• 検索結果がありません。

☐震災からの復興は総合的に・・防災は隠し味 特集Ⅰ 東日本大震災(1)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "☐震災からの復興は総合的に・・防災は隠し味 特集Ⅰ 東日本大震災(1)"

Copied!
1
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

- 14 -

消防科学と情報

「高台移転」「職住分離」「避難ビル」といった 言葉が飛び交い、復興の構想や計画を模索する動 きがにわかに活性化している。復興の議論が活発 に交わされること自体は、歓迎すべきことである。

がしかし、それらを見ると、あまりにも軽薄で軽 率でしかも暴力的な提案が多いということで、大 いなる危惧を感じざるを得ない。そこで、阪神・

淡路大震災などの経験なども踏まえて、復興のビ ジョンや計画を策定するにあたっての原則を、改 めて確認しておきたいと思う。

最も大切な原則は、被災者の声に寄り添いなが ら、被災者主体の計画づくりを進めなければなら ない、ということである。被災者の声を聞くと言 いながら、被災者が傷ついて声もあげられない段 階で、一方的に「高台移転」などを上から押し付 けることは、厳に慎まなければならない。この点 では、唐山やサンタクルーズの復興で確認された

「総論は早く、各論はゆっくりと」という原則は、

とても大切である。みんなが再び一緒に暮らせる 街をつくろう、海と共生できる暮らしを再生しよ う、子供たちを含むみんなの声を集めてまちづく りをしよう、といった基本方針や策定手続は、出 来るだけ早く決めなければならない。一方、どの

ような形で安全を確保するか、いかに経済の活性 化をはかるかといった各論は、みんなが元気にな って、そして仮設的市街地に戻ってきた段階で、

じっくり議論すればよい。

以上に加えて、総合的に多面的に暮らしの総体 を考える視点も、忘れてはならない。安全性を優 先すべきではあるが、それだけで町のあり方や暮 らしの総体を決めてはならない、ということであ る。私たちが生きていくうえでは、日々の暮らし や生きがいなどが、欠かせない。日常性と非日常 性を融合させる視点が、欠かせないのである。自 然と人間が共生する、歴史や伝統を受け継ぐ、と いった視点から、復興のあり方を探らなければな らないのである。防災だけを考え安全を金科玉条 にした結果、日常性や被災者の気持ちを無視する ことがあってはならない、といえよう。あくまで も「防災は隠し味」でなければならないのである。

最後に、安全な暮らしは、ハードウエアだけで なく、ソフトウエア、ヒューマンウエアからなる

「減災的な総合芸術」であることを、改めて強調 しておきたい。過去の知見と世界の叡知を集め、

総合的に「やわらかで緊張感のある減災社会」を 目指して欲しい。

特集Ⅰ 東日本大震災(1)

☐震災からの復興は総合的に・・防災は隠し味

関西学院大学災害復興制度研究所

室 﨑 益 輝

参照

関連したドキュメント

物的支援と協力も欠かせないのである。 5.住民参加型高齢者福祉活動 ―

ときは,優先順位を付けるのではなく,復旧できるところから再開するのが望ましいであろう。

当時2,500人が避難した郡山市の避難所において、

 新潟県中越地震が発生してから9年が経過している。甚

5メートルとなった。国は理解を示さなかったのは他の自治体との公平性の観点から

の事業所が自力消火あるいは拡大防止に努めると している。先の事業所の消火器材の保有状況から みると,消火栓で 30%

消されてしまっているのが、とても気にかかる。

力を尽くしたことも石碑の記録から分かる。 表1に 9 つの石碑の記載事例から費用面をまとめ