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A県中学校におけるダンス授業の実施調査(2020年)

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31Research Journal of JAPEW 37:31-39, 2021. 研究資料. A県中学校におけるダンス授業の実施調査(2020年). 寺山 由美(筑波大学) 河合 史菜(長崎大学) 屋代 澪(文化学園大学) 金浦 美咲(鹿児島女子短期大学) 浅井 麻里(筑波大学大学院). Survey of Physical Education Dance Classes at A Prefecture Junior High School in 2020. Yumi TERAYAMA(University of Tsukuba) Fumina KAWAI(Nagasaki University). Rei YASHIRO(Bunka gakuen University) Misaki KANAURA(Kagoshima Women's College ). Mari ASAI(Doctoral Program in Coaching Science,University of Tsukuba). 要 旨 本研究は,中学校におけるダンス授業がどのように行われているかを調査したものである。2020年 1 月にA県. の保健体育科教員を対象にダンス授業の実施調査を行った。このことにより,本研究では,現在の中学校にお けるダンス授業がどのように行われているかの資料を提供することを目的としている。. 結果として,取り扱われている内容は「現代的なリズムのダンス」が一番多く,「ビデオ等から振付を真似さ せる」と回答した教員が半数近くいることが明らかとなった。. Abstract This study investigated how dance classes are conducted in junior high school. In January 2020, we. conducted a dance class implementation survey for physical education teachers in prefecture A. For this reason, the purpose of this study is to provide materials on how dance classes are currently conducted in junior high schools.. As a result, it became clear that most of the content dealt with was "contemporary rhythmic dance", and nearly half of the teachers answered to imitate choreography from videos.. Key words: Dance class implementation survey, survey of teachers, guidance to show videos. キーワード:‌‌ダンス授業実施調査,教員への調査,ビデオを見せる指導. 32 寺山 河合 屋代 金浦 浅井. 1 はじめに 2008(平成20)年 3 月に中学校学習指導要領の. 改訂が告示され,中学校保健体育科において武道・ ダンスを含めたすべての領域が必修となった。ダ ンスが中学校にて男女必修になってから,10年以 上が経過した。また,1998(平成10)年から新た に内容の一つとなった「現代的なリズムのダンス」 は,施行から20年以上経過している。. 本研究では,中学校におけるダンス授業がどの ように実施されているかを明らかにするために, A県の保健体育科教員を対象に調査を行ったもの である。本調査は,2009年に行った調査研究(寺 山・村田・高橋・細川,2009)の調査用紙と同様 の質問紙を用いて行った。本研究は,これらの結 果から中学校保健体育科におけるダンス領域の授 業の実態と,今後の課題を明らかにすることを目 的とする。. 2 研究方法 A県の現職保健体育科教員を対象に,質問紙法. を用いて調査を行った。. 調査期日:2020(令和 2 )年 1 月31日 調査対象: A県保健体育科教員 211名 . (表 1 参照) A県の各中学校から 1 名の保健体育科 教員を対象に調査を行った。A県の中 学校数は,国立・県立・市町村立・私 立全てを合わせると224校である。