情報産業のパワーイノベーション--グローバル競争戦略時代の未来展望---香川大学学術情報リポジトリ

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全文

(1)

−6伊−

情報産業のパワーイノベーション

ーグローバル競争戦略時代の未来展望一

原 田

保 Ⅰ はじめに ⅠⅠ第1節 デジタルエコノミーにおける競争戦略 ⅠⅠⅠ第2節 デジタルエコノミ、−の勝者モデル ⅠⅤ 第3節 ネットワークパワーとプロデュース企業

Ⅴ 第4節 価値創造指向のWin−Win関係

ⅤⅠ第5節 レバレッジ効果指向のトリガー戦略 ⅤⅠⅠおわりに Ⅰ

昨今のデジタルエコノミ、−の飛躍的な進展によって,我々を取り巻く企業シ

ステム,産業システム,生活システム,公共システムなど,まさに社会システ

ム全般にわたる根本的なパラダイムシフトが現出している。これらが,いわば

たがいに複雑に絡み合って,かってないような新たなシステム概念のフレーム

や新たな産業概念の基本フレームが模索され始めている。そして,実は,この

ようなデジタルエコノミーの発展方向においては,いわばナレッジネットワー

ク時代に相応しい新たなパワーパラダイムの登場が予見されていると)

すなわち,このような経済社会におけるアナログからデジタルヘの転換とは,

※ 本稿は,寺本義也(北陸先端科学技術大学院大学)を主査,原田保(香川大学)を幹事 とするパワーイノベーション研究会における著雷の担当テーマについての論説である。 な払 この論説は,寺本,原田などによるり†ワーイノベーション』(新評論)に掲載が 予定されている。 1)原田 保,寺本義也『インターネット時代の電子取引革命』乗洋経済新報社,1996

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香川大学経済学部 研究年報 38 エ99β 一7り−− ビット(情報) アトム(物質) パラダイム スイッチャ・− 競争関係 薪争と協調の関係 図表1 パラダイムスイッチャーとしての先進情報通信技術 実は,アトム(物質)からビット(情報)への価値観の転換を意味しており, これはまさにデジタル時代においてはアナログ時代とはまったく異なったパワ ーパラダイムが現出する三)言い換えれば,このような時代背景のなかでは,とり わけコラボレーションの優位性こそが,今後の企業における競争戦略の重要な ファクターになってくる。そして,きわめて高度な情報通信システムにサポー トされた,いわばコラボレーションソサエティ3)ともいうべき社会が登場して, このような結果から,また新たな企業間関係を捉えたパワーパラダイムが現出 してくる(図表1)。

2)Nicholas Negroponte,BEZNG DEGI7nL,Alfred AKnopf,Inc,1995(西和彦監

訳,福岡洋一・訳『ビ・−イング・デジタル』ASCII,1995年) 3)コラボレーションソサエティ:原田が主張するデジタル時代の未来の社会像である。 インターネットの発展を契機とした情報通信技術のグローバルな進化によって,従来の アナログ時代の価値観とは異なる経済社会が現出する。ここで,企業システム,産業シス テム,公共システム,地域システム,そして社会システムに至るまで人間が関わるすべて の局面において,根本的なパラダイムが現出する。これが個と個を結ぶ,そして,この連 結によって個では獲得できない付加価値を獲得しようという,まさに創造の戦略概念か ら導き出された連結の経済性を追求する社会概念なのである。

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情報産業のパワーイノベーション −7 ト これこそが,来るべきデジタルエコノミー4)において,まさに主流として期待 されているパワー関係の新たな概念であって,具体的には,従来のWin−Lose 関係に替るべくWin−Winという新たな関係概念なのである。この関係概念の 転換とは,また,−・方が勝てば必ず−・方が負けるといういわばシェア競争を指 向するマスプロダクションやマスマーケテイング時代の終焉を意味している。 そこで,本稿においては,このような問題意識に立脚して,この新たなパワー パラダイムであるWin−Win関係を捉えることによって,とりわけ企業競争に おける戦略的な意義についての概括的な考察を行うことにする。 また,このデジタ)t/エコノミーが現出させたWin−Win関係については,近年 では,まさに産業革新のセッターともいうべき情報通信業界において,すっか り典型的な形態で,かつ先行的な形態で現出している。そこで,本章において は,このような実体を考慮しながら,同時に,情報通信業界における先進企業 の戦略展開を踏まえながら,とりわけ,このWin−Win関係についての戦略的意 義と,これを実現すべく戦略モデルについての考察を行ってみる。具体的には, 第1がデジタルエコノミーにおける競争戦略,第2がビットの時代における勝 者モデル,第3がネットワ・−クパワー5)指向のプロデュース企業,第4が価値創

造指向のWin−Win関係というような5点についての概括的な論述なのであ

る。 ⅠⅠ デジタルエコノミーにおける競争戦略とはビットの次元における競争戦略と いうことが可能であって,まさにアナログ時代におけるアトムの次元における 競争戦略と比較して根本的に異なった様相を見せている。言い換えれば,この 4)DonTapscott,77m上方(訂7nLECONOMY,McGraw−Hill,Inc・,1996(野村総合研 究所訳『デジタル・エコノミー』野村総合研究所,1996年) 5)ネットワ・−クパワー:寺本義也がネットワーク論で提唱した先進的なコンテキストで ある。具体的には,ネットワークを階層組織に代る新しい社会的なメカニズムとして捉え る考え方に立脚している。そして,このネットワ1−クを有効に作動させるべく考案された のがネットワークをパワーと関係づけて捉える視点なのである。このネットワークがも 意味を持つことは,その背後にパワーの作動が存在しているとする考え方なのである。

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一役−− 香川大学経済学部 研究年報 38 ノウ9ざ ことは,実は従来の競争戦略のパラダイムとはまったく異なったパラダイムの 確立が要請されることを示している。とりわけ,情報通信技術の飛躍的な進展

によって統合IT(Information Technology:情報技術)時代の到来が現出し

て,このような結果もあってか,−・方の企業間関係においてはマルチ・オープ ンシステムともいうべきシステムが登場して,また他方の企業一顧客間関係に おいてはダイレクト・インタラクティプシステムともいうべきシステムが登場 することになった。 (1)情報通信技術の進化による競争戦略の転換 昨今の情報通信技術の進展はまさに目覚ましいものがあって,このことが情 報通信業界の飛躍的な発展のみならず,多くの他産業界への多大な影響や社会 システムにおける新たなパラダイムをも現出させている。また,このことによ って,とりわけ企業における競争戦略については根本的な転換が現出され始め ている。そこで,本節においては,きたるべくデジタル社会の確立へ向けたIT について,そして,とりわけ今後に期待されるマーケットについての展望を行 うことにする6〉(図表2)。 現在における競争戦略のパラダイムとは,実に,戦後すぐの1950年以降ずっ と継続してきたものであって,このパラダイムに基づくことによって,我が国 における急激な経済成長とそれに続く経済の成熟化がもたらされてきた。そし て,このようなパラダイム転換によって,具体的には,多くの競合技術におい て二者択一せ要請するような個別IT間の対立的な競争時代を現出してきた。

