第 1 章 本 研 究 の 位 置づ け と 目 的
1 本 研究 の位 置づ け
本研 究は 、JILPT 第 4期プ ロジ ェク ト研 究 「雇用 シス テム に関 す る研究 」の 中の 「産 業 構 造と人 口構 造の 変化 に 対応し た雇 用シ ステ ム のあり 方に 関す る研 究 」とし て実 施し た。
第3 期(2013~17年 度)にお ける「 雇用 シ ステム と法 プロ ジェ ク ト」の研 究成 果『日 本 的 雇用シ ステ ムの ゆく え』(JILPT 2017) 第1 章 におい ては 、「 日本 的雇 用シス テム -主 に高 度 成長期 以降 の大 手・ 製 造企業 に典 型的 に見 ら れた、 成員 に対 する 長 期的な 生活 保障 ・能 力 開 発を図 る雇 用・ 労働 の 仕組み -の 構成 要素 の 推移を 、1990年 代半 ば 以降の デー タを 用い て 」 検証し た結 果、 ①少 な くとも 日本 的雇 用シ ス テムの 「本 丸」 であ る 製造業 大企 業に おい て 長 期雇用 慣行 と協 調的 労 使関係 は持 続し てい る こと、 ②他 方で 日本 的 雇用シ ステ ムの 成員 の 範 囲は縮 小( 雇用 のバ ッ ファー とし ての 非成 員 の割合 が上 昇) して い ること 、③ 労使 当事 者 も 一般国 民も 、正社 員の 長期雇 用慣 行に つい て は支持 して いる こと 、等を示 し、「 長期 雇用の 持 続」を 結論 付け た。
長期 雇用 慣行 につ い ては、 他の 最近 の研 究 におい ても 残存 を確 認 するも のが みら れる 。 加藤 ・神 林(2016) では、 勤続 5年 以上 層 の平均 勤続 年数 や10年 残存率 を算 出し た結 果、
1990年 代以 降正 社員 の 残存率 は顕 著に 低下 し たとは いえ ず 、勤 続の 短 期化は 若年 層や 中途 採
用層が ある 程度 の勤 続 に至る まで の道 のり が 遠のく とい う形 で起 き ていた とし 、こ うし た 傾 向を失 職率 や解 雇率 と いう計 測概 念で も一 致 して観 察し てい る。 さ らに、 こう した 勤続 5 年 以上層 の年 齢コ ーホ ー ト内シ ェア がと くに 女 性で若 いコ ーホ ート ほ どが大 きく なっ てお り 、 男女計 でみ ても 大き く 低下し たと はい えな い ことか ら、「長 期雇 用慣 行は全 面的 に崩 れ去 っ た わけで はな い」 と結 論 づけて いる 。
大湾・佐藤(2017)は、2002年 から の「 賃 金構造 基本 統計 調査 」のミク ロデ ータ を用 い た 平均勤 続年 数の 推移 、 勤続5 年未 満比 率の 推 移から 、30 代で 金融不 況の影 響で 2009 年 をピ ークに 一度 短期 勤続 者 が増加 した もの の 、15年まで に以 前の 水準 に 戻りつ つあ り 、そ れ以 外 の年齢 層で は大 きな 変 化がみ られ なか った こ と。残存 率の 分析 から は、2010~15年 では 大 卒 高卒と も大 企業 で働 く 若年層 で残 存率 が上 昇 、中小 企業 の高 卒労 働 者では 低下 して いる こ と から、 大企 業や 大卒 労 働者を 中心 に長 期雇 用 は頑健 さを 示す 一方 中 小企業 や高 卒労 働者 を 中 心に流 動化 が進 むと い う「二 極化 」が 進展 し つつあ ると 結論 付け て いる。
これ らの 研究 成果 を 踏まえ 、本 研究 にお い ては改 めて 製造 業ま た は大企 業に おけ る正 社 員 につい て長 期雇 用慣 行 が揺ら いで いる のか ど うかと いう 検証 を重 ね ること はし ない 。年 功 的 賃金プ ロフ ァイ ルの 傾 きが緩 やか にな り 、労 働組合 組織 率が20% を 下回り 、いく たび か日 本 的雇用 慣行 の「 終焉 論 」がさ さや かれ ては き たもの の
* 1
、こと 長期 雇 用慣行 につ いて は現 時
点まで 、製 造業 、大 企 業にお いて は継 続し て いるこ とを 前提 とす る 。
2 本 研究 の目 的
その 上で 、本 研究 の 目的は 、コ ア労 働者 の 長期雇 用が 維持 され て きた背 景に 、ど のよ う な 仕組み がど の程 度働 い てきた のか を明 らか に するこ とで ある* 2 。
長期 雇用 慣行 が適 用 されて いる コア 労働 者 の雇用 維持 は、 企業 業 績が低 迷し たと きや 、 労 働生産 性が 上昇 した と きに危 機に さら され る* 3 。こ うし た危 機か らコ ア労働 者の 雇用 を守 る ために は「 バッ ファ 」 が必要 とな る。 不況 や デフレ ーシ ョン によ っ て売上 げに 対す る労 働 費 用が相 対的 に増 加す る と、企 業は バッ ファ を 活用し て費 用を 節約 す る。バ ッフ ァと して は 、 企業外 のバ ッフ ァと し て①下 請け 等取 引先 企 業があ り、 企業 内の バ ッファ とし て② パー ト タ イマー や派 遣等 の非 コ ア労働 者数 、③ (コ ア 労働者 数を 少な くし て おくこ とで 発生 する ) 恒 常的な 所定 外労 働時 間 、④ボ ーナ スの 増減 等 による 賃金 調整 が挙 げ られる 。- -本 稿で は 以 上のよ うな 関係 を前 提 として いる* 4 。
労働 費用 調整 の具 体 的な方 法と して は、 厚 生労働 省「 労働 経済 動 向調査 」が 「雇 用調 整 等 の実施 状況 」と して 調べ ている 選択 肢が 網羅 的 である 。同 調査 では「 残 業規制 」「休 日の 振替 、 夏季休 暇等 の休 日・ 休 暇の増 加」「臨 時、 パー トタイ ム労 働者 の再 契 約停止 ・解 雇」「新 規学 卒者の 採用 の抑 制・ 停 止」「 中途 採用 の削 減・ 停止」「配 置転 換」「 出 向」「 一時 休業 (一 時帰 休)」「希 望退 職者 の募 集、解雇」「 所定 内労働 時間の 短縮 」「 賃 金 等 労 働 費 用 の 削 減 」「 下 請 ・ 外注の 削減 」「派 遣労 働 者の削 減」を実 施し た 事業所 割合(複 数回 答)を調査 して おり 、この うち企 業内 のコ ア労 働 者の雇 用に 手を 付け る 「希望 退職 の募 集、 解 雇」以 外の 措置 は全 て バ ッファ の活 用に 相当 す ると考 えら れる 。し か しなが ら、 次章 以降 で は厚生 労働 省「 毎月 勤 労 統計調 査 」を 主に 活用 すると いう 制約 から 、コア労 働者 の増 減理 由 は区別 でき ない ため 、「 新
れ た 。 八 代 ・ 大 石 (1995) も 、 日 本 企 業 の 雇 用 ポ ー ト フ ォ リ オ 選 択 は 若 年 労 働 力 の 豊 富 な 供 給 を 前 提 と し て い る と し 、 今 後 、 ① 企 業 の 期 待 成 長 率 の 低 下 は 企 業 特 殊 的 人 的 資 本 か ら 企 業 一 般 的 人 的 資 本 へ の ポ ー ト フ ォ リ オ の 組 み 替 え を 行 う こ と か ら 雇 用 流 動 化 が 進 む 、 ② 労 働 力 需 給 逼 迫 に よ り 離 職 率 が 高 ま る 、 ③ 女 性 雇 用 者 の 増 加 が 生 活 給 的 賃 金 体 系 を 変 化 さ せ る 要 因 と な る と し た 。
