{論 文】 UDC :550
.
34.
03 日本 建 築 学 会構 造系論文報告集 第 409 号・
1990 年 3月特 定
サ
イ
ト
に
お け
る
強 震 動
予
測
正 会 員 正 会 員 正 会 員 釜 入福
江
倉
知
* 榊 ホ ホ ホ
宏
郎
長
次
克
孝
保
L
は じ め に大地 震 時における震 源 近 傍での強 震 動を予 測す ること は
,
構造物の耐 震 設 計 を行 う一
ヒで 非 常に重 要な課題であ り,
地震 学お よ び地 震工学 的に種々 の観 点か ら研 究が進 め ら れ,
最 近 半 経 験 的 予 測 手 法の発 達に よ り か な り の成 果が得ら れて いる。 特に原 子 炉 施 設の よ う な重 要構造 物 の耐 震 設 計におい て は,
そ の敷 地に想 定され る基 準地 震 動の評 価が必 要と な り1),
歴 史 地 震 , 活 断 層な ど か ら 想 定さ れ る 地震の大き さ (マ グニ チュー
ド) を予 測 し,
地 震 動の最 大 振幅,
周 波 数特性,
継 続 時間,
振 幅 包絡 線の 経時 的変化 等が実 験 式か ら求め られてい る。
ところ が,
断層の大き さ は地 震の規 模 と と もに増 大し,
大 地 震時で の 震源域近 傍で の地 震 波の強さは, 従来の点震 源 を仮 定 し た実 験 式か ら得ら れ る結 果と は異な りt 断 層 面の形 状 お よ び破 壊の進 行 方 向と密 接な関 係 を示す。
近年の地震 学の成果とし て,
浅い地 震は断 層 面で の くい違い の震 源 モ デルで説 明できる ことが 分か り, こ のモ デル に よ り断 層の大き さに比べ て十 分 遠い, い わ ゆ るfar・
field
の み な らず,
震源 近傍で の地 震 波 形につ い て も理 論 計 算 が 試 み ら れて い る2団 。 しか し ながら, 震 源 過 程を単純な一
様の もの と して扱う決 定 論 的モデル で は,
適当な 震源パ ラメー
ター
を仮 定すれば,
数 秒 以一
ヒの長 周期成 分 につ い て は,
観 測 波 形とよい一
致 を示すものが得ら れ る が,
地 震工学上重要な数 秒 以 下の短 周 期 成 分につ いては小さ く 評価さ れ る。 そこ で,
震 源 域で の破 壊 伝 播過程の複雑さ を確率 論 的に扱い,
短 周 波成 分 をも評 価し よ う と す る研 究5}一
71も 行わ れて い る が,
断 層 面に与え る不 規 則な破 壊 パ ター
ンに任意性が残さ れて い る など,
強 震 動の予 測に 適用 する に は困 難な問 題が多い。 また, 大 地 震の震源域 で生じ た小 地 震の実地震 記 録を グリー
ン関 数 とし て,
大 地 震 時の地 震 動 を推 定する方法,
い わゆる経 験 的 グリー
ン関 数 法は, 経 験 的 関係と 理論 的関 係を相 補 的に導 入し て震 源で の予 測し難いパ ラメー
ター
お よ び伝 播経 路,
敷 本論文の一
部は 日本 建 築学 会昭 和63年 度 大 会に お い て 発 表 し た。
零 京 都 大 学 原 予炉 実験 所 助手・
工修 * * 京 都 大 学 防 災研 究 所 教 授・
理 博 ** * 名古屋工業 大 学 教 授・
工 博 (1989年 4 月 25日原稿 受 理,
1989 年 12月27 日採用 決 定 } 地 近 傍の地 盤構造な どの複 雑な影 響 を直 接 見 積ること な く大 地 震の地震 動を推 定で き る極 めて有 利な方 法であ る。一
方,
文 献 14)の よ うに, 経 験 式等の 工学 的な観 点に たっ て, 耐 震工学上 必要な短 周 期 成 分 を震源域内 も 含 めて推 定し よ う と す る方 法も あ る。
た だし,
こ の 方 法 は パ ル ス の足 し合わ せの物 理的な意 味が明 瞭で ないな ど の問 題が あり, 適用 限界を考えて使 用 する必 要がある。 こ こ で は地震の相 似 則と経 験的グリー
ン関 数に基づ く 地 震 波 形の合 成 法 (lrikura
,
1986,
1988)1°1・
1u を 用い , 実 際に観 測さ れた距 離の異な る2
つ の中規 模 地 震 (震源 距 離 約 lookm
, 約 30km
)の記 録を,
それ らの 地震の 近 傍 域で発生し た小地 震の記録 を用い て地 震波形の再 現 を試み, 本 手 法 を 強震動予 測に適 用 する場 合の問題点を 検 討 する。
具体的に は,
まず観 測 記 録の各 種 物理 量 を概 観し,
ほ か の地 域で得 ら れ た デー
タ と比 較検 討し,
特 殊 性の有無 を考察す る。 こ こ で用い る経 験 的 グリー
ン関 数 法の有 用性 を検 証す る た め,
観 測 地 震 動 を再 現す る。
す な わ ち,
詳 細な観 測記 録 か ら震 源パ ラ メー
ター
が決め ら れ て い る昭和59 年 5月30日に発 生し た山崎 断層を震 源 とする本 震 記 録 (M =5,
6,
△=
95km ) を, 同6月 2 日の余 震 記 録 (M
= 4.
