都心部における通学環境の安全性に関する研究ー福岡市博多小学校を事例として [ PDF
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(2) 3. 都心部における通学環境の現状 3-1 対象地の選定. また各児童の通学経路に関しては、各家庭から一番近 い「基本通学路」を通るようにという学校側からの指示のも と、個別に選択される。更に、保. 福岡市旧博多部は、福岡の中心商業地区に隣接するも のの、ここ 30 年で人口が半減するなど都市の空洞化や活. 護者は学校から配布された用紙 (図 3)に子どもの通学経路とし. 力の低下が指摘されてきた(図2)。このような状況を改善 するため平成10年に出された「都心居住・博多部振興プラ. て選択した順路を記し学校へ提 出する義務があり、学校側には. ン」では、旧博多部を都心居住地として推進しており、近 年では人口増加に転じている。 従って本研究では、福岡の都心. 全児童に提出された通学路を守. 40,000. 人口 人口増減率. 35,000. 30,000. 居住地として推進されている旧 博多部を校区とする福岡市立博. 20,000. 人 口 増 減 率. 15,000. 15.0. 人 25,000 口. (%). 10,000. 0.0. 5,000. - 15.0. 多小学校区を対象地として選定 する。 図2 旧博多部の人口推移 また、博多小学校は近年の児童数の減少から、以前4校 あった小学校が 1998 年度に博多小学校として 1 校に統廃 合され、それに伴い校区が広がり通学環境も大きく変化 0. 1965. 1970. 1975. 1980. 1985. 1990. 1995. - 30.0. 2000. (年). らせる義務がある。このよう に、各児童の通学経路は学校側 と保護者との関係によって成立 している。 3-2-2 通学ネットワークの現状. (太線は基本通学路). 図3 通学路提出用紙. 次に、博多小学校全児童の通学路を把握するため、2003 年度に提出された、全児童517名(2003 年4月現在)の通学 路資料を基に、通学交通量分布図を作成した(図 4)。 これより、ほとんどの子どもが学校の定めた「基本通学 路」を利用していることが分かる。中でも主要幹線道路で. している。2001 年度に現在の新校舎に移転し、旧博多部 と中洲地区とを校区とする児童数517名(2003年4月現在). ある大博通りを利用している子どもの数が291名と最も多 く、旧4校区いずれの地区から通学する子どもも大博通り を南北の基軸としている。一方で、1 ∼ 5 名という少数の 子どもしか利用していない街路が全延長の約 65%を占め. の小学校となっている。 3-2 博多小学校における通学環境の現状 3-2-1 基本通学路の選定基準と通学経路選択の概要 博多小学校では、 主となる通学路を「基本通学路」として 学校側が定めている。これは、①歩道があること②安全で. (図 5)、各幹線道路や「基本通学路」から 1 本逸れた街路に 21 人以上通行 入ると、利用する子どもの数は著し 12.3% 16-20 人通行 5.2% く減少している。通学環境の安全性 11-15 人通行 を考える上で、「基本通学路」のよう 6.3% 1-5 人通行. あること③細い通りは避ける④見通しのきかない通りは 避ける⑤幹線道路を渡る信号は青の点灯時間の長いとこ ろを選定という基準に従い、新校舎への移転時に博多小. な主要通学路の整備のみでなく、少. 学校検討委員会や学校側によって安全面を重視して選定 された。. 6-10 人通行 12.9%. 63.3%. 数の子どもしか利用しないような通 学路の末端部分における安全確保も 図5 子どもの通行量 別の街路延長割合 課題である。 3-2-3 子どもの視点から見た通学環境 子どもたちの通学環境に対する意識を探ることを目的 に、2003 年 10 月に旧 4 校区から通う子どもに対し、ヒア. 「こども 110 番」登録店舗 地域安全委員指導 コンビニエンスストア ガソリンスタンド. リングをしながら一緒に下校する調査を行った(表3)。そ の結果、子どもからの意見として、歩道上であっても自転 車交通や自動車の路上駐車によって危険な目に遭うこと が多いことや、多くの子どもが利用する大博通りは安心 して通学できることなどが挙げられた。