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Title 新国際学校における英語圏からの帰国生徒のライティング力保持に関する一考察 Author(s) 田浦, 秀幸 Citation 母語 継承語 バイリンガル教育 (MHB) 研究. 8 P.1-P.15 Issue Date Text Version publisher

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Osaka University

Title

新国際学校における英語圏からの帰国生徒のライティン

グ力保持に関する一考察

Author(s)

田浦, 秀幸

Citation

母語・継承語・バイリンガル教育(MHB)研究. 8 P.1-P.15

Issue Date

2012-03-31

Text Version publisher

URL

http://hdl.handle.net/11094/25070

DOI

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新国際学擲:み ける英 語圏 からの帰国 生徒のライティンクカ保持κ衡 する一考察!毋 浦 秀幸

《 招待論文 》

新国際学校 における英語 圏か らの帰 国生徒 の

ライテ ィング力保持 に関す る一考察

田 浦 秀 幸(立 命 館 大 学) [email protected]

On L2 Writing Maintenance in Japanese Returnee High School Students at Senri International School

TAURA, Hideyuki キ ー ワ ー ド:帰 国 生 徒 、ALP(AcademicLanguageProficiency)、 新 国 際 学 校 、 英 語 ラ イ テ ィ ン グ カ 要 旨 英 語 圏 か らの 日本 人 帰 国 中高 生108名 を対象 に、 日本 語 が教 育言 語 で あるが非 常 に 恵 まれ た英 語 環 境で も ある国 際学校 に通学 す る ことで 、 どの よ うに英 語 力 が保 持 ・伸 長 され るのか をAcademicLanguageProficiency(ALP)を 視 点 として調 査 した。 計測 ツール としてTOWL-3を 使 用 して、英 語 ライテ ィングの基本 的規 則(CC)・ 文 法 と語 彙 力(CL)・ 物語 展 開力(StC)・ 総 合 力(Quotient)を 調 査 した。 その 際各 学 年 の対象 者 を、低 年齢 で英 語 圏 に渡航 し長 期 間滞在 した群 と、少 し高い年 齢 で渡 航後 比 較 的短 期 間滞 在 した群 に2分 した。 その結果 、(1)全 学 年 ・全 群 ともに同年齢 の母 語話 者 の平 均値 を維 持 できてい るこ とや 、多 くのケー スで は母 語話者 の平均値 を上 回 る 成 績 を上 げているこ と、(2)ま た 帰国前 の英語 到達 度 が高いほ ど帰 国後の保持 率 が高い こ と、(3)言 語 要素 と しての認知 的負 担 が高 くな るCC/CL/StCの 順 に保 持 率 が下が ること、(4)中 学3年 生以 降 はライティングの要求水 準が高 くなるために全 体的 に保持 ・ 伸 張が容 易 でな くな ること等 も判 明 した。1言 語 で年齢 相応 のALPが あれ ば、教 育言 語 が変 わっても十 分 に2言 語 の保持 ・伸 張が可能 であるこ とを支持 す る結果 が得 られ た。

Abstract

This study explores whether or not Japanese returnee students (N=108, ages from

12 to 18) from English-speaking countries retain or improve their English writing

profi-ciency (Academic Language Profiprofi-ciency, ALP) at Senri International School in Japan

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o・ 継 承 語1・ノfイグンカフ〃教 育 ひ4〃.,究1/olume8MARCH2012

where the school medium language is Japanese but provides ample opportunities to

use English both in and out of class. As a tool to assess students' writing abilities, a

ing test, TOWL-3 (Hammill and Larsen, 1996), is used to tap into three aspects of

writ-ing - contextual conventions (CC), contextual language (CL), and story construction

(StC). The results reveal (1) that all of the target students retain their writing

profi-ciency as compared to average NS scores or above NS levels, (2) that their English

pro-ficiency level prior to re-entry into Japan is a strong predictor of language maintenance,

(3) that high retention is observed in the order of CC, CL, and StC, and (4) that ninth

grade marks the time when returnees begin to find it not so easy as before to keep up

their English writing skills. Overall, the findings support that two-language development

is possible as long as one language reaches the NS level and returnees are exposed to

both languages.

1.は じめ に 子 供 が 新 た な言 語 環 境 に移 り住 ん だ 際 に 、 年 齢 相 当 の母 語 の 伸 張 を続 け な が ら新 し い 言 語 の 学 習 をす る こ とで 、 結 果 的 に は2言 語 とも に伸 び る こ とはCummins(2008) やBylund(2011)を は じめ とす る研 究 に よ り明 らか に され て きて い る。 母 語 に よ る 教 育 期 間 に 関 してThomasandCollier(2002)は 、 小 学 校 の4年 生 ま で(の4年 間) 受 け る こ とで 新 た な 言 語 習 得 にプ ラ ス の影 響 を 及 ぼ す と述 べ て い る。 これ は 英 語 圏 か ら の 帰 国 日本 人 中高 生64人 を 追 跡 調 査 したTaura(2008)の 研 究 で 、 小 学 校 入 学 か ら4 年 間 以 上 同 じ学 習 言 語 環 境 で 学 習 す る こ とが 非 常 に大 事 で あ り、 そ うす る こ とで そ の 後 に 学 習 言 語 が 変 化 して も 、 新 言 語 環 境 で の 言 語 喪 失 は 極 め て 起 こ りに く くな る との 結 果 とも符 号 して い る。 但 しTaura(2008)の 研 究 で は、 英 語 圏 の現 地 校 で の 学 習 期 間 に か か わ らず 、 日本 帰 国 後12ヶ 月 目前 後 に 英 語 流 暢 性 の 低 下 が 話 し言 葉 に 現 れ る こ と も報 告 され て い る。 ま た 、 学 齢 期 に 北 米 に移 り教 育 言 語 が 日本 語 か ら英 語 に 変 化 し た 日本 人 児 童 を 調 査 した 結 果 、 会 話 能 力 を 身 に 付 け る に は数 年 で 十 分 で あ る一 方 で 、 同 年 齢 の 英 語 母 語 話 者 の 学 習 レベ ル に到 達 す る の に5年 か ら7年 、 場 合 に よ って は そ れ 以 上 か か る こ とが 報 告 され て い る(小 野,1994;中 島,2002;箕 浦,1991;Harley他, 1991)。 こ のた め に 、 バ イ リンガ ル の 言 語 習 得 ・保 持 ・喪 失 研 究 で は 、 言 語 の 対 象 側 面 を発 音 を 含 め た 日常 会 話 能 力 に す る の か 、 年 齢 相 応 の 学 習 能 力 に す る の か に よ り結 果 が 大 き く 異 な って い る。 一2一

