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た.総面積をクリップの全表面積で除した値を塗膜変状面積率と ①

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第69回年次学術講演会(平成26年9月). Ⅵ‑358. 線ばね形締結装置における各種防食塗装の暴露試験結果 西日本旅客鉄道株式会社. 正会員 ○中村 貴章. 西日本旅客鉄道株式会社. 正会員. 山根 寛史. 1.目的 線ばね形レール締結装置は,従来型の板ばね形レール締結装置と比べて高い締結力を有することから,線ば ね(以下, 「クリップ」という)には,締結時に高い応力が生じる.トンネル内などの腐食環境下では,クリ ップ表面が腐食し,腐食孔に応力集中が生じることで,折損に至るという事象が報告されている.JR 西日本 では,このような環境で敷設するため,既にシェラダイズ塗装を施したクリップを仕様化しているが,沿岸部 のトンネル入り口などの屋外と比較して高湿度で雨洗効果が期待できない特に腐食性の高い環境では防食効 果が長期間持続せず,シェラダイズ塗装のクリップが折損に至ることがあり,特定の過酷な腐食環境に対応可 能な防食塗装の検討を進めてきた. 過去に塩害によるクリップの損傷が生じた山陰本線のトンネル内に長期耐久型の防食仕様のクリップを試 験敷設し,これに関する経年に伴う塗膜状態および腐食状態のトレースを行ったので,以下に報告する. 2.調査概要 試験敷設したクリップの塗膜状態および腐食状態を外観から評価し,目視で評価困難なものはクリップの一 部を回収し,詳細な調査を実施した.回収した試験品の腐食状況 を詳細に把握するため,塗膜下での腐食が推定される直径 2mm 以 上の塗膜膨れや,塗膜の割れ,剥がれが確認された箇所を記録し. ②. ⑤. ③. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F G H I. た.総面積をクリップの全表面積で除した値を塗膜変状面積率と ①. 以後称する. 調査対象は,腐食性の高い環境に敷設するクリップとして当社 で標準化しているシェラダイズを比較品とし,2010 年 9 月に試験 敷設した 2 種類( 「フォルテコート処理」および「シェラダイズ+ ザイロン加工」),および過去の研究で鉄道総研が提案し,2011 年 11 月に新たに試験敷設した 2 種類( 「常温乾燥型亜鉛・珪素複 合被膜」および「常温乾燥型亜鉛・珪素複合被膜+無機系塗膜」) の計 5 種類の塗装を施したクリップである.暴露試験の各試験品 の敷設状況を図-1 に,各塗装仕様の概要を表-1 に示す. 3.調査結果 ①. ④. 図-1 各試験品の敷設状況 表-1 各試験品の塗装仕様概要 塗装名(処理方法) 敷設年月 ①シェラダイズ+ザイロン加工 2010 年 9 月 (亜鉛系材料+高耐久型被覆) ②フォルテコ-ト処理(リン酸塩被覆処理+ 2010 年 9 月 エポキシ樹脂+クリアコ-ト) ③常温乾燥型亜鉛・珪素複合被膜 2011 年 11 月 ④常温乾燥型亜鉛・珪素複合被膜 2011 年 11 月 +無機系塗膜 ⑤シェラダイズ(比較品) 2011 年 11 月 (亜鉛系材料+粉体塗料). シェラダイズ+ザイロン加工(図-2) パンプーラー接触部ではさびと割れ,一般部ではさびが増加する傾向にあった.腐食箇所に注目すると,1. 層目の亜鉛系被膜の腐食に起因する白さびの発生が一部で確認された.また,明らかに基材の腐食と推定され る箇所以外に,鉄さびと塵埃成分が混じり合ったと推定される土色状の変色が多く認められた. ②. フォルテコート処理(図-3) パンプーラー接触部および一般部ともに塗膜割れに伴う腐食箇所の増大傾向がみられた.ただし,腐食の形. 態は局所的なさび割れを示すことが多く,さび膨れの生じていない部分では塗膜割れを生じず光沢も保持して いた.したがって,塗膜自体の耐久性は高いことが推定され,パンプーラーによる損傷箇所や塗膜の初期欠陥 部分からの腐食が早期に進行したと考えられる. キーワード レール締結装置,線ばね,防食,腐食,シュラダイズ,常温乾燥型亜鉛・珪素複合被膜 連絡先. 〒530-8341 大阪市北区芝田二丁目 4 番 24 号 西日本旅客鉄道株式会社 施設部. ‑715‑. TEL06-6375-2296.