歩道の有無や細 い通りは避ける等、街路構造の観点からは安全性に配慮 した「基本通学路」の選定が行われているが、 路上駐車や自 転車交通等、街路の利用状況からも安全性確保のための 課題解決に取り組まなければならないことを示している。 また、自動車交通量の多い通りなどは決して快適で楽し める環境ではないといった意見も聞かれた。 3-3 地域における安全環境整備 3-3-1 学校、地域組織による安全対策活動 学校や地域組織による通学路の安全対策活動や組織構 成を把握するため、2003 年 10 月に博多小学校や PTA 役員 の方々にご協力いただき、ヒアリング調査を行った。これ 表3 子どもへのヒアリング結果 奈良屋地区. 御供所地区. 大浜地区. 登校時は決まった通学路を通るが、下校時は一緒 に帰る友人に合わせて、違う道を通って帰る。ま 毎日、家庭で選定した通学路を通っている。 た、通学路として指定されていない抜け道なども使 う。 一人で登校し、下校はいつも同じ友人2人と一緒 たいてい一人で登校し、下校はいつも同じ友人4 通学メンバー に帰宅する。 ∼6人と一緒に帰宅する。 たいてい学校が終了するとすぐに帰宅し、学校に 放課後、学校に残って遊ぶことは少ない。旧冷泉 放課後の活動 残って遊ぶことはない。 小が開放されているときには、そこで野球をする。 ・ 歩道を通る自転車の数が多く、時々危険な目に ・ 遠回りしてでも、友人の多い道を通って帰る。 ・ 工事などをしていて、通りにくい道がある。 あう。. 選定通学路 毎日、家庭で選定した通学路を通っている。. 0. 50. 100. 200. 300. 400. * 図内数値は児童通行量を表す。. 図4 博多小学校の通学ネットワークと通学環境. 通学路に感じ ・暗い時や狭い道などは、特に怖いとは思ったこと ること はない。 ・ あまり楽しい通学路ではない。. 6-2. ・ 路上駐車が多く、通りにくい道がある。. 冷泉地区 登校時は決められた通学路を通るが、下校時は友 人と寄り道をして帰る。 登校も下校も同じ友人と3人で通っている。 放課後学校に残って遊ぶことはない。両親が働い ているので、祖父母の家に帰る。.
(3) より、各組織が実施する様々な安全対策活動の全体像を 整理することが出来た(表 4)。. 4. 都心部における通学路の安全環境整備 4-1 街路の安全性評価の概要. この結果、今回調査した限りでは、学校やPTA といった 博多小学校を基盤とした組織では、旧4校区の壁を乗り越. 2、3 章において交通、防犯の両面から街路や通学環境 に着目した安全対策に関する視点や課題をまとめた。こ. えた安全対策活動を提案・実施していたが、旧4 校区の区 分けに基づく自治会単位では、旧校区ごとに地域組織が. れらを基に図6に示す街路の安全性評価指標・手順を整理 し、博多小学校区を対象に街路の安全環境評価を行う。こ. 確立され、組織相互の活動や情報の共有化は現在のとこ ろ進展していない状況にあった。今後、博多小学校区全体. こで用いる街路とは交差点間で区切られる空間とする。 4-2 街路の安全環境特性. で地域における子どもの安全環境を整備するためにも、. 街路の安全環境特性を抽出するため、安全性評価値を. 統廃合された小学校に関わる旧来の自治会間でも協力体 制を整えていくことが重要な課題である。. 基に街路の類型化を行う。類型化の手法としては、クラス タ分析の Ward 法・平方ユークリッド距離を採用した。そ. 3-3-2 地域における個別の安全対策活動. の結果、7 つの類型に分けることが出来、以下にその特性. 近年の地域での犯罪増加を受け、学校や地域組織だけ でなく、各家庭による「こども110 番」登録や、民間企業の. と安全性を向上させる方策を考察する(図 8 ∼図 14)。 交通 防犯 (1)クラスタ A 4 1 3 5 平均得点が最も高い。幹線 2 6 5.00. 社会貢献活動の一環とした地域安全対策活動等が取り組 まれている。博多小学校区における活動の概要を表 4、図. 地域担当の教師. PTAパトロール 地域安全委員指導 ママさんパトロール 校区安全マップ作成 こども110番登録店の管理. ① ② ① 「子ども&レディス110番の店」 福岡県石油組合 ② ③ ① 「セーフティステーション・ 日本フランチャイズチェーン協会 トライアル活動」 ②. 2 章 3 章. No. 構造. 安 街路環境 全 交通 性 評 沿道環境 価 安全活動 指 標 防犯 視点 の 街路環境 作 沿道環境 成 安全活動. 項目. 安全性. 無. 