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Effects of a Diphenyl Ether-Type Herbicide,Chlornitrofen, and Its Amino Derivative on Androgen and Estrogen Receptor Activities

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Academic year: 2021

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博 士 ( 医 学 ) 小 島 弘 幸

学 位 論 文 題 名

       Effects of a Diphenyl Ether‑Type Herbicide, Chlornitrofen, and Its Amino Derivative on Androgen       and Estrogen Receptor Activities

     (ジフェニルエーテル系除草剤クロルニトロフェン及ぴ そのアミノ代謝物によるアンドロゲン及びエストロゲン受容体を      介した内分泌撹乱作用)

学位論文内容の要旨

く緒言>

  Chlornitrofen (CNP)は国内で生産され、1965〜1994年の約30年間、水田除草剤として 主 に 国 内で大量 に使用 された。 その総 使用量は8万ト ン以上 と見積も られて いる。CNP はその性質から散布時期に淡水魚や貝類に高濃度に蓄積されることが報告されている。ま た 、 環 境中でのCNPの 代謝経路 として 、水田の 低質土 壌におい てCNPの 有する ニトロ基 が アミノ基 に還元されたアミノ代謝物(CNP‑amino)に変換されることも報告されている。

実 際に、水 道水や 貝類からCNPとCNP‑aminoが同時に検出されたことが報告されている。

さ らに、新 潟大の 研究では 、県内 の胆嚢癌 死亡率 とCNP使 用量が統 計学的に良く相関す る ことを報 告して いる。こ のよう に、CNPの使用 は水田地 帯を中心 とした水系汚染を引 き 起 こ し、さら に水田 の周りの 湖や海 洋におけ る魚介 類ヘCNPやCNP‑aminoの蓄積を も たらしたと考えられている。最近、様々な化学物質がヒトや野生生物の生殖機能に悪影響 を及ばすことが社会問題となっており、このような化学物質は内分泌撹乱化学物質(いわ ゆる環境ホルモン)と呼ばれている。環境省では環境ホルモンとして疑われ る化学物質を 65種 類リス トアップ している が、そ の6割 以上を 殺虫剤や 除草剤な どの農薬が占めてい る。例えば、殺虫剤Vinclozolinはアンドロゲン受容体(」`R冫を介して抗アンドロゲン作用 を 有 す るARア ン タゴ ニ ス トで あ る こと や 、 殺 虫剤DDTやMemoxycMorはエ ス ト ロゲ ン 受 容体(ER)を介し てエスト ロゲン 作用を誘導するERアゴニス卜であることが報告され ている。亠方、国内で水田除草剤として大量に使用され、現在も低質土壌に残留している こ とが報告 されて いるCNPの内分 泌撹乱作 用につ いては、 ほとんど 明らかにされていな い 。 今 回 我々 は の 岬お よ びCNP.ammoのARとERに 対 す る作 用 を 検討 す る ため 、 感 度 や特異性に優れたレポーター遺伝子アッセイ系を開発した。このニつのアッセイ系を用い て 、CNP及びCNP‐ammoの ホルモ ン受容体 を介した 作用を 既知の環 境ホル モンとと もに 測 定 し 、 さ ら に 、hARお よ びhERdに 対 す る 結 合 作 用 も 検 討 し た の で 報 告 す る 。 く方法冫

  Q岬お よぴCNP・ammoは 和光純 薬鬮製の 標準品を 用いた 。レポー ター遺 伝子アッ セイ はhAR(orhEIk)発現プラスミドおよぴルシフェラーゼ遺伝子の上流にAR(orER)応答配 列 を組込ん だプラスミドをチャイニーズハムスター卵巣由来(CHO)細胞に導入し、試料 と24時間培養後Dual‐lucif酊aseR.eponerAssaysystem(Promcga)を用いて行った。hARお よ びhERnと の競 合 的 結合 試 験 はLigandScreeningSystem(TOYOBO) を用いて 行った 。