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新国 際 学 擲 こお け る 一一.:;{5の 帰 国 生 徒の ライ ティンク カ 深 持 に衡 する一 考 察 ノ毋浦 秀 幸 バ イ リン ガル の言 語 習 得 に 関 して 、Cummins(2009)は 言 語 能 力 を3側 面 で 考 え る 必 要 性 を 唱 え て い る。 面 と向 か っ て 日常 会 話 をす るの に 必 要 な言 語 能 力(Conversa-tionalFluency,CF)は 、 高 頻 度 語 と単 純 な 文 法 構 造 か ら成 りた っ て い る の で 、1年 か2年 間 を 自然 環 境 や 学 校 環 境 です ごす ご とで 身 に付 く。 読 み 書 きに 関す る 能 力 に は 、 文 字 と音 声 の 関係 を 理 解 し文 字 を読 め る力(DiscreteLanguageSkills,DLS)が 関 与 す る。 これ ら2側 面 に 加 え て さ らに 、 低 頻 度 語 ・複 雑 な 文 法 構 造 ・抽 象 表 現 を 用 い た 高 い レベ ル の 言 語 力(AcademicLanguageProficiency,ALP)が あ り、 母 語 話 者 の レベ ル に到 達 す る に は5年 以 上 も の歳 月 が か か る のが 通 例 で あ る。 この 概 念 に よ る と、上 述 の研 究 結 果 は 「日本 人 の 子 供 が英 語 圏 に移 っ た 際 に 、 英 語 で のCFの 習 得 に は1,2年 間 が 必 要 で 、ALPの 習 得 に は5年 以 上 か か る」 と換 言 で き る。DLSやALP が 身 に 付 い て い な い 学 齢 期 前 の 子 供 た ちの 言 語 環 境 が 変 化 した 際 に 、 口頭 発 話 力(CF) 喪 失 は驚 くべ きス ピー ドで進 む こ とが 多 くの 研 究 に よ り報 告 され て い る(Cohen,989; Kuhberg,1992;Olshatain,1989)。 そ の 一 方 でALPに 焦 点 を 当 て た 言 語 保 持 ・喪 失 研 究 は 、 ラ イ テ ィン グ を扱 っ た 研 究 が い くっ か あ るだ けで あ る(Carson&Kuehn, 1992;Hakansson,1995;Kirschner,1996)。 そ こ で 本 研 究 で は 、 英 語 圏 か らの 帰 国 中 高 生 の 英 語 リテ ラ シ ー が 母 語(日 本 語)環 境 の 中 で どの よ うに保 持 ・喪 失 され るの か を 、 国 内 で は 非 常 に 恵 まれ たバ イ リン ガ ノ1環境 を提 供 して い る新 国 際 学 校 で 調 査 す る こ と に した 。 これ は 、 新 国 際 学 校 で の 英 語ALP保 持 が 示 され れ ば 、 国 内 の 帰 国 児 童 ・ 生 徒 約12,000人(平 成22年 度 ・文 科 省 調 査)の 外 国 語 保 持 に大 き な 示 唆 が 得 られ る と考 え た か らで あ る。 2.研 究 方 法 2.1TestofWrittenLanguage-3(YOWL-3) 第2言 語 ライ テ ィ ン グ力 測 定 の 際 に 留 意 す べ き 項 目に 、 計 測 す る言 語 側 面 と採 点 方 法 が あ る(Polio,1997;Wolfe-Quinteroetal.,1998)。 言 語 側 面 とは 、 スペ リン グ ・ 句 読 点 ・語 彙 ・文 法 等 の 細 部 を 見 る の か 、 内 容 の 展 開 に 焦 点 を 置 くの か に 関 す る もの で あ る。 一 方 採 点 方 法 とは 、 各 細 分 項 目 を(例 え ば冠 詞 の 正確 な使 用 を1か ら3の リッ カ ー ト尺 度 で)採 点 した 後 に 全 て 合 算 す る の か 、 最 初 か ら大 ま か に文 法 や 論 旨展 開 を3 件 法 で 採 点 す るの か に 関す る もの で あ る。 本 研 究 は ラ イ テ ィ ン グ力 全 て を対 象 と して 、 細 部 と全 体 の 両 方 を含 む 採 点 方 法 を 取 る のが 望 ま しい と考 え た。 北 米 の 英 語 母 語 話 者 か ら得 たデ ー タ に 基 づ き標 準 化 され た ラ