たとえば,最近の典型的事例を取りあげるならば,Windows対Mac OS,

Windows対UNIX,マイクロソフトIE対ネットスケープナビゲーター,メイ

ンフレーム対クライアントサーバーなどを容易に想起することができる。 しかしながら,昨今の情報通信の急速な進展によって,言い換えれば,統合

IT時代の到来によって従来のような個別IT間の鹿争はまったく意味を持た

なくなってきた。すなわち,今後は,この統合ITを基軸にした戦略課題へのト 6)中野英嗣『‡T(情報通信技術)産業ビックバン』コンピュータ・ニュース社,1998年

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−だトーー 情報産業のパワーイノベーション 中野英嗣『IT(情報通信技術)産業ビッグバン』 コンビュ、一夕・ニュー ス社より原田が加筆修正 図表2 今後のITの展望と期待されるマーケット ータルな対応が要請されてくるのである。これは,言い換えれば,今後におい ては第1にネットワークからのアプローチ,第2にソリュ、−ションの提供,第 3にコンシューマーからの発想という3点が主要な課題であることを明示して いる。こうして,従来とはまったく異なったスケールとスコープを見せる新た なマ、−ケットが誕生している。 このような観点に立脚することで,既存のマーケットが大幅に拡大するとと もに,今後においては,とりわけいわゆるeビジネス」7)やコンシューマーコンビ 7)eビジネス:Eビジネスという場合もあり,未だに明解な定義は確立してはいない0 元々は,ECの展開の中から生まれてきた概念である。それは,ECが本来の趣旨に反して, 技術的な領域に偏った議論がなされてきたため,このECを,具体的なビジネス戦略へ引 き戻すことで一大ビジネス市場を現出させようとして,特にベンダーやマスコミが中心 になって提唱している概念である。すなわち,今企業が対応を迫られているのは単なる ECではなく,ビジネスのあらゆる情報をデジタル化して,企業間のコラボレーションを 可能にすることが大切であるという考え方である。

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J9≦材 香川大学経済学部 研究年報 38 −7を−−−−

ユ1−ティングという新たなマーケットの創造などが期待されてくる。このよう

な状況下で,現時点においては,情報通信産業ではたとえばeビジネスやコン

シューマーコンピューティングを含めて,きたるべく2005年においては約1兆

4,300億ドルほどのマーケットサイズが見込まれている。こうして,21世紀と

いう,まさにデジタル世紀にふさわしい情報通信ビジネスの飛躍的な発展が予

見できる。 (2)マルチオープンシステムへの転換

このように,情報通信業界の競争戦略のパラダイムがいよいよ個別ITの競

争から統合IT競合へ転換するにつれて,この情報通信業界のみならず,また多

くの産業界においても企業戦略の基本的なフレームが転換することになり,同

時に,企業間関係の形態についても従来のものとはまったく異なったものが現

出し始めてくる。すなわち,この変化とは,実は,まさに従来のクローズない

わば囲い込み型のシステムを基軸にした経営から,いよいよマルチな形態によ

るオープンな経営へという転換を意味している芝)この新たな経営については,

また先進的な情報通信システムを基軸とした,いわばクライアントサーバー型

の経営ということも可能である。

この両システムの間においては,実際には多くの差異があるのだが,それら

についてはおおむね以下の4点に要約することができる。

第1の差異は経営資源についてである。前者の囲い込み塾経営においては,

人材,取引先,チャネルなどについては完全な自社への囲い込みを指向してい

た。山方,後者のマルチオープン型経営においては,外部資源の徹底活用によ

8)原田 保『コラボレーション経営』−せ出版,1998年 9)コアコンビタンス:他社に負けない中核的な企業力を意味している。プラハラ・−ドや ハメルの提唱以来,一腰的には自社にコア・コンビタンスを求め,その他の領域について は外部の専門的な資源を利用するというアウトソーシングが望ましいという考え方であ る。一方,原田の主張では,コア概念とその展開場所を必ずしも関連づける必要がないと いう考え方に立脚している。すなわち,コアが外部にあってもよいし,また外部にあるほ うがコアの性格を考慮するとかえって望ましいとする考え方である。すなわち,これはコ アアウトソ・−シングとネットワークインというような,まさにバーチャルコ、−ボレー ション的発想に立脚した兢争戦略なのである。

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情報産業のパワ・−イノベーション 一7ピーーー るコアコンビタンス9)の追求を指向する傾向が強くなってくる。 第2の差異はビジネスプロセスについてである。すなわち,前者の囲い込み 型経営においては,独自のインターフェイスを追求しながら,いわば囲い込み 型のネットワーク分業の展開による高い固定費をかけた高度成長経営を指向し ていた。一・方,後者のマルチオープン型経営においては,標準インターフェイ スの徹底利用が追及されるための開放構造に基づくネットワーク連動が可能に なり,いわば低い固定費による高度利益経営が可能になる。 第3の差異は事業展開の方法についてである。すなわち,前者の囲い込み塾 経営においては,−・般的には,多角化や総合化の追求,複雑な人事体系,フル ラインでの商品戦略,雇用目的からの事業拡大,取引先維持のための品揃え形 成などが追求されてきた。−・方,後者のマルチオープン型経営においては,専 門化を前提にしたネットワーク形成,外部資源の戦略的活用,多重複合型アラ イアンスなどが積極的に取り組まれてくる。 第4の差異は組織戦略の方法についてである。前者の囲い込み塾経営におい ては,複雑な組織構造,複雑な人事体系,増大する下部組織間の矛盾,増大す る組織の自己防衛などがまさに象徴的な特徴なのである。一・方,後者のマルチ オープン型の経営においては,単純で,かつ効率的な構造,明解な人事構造, 矛盾の少ない組織,さらには風通しのよい人的ネットワークが主な特徴なので ある。 また,このマルチオープン型経営においては,従来の囲い込み経営とはまっ たく異なった経営スタイルを現出させている。すなわち,たとえば流通産業の

場合では,QR(QuickResponse)10)やECR(EfficientConsumerResponse)11)

10)QR:元来は,繊維産業を振興させるべく考案された,小売とアパレルのコラボレー ションによる利益増大のプログラムである。現在,我が国においては通産省の支援を受け てQR基盤整備事業が推進されている最中である。具体的には,QRコードセンターの確 立,EDIの標準化,POS情報分析などが重点取組み課題になっている。ここで大切なこ とは,取引企業のトップ同士のパ・−トナーシップや,企業内の業務変革や意識変革なので ある。これの整備が行なわれることなくQRの真の成功を獲得することは困難なのであ る。 11)ECR:上記QRと,ほぼ同様の考え方による加工食品や日曜雑貨領域におけるコラボ レーション施策である。

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j,9鎚㌢ 香川大学経済学部 研究年報 38 一刀㌻−−−

