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表面流による浮遊物移送の検討

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Academic year: 2021

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表面流による浮遊物移送の検討

日大生産工(院)○山田 泰正 日大生産工(院)伊藤 宏幸 日大生産工 遠藤 茂勝

1. はじめに

洋上におけるアオコや浮遊状態の流出油な どを回収するためには強力吸引機を使用した 吸引などの方法により除去しなければならな いが、この浮遊物が浮遊している水面上で移 送できれば拡散防止や効率的な回収を行うこ とが可能である。そのための手段として海中 に気泡噴流(エアーバブル)を発生させ、水 面に水平流を起こさせることにより、浮遊物 を移送させることとしたが、移送させるため の必要な空気量や移送できる量が未解明であ る。

そこで本研究においては、Fig.1のような洋 上において浮遊物を収集回収するシステムを 作成する初段階として、ある水深においてエ アーバブルを発生させる実験を行い、浮遊物 の移送について水平流の速度を求め検討を行 った。

2. 実験装置および実験条件

本実験は、Fig.2のとおり縦 15m、横25m、

深さ1.25mのプールを使用し、管径38mm

ビニールパイプの10m区間において2.5cm

隔、径1.0mmの穴を400個開け、プールの横

方向の中線(12.5m地点)に沈めた。そして、管 内に空気を供給しプールにエアーバブルを発 生させた。空気はコンプレッサーからドライ ヤーを通り、水分を除去し気温気圧を 0℃、

1atmにしてから管内に供給している。

実 験 条 件 は 空 気 流 量 Qa 2002000

(Nl/min)の 10 条件、測定地点は縦方向につい

ては中線から1.5m (14m地点)、3.5m (16m 点)、5.5m (18m地点)、7.5m (20m地点)、9.5m

airコンプレッサー ドライヤー CL

14 16 18 20 22 24 25 A A

E E

H H

K K

P P

0

Fig.1 浮遊物収集回収システム

Fig.2 実験装置および測点

(22m地点)離れた地点、そして横方向は中線 であるラインH、中線から-3m (ラインE)、+3m (ライン K)の計15地点において、水深は 5~

45cm5地点について測定を行った。また、

測定はプロペラ流速計2機、電磁流速計1 を用い各地点の流速を測定した。

3. 実験結果

測定結果についてまず、横軸に供給した空 気流量Qaをとり、縦軸に測定した平均流速V をとり、各地点について示したのがFig.3であ る。水深は各地点一定で5cm(ほぼ水面)である。

Investigation on transportation of floating materials due to horizontal flow

Yasumasa YAMADA, Hiroyuki ITO, Shigekatsu ENDO

(2)

これらから、空気流量を増加させると、どの 地点においても流速が上がり、ほぼ直線的な 比例の傾向がある。空気流量が増加すると、

エアーバブルによる水面を押す力が増えるた めに流速が上がるものと考えられ、空気流量 と水を押す力は比例関係であるといえる。

次に、横軸にエアーバブル発生地点からの 距離、縦軸に平均流速Vをとり各流量につい てその関係を示したものがFig.4である。どの 空気流量においても距離が遠方に行くほど流 速が遅く、反比例の傾向がありある速度へ収 束することがわかる。これは水面波における 伝播の影響であるが、この結果から浮遊物を 移送するためには浮遊物の質量にもよるが、

エアーバブル発生装置を近づけることができ なければ移送ができないことがわかった。

続いて、深さ方向における速度の関係につ いて検討を行った。横軸に空気流量Qa、縦軸 に平均流速をとり、各水深について示したの

Fig.5である。検討した地点はほぼプールの

中点である。これらからどの水深においても 流速が増加し、水深が深くなるほど増加率が 低くなることがわかる。また同地点において 横軸に水深 h 縦軸に平均流速をとったものが

Fig.6である。これから水深が深くなるほど流

速は減少傾向がみられた。エアーバブル発生 地点においてはバブルの上昇流が発生し、空 気と接する水面で左右への水平流と変化する が、この付近において水深が深くても多少な がら水平流があることがわかる。

4. まとめ

エアーバブルにより水面上に浮遊している ものや、ある厚さを持った層となっているも のをも移送できることが明らかになったが、

浮遊物の物性によりどの流速で移送できるか 明らかにはできなかった。今後は運動方程式 を用いて検討を行いまた、その物性に移送に 必要な空気量やエアーバブルの設置水深の検 討が必要である。

「参考文献」

1) 久保雅義, 斉藤勝彦, 気泡噴流の応用に

ついて, Navigation, No.105, (1990),pp.9~14

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0

0 500 1000 1500 2000

空気流量 Qa (Nl/min)

平流速 V (cm/sec)

Line H

◆ H - 14 (中線から1.5m)

■ H - 16 (中線から3.5m)

▲ H - 18 (中線から5.5m)

● H - 20 (中線から7.5m)

□ H - 22 (中線から9.5m)

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0

0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0

中線からの距離(m)

水平流速 V (cm/sec)

Line H

□ Qa = 2000 (Nl/min)

● Qa = 1600 (Nl/min)

▲ Qa = 1200 (Nl/min)

■ Qa = 800 (Nl/min)

◆ Qa = 400 (Nl/min)

Fig.3 空気流量と水平流速の関係

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0

0.0 500.0 1000.0 1500.0 2000.0

空気流量 Qa (Nl/min)

水平 V (cm/sec)

Point H - 14

◆ 水深 h = 5 (cm)

■ 水深 h = 15 (cm)

▲ 水深 h = 25 (cm)

● 水深 h = 35 (cm)

□ 水深 h = 45 (cm)

Fig.4 距離と水平流速の関係

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0

水深 h (cm)

水平 V (cm/sec)

Point H - 14

□ Qa = 2000 (Nl/min)

● Qa = 1600 (Nl/min)

▲ Qa = 1200 (Nl/min)

■ Qa = 800 (Nl/min)

◆ Qa = 400 (Nl/min)

Fig.5 空気流量と水平流速の関係

Fig.6 水深と水平流速の関係

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