• 検索結果がありません。

学位論文内容の要旨

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "学位論文内容の要旨"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

博 士 ( 薬 学 ) 村 上 祐 介

     学位論文題名

霊長類の補体制御因子 Membrane Cofactor Protein(MCP , CD46)

―構造ならびに麻疹ウイルスレセプターとしての機能―

学位論文内容の要旨

【序 論]

   ヒト MCP (membrane cofactor protein ,CD46) は生体内 の有抜細胞すべてに発現する膜蛋白 で, プロテ ア―ゼ t 因子に よるC3b/C4b 分解・ 不活性化 反応の コフフ クター として 働き.自己 細 胞 上で の 補 体 活性 化 を 制 御す る 。 MCP は 補体 制 御 蛋 白に 共 通 な SCR を4 個と ひ結合 型糖鎖 で修 飾され たセリ ン‐ト レオニ ンに奮むドメイン(s‑D から構成される細胞外領域の後に,膜貫 通 ド メイ ン (TM) と 細 胞 質ド メ イ ン (CYT) を 連 ねた 1 型 膜 蛋 白 であ る 。ST と CYT ドメイ ンには それ ぞれ3 種 顛(ST'x , STB .ST つと 2 種類(CYI‑1 ,CY T'2) の 多型が 存在する 。最近 ,MCP は麻 疹 ウ イ ル ス (MV ) の レ セ プ タ ― と し て 譲能 す る と いう 報 告 が なさ れ , 注 目さ れ て い る。

  MV は 霊長類 に感染す るにも かかわ らず, ヒ卜以 外のMV レ セブタ ーの構 造は明 らかにされて い な い。 そ こ で ,申 請 者 は サル 由 来 細 胞株 , Vero と B95a 細 胞 か らMCP ホ モログの cDNA を単 離 し , そ の 蛋 白 構 造 な ら び に 機 能 解 析 を 行 っ た の で 以 下 に 報 告 す る 。

t 結果]

uV ー . ero 細 胞 に 発 現 主 盃 MCP 盡 王 旦 2Qcp NA 空 臼 二 三 2 忿 お よ 壟 量 の 搬 能 鰹 折    は じ め に ,Vero 細 胞 の cDNA ラ イ プラ リ ー を ヒト MCP cDNA を プ 口 一 ブと し て ス クリ ― ニ ングしたところ,33 個の陽性ク口―ンカt+ls られた。この中カゝら選択した1 つのクローン(V2 .1.3 kb) に つ い て 全 塩基 配 列 を 決定 し た 。 その 予 想 さ れる 全 一 次 構造 は ヒ 卜 MCP に 高 い 相 同性 (86 % ) を 示す と と も に,SCR , STc .TM . CYT2 に相当 する各 ドメイ ンから 構成され ていた 。   MV 感 受 性 実 験に は Nagahata 野 生 株 と CAM ワ ク チ ン 株を 用 い た 。ど ち ら のMV 株も Vero‑MCP cDNA を 発 現 さ せた ハ ム ス タ一 由 来 の CHO 細胞 に 感染し た。そ の感染 性はヒ 卜MCP を発 現させ た CHO 細胞と 同程度 であっ た。次 に,可 溶化試 料を用 いて,| 因子に よるヒ トC3b の切 断率を 指 標 に 補 体 制 御 活 性 を 測 定 し た と こ ろ , Vero‑MCP は ヒ 卜 MCP と 同 等 の 活 性 を 示 し た 。 21 8954 鋼 胞 に 発 現 士 疂 MQP 丞 王 且 Z の QQ 鎚 △ 空 目 ニ 三 22 お よ 壟 量 の 證 能 鰹 折    次 に ,B95a 細 胞 か ら MCP ホモロ グの単 離を試 みたと ころ, 89 個の陽 性クロ ーンを 得た。そ のうち,3 種類のcDNA クロ―ン,B1 (1 .7kbp ),B2 (3 .0kbp ),B3 (1 .3kbp )について全塩基配列 を 決定し た。こ れらの 翻駅領 域から予 想され るアミ ノ酸配 列をヒ トMCP と比較したところ,比 較 的 高 い 相 同 性 ( 76 も 0 % ) を 示 し た。 従 っ て ,得 ら れ た 3 種 のク ロ ー ン はMCP ホ モ ロ グ