*2 「 長 期 雇 用 慣 行 」と い う と き に は 単 に 勤 続 年 数 が 長 い 労 働 者 が 居 る こ と で は な く 、労 使 に お い て 長 期 に 働 き 続 け た い 、働 き 続 け て 欲 し い と い う 意 向 の 存 在 、そ れ を 前 提 と し た 雇 用 管 理 が 必 要 と い う 考 え 方 が あ り う る 。 そ れ に 対 し 、 本 稿 は あ く ま で 「 コ ア 労 働 者 の 雇 用 の バ ッ フ ァ と な る 諸 要 素 の 動 向 の 観 察 」 と い う 狭 い 論 点 に と ど め て い る 。な お 、厚 生 労 働 省(2013)は「 フ ラ ン ス 、ド イ ツ 、イ タ リ ア な ど の 大 陸 ヨ ー ロ ッ パ 諸 国 で は 、 ( 勤 続 年 数 )10年 以 上 の 労 働 者 が 4 ~ 5 割 を 占 め 、3 年 未 満 の 労 働 者 は 1 ~ 2 割 強 と い う 長 期 雇 用 の 慣 行 が あ る 社 会 と 考 え ら れ る 」(p157) と し て い る 。
*3 日 本 生 産 性 本 部 の「 生 産 性 3 原 則 」(1955)で は 、「 生 産 性 の 向 上 は 、究 極 に お い て 雇 用 を 増 大 す る も の で あ る が 、 過 渡 的 な 過 剰 人 員 に 対 し て は 、 国 民 経 済 的 観 点 に 立 っ て 能 う 限 り 配 置 転 換 そ の 他 に よ り 、 失 業 を 防 止 す る よ う 官 民 協 力 し て 適 切 な 措 置 を 講 ず る も の と す る 。」と 、生 産 性 の 向 上 が 一 時 的 に 過 剰 人 員 を 発 生 さ せ る こ と を 懸 念 し て い る 。 雇 用 不 安 が あ る 状 況 で は 生 産 性 向 上 に 労 働 者 の 協 力 が 得 ら れ な い こ と か ら 、 雇 用 の 維 持・拡 大 の 必 要 性 を 強 調 し て い る も の で あ る 。ま た 、稲 上(2003)は 、1960年 代 前 半 に お け る 代 表 事 例 の 検 討 か ら 「 技 術 革 新 や 不 況 に よ る 余 剰 人 員 の 整 理 と い っ た 動 機 も 出 向 転 籍 制 度 が 広 く 一 般 化 し て い く う え で 重 要 な 背 景 に な っ て い た 。」(p9) と し て い る 。
規 学 卒 者 の 採 用 の 抑 制 ・ 停 止 」「 中 途 採 用 の 削 減 ・ 停 止 」「 配 置 転 換 」* 5 「 出 向 」「 希 望 退 職 者の募 集、 解雇 」は い ずれも 常用 労働 者数 の 減少と して 把握 され 、 バッフ ァの 効果 とし て 把 握する こと がで きな い 。
次章 以降 では 、これ らバッ ファ の活 用状 況 や、活用 のた めの 環境 条件を 、企業 外( 第2 章 ) と企業 内( 第3 章、 第 4章) に分 けて みて い く。第 5章 はま とめ で ある。
3 主 な事 実発 見
本研 究か ら分 かっ た 主な事 実は 以下 のと お りであ る。
① 企 業外 の雇 用バ ッ ファに つい て、 企業 の 規模別 構成 や子 会社 数 をみる とバ ッフ ァは 小 さ くなっ てい るよ うに 思 われる が 、近 年、出向 を実施 する 企業 割合 が 高止ま りし てお り 、出 向によ る労 働移 動も 増 加傾向 にあ る。
② 製 造業 にお いて は 、パー トタ イム 労働 者 による 労働 費用 調整 が 短期的 には ほと んど 影 響 してお らず 、一般 労働 者の所 定外 労働 や特 別 給与に よる 労働 費用 調 整が 、雇 用の バッ ファ 機能を 果た して きた と 考えら れる 。
③ 厚 生労 働省 「毎 月 勤労統 計調 査」 の調 査 産業計 につ いて みる と 、大規 模事 業所 にお い て は 男 女 の 特 別 給 与 に よ る 調 整 が み ら れ る 一 方 、 所 定 外 労 働 時 間 に よ る 調 整 は あ ま り な く 、 女性の 労働 者数 によ る 調整が みら れた 。
第 2 章 企 業 外 の バ ッフ ァ の 状 況
1 出 向、 下請 ・外 注 の削減 の状 況
はじ めに 、厚 生労 働 省「労 働経 済動 向調 査 」によ って 雇用 調整 等 実施状 況を みよ う。 第2 -1 -1 図に は 、アジ ア経 済危 機・ 金 融不況 、I Tバ ブル 崩 壊、世 界同 時不 況( 含 リ ーマン ショ ック )の 3 回の景 気後 退局 面が 含 まれる 。こ れら 不況 期 におい て、 多く の事 業 所 が残業 規制 を行 った 。 残業規 制は 所定 外給 与 を削減 する こと で労 働 費用を 抑え 、コ ア労 働 者 の雇用 を守 るバ ッフ ァ であり 、事 業再 構築 を 意味す るリ スト ラク チ ャリン グが 「人 員削 減 」 の意味 で流 布し た1998~2002年頃 にお いて も、労働者 数の 調整 に比 べ 多くの 事業 所で 実施 さ れ、ま た他 の調 整方 法 に若干 先行 して 行わ れ た。一 方で 、臨 時・ パ ートタ イム 労働 者の 再 契 約停止 ・解 雇と いっ た 非正規 雇用 のバ ッフ ァ として の活 用は 、希 望 退職者 の募 集・ 解雇 と ほ ぼ同水 準で 低く 、企 業 は非正 規雇 用を コア 労 働者の バッ ファ とし て 減らす ので はな く、 労 働 費用の 圧縮 のた め、 低 賃金な 非正 規雇 用者 を むしろ 増や す行 動を と ったこ とが うか がえ る 。 なお、 この 時期 には 調 査産業 計で 5~ 7% 、 製造業 で8 ~12%の 事 業所で 出向 が実 施さ れ た が、2006年 には 製造 業 でも2 ~3 %に 低下 し た。
リー マン ショ ック を 含む2008年か らの 景気 後退は 、極 めて 大き な経 済ショ ック であ った に もかか わら ず、 前2 回 の後退 局面 に比 べて 希 望退職 者の 募集 ・解 雇 実施事 業所 割合 は低 か っ た。企 業は 、非 正規 労 働者を 増や す一 方で コ ア労働 者の 人員 を極 限 まで絞 り込 んで いた こ と が考え られ る。 その 結 果、こ の時 期、 残業 規 制とと もに 臨時 ・パ ー トタイ ム労 働者 の再 契 約 停止・ 解雇 実施 事業 所 割合が かつ てな く高 ま り、2009年 1~ 3月 期 には調 査産 業計 で10%、 製造業 で20%を 超え た 。
ちょ うど この2008年10~12月期* 6 よ り新 た に、雇 用調 整以 外の 調整 方法と して「下 請け・ 外注の 削減 」が 調査 さ れるよ うに なっ た。 こ れは、 仕事 量の 減少 に 伴って 企業 内に 発生 し た 余剰人 員を 活用 して 外 注して いた 業務 を内 生 化する こと で取 引先 企 業にコ スト を分 担し て も らうこ とで あり 、余 剰 人員を 出向 させ るこ と と同様 企業 外の バッ フ ァの活 用と 考え られ る の で両者 を比 較し てみ た 。
第2 -1 -2 図に よ ると 、調 査産 業計 、製造 業の企 業規 模別 にみ て も概ね 2009年 前半 がピ ークで あり 、2014年 に は低調 にな る 。こ れは 業績が 回復 する とと も に企業 内に 余剰 人員 が 少 なくな った ため 、不 況 期に内 生化 した 業務 を アウト ソー シン グす る ように なる 動き と考 え ら れる。 なお 、実 施事 業 所割合 は製 造業 で非 製 造業よ り高 く、 製造 業 では1,000人 以上 の大 企 業で高 いが30~99人で もある 程度 実施 され て いる。
一方 、「 出向 」に つい ては、 景気 後退 が進 ん だ2008年 から 実施 事業 所割合 が上 昇を 始め た ものが 、景気 が底 入れ しても あま り低 下せ ず 、調 査産 業計 、規模 計で は2012年 頃か ら横 這い