し. たがって,A県の94%の学校が本調査 の対象となっている。. 調査方法:質問紙調査法(24項目). 3 結果および考察 3-1 調査対象の特性 ①回答者の特性. 質問紙に回答した教員の特性が,表 2 である。 今回の調査に回答した教員の平均年齢は,35.3才, 教員歴は10.9年と比較的若い先生方であった。A 県では,男性教員も女性教員も100%の割合でダ ンス授業を担当していた。以前のダンス授業にお いては女性教員が担当することが通常であった時 代があることを考えると,現在のダンス授業は教 員の性別に関係なく担当するように変化したとい える。. 回答者の専門とする種目は,表 3 の通りである。 サッカー 43名,野球43名,バスケットボール24名, 陸上競技が23名と多く,その他の16種目が回答さ れた。しかし,ダンスを専門とする教員は 0 名で あった。. ② 1 校あたりの保健体育科教員配置数 1 校あたりの保健体育科教員数の結果が,表 4. である。A県の保健体育科教員数は, 1 校平均が 男性教員 2 名に対し,女性教員は0.7名となった。 総じて,女性保健体育科教員が少ないといえる。. ③中学校の生徒数 表 5 は, 1 校あたりの生徒数である。平均生徒. 数は,337名であった。全国の中学校の 1 校あた りの平均生徒数は316.6名であるため(文部科学 省,online),A県は,全国的にみて平均的な県と いえる。. 表 2 回答者の特性. 性別 回答数 ダンス担当 平均年齢 教員歴 ダンス指導経験. 平均年数 男性 171名 171名( 82%) 35.2歳 10.9年 7.0年 女性 38名 38名 ( 18%) 35.5歳 11.2年 7.1年 小計 209名 209名(100%) 35.3歳 10.9年 7.0年. 表 1 対象者内訳. 対象者人数 男性 171名( 81%) 女性 38名( 18%). 無記入 2名( 0.9%) 合計 211名(100%). 33A県中学校におけるダンス授業の実施調査(2020年). 3-2 年間のダンス授業 ①年間のダンス配当時間. 年間のダンス授業配当時間の質問に対しての回 答が表 6 の通りである。男子生徒へのダンス授業 は,女子生徒と変わらない数になっている。. ②男女共習の割合 男女共習で授業をしているかの質問の回答が表. 7 の通りであり,中学校においては男女共習にて ほとんどの学校でダンス授業を行っていることが わかる。特に中 3 は95.5%が男女共習で授業を行 っている。. 中村(2009)の先行研究では,東京都の中学校 において共習は15%,女子のみのクラスが85%と 報告されている。この数字からも,男女共習のダ ンス学習が定着したと考えられる。. 表 3 回答者の専門種目 (有効回答:198). サッカー 43名 野球 43名 バスケットボール 24名 陸上競技 23名 バレーボール 11名 柔道 9名 剣道 9名 ソフトテニス 6名 ハンドボール 5名 ラグビー 5名 バドミントン 4名 体操競技 3名 レスリング 3名 空手道 2名 ソフトボール 2名 ボクシング 2名 テニス 1名 スキー 1名 体操 1名 ホッケー 1名 合計 198名. 表 5 1校あたりの生徒数. 平均 MAX MIN 人数 337名 1500名 5名. 表 4 1校あたりの体育教員配置数. 男性 女性 全員 平均人数 2名 0.7名 2.7名. 表 6 ダンス単元の年間配当時間. (単位:時間) 中 1 男 中 1 女 中 2 男 中 2 女 中 3 男 中 3 女 平均時間 8 8 7.9 7.8 8 7.9. 最大単元時間 20 15 14 14 21 18 最小単元時間 0 0 0 0 0 0. 図 1 ダンス単元の年間配当時間. 図 2 男女共習の割合. 表 7 男女共習の割合. 中 1 中 2 中 3 共習 85.7% 84.0% 95.5% 別習 14.3% 16.0% 4.5%. 34 寺山 河合 屋代 金浦 浅井. ③必修・選択の割合 ダンス授業を必修と選択のどちらで行っている. かの質問の回答結果が表 8 および図 3 である。中 1 ,中 2 ではほぼ必修として授業が行われ,中 3 では必修と選択が半々となっている。ダンス授業 が100%に近く展開されていることがわかる。. 3-3 実施している内容 学習指導要領に示されている 3 つの内容のう. ち,どの学年で何を行っているかを質問したとこ ろ,表 9 および図 4 のような結果となった。一番 多く回答されている内容は「現代的なリズムのダ ンス」であり,次に多いのが「創作ダンス」であ った。「全内容」や「 2 つ以上の内容」の回答数 も10%~ 22%となっている。. 