( B95a ‐MCP ) である と考え られた。 B2 はS 卩 体をコ ードして いた。 しかし ながら ,B1 とB3 ク ロ ― ン は 共 に SCR1 を 欠 損 す る MCP 分 子 種 コ ー ド し て い た 。 ヒ 卜 や Vem の MCP に は SCR1 欠 損 体 は 存在 し な い 。そ こ で , B95 か MCP の SCR1 領 域 につ い て RT 一 PCR に より解 析した とこ ろ , SCR1 領 域 を 含 む mRNA は 確 認 さ れ た が , そ の 発 現 量 は SCR1 領 域 を欠 損 す る mRNA と 比 較すると,約1 ′10 と低かった。

   ま ず , SCR1 欠 損 体 と STB 体 の B95a ‐ MCP を 発 現さ せ た CHO 細胞 の MV 感受 性 に つ いて 検 討 し た と こ ろ, Nagahata と CAM 株 は SCR1 欠 損体 の 細 胞 に感 染 し な かっ た 。 また. SCR1 を含 む

142―

(2)

STB体 の 細 胞 が 示 すMV感 受 性 | ヱ ヒ ト やVeroのMCPを 発 現 さ せ たCHO細 胞 よ り も 低 く ,CAM 株 が , そ の 細 胞 に 擾 め て 弱 い 感 染 性 を 示 し た だ け で .Nagahata株は 全 く 感 染 しな か っ た 。 しか し な が ら . 本 研 究 で 用 い たMV Nagahata野 生 株 はB95a細 胞 自 体 に は 高 い 感 染 性 を 示 す こ と か ら , B95aにMVレ セ ブ タ ー と し て 機 能 す る 他 の MCP分 子 を の 存 在 が 予 想 さ れ た 。   そ こ で , 先 にB95a細 胞 か ら 得 ら れ た 陽 性 ク ロ ー ン の う ち , 未 解 析 で あ っ た 教 租 の ク ロ ー ン に つ い て 全 塩 基 配 列 を 決 定 し た と こ ろ , 新 た にSCR1を 含 むSTc体 を コ ー ド す る ク ロ ― ン を 得 た 。 CAM株 は こ の 分 子 種 を 発 現 さ せ たCHO細 胞 に , ヒ ト やVeroのMCPを 発 現 さ せ たCHO細 胞 と 同 程 度 に 感 染 し た が ,Nagahata株 で は 高 濃 度 で 感 作 し て も 全 く 感 染 し な かっ た 。 な お ,3 穐 のB95a‑MCP.SCR1欠 損 体 ,STB体 ,STc体 は す べ て ヒ トMCPと 同 様 の 補 体 制 御 活 性 を 示 し た 。

3L MVf三 封 空 るMCP丑 錨 金 部 位 虫 讎 丘

  Buchholzら に よ り 提 唱 さ れ た ヒ トMCP上 のMV結 合 部 位 を 構 成 す る ア ミ ノ 酸 残 基(Asp27. Lys29,Arg69.Asp70)がB95a‑MCPでfよGlu27,Asp29,Pr069|Asn70に 置 換 さ れ て い た 。 こ の 缶 換 に よ っ て ,B95a‑MCPはNagahata株 の レ セ プ タ ー と し て 機 能 し な い 可 能 性 が 考 え ら れ た 。 そ こ で , そ れ ら4個 の ア ミ ノ 酸 残 墓 を ヒ トMCPの も の に 置 き 換 え た3種 のB95a‑MCP変 異 体(SCR1゛ ,SCR2゛ ,SCRl‑2゛ ) を 発 現 さ せ たCHO細 胞 を 作 盤 し た 。Nagah ataとCAM桙 の ヒ トMCPを 介 し た 感 染 を 阻 害 す るmAb,M75とM177は 共 にwild‑type (STc体 ) のB95a‑MCPに 結 合 し な かっ た も の の ,SCR1゛ とSCRl‑2゛ 変 異 体 には 結 合 し た 。ま た ,3種 の変 異 体 はwild‑type と 同 様 の 補 体 制 御 活 性 を 示 し た 。