第2-1-1図 産業、雇用調整の方法別事業所割合の推移 ①調査産業計
②製造業
資 料 出 所 厚 生 労 働 省 「 労 働 経 済 動 向 調 査 」
( 注 ) 1 . 2 0 0 2 年 3 月 、 2 0 0 7 年 1 1 月 の 日 本 標 準 産 業 分 類 改 定 に よ り 調 査 対 象 産 業 、 製 造 業 の 内 訳 が 変 更 さ れ て お り 2 0 0 4 年 2 月 調 査 と そ れ 以 前 、 2 0 0 9 年 2 月 調 査 と そ れ 以 前 の 比 較 は 注 意 を 要 す る 。
2 . 2 0 0 9 年 2 月 調 査 か ら 「 臨 時 ・ 季 節 、 パ ー ト タ イ ム 労 働 者 の 再 契 約 停 止 ・ 解 雇 」 は 「 臨 時 、 パ ー ト タ イ ム 労 働 者 の 再 契 約 停 止 ・ 解 雇 」 に 変 更 さ れ た 。
3 . 2 0 1 3 年 2 月 調 査 か ら 選 択 肢 に 「 新 規 学 卒 者 の 採 用 の 抑 制 ・ 停 止 」 が 追 加 さ れ た 。
4 . 2 0 1 5 年 2 月 調 査 か ら 「 会 社 以 外 の 法 人 」 ( 信 用 金 庫 、 一 般 財 団 法 人 、 病 院 等 ) が 調 査 対 象 に 加 え ら れ た 。 52 12 21 1 8 0 0 10 20 30 40 50
2000 05 10 15
残業規制
臨時、パー トタ イム労働者の 再契約停止・解 雇
出向
希望退職者の 募集、解雇
( 年) ( 複数回答、 %)
30 12 12 6 1 0 10 20 30 40 50
2000 05 10 15
残業規制
臨時、パー トタ イム労働者の 再契約停止・解 雇
出向
希望退職者の 募集、解雇
第2-1-2図 産業、企業規模別、下請・ 外注の削減実施事業所割合 ①調査産業計
②製造業
資 料 出 所 厚 生 労 働 省 「 労 働 経 済 動 向 調 査 」 10
1 0
5 10 15 20
2009 10 11 12 13 14 15 16 17
30人~
1,000人以上
300~999人
100~299人
30~99人
( 年) ( %)
19
2 1 0
5 10 15 20
2009 10 11 12 13 14 15 16 17
30人~
1,000人以上
300~999人
100~299人
30~99人
で推移 して いる( 第2 -1- 3図 )。規模 別に は、1,000人 以上 では 調 査産業 計 、製 造業 とも 足下ま で増 加傾 向を 示 してい る。2012年11月 に短い 景気 後退 期が 底 入れし て、2014年頃 に かけて 何ら かの 雇用 調 整を実 施し た企 業割 合 も低下 して いく 中で 、「 出向 」が 異な る動 きを 示 してい る背 景に つい て 、断 定的 なこ とは 言え ないも のの 、2006年 4 月の改 正高 年齢 者雇 用 安
第2-1-3図 産業、企業規模別、出向実施事業所割合 ①調査産業計
②製造業
資 料 出 所 厚 生 労 働 省 「 労 働 経 済 動 向 調 査 」
11
6
0 5 10 15 20
2009 10 11 12 13 14 15 16 17
30人~
1,000人以上
300~999人
100~299人
30~99人
(年) (%)
8 17
0 5 10 15 20
2009 10 11 12 13 14 15 16 17
30人~
1,000人以上
300~999人
100~299人
30~99人
定法の 施行 の影 響が 考 えられ る。 世界 同時 不 況期を 機に 「雇 用調 整 として 」出 向を 実施 し た 企業が 、高年 齢者 の65歳まで の雇 用確 保措 置 として も出 向が 利用 可 能であ るこ とか ら 、重 点 を短期 的な 雇用 維持 か ら構造 的な 高齢 者の 雇 用確保 へと 移し なが ら 出向を 継続 した とき 、 企 業は雇 用調 整と して 出 向させ た者 や、 その 後 任者が いる 限り 「雇 用 調整と して の出 向を 実 施 してい る」 と回 答し 続 けてい るの では ない だ ろうか 。
調査 産業 の約 1割 、 製造業 で2 割弱 の1,000人以上 規模 企業 では 、 出向は 常態 とな りつ つ あり、 コア 労働 者の 雇 用維持 のた めの バッ フ ァとし て定 着し てき て いる。
では 、実 際に 出向 し ている 者の 人数 はど う なって いる だろ うか 。 厚生労 働省 「雇 用動 向 調 査」に より 2000 年以 降 のスト ック とし ての 出 向者数 をみ ると 、調 査 産業計 で 2001 年の 59 万人か ら03年43万 人 に減少 、2007年 に60万 人に増 加、2011年40万 人まで 減少 、2015年 に再び60万人 と増 減を 繰り返 して いる 。製 造 業でも2000年の14万 人が最 多で 、2009年80 万人が 底、雇用 調整 実施 事業所 割合 が高 まっ た2013年には13万 人ま で 増加し たが2000年 頃 よりは 減少 して いる 。
しか しな がら 、製 造 業雇用 者数 は減 少し て いるの で、 第2 -1 - 4図に より 、常 用労 働 者 に占め る出 向者 の割 合 でみる と、 製造 業で は2009年か ら2013年に か けては っき りと した 増 加がみ られ 、2015年ま で 2000 年 を上 回っ て推 移する など 、出 向実 施 事業所 の増 加に 伴い 出 向者割 合に も高 まり が みられ てい る* 7 。
第2- 1- 5図 、第 2 -1- 6図 はフ ロー の 出向者 の割 合、 すな わ ち離職 率と 入職 率( 図 では離 職率 と入 職率 を 足した もの を「 粗労 働 移動率 」と 呼ん でい る )を規 模別 にみ たも の で ある。
第2-1-4図 常用労働者に占める出向者の割合
資 料 出 所 厚 生 労 働 省 「 雇 用 動 向 調 査 」
( 注 ) 1 . 2 0 0 2 年 、 2 0 0 7 年 の 日 本 標 準 産 業 分 類 改 定 に よ り 製 造 業 の 内 訳 が 変 更 さ れ て い る 。 2 . 各 年 1 月 1 日 現 在 常 用 労 働 者 数 に 占 め る 出 向 者 の 割 合 。 出 向 者 数 は 2 0 0 0 年 か ら 2 0 0 8 年 ま で は 6 月 末 時 点 、 2 0 0 8 年 以 降 は 1 月 1 日 時 点 で 、 2 0 0 8 年 に は 両 方 を 表 示 し た 。 3 . デ ー タ ラ ベ ル は 2 0 1 3 年 と 2 0 1 6 年 に つ い て の み 製 造 業 も 表 示 し た 。
1.4 1.5
1.3
1.1 1.2
1.2
1.0 1.4
1.1
1.0 0.9 1.0
1.3 1.2
1.0 1.3
1.1 1.6
1.3
0.0 0.5 1.0 1.5
2000 05 10 15
調査産業計 製造業
第2-1-5図 企業規模別出向による離職率 ① 調査産業計
② 製造業
資 料 出 所 厚 生 労 働 省 「 雇 用 動 向 調 査 」
( 注 ) 1 . 2 0 0 2 年 、 2 0 0 7 年 の 日 本 標 準 産 業 分 類 改 定 に よ り 製 造 業 の 内 訳 が 変 更 さ れ て い る 。 2 . 各 年 離 職 理 由 が 「 出 向 」 で あ る 離 職 者 数 の 1 月 1 日 現 在 常 用 労 働 者 数 に 対 す る 割 合 。
0.6
0.9
0.3
0.8
0.6 0.5
0.3
0.0 0.5 1.0 1.5 2.0
2000 05 10 15
1,000人~
300~999人
5~299人
(年) (%)
1.4
0.4
1.2 1.2
0.7
0.6