(2) 土木学会第69回年次学術講演会(平成26年9月). Ⅵ‑358. ③. 常温乾燥型亜鉛・珪素複合被膜(図-4). パンプーラー 接触部. 敷設直後と比較して表面に汚れが付着しているが,さび や膨れなどの変状はみられなかった.また,パンプーラー. ショルダー部. 2011 年撮影. 接触部においてもさびの発生は認められず,他のクリップ と比較して物理的な作用に対する高い耐久性を有している と考えられる.ショルダー接触部近傍ではさび色に変色し. 2012 撮影. 2013 撮影. 図-2 ①シェラダイズ+ザイロン加工 パンプーラー 接触部. ているものが確認され,クリップ締結時にショルダーと接. ショルダー部. 触して塗膜が損傷し,腐食が進行した可能性が示唆された.. 2011 年撮影. 一部のクリップで微細な割れを生じているものがあった が,塗装工程において過度に塗膜が厚く塗装された箇所が. 2012 撮影. 2013 撮影. 図-3 ②フォルテコート処理 パンプーラー 接触部. 局所的に存在し,そこを起点として割れが生じたと推定さ ショルダー部. れる.外観調査の結果,素地は露出していないことが確認. 2011 年撮影. されたため,防食性に問題は無いと考えられる. ④. 常温乾燥型亜鉛・珪素複合被膜+無機系塗膜(図-5) 前項③と同様,さびや膨れは認められず高い防食性を維. 2012 撮影. 2013 撮影. 図-4 ③常温乾燥型亜鉛・珪素複合被膜 パンプーラー 接触部. 持していることが確認された.パンプーラー接触部や一般. ショルダー部. 部の一部で上塗り塗膜層が破壊されていたことから,上塗. 2011 年撮影. 2012 撮影. 2013 撮影. りの無機系塗膜は物理的な作用に対して脆弱と考えられる. 図-5 ④常温乾燥型亜鉛・珪素複合被膜+無機系塗膜 ただし,上塗り塗膜の破壊箇所において常温乾燥型亜鉛・. パンプーラー 接触部. 珪素複合被膜の皮膜が損傷していないことを確認している. ⑤. ショルダー部. シェラダイズ(比較品)(図-6) 表面の汚れが増大している.また,直径 0.2~1.0mm 程度. の塗膜膨れがこれまでよりも多く生じていることが確認さ れた.腐食についても,1 層目の亜鉛系皮膜の腐食に起因する 白さびの発生が確認されたほか,素地の腐食によるものと推定 される鉄さび色の変色が認められたが,これが表面に付着する 汚れの色なのかを明確に判別することは困難だった.なお,土 色状の箇所は①と比較すると少ないことが確認された.. 2011 年撮影. 2012 撮影. 2013 撮影. 図-6 ⑤シェラダイズ(比較品). 塗装名 ① ② ③ ④ ⑤. 表-2 塗膜変状面積率 敷設年月 塗膜変状面積率 2010 年 9 月 21% 2010 年 9 月 80%以上 2011 年 11 月 3% 2011 年 11 月 7% 2011 年 11 月 3%. 回収したクリップの塗膜変状面積率の算出結果を表-2 に示す.②は 80%以上となり,最も大きい値となった. 次いで①(21%) ,④(7%) ,⑤(3%) ,③(3%)の順になった. 4.まとめ 防食処理を施したクリップの試験敷設後の現地調査を実施した.以下に得られた知見を示す. ・常温乾燥型亜鉛・珪素複合被膜および常温乾燥型亜鉛・珪素複合被膜+無機系塗膜を施したクリップでは, ショルダー接触部近傍を除いて腐食の進行は確認されず,防食性を長期間維持できる可能性がある. ・シェラダイズ+ザイロン加工およびフォルテコート処理を施したクリップでは,シェラダイズのクリップ と比較して一般部での塗膜変状や腐食の面積が大きかったことなどから,塗膜の防食性はシュラザイズよ りも低いと考えられる. ・フォルテコート処理は,さび膨れを生じており長期間の防食性維持は困難と考えられるが,製造時の初期 欠陥や輸送時の折損部から腐食が生じた可能性がある. 本調査は,敷設から 2 年または 3 年後経過した段階のものであり,今後,塗膜変状や腐食の進行程度が変 化することが推定される. また, 計 5 種類の各試験品において,現段階で優位性に差異が認められたことから, 長期間の防食性を評価するためには,今後も試験を継続し,追跡調査を実施する必要があると考えられる.. ‑716‑.

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