールをバイオ ETBE としてガソリンに配合することを決定した。

バイオ ETBE方式は、エタノール直接混入方式と異なり、ガソリンのエタノールの相分 離によるオクタン価の低下や蒸気圧の上昇といった問題が発生することはないとされてい る。

2007年1月、石油業界はバイオ ETBE 等の共同調査を行うための組合(LP)を設 立し、2007年4月からは、関東50箇所の SS でバイオ ETBE の試験販売を開始し、

2010年度の本格導入に向けて準備している。

④ 新エネルギーへの取り組み

燃料電池は、効率が高く、環境への負荷が少ないため、家庭や自動車等への新しいエネ ルギーの供給形態として期待されている。今後の普及に向けて、技術開発や実証試験など 国を挙げた取り組みが進められており、石油業界として、CO2削減に貢献し、かつ石油系 燃料を有効に活用できるシステムとして、石油系燃料電池の開発、普及への取り組みを始 めている。

石油業界は、水素と空気中の酸素を反応させて作った電気でモータを回して走る、地球 に優しい燃料電池の普及に向けて、燃料電池車向けの水素製造技術を開発するとともに、

燃料の水素供給インフラである水素ステーションの実証を進めている。

(4) 規制緩和と石油産業

① 規制改革の進展

わが国の経済社会の国際化にあわせて規制緩和が進み、内外価格差の解消が課題となる 中で、石油産業に対する規制のあり方についても見直しが求められるようになった。その

(22)

結果、87年から92年にかけて、石油業法、揮発油販売業法に基づく行政指導・運用に ついての一連の規制緩和が実施され、1996年4月、特石法の廃止によって石油製品の 輸入が自由化された。

特石法の廃止によって、わが国の石油政策は、従来からの安定供給の確保とともに、新 たに市場原理に基づく効率的供給の実現が目標となった。

更に規制緩和が進展し、2001年12月をもって石油業法が廃止され、わが国の石油 産業は名実共に自由化された。

② 自由化後の環境変化

規制改革、特に特石法廃止を契機として、わが国の石油産業は、流通市場において価格 競争が激化し、市況が低迷し、企業収益が悪化するなど、厳しい経営を余儀なくされてき ました。このため、石油各社は、精製、物流部門の合理化・効率化や販売・管理部門を中 心とする大幅な人員削減、組織の見直しなど、経営全般にわたるコスト削減に取り組んで きた。

③ 石油産業再編、合理化・効率化の推進

わが国の石油産業は構造的に精製能力の過剰問題を抱えたままになっている。今後、少 子化問題等にも対応し、更なる合理化・効率化を図るため、石油精製・元売会社は再編に 向けた動きが継続進行している。1994年4月の日本石油と三菱石油の合併を契機に、

石油精製・元売会社は設備過剰問題を解消するため、業務務提携、物流提携、精製提携、

精製・物流提携、石油会社間の合併、製油所の統廃合の企業努力が引き続き行われている。

④ 世界の動向を見据えた競争力・効率性の確保

2007年から原油価格の高騰によって石油製品価額が上昇しため、産業用燃料が重油 から LNG への転換や、若者の車離れを惹起した。このような原油価格の高騰は石油製品 需要を急激に減退させた。このような石油需要の中で、サブプライムローン問題に端を発 した信用収縮は全世界の実体景気を急激に悪化させ、世界の製造業の生産設備に対して過 剰感を日増しに強めている。

我が国においても世界の景気後退によって鉄鋼は設備の3割が、石油製品と石油化学は 2割が、乗用車についても設備能力の3割以上が過剰に陥った。石油製品の需要減が続け ば、国内製油所の存立が危うくなるため、エネルギーの安定供給確保の視点から、経営資 源の効率化を目指した持ち株会社の設立、或いは石油精製と石油化学の設備との連携等こ れまでの業界の垣根を越えた水平・垂直統合によるコスト低減、効率化を目指す動き加速 されると思われる。

(5) 石油備蓄

石油は、わが国の1次エネルギーの供給の約50%を占めており、その99%以上を輸 入に頼っているが、特に中東依存度は2006年度実績で約89%と、第1次石油危機直 前の1972年の81%を大幅に上回っている。