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く結果>

  様々なステロイドホルモンにっいて試験し た結果、ARの系ではジヒドロテストステロ ン(DHT)、ER系で はエ スト ラジオール(E2)が 低濃度でレポーター遺伝子を誘導すること が 確認された。AR系において、CNPはやや弱いアンドロゲン活性を示した が、CNP‑amino に は 認 め ら れ な か っ た 。 し かし なが ら、DHTで誘 導し た アン ドロ ゲン 活性 をCNP及 び CNP‑aminoは 用 量 依 存 的 に 抑制 した 。と くにCNPの 抑制 作用 は、ARア ンタ ゴニ スト の Vinclozolinやp,p´‑DDEよりも強かった。抗アンドロゲン活性の強さは、以下のとおりで あ った(CNP>Vinclozolin>o,p′.DDT ‑ p,pLDDE冫CNP‑amino)。ERの系 において、CNP お よびCNP‑aminoは用 量依 存的にエストロゲ ン活性を示した。エストロゲン活性の強さ は 以下 のと おり であ った(oア ´DDT>CNP‐amm0>pゆ′・DDT冫CNP)。また、E2により 誘 導 さ れ た エ ス ト ロ ゲ ン 活 性 をCNPお よ び CNP‐aminoは 抑 制 し な か っ た 。   競 合 的 結 合 試 験 よ るCNPおよ びCNP‐孤 血0のhARおよ びhEIkに 対す る結 合能 の検 索 結果は上記の活性能結果と良く一致していた。

く考察>

  本研 究に おい て、ARあ るい はERを 介し た転 写活 性を 測定するためのレポーター遺伝 子アッセイ系を 開発した。この方法は、これまで報告されている酵母やヒト細胞(HepG2 など)を用いた 方法よりも感度が数十倍高く、操作も簡便であることから、農薬等を含む 様々な化学物質 にっいて内分泌撹乱作用を検証する方法として極めて有用と考えられた。

こ の方 法に より 、CNPは既 知のARア ンタ ゴニ スト に比 ぺ、 強 い抗 アン ドロ ゲン 活性を 有 する こと やそ の代 謝物CNP‐aminoはCNPよ りも強いエストロゲン活性を有することが 明 らか とな った 。こ れら の作 用 は、 受容 体と の結 合試 験によりARあるいはEIぬを介し たARア ン タ ゴ ニ ス ト お よ びE王bア ゴ ニ ス ト 作 用 で あ る こ と が 示 唆 さ れ た 。 最 近 、 o,p|IDDT,Bisphenol.A,Buぢlbcnびlphmdateなどの環境エス卜ロゲンが抗アンドロゲン作 用 を併 せ持 っこ とが 報告 され ており、CNPお よびCNP‐伽洫bにおいても同様の結果を得 た 。CNPとCNP・ 拙m0の化 学構 造 の違 いは 、ベ ンゼ ン環 に連結した官能基がニトロ基か ア ミノ 基か の違 いで ある が、 こ れら の官 能基 がARおよ びERとの結合に重要な役割を果 たしていることが考えられた。V血cloZol血や即′.]DDEは動物を用いた研究から加慵′Dで 抗 アン ドロ ゲン 作用 を示 すこ とが報告されていることから、CNPおよびCNP・am泣oも加 v加において作用を有する可能性が考えられた。

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学位論文審査の要旨

     学位論文題 名

    EffeCtsof aDiphenylEther ‐ TypeHerbiCide , Ch10rnitrofen , andItSAmlnODeriVatiVeonAndrogen     andEStro  ReCe  ACtiVitie !

     _   Igen  ptor  S

     (ジフェニルエーテル系除草剤クロルニトロフェン及び そのアミノ代謝物によるアンドロゲン及びエストロゲン受容体を      介した内分泌撹乱作用)