に代表されるコラボレーション手法が追求されている。また,全産業的な次元

においても,電子メールやEDI(Electr・OnicDataInterchange)12)による情報通

信ネットワ、−クの形成というネットワ・−ク指向の強いビジネスシステムが追求

されてくるし,そのためには,また今後は企業経営の基本戦略におけるパラダ

イム転換も強く要請されてくる。 (3)ダイレクト・インタラクティプシステムの登場

このコラボレーションの追求によって,次第に企業間の関係だけではなく企

業と顧客との関係も次第に重要な課題になりつつある。それは,すべてのシス

テムがサプライ発想からではなく,まさにデマンド発想から構築されることが

大切であるという認識が強まっているからである。言い換えれば,すべての経

済システムが,まさに顧客起点(Customer・Ready)13)によって構築されること

が強く望まれている。

そこで,このような観点に立脚しながら,以下において顧客と企業の関係形

態の未来への展望を行ってみる。このことは,流通システムのパラダイム転換

を意味しているとともに,また生活システムの転換をも意味している。ある意

味においては,このことはデジタル時代が現出する社会システムの根本的な転

換の示唆なのである。また,当然ながらマスプロダクション,マスマ・−ケティ

ングという規模の経済・一・辺倒による価値観の修正を要請していることを意味し 12)EDI:通常は,企業間オンラインデータ交換を意味している。通産省の電子取引標準化 委員会では,たとえば,流通EDIについては業種・業界の枠を越えた商取引のデータ交換 に関する標準規約に基づく,製造から販売に至る企業間商取引の事務・業務の総合的な合 理化システムと定義している。このEDIは,対象範囲がきわめて広範なことや国際的で厳 密な標準化であることまた可変長であることなどが,その大きな特徴になっている。 13)顧客起点:流通システムの構造を,まさに顧客を起点にして再編しようという原田の 主張するプロシューマーネットワ・−ク論の基軸となる発想である。現在,成熟の時代を迎 えて,いよいよ従来のプロダクトパイプラインを通じたサプラ・−チェーン一辺倒の流通 論からの脱却をはかるべく,デマンドサイドの要語に基づいて個別のニーズやウォンツ への対応を横極的に展開するマーケテイングの実践が求められている。そのためには,生 産起点のシステム構築から顧客起点のシステムヘの転換が不可欠なのである。 14)原田 保『デジタル流通戦略.』同友館,1997年

(9)

情報産業のパワーイノベーション −77−−− ていると4) このパラダイム転換は,具体的には,プロダクトパイプラインとしてのサプ ライチェ・−ン・システムからインタラクティブ・ダイレクトシステムヘの転換 であって,これは,いわば顧客と企業の共生関係による付加価値形成を追求す るようなシステム構築への模索である。この顧客と企業を結ぶ流通を構成して いる主要ファクタ・−としては,−・般的には情報の伝達と商品の流通の2つをあ げることができる。そこで以下において,この2つのファクターが,デジタル エコノミーの到来にともなって,一体どのように転換するかについて考察を行 なうことにする。 商品の流通については,従来のサプライチェーン・システムでは,まさにサ プライサイドのメ、−カーや卸から小売そして顧客へという単一・的な方向による システム運用が行われていたが,今後においては,たとえばメーカーからエン ドユ、−ザーたる顧客に対してダイレクトに提供されてもよいわけだし,また, 卸から顧客にダイレクトに提供されてもよいことにもなってくる。すなわち, プロダクトパイプラインのプロセスを,順次辿りながら商品の流通を行なう必 要はまったくないわけである。こうして,今後はまさに顧客に対してダイレク トな形態での商品流通のシステムが構築されてくる。 情報の伝達についても,従来のサプライチェーンではまさに−・方通行の形態 であったのだが,今後におしゝては,たとえば顧客とメ・−カー,卸,または小売 との間においてインタラクティブな情報の伝達が実現するし,メ・−か−と卸, 卸と小売においても,たがいにインタラクティブな情報の伝達が可能になって くる。すなわち,メーカー,卸,小売,顧客の各プレイヤー間においては,ま さにインタラクティブな形態での情報伝達のシステムが構築されてくる。 このように,商品の流通はダイレクトシステムに,また情報の伝達はインタ ラクティブシステムに転換して,結果的には,次世代の流通システムとしての ダイレクト・インタラクティブシステムが登場してくる。そして,情報通信業 界においては,まさにオンラインを通じたダイレクト・インタラクティブシス テムを利用したマーケッターの育成へ向けた急速な事業戦略における新機軸の 展開が期待されている。とりわけ,ソフトウェア業界においては,フリーウェ

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香川大学経済学部 研究年報 38 ヱ9鎚㌢ ー乃トーー ア戦略の展開もあいまってか,まさにソフトウェア先行による市場創造の時代 が到来している。 そして,かってアルピン・トフラーの予見したプロシューマー15) 時代の本格 的な到来によって,いわばプロデューサーとコンシュ、−マ、−との境界が消失し て,次第に今後の市場システムはプロシューマーネットワークへと還元されて いく。こうして,先進的な情報通侶技術にサポートされたデジタルエコノミー における流通システムとして,まさにコラボレーション指向のイコールパート ナー関係の多重的な構築が行われていき,そのためにこそ,またプロシューマ ーネットワークシステムの定着が可能になっている。 ⅠⅠⅠ デジタルエコノミーが登場して,いよいよ企業における競争戦略の枠組みが 根本的に転換することになり,情報通信業界においても,そこにおける勝者モ デルは従来のものとはまったく異なった形態になっている。すなわち,それは まさに統合IT時代の到来であって,産業構造においてもネットワーク主導に よる,そしてさらにはコンテンツ主導による再編成が行なわれてくる。このよ うな時代の競争構造はいわば個別の競争ではなく,おおむねすべての領域にお いて統合戦略を展開すべくまさに同一・技術による全システムでの競争構造を現 出させている。 このような方向を強力に導き出すものが,実は,昨今特に注目されているネ ット家電に代表されるコンシュマーコンピューティングなのである。こうして, 情報通信業界においてさえも,まさにカスタマ1−レディ(CustomerReady:顧 客起点)に立脚したデジタルソサエティへ向けた産業構造の転換が本格的に模 15)プロシューマー:トフラーが予言した未来の生活者像であり,デジタル化の進展に よって,いよいよ本格的に現実性を帯びた概念になってきている。このプロシューマ・− と は,プロデュー1トー(生産者の意味)であり,コンシューマ、−(消費者の意味)でもある ような存在である。一人の生活者が,プロデューサーとコンシューマーという役割を同時 に担う時代が高度情報化社会の基本的なイメ1−ジなのである。これらの変化を捉えて,原 田は,きたるべき本格的なデジタル社会がプロシューマ・−ネットワ・−ク社会であること を予言して,そのためのシステム再編成を授冒している。

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情報産業のパワーイノベ・−ション 一得− 索されている。 (1)統合分散型の産業構造 昨今の技術の進化によって,次第に情報通信産業においては究極の統合IT による競争時代に遭遇している。このような状況下で,現在情報産業が指向す る産業構造についても,急速にグロ・−バルな規模による大幅な転換が行なわれ つつある。すなわち,ここでの転換の持つ意味は,かっての汎用機時代におけ る垂直統合型の産業構造,最近までのクライアントサーバー時代における水平 分散型の産業構造,そして,現在におけるネットワークコンピューターに代表 される統合分散型の産業構造へという,まさに情報通信業界における産業構造 の進化なのである。また,同時に,この転換の特徴とは今後のコンテンツ中心 のカスタマ・−レディ型産業構造への転換であって,そして,これらの変化に伴 って現出する競争戦略そのものの転換を明示している16)(図表3)。 これは,また,未来における勝者モデルが従来のそれとは根本的に異なるも