第1次石油危機後、IEAが発足し、加盟国に90日分の石油備蓄が義務付けられた。こ れを受けて、わが国では1975年に石油備蓄法が制定され、民間備蓄と国家備蓄がスタ ートした。

現在、国家備蓄は原油で5100万 KL あり、民間備蓄は70日分が義務付けられてい るが、民間備蓄は、現状では備蓄日数を10日分以上上回って保有されており、石油備蓄

(23)

方式で計算すると182日分ある。

2004年8月末に米国南部を襲ったハリケーン(カトリーナ)被害への対応の際には、

IEA全体の共同歩調を踏まえ民間備蓄から3日分の石油(ガソリン)を市場に提供した。

(6) 流出事故対策

石油連盟は、油濁防除用の資機材を備蓄し、災害関係者に貸し出すための基地を国内6 箇所、海外5箇所に設置している。

国内については、石油の海上輸送量が多い海域に位置している製油所に備蓄基地を設置 し、万一の油流出事故に備え、24時間出動体制を構築している。

海外については、中東産油国からわが国に到るオイルロードに沿って、マラッカ海峡の シンガポールとマレーシヤ、インドネシア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦にそれぞ れ基地を置いている。

(24)

図3-5 内外備蓄基地

(7) 製油所、油槽所、石油基地の耐震対策

① 短周期地震動対策

石油業界の多くのタンクは、昭和52年の消防法の技術上の基準が強化される以前に設 置されている。近時、大規模地震の危険性が指摘される中で、大量の危険物を貯蔵するタ ンクについて、地震対策の一環としてこれらのタンクに対して地震時安全対策確保の要請 が社会的に強まっている。

石油業界は、消防法令に基づき、「タンク本体」とその「基礎・地盤」について耐震性 の安全性評価を行い、評価基準に適合しないタンクについては開放検査の時期を捉え、貯 蔵量の大きい容量 10,000KL以上のタンクから優先順位をつけて耐震改修を実施してきて いる。

容量10,000KL以上のタンクについては、平成21年12月31日までに、容量1,000KL 以 上 の タ ン ク に つ い て は 平 成 2 5 年 1 2 月 3 1 日 ま で に 実 施 す る こ と に な っ た 。 ま た 、 500KL 以上の比較的小さなタンクについても、平成29年3月31日までに実施すること

(25)

になっている。

しかし、地震対策の一環として短周期地震動対策の改修時期についても前倒して実施す るよう消防法令が改正され、石油業界のタンクは、比較的余裕を持って改修を進めてきた ため平成21年1月時点では既に100%に近いタンクが耐震改修を完了している。

② 長周期地震動対策

平 成 1 5 年 9 月 に 発 生 し た 十 勝 沖 地 震 で 励 起 さ れ た 長 周 期 地 震 動 に よ る 浮 き 屋 根 タ ン クの火災事故等の発生を受け、長周期地震動に対しても耐震対策を講ずることになった。

消防法令が改正され、長周期地震動が励起するとされる区域に設置されたシングルデッ キの浮き屋根タンクで、容量 20,000KL以上のタンク、及び液面揺動高さが2m以上の容 量20,000KL未満で容量1000KL以上のタンクについては長周期地震動による液面揺動が 発生しても損傷を生じない屋根に耐震改修することになった。

また、容量 1000KL以上の浮き屋根に対しては浮き屋根が沈下しないように浮力向上対 策を講じることになった。以上のタンクについては平成29年3月31日までに耐震補強 工事を完了することになっている。

また、長周期地震動によってタンクから油が逸流しないように、長周期地震動が励起す るとされる区域に設置された容量1000KL以上の浮き屋根タンクも含めたすべてのタンク について、平成19年4月より、液面低下措置を強化している。

石油コンビナート等災害防止法令が改正され、浮き屋根タンクの全面火災発生時の防災 体制を強化するため、電力業界、石油化学業界、国家備蓄基地と協力しながら全国12ブ ロックの広域共同防災組織等に大容量泡放射砲のシステムの配備を進めている。

