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第 5 章八王子市自転車利用環境整備計画の基本的な考え方 ルールに基づく自転車の安全利用 近年では 道路交通法の改正により悪質な自転車利用に対する罰則が強化される等 より安全でルール マナーを意識した自転車利用が求められています 本市における交通安全教育は 警察署や交通安全協会 教育委員会等との連携

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第5章 八王子市自転車利用環境整備計画の基本的な考え方

1 基本的な考え方

1-1.

現況と課題

自転車利用環境における現況と課題については以下のとおりです。この結果を踏まえ、八王子市自転車利用 環境整備計画の基本的な考え方を示します。

■自転車走行環境の整備

・自転車は、利用する際に CO2を発生しないため環境にやさしく、幅広い年齢層が利用できる身近で便利な乗り 物であることから、利用者が年々増加しています。 ・自転車事故の発生件数は減少している一方、歩行者が遭った事故の内訳に注目してみると、主な過失が自転 車側にある割合は年々増加しています。 ・自転車は道路交通法においては車道走行を原則としていますが、自転車走行空間が連続的に整備されていま せん。

■放置自転車対策・自転車駐車場整備

・市街地における自転車利用は鉄道駅や店舗等の集客施設に集中するため、本市では鉄道駅周辺や商店街の 近隣に自転車駐車場を整備する一方、市条例を改正し店舗等集客施設に対し自転車駐車場の設置義務を 課し駐輪スペースを確保してきました。 ・近年は、これらの施策の効果により放置自転車は減少傾向にありますが、鉄道駅周辺や郊外部のバス停付近で は依然として放置自転車が残っている状況です。 ・また、最近は子ども乗せ自転車や、電動自転車等新しい形態の自転車が出現するとともに、スポーツサイクルも 増加しています。 ・主な過失が自転車側にあった歩行者の事故の割合が増加しており、自転車利用者と歩行者の安全性確保 が一層重要になっており、自転車と歩行者が安全で快適に移動できる走行空間を創出するためには、出発 地から目的地まで連続的な経路(ネットワーク化した経路)を整備する必要があります。 ・鉄道駅周辺では、駅に近い自転車駐車場に利用が集中し、自転車駐車場の利用が立地により偏在して いるため、利用価格の設定等などの見直しにより利用の平準化を促すことが課題となっています。 ・放置自転車対策が効果を上げている反面、撤去保管した自転車等が保管所を圧迫しており、撤去活動に も多くの費用がかかることから、撤去保管自転車等の返却率の向上や引取りのない自転車等の利活用が課 題となっています。 ・新しい形態やスポーツサイクルなどにも対応した駐輪ニーズへの対応が課題となっています。

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■ルールに基づく自転車の安全利用

・近年では、道路交通法の改正により悪質な自転車利用に対する罰則が強化される等、より安全でルール・マナー を意識した自転車利用が求められています。 ・本市における交通安全教育は、警察署や交通安全協会、教育委員会等との連携により、幼児から小学生、中 学生、高齢者まで体系的段階的に行っていますが、事故の多い高校生や大学生、社会人への安全教育を行う 機会が少なくなっています。 ・歩行者との事故により高額な損害賠償費を請求される事例も増えており、自転車保険の必要性が増しているも のの、加入者が少ないのが現状です。

■新たな自転車利用に対するニーズ

・健康意識の高まり等によってスポーツサイクル等の自転車利用者が増加しており、本市においてもレクリエーション の一環として自転車を楽しむ人が増加していると思われます。 ・自動車の渋滞対策、地球環境にやさしい移動手段として自転車の共同利用が注目されており、上位計画であ る八王子市交通マスタープランや、八王子市地球温暖化対策地域推進計画においてコミュニティサイクルの導入 検討について記載しています。 ・自転車の共同利用については、コミュニティサイクルやレンタサイクルといった様々な手法があり、本市における自転 車の共同利用目的としては、通勤・通学や業務利用、中心市街地における回遊性向上等の日常利用から、観 光目的での利用まで様々な用途が想定されます。 ・これまで実施している幼児から小学生、中学生、高齢者までの継続した安全教育を継続するとともに、事故 の多い一方で、安全教育の機会が少ない高校生や大学生、社会人への体系的で段階的な安全教育を推 進することが課題となっています。 ・自転車に安心して乗れるソフト的な環境づくりに向け、これまで利用者が自主的に加入してきた自転車保険 を周知するとともに、加入を促進することが課題となっています。

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1-2.

基本的な考え方

自転車に関する課題は多岐にわたっており、これまでも本市では様々な取り組みを行ってきました。しかしながら、各 施策の取り組みは横断的に実施することで効果が出ることから、これまで実施している、「ルールに基づく自転車の安 全利用」、「放置自転車対策・自転車駐車場整備」と連携しながら、「自転車走行空間の整備」を含めた、自転車 に関する総合的な計画を策定することとしました。 さらに、近年のスポーツサイクル利用の増加や観光需要も踏まえた新しい視点として「たのしむ」を加えることとしまし た。これにより、市民にとっても快適に楽しみながら自転車を利用する環境づくりを進めるとともに、本市を訪れる人も 安心して自転車を利用できる環境づくりを進めます。

■「利用促進」と「安全確保」のバランス

自転車は環境に優しく、幅広い年齢層が利用できる身近で便利な乗り物であることから、その利用が見直されて います。しかし、自転車利用者が増加することで事故が増加することも懸念されることから、本計画の推進にあたって は、「利用促進」と「安全確保」のバランスを取りながら施策展開を行います。 図 5-1 「利用促進」と「安全確保」のバランス