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母諮 ・継 承語1・ノ、イ クンカ ヲ〃教 育(MHB)研 究 レ'olume8ん4ARCH2012 イ テ ィ ン グ テ ス トで あ るTestofWrittenLanguage(TOWL-3)(Hammilland Larson,1996)は こ の条 件 を満 たす の で 、 用 い る こ とに した 。 採 点 項 目は 大 き く3区 分 され て お り、 基 本 的 な ライ テ ィ ング 規 則 が守 られ て い る か ど うか を 見 るContextual Conventions(CC)、 形 態 素 ・統 語 面 を 見 るContextualLanguage(CL)、 物 語 の 展 開 を 見 るStoryConstruction(StC)か ら成 っ て い る。 各 区分 に は約10の 下 位 項 目が あ る。 例 え ばCCで は 、 文 頭 が必 ず 大 文 字 で 始 ま って いれ ば1点 、1文 で も小 文 字 で 始 ま っ て いれ ば0点 と採 点 す る項 目を 含 め全 部 で12下 位 項 目が あ る。CLに は 、 主 語 と動 詞 の 呼 応 に誤 りが 全 くな けれ ば2点 、 誤 りが1箇 所 あ れ ば1点 、2箇 所 以 上 誤 りが あ れ ば0点 の 項 目 を含 む14下 位 項 目が含 まれ て い る。StCに は 、 文 章 が稚 拙 な ら0点 、 学 年 相 当 な ら1点 、 優 れ た 文 体 な ら2点 等 を含 む11下 位 項 目が あ る。 下 位 項 目 は3区 分 ご とに 合 計 され た 後 、 年 齢 換 算 表 で10点 が 英 語 母 語 話 者 の 平 均 点 に な る よ うに換 算 され る(8点 か ら12点 が 平 均 幅)。 更 に 、 この 換 算 点 の3区 分 合 計 点 が ライ テ ィ ン グ総 a(Quotien七)と して 算 出 され る。 総 合 点 は100点 が 英 語 母 語 話 者 の 平 均 点 に設 定 され て い る(90点 か ら110点 が 平 均 幅)。 この よ うにTOWL-3は 、 第2言 語 と して の 英 語 ラ イ テ ィ ン グ をマ ク ロ ・ミ ク ロ の2 視 点 か ら検 証 で き 、 年 齢 換 算 表 が あ る の で 英 語 母 語 話 者 との 比 較 だ け で な く 、 対 象 者 間 の 客 観 的 な比 較 が で き る ツー ル で あ る。 2.2対 象 者 臨教審 答 申によ り1989年 「国際化 時代 の新 しい教 育計 画 ・方法 の研 究 開発 ・普及 を 図 るた め、帰 国 生 ・外 国人 子 女 ・一 般 の 日本 人 子女 が共 に学ぶ 初等 また は中等 の学校 (新国際 学校)の 設 置 」が 図 られた。 この構 想 に沿 って、実質 的には 日本 で唯一 の国 際 学校 が私 立 学校 として大 阪 に1991年 設 置 され た。 この学校 には、帰 国生 と日本 人一般 生 が学ぶ 一条 校(中 高校:7年 生 か ら12年 生)で ある千 里国e.r.学園 と、教 育言 語が英 語 の大 阪イ ン ターナ シ ョナル スクール(幼 稚 園 か ら高 校:K-12)が 同一 校舎 内に併設 されて い る。 カ リキ ュラムは異 な るが 、芸 術 ・体 育の授 業 と生徒 会 や課 外 活動 ・学校 行 事は合 同で行 われ 、 帰 国生 が英 語 を保 持 ・伸 張 でき る恵 まれ た環境 を提 供 してい る。 本 研 究 で は、 この新 国 際学 校 の 中高等 部 に在 籍 中の帰 国生(中 学1年 生 か ら高校3 年 生)108人 か らデー タを収集 した。 帰 国生の ホー ムル ームに は様 々な英 語力 を持っ 生 徒 が混在 して いるが、英 語 の授業 時 には英 語力 によって各 学年 で3ク ラスに分 かれ る。 新 国 際学 校 で初 めて英語 学習 を始 め る生 徒 はSク ラスに、それ 以外 の帰 国 生 は下か ら 順 にi(intermediate),H(high),H+に 分 かれ るが、 本研 究で は上の2ク ラス(H 一4一

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新 国鰹学狡 におYプる嬬 圏からの帰 国 生徒のライティンクカ深持に闘 する一考察'田 跨 秀 肇 とH+)の み を対象 とした。個 人 情 報で あるために全員 の言 語背 景 は入 手 出来 なか った が、典 型 的 な生 徒 を何例 か挙 げ ると、10年 生(高 校1年 生)の 一番 上 のH+ク ラスには、 英 語 圏 で生 まれ 現地 校 に16才5ヶ 月 まで通 学後 に帰 国 して1ヶ月 経 ったばか りの生徒 や、 5歳 の 時 に渡 米 し5年間現 地校 に通 学 し、帰 国後 小 学校 は 国内 のイ ンターナ シ ョナル ス クール で過 ご し、 中学1年 生 と して この新 国際学 校 に入 学 し4年 目を迎 える生徒等 がい る。 中学3年 生 か らは、H+の ク ラス は併 設 され てい るイ ンターナ シ ョナル ス クール の 同 学年 の生徒 の英 語授 業 に組み込 まれ るた めに、英 語 圏の現 地校 で英 語(国 語)の 授 業 を受 けてい るの と同 じ環境 を享 受 できる。 表1対 象 者 の 人 数(学 年 と英 語 ク ラス) 学年 英 語Hク ラス 英 語H+ク ラス 7年 生 8年 生 9年 生 10年 生 11年 生 12年 生 6 7 8 13 11 5 8 6 7 17 11 9 合計 50 58 一 方 で上 か ら2番 目のHク ラスの生 徒 は 、発 音 は母語 話者 並 で ある生 徒 が多い が、 H+の クラスの 生徒 に比べ て英 語 接 触期 間の短 い生 徒が 多い。 例 えば10年 生 のHク ラ スには、1歳 か ら4歳 までの修学 前 の3年 間 だけ英 語 圏で過 ごした生徒 や、5歳 か ら小学 校 卒 業 まで をシ ンガポールで過 ご した後 この学校 に入 学 して4年 目を迎 える生徒等 がい る。 CF/DLS/ALPの 観 点か ら対 象者 をま とめる と、Hク ラスの生徒 に比べてH+ク ラス の生徒 たちの方 が渡 航 時の年 齢 が低 く且つ渡 航期 間 も長 いが、 両者 とも帰 国時 までに ALPを 身 につけてい る可 能性 が 高い。 但 し、最終 到達 度 には差が ある と考 え られ る。 本研 究 に参 加 した各 学年 のH/H+ク ラスの生徒 数(研 究 協力 者数)は 、表1の 通 りで ある。 2.3デ ー タ 収 集 方 法 TOWL-3で は 、1枚 の 近 未 来 的 な 宇 宙 の絵(図1)を 見 て15分 間 で 物 語 を書 く タス ク を行 い 、2.1で 説 明 され た 手 法 で ス コ ア シ ー トに従 っ て 採 点 を行 う。 事 前 に 絵 を 目 に