0.0 0.5 1.0 1.5 2.0
2000 05 10 15
1,000人~
300~999人
5~299人
第2-1-6図 企業規模別出向による粗労働移動率
① 調査産業計
② 製造業
資 料 出 所 厚 生 労 働 省 「 雇 用 動 向 調 査 」
( 注 ) 1 . 2 0 0 2 年 3 月 、 2 0 0 7 年 1 1 月 の 日 本 標 準 産 業 分 類 改 定 改 定 に よ り 製 造 業 の 内 訳 が 変 更 さ れ て い る 。 2 . 各 年 離 職 理 由 が 「 出 向 」 で あ る 各 年 離 職 者 数 と 入 職 経 路 が 「 出 向 先 か ら の
復 帰 」 で あ る 入 職 者 数 の 合 計 の 1 月 1 日 現 在 常 用 雇 用 者 数 に 対 す る 割 合 。
1.2
1.0
0.8
0.7
0.3
0.0 0.5 1.0 1.5 2.0
2000 05 10 15
1,000人~ 300~999人 5~299人
(年) (%)
1.8
0.8
1.5 1.6
0.8
0.7
0.0 0.5 1.0 1.5 2.0
2000 05 10 15
1,000人~ 300~999人
5~299人
まず 、雇 用調 整実 施 事業所 割合 や、 近年 の 出向者 割合 と同 様、 製 造業で 調査 産業 計よ り 離 職率も 粗労 働移 動率 も 高い。1,000人以 上規 模 企業で は、2007年を 底 に離職 率、 粗労 働移 動 率は上 昇傾 向に ある が 、2002年 の水 準に は戻 っ ていな い 。ITバブ ル崩 壊のこ ろの リス トラ ク チ ャ リ ン グ は そ れ だ け 大 き な も の で あ っ た と 考 え ら れ る 。 雇 用 調 整 実 施 事 業 所 割 合 で は 、
1,000人 以上 ほど の高 ま りをみ せて いな かっ た300~999人規 模企 業で あ るが 、特 に製 造業 に
おいて 、離 職率 、粗 労 働移動 率と も1,000人 以上を 上回 る年 があ る など、 ある 程度 限ら れ た 準大手 ・中 堅と いっ た 規模の 企業 にお いて も 、出向 を活 用す る傾 向 が強ま って いる 可能 性 が ある。
2 下 請に 関す る先 行 研究
中小 企業 庁(1969) では、 機械 生産 にみ ら れる完 成品 メー カー を 頂点と した 多層 なピ ラ ミ ッド構 造に つい て、親企 業側の メリ ット のひ と つとし て「 景気 変動 に応 じて発 注量 を増 減し 、 加工賃 を上 下さ せ、 支 払時期 を変 更す るな ど 、下請 企業 をい わゆ る 景気の バッ ファ ーと し て 利用す るこ とに より 、 固定費 の削 減に よる 資 金の効 率的 な利 用や 景 気変動 に伴 う資 金負 担 の 軽減な どを 行っ てき た」、下 請企 業側 のメ リッ ト として「 市場 との 結び つ きは親 企業 を通 じて であり 、こ のた め、 み ずから は販 売力 や製 品 企画力 、設 計能 力な ど をもつ 必要 がな かっ た 。 また、 特定 の企 業と 結 びつく こと によ り、 比 較的安 定し た受 注量 と 対外信 用力 の確 保が 可 能 となり 、あ る程 度経営 の 不安定 性を 除去 する こ とがで きた 」こ と等を 挙 げた。しか しな がら、 当時に おい ても 、下 請 企業に 特定 の親 企業 へ の依存 度を 低め よう と する動 きが みら れ、 親 企 業とし ても 下請 企業 に 量産効 果を 十分 に発 揮 させ、 専門 生産 体制 を より強 固に する こと 、 管 理体制 の充 実等 の観 点 から 、一 社依 存度 を低 め ること を望 む親 企業 が 出てき てい ると し、「 こ れは、 親企 業が 下請 企 業を従 来の よう に景 気 バッフ ァー とし て利 用 するこ とを 改め 、設 備 能 力、技 術水 準を 重視 する ように なっ てき てい る ことに よる もの と思 わ れる」(第 2部 第2 章3) と指摘 して いる 。
浅沼 (1997) は、 大 企業が 下請 企業 を景 気 変動に 対す るバ ッフ ァ ーとし て利 用で きて い る という 「リ スク 転嫁 仮 説」に 対し 、フ ィー ル ド・ワ ーク に基 づき 提 示され た「 リス ク吸 収 仮 説」す なわ ち、 中核 企 業(大 企業 )は 下請 企 業をラ ンク 付け して お り、上 位の 「衛 星型 サ プ ライヤ ー」 に対 して は 「中核 企業 の側 が、 取 引に伴 うリ スク を無 視 できな い程 度に おい て 吸 収する 」と いう こと を 自動車 産業 につ いて 実 証的に 確認 した 。す な わち、 大企 業が 下請 企 業 のうち 基幹 的部 分に 属 する企 業を 用い る第 一 義的な 動機 は、 景気 変 動に対 する バッ ファ ー を 作ろう とす るこ とに は なく、むし ろ、これ ら企 業に蓄 積さ れて いる 専 門的な 諸能 力を 利用 し 、 それに よっ て、自分 がも ってい る人 的資 源を よ り集中 的な 仕方 で使 お うとす ると ころ にあ る」 と結論 付け た。
中小 企業 庁(2005)は 、「大 企業 の生 産拠 点の 移転や 、大企 業自 身の 業 績悪化 等に より 、『 系
列』を 維持 して いく メ リット や体 力が 失わ れ ており 、下 請企 業か ら みても 下請 であ るメ リ ッ トは失 われ てき たの で ある 。実 際 、1981年に は65.5%を 超え てい た 下請企 業の 割合 は 、1998 年に47.9% と減 少し て おり 、さ らに 、現 在の 下請取 引の 割合 が高 い 企業も 、下請 受注 の比 率 の低下 を望 んで いる 企 業が多 く、 今後 は従 来 以上に 下請 企業 が減 少 するこ とが 予想 され る 」 と、1980年 代か ら下 請 企業が 減少 して いる こ とを示 した (第 2部 第 1章第 1節 )。
これ らの 研究 は、 下 請関係 は大 企業 にと っ て中長 期的 なコ スト ダ ウンを 図る 手段 では あ っ ても、景気 変動 に対 する バッフ ァと して の位 置 づけは 弱い か、弱ま って いるこ とを 示唆 する 。 また 、2000年3 月期 以 降、会計 基準 が「連 結 決算中 心 」に 移行 した ことに よっ ても 、関係 会 社を持 つこ との メリ ッ トがひ とつ 失わ れた 。先にみ たよ うに 、「出向 」を 実施 する 企業 割合 が 増加し てお り、 雇用 を 維持す るた めの ポス ト 確保の 手段 とし て、 企 業グル ープ の維 持は 有 効 と考え られ る一 方で 、 出向者 に支 払う 賃金 が 同額で ある なら ば、 連 結決算 の下 では 負担 が 出 向元で あっ ても 出向 先 であっ ても 何ら 人件 費 節約に はな らな いこ と になる から であ る。 こ う したこ とを 踏ま えた 上 で、次 節で は企 業の 規 模別構 成の 状況 と、 企 業グル ープ の関 係会 社 数 の状況 につ いて みる 。
3 規 模別 企業 数と 関 連会社 数の 動向
総務 省統 計局「 経済 センサ ス- 基礎 調査 」* 8 で常用 労働 者規 模別 企 業割合 をみ ると 、全産 業につ いて も 、製 造業 につい ても 、1,000人以 上企業 割合 は1 %に 満 たない 。300人 以上 でみ ても全 産業 では 1% 未 満、製 造業 で1 %強 と いった わず かな 割合 で ある。 0~ 4人 企業 は 全 産業で 近年 6割 に迫 り、製造業 でも 4割 を超 え、割合は 高ま る傾 向に あ る(第 2- 3- 1表)。 調査産 業計 では 0~ 4 人規模 企業 割合 の高 ま りによ って 、よ り大 き な規模 では 企業 数が 増 え ていて も構 成比 が低 下 してい る。製造 業では 1991年を ピー クに 全て の 規模で 企業 数が 減少 し ている 中で 、0 ~4 人 規模の 割合 が高 まり 、 5~99人規 模の 構成 比 は低下 、100人以 上で は