利用

促進

安全

確保

相反しない施策展開

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2 エリア特性にあわせた自転車計画の考え方

■エリアの特性にあわせた自転車計画の考え方

本市を東西に流れる浅川を中心に傾斜が少ない平坦地が広がっており、自転車の利用も平坦地での利用が活発 で、他市との移動も多くなっています。その中でも鉄道駅を中心とした、通勤・通学の自転車利用が多くなっており、鉄 道駅へ向かう幹線道路や鉄道駅周辺に自転車利用が集中しています。 鉄道駅へ向かう自転車は、概ね鉄道駅から 3 ㎞程度の地域に集中しており、3 ㎞以遠の地域については鉄道駅 へ向かう自転車利用は少ないものの、郊外のバス停付近においては放置自転車も発生していることから、公共交通 への乗り換えも想定されます。また、自転車事故も鉄道駅へ向かう幹線道路や鉄道駅周辺に集中しており、対策が 求められています。 そのため、鉄道駅からの距離によって自転車の利用状況が異なることから、各々のエリア特性にあわせた自転車計 画の考え方を整理します。 ■鉄道駅周辺の地域 特性:鉄道駅利用者が集中 考え方:適正利用の推進 駐輪環境の充実 等 ■鉄道駅から 3 ㎞程度の地域 特性:鉄道駅へ向かう利用が多い 考え方:自転車走行環境の充実 ■鉄道駅から 3 ㎞以遠の地域 特性:鉄道駅へ向かう利用が少ない 地域間の移動が多い ▼ 考え方:自転車走行環境の充実 公共交通との連携 等

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3 利用特性にあわせた自転車計画の考え方

■利用特性にあわせた自転車計画の考え方

自転車は、通勤通学や日常の買い物利用、レクリエーションなど、その利用目的は多岐にわたっています。そのため、 自転車が利用されるルートやエリアにおいては、それぞれの利用状況を把握し、利用特性にあわせた対策を行うことが 重要です。 本市においては、以下の①~⑤の自転車利用を想定し、それぞれのルートやエリアの利用特性にあわせた自転車 走行空間を整備するとともに、利用にあわせた安全対策を行います。 図 5-3 利用特性にあわせた自転車計画の考え方 利用特性ごとのルート区分 考え方 ①駅周辺エリア 様々な交通モードが集中するルート。通勤・通学・買い物利用な ど自転車利用も多岐にわたる。歩行者が多く安全な歩行空間確 保も課題。 ・様々な交通モードが集中し自転車事故も多いため、安全 性に十分配慮した自転車環境の整備 (面的な自転車利用環境の整備、自転車駐車場整備) ②鉄道駅アクセスルート 通勤・通学を目的に鉄道駅周辺の駐輪場等へアクセスするルー ト。一方向の利用がほとんど。朝夕の利用が主。 ・安全な自転車走行環境の整備 ③通学ルート 市内の学校への通学を目的としたルート。一方向の利用がほとん ど。 主な対象者は限定される。 ・安全な自転車走行環境の整備 ・学校と協働した安全対策 ④レクリエーションルート 浅川ゆったりロードに代表される、河川沿い等をゆったりと散策す るルート。朝夕の通勤・通学にも利用される。 ・歩行者の安全に配慮した河川沿いのルートの整備 ・様々な利用者と共有するための安全啓発 鉄道駅 ①駅周辺 エリア サイクル &バスライド ⑤ネットワーク 連携ルート ②鉄道駅アクセス ルート サイクリスト 支援 学校 ③通学ルート 学校 鉄道駅から3㎞以遠の地域 鉄道駅から 3㎞程度の地域 ④レクリエーション ルート 峠への道路 など

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4 自転車交通の目指すべき姿の実現に向けた基本目標

「八王子市交通マスタープラン」で掲げた自転車交通の目指すべき姿の実現に向け、以下のような 3 つの基本目 標を設定し、基本目標ごとに施策展開を行います。

基本目標1

あんぜんに自転車を利用しよう

~ハード・ソフト両面で安全な利用環境を整えます~

基本目標2

かしこく自転車を利用しよう

~多様な連携による利用環境を整えます~

基本目標3

たのしく自転車を利用しよう

~スポーツや観光を通じて楽しめる利用環境を整えます~

本市では鉄道駅周辺や新たな道路の整備に合わせて自転車走行環境の整備を行う一方、子ども から高齢者まで一貫した交通安全教育を行うなど、ハードとソフトの両面で取り組みを行っています。 近年では、自転車関連事故は減少しているものの、歩行者との重大事故などが発生しており、より自 転車の安全性を高めるために、歩行者・自転車・自動車などの道路利用者一人一人がルールを守 り、共有することが必要です。 そのため、自転車の適正な走行位置や方法を示すために、自転車走行環境の整備を推進するとと もに、利用方法についても引き続き安全教育を行います。 自転車利用環境の整備として、放置自転車対策を進め、従来型の自転車駐車場整備のほか、 近年は、中心市街地における短時間利用を想定した自転車駐輪帯等を整備しています。 この結果、放置自転車は大きく減少しているものの、依然として鉄道駅周辺や郊外部のバス停付 近等に放置自転車が発生しています。 今後は、利用者のニーズにあわせた自転車駐車場整備、利用しやすい自転車駐車場の環境構 築とともに、郊外部における公共交通との連携も図りながら、放置自転車の減少を目指していきます。 買い物や通勤・通学などの日常利用や、サイクリング等のレジャー利用など、自転車は身近で有用

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5 交通マスタープランの「基本的な考え方」と「基本目標」の関係

本計画では、交通マスタープランで掲げた①~③までの自転車政策の基本的な考え方に加え、新たに④「楽しむ ための環境整備」の視点を追加します。

本計画における基本目標

基本目標1

あんぜんに自転車を利用しよう

~ハード・ソフト両面で安全な利用環境を整えます~ ・[ハード面]自転車走行空間ネットワークの整備 ・[ソフト面]安全な自転車利用の促進 (利用ルールの普及・啓発 等)

基本目標2

かしこく自転車を利用しよう

~多様な連携による利用環境を整えます~ ・放置自転車対策の推進と、利用に則した自転車駐車場の 配置の検討 ・公共交通との連携強化 (サイクル・アンド・バスライド 等)

基本目標3 たのしく自転車を利用しよう

~スポーツや観光を通じて楽しめる利用環境を整えます~ ・スポーツサイクル利用者支援施設の整備 (休憩・メンテナンス機能の充実) ・観光や健康に係る情報発信 ・自転車の共同利用の促進 (コミュニティサイクル、レンタサイクル)