  次 に ,3種 の 変 異 体 を 発 現 さ せ たCHO細 胞 のMV感 受 性 を 比 較 し た と こ ろ , い ず れ もCAM株 に はwild‑typeや ヒ ト のMCPを 発 現 さ せ たCHO細 胞 と 同 程 度 に 感 染 し た が ,Nagahata株 で は 感 染 が 認 め ら れ な か っ た 。 ま た ,MVの 結 合 はCAM株 に お い て は 見 ら れ た が ,Nagahata株 で は 認 め ら れ な か っ た 。 一 方 ,NagahataとCAM株 のH蛋 白 の ー 次 構 造(617ア ミ ノ 酸 ) を 比 較 し た と こ ろ , そ の 相 同 性 は 約98% で , 両 者 問 で 異 な る ア ミ ノ 酸 残 基 は14個 存 在 し た 。

[ 鈷 論J

  申 請 者 は 本 研 究 で , ヒ 卜 と 同 じ 旧 世 界 ザ ル に 屈 す る ア フ リ カ ミ ド リザ ル 由 来 のVero細 胞か ら 単 離 し たMCPホ モ ロ グ は 構 造 上 ヒ トMCPに 高 い 類 似 性 を 示 す と と も に , 補 体 制 御 因 子/MVレ セ ブ タ ― と し て 機 能 す る こ と を 明ら か に し た 。ま た , 旧 世 界ザ ル よ り 下 等な 新 世 界 ゲ ル に属 す る マ ー モ セ ッ 卜 由 来 のB95a細 胞 か ら 敷 種 のcDNAを 単 離 し , 全 ー 次 構 造 を 決 定 し た 。 こ れ ら の ド メ イ ン 構 造 は ヒ トMCPと 同 じSCRやST.CYな ど か ら 形 成 さ れ て い る が , そ の 多 く はSCR1 を 欠 損 す るMCP分 子 種 で あ り ,MV感 受 性 がSCR1欠 損 体 で は 全 く 罷 め ら れ な い こ と を 明 ら か に し た 。 し か し , こ のSCR1欠 損 体 もSCR1を 含 むMCP分 子 種 と 同 様 に 補 体 制 御 因 子 と し て 働 く こ と を 見 出 し た 。 ー 方 ,CHO細 胞 に 発 現 さ せ た 各MCP分 子 缶 のMV感 受 性 はMV株 に よ り 異 な り ,CAM株 に は 感 受 性 を 示 す が ,Nagahata株 に は 感 受 性 を 示 さ な い こ と を 明 ら か に し た 。 そ の 一 方 ,B95a‑MCPのSTc体 に 置 換 導 入 し た 変 異 体 で もNagahata株 に 対 す る レ セ ブ タ ー と し て の 機 能 は 回復 し な い こ とを 明 ら か に した 。

  以 上 の 知 見 は ,B95a細 胞 に 主 に 発 現 す るMCPはMVレ セ プ タ ― と し て 機 能 し な いSCR1欠 損 体 で あ る が ,SCR1を 含 むMCP分 子 彊 で あ っ て も そ の 分 子 上 にNagah ata株 のH蛋 白 と の 相 互 作 用 部 位 が 存 在 し な い た め ,MVレ セ プ タ ― と し て 緩 能 し 得 な い こ とを 示 唆 す る 。し か し な が ら ,B95a細 胞 はNag ah ata橡 に 対 し て 非 常 に 強 い 感 受 性 を 示 す こ と か ら , マー モ セ ッ 卜 な どの 下 等 な 霊 長 類 で はMCP以 外 の 膜 因 子 がMVに 対 す る 主 要 な レ セ ブ タ ー と し て 繼 能 し て い る 可 能 性 を 強 く 示唆 す る 。 現 在, 筆 者 の み なら ず 他 の 多 くの 研 究 者 が こ の未 知因 子の解 析を進 めて いる。

   Murakami, Y., Fukui, A., Seya, T., Ueda, S. and Nagasawa, S. (1999) Int. J. MoI. Mad. 3, 25‑32    Murakami, Y., Seya, T., Kurita M., Fukui, A., Ueda, S. and Nagasawa, S. (1998) Biochem. J.

       330, 1351‑1359.

   Murakami, Y., Seya, T., Kurita, M. and Naga8awa, S. (1996) Blol. Pharm. Bull. 19, 1541‑1545.