構成比 はほ ぼ横 這い で ある。
この 、1 %に 満た な い1,000人以 上規 模企 業では ある が、 その 雇 用する 常用 労働 者数 は 少 なくな い。 全産 業で は1,000 人以 上企 業に 雇用 される 常用 労働 者の 割 合は1999年 の 約30% から 2014年 には 約35%へと 上昇 し、 製造 業 では概 ね35% 程度 で横 這いで ある 。300 人以 上 企業に は2014年に は全 産業で も製 造業 でも 常 用雇用 者の ほぼ 半数 が 雇用さ れる 。一方 、0~ 4人企 業の 雇用 者割 合 は、2014年 で全 産業 4.0%、 製造業 2.3%に過 ぎない (第 2- 3- 2 図)。この 結果 、日本 的 雇用シ ステ ムが 比較 的 明瞭に みら れる( みら れた )と いう 製造 業ま た は大企 業の 構成 比は 、 企業数 でみ ると1999年 以降、20% を下 回っ て2014年ま でに 4% ポイ ント弱 低下 した のに 対 し、常 用労 働者 割合 で みると 、大 企業 を1,000人以上 とし たと きに 約 半数で 横這 い、300人 以 上とし たと きに 約6 割 で、2004年 以降 は若 干 高まる 傾向 をみ せて い る* 9 (第2 -3 -3 図)。
仮に1,000人以 上大 企業が 、景 気変 動に 対 するバ ッフ ァと して 、 あるい は出 向先 とし て 、
1,000 人 未満 中小 企業 を活用 する とし たと き に、大 企業 100 社当 た り何社 の中 小企 業が 存 在
するか の推 移を みた も のが第 2- 3- 4図 で ある 。こ れを みる と 、全 産業で は1986年の 約6 万社か ら2014年 には 約 5万社 に減 少し てお り、特に5 ~299人 の中規 模 が少な くな って いる 。 これに 対し 、製造 業で は 概ね3 ~3.5万社 でほ ぼ 横這い であ るが 、5~299人規模 につ いて は
1980年 代 の2 万 人超 か ら2014年 には1.7 万 人 程度へ と、 全産 業同 様 に減少 傾向 にあ る。 こ
のよう に、 マク ロ的 に みて企 業外 の雇 用バ ッ ファは 縮小 して いる 可 能性が ある 。
しか し、 規模 別企 業 数の分 布だ けで は、 大 企業の 置か れた 環境 を みたに 過ぎ ない 。前 節 で みたと おり 、多 くの 下 請企業 はケ イレ ツに 組 み込ま れて はお らず 、 大企業 の雇 用変 動と は 無 関係と 考え られ 、小 規模 企業が 多く ても グル ー プ内で の雇 用維 持が や りやす いと は限 らな い。
より 詳細 に、 個別 企 業グル ープ のデ ータ を みよう 。東 洋経 済新 報 社の「 日本 の企 業グ ル ー プ」で は、 国内 関係 会 社* 10 数を掲 載し てい る 。
労 働 省 (1994) で は 、 こ の 資 料 を 使 っ て 製 造 業 企 業 の 関 係 会 社* 11 数 を 推 計 し て い る 。 そ の結果 、1980年 代から 1990 年 代前 半ま で、関 係会社 数は 一貫 して 増 加して いる が、 円高 不 況業種 で1990年以 降減 ってい るこ とか ら 、円 高 不況業 種で は「雇 用調 整 の手段 とし ての 子会 社の事 業継 続及 び新 設 が近年 、厳 しい 状況 に あるこ とを 示す 」と 分 析した 。
「 日本 の企 業グ ルー プ 」に よっ て1997年以 降 5年お きに 1社 当た り の国内 関係 会社 数を み ると 、499人以 下企 業で は単調 に減 少し てお り 、他 の規 模に つい ては2002年に 最も 多く なっ ている が、1997年と 2017 年を 比べ ると 全ての 規模で 関係 会社 数は 減 少して いる (第 2- 3 -5図 )。2002 年か ら 2007 年に かけ ては リー マンシ ョッ ク前 の景 気 拡張局 面で あり 、2012
*9 も ち ろ ん 、大 企 業 の 内 訳 が 変 化 し て い る こ と 、大 企 業 / 製 造 業 の 中 で 非 正 規 雇 用 者 の 活 用 が 進 ん で い る こ と 等 か ら 、「 長 期 雇 用 慣 行 が 適 用 さ れ る 労 働 者 」 の 割 合 が 高 ま っ て い る と い う こ と で は な い 。
*10 国 内 の 連 結 対 象 会 社 、 持 分 法 適 用 会 社 、 他 。
第2-3-2図 企業規模別常用雇用者数の推移 ①全産業
②製造業
資 料 出 所 総 務 省 統 計 局 「 経 済 セ ン サ ス - 基 礎 調 査 」 「 事 業 所 ・ 企 業 統 計 調 査 」 ( 注 ) 1 . 2 0 0 2 年 、 2 0 0 7 年 の 日 本 標 準 産 業 分 類 改 定 に よ り 製 造 業 の 内 訳 が 変 更 さ れ て い る 。 2 . 調 査 年 が 等 間 隔 で は な い こ と 、 上 下 の 図 で 縦 軸 の 目 盛 が 違 う こ と に 注 意 を 要 す る 。
155 149 143 137 163 151
753 708 656 630 655 678
626 579
544 542 556 601
531
499
477 497 495 526
502
460
447 470 470
517 1,073
996
889 993
1,268 1,304
0 1000 2000 3000 4000
1999 2001 04 06 09 14
1,000~
300~999
100~299
30~99
5~29
0~4人
(年) (万人)
26 24 22 20 22 21
172 155 140
132 130 133 183
164 150
147 143 149 171
154
144 148 142 145
157
143
127 135 135 137
355
357
262 302 327 314
0 200 400 600 800 1000
1999 2001 04 06 09 14
1,000~
300~999
100~299
30~99
5~29
0~4人
第2-3-3図 「 大企業または製造業」 比率の推移
資 料 出 所 総 務 省 統 計 局 「 経 済 セ ン サ ス - 基 礎 調 査 」 、 「 事 業 所 ・ 企 業 統 計 調 査 」 ( 注 ) 1 . 2 0 0 2 年 3 月 、 2 0 0 7 年 1 1 月 の 日 本 標 準 産 業 分 類 改 定 に よ り 製 造 業 の 内 訳 が 変 更 さ れ て い る 。 2 . 「 3 0 0 人 労 働 者 」 は 製 造 業 ま た は 企 業 規 模 3 0 0 人 以 上 規 模 の 労 働 者 比 率 、 「 3 0 0 人 企 業 」 は 製 造 業 ま た は 企 業 規 模 3 0 0 人 以 上 規 模 の 企 業 比 率 、 「 1 , 0 0 0 人 労 働 者 」 は 製 造 業 ま た は
企 業 規 模 1 , 0 0 0 人 以 上 規 模 の 労 働 者 比 率 、 「 1 , 0 0 0 人 企 業 」 は 製 造 業 ま た は 企 業 規 模 1 , 0 0 0 人 以 上 の 企 業 比 率 で あ る 。
3 . 調 査 年 が 等 間 隔 で は な い こ と に 注 意 を 要 す る 。 58.4 57.6