く亘直垂亘二っ く玉章蚕麺=)く=麺亘二っ

く三≡互⊇亘> −」TL一− ・・−」===1− _」 ̄==「L一 旦 ハードウェア ソフトウェア サ・−ビス ー≠Eヨ r第1ゐ由酎 ㈱ 極3の転射 デビット・C・モシュラ F覇者の未来』IDGより原田が加筆修正 図表3 情報通信菓界が指向する統合分散型産葉構造 16)DavidCMoschella,l胱41/℃SOFPOlγE尺,AMACOM,1997(佐々木浩二監訳r覇 者の未来』IDG,1997年)

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J9鎚㌢ 香川大学経済学部 研究年報 38 −βクー− のであることを示しており,ここにおける勝者モデルの構築こそが,今後の競 争戦略の要諦と考えるべきなのである。そして,この勝者モデルを基軸として 従来とは異なったビジネスが開発され,同時に,これらがあいまってまさにデ ジタル時代の競争関係が多重複合的に展開されはじめるのである。このような プロセスを通じて,いわば時代のセッターである情報産業が新たな次元におけ る飛躍的な発展を遂げることが予見できる。 まず,第1の変化とは,垂直統合型モデルから水平分散型モデルへの進化で ある。このパ、−ソナルコンピューターを基軸としたモデルこそが,まさに現在 のネットワークコンビュ.一夕ーを基軸とした統合分散型モデルの前提になって いる。このパーソナルコンピューター時代の到来とは,実は,いわばシステム 中心主義からパーソナルコンピューター中心主義への転換を意味している。こ れは,またコンピュータ、−がすでに専門家の手を離れつつあることを意味して

いる。こうして,次第にハードウェア,

ソフトウェア,サ、−ビスが,それぞれ 独立した存在として意味を持つようになり,いわゆる水平分散型の産業モデル が構築されてきたのである。 そして,これに引き続いて,第2の変化である水平分散型モデルから統合分 散型モデルへの進化が現出してきた。これは,すなわちインターネットの発展 を契機としたネットワーク中心時代が到来したことを意味している。そして同 時に,これはまたパーソナルコンピューター中心主義からネットワーク中心主 義への転換をも意味している。この段階においては,現在きわめて話題の大き いEC(Electr・OnicCommerce:電子商取引)やバーチャルコミュニティの登場 なども本格的に展開されてくる。こうして,ネットワークを通じて,コンピュ ーター,通信,情報家電,出版,マスメディアなどの業界が多重的に連携され ることが確実視されていると‘7) このネットワークによる経済性にみられる最大の特徴とは,いわば収穫逓増 の法則が有効に作動していることである。このことは,ネットワークが大きく なればなるほど,次第に生産性が増大するという市場メカニズムが働いている 17)DavidChMoschella,qt>Cit(佐々木浩二監訳,前掲訳書)

(13)

情報産業のパワーイノベーション −βJ− ことでもある。これは,言い換えれば,高名なボブ・メカトーフの提唱するメ カトーフの法則で説明可能な領域でもある。すなわち,この法則によれば,ネ ットワ・−クのコストはネットワークの規模に比例して直線的に増大するが,− 方ネットワークの価値については飛躍的に増大する。だからこそ,この段階に なると,急速にあるターニングポイントから収穫逓増フェイズに突入する。 実は,このようなことはインターネットの登場がはじめて可能にしたもので, その意味では,インターネットこそがメカトーフの法則で説明すべき代表的な ものといえる。そして,このような特徴を持つネットワークこそが,まさにパ ーソナルコンピューター時代が分断したハードウェア,ソフトウェア,サービ スを再度統合することにもなる。こうして,ハードウェア市場の統合,ソフト ウェア市場の統合,通信サービス市場の統合,専門サービス市場の統合,統合 コンテンツとアプリケーション18)の統合が実現して,いよいよ新たなビジネス チャンスが到来してくる。そして,統合分散型の情報通信業界においては,ア プリケーションとコンテンツ,専門サービス,伝送サービス,ソフトウェア, ハードウェアの各階層において,それぞれ新たなフレームに基づいた個別事業 の再編や統合が行われてくると9) そして,最後の第3の進化こそが,いわばネットワークコンビュ・一夕ーを基 軸とした統合分散型モデルからコンテンツを基軸とした顧客起点モデルへの転 換を意味している。これは,まさにバーチャルビジネスの本格的な到来を意味 しており,言い換えれば,個人を捉えたサービスの徹底重視なのである。こう して,ソフトウェア,情事艮,サービスが期待されて,とりわけ技術の組み込み が特に重要な戦略課題になってくる。そ・して,次第にソフトウェアの時代から コンテンツの時代へと転換しはじめている三0) 18)アプリケ・−ション:適用の意味である。情報通信においては,一腰的にはアプリケー ションソフトを示している。これは,文雷を作成する,表を集計するといった,それぞれ の目的を実現するために利用されるソフトウェアである。コンピューターと周辺機器,ソ フトウェアを動かすための基本ソフトに対して応用ソフトと呼ばれる。 19)DavidCMosche11a,Qi>”Cit(佐々木浩二監訳,前掲訳雷) 20)DavidCMoschella,qクcit(佐々木浩二監訳,前掲訳書)

(14)

J.99β 香川大学経済学部 研究年報 38 ー&a− デビット・C・モシコ.ラ『覇者の未来』IDGより 図表4 ネットワーク中心時代からコンテンツ中心時代への進化 このコンテンツ中心の時代は,概ね2005年から2015年に到来することが予 見されるが,このコンテンツの時代を支える要素は,当然ながらネットワーク 中心の時代のそれとはまったく異なったものになる。すなわち,そこにおいて はバーチャルビジネスが中心概念になり,ソフトウェア,情報,サービスとい った具体的なコンテンツそのものが重視され,また,特に個人別のサービスが 重視されることになる。さらに,覇者の未来のデビット・C・モシュラによる ならば,このコンテンツの時代は生産性は彼の提唱する変身の法則によって規 定されることになる(図表4)。 すなわち,このいわば第4の波たるコンテンツの時代とは,ネットワークの 規模や半導体の集積度などの技術的な要因から派生するものではなく,むしろ コンテンツと業界のモシュラのいういわば変身の関係に基づくものになること を主張している。したがって,以下においては,モシュラのいうところの変身 の法則についての概括的な考察を試みてみる。

(15)

情報産業のパワーイノベーション −&㌻− このモシュラによれば,この業界の変身度については,この業界における付 加価値のパーセンテージの2乗に等しいことになる。つまり,モシュラはある 業界における変身のポテンシャルはまさに%ビットの2乗に等しV)といってい る。たとえば,銀行業界における情報処理活動の占める割合が90%で,製造業 のそれが30%である場合には,変身度の法則においては,銀行業界は製造業界 と比較してIT利用による変身度はおよそ9倍になると測定するのである。こ うして,このような測定手法についても,今後において到来するであろうコン テンツの時代にはきわめて不可欠になっている含1) (2)同一技術による全システム競争構造 ところで,現在は,まさにネットワークコンピューターを基軸とした分散統 合型モデルがふさわしい時期に遭遇している。このような段階においては,従 来のパーソナルコンピューターを基軸とした水平分散型モデルとは異なった競 争構図が散見されている。それは,まさにウインテル(マイクロソフトとイン テル連合)によるWindowsとサン・マイクロシステムズ・オラク)t/連合による Javaとの競争戦略に象徴的な形態で現れている。 現在,米国においては,企業間の競争の激化や新規需要の落ち込みもあって か,きわめて俄烈な業界再編が行なわれているさなかにある。今までは,まさ にウインテルの1人勝ちの状態であったのだが,この牙城を崩すべくサン・マ イクロシステムズ・オラクル連合が果敢に攻勢を賭けているところである。− 方,ウインテル陣営においては,当然ながら,マイクロソフトとインテルを中