3-4 具体的な内容 各内容において,具体的に何をしたかを質問し. た。それぞれの内容ごとに示す。. ①創作ダンス 創作ダンスでどのような内容を行っているかを. 示したのが,表10である。選択されているテーマ や題材は「日常動作やスポーツ」が一番多かった。 次に多い内容は「群の動き」であった。作品創作 には,「ソーランの作成」「国体ダンス」など,創 作ダンスの内容ではないものも含まれていた。. また,グループによる創作活動では,「提示さ れた振り付けをもとに組み合わせる」「曲を決め て振り付けを考える」など,学習指導要領には示 されていない内容の記述も見られた。. 発表会の形態としては,「クラス内」が最も多 かった。. ②現代的なリズムのダンス 現代的なリズムのダンスの具体的な内容は,表. 11の通りである。「ヒップホップ」を取り上げる 教員が多いことがわかる。. 表 9 実施ダンス内容. 中 1 男 中 1 女 中 2 男 中 2 女 中 3 男 中 3 女 1)創作ダンス 22% 21% 25% 24% 28% 26% 2)現代的なリズムのダンス 26% 26% 30% 30% 32% 31% 3)フォークダンス 10% 9% 3% 3% 1% 1% 4)その他 4% 3% 1% 2% 2% 2% 5)全内容 12% 11% 10% 10% 10% 10% 6)2つ以上 16% 15% 20% 20% 22% 21% 7) 無回答 10% 15% 11% 11% 5% 9%. 表 8 必修・選択の割合. 中 1 男 中 1 女 中 2 男 中 2 女 中 3 男 中 3 女 必修 98.5% 98.5% 95.5% 95.4% 49.7% 49.7% 選択 0.5% 0.5% 4.5% 4.6% 50.3% 50.3%. 図 3 必修・選択の割合 図 4 実施ダンス内容. 35A県中学校におけるダンス授業の実施調査(2020年). 表10 創作ダンスの具体的な内容. 回答数 n=209. 1,�多様なテーマや題材からの即興表現 ①日常動作やスポーツ 47 ②「走-止」等の対極の動き 18 ③群の動き 22 ④新聞紙などのものを使って 15 ⑤その他 1 ・動きカルタ 2,グループによる作品創作. 74. ・スポーツをテーマとした作品創作 ・テーマを決めて創作 ・テーマを設定し曲を自由に選び創作 ・学校生活 ・校歌を使ってダンス創作 ・曲のイメージ ・曲を選びグループによる創作活動 ・音楽を決めて動きを作る ・生徒が選んだ自由曲クラス担任が選んだ課題曲 ・1曲を創作する ・リズムダンス選手権の曲 ・提示された振り付けをもとに組み合わせる ・曲を決めて振り付けを考える ・ 曲を各グループで選び決められたフォーメーションで行う ・ソーランの作成 ・指定した中でのダンス ・体育祭の応援合戦で使う ・国体ダンス. 3,発表会 ①クラス内 70 ②学年 34 ③全校 14 ④学外 0 ⑤その他. 7. ・男女別 ・動画撮影 ・複数学年合同 ・体育祭 ・市ダンス発表会 ・異学年合同. 4,その他 1 ・体育祭で発表. また,一番多い回答は「ビデオ等から振付を真 似させる」が96件(46%)であった。この結果か ら,多くの場合は振り付けのある踊りをコピーし ている可能性が高いといえる。その他の項目にお いても「撮影」などもみられる。これは,映像機 器の発達や政府によるICT教育の推奨などの要因 が考えられる。. ③フォークダンス フォークダンスの具体的な内容は,表12のとお. りである。「オクラホマミクサー」の実施が多い 結果となった。「マイムマイム」「コロブチカ」の 順に回答が多かった。. 36 寺山 河合 屋代 金浦 浅井. 表11 現代的なリズムのダンスの具体的な内容. 回答数 n=209. 1,ロック 30 2,ヒップホップ 88 3,サンバ 1 4,その他のリズム 5 ・ユーロビート 5,音楽から自由に踊る 82 6,ビデオ等から振付を真似させる 96 7,オリジナルダンスを創る 67 8,ダンス交流 ①クラス内 40 ②学年 25 ③全校 9 ・体育祭 ④学外 1 ⑤その他. 3 ・異学年合同 ・複数学年合同 ・国体ダンス ・撮影. 9,その他 3 ・体育祭で行う・国体ダンス,アニソンダンス. 表12 フォークダンスのダンスの具体的な内容. 回答数 n=209. 1,マイムマイム 48 2,コロブチカ 20 3,オクラホマ・ミキサー 60 4,ハーモニカ 0 5,ドードレブスカ・ポルカ 0 6,オスロー・ワルツ 0 7,パティケーク・ポルカ 0 8,阿波踊り 0 9,エイサー 1 10,花笠音頭 0 11,よさこいソーラン 17 12,その他. 16. ・タタロチカ ・ジェンカ ・バージニアリール ・ミザルー ・トロイカ ・かっぱ踊り ・(土地名)八景 ・十王鵜鳥舞 ・八木節 ・ジンギスカン ・国体ダンス ・東京五輪音頭. 