①自転車走行

環境の整備

②放置自転車

対策・自転車

駐車場整備

③ルールに基づく

自転車の安全

利用

④楽しむための

環境整備

交通マスタープランにおける 自転車政策の基本的な考え方と 新たな視点 交通マ スタ ープ ラン にお ける自 転車 政策 の基 本的 な考え 方 新たな 視点

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第6章 施策展開

1 施策体系

基本目標と施策方針 基本施策

基本目標1

あんぜんに自転車を利用しよう ~ハード・ソフト両面で安全な利用環境を整えます~ 1-1自転車走行空間ネットワークの設定 1-2社会実験を踏まえた自転車走行空間のあり方の検証 1-3様々な手法による自転車走行空間の整備推進 1-4河川沿い自転車走行空間の安全利用の推進 1-5学校・事業所・警察等との連携による自転車の安全 教育の推進 1-6自転車販売店との連携による自転車安全利用の 推進

基本目標2

かしこく自転車を利用しよう ~多様な連携による利用環境を整えます~ 2-1放置自転車対策の推進 2-2自転車駐車場、自転車駐輪帯の整備推進 2-3自転車駐車場の利便性向上 2-4附置義務自転車駐車場の整備促進 2-5サイクル・アンド・バスライドの推進

基本目標3

たのしく自転車を利用しよう ~スポーツや観光を通じて楽しめる利用環境を整えます~ 3-1サイクリスト向け情報発信の強化 3-2サイクリスト支援施設(休憩・メンテナンス機能等)の 導入 3-3自転車の共同利用の研究

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2 施策展開

2-1.

基本目標1:あんぜんに自転車を利用しよう

~ハード・ソフト両面で安全な利用環境を整えます~

<取り組み方針>

①[ハード面]自転車走行空間ネットワークの整備 ・安全性や快適性、利便性を考慮し、出発地から目的地(駅や集客施設等)まで到達できるよう、連続した自転 車走行空間ネットワークを設定します。 ・自転車走行空間ネットワークの中から、交通量や自転車が関連した事故等の条件から選定した路線について、 モデルケースとして整備を行い、効果検証を行うことで今後の整備を進めます。 ②[ソフト面]安全な自転車利用の促進 ・市、警察が主体となり、市民や学校、関係団体等と協力・連携することにより、多くの自転車利用者が、「自転 車安全利用五則」等のルールやマナーを学べる機会を設けるとともに、啓発を図ります。 ・自転車販売店や自転車保険取扱い業者と連携し、市民の保険加入を促進します。

<施策体系>

施策方針 基本施策 ハード面における 自転車走行空間ネットワークの 形成 1-1自転車走行空間ネットワークの設定 ■自転車走行空間ネットワークの設定 1-2社会実験を踏まえた自転車走行空間のあり方の検証 ■南大沢地区における自転車走行空間の検証 ■社会実験による効果検証 1-3様々な手法による自転車走行空間の整備推進 ■様々な手法による自転車走行空間の整備推進 1-4河川沿い自転車走行空間の安全利用の推進 ■浅川ゆったりロード等の整備推進 ソフト面における 安全な自転車利用の促進 1-5学校・事業所・警察等との連携による自転車の安全教育の推進 ■学校・警察等との連携による安全教育の推進 ■一般利用者を対象とした安全教育の推進 ■自転車安全利用宣言証協賛制度等を活用した安全教育の推進 ■事業所との連携による安全教育の推進 1-6自転車販売店との連携による自転車安全利用の推進 ■自転車販売店との連携による自転車の安全利用に関する啓発活動の推進 ■TS マーク等の保険加入の促進

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基本目標1

1-1

自転車走行空間ネットワークの設定

概要 ・安全で快適な自転車利用環境を実現するためには、出発地から目的地まで連続性を確保し ながら、自転車走行空間を整備していくことが重要です。 ・しかし、全ての道路で自転車走行空間を整備することは現実的ではないため、地域の状況にあ わせた自転車走行空間ネットワークの候補路線を選定し、各々の場所に応じた整備をしていく 必要があります。 市の現状と課題 ・本市では、これまで自転車走行空間の整備を警察や道路・河川管理者等と連携しながら進め てきましたが、全てのルートにおいて連続性が確保できているわけではありません。 ・今後は、鉄道駅や集客施設、学校等の自転車利用が集中する施設やエリアなどで、安全で 快適に自転車でアクセスするための、連続したルートの確保が課題となっています。 方針・考え方 ・安全で快適な自転車走行空間を効果的、効率的に整備するため、今後整備することが望ま しいルートを示した「自転車走行空間ネットワーク」を設定します。 主な取り組み

■自転車走行空間ネットワークの設定

・鉄道駅周辺の自転車駐車場や、商業施設、学校等の自転車利用が集中する施設やエリアを つなぐ、自転車走行空間ネットワークを設定します。 図 6-1 自転車走行空間ネットワークの視点 ※詳細については、「第7章 自転車走行空間ネットワーク」に掲載します。 視点①【接続性】 施設・地区間を結ぶ 視点③【代替性】 代替性がある(選択性がある) 視点②【連続性】 連続性がある 視点④【目的性】 経路そのものに 利用の目的がある 施設・地区 施設・地区 施設・地区 施設・地区

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基本目標1

1-2

社会実験を踏まえた自転車走行空間のあり方の検証

概要 ・「社会実験」とは、場所と期間を限定した試験的な事業を実施することで、効果や影響を確認 し、その結果に基づき本格的に事業を実施するかを判断する手法です。 ・自転車走行空間の整備にあたっては、対象ルートごとに交通量、自転車の利用特性、事故の 発生状況、地形条件等が異なるうえ、整備手法が確立されていないため、「社会実験」によ り、予備的な調査を行ったうえで事業の実現性を判断することが有効です。 市の現状と課題 ・本市では、平成21 年度に南大沢駅周辺において自転車走行空間の社会実験を行っており、 この結果を踏まえた自転車走行空間のあり方について検証する必要があります。 ・また、今後は学校周辺など、異なる条件下での効果や影響についても確認する必要がありま す。 方針・考え方 ・新たな社会実験を実施するルートを設定し、自転車走行空間のあり方について検証します。 主な取り組み