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母語 ・継 承 語 ・ノfイ侃ンカシ〃教 育 ひ4〃β)確1/olume8MARCH2012 す る ことで、 書 き始 めるまでの準備 時 間の不均 一や 、知 らない単語 を予 め調 べた りす る こ とが可能 にな る等 の望 ま ざる変数 の介 在 を避 けるた めに、新 国際 学校(一 条校 とイ ン ター ナシ ョナル ス クール)の 児 童 ・生 徒 全員 に一 斉 にこのTOWL-3(テ レビを使 っ た 指 示 も含 めて)を 各 ホー ムルー ム教 室で 実施 した。 本研 究 では収集 データの うちで、 一 条 校 の在 学 生で英 語の授 業がHま たはH+の 生徒 だ けを分 析対 象 とした。 図1TOWL-3 3.結 果 基 本 的 な英 語 ライ テ ィ ン グ規 則 に 沿 っ て 英 文 を書 く力(CC)、 文 法 と語 彙 力(CL)、 物 語 の 展 開 力(StC)、 英 語 ライ テ ィ ン グ総 合 力(Quotient)の 順 で 結 果 を 見 る。 尚 、 TOWL-3で は 各 生 徒 の 年 齢 を 考 慮 した 標 準 化 得 点 が 採 用 され て い る の で 、 直 接 の 比 較 が 可 能 と な っ て い る。 ま た 、CC/CL/StCは8点 か ら12点 が 、Quotientは90点 か ら110点 が 、 英 語 母 語 話 者 の 平 均 値 幅 で あ る。 採 点 に あた って は 、機 械 的 に進 め られ る CCとCLは 筆 者 が 担 当 した が 、Stcの 採 点 は 、EFL(外 国 語 と して の 英 語)教 師 と して 長 年 日本 人 英 語 学 習 者 に 英 語 を教 え た 経 験 を持 ち 、 日米 両 国 で の 英 語 教 育 現 場 に 詳 しい ア メ リカ 人 が 全 て を 行 った 。 3.1基 本 的 な 英 語 ラ イ テ ィ ン グ 規 則(CC) 縦 軸 に 学 年 と英 語 ク ラ ス を 、 横 軸 に得 点 を グ ラ フに した の が 図2で あ る。HとH+ク ラ ス の 帰 国 生 は 学 年 に 関 係 な く 、 英 語 母 語 話 者(NS)の 平 均 値(8∼12点)以 上 の 得 点 を上 げ て い る こ とが わ か る。 両 グノレープ の得 点 分 布 を 比 較 す る と 、 各 学 年 で概 ね H+ク ラ ス の 方 がHク ラス を上 回 っ て い るよ うに 見 え る が 、 マ ン ウ ィ ッ トニ ー 検 定 の 結 果 、 各 学 年 で の ク ラス 差 は 一 切 無 か っ た 。 同 様 に 、Hク ラス で は11年 、12年 と学 年 が

一m

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新 国際 学校 にゐYプる ・一..ら の殤 国 生 徒 の ライ ティン クカ 保寿 〆こ一3る 一 考薬 ∵ 田 浦 秀 幸 上 が る につ れ て得 点 が 下 が る よ うに グ ラ フで は 見 え る が 、 ク ラ ス カル ・ウォ リス 検 定 の 結 果 、12グ ル ー プ 間 に一 切 差 が な い こ と も判 明 した 。 図2基 本 的英 語 ラ イテ ィ ン グ規 則得 点(H!H+ク ラ ス) (波縦 線 の 間8.Oか ら12.0がNSの 平 均 幅) 3.2文 法 と 語 彙(CL) 文 法 と語 彙 力 の 得 点 を ま と めた の が 図3で あ る。H+ク ラス はCC得 点 と 同 様 に 、 全 学 年 でNSの 平 均 値 を 上 回 っ て い る。 一 方 でHク ラ ス は 、7/8年 生 がNSの 平 均 値 を 上 回 っ て い るが 、 その 度 合 い は学 年 が上 が るに つ れ て 下 が り、9年 生 以 降 は12点 前 後 で あ り、NSの 平 均 幅 内 の 上 位 に 留 ま っ て い る 。 ク ラス カル ・ウォ リス 検 定 の 結 果 、7H か ら12+の12グ ルー プ のCL得 点 に は 有 意 差 が 見 られ た の で(p〈.05)、 多 重 比 較 を行 っ た 。 そ の 結 果 、9年 生(U=11.0,p〈.05)と10年 生(U=54.5,p<,05)で は 、H+ク ラ ス 得 点 の 方 がHク ラス よ り有 意 に 高 い こ とが判 明 した。 そ の他 の 学 年 に ク ラ ス 差 は 無 か っ た 。 図3文 法 と語 彙 得 点(H/H+ク ラ ス)

