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間伐竹材を利用した、知的でたのしい伝承あそび「竹がえし」プロジェクト 共生のひろば 12号 兵庫県立 人と自然の博物館(ひとはく)

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共生のひろば 12 号(2017)

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間伐竹材を活用した、知的でたのしい伝承あそび「竹がえし」プロジェクト

崎谷久義・岡 年代・岡山暢明・岡田重三・大塚栄子

(“ふるさとの原風景再生プロジェクト”太市の郷)

はじめに

当地の太市地区は、県内出荷されるタケノコの %を超える屈指の産地ですが、年を経

るごとに不耕作地が拡がって行く状況を危惧しています。

郷里の先人が、長きに渡りタケノコ生産を生業に持続維持を続けてきた竹林。近年は、さ

まざまな要因から適正な管理がなされていない竹藪周辺の地から浸食拡充する竹がもたらす

景観阻害に、目を覆いたくなります。疲弊してゆく里山景観は、土地に生きる人々の気力を

も萎えさせます。その様な背景から私たちは、

「暮らしに繋がった、美しい竹林の再生」を図

りたい!と立ち上がったボランティア活動団体

です

取り組み内容

私たちの活動は、美しい竹林修復はまだ道半

ばも達しないばかりか、整備を励み伐り出す竹

の集積嵩がゴミ状態。環境の改善努力が裏目に

出て、景観阻害におちいる始末です。そのうえ

活動の手を休めると、折角の回復が元の木阿弥

になる。 次々に 多くの 課題が 生ま れ出 て き ます。

一筋縄で行かない竹林修景の作業。これまで土

地の者たちがコツコツ怠りなく労してきた集積

が、図らずも美しい里山景観を生み出して来た

ことを深く感じました。

写真上①② タケノコ生産の竹林畑

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共生のひろば 12 号(2017)

179 里山の自然と人々のくらし、社会とのつながりなど、多様な節理を知ったたうえの活動の重

要性を思います。それには将来を見据えると、地域で育まれる子どもたちが、郷里の特質ある

竹林や生活文化に、愛着と誇りが醸成されることが最も重要との考えに至りました。

里山竹林を学童や園児たちの自然体験の場として活用する。環境学習の事業を竹藪整備事業

と並ぶもう一つの活動に位置づけることにしました。とりわけ保全が成った里地里山での学び

と、整備で伐り出す竹の活用をした教育プログラムを工夫しました。今回『共生のひろば』で

発表させていただく「竹がえしあそび」は、そのアイテムの一つです。

写真左⑤ 間伐竹材で作った、竹がえし遊具 写真右⑥ 地域のこども園で、保護者たちとの演習

「竹がえし」は、手を使い工夫する醍醐味を持ったあそび!で、単に子どもだけの遊びでは

有りません。かつては深く生活文化に根ざしていた≪日本の伝承あそび≫です。

知恵や工夫を学ぶ。人と関わる力を育てる。そして、子供どうしで楽しむ。大人と子供のコ

ミュニケーション。高齢者のリハビリトレーニングなど、地域活性化の効用も生まれます。多

くの市民に、心が豊かに感化され安らぎが得られる、充実時間を提供したいと思っています。

この間伐材を活用した、知的でたのしい伝承あそび 「竹がえし」プロジェクトは、平成

年度から、兵庫県企画県民部芸術文化課「ひょうごふるさとの芸術文化活動推進事業」の推奨

を得て活動を継続しています。

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共生のひろば 12 号(2017)

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主な取り組み内容

写真⑨太市の郷 活動地 (相野四拾町)にて 写真⑩太市の郷 活動地(相野四拾町)にて

写真⑪姫路市民会館にて 写真⑫ ディサービス施設にて

写真⑬ 城の西公民館にて 写真⑭ 赤穂海浜公園にて

今後の展開

「竹がえし」が、人生を心ゆたかに生きる装置となることを願って提案しました。「伝承あそ

び――竹がえし」を機会ある度、子どもたちの集まり場はもとより、大人のサークルや高齢者な

どが多い施設・病院などに出向き啓蒙して行こうと思います。

この遊びの広がりが世の中の活性化に寄与し、たいへん愉快な社会を築くだろうと私たちは夢

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