核にしながら,CPU(CentralProcessingUnit)22)メーカーのAMD,Cyrix,

パソコンメーカーのコンパック,デルコンピュータ、−,ゲートウェイ2000など がその主力企業を構成している。−・方,サン・マイクロシステムズ・オラクル 連合においては,この2社の他にネットスケープ,IBM,アップルコンピュー ター,DEC,ユニシス,ヒューレットパッカードなどが主力企業を構成してい 21)DavidCMoschella,PP”Cii(佐々木浩=.監訳,前掲訳書) 22)CPU:中央処理装置。コンビュ・一夕ーの中枢部分で,基本処理装置,主記憶装置,制 御装置,チャネルなどの主要部分をまとめた装置のことである。

(16)

香川大学経済学部 研究年報 38 J9ガ −β4− る。しかしながら,昨今では,マイクロソフトとアップルコンビュ・一夕・−との 連携やコンパックとDECの合併が決定するなど,この業界におV)てはきわめ て流動的でダイナミックなアライアンス関係が模索され続けている喜3) このような状況下で,ここで,これらの競争状況を総括するならば,いわば 全IT統一・指向での競争戦略の展開であると結論付けられる。すなわち,一・方の

Windowsにとっても,また他方のJavaにとっても,それぞれ上位アプリケー

ションから下位のアプリケーションにいたるまで,すべてのアプリケーション を同一・の技術で稼動させることが大切になっている。そこで,Windowsコンピ

ューティングについてはWindowsNTとWindows95/98とWindowsCEに

よって,またJavaコンピューティングについてはエンタープライズJavaとパ ーソナルーJavaによって,それぞれすべてのアプリケーションヘの対応を行う ことになる。 そして,その上で,両者は初めて差異化に基づく競争をそれぞれのコンソー シアムを組んで展開し始めている。一・方のマイクロソフトにおいては,すべて のコンピューターをWindowsという1つのアーキテクチャー24)に統一するこ とを狙っている。このためにこそ,デスクトップ用のWindows95/98,上位対

応のNT,下位対応のCEによるファミリー化を狙っているのである。他方の

Javaにおいては,JavaアプリケーションをいかなるハードウェアやOSの上

でも稼動できる,そしてこのJavaアプリケーションをどんなハードウェアで も,またどんなOSでも使用できるような徹底的なデファクトスタンダード化 の実現を行うことが大切なのである。 このように,昨今では,同一・技術で全システム展開を指向することがおおい に期待されている。このため,具体的にはソーシャルコンピューティングから, 23)福田重雄「これが日本企業を巻き込む世界大編成地図だ!パソコン」『SAPIO』小学館, 1998年10月号 24)アーキテクチャ、−:−・般的には建築関連の用語であるが,コンビュ・一夕ーの世界で は,コンビュ・一夕ーシステムを設計するための,ハードウェア,ソフトウェア両面に関す る基本的な考え方を意味している。ハード面では,CPUの命令内容,メモリの構造や作 動方法,Ⅰ/0ポートの機能などが問題になる。ソフト両では,データ形式,データの構 成方法,OSの機能,プログラムの内容などがあげられる。

(17)

情報産業のパワーイノベーション −β5−− 中野英嗣『IT(情報通侶技術)産業ビッグバン』 コンピュータ・ニュー ス社より原田が加筆修正 図表5 同一技術で全システム展開を指向する対決構図 エンタープライズコンビュ・−ティング,ワ・−クグループコンピューティング, デスクトップコンビュ・−ティング,モバイルキオスクコンピューティング, SOHOコンビュ・−ティング,コンシュ・−マーコンピューティングにいたるアプ リケーションのすべてが,まさに同一・技術に基づいてオペレ、−ションされるよ うになってくる(図表5)。 (3)コンシューマーコンピューティングの競争構造 今後の情報通信産業においては,前述のように同一・技術によるトータルな事 業展開になるため,特に,そのような次元での競争戦略が展開されてくる。し かしながら,より大切なことは,実は競争のフィールドが変化したことのみな

(18)

J99β 香川大学経済学部 研究年報 38 ー∂6− らず,ビジネスの展開を顧客起点に置いた対応が必要になったことにある。こ のような理由もあってか,昨今では,消費者をタ・−ゲットとしたコンシューマ ーコンピューティングや,これを中核に据えた全体戦略が推進され始めており, これが次第に今後の競争戦略のトリガーとしておおいに注目を浴び始めてい る。 そこで,以下において,前述したウインテル連合とサン・マイクロシステム ズ・オラクル連合との間のコンシューマーコンビュ1−ティングにおける競合構 造の考察を試みてみる。両陣営においては,現在コンシューマーマーケットを 掌握すべく,まさにネット家電市場へ積極的な参入を図っているさなかにある。

すなわち,具体的には,Windowsベースのネット家電(Windowsネット)と

Javaベースのネット家電(Javaネット)との間での俄烈な競争が展開されつつ ある。もちろん,これは,−・方ではマイクロソフトとオラクル,またはネット スケープ,さらにはサン・マイクロシステムズという個別企業の競争という側 面もあるのだが,特に重視すべき点は個別企業の枠を超えた戦略的なアライア ンスを前提にした技術コンソ・−シアム間の競争ということである25)(図表6)。

第1のアプリケーションについては,Windowsネットサイドにおいては,

Windowsアプリケーションとマイクロソフト版のJava,すなわちWindows

Javaアプリケーションの併用という方式を採用している。一・方,Javaネットサ イドにおいては,パーソナル.Javaアプリケーションが用意されている。これ は,マイクロソフトがJavaという新たなスタンダードへの対応を余儀なくさ れ,いよいよ戦略の複合化をせざるをえなくなったことの明示なのである。こ のことは,また,この.Javaというアーキテクチャーが,実は,今後のコンシュ ーマーコンピューティングにおいては,それほどまでのインパクトを持ったア ーキテクチャーであることの証明なのである。

第2のOSについては,Windowsネットサイドにおけるマイクロソフト

Windowsと,Javaネットにおける全OS対応を可能にするサン・マイクロシス

テムズの.IavaOSとの間の競合関係なのである。 25)中野英嗣,前掲書

(19)

情報産業のパワーイノベ・−ション ーβ7」− 中野英嗣『IT(情報通信技術)産業ビッグバン』 コンピュータ・ニュース社より原田が加筆修正 図表6 コンシューマー・コンピューティングにおける競合共生