■南大沢地区における自転車走行空間の検証

・南大沢駅周辺で実施している社会実験の検証結果をふまえ、整備手法について検討します。

■社会実験による効果検証

・市内の道路のうち交通量や利用形態、自転車関連の事故等様々な条件の道路において、社 会実験を行い、整備効果を検証していきます。 南大沢駅周辺における社会実験の様子

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基本目標1

1-3

様々な手法による自転車走行空間の整備推進

概要 ・自転車走行空間は、交通安全の観点から歩行者、自転車、自動車を構造的に分離する形 で整備することが望ましいとされていますが、全ての道路で安全な自転車走行空間を確保する ことが難しい状況です。 ・そのため車道を活用した自転車レーンや法定外表示、歩道内における分離など様々な手法を 用いて走行空間整備を進めていく必要があります。 市の現状と課題 ・本市は、ニュータウンにおいては幅員の広い道路を有する一方、八王子駅周辺などの既成市街 地では、歩道分離がされていない生活道路も多くみられます。 ・また、市域が広く、傾斜地の有無、市街化の状況、学校の立地の有無など、様々な条件を有 する多様な地域が存在するため、各々の地域特性に応じた整備を進める必要があります。 方針・考え方 ・自転車走行空間ネットワーク候補路線について、安全で快適に移動できる空間整備を行いま す。 ・道路の新設・拡幅する際には、道路の計画幅員や将来の道路利用状況を勘案して、可能な 限り自転車の走行空間を確保します。 ・既存道路については、原則として車道走行を基本とした整備を推進しますが、道路状況などか ら車道走行が危険と判断される箇所は、自転車歩行者道における走行空間の分離や、看 板・路面標示等による注意喚起など様々な手法により、自転車利用者や歩行者の安全性の 向上を図ります。 主な取り組み

■様々な手法による自転車走行空間の整備推進

・自転車走行空間の整備にあたっては、市民や関係機関と協力しながら整備を進めます。 ・自転車道や自転車レーン等のハード整備、自転車ルール・マナー啓発等によるソフト対策の両 面からの取り組みにより、安全で快適な自転車走行環境を創出します。 自転車走行空間の整備

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基本目標1

1-4

河川沿い自転車走行空間の安全利用の推進

概要 ・河川沿いの自転車走行空間の多くは、河川巡視、水防活動や災害復旧工事のための通行 を目的に設けられ、堤防の天端(てんば)や河川敷に位置する河川管理用通路です。 ・河川管理用通路の中には、一般車両の通行を禁止し、散策道やサイクリング道路に利用した り、兼用道路(道路法上の道路)、高水敷へのグランド利用のアクセス等に利用されるものも あります。 ・しかし、自転車と歩行者が混在する状況で、両者の間にトラブルも発生しており、整備手法や 利用について十分検討していく必要があります。 市の現状と課題 ・本市では「浅川ゆったりロード」をはじめとした河川沿いの走行空間を、「歩行者の安全に配慮 しながら自転車も通行することができる空間」として整備し、現状で約 15.2km の整備が完了 していますが、浅川以外の河川についても、レクリエーション空間としての整備の要望が多くありま す。 ・また、水防活動など河川管理上の目的で連続した区間になっているところも一部ありますが、河 川を走行空間として広域的に利用するためには、さらに連続した環境整備が望まれます。 方針・考え方 ・河川を歩行者や自転車等が、安全で快適に利用できるよう引き続き安全確保を進めるととも に、可能な場所(区間)については、自転車走行空間ネットワークの一部として位置付け、整 備を推進します。 ・広域的に連続する自転車走行環境の創出に向け、他市との連携を図っていきます。 主な取り組み

■浅川ゆったりロード等の整備推進

・「浅川ゆったりロード」については、今後も歩行者、自転車それぞれの利用者の安全を確保しな がら、自転車走行空間ネットワークの一部として位置付け整備を推進します。 ・その他の河川については、散策やサイクリングに利用されているところもあり、利用者の安全対策 や利用のあり方について研究し、必要に応じて他市に連携を働きかけます。 浅川ゆったりロード 浅川ゆったりロードの案内看板

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基本目標1

1-5

学校・事業所・警察等との連携による自転車の安全教育の推進

概要 ・近年は交通事故件数が減少するなか、主な過失が自転車にある歩行者事故の割合が増加 しています。 ・また、自転車事故のうち乗用中の死傷者数を見ると、約6割は自転車側に何らかの法令違 反が認められ、なかでも「安全運転義務違反」や「交差点安全進行義務違反」等、ルールを守 らない自転車利用者の事故が増加しています。 ・そのため、引き続き、自転車利用のルール・マナーに関する交通安全教育を推進していくことが 自転車事故を減らすうえで、重要だといえます。 市の現状と課題 ・本市では交通事故件数を平成 29 年度までに年間 2,000 件以下まで下げる目標を掲げてお り、目標の達成に向けて、幼児から小学生、中学生、高齢者まで、交通安全意識を高める安 全教育を体系的に推進しています。 ・自転車に関しても交通安全教室、スタントマンを活用した自転車安全教室(スケアード・ストレ イト的手法)等、警察や交通安全協会等との連携により実施していますが、一般の自転車事 故は依然として多く、さらなる安全教育を推進していくことが課題となっています。 方針・考え方 ・これまで実施してきた、幼児から小・中学生、高齢者まで体系的かつ段階的な交通安全教育 を更に推進します。 ・一般の利用者は依然として事故の割合が高いため、一般利用者を対象とした安全教育を推 進します。 主な取り組み

■学校・警察等との連携による安全教育の推進

・交通安全教育については、幼いころから継続的に実施することが重要であるため、警察署や交 通安全協会等と連携し、児童やその家族に向けた交通安全教室等を開催することで、正しい 自転車利用のルールやマナーの周知を進めます。

■一般利用者を対象とした安全教育の推進

・ルールやマナーを周知する機会の少ない一般利用者に対しては、講習会を開催するとともに、 大規模商業施設におけるイベント等、様々な機会を通じた安全教育を通して、ルールやマナー の周知を進めます。