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璋語 ・,纈 藷 ・バ イグンカヲ〃教 育 砌 〃切 研究Volume8MAR(:hl2012 3.3物 語 の 展 開(Stc) ライ テ ィ ン グ の ミク ロ 部 分(基 本 的 ライ テ ィ ン グカ や 文 法 ・語 彙 力)を 計 測 す る CC/CLに 比 べ て 、 物 語 と して ライ テ ィ ン グ をマ ク ロ的 に計 測 す るStC(物 語 の 展 開) の 得 点(図4)は 、 明 らか に 異 な る傾 向 を 示 して い る。 図4物 語 の 展 開 得 点(H/H+ク ラス) CCやCLの 傾 向 と して 、H+ク ラス を 中 心 に 同年 齢 のNSの 平 均 幅 を上 回 る12点 以 上 の得 点 が 多 く見 られ た が 、StCで はH/H+ほ ぼ 全 学 年 がNS平 均 幅 に収 ま って い る。 H+ク ラ スで は7/8/9年 生 が 、Hク ラス で は11年 生 だ けが 、NSの 平 均 幅 を 上 回 っ て い る 。 つ ま り レベ ル 相 当 の 英 語 授 業 を 享 受 して い る新 国 際 学 校 の 帰 国 生 で あ っ て も 、 物 語 展 開 力 に 関 して は 同 学 年 のNSの 平 均 幅 を 上 回 る こ とは 容 易 で な い こ とが 判 明 した 。 ク ラス カ ル ・ウォ リス 検 定 の 結 果 、7Hか ら12+の12グ ル ー プ のStc得 点 に 有 意 差 は 見 られ ず 、 各 学 年 でH/H+の ク ラ ス に 差 が 無 い こ とが 判 明 した 。 ま た 、 全12ク ラ ス と もNS学 年 相 応 か そ れ 以 上(7H+と8H+)で あ る こ とも判 明 した。 3.4英 語 ラ イ テ ィ ン グ 総 合 力(Quotient) 英 語 ライ テ ィ ン グ総 合 点 を ま とめ た の が 図5で あ る。 図5英 語 ラ イ テ ィ ング 総 合 力得 点(HIH+ク ラ ス) 一8一

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新 国際学狡にゐける」寝 圈 からの帰国 生徒のライティングカ深耕 こ衡 する一考 ●/fA秀宰 CC/CL/StCの3要 素 を 内 包 す るQuotient得 点 か ら2つ の傾 向 が 窺 え る。 第1に 、 H+全 ク ラス が 同 年 齢 のNS以 上 の 得 点 を 上 げ て い る傾 向 で あ る 。 第2の 傾 向 は 、Hク ラス も 同様 の傾 向 を12年 生 以 外 で 示 して い る点 で あ る。 全 グル ー プ の 中 で 唯 一NSの 平 均 値 を 上 回 る こ とが で き な か っ た(110点 以 下)12年 生 のHク ラス に 注 目す る と 、 図2∼4か ら も 明 らか な 通 り、CC/CL/St各 項 目で 絶 対 値 で は 全 て 最 低 値(有 意 差 は 無 し)を 記 録 し て い て 、 ク ラ ス カ ル ・ウォ リス 検 定(p<.05)と そ の 後 の 多 重 比 較 (U=1.00,p<.05)結 果 よ り、12Hの 得 点(106)が8H+(130)よ りも 有 意 に 低 い こ とが 確 認 され た。 4.考 察 本 稿 で は 基 本 的 ライ テ ィ ン グ規 則(CC)・ 文 法 と語 彙 力(CL)・ 物 語 展 開 力(StC) の3側 面 と総 合 力(Quotien七)の4観 点 か ら新 国 際 学 校 に 在 学 す る 中 高 生 の 第2言 語 ライ テ ィ ン グカ を調 査 した 。 先 ず 統 計 的 に差 が 見 られ た部 分 につ い て 、 次 に 同 年 齢 の 英 語 母 語 話 者(NS)平 均 点 との 比 較 の 観 点 か ら結 果 を考 察 す る。 7年 生 か ら12年 生 の 合 計6学 年 ・H/H+か ら な る12ク ラ ス を 対 象 と し て 、 CC/CL/StC/Quotient得 点 の12グ ル ー プ の 差 を 検 証 した 。 ク ラス サ イ ズ(5人 か ら 17人)が 小 さい の で 、12グ ルー プ 比 較 と各 学 年 の ク ラ ス 問 比 較 に は 、 ノ ンパ ラメ トリ ッ ク検 定 を用 い た 。 結 果 的 に 統 計 上 有 意 差 が 見 られ た の はCLとQuo七ien七 得 点 の み で あ っ た。 文 法 と語 彙 面(CL)で は 、9年 生 のHク ラス よ りもH+ク ラ ス の 方 が 高 く、 同 じ傾 向 が10年 生 に も見 られ た 。9年 生 と10年 生 のHク ラ ス は 、NSの 平 均 値 と平 均 以 上 の ボ ー ダー で あ る12点 を あ げ て い る 一 方 で 、H+ク ラ ス はNSを 上 回 る14.9点 、 13.5点 を あ げ て い る。7/8年 生 で はH/H+両 ク ラス ともNSの 平 均 値(12点)以 上 の 得 点 を あ げ て い る の で 差 が 出 な か っ た こ と、 及 び 、11/12年 生 で はH/H+と も に低 下 が他 の 学 年 に 比 べ て 見 られ る こ とが 、9年 生 と10年 生 だ けでCL得 点 に ク ラス 間 差 が 出 た 原 因 で あ る と思 わ れ る。CL値 の 低 下 はH/H+両 ク ラス 共 に9年 生 以 降 の 学 年 に 見 られ るが 、 特 にHク ラ ス で 顕 著 で あ る。H+よ りもHク ラス の 方 に 大 き な 低 下 が あ る の は 、 帰 国 時 のALPカ と関 係 が あ り、 高 いALPほ ど維 持 ・伸 張 が され や すい こ とを 示 唆 してい る の か も しれ な い 。 つ ぎ にQuotientで は 、8年 生H+ク ラス(全 体 の 最 高 点 で あ る129.5点)が12年 生 且 ク ラス(全 体 の 最 低 点 で あ る105.8点)よ りも有 意 に高 か った 。 これ はCC/CL/StC の(統 計 的 有 意 差 は 無 か った が)絶 対 値 が 常 に12グ ル ー プ の 中 で 一 番 低 か っ た12年 生