安全性. 0.01- 2.00m 片側路側帯 両側路側帯. 2.01- 3.50m 片側歩道. 3.51- 5.50m 片歩+片路. 有. 3 電柱の有無 4 100mあたりの駐車数. 5.51m歩行者専用. 無. 4.51台-. 3.01- 4.50台. 1.51- 3.00台. 0.01- 1.50台. 0.00台. 12.01台-. 8.01- 12.00台. 4.01- 8.00台. 0.01- 4.00台. 0.00台. 7 100mあたり駐車場出入口数 8 100mあたり共同住宅駐車場出入口数. 4.51ヶ所-. 3.01- 4.50ヶ所. 1.51- 3.00ヶ所. 0.01- 1.50ヶ所. 0.00ヶ所. 3.01ヶ所-. 2.01- 3.00ヶ所 指導無. 1.01- 2.00ヶ所. 0.01- 1.00ヶ所 指導有. 0.00ヶ所. 規制無. No. 項目. 1 街灯の有無 2 沿道建物窓面割合 3 バス停密度 4 博多小・ 中学校教員指導 5 登校時の安全対策活動密度 6 下校時の安全対策活動密度. 安全性. 規制有. 安全性 高. 低. 無. 有. 0. 0.01- 0.30. 0.31- 0.60. 0.61- 0.90. 0.91-. 1. 2. 3. 4. 5. 指導無 1 1. 指導有 2 2. 3 3. 街 路 環 境. 各 街 今路 後特 の徴 改に 善合 策わ のせ 提た 案. 街 路 環 境. 通 基学 礎経 情路 報選 マ択 ッ時 プの 作 成. 街路環境. 高. 両側歩道. 5 100mあたりの駐輪数 6 一方通行規制. 9 博多小・ 中学校教員指導. 2.00. 6. 1.00. 1.00. 5. 7. 1 9 8 平均交通得点:3.36 平均得点:3.29. 3. 4 平均防犯得点:3.18 延長:5929.3m. 5.00. 5.00. 4.00. 4.00. 3.00. 3.00. 2.00. 2.00 1.00. 1. 5. 7 9. 8 平均交通得点:3.17 平均得点:3.00. 3. 4 平均防犯得点:2.75 延長:4425.7m. 5. 3. 10. 5.00. 4. 5.00. 5. 4.00. 2.00. 2. 1. 4.00. 6. 3.00. 2. 3.00 2.00. 6. 1.00. 1.00. 5. 7. 1 9 8 平均交通得点:3.55 平均得点:3.05. 0. 低. 0.00m. 1 平均歩道幅員 2 歩車分離環境. 2. 3.00. 3 4 平均防犯得点:2.29 延長:8484.2m. 安全性は低く、沿道窓面割 合、登下校時の安全密度が低 交通. 視点. 1. 4.00. 6. 2.00. 2. 境・沿道環境の安全環境が 整っている。一方、防犯上の. 交通 安 全 対 策 の 視 点 ・ 課 題 点 の 抽 出. 5.00. 5. 3.00. た街路を多く含む。交通の安 全性が最も高く、特に街路環. 子どもの緊急避難場所 ステッカー表示による犯罪抑止 子ども、女性の緊急避難場所 小学生向け防犯ビデオの作成・配布 小学生向け防犯ビデオの作成・配布 子ども、女性の緊急避難場所 犯罪発生時の通報. 地域住民. 防犯. 4. 4.00. 0. 地域における個別活動. 「こども110番」. 5.00. 幹線や補助幹線道路、河川 図10 クラスタCの安全性評価 防犯 交通 沿いの広幅員歩道の整備され. ① 小学校校門にて挨拶運動 ② パトロール ① 集団登下校、団体下校 ② 通学路コースの作成 →4校統廃合時に通学路の基本図案を作成. 博多小学校検討委員会. 交通 3. しかし、駐車・駐輪の数が多 く、街路環境の交通面で安全 性が低い。 (5)クラスタ D. →各4地区で組織体系、活動内容が異なる. 学校. 10. 1.00. 活動内容. 子どもを持つ父親(有志). 5. 犯上の安全性が高い。 0 5 10 (3)クラスタ C 図9 クラスタBの安全性評価 交通 防犯 幹線や補助幹線道路を多く 4 1 3 5 含んでいるため、歩道による 2 6 6 歩車分離環境が整っている。 2. 表4 地域における安全対策活動. はっぱの会. 3 4 平均防犯得点:3.23 延長:4774.7m. 図8 クラスタAの安全性評価. (2)クラスタ B 地区内の補助幹線道路を多 く含み、「こども 110 番」登録 店舗が近辺に分布するため下 校時の安全密度が高く、また 沿道建物窓面割合も高く、防. 地域で統一した安全管理体制の整備が必要である。. 