56.8 58.4
60.3 60.0
19.7
18.6 18.2 17.6
15.8 16.0 48.9 48.2
46.6 48.2
51.0
50.0
19.3
18.2 17.7 17.2
15.5 15.6
0 20 40 60
1999 2001 04 06 09 14
300人労働者
300人企業
1,000人労働者
1,000人企業
第2-3-4図 産業別1 ,0 0 0 人以上企業1 0 0 社当たりの各規模企業数
①全産業( 公務を除く)
②製造業
資 料 出 所 総 務 省 統 計 局 「 経 済 セ ン サ ス - 基 礎 調 査 」 、 「 事 業 所 ・ 企 業 統 計 調 査 」
( 注 ) 1 . 1 9 8 4 年 、 1 9 9 3 年 、 2 0 0 2 年 、 2 0 0 7 年 の 日 本 標 準 産 業 分 類 改 定 に よ り 製 造 業 の 内 訳 が 変 更 さ れ て い る 。 2 . 調 査 年 が 等 間 隔 で は な い こ と に 注 意 を 要 す る 。
2.69 2.97 2.98 2.76 2.50 2.92 2.88 2.75 3.23 2.80 3.09
3.25 2.93
2.79 2.50
2.73 2.62 2.37
2.19
2.10 0.03
0.03
0.03 0.03
0.03
0.03 0.03
0.03 0.03
0.03
0 2 4 6
1981 86 91 96 99 2001 04 06 09 14
300~999人
5~299人 0~4人
( 年) ( 万社)
1.06 1.18 1.22 1.27 1.22 1.35 1.46 1.26 1.47 1.34 2.12 2.23 2.08 1.96 1.83 1.91
2.04
1.74 1.66 1.66 0.03 0.03 0.03 0.03 0.03 0.03
0.03
0.03 0.03 0.03
0 2 4 6
1981 86 91 96 99 2001 04 06 09 14
300~999人
5~299人 0~4人
第2-3-5図 製造業企業の国内関連会社数の推移 ①1 9 8 0 年代から9 0 年代前半
②1 9 9 0 年代後半以降( 親会社規模別)
資 料 出 所 労 働 省 「 労 働 経 済 の 分 析 」 ( 1 9 9 4 年 版 ) 、 東 洋 経 済 新 報 社 「 日 本 の 企 業 グ ル ー プ 」 よ り 作 成 。 ( 注 ) 1 . ① は 、 東 証 一 部 上 場 企 業 の う ち 継 続 的 に 把 握 で き る 1 3 8 社 に よ る 推 計 。 関 連 会 社 の 実 数 は 分 か ら な い 。 2 . ② は 、 表 章 し た 5 時 点 全 て に お い て 1 社 以 上 の 関 連 会 社 が 掲 載 さ れ た 、 持 株 会 社 で な い 企 業 に つ い て の 親 会 社 1 社 当 た り の 関 連 会 社 数 。 ( ) 内 は 集 計 企 業 数 。
79.1 91.0
94.6 97.6
100.0 101.9
105.2 108.7 117.8
124.6 127.7
131.8 135.1
60 80 100 120 140
1981 1985 1990
(年) (1985年=100)
29.2 34.7 32.1 27.2 25.1 12.6 12.7 11.6
10.7 10.0
7.3 7.5 7.0 6.6
6.2
5.4 5.6 5.2 5.0 4.8
4.1
4.0
3.4 3.3
2.9 14.0 15.6 14.4 12.6 11.7 0 10 20 30
1997 2002 2007 2012 2017
5,000~(170)
2,000~4,999(140)
1,000~1,999(95)
500~999(102)
~499人(88)
規模計(603)
第 3 章 製 造 業 に お ける 企 業 内 バ ッ フ ァ の 動き
1 デ ータ の特 性
前章 では 、コ ア労 働 者の雇 用を 景気 変動 か ら守る ため の企 業外 の バッフ ァと して 、主 に 出 向につ いて みた 。本 章 と次章 では 、企 業内 で バッフ ァと して 機能 し ている 諸要 素の 動向 に つ いて確 認す る。 本章 は 製造業 につ いて 、次 章 では厚 生労 働省 「毎 月 勤労統 計調 査」 の調 査 産 業計( 民営 、非 農林 業 )につ いて それ ぞれ み ること とす る。
使 用す るデ ータ は 、これ まで あま り活 用 されて こな かっ た、 経 済産業 省「 工業 統計 表 」
* 12 と、厚生 労働 省「毎 月勤労 統計 調査 」の結 果原票( 実数 表 )で あ る。「工 業統 計表 」は 国
に属す る事 業所 を除 く 、製造業 の従 業員 4人 以 上規模 事業 所に つい て の全数 調査 であ り、「 毎 月勤労 統計 調査 」の 母 集団で ある 総務 省統 計 局「経 済セ ンサ ス- 基 礎調査 」の 一部 に当 た る とみな すこ とが でき る 。企 業集 計も され てい るが 、事 業所 集計 では 規模区 分が 細か く 、30人 以 上 の 各 区 分 に つ い て は 集 計 し て 「 毎 月 勤 労 統 計 調 査 」 に そ ろ え る こ と が で き る* 13 と い う 点で使 いや すい 。従業 者* 14規模 別統 計表 では 、30人以上 につ いて 事業 所 数、従業 者数 、常 用 労働者 年間 平均 数、 現 金給与 総額 、原 材料 使 用額等 、製 造品 出荷 額 等、生 産額 、付 加価 値 額 が表章 され てい る。 こ の常用 労働 者年 間平 均 数と現 金給 与総 額( 常 用労働 者1 人当 たり に 換 算する )を 「毎 月勤 労 統計調 査」 の常 用労 働 者数、 現金 給与 総額 に リンク させ るこ とで 、 事 業所規 模別 に業 況( 付 加価値 額を 使用 する ) と、雇 用、 賃金 、労 働 時間を 関連 づけ て、 さ ら に一般 労働 者、 パー ト タイム 労働 者の 雇用 形 態別に みる こと がで き る* 15。
デー タ加 工の 詳細 は 巻末の 資料 を参 照し て いただ きた い。「 毎月 勤 労統計 調査 」では 時系 列 比較の ため の「 指数」が 作成さ れて いる が「 工 業統計 表」は全 数調 査 である こと から 、「工業 統計表 」の 常用 労働 者 数、( 1人 当た り) 現金 給与総 額を その まま 使 用し、「毎 月勤 労統 計調 査」の 結果 原票 の構 成 比を乗 じて 労働 時間 等 の系列 を作 成し た。
この 方法 によ るデ ー タを使 用す るメ リッ ト として は、 生産 (付 加 価値) と労 働指 標( 常 用 労働者 数と 現金 給与 総 額)が ひと つの 統計 の 中で完 結し て、 規模 別 に得ら れる こと が挙 げ ら れる。 例え ば篠 塚(1979)は 、規 模別 の雇 用需 要の部 分調 整モ デル を 「毎月 勤労 統計 調査 」 と経済 産業 省「 鉱工 業 生産指 数」 等を 用い て 推計し てい る* 16。「工業 統計表 」で はよ り細 か
*12 2011年 、2015年 に つ い て は 総 務 省 と 経 済 産 業 省 が 実 施 し た 「 経 済 セ ン サ ス - 活 動 調 査 ( 製 造 業 )」(2012 年 、2016年 )が「 工 業 統 計 表 」の 代 わ り と な る が 、資 料 の 標 記 と し て は 全 て 経 済 産 業 省「 工 業 統 計 表 」と し て い る 。
*13 最 小 の 区 分 の み 「 工 業 統 計 表 」 が4~29人 、「 毎 月 勤 労 統 計 調 査 」 が5~29人 と 異 な る 。