■自転車安全利用宣言証協賛制度等を活用した安全教育の推進

・自転車安全講習受講により、協賛企業での 特典、割引などを受けられる自転車安全利

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基本目標1

1-6

自転車販売店との連携による自転車安全利用の推進

概要 ・近年、自転車利用が増加する中、自転車に関わる事故が多く発生しています。これらの事故 原因として、走行空間の不足、運転者のルールやマナー違反が原因のものもありますが、自転 車の整備不良によるものも多い状況です。また万が一、事故が発生した場合、被害者に対す る賠償責任など事故当事者に過度な経済的負担が強いられるケースもみられます。このよう に、自転車に安心して乗るためのソフト面での環境整備は十分ではない状況です。 市の現状と課題 ・本市では自転車販売店等と連携し、子どもの安全確保を目的とした、「ヘルメット購入費助 成」を行っていますが、自転車の点検整備や、自転車保険の加入の必要性が充分周知されて いないことなどから、点検の重要性や保険に関する情報提供等を行う必要があります。 ・そのため、自転車保険の加入や、定期点検、安全利用を周知徹底するためには学校、事業 所、警察との連携だけではなく、市民に直接働きかけることができる自転車販売店と連携した取 り組みが重要になってきます。 方針・考え方 ・自転車販売店、保険会社などと連携し、販売や修理の機会を利用して安全指導、定期点 検、保険加入が促進されるよう働きかけます。 主な取り組み

■自転車販売店との連携による自転車の安全利用に関する啓発活動の推進

・自転車の安全利用に関するリーフレット、ポスタ ーを配布するとともに、自転車販売店等などと 協力して交通ルール・マナー周知やヘルメット着 用等に関する啓発活動を行います。 自転車整備のポイント 出典:「自転車安全利用普及啓発リーフレット」 東京都 青少年・治安対策本部

■TS マーク等の保険加入の促進

・販売・修理の機会をとらえた TS マーク等の保 険加入を促進します。 ※TS マークとは、自転車安全整備士が点検整備した 普通自転車に貼付されるもので、傷害保険と賠償責 任保険が付帯しています。 有効期間は、TSマークに記載されている日付から 1年間で、新規加入・更新には自転車の点検整備 (有料)を受ける必要があります。

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2-2.

基本目標2:かしこく自転車を利用しよう

~多様な連携による利用環境を整えます~

<取り組み方針>

①放置自転車対策の推進と、利用に則した自転車駐車場の配置の検討 ・放置自転車の削減対策を推進するとともに、利用しやすい自転車駐車場環境を整えます。 ・利用が集中する鉄道駅周辺や店舗等集客施設において、適正な配置、規模を考慮した自転車駐車場の運用 を検討します。 ②公共交通との連携強化 ・郊外バス停周辺で増加している放置自転車のサイクル・アンド・バスライド自転車駐車場を整備し、自転車と公 共交通への乗り換えの利便性向上を図ります。

<施策体系>

施策方針 基本施策 放置自転車対策の推進と、 利用に則した自転車駐車場の 配置の検討 2-1放置自転車対策の推進 ■自転車等放置禁止区域内における整理・撤去の推進 ■買い物等短時間利用者の放置自転車対策の推進 ■自転車保管所の運営システムの改善 ■引取りのない自転車等の有効活用 ■自転車等放置防止に関する啓発の推進 2-2自転車駐車場、自転車駐輪帯の整備推進 ■鉄道駅周辺における自転車駐車場の整備推進(長時間利用) ■店舗等集客施設周辺における自転車駐輪帯の整備推進 (短時間利用) ■自転車駐車場の適正な配置の検討 ■利便性に応じた料金体系の見直し 2-3自転車駐車場の利便性向上 ■新しい形態の自転車に対応した駐輪スペースの確保 ■自転車駐車場の利便性の向上 2-4附置義務自転車駐車場の整備促進

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基本目標 2

2-1

放置自転車対策の推進

概要 ・放置自転車は改正自転車法※の中で、「自転車等駐車場以外の場所に置かれている自転 車等であって、当該自転車等の利用者が当該自転車等を離れて直ちに移動することができな い状態にあるもの」と定義されています。 ・放置自転車は、身体の不自由な方や高齢者、お子さん連れの方々はもとより、緊急車両やご み収集車の妨げとなり、都市景観の観点からも問題視されています。 ※自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律 (昭和 55 年 11 月 25 日法律第 87 号、最終改正:平成 5 年 12 月 22 日法律第 97 号) 市の現状と課題 ・本市では、平成 3 年に「八王子市自転車等の放置の防止に関する条例」を制定し、市内 11 駅周辺の 10 か所を「自転車等放置禁止区域」に指定するとともに、自転車駐車場の整備も あわせて行っています。 ・近年は、歩道上の自転車駐輪帯整備も進み、自転車駐車場を利用する意識が定着してきた ため、放置自転車等の撤去台数はピーク時の 1/5 程度まで減少していますが、依然として残る 店舗等集客施設周辺の放置自転車については、今後も対策が必要です。 ・また、撤去自転車の返還率は 50%程度で、半数の自転車が返還されていません。 方針・考え方 ・駅周辺の放置自転車等については引き続き、整理・撤去を推進するとともに、自転車等放置 防止に関する啓発を行い、自転車駐車場の利用を誘導します。 ・店舗等利用者の自転車等は、発生誘因者責任で駐輪スペースを確保するよう促します。 ・自転車等撤去保管については、運営システムの改善を図るとともに、引取りのない自転車等に ついては有効に活用します。 主な取り組み

■自転車等放置禁止区域内における整理・撤去の推進

・駅周辺の自転車等放置禁止区域内に放置された自転車等は、即日撤去を行い、歩行者の 通行阻害にならないようにします。

■買い物等短時間利用者の放置自転車対策の推進

・買い物等の短時間利用者の放置自転車等は、駅周辺の歩道上に設置した自転車駐輪帯 や、適正な駐輪スペース等に誘導し、発生抑制を促します。 ・店舗等集客施設には、放置自転車等の発生誘因者としての自覚をもってもらい、条例を有効 に活用し、各施設で駐輪スペースを確保してもらうよう促します。