自治会. 8 平均交通得点:3.47 平均得点:3.38. 0. 校区全体として実効性ある安全対策を行う上で、今後は. 交通安全推進委員会 防犯委員会. 9. よる安全密度が高い。. いても統一した管理体制が存在しないことが課題である。. PTA. 1.00. 5. 7. 1. 指導のいる登校時やバス停に. も大きく影響するため、今後は沿道環境も考慮した通学 環境の基準づくりが必要である。また地域における安全 対策については、統廃合以前の旧校区を単位とした地域 組織ごとに活動が行われ相互の協力体制が整えられてい ないことや、民間企業等による個別の安全対策活動につ. 地域安全委員会. 2.00. 6. 1.00. 整っているが、駐輪数が多 い。幹線道路のため安全委員. いる。また、通学ネットワークとの位置関係が希薄な部分 もあり、通学利用状況に合わせた配置計画が必要である。 3-4 まとめ 現在の「基本通学路」の選定基準は街路空間の安全性のみ に目を向けた基準であった。しかし、商業、業務等様々な 機能の混在する都心部では、街路の安全性には沿道環境. ① ② ③ ④ ⑤. 3.00. 2.00. 2. 道路を多く含み、広幅員の両 側歩道による歩車分離環境が. した管理体制が存在せず、各団体が個別に対策を講じて. 構成員. 4.00. 3.00. 4にまとめる。これらの安全対策活動には現状として統一. 組織名 学校・地域組織による活動. 5.00. 4.00. 4 4. 5 5. * 評価指標の No はレーダーチャートの番号に対応. 図6 街路の安全性評価の指標と手順. 6-3. 構造. 評 価 値 を 基 に 街 路 の 類 型 化. 5.00. 3. 4. 交通. 5. 4.00 3.00. 安 全 活 動. 2.00. 2. 6. 1.00. 1. 7 9. 防犯. 8. 街路環境. 5.00. 6. 1. 4.00. 2. 3.00 2.00. 安 全 活 動. 1.00. 5. 3 4. 5. 10. 図11 クラスタDの安全性評価 沿 道 建 物 窓 割 面 合. Ld Le. L. La Lb Lc. 沿道建物窓面割合 =. La+Lb+Lc+Ld+Le L. ランク 1 ランク 2. 安 全 密 度. ランク 3 ランク 4 ランク 5 *Spatial Analyst を用いた カーネル密度分布を作成. 図7 指標の説明.
(4) い値を示している。 (5)クラスタ E 地区内の歩道のない街路で 構成され、更に駐車場出入口. 3. 5.00. 4. 5.00. 5. 4.00. 大博通り、明治通りの安全性が高い。また下校時の防犯 上の安全性は幹線道路から1本入った街路でも高い値を示. 2. 3.00 2.00. 6. 2.00. 1.00. 1.00. 5. 7. 1. に多く面しているため、交通 安全性が低い。一方、地区内. 1. 4.00. 6. 3.00. 2. しい。 (3)旧御供所校区. 防犯. 交通. 9 8 平均交通得点:2.48 平均得点:2.49. 3. しており、両者を使い分けることで安全性が確保される。 (4)旧冷泉校区. 4 平均防犯得点:2.51 延長:9038.5m. の街路であるため「こども110 番」 登録店舗が近辺に分布し. 大博通り、明治通り、下川端商店街で安全性が高い。ま た地区内の補助幹線道路や幹線道路から1本入った街路に 0. 10. ており、下校時の安全密度が 図12 クラスタEの安全性評価 防犯 交通 高い。 4 1 3 5 (6)クラスタ F 2 6. らの街路を使い分けることで安全性が確保される。 4-5 まとめ. 街路幅員の狭い地区内街路. 以上、 「街路環境」、 「沿道環境」、 「安全活動」、 「経路選択」と. 5.00. 5.00. 4.00. 4.00 3.00. 3.00 2.00. 2. (7)クラスタ G 狭幅員街路で構成され、街 路構造面の安全性が低いが、 駐車・駐輪は少なく、一方通 行規制の街路が多いため、街 路交通面では安全性が高い。 しかし、平均点が最も低く、. 1.00. 5. 7. 1 9. 8 平均交通得点:2.64 平均得点:2.63. 安全性が低い。一方、登下校 時の安全密度が高く、防犯の 安全活動面の安全性が高い。. 2.00. 6. 1.00. で構成され、駐車・駐輪の数 が多く、交通の街路環境面の. おいて下校時の防犯上の安全性が高い。登下校時でこれ. いう4つの視点から街路の安全環境特性を抽出し、今後の 方策を検討した。