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母 語 ・継 承 藷 ・ノfイグン カ シ〃教 育 ひ ー/究1/olume8MAR(:7-12012 Hク ラ ス と 、 常 に1番 高 か っ た8年 生H+ク ラ ス の 英 語 ラ イ テ ィ ン グ 総 合 力 で あ る Quotient(CC/CL/StCそ れ ぞ れ の 差 の積 み 重 ね)が 有 意 差 とな っ た と考 え られ る 。 換 言 す る と 、 高 い英 語 リテ ラ シー カ を身 に付 けて 帰 国 した8年 生H+ク ラス の 帰 国 生 は 、 英 語 ラ イ テ ィ ング 総 合 力 でNS平 均 以 上 の 得 点 を上 げ る こ とが で き た が 、(8年 生H+ ほ ど確 固 と したALPを 身 に 付 けず に 帰 国 して い た か も しれ な い)12年 生Hク ラ ス の 帰 国 生 は 、 文 法 ・語 彙 力 ・物 語 展 開 力 で 高 い レベ ル に達 して い る12年 生NSの 平 均 点 に 匹 敵 す る こ とは で き て もNSを 上 回 る こ とが で き ず 、 これ がQuotient得 点 に表 出 し た と解 釈 で き る。 統 計 的 有 意 差 以 外 に 、TOWL-3を 用 い る こ とで 明 らか に な っ た こ とに 目 を 向 け る と 、 最 初 に 注 目す べ き は 、H/H+の ク ラ ス が 、 全 項 目に お い て 同 年 齢 のNSの 平 均 値 と 同 等 或 い は そ れ を上 回 る 得 点 を 取 っ て い る こ とで あ る 。 これ は 、 新 国 際 学 校 でHク ラ ス に 入 る こ との 出 来 る生 徒 の 言 語 背 景(第2言 語 圏 に 初 め て 渡 っ た年 齢 お よび 滞 在 期 間) で あれ ば 、 帰 国 時 に既 にALPを 該 当学 年 レベ ル ま で 高 めて お り、 帰 国 後 恵 ま れ た 英 語 環 境 でALPを 日本 で保 持 で き て い る と解 釈 で き る。Hク ラ ス に比 べ て 、 よ り低 年 齢 で 渡 航 し、 よ り長 期 間 英 語 に よ る教 育 を 受 け たH+ク ラス に は 、 そ の傾 向 が 一 層 強 く見 られ る 。 各 項 目の 得 点 がNSの 平 均 幅 を 上 回 っ て い る部 分 だ け を ま とめ た の が 表2で あ る。CCは ク ラ ス に 関 係 な く全 学 年NSを 上 回 っ て い る。CLとQuotien七 に 関 して は 、 Hク ラ ス で は 学 年 に よ りNSの 平 均 幅(8∼12点)に 収 ま っ て い る一 方 で、H+ク ラス で は全 てNS平 均 値(12点)を 上 回 っ て い る。StC得 点 でNS平 均 を上 回 っ た の はH ク ラ ス で は11年 生 だ け で あ っ たが 、H+ク ラ ス で は 低 学 年 の7年 生 か ら9年 生 の3学 年 が 上 回 っ て い る。 この よ うに 、H+ク ラ ス の 方 がNS平 均 値 を上 回 る割 合 が 高 い のが 明 らか に な っ た。 表2NSの 平 均幅 を上 回 っ た学 年 ・ク ラス ー 覧 CCCLStCQuotient 12H+ 〆 〆 〆 11H+ 〆 〆 〆 10H+ 〆 〆 / 9H+ 〆 〆 / 〆 8H+ 〆 〆 〆 〆 7H+ 〆 〆 〆 〆 CCCLStCQuotient 12H 〆 11H 〆 v〆 〆 v〆 lOH 〆 〆 9H 〆 〆 〆 8H 〆 〆 〆 7H 〆 〆 〆 一10一