引用文献 「今日の石油産業2008」石油連盟

3.3 石油化学工業の現状

(1) 石油化学工業の概要

石油化学工業は石油、または天然ガスなどを出発原料とする化学工業の一分野であり、

合成繊維、合成樹脂、合成ゴム工業等の最上流部に位置している。

日本やヨーロッパにおける石油化学は、原油からガソリンを製造する際に副生するナフ サを主原料にしている。ナフサを高温で熱分解するとエチレン、プロピレン、ブタジエン、

ベンゼン等の様々な留分が一定の比率で連産品として得られ、さらにそれらに様々な化学 反応、分離、精製を行うことによって各種の化学製品、合成樹脂の原料を製造している。

これに対して、中東、アメリカ等の産油国では、原油採掘の際に得られるエタンを主成 分とする随伴ガス等の天然ガスを主原料にしている。随伴ガスの場合もナフサと同様に高 温で熱分解を行うが主にエチレンのみが得られる事が異なる。一般的に天然ガス原料の場 合は、付加価値の高い連産品が得られないが、単純なプロセスとする事ができる。

(26)

図3-6 石油化学工業の製品

石油化学から得られる化学製品、合成樹脂の原料は様々な産業の基礎素材であり、液晶 テレビやパソコンに使われる各種の特殊フィルムや部材、自動車の内装材、リチウム電池 の部材、各種の家庭用品、衣料品等となって現代の私たちの生活になくてはならないもの となっている。

また、生活の利便性を高めるだけでなく、その優れた性質を生かして炭酸ガスの削減に よる地球環境を守ることにも大きな貢献を果たしている。車のバンパー、内装、ガソリン タンクには多くの合成樹脂が用いられ車の軽量化を通じて燃費の向上に効果を発揮してい る。また最近着目されている樹脂サッシは、合成樹脂の熱を伝えにくい性質を利用したも ので、窓枠から冷暖房の熱が外気に逃げることを防止する働きがある。この結果、建物の 冷暖房効率が上がり冷暖房による炭酸ガスの発生を抑制することが可能となる。

日本の石油化学は様々な産業分野に広く基礎素材を提供しているが、石油化学からの高 機能材料が日本の優れた工業製品の国際的な競争力の源泉となっている

(2) 石油化学コンビナート

石油化学のプラントは、ナフサを熱分解するエチレンプラント、エチレンプラントから のエチレン、プロピレン、ブタジエン等を原料として誘導品である各種の化学品、合成樹 脂を製造するプラントがある。これらのプラントが集まっているコンビナートには、エチ レンプラントと各種化学品、合成樹脂のプラントが同じ地域で互いにパイプで結ばれて、

相互に関連しながら操業を行っているタイプとエチレンプラントからの基礎化学品や誘導 品をパイプや船で供給を受けて更に各種の反応を行わせて化学製品を製造するタイプがあ

原油 ナフサ

合成樹脂 ポリエチレン ポリプロピレン ポリスチレンなど

樹脂加工業

繊維工業

ゴム工業

塗料工業

洗剤工業 合成洗剤原料

アルキルベンゼン 高級アルコールなど 合成繊維原料

エチレングリコール テレフタール酸 アクリロニトリルなど 合成ゴム

スチレンブタジエンゴム ブタジエンゴムなど 塗料原料・溶剤

酢酸エチル ポリウレタンなど 石油化学基礎製品

石油化学誘導品

(100)

エチレン プロピレン ブタジエン ベンゼン類 水素・重質油他

(30)

(20)

(10)

(20)

(20)

石油化学工業

石油精製

注;( )内の数字は原 料ナフサを100とし たときの得率を表す

原油 ナフサ

合成樹脂 ポリエチレン ポリプロピレン ポリスチレンなど

樹脂加工業

繊維工業

ゴム工業

塗料工業

洗剤工業 合成洗剤原料

アルキルベンゼン 高級アルコールなど 合成繊維原料

エチレングリコール テレフタール酸 アクリロニトリルなど 合成ゴム

スチレンブタジエンゴム ブタジエンゴムなど 塗料原料・溶剤

酢酸エチル ポリウレタンなど 石油化学基礎製品

石油化学誘導品

(100)

エチレン プロピレン ブタジエン ベンゼン類 水素・重質油他

(30)

(20)

(10)

(20)

(20)

石油化学工業

石油精製

注;( )内の数字は原 料ナフサを100とし たときの得率を表す

(27)