3
)か ら再 現する。
次に , 震 源パ ラ メー
ター
の明らか で ない近 距 離 地 震 (M =5.6,
△=
27km }の地 震 動 記録を,
要 素 地 震と して その 震 源 域 外 で発 生し た小地 震 記 録 (M=
3.
3, △=
18km )を用い て合 成する。
こ こで,
震 源パ ラ メー
ター
はマ グニ チュー
ドが同じ前 述の山 崎断層の本 震の値 を用い た。
な お,
震 源パ ラ メー
ター
を 既 存の経 験式から評 価し た場合につ い て も計 算 し, 合 成結果に与え る震 源パ ラメー
ター
の影 響 を考 察 する。
以 上2例の波 形合成は,
震 源パ ラ メー
ター
が決 定 論 的に与え られ た 場 合であ る が,
強 震 勤 予測に適 用す る場 合,
地 震が ど の よ う なスケー
リング則に支配 さ れ てい る か,
従 来の考え どお り すべ ての震 源パ ラ メー
ター
がマ グニ チュー
ドか地 震モー
メ ン トの 関 数とし て表 さ れ得る の か, ま た,
地域 性な ど を考 慮した尺 度を導 入 する必 要はないのか,
な どの 問 題が ある。
こ こ で は岩盤 露 頭 部で の観 測 記録か ら震 源パ ラメー
ター
を 求め,
各パ ラメー
ター
間の関 係を調べ,
既存の経 験 式 との比較 検 討を行い
,
強 震 動 予 測へ の問題 点を考 察す る。 2.
地 震 観 測 記 録 2.
1 観 測 地の概要 観測地であ る京都大学原 子 炉 実 験 所は, 大 阪府 泉 南郡 熊取 町にあ り,
付 近は標 高200−
300 m 程 度の小 高い山 稜を 背に し た丘 陵 地 中 腹 部に位 置す る。
こ の丘陵は北西 に傾斜し,
沖積地との境に は段 丘 を形 成 して いる。 周 縁 の地質構 造は,
石英斑 岩お よび花 崗 岩 類が基 盤 をな して 山稜を形成 し,
こ れ を 覆っ て鮮 新 世一
洪 積 世の大 阪層 群 が敷 地 付 近で約200m
堆 積し,広く分 布して い る。
な お,
敷地南 東約 lkm の とこ ろで は,
大 阪 層 群の基 盤とみ ら れ る花 崗 岩が一
部 露 頭し てい る。
地 震 観 測 点は,
所 内 自 由 地 表 面上,
地下50
m , 研究用 原子炉 建 屋 内お よ び近 傍岩盤露頭部であ る。
以 下の 検 討に用いたデー
タ は自由 地表 面上 (GR >お よび 岩 盤 露 頭 部 (RO
)で の もの で あ る。 表一
1 地 震 観 測 装置の主 仕 様 型 式 仕 撤 センサー
IE艮照 3成分サー
ボ型加遼 度計 社 50μ o分解 能 鬥d8 互 黝一
302 計測範 囲±10G 〔±0.
25Gに設定 ) A D 変 換一
捻 ビット 100H:サンプリング 入 カフ ィルター−
30H乙ロー
パスツ ィルター
遅 延一
3.
2 秒 旧しRハ 記 録 時 商一
約 50秒 記録計 社 スター
ト レペルー
上 下方向成分約 1GM 眠 alD じA−
310 スター
ト方式一
任承な2ch 〔上下方向成分の AND 動作1 記 鎌 媒 体一
カ セット田気テー
プ 刻 時一
日差 0.
43s 以 下 ゆ ℃〜
50℃ [ 電 源一
AC100V 駆 動 電 源一
± 旦2VDC 無 停 竃 罨 源 有 シグ ナル 6ED曹
TεKIOLU腰咽lK 伝 送 方 式一
蹴 伝送儲
慧
1 ド ライバー
一
1閣τ 11 唯 バ ッ テ リー
−
DCI2V 6.