これまで通学路の設定に関しては、学校. 3. 4 平均防犯得点:2.63 延長:5888.0m. の選定する「基本通学路」に準ずるのみであったが、 子ども の視点から通学環境を見直すことで、安全性に関する新. 0. たな基準を見出すことが出来、今後はきめ細かな安全環. 10. 図13 クラスタFの安全性評価 交通 3. 5.00 4.00. 5.00. 5. 2.00. 2. 1.00. 7 9 8 平均交通得点:2.74 平均得点:2.45. 3.00 2.00. 6. 1.00. 1. 5. 結論 子どもの視点から通学環境の安全性を見直した本研究 より以下のことがまとめられる。 (1)街路の安全対策や現状の通学環境整備より、沿道環境 整備や校区内で統一した地域安全対策活動が通学環境の 安全性を確保するために必要であることが分かった。. 1. 4.00. 6. 3.00. 2. 境基準による通学経路設定が必要である。. 防犯. 4. 5. 3. 4 平均防犯得点:2.02 延長:5478.0m. 0 10 特に防犯上の安全性が低い。 図14 クラスタGの安全性評価 4-3 安全環境整備の方策. (2)街路環境・沿道環境・安全活動という 3 つの視点から 街路を評価することで、各街路の安全環境特性が明確化 し、街路の特性ごとに今後の整備方策を検討出来た。 (3)これまでの通学路の選定基準は街路環境のみに目を向 けたものであったが、今後は子どもの視点から通学環境. 駐車・駐輪数の多いクラスタ A、C は歩道による歩車分 離環境を整えており、駐車禁止規制の強化等により、快適 に歩行できる交通環境の重点的整備が必要である。多く の駐車場や共同住宅駐車場の出入口に面するクラスタEで は、歩行者の交通安全が阻害されており、今後は子どもの. を見直し、詳細な安全環境基準の設定による通学経路の 選定が必要である。 クラスタ A クラスタ B クラスタ C クラスタ D クラスタ E クラスタ F クラスタ G. 通学路に配慮した駐車場出入口の配置計画や、経路選択 時の判断基準として考慮する必要がある。 また、沿道環境や安全活動による防犯上の安全性が低 いクラスタ D、G は、沿道施設に「こども 110 番」登録店舗 を増加させる等、防犯対策の強化が必要である。また、登. 那ノ津通り. 川沿いはクラスタ Dを多 く含み、広幅員歩道を整 備し、遊歩道とするなど 交通安全性は高 いが、 「 自然な監視」 の目が少 なく、防犯上問題。. 校時は安全委員指導等により幹線道路における安全密度. 地 区 内 部に は職住近接 の生活 が残 るところや 商業、業務機能空間が混 在し、「自然な監視」の目 による 安 全 性の 確保が 見込まれる。. 奈良屋・冷泉地区内の補 助幹線道路は、クラスタ C を多く含み、下校時の 防犯上の安全性が高い。. 大 博 通 り. が高く、下校時は「こども110番」登録店舗の地区内分布に より地区内街路の安全密度が高い。登下校時で安全環境 博多小学校. も変化するため、それぞれに応じた通学環境整備基準を 設ける必要がある。. 昭和通りは、交通安全性 は高いが、防犯上の安全 性が低い。. 昭和通り. 4-4 安全通学経路選択 経路選択時の情報提供のため、類型を基に通学環境基. 大博通り南側、明治通り はクラスタ A,Bを多く含 み、総合的に安全性が高 い。. 明治通り. 礎マップを作成し、旧 4 校区別に経路選択の提案を行う。 (1)旧奈良屋校区 交通に関しては大博通りや昭和通りの安全性が高いが、 地区内部の補助幹線道路等の安全性も高く、特に下校時 の安全密度は補助幹線道路の方が高い値を示している。. 下川端商店街は、クラス タ C を多く含み、街路構 造、沿道環境の交通安全 性は高いが、荷捌き等の 駐車・駐輪が多い。また 下校時の安全性も高い。. 幹線道路から 1本地区内 に入った街路では、交通 安全性 は低 いが 防犯上 の安全性が高い。. 国体道路. (2)旧大浜校区 他地区と比較して、全体的に安全性が低い。特に防犯上 の安全確保には、登校時は地域安全委員指導のある幹線 道路を通行し、下校時は「こども 110 番」等による「自然な 監視」の目の見込まれる地区内街路の通行することが望ま. 0. 75 150. 300. 450. 600. m. 図15 通学環境基礎情報マップ. 6-4.
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