る。

国内にはエチレンプラントを有する石油化学コンビナートが13箇所にあるが、隣接す る石油精製企業の製油所からパイプ等でナフサの供給を受けるとともに不足分は輸入ナフ サを用いている。国産ナフサと輸入ナフサの割合は各社によって異なるが、平均すると約 50%が輸入ナフサである。石油化学コンビナートではナフサ分解の各留分を原料として 各社の技術に基づいた合成樹脂、各種誘導品を製造しているが、各コンビナートによって それぞれ特徴ある組み合わせとなっている。また各種誘導品は、独自の技術に基づいた個 別の企業が製造している場合が多く、日本の石油化学コンビナートは各種企業体の集合体 であることも特色のひとつである。

出典;石油化学工業協会編 石油化学工業の現状 図3-7 コンビナート所在地及びエチレンプラント生産能力

日本の石油化学プラントは、すでに40年近く運転しているところが多いが、個々の機 器や配管類は部分的に更新が行われ安定安全操業の確保を図っている。プラント内の各機 器の劣化状況はそれぞれ異なっており、今後とも様々な検査によって適切に設備保全が行 われ、安定安全操業を維持することがきわめて重要である。

(3)石油化学プラントの操業の特徴

石 油 化 学 プ ラ ン ト は 2 年 ま た は 4 年 毎 の 定 期 修 理 で 停 止 す る 以 外 は 2 4 時 間 連 続 の 運 転を行っている。プラント内の各所に設けてある温度計、圧力計、流量計によって運転状 況を制御室のコンピュータで常時監視するとともに自動調節弁等によって流量や圧力や温 度の調節を行っている。また反応状況や製品品質を管理するために自動分析計を設置して ある場合も多い。

石油化学プラントは多量の高圧ガス等を扱っており、立地、運転、保全・施工に際して、

高圧ガス保安法、消防法、石油コンビナート等災害防止法、労働安全衛生法の規制を受け

(28)

ている。これらを遵守しながら適切な設備管理を行い、安定安全運転を実現する事が最重 要である。また排ガス中の煤塵、硫黄酸化物や排水中の有害物等を取り除き環境を守るた めの設備も数多く使用しており、これらの適切な操業、設備の維持管理も極めて重要であ る。

(4)最近の生産状況

石 油 化 学 で は ナ フ サ や 天 然 ガ ス を 原 料 に 様 々 な 基 礎 化 学 品 や 各 種 の 誘 導 品 を 製 造 し て いるが、石油化学全体を表す場合は、基礎化学品の代表であるエチレンの生産量で表現す る場合が多い。世界全体では、年間約1.3億トンのエチレン生産能力があるが、アメリ カが世界最大の生産国であり約30百万トンの能力を持っている。日本は中国、サウジア ラビアに次いで世界第4位の約770万トンの生産能力を有している。

国内の石油化学各社は、自動車や電気製品の旺盛な需要に支えられてフル操業を続けて きたが2008年秋からの景気後退で大きな影響を受けており低稼働を余儀なくされてい る。

出典;経済産業省生産動態統計よりグラフ作成

図3-8 最近の国内エチレン生産量

0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 9,000

2003年 2004

2005 2006年

2007年 2008

(

T /

0 100 200 300 400 500 600 700

2008年1 2008年

2月 20083月

20084月 2008年5

2008年6

2008年7

2008年8

2008年

9月 2008年

10 2008年

11 2008年

12 2009年1

(

T /

)

(29)

3.4 プラントエンジニアリング業の現状

(財)エンジニアリング振興協会が平成20年度に67社のエンジニアリング関連企業 へのアンケートを基に調査研究を行った「エンジニアリング産業の実態と動向」を中心と してエンジニアリング業の現状をまとめた。

3.4.1 エンジニアリング産業の概況

平成19年度のエンジニアリング産業の環境はそれまでの世界同時好況の様相から大 きく変化し、インド、中国等の経済成長に伴う天然資源の需要の高まりと米国のサブプラ イムローン対策とがからんで実態経済とはかけ離れた価格暴騰を引き起こして原油価格 は100ドルを超えた。

