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刺激欲求特性とゲーム依存との関係
人間教育専攻 幼年発達支援コース
島村彩加
問題の所在と研究目的
2010
年
2月韓国で「インターネットゲーム ばかりをしているJと注意した実母を殺害した 容疑で、22歳の男性が逮捕されたという事件が あった。 2010年
2月にはソウル市内で30代の 男性が、ネットカフェで5日間ゲームだけをし ていて卒倒し、病院に搬送されたものの死亡し たという事件も起きている。日本でも、 7500 人を対象にキンパリー・ヤングの「インターネ ット依存度テスト」を行ったところ、男女それ ぞれ2%ずつおり、 271万人がネット依存傾向にあると推測されている。総務省 (2014)によ る高校生を対象とした調査でもヤングの尺度を 用い、依存傾向が高い生徒は全体の4.6%。中程 度の生徒は55.2%で、男子 (3.9%)より女子が 多い (5.2%)ことがわかっている。
このようにゲーム依存は、社会現象になって いるほと、深刻な問題になっている。したがって、
なぜゲーム依存になるのかを解明することは大 切な教育課題だと考える。とくに最近では、ス マートフォンの普及が著しく、スマートフォン ゲーム(以下、スマホゲーム)で遊んでいるこ
とが多い。
これまでのゲーム依存に関する先行研究では、
男女差だけでなく、個人的な特性や背景が関係 しているという指摘がある(古津, 1989)。
指 導 教 員 湯 地 宏 樹
ゲームユーザーにもいろいろなタイプがある ため、ゲームの噌好性とゲーム依存と関係があ るのではないかという仮説が成り立つ。
そこで本研究では、刺激欲求特性尺度やゲー ムの曙好性とゲーム依存との関係を明らかにし ていきたい。そのために、ゲーム遊びの頻度や 時間とともに、刺激欲求特性尺度や好みのゲー ムジャンルを尋ね、ゲームをする人が全て依存 につながるのではなく、何かそこに特性がある のではと思い研究しようとd思った。
研究方法
(1)調査対象 :N・S.Kの大学生 (316名) (2 )調査時期:2014
年
10月""'1月。( 3
)調査方法:無記名による質問紙調査法。( 4 )
調査内容:①属性:男女・きょうだい②メディア利用の実態(新聞やテレビ、スマー トフォン等利用頻度と平均利用時間)
③好きなゲームのジャンル
④ネット依存傾向:キンパリー・ヤングのイン ターネット依存尺度をゲーム尺度用に改変。
⑤SNSの利用内容
⑥古揮
( 9 8 9 )
の刺激欲求特性尺度( S S S ‑ A E ):
T A S :
少々危険でもスリルのあるスポーツをする のが好きなどに当てはまる、D i s :
流行に合わせ たりスキャンダラスな話題が好き、E S :
興奮し たりわくわくすることが好き。- 22 -
結果と考察
D i s
高群の人はスマートフォンの利用頻度が 高いという結果がみられた。反対にD i s
低群は 新聞を読んだり、ラジオを聴いたり、パソコン、フィーチャーフォン、携帯型ゲーム機、据え置 き型ゲーム機を使用しているということがわか づた。 TAS低群はパソコンを多く使用していた。
ES高群はテレビを見ており、低群が本や雑誌 を読むということがわかった。
好きなゲームジャンルと刺激欲求尺度の関 係を調べた結果、性差はあったものの、刺激欲 求特性との関連は見られなかった。
TAS高群はスマホでゲームをしたり、 SNS を見たり、 SNSを書き込んだ、り、 SNSで無料 通話をするということがわかった。 ES高群の 女性はホームページを多く見ているが、男性は その反対だということがわかった。
ゲーム依存度では
D i s
低群は友だちと過ごす よりも、一人で家にいてゲームをしていたいと 思っているということがわかった。何がゲーム依存度に結びついているのかを 重回帰分析によって確かめた。ゲーム依存度に 最も影響があるのは、ゲームジャンルだという ことがわかった。ロールプレイングゲーム、パ ズル、シミュレーションゲーム、オンラインゲ ームのすべてのパスが有意だ、った。ゲームの中 で特にロールプレイングゲームが最も高く、そ の原因として長時間行えるゲームの内容や、極 めることができるため、突き詰めていくことが 好きな性格の人が好みそうなゲームであるとい うことが関係しているのではないかと考える。
またスマホゲームが据え置き型ゲームよりも依 存しやすいことから手軽に空いた時間でプレイ できることやくり返し遊びたいと思わせるゲー ム内容などが影響している可能性がある。
メディア利用の項目ではタブレット端末と 据え置き型ゲームがゲーム依存と関係があるこ とがわかり、タブレット端末では本を読んだり、
ゲームをしたりすることはテレビを見ることや 音楽を聴くことよりも自分から積極的に働きか けているのではないだろうか。据え置き型ゲー ム機も、少しの時間暇ができたからやるという よりも時間を作って自分から遊んでいることが ゲーム依存へとつながったと考えられる。
今後の課題
今回の調査対象は大学生のみの約320名で行 った。今後の課題としてもっとサンプル数を増 やし、ゲームやスマートフォンへの依存が問題 となってきている小学生や中学生も対象として 調査したい。また、一人でご飯やカラオケに行 くことに抵抗がなく充実感を得ることのできる いわゆる「ボッチ充Jというタイプの人のこと に触れられなかったのでこれから明らかにして いきたい。ボッチ充とのことも関連するがどの ような人間関係を形成しているかというような 内容を質問用紙に加えることができれば興味深 い結果が出たかもしれないと考える。
スマートフォンやゲームはなくなるものでは ないと思うので夢中になりすぎて生活に影響が 出てきてしまう前に、自分はもちろん周りの人 がスマートフォンやゲームのことについて危険 性も含めて知り、自分なりの関わり方を事前に 考えておく必要があるのではないだろうか。