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新 屋際 学擲 こあ け る 一一.:か らの 帰 国 生徒 の ライ ティン グ カ 深持 に闘 する一 考--___-/秀 幸 ま た 表2よ り、 基 本 的 ライ テ ィ ン グ規 則(CC)、 文 法 ・語 彙 力(CL)、 物 語 展 開 力 (StC)の 順 にNSの 平 均 幅 を 上 回 る度 合 い が 、H/H+ク ラ ス と もに 低 くな っ て い る こ とも わ か る 。 この 情 報 に 加 え て 図2∼5の デ ー タ を 、 各 学 年 の そ れ ぞ れ の ク ラス が 、NS の平 均 幅 に 収 ま って い る のか 、 そ れ と もNS平 均 値 以 上 で あ った か に 注 目 して 考 察 して み る 。 図2よ り、CC得 点 は全 学 年 のH/H+がNS平 均 以 上 を記 録 して い る。 図3か ら わ か る の は 、CL得 点 で はH+が 全 学 年NS平 均 以 上 で あ るが10年 生 以 降 に 低 下 が 見 られ 、Hク ラス で はNS平 均 を大 き く上 回 る得 点 を 上 げ る こ とが で き た の は7/8年 生 だ け で 、9年 生 か ら12年 生 は ほ ぼNS平 均 値 幅 に収 ま る まで に低 下 して い る こ とが わか る。 図4よ り、StC得 点 でNS平 均 を上 回 れ た の は7/8/9年 生H+と11年 生Hク ラス だ け で 、 そ れ 以 外 は 全 てNS平 均 値 幅 に収 ま っ て い る こ とが わ か る。 図5で は 、Quotient 得 点 は12年 生Hク ラ ス 以 外 は す べ てNS平 均 値 を 上 回 っ て い る が 、Hク ラ ス で は 9/10年 生 で 低 下 が 、H+で も9年 生 か ら徐 々 に得 点 の 低 下 が 見 られ る。 CC/CL/StCの 順 にNS平 均 点 を 上 回 る学 年 ・ク ラス 数 が 減 少 して い る現 象 は 、 有 限 数 の ライ テ ィ ン グ 規 則 は 容 易 に 習 得 で き る が 、 数 の 多 い 文 法 規 則 や 語 彙 の 習 得 に は 長 時 間 が 必 要 で あ る し、 下 位 項 目 を総 合 的 に 束 ね る必 要 が あ る物 語 展 開 力 に は 尚 更 長 時 間 が 必 要 で あ る こ とに起 因 して い る の か も しれ な い 。英 語 ライ テ ィ ン グ総 合 力(Quo-tien七)は 、CC/CL/StCの3構 成 素 か ら成 って い るの で 、CCやCLで の 高 得 点 がStC の 得 点 を補 った 結 果 であ る と解 釈 す る と、 ほ ぼ全 ク ラス でNS`均 幅 を上 回 っ て い る こ と も理 解 で き る 。 但 しQuotient得 点 に は9年 生 か ら徐 々 に低 下 傾 向 が 見 られ 、 これ も CL/StCで のH/H+ク ラス の 得 点 低 下 が 累 積 得 点 と して 確 実 に 反 映 され て い る か らで あ ろ う。 ま た 、Hク ラ ス のCL/StC得 点 やH+ク ラ ス のStC得 点 傾 向 か らわか る の は 、 学 年 が上 が るに 連 れ て 当 然NSの 習 得 レベ ル も高 くな るの で 、 それ を 上 回 るの は 文 法 ・語 彙 力 や 物 語 展 開 力 で は か な り困 難 に な る こ とで あ る。 全 て の 教 科 を 英 語 で 受 けて い る英 語 圏 のNSの レベ ル が 高 ま る の に 対 して 、 英 語 ク ラス で の み 英 語 ライ テ ィ ン グ カ の 伸 長 を 図 っ て い る 帰 国 生 に は 英 語NS並 を維 持 で きて い る こ と 自 体 が 驚 異 的 で あ り、Cum-mins(2008)の 唱 え るCommonUnderlyingProficiency(言 語 の 基 底 部 分 は 共 有 され て い る の で言 語 接 触 が 学 校 や 生 活 環 境 で継 続 され れ ば 、 優 勢 言 語 だ けで な く2言 語 とも に伸 張 され る)が 支 持 され て い るデ ー タで あ る と考 え られ る。 つ ま り新 国 際 学 校 は 日本 語 環 境 で あ る が 、 第2言 語 で あ る英 語 が 十 分 高 い段 階 で 帰 国 した こ とに加 えて 、 そ の 英 語 力 に適 した 授 業 が 提 洪 され て い るた め に 、 母 語 の 伸 張 が 英 語 の 伸 張 に も繋 が っ て い る と考 え られ る 。