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主な取り組み

■自転車保管所の運営システムの改善

・ホームページによる撤去保管自転車の情報提供を行います。 ・保管期間に応じた撤去保管費用の割引(又は引上げ)制度の導入について検討を行い、コス トに見合った手数料とします。 ・コスト縮減を図るため、自転車保管所の統合について検討を行います。

■引取りのない自転車等の有効活用

・定められた期間内に引取りがなかった撤去自転 車等については、国外輸出用として適正な売却を 行い、有効に活用します。 ・また、防犯登録取扱所の資格を有する自転車商 に有償で譲渡し、国内再流通することについても 検討します。 楢原町自転車保管所

■自転車等放置防止に関する啓発の推進

・東京都及び市が実施する「駅前放置自転車クリーンキャンペーン」をはじめ、各種啓発を行い、 自転車等利用者に対して放置防止の周知を行います。 ・各大学と連携し、主に新入生を対象に、自転車等放置防止に関する取り組みを行います。

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コラム:

~駅から 300m以内で高い、自転車駐車場の利用率~

平成 26 年度に、2,895 箇所(全国 84 自治体)の自転車駐車場を調査した結果、半数以上の 1,592 箇所の自転車駐車場が鉄道駅から 100m 未満に位置しており、鉄道駅に近い位置に自転車駐車場が設置 されている傾向がみられました(図 6-2)。 また、鉄道駅からの距離と自転車駐車場の利用率の関係をみると、鉄道駅から 300m 以上離れると、利用 率が極端に下がることがわかります(図 6-3)。このことから、自転車駐車場は、駅から 300m以内に設置する ことが、利用者のニーズに即していることが伺えます。 しかし、利用料金に目を向けると、駅から 300mより遠い場合でも、無料の自転車駐車場では、高い利用率 を示すこともわかりました(図 6-4)。 今後整備する自転車駐車場については、駅周辺 300 m以内に設置することが望ましいといえますが、鉄道駅周 辺は商業施設等が集積しており、地価も高いことから用 地確保が難しい状況です。そのため、今後は鉄道駅から の距離に応じた自転車駐車場の利用料金を設定するな ど、利用者の負担にあわせた、サービスを提供する等、自 転車駐車場をかしこく運営していくことが求められます。 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 よ く利用さ れ て い る 自転車駐車場の 割合(%) 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 よ く利用さ れ て い る 自転車駐車場の 割合 (%) 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 よ く利用さ れ て い る 自転車駐車場の 割合 (%) 1,592 671 392 240 0~100m未満 100m超~200m未満 200m超~300m未満 300m超~ 図 6-2 鉄道駅からの距離別自転車駐車場箇所数 ■調査概要 調査主体:八王子市交通事業課 調査対象:全国自転車問題自治体連絡協議会に属する 中核市以上の都市及び都内自治体を対象に調査 有効回答:84 自治体 調査実施:平成 26 年 8 月 ※自転車には原動機付自転車、自動二輪全てを含む 自転車駐車場全体 有料自転車駐車場 無料自転車駐車場 0~100m未満 100m超~200m未満 200m超~300m未満 300m超~

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基本目標 2

2-2

自転車駐車場、自転車駐輪帯の整備推進

概要 ・これまでの自転車駐車場は、駅周辺の放置自転車対策と連携するなかで、主に通勤・通学 利用者の放置自転車抑制を目的に整備されてきました。 ・しかし、近年は、通勤・通学等の長時間利用者だけでなく、買い物等で駅周辺に用事がある 短時間利用者のニーズが増大するとともに、自転車駐車場に求められるサービスも、量的なも のから質の向上へと変化してきています。 市の現状と課題 ・本市の自転車駐車場の整備は、現在では合計 72 か所 31,757 台(平成 28 年 3 月 31 日現在)の収容能力を確保し、一定の需要を満たすに至りました。 ・また、近年需要が増加している短時間の買い物等利用者対策として、歩行者専用道路や歩 道上において、一定時間まで無料で利用できる自転車駐輪帯や可動式自転車ラック(サインラ ック)の整備を進めています。 ・しかし、駐輪需要が高い鉄道駅周辺では、理想的な用地の取得は難しい状況があるため、自 転車駐車場利用を分散させる等、駐輪需要の適正なマネジメントが課題となっています。 方針・考え方 ・自転車駐車場の需要を把握し、ニーズに見合った整備を進めます。 ・短時間利用者の利便性向上のため、自転車駐輪帯整備を進めるとともに、PR などにより自転 車駐輪帯への利用誘導を図ります。 ・鉄道駅から離れた自転車駐車場の利用を促進させるため、駅からの距離や施設の利便性に 応じた料金設定を検討します。 主な取り組み

■鉄道駅周辺における自転車駐車場の整備推進(長時間利用)

・自転車駐車場の整備を進めていますが、利便性が高い、鉄道駅から近い自転車駐車場で は、待機者が発生している状況があります。そのため、利用者の需要を把握したうえで、ニーズに 見合った台数整備を進めます。

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主な取り組み

■店舗等集客施設周辺における自転車駐輪帯の整備推進(短時間利用)

・商店街の集客施設周辺では、通勤・通学の利用者とは異なる短時間利用の駐輪スペースが 求められています。 ・自転車利用者の利便性向上を図るとともに、放置自転車を抑制することで歩行者の安全を確 保することを目的として、自転車駐輪帯の整備を進めます。 ・短時間利用者へ PR を行い、自転車駐輪帯への誘導を図ります。 自転車駐輪帯設置の様子

■自転車駐車場の適正な配置の検討

・本市の調査では駅利用者が利用する自転車駐車場は、鉄道駅から半径 300m以上離れる と利用率が大幅に下がる傾向がみられるため、これにあわせて利便性の高い場所に配置するこ とを検討します。

■利便性に応じた料金体系の見直し

・自転車駐車場は鉄道駅からの距離が離れる場合や、立体式駐車場の高層階など、自転車の 移動に手間がかかる場合に利用率が低くなる傾向があるため、利便性に応じた料金体系を見 直すことで、既存施設が有効活用されるような手法について研究します。