37A県中学校におけるダンス授業の実施調査(2020年). 3-5 教員の考え ①各内容を選択した理由. 3 つの内容を選択した理由について,「運動技 能・表現技能を育成できる」「運動文化として体 験させたい」「踊る楽しさを体験させやすい」「表 現する楽しさを体験させやすい」「仲間とのコミ ュニケーションを豊かにする」「互いを認め合う 態度を育成できる」「生徒の個性を尊重できる」「生 徒の能力に適した運動である」「生徒の興味・関 心が高い」「指導しやすい」「授業時数との兼ね合 い」「場所や用具があまりいらない」「その他」の 13個の質問に対して,該当するものを 3 つずつ選 んでもらった。結果は表13の通りである。. 創作ダンスにおいては,「仲間とのコミュニケ ーションを豊かにする」「踊る楽しさを体験させ やすい」が多く回答された。現代的なリズムのダ ンスでは,「踊る楽しさを体験させやすい」が圧 倒的に多く,次に「生徒の興味・関心が高い」に 多く回答された。フォークダンスは,「無回答」 が一番多く,「仲間とのコミュニケーションを豊 かにする」「運動文化として体験させたい」が多 く回答された。. ②ダンスの必修化について ダンスをはじめとした全領域が必修であること. について,どのように考えているかを質問し,回 答を 5 択で求めた。その結果が表14および図 5 で ある。. 表13 実施したダンスの内容を選択した理由. 創作ダンス 現代的リズムのダンス フォークダンス 回答数 内容別順位 回答数 内容別順位 回答数 内容別順位. 1,運動技能・表現技能を育成できる 59 3 62 18 2,運動文化として体験させたい 9 20 52 3 3,踊る楽しさを体験させやすい 98 2 117 1 35 4,表現する楽しさを体験させやすい 77 57 16 5, 仲間とのコミュニケーションを豊かにする 101 1 70 3 53 2 6,互いを認め合う態度を育成できる 68 23 22 7,生徒の個性を尊重できる 18 21 1 8,生徒の能力に適した運動である 16 11 8 9,生徒の興味・関心が高い 33 75 2 8 10,指導しやすい 18 29 32 11,授業時数との兼ね合い 3 3 4 12,場所や用具があまりいらない 5 9 9 13,その他 1 6 5 無回答 17 28 65 1. 表14 ダンス必修化についてどう思うか. 回答数 % 非常に良い 21 10.0 良い 107 50.7 どちらともいえない 73 34.6 良くない 2 0.9 非常に良くない 1 0.5 無回答 7 3.3. 図 5 ダンス必修化についてどう思うか. 38 寺山 河合 屋代 金浦 浅井. 必修化となったことを「非常に良い」「良い」 と回答した割合は,60%を越えている。. ③ 3 つの内容のうち,最も学ばせたい内容 3 つの内容のうち,最も学ばせたい内容は何か. について一つだけ回答してもらった。結果は,表 14の通りである。一番多かったのは「現代的なリ ズムのダンス」であった。これまでの先行研究で は,「創作ダンス」が一番多い回答を得ていたが(寺 山ら,2009),「創作ダンス」と「現代的なリズム のダンス」が入れ替わった形となった。. ④最も学ばせたいのはなぜか ③の質問に対して,それを選択した理由が以下. の通りである。自由記述回答を同じようなカテゴ リーでまとめた。. 【創作ダンス】 ・表現力・コミュニケーション力の向上 ・主体性の育成 ・指導しやすさ ・ 創作ダンスの特性(楽しさを求め,型にはまら. ず,自由に表現できる。). 表15 最も学ばせたい内容. 回答数 % 創作ダンス 85 40.6 現代的なリズムのダンス 100 47.8 フォークダンス 22 10.5 その他 2 1.1. 図 6 最も学ばせたい内容. 【現代的なリズムのダンス】 ・指導しやすさ ・生徒の興味関心が高い ・リズムダンスの特性 ・ 時代に合っている(時代の流れとして,創作と. フォークは難しい。) 【フォークダンス】 ・コミュニケーション力 ・指導しやすさ ・学習内容としての価値. これらの回答は,教員がそれぞれの内容の特性 をどのように捉えているかが反映されていると考 えられる。学習者に身につけたい能力ともいえる だろう。しかしながら,「指導のしやすさ」に関 しては,教員側の事情である。どの内容でもみら れる意見であることを考えると,ダンス授業にお いては,「指導法」について教員の関心が高いこ とが考えられる。. 4 まとめ 本研究は,A県の保健体育科教員に対するダン. ス授業の実施調査を行い,現状を明らかにするも のであった。