  Chlornitrof en(CNP)は国内で生産され、1965〜1994年の約30年間、水田除草剤として主に国 内 で大量に 使用さ れた。その総使用量は8万トン以上と見積もられている。CNPはその性質から 散布時期に淡水魚や貝類に高濃度に蓄積されることが報告されている。CNPは、土壌中でそのニ トロ基が還元されアミノ代謝物(CNP―amino)に変換されることが報告されており、実際に、水道水 や貝類からCNPとCNPーamlnoが同時に検出されている。さらに、新潟大の研究では、県内の胆嚢 癌 死亡率とCNP使 用量が統計学的に良く相関することを報告している。このように、CNPの使用 は水田地帯を中心とした水系汚染を引き起こし、さらに水田の周りの湖や海洋における魚介類ヘ CNPやCNP−amlnoの蓄積をもたらしたと考えられている。最近、様々な化学物質がヒトや野生生 物の生殖機能に悪影響を及ばす内分泌撹乱化学物質(いわゆる環境ホルモン)として社会問題と なっている。例えば、殺虫剤Vinclozolinはアンドロゲン受容体(AR)を介して抗アンドロゲン作 用 を有するARアンタ ゴニスト である ことや、 殺虫剤DDTやMethoxychlorはエストロゲン受容体 (ER)を介してエストロゲン作用を誘導するERアゴニス卜であることが報告されている。一方、国 内で水田除草剤として大量に使用され、現在も低質土壌に残留していることが報告されているCNP の内分泌撹乱作用については、ほとんど明らかにされていなぃ。申請者はCNPおよびCNP―amlno のARとERに対 する作用を検討するため、感度や特異性に優れたレポーター遺伝子アッセイ系を 開発し、このニつのアッセイ系を用いて、CNP及びCNPーamlnoのホルモン受容体を介した作用を 既 知の環境 ホルモ ンととも に測定 すると共 に、hARおよびhERaに対する結合作用も検討した。

く方法冫CNPおよびCNP―amlnoは和光純薬鬮製の標準品を用いた。レポーター遺伝子アッセイは hAR(ま たはhERa)発 現プラス ミドお よびルシ フェラー ゼ遺伝 子の上流 にAR(ま たはER)応答

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巳 彦

勝 邦

崎 林

宮 小

授 授

教 教

査 査

副 副

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配 列 を 組 込 ん だ プ ラ ス ミ ド を チ ャ イ ニ ー ズ ハ ム ス ター 卵巣 由 来(CHO)細胞 に導 入し 、試 料 と24時 間 培 養 後Dual一luciferase Reporter Assay System (Promega)を 用い て行 った 。hARお よ びhERa と の 競 合 的 結 合 試 験 はLigand Screening System (TOYOBO)を 用 い て 行 っ た 。 く 結 果 冫 様 々 な ス テ ロ イ ド ホ ル モ ン に つ い て 試 験 し た 結 果 、ARの 系 で は ジヒ ドロ テス 卜 ステ ロ ン(DHT)、ER系 で はエ スト ラジ オー ル(E2)が低 濃度 で レポ ータ ー遺 伝子 を 誘導 する こと が確 認 され た 。AR系 に お い て 、CNPは や や 弱 い ア ン ド ロ ゲ ン活 性 を示 した が、CNP−aminoには 認め ら れな か っ た 。 し か し 、DHTで 誘 導 した アン ドロ ゲ ン活 性をCNP及びCNP―amlnoは用 量依 存的 に抑 制 した 。 と く にCNPの 抑 制 作 用 は 、ARア ン タ ゴ ニ ス ト のVinclozolinやp p ーDDEより も強 かっ た 。抗 ア ンド ロゲン活性の強さは、以下の とおりであった(CNP冫Vinclozolin>D,p´―DDTニニニp p ―DDE冫 CNP−amino)。ERの系 にお いて 、CNPお よびCNP―amlnoは用 量依 存 的に エストロゲン活 性を示した。

エス トロゲン活性の強さは以下の とおりであった(O,p ―DDT冫CNP―amino>p p ‑DDT>CNP)。ま た 、E2に よ り 誘 導 さ れ た エ ス 卜 ロ ゲ ン 活 性 をCNPお よ びCNP―amlnoは 抑 制 し な か っ た 。   競 合 的 結 合 試 験 よ るCNPお よ びCNP―amlnoのhARお よ びhERaに 対 す る 結 合 能 の 検 索 結 果 は 上 記の 活性能結果と良く一致してい た。