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基本目標 2

2-3

自転車駐車場の利便性向上

概要 ・近年、自転車は子ども用自転車、幼児2人同乗用自転車、電動アシスト、スポーツサイクル 等、その形態は多様化しています。そのため、新たな利用形態に対応した自転車駐車場の整 備が求められています。 ・一方、自転車駐車場設備についても、より簡単で安全、迅速に利用できる仕組みなどを整え、 より利便性の高い自転車駐車場となることが求められています。 市の現状と課題 ・本市では、主要駅周辺の自転車駐車場で電子マネーでの利用料金の支払い、幼児2人同 乗用自転車や電動自転車等の利用がしやすい施設整備など、様々なニーズに対応するサービ スを進めています。 ・しかし、鉄道駅から近い自転車駐車場や自転車駐輪帯においては時間帯によっては利用が集 中し、利用できないケースも発生しているため、リアルタイムの満空情報などより良いサービスの提 供が課題となっています。 方針・考え方 ・今後は、各種の利用者ニーズに対応できる自転車駐車場を増やすとともに、自転車駐車場の 利用促進が図られるよう情報公開等を進めます。 ・鉄道駅から近い自転車駐車場や自転車駐輪帯には利用が集中し、満車のため利用できない ケースも発生しています。定期利用に対しては情報公開を進めていますが、今後は短時間の一 時利用についても空き情報の公開の方法等について検討します。 主な取り組み ■新しい形態の自転車に対応した駐輪スペースの確保 ・タイヤが細いスポーツサイクル、車体が重く特殊な形状の幼児 2 人同乗用自転車や電動自転 車等、新しい形態の自転車に対応した駐輪スペースを確保します。

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主な取り組み ■自転車駐車場の利便性の向上 ・本市では、八王子駅北口地下自転車駐車場や、高尾駅北口自転車駐車場で電子マネーで の支払いができる環境を整備していますが、他の自転車駐車場についても利用状況に応じて 導入を検討します。 ・自転車駐車場マップの配布、自転車駐車場の空き情報の公開等、引き続き利用者に有用な 情報提供を行います。 八王子駅周辺駐輪場 MAP ICカードが利用可能な自転車駐車場の精算機

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基本目標 2

2-4

附置義務自転車駐車場の整備促進

概要 ・大量の自転車駐車需要を生じさせる集客施設や、自転車での来訪が多い施設周辺における 放置自転車は、歩行者の通行阻害になるばかりでなく、景観阻害や災害時の避難の妨げにな ります。 ・そのため、本市では、「八王子市自転車等の放置の防止に関する条例」を平成 22 年に改正 し、自転車等の大量の駐車需要を生じさせる集客施設(遊技場、小売店舗、飲食店、スポ ーツ施設、銀行、病院等)における自転車駐車場の設置及び管理について必要な事項(対 象施設、設置基準等)を定めています。 市の現状と課題 ・条例では、自転車等放置禁止区域で一定規模(施設面積 300m2 以上)の小売店、飲 食店、遊技場等の特定施設を新築、又は増築等する場合には、規模に応じた自転車駐車 場の設置を義務づけています。(附置義務自転車駐車場) ・また、指定区域の内外を問わず、自転車等の駐車需要を生じさせる施設を設置または管理す る場合、その設置または管理者が、自ら自転車駐車場の設置に努めるとともに、市の放置自 転車防止施策に協力しなければならないことを併せて定めています。 ・今後はより安全で快適な都市環境を創出していくために、指定区域外への適用、対象面積の 引き下げなどが課題となっています。 方針・考え方 ・今後は、引き続き条例を適切に運用するとともに、対象となる面積の引き下げについても検討し ていきます。 主な取り組み

■条例に基づく店舗等集客施設への自転車駐車場設置義務の適正な運用

・施設の新築又は増築時の規模に対し、設置義務を課して自転車駐車場の整備を進めるとと もに、設置義務の対象となる面積の引き下げについても検討を行います。

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基本目標 2

2-5

サイクル・アンド・バスライドの推進

概要 ・サイクル・アンド・バスライドとは、最寄りバス停まで自転車で来て、路線バスに乗り換え、目的地ま たは鉄道駅までバスを利用することにより、バス利用者の利便性向上と、バスの利用促進を目的 とした仕組みです。 ・具体的には、最寄りバス停付近に自転車駐車場を整備することで、乗り換えをスムーズにし、付 近の放置自転車を減らすとともに、自動車から公共交通への乗り換えによる、交通渋滞の緩和 を促進する効果が期待できます。 市の現状と課題 ・本市では、これまでサイクル・アンド・バスライド自転車駐車場を 3 か所整備しておりますが、近年 は上記以外の郊外バス停付近において、自転車が無秩序に放置されている個所がみうけられま す。 ・利用形態をみると、自然発生的に自転車からバスへの乗り換え利用がされている様子が見られ るため、スムーズな乗り換え環境と、バス停付近の安全な空間整備が求められています。 方針・考え方 ・乗り換え需要への対応、放置自転車の抑制を目的にサイクル・アンド・バスライド自転車駐車場 の整備を進めます。 ・サイクル・アンド・バスライドの利用促進に向けて PR を行います。 主な取り組み

■郊外バス停付辺における自転車駐車場の整備推進

・放置自転車が多く、自然発生的に自転車からバスへの乗り換え利用されている郊外バス停付 近において、自転車駐車場の整備について検討します。 ・サイクル・アンド・バスライドの利用促進のため、自転車駐車場の利便性向上や、交通安全教室 等を通じ PR を行います。 図 6-5 サイクル・アンド・バスライドのイメージ 出典:八王子市交通マスタープラン

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主な取り組み

図 6-6 サイクル・アンド・バスライド自転車駐車場 整備候補地 ※現時点で想定される候補地を示しており、今後関係者と調整をする中で修正する可能性があります。

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2-3.