第3のMPU(Micr・Opr・OCeSSOrUnit)26)については,Windowsネットにおけ

るインテ)t/Pentium/StrongARM他と,Javaネットにおけるサン・マイクロ

システムズのpicoJava/micr・OJava/ultraJavaチップとの間での競争関係な

のである。 こうして,現在情報通信の多くの局面において,この両陣営が競争を行って いるのだが,昨今では両者によるコラボレーションも追求されている。言い換 えれば,これは両陣営の技術を統合的な観点から再編成して新たなグロ・−パル 26)MPU:パソコンに使われるCPUである。パソコン以外のコンピューターのCPUと 区別して言う場合に使われる。

(20)

香川大学経済学部 研究年報 38 J.99β −ββ− レベルでのスタンダードを構築しようという動きである。すなわち,このこと は,実はマイクロソフトとサン・マイクロシステムズとの連合の誕生を示唆し ているともいえる。 このいわゆるマイクロ連合においては,アプリケーションやOSなどが両者 の浪成になっており,具体的にはまさに以下のような複合的な構造になってい る。すなわち,アプリケーションについては,パ・−ソナルJavaアプリケ、−ショ

ン,OSについてはWindowsCE,そしてデジタ)t/CATV(CableTeIevision)

向けのTVセットトップコンピュータ・−27)という標準的な装備である乏8)こう して,ネット家電を基軸としたコンシューマーコンビュ・−ティングを本格的に 推進するために本格的なグローバル体制が構築されはじめている。 もちろん,このようなアライアンスは従来のように全面的に,しかも長期的 に堅い連帯を指向するわけではなく,もっと多様で自在ないわば合従連衡型の 連帯が追求されることになる。そもそも,サン・マイクロシステムズにとって は,とりわけマイクロソフトは次世代の覇権を獲得するためには制圧すべきタ ーゲットであることはまったくかわりはない。そこで,・−・方で,このような連 帯が考えられると同時に,他方で引き続き競合企業として戦うべきライバルへ の戦略対応も模索されてくることが当然なのである。 たとえば,サン・マイクロシステムズにおける昨今実現したネットスケープ を買収したAOL(AmericanOnline)との連携を追求するような動きである。こ うして,サン・マイクロシステムズにおいては,同時にポストOS時代のネット ワークセントリックな情報化対■応に向けたマイクロソフト包囲網の構築に意を 払うことも行っている。このようなことは,また,いよいよECが本格的に巨大 27)TVセットトップコンビュ・一夕ー:既存のテレビでインタ、−ネットに接続したり, ネットワ・−クコンビュータ・−の機能を付加する機器もしくはシステムのことである。既 存のテレビ受像機に通常のテレビ画面とインタ1−ネット画面とを並べて表示できる機能 などがある。高品質のデジタルビデオやDVDか−ディオなどと接続でき,選択できる チャンネル数もアナログの場合に比較して飛躍的に増大する。このTVセットトップコ ンピューターは,きわめて強力なマイクロプロセッサーとハ・−ドディスクを内蔵してい る。 28)中野英嗣,前掲雷

(21)

情報産業のパワーイノベーション −β9・− 市場として期待され始めたことの証明なのでもある。もちろん,今回の動きの 中においてはあくまでAOLが主役であって,未だにサン・マイクロシステムズ は両睨みのカードの担保を維持しているわけである。 すなわち,サン・マイクロシステムズにおいては.Javaによってマイクロソフ トをサン・マイクロシステムズ陣営に引き込むことでポストOS時代の覇権を 狙いながら,−・方ではネットワ・−クからのアプローチにおいては,AOL・ネッ トスケ、−プ連合に加担することで,まさにマイクロソフトを包囲しようという 両面作戦なのである。こうして,従来では考えられないような多面的な合従連 衡の戦略的な展開が日常的に展開されるほど俄烈な次世代の覇権の獲得へ向け ての競争状況が現出し始めている。

このAOLのネットスケープに対する買収については,AOLを軸に考えてみ

るならば以下のようなことになる。それは,AOLにとっては,AOLの保持し

ている米国の約半数のユーザ・−を基礎票としながらサン・マイクロシステムズ との連携によって現在のパソコンより優位性のある情報端末を開発できさえす れば,−・気に次世代へ向けたマイクロソフトを凌駕する一大勢力を獲得するこ とが可能になるからである。また,ネットスケープを獲得することでマイクロ ソフト次世代戦略であるネットワ1−ク対応の出ばなを挫いておくことも,また, 来るべくネットワーク時代において決定的な覇権を築くためには不可欠な戦略 的な対応なのである。 このように,この情報通信の世界においては,いついかなることが生じるか はまったく予測が不可能な状態である。しかしながら,確かなことは,勝つた めには何でもやる激しい競争へ向けたネットワーク形成へ向けた戦略の多重的 な展開を追求する時代が到来してきたことが間違いないことである。そうなる と,各企業に要請される能力として期待されくるパワーとしてはプラグアビリ ティともいうべきネットワークパワーなのである。こうして,ネットワ・−クを ベースにしたパワーパラダイムが,今後の企業戦略における中心的な戦略課題 になってくる。

(22)

一一9C」一 香川大学経済学部 研究年報 38 ヱ99β ⅠⅤ デジタルエコノミーの覇者モデルに共通していることは,コラボレーテイブ 指向のアラインアンスの重視ということである。これは,いわばネットワーク の生産性や顧客視点を重視した経営の展開であり,まさにネットワークパワ −29)やカスタマ・−ロイヤルティについての戦略的な活用なのである。このよう な観点に立脚して,以下においては,このネットワ・−クパワーの最も典型的な 顕現者といえるプロデュ1−ス岬企業についての特徴,ネットワ・−クを活用した 外部資源の内部化の方法論,そしてそれらの最大の資源ともいえるプラグアビ リテイ(連結能力)31)につVゝての概括的な議論を試みてみる。その意味では,こ れは,またネットワークパワーを発揮することが有効に働く企業形態や組織形 態の提示と考えてもよい。 (1)コーディネート指向のプロデュース企業 このように,情報通信産業におけるデジタル時代の勝者モデルとは,従来の アナログ時代のそれとは異なった形態をとっている。すなわち,個別企業のパ ワーに依存して,クローズドなマーケットの中で個別の競争を展開するのでは なくて,まさにグローバルな単一マーケットにおけるアライアンスによる競争 29)寺本義也『ネットワ1−ク・パワー』NTT出版,1990年 30)プロデュ・−ス:経済学においては生産のことである。一・般的には,映画産業や音楽産 業におけるコンテンツ制作に関わる機能として理解されるのが普通である。このプロ デュ・−スとは,まさに異質な分野の専門化集団を繋をヂて,ある日的に沿った作品を作りあ げようとする価値創造行動と捉えることができる。実際に,たとえ,どんなに優れた専門 家がいても,プロデューサーによって1つのコンセプトに沿って組織化されなければ,そ れはまったく烏合の衆になってしまう。このように,プラグアビリティを追求して,全体 として意味のある組織体を構築することが,このプロデューサーに期待される主な機能 なのである。 31)プラグアビリテイ:個人や組織を連結する能力である。それも,ただ単に繋げるので はなく1つの意味を持った組織にまとめあげる機能である。昨今の,バ、−チャルコーポ レーションを具体化させるためには不可欠な組織化の能力概念なのである。この能力を 持った者こそが,前記のプロデュ・−サーということになる。