       ‑ 143 ‑

(3)

学位論文審査の要旨 主査    教授    長澤滋治 副査    教授    有賀寛芳 副査   助教授   高橋和彦 副査   助教授   松本健一

学 位 論 文 題 名

霊長類の補体制御因子 Membrane Cofactor Protein(MCP , CD46)

―構造ならびに麻疹ウイルスレセプターとしての機能―

  MCP は gp45 ― 70 やCD46 とも呼ばれる補体制御分子で、霊長類の細胞膜に発 現し、自己補体による細胞膜障害を制御している。

   最近、ヒト MCP は麻疹ウイルスレセプターとしても機能することや、 MCP はSCR と呼ばれる 4 個の ドメインを 有し、その N ―末端 側からニつのSCRl, SCR2 が麻疹ウイルス結合に重要なことが明らかにされている。しかし,アミノ 酸60 残基からなる SCR1 、SCR2 のウイルス結合部位の詳細については明らか でない。ヒトと同様にサルも麻疹ウイルス感受性の動物であるが、はたしてサ ルのMCP が麻疹ウイルスレセプターとして機能するかについては明らかでな かった。

   本博士論文は、サルの MCP のクローニング並びにその麻疹ウイルスレセプ ターとしての機能を詳細に解析した研究成果を集大成したものであり、以下の ような興味深い知見が紹介されている。

  1 ;サル由来培養細胞のh4CP 遺伝子のク口ーニング

   麻疹ウイルスの継代培養には、旧世界ザルに属するアフリカミドリザル由来 の培養細胞 (Vero 細胞)や新世界ザルに属するマーモセット由来の培養細胞 (B95a 細 胞)が用い られている 。この両者 から、MCPcDNA をク口ーニング し、ヒトhlCP と8000 以上の構造相同性のあることを明らかにした。特に、

vero 細胞のN4CP の方がヒトMCP と高い相同性を示した。

    ‑ 144 ―

(4)

  2 : マ ー ー モ セ ッ ト MCP の 麻 疹 ウ イ ル ス レ セ ブ タ ー 機 能   Vcro 細 胞 の MCPcDNA を ハ ム ス タ ー 細 胞 に 導 入 し 、 そ の MCP を 強制 発 現 さ せ、 麻 疹 ウイ ル ス感 受 性 を検 討 した と こ ろ、 Vero 細 胞 MCP は ヒ トMCP と同 じ よう な 麻 疹ウ イ ルス 感 受 性を 示 した 。一方 、マーモ セットの MCP を強制発 現 させ た 細 胞で は 、麻 疹 ウ イル ス 野生 株 の Nagahata 株は 感 染性 を 示さな かっ た。Nagaliata 株は マーモセ ット細胞 自体に対し ては高い感染性を示すところ から 、 マ ーモ セ ット 細 胞 には MCP 以外 の未知の 麻疹ウイ ルスレセ プターが 発 現してい る可能性 を示唆す る。

  3 : マ ー モセ ッ トMCP の ア ミノ 酸 残基 改 変 によ る 麻疹 ウ イ ルス 感受 性の回 復実験

   ヒトlx4CP のア ミノ酸残 基を順次 置換させ、 麻疹ウイルスとの結合に関与す るア ミ ノ酸残基 を同定しよ うとする 研究がヨ ー口ッバ で活発に 進められ てい る。この 置換実験 から、麻疹ウイルスとの結合部位に必須とされるアミノ酸残 基が 推 定 され て いる 。 マ ーモ セ ット MCP にはこ の必須ア ミノ酸残 基の数力 所 が変異し ていると ころから、これらの変異が麻疹ウイルス感受性を喪失させた と予想さ れた。そ こで、それらのアミノ酸をヒト型へ置換させたが、麻疹ウイ ルス感受性は回復しなかった。これは、

ミノ酸残基から構成されるのではなく、

る可能性を示唆する。

麻疹ウイ ルスとの結合部位は数個のア 広い範囲 が結合部位として関与してい

   上 記 の研 究 成 果は 、 麻 疹ウ イ ルス レ セプタ ーとして のMCP の機能部 位に関

する研 究領域に おいて重要 な知見であり、博士(薬学)の学位を受けるに値す

る業績 と評価し た。

参照

関連したドキュメント

(1860-1939)。 「線の魔術」ともいえる繊細で華やかな作品

 

点から見たときに、 債務者に、 複数債権者の有する債権額を考慮することなく弁済することを可能にしているものとしては、

C. 

太宰治は誰でも楽しめることを保証すると同時に、自分の文学の追求を放棄していませ

本論文での分析は、叙述関係の Subject であれば、 Predicate に対して分配される ことが可能というものである。そして o

経済学研究科は、経済学の高等教育機関として研究者を

を負担すべきものとされている。 しかしこの態度は,ストラスプール協定が 採用しなかったところである。