*14 従 業 者 は 、 常 用 労 働 者 数 と 個 人 事 業 主 お よ び 無 給 家 族 従 業 者 数 。 他 の 企 業 か ら の 出 向 従 業 者 、 人 材 派 遣 会 社 か ら の 派 遣 従 業 者 な ど を 含 み 、 臨 時 雇 用 者 を 除 く 。
*15 結 果 原 票 で は 男 女 別 に つ い て も み る こ と が で き る ( 雇 用 形 態 と の ク ロ ス 集 計 は さ れ て い な い ) が 、 本 章 で は 雇 用 形 態 別 に つ い て の み み る 。 こ れ は 、 デ ー タ を 政 府 統 計 の 総 合 窓 口 e-stat(https://www.e-stat.go.jp/) に あ る 「 実 数 ・ 指 数 累 積 デ ー タ 」 に よ っ た た め で あ る 。 事 業 所 規 模 区 分 の 最 大 区 分 も 1,000 人 以 上 で は な く
500人 以 上 と な る 。 次 章 で は 、 男 女 別 と5~29人 、1,000人 以 上 区 分 に つ い て み て い る 。
な規模 区分 が得 られ る メリッ トが ある 一方 で 、月次 デー タを 得る こ とがで きな いこ とは デ メ リット であ る。 黒田 ・ 山本(2006)で は、 実 質効率 賃金 変化 の要 因 分解を 行う に当 たっ て 、 賃金を 厚生 労働 省「賃 金 構造基 本統 計調 査」、労 働生産 性と 労働 者数 を 内閣府「国 民経 済計算 」 と総務 省統 計局 「労 働 力調査 」に よっ てい る 。年齢 別の 賃金 とい っ た詳細 な構 造分 析を 行 う には「 工業 統計 表」 や 「毎月 勤労 統計 調査 」 だけで は必 要な 変数 が 得られ ない ため 、様 々 な 統計を 持ち 寄る 必要 が あるが 、一 方で 多く の 統計を 用い れば 、労 働 者、賃 金と いっ た指 標 に ついて 統計 間で 意味 が 異なる 場合 も増 えて こ よう。
本稿 では 、時 間的 制 約から 、せ っか くの 生 産(付 加価 値) の情 報 をほと んど 活用 でき な か ったが 、弾 性値 や調 整 速度の 測定 も2 つの 統 計の中 だけ で行 いう る ので、 今後 の研 究の 進 展 が望ま れる 。
2 製 造業 の事 業所 構 成等
はじ めに 製造 業事 業 所の規 模別 構成 をみ る 。第2 -3 -1 図で み た企業 規模 別の 構成 割 合
では 、1,000人 以上 は全 規模に 対し て0.3%で あ ったが 、事業 所規 模で は1,000人 以上 は4 人
以上事 業所 に対 し て 0.2%と なり 、分 母か ら除 かれて いる 0~ 4人 事 業所は 、少 なく とも 0 ~4人 規模 企業 数(2014年で約12万社 )は 存 在する こと を考 慮す る と、1,000人以 上事 業所 という 存在 は、 ある い は500人 以上 でみ ても 、大規 模事 業所 は希 少 な存在 であ るこ とが わ か る。以 下で は、 付加 価 値額を 知る こと がで き る 30 人以 上規 模事 業 所につ いて みて いく 。30 人以上 規模 の規 模別 事 業所構 成は 第3 -2 - 1図の とお りで 、事業 所 数は全 ての 規模 で1991、
92年頃 をピ ーク に減 少 傾向に ある 。構 成比 では1,000人以 上は 1% 台前 半、500~999人 は2 %
第3-2-1図 従業者規模別事業所数の推移( 製造業、3 0 人以上)
資 料 出 所 経 済 産 業 省 「 工 業 統 計 表 」
( 注 ) 1 9 8 4 年 、 1 9 9 3 年 、 2 0 0 2 年 、 2 0 0 7 年 の 日 本 標 準 産 業 分 類 改 定 に よ り 製 造 業 の 内 訳 が 変 更 さ れ て い る 。 25.3
30.9
28.8
0 10 20 30
0 1 2 3 4 5 6
1976 80 85 90 95 2000 05 10 15
30~99人
100~499
500~999
1,000~
100人以上構成
比(目盛右)
(万事業所) ( %)
(年)
( %) ( %)
第3 -2 -2 図は 、従 業者規 模別 の常 用労 働 者数で ある 。常 用労 働者 数も各 規模 とも1991、
92年頃 がピ ーク で、 以 後減少 傾向 にあ る。 構 成比で みる と、1,000人 以上は 長期 的に 縮小 傾
向にあ り、2015年 には17.6%、逆に 拡大 傾向 に あるの が100~499人規 模で2015年に40.0% を占め てい る。
第3-2-2図 事業所の従業者規模別常用労働者数の推移( 製造業、3 0 人以上)
資 料 出 所 経 済 産 業 省 「 工 業 統 計 表 」
( 注 ) 1 . 1 9 8 4 年 、 1 9 9 3 年 、 2 0 0 2 年 、 2 0 0 7 年 の 日 本 標 準 産 業 分 類 改 定 に よ り 製 造 業 の 内 訳 が 変 更 さ れ て い る 。 2 . 図 中 の ラ ベ ル は 1 9 7 6 年 、 2 0 1 5 年 の 構 成 比 。
0 100 200 300 400 500 600 700 800
1976 80 85 90 95 2000 05 10 15
30~99人
100~499人
500~999人
1,000人~
( 年)
(万人)
17.6% 23.8%
12.3% 40.0%
30.1% 30.0%
34.2%
11.9%
第3-2-3図 事業所の従業者規模別名目労働生産性の推移( 製造業、3 0 人以上)
資 料 出 所 経 済 産 業 省 「 工 業 統 計 表 」
( 注 ) 1 . 1 9 8 4 年 、 1 9 9 3 年 、 2 0 0 2 年 、 2 0 0 7 年 の 日 本 標 準 産 業 分 類 改 定 に よ り 製 造 業 の 内 訳 が 変 更 さ れ て い る 。 2 . 労 働 生 産 性 は 、 付 加 価 値 額 / 常 用 労 働 者 数 。
3 . 図 中 の ラ ベ ル は 3 0 人 以 上 、 1 , 0 0 0 人 以 上 の 1 9 7 6 年 、 2 0 0 6 年 、 2 0 0 9 年 、 2 0 1 5 年 。 5.1
15.6
11.8
14.9
7.2
24.5
14.8
22.8
0 10 20
1976 80 85 90 95 2000 05 10 15
30人~
1,000人~
500~999人
100~499人
30~99人
3 現 金給 与総 額変 動 要因
経済 産業 省「 工業 統 計表」 から 得ら れる 常 用労働 者数 と現 金給 与 総額を 用い て、 事業 所 規 模30人 以上と1,000人 以上の 1事 業所 当た り 現金給 与総 額の 変動 要 因を人 数( 常用 労働 者数 ) の変動 と賃 金額(現 金給 与総額 )の 変動 に大 きく 分解し てみ たも のが 第 3-3 -1 図で ある 。
2000年頃 まで 、現 金 給与総 額(労 働費 用)は前年 比増 加す る年 が ほとん どで あっ たが 、製
造業の 労働 者数 は傾 向 的に減 少し てお り、 労 働費用 の増 加は ほぼ1人当た り現 金給 与額 の 増 加によ って いた 。2000年代以 降を みる と 、デ フレや 非正 規雇 用の 増 加を反 映し て 、現 金給 与 総額は しば しば 前年 比 減少す る一 方 、常 用労 働者数 は増 減を 繰り 返 してい るが 、30人以 上 よ りも、 若干1,000人 以 上の方 が賃 金の 減少 と 雇用の 増加 が大 きく な ってい る。