く 考 察 冫 本 研 究 で 開 発 し たARあ る い はERを 介 し た 転 写 活 性 を 測 定 す る た めの レポ ータ ー 遺伝 子 ア ッ セ イ 系 は 、 こ れ ま で報 告さ れ てい る酵 母や ヒト 細 胞(H.epG2な ど )を 用い た方 法よ り も感 度 が 数 十 倍 高 く 、 操 作 も 簡便 であ る こと から 、農 薬等 を 含む 様々 な化 学 物質 につ いて 内分 泌 撹乱 作 用 を 検 証 す る 方 法 と し て 極 め て 有 用 と 考 え ら れ た 。 こ の 方 法 に よ り 、CNPは 既 知 のARア ン タ ゴ ニ スト に 比ベ 、強 い抗 ア ンド ロゲ ン活 性を 有 する こと やそ の代 謝 物゛CNP―aminoはCNPより も 強い エ ス ト ロ ゲ ン 活 性 を 有 する こと が 明ら かと なっ た。 こ れら の作 用は 、 受容 体と の結 合試 験 によ り ARあ る い はERaを 介 し たARア ン タ ゴ ニ ス ト お よ びERaア ゴ ニ ス ト 作 用 で あ るこ とが 示唆 さ れた 。 最 近、o,p ーDDT,Bisphenol―A,Butylbenzylphthalateな どの 環境 ヱ ス卜 ロゲ ンが 抗ア ン ドロ ゲ ン作 用 を併 せ持 つこ と が報 告さ れて おり 、CNPお よ びCNPーamlnoにお い ても 同様 の結 果を 得 た。

CNPとCNP−amlnoの 化 学 構 造 の 違 い は 、 ベ ン ゼ ン環 に 連結 した 官能 基 がニ トロ 基か アミ ノ 基か の 違 い で あ る が 、 こ れ ら の 官 能 基 がARお よ びERと の 結 合 に 重 要 な 役 割 を 果 たし てい るこ と が考 え ら れ た 。Vinclozolinやp,p −DDEは 動 物 を 用 い た研 究か らI門yjy0で抗 アン ドロ ゲン 作 用を 示 す こ と が 報 告 さ れ て い る こ と か ら 、CNPお よ びCNPーamlnoもjnyIyoに お い て 作 用 を 有 す る 可 能 性が 考えられた。

    公 開 発 表 に 際 し 、 副 査 の 宮 崎 教 授 か らCNPの 体 内 代 謝 に つ い て 、ERやARと の 結 合 性 と ホ ル モ ン 活 性 お よ び そ の 構 造 と の 関 係 に つ い て 、 次 い で副 査の 小 林教 授か ら、CNP大量 使用 地 区に お け る 出 生 性 比 の 偏 り の 解釈 につ い て、 多く の環 境ホ ル モン 物質 が女 性 化の 方向 に働 く事 実 の生 物 界 に お け る 意 義 に つ い て 、 主 査 の 藤 田 教 授 か ら 、 生 体 内 のCNP濃 度 に つ い て 、affinityか ら 考 え た 場 合 の 生 体 に お け る ホ ル モ ン 作 用 の 程 度 、CNPの2つ のbenzene環 の 位 置 関 係 ( 角 度 ) に つ い て 、 最 後 に 、 フ ロ ア ーか ら、 本 アッ セイ 系で 得ら れ た値 と生 物活 性 との 関係 、高 感度 ア ッセ イ 系 で あ る 必 要 性 に つ い ての 質問 が あっ た。 申請 者は 、 何れ の質 問に 対 して も、 自ら の実 験 結果 と 文献 を引用して、概ね妥当な回答 を行った。

  本 研 究 は 、ERま た はARを 介 し て 発 現 す る 環 境 ホ ル モ ン 物 質 を 高 感 度 に 検出 する 遺伝 子 レポ ー タ ー ア ッ セ イ 系 を 開 発 し 、CNPお よ び そ の ア ミ ノ代 謝 物が 高い エス 卜 ロゲ ン活 性お よび 抗 アン ド

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ロゲン活性を同時にもつことを初めて見出した。本法は、今後、広く種々の物質のホルモン活性 のスクリーニングに用いられることが期待される。

  審査員一同は、これらの成果を高く評価し、申請者が博士(医学)の学位を受けるのに充分な 資格を有するものと判定した。

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参照

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