基本目標3:たのしく自転車を利用しよう

~スポーツや観光を通じて楽しめる利用環境を整えます~

<取り組み方針>

①スポーツサイクル利用者支援施設の整備 ・スポーツサイクル利用者に向け、公共施設や商業施設等における休憩・メンテナンス機能を充実します。 ・レクリエーションを目的とした市内の自転車利用者や市外からの来訪者に向け、観光や健康に係る情報発信を 促進します。 ②自転車の共同利用の促進 ・観光利用や駅周辺での回遊性の向上に資する、自転車の共同利用の導入について検討します。

<施策体系>

施策方針 基本施策 スポーツサイクル利用者 支援施設の整備 3-1サイクリスト向け情報発信の強化 ■サイクリスト向け情報発信の強化 3-2サイクリスト支援施設(休憩・メンテナンス機能等)の導入 ■サイクリスト支援施設の導入検討 ■サイクリスト支援マップ等の配布 自転車の共同利用の促進 3-3自転車の共同利用の研究 ■コミュニティサイクルやレンタサイクルの自転車の共同利用の研究

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基本目標 3

3-1

サイクリスト向け情報発信の強化

概要 ・本市は、自転車との関わりが深く、昭和 39 年(1964 年)には東京オリンピックの自転車競 技(トラックレース、ロードレース)、平成 25 年(2013 年)には国民体育大会(国体)が 開催されました。 ・また本市は、豊かな自然環境や起伏にとんだ地形を有していることから、近年は、市外からのサ イクリストにも人気のエリアとなっています。 市の現状と課題 ・自転車関連のイベントとしては、八王子サイクリング協会・八王子市教育委員会が主催する 「八王子市民サイクリング」が毎年実施されており、平成 23 年(2011 年)に開設された、戸 吹スポーツ公園に設置された日本最大級の公共スケートパークではBMX※専用施設も整備 されるなど、自転車を活用したまちづくりが行われています。 ・今後も、市内外からレクリエーション目的の自転車利用が見込まれるため、安全で快適な利用 環境を整えるとともに、自転車ルートの案内、安全利用など一層のPRが課題となります。 ※BMX は Bicycle Motocross(バイシクルモトクロス)の略。20 インチ径ホイールを持つ競技用自転車のこ と。 方針・考え方 ・市内外のサイクリストに向け、サイクリング推奨ルート、安全利用に関する情報発信を行います。 ・自転車利用による環境負荷の低減や健康増進のため、自転車の利用促進について PR を行 います。 主な取り組み

■サイクリスト向け情報発信の強化

・発信する情報は、休憩場所やメンテナンスが可能な場所の他、観光情報など市の PR となる内 容も検討します。 八王子市民サイクリングの様子

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基本目標 3

3-2

サイクリスト支援施設(休憩・メンテナンス機能等)の導入

概要 ・近年、我が国では環境や健康への意識の高まりにより、サイクリング人口が増加しており、本市 でも休日にはサイクリングを楽しむ方々を多く見かけるようになりました。 ・サイクリストは比較的、交通ルールを理解し、マナーを守る人が多い一方、ロードバイク等のスポ ーツサイクルについては高速で走行するため重大事故の危険をはらんでおり、日常生活で自転 車を利用する方々とは異なる利用形態となっています。 市の現状と課題 ・これまで、市内を通過するサイクリストは多い一方、サイクリストに対する市の関わりは少なく、安 全運転に関する啓発なども難しい状況でした。 ・一方でサイクリスト側からは、本市が峠道への起点となることから、情報発信や休憩、メンテナン ス等のサポート施設の整備・充実が望まれています。 ・これら双方のニーズをマッチングさせ、これまで通過交通であったサイクリストに、市内を安全に通 行してもらうための安全啓発の場や、本市の魅力を知ってもらうきっかけが必要となります。 方針・考え方 ・民間施設や既存施設を活用し、サイクリストを支援する施設の設置を進めます。 ・サイクリングを楽しみ、自転車の安全利用啓発の場としての活用を検討します。 主な取り組み

■サイクリスト支援施設の導入検討

・サイクリストの利用状況を把握したうえで、道路沿道の公共施設やコンビニエンスストア等の商 業施設において、休憩施設やメンテナンス機能を備えた施設などの整備を検討します。 サイクルラック(檜原村) 自転車の駅の配備品 出典:「宇都宮市自転車のまち 推進計画」宇都宮市

■サイクリスト支援マップ等の配布

・公共施設や商業施設と連携して、市内外から来るサイクリストに対して、休憩施設やメンテナン ス機能を備えた施設のマップや、交通安全の啓発パンフレット等の配布を検討します。

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基本目標 3

3-3

自転車の共同利用の研究

概要 ・コミュニティサイクルやレンタサイクル等の自転車の共同利用は、駅や観光地周辺の回遊性の向 上、交通渋滞の緩和、放置自転車の減少、自転車駐車場建設の負担軽減などの効果があ り、ひいては都市の魅力向上につながるといわれています。 ・特にコミュニティサイクルは、レンタサイクルとは異なり、複数箇所に設置されたサイクルポートで自 転車を借り、別のサイクルポートに返却できる自転車共有システムで、新たな都市交通の仕組 みとしても期待されています。 市の現状と課題 ・本市は学校や工場が多く、通勤・通学での自転車利用が見込まれる一方、高尾山をはじめ、 史跡や美術館など、市内の各所に様々な観光地等を有しているため、コミュニティサイクルやレ ンタサイクル利用のポテンシャルを持つ都市であるといえます。 ・一方、事業実施に際しては、事業継続性の観点から、費用対効果を発揮していくための仕組 みづくりが課題となっています。 方針・考え方 ・自転車の共同利用について十分にニーズを把握したうえで、導入手法、費用対効果等につい て研究します。 主な取り組み

■コミュニティサイクルやレンタサイクルの自転車の共同利用の研究

・市内の学校、商業施設、観光地などにおける利用ニーズを把握し、より効果が発揮できる導入 手法について研究します。 P P P 鉄道駅 鉄道駅 P 商業施設 公園 観光地 学校 会社 等

図 6-6  サイクル・アンド・バスライド自転車駐車場  整備候補地

参照

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