平成20年の後半になり金融危機により大きく経済情勢は落ち込んだが、エンジニアリ ング産業の今年度の業績には当面、大きな影響はなさそうであるが、各種プラントの建設 の延期や中止がでてきており新規受注の先行きは不透明である。

この状況の中、今後手すきになることが予想され、各社ともFPSO(浮体式石油生産・

貯蔵・積出設備)、炭酸ガス回収・貯留+EOR(石油増進回収法)、資源開発、造水・電力 事業、O&M(オペレーションとメンテナンス)事業、水処理、交通インフラ、新エネル ギー分野、等の新規事業の検討を行っている。

3.4.2 エンジニアリング産業(専業大手・専業中堅)の動向

(1) 専業大手エンジニアリング企業

平成19年度は産油国等での高いエネルギー価格に支えられて、多くの設備投資が計画 される一方、資機材の高騰や熟練労働者の逼迫等のリスクを見極めながらも堅調に推移し ている。

受注の見通しとしては、消費の冷え込みなどが懸念されるがエネルギー需要は引き続き 高いと予測している。海外の売り上げ比率が80%を超えて高いところから、産油国を中 心として子会社設立等の海外拠点の整備が進んできている。

将来への課題としては、①新規事業の展開、②既存事業の深耕、③コーポレートガバナ ンスの重視、④リスクマネージメントの強化、⑤環境問題への貢献、などを上げており事 業分野拡大とCSRを中心とした社会貢献の視点の重要性が高まっている。メンテナンス の目指す、安心・安全の確保と立場は異なるが、方向は一致している。

今後の展望としては、世界のプラント市場は石油・ガス・資源開発・LNG・石油精製、

等で旺盛な設備投資が続くと予測しており、各社はその前提で経営戦略をたてている。 共 通していえることは①人材確保のためのマンパワーリソーシズ拡大、②新規分野の開発と 展開、③エネルギー関連でGTL、DME、重質油改質への展開、④O&Mサービス、I Tサービスへの展開、⑤国内対応としての「顧客支援型サービスの推進」等である。また 特筆されるのは千代田化工建設が三菱商事(株)との資本業務提携を行いプラントエンジ ニアリング分野において機能統合と両社の成長戦略を追求、他社との差別化をはかってい ることである。

(2) 専業中堅エンジニアリング企業

専業中堅エンジニアリング企業とは①化学、繊維、石油、ガス、窯業、非鉄金属のユー ザ関連エンジニアリング企業、②重電、鉄鋼等の大手製造会社やエンジニアリング会社の 関連エンジニアリング企業、③山九(株)や新興プランテック(株)等の独立系企業を含

(30)

んでいる。

中堅エンジニアリング専業企業は専業大手エンジニアリング企業と比較して国内比率が 90%近くと高く、今後もこの傾向は続くものと思われる。また、専業エンジニアリング 企業が海外工事の60%以上を中近東対象としているのに比べ、専業中堅エンジニアリン グ企業は東アジア対象が40%を超えるという違いがある。

平成19年度は堅調に推移しているが、サブプライム問題による経済環境の落ち込みに より先行き不透明である。

将来への課題としては、①人材と技術でもっている企業であるために現在の問題でもある 労働力・人材の確保と技術の伝承が最優先課題である。②将来への架台として「環境問題 への貢献」が言われている。企業のCSR(Corporate Social Responsibility)が高まる 中で自社の問題であると同時に大きなビジネスチャンスとみている。そして、③新規事業 の展開、④研究・技術開発の強化、⑤リスクマネージメントの強化が言われている。

3.4.3 石油コンビナートの市場動向

原 油 の 高 騰 に 伴 う 世 界 的 な 金 余 り 状 況 を 背 景 に し て プ ラ ン ト 業 界 は 空 前 の ブ ー ム を 謳 歌してきたが、米国のサブプライム問題が予想以上に深刻であることが明らかになり、エ ンジニアリング産業のブームも終焉に向かっている。

石油コンビナート(石油化学・石油精製)は米国のサブプライム問題で市場が不透明で 信用不安が広がってはいるが、中国をはじめとするBRICs諸国では堅調に推移するも のと予想されている。また各社ともエネルギー需要は引き続き堅調との認識はあるが、当 面の受注動向は不透明である。手すきがでてきた場合はメンテナンスを含めた新規市場を 求めることが予想される。一方環境への影響が叫ばれ、環境保護への取り組みが迫られて いる。