(23)

情報産業のパワ、−イノベーション −.9J− 図表丁 プロデュース企業におけるプラグアビリティの基本構造 関係に向けたダイナミックな転換なのである。そうなると,いよいよ企業と企 業を結ぶプラグアビリティが要請され,そして,連結による付加価値の増大を 実現する企業の登場が期待されてくる。 そこで,このような状況下におし)て,今後期待すべき企業形態として,ここ ではプロデュ、−ス企業という概念を提示しながら,同時に,この特性について 概括的な方向づけを行ってみる(図表7)。 32)アライアンス:連携を意味している。昨今のグローバル競争においては,個別の企業に よる競争戦略には限界が生じている。そこで,企業と企業がいわばネットワーク的なコン ソーシアムを形成して,デファクトスタンダードやビジネスプラットフォームを確立し ようという考え方に立脚している。デジタル化時代のアライアンスは,アナログ時代のそ れとは異なって,オープンでテンポラリーな関係を指向した柔らかで,ルーズな関係なの である。したがって,通常では,複数の企業が,個別課題ごとに複合的で多重的なパート ートーシップを形成するのが−・般的なアライアンスの形態なのである。

(24)

J9鎚㌢ 香川大学経済学部 研究年報 38 一見2」−

前述したWindowsネットにおいてもJavaネットにおいても,まさにアライ

アンス32)競争の展開であり,また,中核企業のマイクロソフトもサン・マイク ロシステムズにおいても,このアライアンスをプロデュースすることで競争組 織をオルガナイズしていることに特徴が見い出せる。その意味では,マイクロ ソフトとサン・マイクロシステムズは,ともにプロデュース企業ということが でき,これらのプロデュース企業同士の競争状況が,今後における情報通信業 界の競争関係の基本的な枠組みになると予見できる。 このプロデュース企業の最大の特徴は,サプライヤ・−とユ・−ザーを結ぶコー ディネ、一夕・−というべき役割に見い出すことができる。すなわち,ここにおい ては,コーディネート機能を保有することで,市場と製品の双方を掌握しなが ら最適な組み合わせを実現していくわけである。これは,いわばデマンドサイ ドとサプライサイドのマッチング機能ということができる。また,単にマッチ ングさせるだけでなく,このマッチングから付加価値を増大させることでもあ る。このことは,価値の連結培養器たるリアクターのような役割が担われてい ると考えるべきものである三3〉 この連結培養器という機能の持つ特徴とは,実は,サプライヤーのスキル, ノウハウ,ナレッジなどの情報がプロデュース企業の相場に注入されて,また, このコーディネートリアクター34)のフィルターを通過することで,結果的に, ユーザーサイドにとって有効な情報として抽出している。そして,また,これ はユ・−ザ・−サイドからのフィードバックがサプライヤーに対して行なわれる循 環サイクルにこそ見い出される。 このプロデュース企業という相場の中には,多様な情報素(意味を持つ最小 単位)ともいうべき情報のモジュールが多数存在して,これが多面的な接触を 重ねることで,各プロデュ・−ス企業独自の情報の発信が可能になってくる。そ 33)原田 保『1\売進化論』大学教育出版,1998年 34)リアクタ・−:反応装置のことである。あるインプットされる情報に対して,ある価値 観に基づいて反応して,必要とされる意味のある情掛こ再編させる枚能を意味している。 まさに,錬金術的な情報の連結培養機能を担っている。このリアクターによって組織の創 造と再生メカニズムが作動することになる。

(25)

ー.玖≡トーー 情報産業のパワーイノベーション

して,このような特徴を持ったプロデュース企業こそが,今後の競争戦略とい

う舞台における主役として登場することになる。

(2)外部資源の戦略的ネットワーク化

以上のように,今後の情報産業においては,サプライヤーサイドはプロデュ

ース企業というものが2つの期待されるべき概念であるが,−・方のユ、−ザーサ

イドの戦略としては一体どんな方向性をとるのが望ましいのだろうか。今後は,

もちろんサプライヤー間のアライアンスも重要なのではあるが,同時に,サプ

ライヤーとユ・−ザ一間の関係においてもアライアンスは重要な組織化戦略にな

ってくる。すなわち,サプライヤーとユーザーとのパ、−トナーシップを指向し

たコラボレーションの追求なのである。また,もちろんこのようなユーザーと

は,企業であっても,また個人であってもまったく差し支えないことはいうま

でもない。

とりわけユーザー企業にとっては,今後の競争戦略においては,デジタル化

への対応がそれらの浮沈に大きな影響を与えるため,サプライヤーたるベンダ

、一企業との効果的な関係構築がきわめて重要な課題になってくる。このような

状況化で,昨今では注目を浴びているものが戦略的アウトソーシング35)なので

ある。このアウトソーシシングとは,自社の競争力を高めるために外部資源を

効果的に活用しようとする方法と規定できる。とりわけ,情報産業においては,

ユーサー企業サイドがイニシアチブをとって時代を切り開いていくことは難し

いため,このアウトソーシングがきわめて望ましい手法なのである。

しかしながら,大切な点は,外部資源を活用することは,実は外部化戦略で

35)戦略的アウトソーシング:島田達巳が提唱したアウトソーシングの概念であり,アウ トソーシングを業務の外注レベルの概念からではなく,企業戦略の観点から推進すべき という考え方である。昨今,すでに多くの企業において,アウトソーシングが多面的に展 開されていることは自明のことである。そして,このアウトソーシングは,よりオープン に,かつマルチに展開されオープンソ・−シングやマルチソーシングヘと発展している。ま た,次第に企業と企業のコラボレ1−ションによってパ・−トナーシップ形成を追求すると いう立場からコ・ソーシングや,原田の提唱するコラボレーション経営にまでの高まりを 見せ始めている。

(26)

香川大学経済学部 研究年報 38 エ99β 一94− はなくて内部化戦略であることを理解することなのである。そこで,このよう な観点に立脚すると,この内部化戦略とは,デジタル時代のオープンシステム 経営においては,実は,必ずしも自社に取り込むことだけを意味してはいない と理解すべきである。すなわち,資源の連鎖を自社以外の外部に広く求めて, このネットワークの最大活用によって連結経済における生産性を高め,結果的 に,自社においても資源の蓄積を図って行こうという考え方なのである三6) また,昨今コアコンビタンスの獲得が企業存亡の要諦とV)われているが,コ アこそを外部に求め,この外部資源を自社のビジョンにフィットさせながら, コアの陳腐化を忌避する方法がいわばスピード経済の時代には望ましい方法な のである。すなわち,コアを探索して,自社の経営に適合的にまた価値増大を 可能にすべくプロデュ・−スしていく能力こそが,今後の企業にとっては戦略的 なドメインなのである。このように,プラグアビリティを追求するプロデュー ス企業への指向性は,サプライヤーサイドにおいてもまたユーザーサイドにお いても今後はきわめて有効な戦略対応ということができる。 (3)プラグアビリティによるドメイン形成 デジタルエコノミ、一における企業戦略の特徴は,個別企業に壁を超えたとこ ろに存在しており,今後においては,企業と企業あるいはサプライヤーとユー ザーを繋ぐプラグアビリティが不可欠な戦略要素になってくる。また,サプラ イヤーサイドのコンソ・−シアムにおいても,アライアンスを形成するプレイヤ ー相互のプラグアビリティが問われることにもなってくる。こうなると,従来 の組織を分業によって管理するという,いわば管理マシーンとしての企業観か らの脱却が要請されてくる。すなわち,連結によって企業の付加価値を増大し て,これをゲームの参加者たるプレイヤーが互いにシェアするという創造的な 関係形態の確立が望まれている。 このプラグアビリティを持っているということは,多数のネットワークの結 36)原田 保「アウトソーシングからコラボレーションヘ」島田達巳,原田 保編r実践 アウトソーシング』日科技連,1998年