調査結果から次のことが明らかとな った。. 現在,ダンス授業は,男性教員も女性教員も偏 ることなく担当している。. A県におけるダンス授業の実施率は,ほぼ100 %である。特に,中 1 ,中 2 で必修として展開し ている学校が多い。中 3 に関しては,必修と選択 が半々であったが,実施している授業はほぼ男女 共習であった。. 実施されている具体的な内容では,「現代的な リズムのダンス」において,「ビデオ等から振付 を真似させる」と回答した教員が46%にのぼった。 つまり,半数近い授業が,ビデオからの真似で展 開されているのである。中村(2009)の研究にお いて,「現代的なリズムのダンス」の実施率が高 い割に,「学習内容の誤解」が続いていることが 示されている。中村は,「これまで以上に実施率 が高くなるとともに,定形型の一斉指導や映像教 材を用いた指導不在の振り移し学習に陥る可能性 が危惧されるところである」(中村,2009)と述 べているが,まさしく中村が危惧していた状況に. 39A県中学校におけるダンス授業の実施調査(2020年). 進んでいることが示唆される。 ダンスの内容で最も学ばせたい内容として「現. 代的なリズムのダンス」が一番多く回答された。 その理由として,「指導しやすさ」「生徒の興味関 心が高い」「リズムダンスの特性」「時代に合って いる」といった意見が多かった。「創作ダンス」 は 2 番目に多く,その理由として「表現力・コミ ュニケーション力の向上」「主体性の育成」「指導 しやすさ」「創作ダンスの特性」などが回答された。. 「フォークダンス」は,「コミュニケーション力」「指 導しやすさ」「学習内容としての価値」があげら れた。どの内容にも「指導しやすさ」が回答され ていることから,教員にとって指導法が高い関心 事である可能性がある。. 5 今後の課題 今回の調査では,ダンス授業の実施率は高かっ. たものの,学習指導要領の内容とは異なる授業展 開をしている教員も多いことが明らかとなった。 教育現場では,教員の若返りが起こっている。 2019年度の公立中学校教員の平均年齢は,43.6歳 であった。これは多くのベテラン教員の定年退職 によるものだとされている(読売新聞,online)。 体育科の教員もベテラン教員が退職し,若い教員 が多くなっていることが考えられる。このことか ら全国的にダンスの指導方法を熟知している教員 が,退職等の要因で減少している可能性もある。 今後,ダンス指導の不慣れな教員に対する講習や 伝達が必要であろう。. これからの時代には,映像の利用やICT・イン ターネットなどの利用が欠かせないだろう。これ からのツールを上手く利用しつつ,「表現運動・ ダンス」領域の学習内容をしっかりと押える授業 づくりを検討する必要がある。ただ動けばよいと いった学習ではなく,「表現運動・ダンス」領域 の学習内容をより明確にした指導に向けて,研究. を進める必要があろう。. 謝辞 本研究は令和元年度スポーツ庁委託事業として. 調査研究を行いました。本稿では,その結果の一 部を用いました。調査にご協力下さったA県の指 導主事の皆様,および回答下さった先生方にお礼 申し上げます。. 文献 文部科学省(2020)令和 2 年度学校基本調査(確. 定値)の公表について. https://www.mext.go.jp/content/20200825-mxt_ chousa01-1419591_8.pdf,(参照日2020年 7 月 8 日).. 中村恭子(2009)中学校ダンスの男女必修化の課 題-中学校教員を対象とした調査にもとづいて -.順天堂スポーツ健康科学研究13:27-39.. 寺山由美(2020)「表現運動・ダンス」学習の実 態調査─中学校必修化に着目して─.令和元年 度スポーツ庁委託事業武道等指導充実・資質向 上支援事業報告書.. 寺山由美・村田芳子・高橋和子・細川江利子(2009) 新学習指導要領におけるダンス必修化に向けた 全国実施状況調査.日本体育学会大会予稿集 60:263.. 寺山由美・高橋和子・細川江利子・村田芳子(2009) 中学校・高等学校におけるダンスの実施状況~ 各県のリーダー教員を対象に~.日本教育大学 協会全国保健体育・保健研究部門 舞踊研究会 資料. 読売新聞オンライン(2020)公立小中校の先生, 若返り…小学校42.6歳,中学校43.6歳.https:// www . y om i u r i . c o . j p / ky o i k u /ky o i k u / news/20201223-OYT 1 T50153/, (参照日2021 年 1 月 8 日).

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