高度成長以来40年を超えた高経年化プラントが国内には多くあり、新規設備への更新 計画はあまりなく、長寿命化の方向にありメンテナンスはより重要になってくると思われ る。

3.4.4 エンジニアリング産業の課題とこれからの方向

(1) エンジニアリング産業の課題

(財)エンジニアリング振興協会では平成10年頃からエンジニアリング産業の課題に ついてのアンケート調査を継続的に行っている。表3-1に平成18年度、19年度にお ける「現在の課題」と「将来への課題」を示す。人材、技術、新規事業、マネージメント が上位を占めている。特徴的なものは将来課題としての環境関連への貢献が上位を占めて いるのが注目される。

また、表3-2に平成10年度よりの「現在の課題」の変遷を示す。この中で第1位の 課題は10年前の平成10年度は「国内営業力の強化」でここから6年間ぐらいは上位を 占めるが、平成13年度から3年間は「新規事業の展開」第1位を占めている。しかし、

平成17年度からは「人材・労働力の確保」が10年前の10位以下から第1位になって きている。これらは企業の課題は企業環境に大きく左右されることを示している。

(31)

表3-1 現在の課題と将来の課題

現在の課題 将来の課題

平成19年度 平成18年度 平成19年度 平成18年度 項 目

順位 構成比 順位 構成比 順位 構成比 順位 構成比 労働力・人事の確保 1 14.0% 1 13.5% 3 9.9% 3 10.8%

研究・技術開発の強化 2 11.7 4 9.7 1 13.9 2 11.6 リスクマネジメントの強化 2 11.7 2 12.3 5 8.5 4 8.7 国内営業力の強化 4 10.3 3 10.8 9 5.7 6 5.4 既存事業(製品)の深耕 5 7.5 6 7.2 10 3.5 13 3.2 人事・組織の活性化 6 6.8 6 7.2 6 6.7 6 5.4 新規事業の展開 7 6.4 8 6.1 2 13.5 1 13.0 海外営業力の強化 8 6.0 5 7.9 7 6.0 5 7.2 グループ力の強化 9 5.3 9 5.1 7 6.0 6 5.4 財務体質の強化 10 3.9 16 1.8 14 2.5 17 2.2 コーポレートガバナンスの重視 11 3.6 10 4.0 16 1.8 12 3.6 事業再編 12 2.8 13 2.5 12 2.8 13 3.2 アウトソーシングの重視 13 2.5 11 2.9 16 1.8 15 2.9 アライアンスの重視 13 2.5 11 2.9 11 3.2 10 5.1 環境問題への貢献 13 2.5 13 2.5 4 8.9 6 5.4 高度情報システムの構築 16 1.4 15 2.2 14 2.5 11 4.0 その他 17 0.7 17 0.7 18 0.0 18 0.0 企業の社会的貢献 18 0.4 17 0.7 12 2.8 15 2.9 出展:(財)エンジニアリング振興協会平成20年度報告書

表3-2 エンジニアリング産業の課題の推移

出展:(財)エンジニアリング振興協会平成20年度報告書 項 目

国内営業力 の強化

新規事業 の展開

リスクマネージメント の強化

労働力・人材 の確保 平成10年度 17.9%(1) 11.0%(3) 4.6%(8) 4.0%(10)

平成11年度 14.0%(1) 12.0%(2) 6.1%(7) 3.1%(14)

平成12年度 9.2%(4) 12.1%(1) 6.9%(7) 4.0%(12)

平成13年度 10.6%(2) 11.9%(1) 7.9%(5) 3.6%(12)

平成14年度 11.9%(1) 11.9%(1) 7.5%(6) 7.2%(7)

平成15年度 12.2%(1) 10.2%(2) 8.8%(5) 6.8%(8)

平成16年度 13.2%(1) 9.7%(3) 10.4%(2) 9.7%(3)

平成17年度 11.5%(3) 5.6%(8) 12.2%(2) 13.1%(1)

平成18年度 10.8%(3) 6.1%(8) 12.3%(2) 13.5%(1)

平成19年度 10.3%(4) 6.4%(7) 11.7%(2) 14.0%(1)

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