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母語 ・縦 承 語 ・ノゴイグンカシ〃教 育(iNHB,)研 究Volume8MAR(}12012 5.結 論 と今 後 の課 題 英語 圏 の現 地校 で学んだ 学齢期 の子 供 た ちが 日本 に帰 国後 、 非 常に恵 まれた英 語 環 境 を提 哄す る新 国 際学校 に通 学す ることで 、 どの よ うに英 語力 が保 持 され るのかを ライ テ ィングカ を通 して検 証 した。 母語 話者 に匹敵 する英 語 ライテ ィングカ を獲得 して帰 国 した中学1年 生か ら高校3年 生 を対 象 として、渡航 年齢 が低 く長期 間滞 在 したグノレープ (H+)と 渡航 年 齢 が若 干高 く滞 在期 間 も比 較す る と短 い グル ー プ(H)に 分 けて比 較 検 討 した。 そ の結 果 、英 語 力 に合 致 した英 語 の授 業 を毎 日1時 間受 け るだ けで、 全 学 年 ・全 ク ラス ともに同年齢 の母 語話 者 の平均値 を維持 できてい るこ とが判 明 した。 更 に 多 くの学 年 ・クラスでは母語 話者 の平 均値 を上 回 る成 績 を上 げている事実 も判 明 した 。 この 驚 くべ き事 実 もCummins(2008)の 唱 え るCommonUnderlyingProfi-ciencyやThresholdHypothesisを 用 い るこ とで説 明がで き る。 本 研 究 の対 象バ イ リンガル 生徒 は入 学時 に 日本語 力 を測 定 され 、学年 レベル に達 していない と判 定 され る と外 国語 と しての 日本 語教 育 を取 り出 し授 業 で行 われ る。 しか し年 齢相 応 レベル に達 し た段 階 で、 英 語や実 技科 目を除 いた全教 科 を文科 省検 定教科 書 を使 って 日本 語 で教 育 を受 ける。 つ ま り、H/H+レ ベル の生 徒 は概 ね 、 日本 生まれ 日本 育 ちの生 徒 と同 じ 日 本 語力 を有 してい るので ある。 この事 実に鑑み て英 語 ライティ ング分析 結果 を見 る と、 1言 語 を しっか りと学年 相 当 に伸 ば してお けば、教 育環 境 が変 わって もその言 語 との接 触 を保 ち、 且 っ他 方 の言語 で学 年相 当の力 を伸 ば し続 け るこ とで、 両言 語 とも学 年相 当の力 を保 て ると言 え よう。 2番 目に判 明 したのは、帰 国前 の英語 到達 レベル によ り、 同 じ環境 で も保 持 ・伸 張に 差 がで る ことであ る。H+ク ラスの方 がHク ラス よ りも、 英 語母 語 話者 との比較 で 、 高 学年 に なって も高 い保持 率 を示 した。特 にCC/Stcの よ うな複 合 的 な要 素 を含 む分 野 でそれ が顕 著 に見 られ 、 同 じ母語 話者 平均 幅 に入 っていて も、低 年 齢 か らよ り長 期 間英 語で教 育 を受 けた 帰国生 の方が保 持 ・伸 張率 が高 かった。 3番 目 としては、 ライテ ィングカ のあ らゆ る側 面が 同等 に保 持 ・伸 張す るわけでない ことが 、H/H+両 クラスのデー タか ら判 明 した。 量 的 に多 くない為 に比較 的短 時 間で 習得 でき る英 語 ライテ ィング規 則等(CC)は 、学 年や クラスにかかわ らず保持 され る。 その次 に保 持 ・伸 張 率が 高い のは文 法 ・語彙 面 で、最 も保 持 ・伸 張 が 困難 なの は各技 能 を束 ね るマ ク ロ レベ ル の能 力 が問 われ る物 語 展 開力 であ る。 総 合 力 と して のQuo-tient得 点 は、CC/CL/StCの 得 点 の加 算値 であ るの で、StC得 点 のみ を直接 反 映 し ないので、 比較 的保 持 ・伸 張率が高 かった。 一12一

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新国際学狡におゲる英語圏か らの帰 醒生徒のライティンクカ 深持に衡 する一考 察'毋 游 秀幸 学 年 の特 徴 に 目を向 ける と、 中学1・2年 生 に相 当す る7・8年 生 の保 持 ・伸 張 率 は 高 いが 、 中学3年 生 に相 当す る9年 生か ら英 語母 語話 者 との比 較で 、 なか なか 平均 値 を 上 回 る ことが 出来 な くな る傾 向が見 られ た。 これ は一 段 と学 習 内容 が 高度 にな り高 い認 知能 力 を養 う時期 に入 り、授業 言語 で無 くなった英語 でその レベル を伸 張す るのが徐 々 に困難 にな ると解釈 す るのが妥 当であ ろ う。 以 上 、毎 日1時 間ずつ レベル相 応 の英語 の授業 を受 けるだけであるが、 望め ば授 業外 で豊 富 に英語 に接す る環境 で学 校 生活 を送 る帰 国 中高 生の英 語力 を調 査 した結果 、千 里 国 際学 園 は英語 力 の保 持 ・伸 張 面 で 目を見 張 る成 果 をあげてい るこ とがわ かった。 同時 に、 ライテ ィングカ に も諸側 面が あ り、それぞれ の保 持率 が異 なるこ とや 、帰 国前 の英 語 到 達度 がそ の後 の保 持 に大 い に影 響 を及 ぼす こ とも判 明 した。 一般 の 日本 の学 校 に編 入 学す る帰 国生 に も、 課外 に個 々生徒 の英 語 力 に適 した教材 を提 供す るこ とで 英語 力 を失わず に保 持す る可能性 が示唆 され た。 今 後 の研 究 の方 向性 としては、 本研 究 の結 論 の妥 当性 を高 めるた めに 更に 多 くの帰 国 生 を対 象 とした研 究 が必 要で あ る。 そ うす る こ とで 、正 規 生 ・等 分散 性 を担 保 して 統 計 的 によ り強 力なパ ラメ トリック法 を用 いた分析 が可能 にな る し、 今回 のデ ータ分析 の 中で非 常 に特異 な傾 向を示 した(CC/CL/S七C/Quotient全 彳暑・点がNS平 均値 を上 回って いた)11年 生Hク ラスが、 偶然 能 力の 高い 生徒集 団で あったのか、 学年 的特徴 で あったのか等 、議 論 の対 象 とす るこ とが可 能 となる。 その際 、今 回 は残 念なが ら入 手 出来 なか った各生徒 の言 語歴 を正確 に把握す る必 要 もある。 また研 究デザインの面では、 本 研 究 は横 断研 究 の手法 を取 った ので、各 学年 の傾 向は把握 できたが、 発達 毀 階 を議 論 す るこ とはできなか った。 長 期 的 に同 じ中高生 か らデー タを とり続 けるこ とで よ り有 益 な発 見 に繋 が るはず であ る。 更 に、本稿 で はライテ ィ ング能力 を4つ のサブスキル と して操 作 化 したが、今後 さ らに どの よ うな側 面を測 定対象 とすべ きなのか検討 の余 地が ある。

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