これ を、 1事 業所 当 たりと せず 、そ れぞ れ の規模 にお ける 全労 働 者に支 払わ れた 現金 給 与 総額に つい て、 厚生 労 働省「 毎月 勤労 統計 調 査」の 結果 原票 のウ ェ イトで 一般 、パ ート 労 働 者別、 労働 時間 の所 定 内外別 、賃 金の 所定 内 外・特 別給 与別 に増 減 寄与度 に分 解し たも の が 第3- 3- 2図 であ る 。第3 -3 -1 図と の 増減率 の差 は、 事業 所 数変化 の分 に相 当す る 。 なお、 ここ では 、一 般 労働者 数が 「コ ア労 働 者」で 、そ の他 の変 数 は「バ ッフ ァ」 と考 え て いる。
まず 、500人 以上 の大 規模事 業所 で 、500人未 満より も労 働費 用全 体 の変動 幅が 若干 大き い ことが わか る。
次に、 図で は一 般労 働 者に関 する 要因 が白 っ ぽい色 で、 パー トタ イ ム労働 者に 関す る要 因 が濃い 色で 概ね 塗り 分 けてあ るが 、一 見し て わかる とお り、 どの 規 模につ いて も濃 い塗 り 分 けの部 分は ごく わず か である 。パー トタ イム 労 働者比 率は 、最も 高ま っ た100~499人 規模 に おいて も1993年の9.0%から2015年の13.2% であり 、製 造業 の常 用 労働者 に限 って みる 限 りそれ ほど の高 まり に なって いな いこ と、 ま た、賃 金が 低く 、労 働 時間が 短い こと から 労 働 費用全 体に 及ぼ す影 響 は非常 に小 さい こと が 考えら れる 。比 較的 寄 与が大 きい のは 、一 般 労 働者の 特別 給与 や所 定 外労働 時間 であ る。
本稿 の目 的は 、コ ア 労働者 の長 期雇 用が 維 持され てき た背 景に 、 どのよ うな 仕組 みが ど の 程度働 いて きた のか を 明らか にす るこ とで あ った。 生産 が減 少す る ときに 労働 費用 をい か に 抑えて きた のか 、労 働 費用構 成要 素そ れぞ れ のバッ ファ とし ての 大 きさを みる ため に、 1 事 業所当 たり 付加 価値 が 前年比 減少 した 年に 注 目して 、減 少寄 与度 を 足し上 げ、 寄与 率で 示 し たもの が第 3- 3- 3 表であ る。
第3-3-1図 従業者規模別1事業所当たり現金給与総額変動の要因分解( 前年比、製造業) ①3 0 人以上
②1 ,0 0 0 人以上
資 料 出 所 経 済 産 業 省 「 工 業 統 計 表 」
( 注 ) 1 9 8 4 年 、 1 9 9 3 年 、 2 0 0 2 年 、 2 0 0 7 年 の 日 本 標 準 産 業 分 類 改 定 に よ り 製 造 業 の 内 訳 が 変 更 さ れ て い る 。 -10
-5 0 5 10 15
1977 80 85 90 95 2000 05 10 15
1人当たり現金給 与額変化
常用労働者数変化
現金給与額総額変 化
(年) (%)
-10 -5 0 5 10 15
1977 80 85 90 95 2000 05 10 15
1人当たり現金給 与額変化
常用労働者数変 化
現金給与額総額 変化
第3-3-2図 従業者規模別現金給与総額変動の要因分解( 前年比、製造業) ①3 0 人以上
②5 0 0 人以上
-20 -15 -10 -5 0 5 10
1995 2000 05 10 15
パー ト給与・時間
パー ト労働者数
一般特別給与
一般所定外労働時間
一般時間当たり所定外給与
一般所定内給与
一般労働者数
全労働者現金給与総額
(年) (%)
-20 -15 -10 -5 0 5 10
1995 2000 05 10 15
パー ト給与・時間
パー ト労働者数
一般特別給与
一般所定外労働時間
一般時間当たり所定外給与
一般所定内給与
一般労働者数
全労働者現金給与総額
③1 0 0 ~4 9 9 人
④3 0 ~9 9 人
資 料 出 所 経 済 産 業 省 「 工 業 統 計 表 」 、 厚 生 労 働 省 「 毎 月 勤 労 統 計 調 査 」 よ り 作 成 。 ( 注 ) 1 . 2 0 0 2 年 、 2 0 0 7 年 の 日 本 標 準 産 業 分 類 改 定 に よ り 製 造 業 の 内 訳 が 変 更 さ れ て い る 。 2 . デ ー タ の 加 工 に つ い て は 巻 末 資 料 を 参 照 。
3 . 全 労 働 者 現 金 給 与 総 額 = 一 般 労 働 者 数 × ( 所 定 内 給 与 + 時 間 当 た り 所 定 外 給 与 × 所 定 外 労 働 時 間 + 特 別 給 与 ) + パ ー ト タ イ ム 労 働 者 数 × ( 時 間 当 た り 所 定 内 給 与 × 所 定 内 労 働 時 間 + 時 間 当 た り 所 定 外 給 与 × 所 定 外 労 働 時 間 + 特 別 給 与 ) と し た 上 で 、 残 差 項 を 無 く す た め 2 か 年 の 平 均 に 対 す る 変 化 率 に つ い て 増 減 寄 与 度 を 求 め た 。
-20 -15 -10 -5 0 5 10
1995 2000 05 10 15
パー ト給与・時間
パー ト労働者数
一般特別給与
一般所定外労働時間
一般時間当たり所定外給与
一般所定内給与
一般労働者数
全労働者現金給与総額
( 年) ( %) -20 -15 -10 -5 0 5 10
1995 2000 05 10 15
パー ト給与・時間
パー ト労働者数
一般特別給与
一般所定外労働時間
一般時間当たり所定外給与
一般所定内給与
一般労働者数
全労働者現金給与総額
(年) (%) -20 -15 -10 -5 0 5 10
1995 2000 05 10 15
パー ト給与・時間
パー ト労働者数
一般特別給与
一般所定外労働時間
一般時間当たり所定外給与
一般所定内給与
一般労働者数
全労働者現金給与総額
( 年) ( %) -20 -15 -10 -5 0 5 10
1995 2000 05 10 15
パー ト給与・時間
パー ト労働者数
一般特別給与
一般所定外労働時間
一般時間当たり所定外給与
一般所定内給与
一般労働者数
全労働者現金給与総額
構成の 高齢 化に よる 上 昇など が推 察さ れる 。 そして 、パ ート タイ ム 労働者 の寄 与は かな り 小 さく、 中長 期的 に労 働 費用を 抑制 する 効果 は あった であ ろう が、 短 期的な 経済 変動 にパ ー ト タイム 労働 者の 雇い 止 め等を 行っ たと して も、労働費 用全 体に 及ぼ す 影響は あま りな いた め、 一般労 働者 のバ ッフ ァ として はあ まり 機能 し てこな かっ たと いえ る 。
最後 に、 これ らの 諸 指標が どの 程度 変動 し やすい 指標 であ るの か 、また 、変 動の 程度 は 時 間の経 過と とも にど う 変化し てい るの かに つ いてみ る。 第3 -3 - 4表は 、諸 指標 の変 動 係 数であ る。 上段 は常 用 労働者 の変 動係 数に 比 べて動 きや すい 指標 で あるか どう か、 下段 は 各 指標の 変動 係数 を規 模 別、年 代別 に比 較し た もので ある 。
変動 係数 は平 均を 分 母とす るた め、 値が 小 さいと 大き く出 る傾 向 がある 。パ ート タイ ム の 所定外 労働 時間 や特 別 給与に そう した 影響 が みられ てい るよ うに 思 われる 。一 般労 働者 に つ いてみ ると 、所 定外 労 働時間 がよ く変 動し 、 所定内 労働 時間 は余 り 動かな い。 中小 規模 で 特 別給与 の変 動係 数が 大 きいこ とも 平均 が小 さ いこと によ る可 能性 が ある。
時系 列で みる と 、2009年以降 、所定 外労働 時 間は以 前よ り変 動す る ように なっ てい る 。一 方で、 所定 内労 働時 間 や事業 所数 があ まり 変 動しな くな った よう に みえる 。