(27)

情報産業のパワーイノベ・−ション 一.95」− び目に自らの位置を入手していることを意味している。すなわち,プロデュ、− サーとは,アライアンスにおいてネットワーークの結び目としてのいわばノー ド37)のような役割を担っている。そして,このノード機能に対する評価指標こ そが,企業と企業そして企業と顧客を連結する力といえるプラグアビリティな のである。したがって,これからの企業戦略においては,この繋ぐ機能である プラグアビリティが中核的なドメインということにもなる。 このプラグアビリティにとって,最も大切なことは,実はプレイヤー自身は リアクダーに徹して,顧客やユーザーやさらにはコンソーシアムの参加者に対 してリアクタ、−的な役割に徹することなのである。これこそが,組織を繋ぐい わばプロデュ、−サーに期待されるプラグアビリティであり,まさに組織編集力 といってもよい能力なのである。そして,この組織編集力に習熟したネットワ ーか−38)こそが,プラグアビリティを戦略的なドメインにしているプロデュー サーなのである芝9) このプラグアビリティを発揮するためには,支配一被支配のパワー関係を完 全に捨て去ることが前提条件である。すなわち,その理由は,搾取したり権力 で抑圧したりするような方向のみからの関係の構築では,いわばパ、−トナーシ ップを追求するコラボレーテイブな関係構築がまったく困難だからである。あ くまでも,主体性を持った独立した主体が,自らの意思でコンソーシアムに参 加してアライアンスのメリットを相互に享受するということが大切なのであ る。その意味では,プラグアビリティは,まさに従来からのパワーパラダイム から脱却するためのトリガーとしても期待が持てる。 37)ノ・−ド:結び目のことである。ここでは情報の結節点とか組織連携のインテグレ・− タ・−と言うような意味を持たせている。このノードを通じて異なる要素の交流や統的な 活用が可能になり,まさにネットワ・−クの経済性が追求されることになる。 38)ネットワーカー:ノード機能を担うべき個人や企業を意味している。このネットワー カーに期待される能力は,まさにプラグアビリティであり,連結することで新たな価値創 造を行なうことになる。その意味では,今後のデジタル社会に期待される新たな専門家の イメ1一ジなのである。 39)原田 保,前掲雷(1998)注33)

(28)

一96−−−− 香川大学経済学部 研究年報 38 J9紺 Ⅴ デジタルエコノミ、一における競争関係においては,アナログ時代の競争関係 とは異なった様相を見せている。そこでは,できあがったマーケットからどう やって自社の取り分を増やすかという観点からではなく,むしろ,市場創造を どのように行っていくのかという観点から,たがいに企業間の多重的なアライ アンスを模索されている。そして,このようなアライアンスを促進するパワー ゲームの価値観こそが,まさにWin−Winというパワーパラダイムなのである。 また,コンサルティング会社のマッキンゼ・−では,このパラダイムに基づいた アライアンスウェッブ40)という考え方を組織的に提言している。そして,その 上で,このようなコラボレーションを指向するアライアンスウェツプ間におい て,グローバルな競争優位をどのように獲得するかについてモデル化を行って いる。 (1)オールドパラダイムのWin−Lose関係 最も重要な企業戦略として,今も昔も競争戦略をあげるのが・−・般的な傾向な のである。しかしながら,アナログ時代の競争戦略とデジタル時代の競争戦略 では,その時性はまったく異なっている。旧来の競争戦略の特徴はシェアの獲 得競争であり,誰かが勝てば必ず誰かが負けるという論理に基づいた競争が展 開されていた。すなわち,勝つためにはまず競争相手を叩き潰すことが要請さ れていたわけである。そこで,たとえば,何々地区における最終戦争というよ うな物騒な状況が現出して,いわば暴力団の縄張り争いのような陣取り合戦が 華々しく展開されていた。 ここでは,自社が参加しているビジネスゲームヘのプレイヤーたる参入者は, すべてコンペティターであって,だからこそ,これらをいかに阻止するかが最 40)アライアンスウェップ:蜘蜂の巣のような多重的な連携のネットワークを意味して いる。マッキンゼ・−が提唱した概念であるが,今後のネットワーク間競争の組織戦略とし て,すでに原田が主張していた概念であるが,ネーミングのビジ ュアル的な解りやすさを 考慮して,本章においてはアライアンスウェップの概念での論述を行っている。

(29)

情報産業のパワーイノベーション −.9仁一 大の戦略課濃であった。また,企業間関係においては,支配可能な従順な取引 先という位置づけなのか,あるいはコンペティターであるのか,という必ずど ちらかの立場であることを鮮明にしていた。このような状況下においては,コ ラボレーションなどという概念はまったく考慮されることはなく,したがって, ひたすらクローズドな組織における内部管理に力点を置いたマネジメントが展 開されていた。 ここでは,マーケットはまさに刈り取るものであり決して育てる対象ではな く,また,価値とは増大させるものではなくむしろ消費するものという考え方 が支配的であった。このような発想に基づいて,過去からずっと展開されてき た競争戦略のパワーパラダイムこそがWin(勝つ),Lose(負ける)関係という 企業間関係なのである。すなわち,他企業と連携することは,必ずWinかLose かのどちらかであるという一仮説に基づいた対応なのであった。こうなると,勝 つためにはコンペティターを微減させるしか選択の方法がないことになる。こ のような考え方に立脚した関係の理解こそが,従来からの競争戦略における主 要な捉え方なのであった。 (2)ニューパラダイムのWin−Win関係 ところが,昨今のデジタルエコノミーにおける競争戦略は,アナログ時代の 競争戦略とはまったく異なる次元で展開されてくる。すなわち,ネットワ、−ク に代表されるデジタル時代の競争戦略では,アナログ時代のそれと比較して, 新たなパワ・−・パラダイムへの転換が要請されている。これは,従来のWin−

Loseという企業間関係ではなくて,これに替ってWin−Winという企業間関係

が支配的になってくる。これは,WinTLose関係が,−L方が勝てば必ず他方が負 けるという関係ではなく,ビジネスゲームの参加者がすべて勝つことができる という関係なのである。このようなコラボレーテイブな共生関係は,既に,実 際にはグローバルな規模で現出しはじめている。 企業間関係が進化する方向については,第1段階がコミュニケーション,第 2段階がコラボレーション,第3段階がコーディネーション41)という発展段階 を踏んでいる。そして,これらが,それぞれワークグループ;2)企業統合;3)企業

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参照

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