5AH 2台 レ シー
バー
幣de】 甜R−
oo訓 電 源一
AC100V SDRrOO糺 3e 30 34°
0 oo 、 o ● 鵬 ro ’ 9。
◎ °oo o o o
●
0oo f o Φ KU 閉ATo 則 135°
,3げ 図一
1 観 測 地 震の震 央 位 置一 12 −一
2.
2 観 測 装 置の概 要 各 観 測 点に はそ れ ぞ れ 3成分 型 サー
ボ加 速 度 計,
ディ ジタ ル カ セ ッ ト記 録計を設置し,
所 内の各観 測 点で は時 刻の同期が得ら れてい る。 地震計およ び記 録 計の主 仕 様 を表一
1に示す。 2.
3 観〜貝1亅結果 昭和 56年 9月か ら昭和 62 年 6月 まで に観 測された地 震は合 計.
88
地 震で あ る が, すべ ての観 測 点で記 録が得 ら れ て い る わ け で はない。
観 測 地 震の震 央 位 置 を 図一
1 に示し, 図一
2にマ グニ チュー
ド震 央 距 離 関 係 を尓す。
両 図 中 ● 印は,RO
で も同時に観測で き た地 震 を示す。
観 測 地 震の ほ と ん ど は和歌山市周 辺で発 生し た局 発性 地 震 と, 近 畿 地 方で発 生し た比 較的近距離の地 震で あ る。
後の章で経 験 的グ リー
ン関数法に よ る再 現 を試み る姫 路 で震 度 4 を記 録した姫路市 北部の山 崎 断 層に よる M=
5.
6の本 震とM ・
=
4− 5
の合計 9回の余震などが含ま れ て い る。 各 地 震の最大加速 度は,GR
で数ガル か ら30 ガル程 度である。 地 震 記 録の最 大 地 動 (最 大 加速度お よ び最 大速度 )に つ いては, これ まで に多く の研 究者に よっ て種々 の実 験 式が提 案され て い る’5} 。 図一
3に最大 加 速 度につ い て, 図一
4に最 大 速 度につ い て得ら れ た結 果を そ れ ぞ れ示 す。
最 大 加 速 度につ い ては,
硬質地盤上で得ら れ た記録 をも とに提 案さ れ た渡 部の実 験 式を,
最大 速 度につ いて は金 井の式 をそれ ぞ れの図に示し,
観 測結果と 比較し た 結 果,RO
につ いて は両 者と も ほ ぼ実験 式に合っ ている が,GR
にっ い て は堆 積地盤内での増幅に よ りRO
に比 べ 大きな 値 (2倍 程 度 )を示し,
し たがっ て若干 実 験 式 か ら外れ る部 分 も存在す る。 次に, マ グニ チュー
ドー
継 続 時 間の関 係を調べ る ため,Trifunac
の方 法16}に より 継 続 時 間 を 求め,
図一
5に示す。 継続時間に関する提案 87
65
4
3 田 O ⊃ ←一
ZO 《 Σ 2 1 01 5 10 50 iOO 500 E…PICENTRAL
DISTANCE
くkm ) 図一
2 観 測 地 震のマ グニ チュー
ドー
震 央 距 離 関係〔
」 《 O}
ZO呷
← 《 = 凵 一 凵 OO 〈.
X 《 Σ O 凵 〉 匡 凵 ω 口 O 100 10 1 0.
116
7M =e
1。。
・ 7 …
…
i
§
1
’°崔
奎
,菫
蕁
O.
1 to 100 1000 1 10 100 HYPOCENTRA しDISTANCE CKM, HYPOCENTRAL DtSTANCE CKM,図
一
3 観測値と実験式1
実 線 ) との比 較 (最 大 加 速度}左一
GR,
右一
RO 実 験 式 :A←
loe・
’n”一
〔1.
97−
1.
8fMl°
sx’
a・
z’
lt.
1 /M Z5M く3卩
O 35爿q一
口 45 酬 く5一
ム 5 5‘ 図 くo,
冩 x55M く7−
+
75 團一
塵 4 巴 口 十 3 。窺
十 2 爻 IDoo 10凱
(
凵 Z一
X } 》 ト駒
OOJ 旧 》.
X く Σ o,
01 7M=
s 8 25Mく3,
0 35陽 く .一
口 45閣 (5一
ム 5‘隔
く6■
翼
● ‘ 師 く7−
+ 5 7 ‘蘭一
‘
x 十 4 口 巴 A ▲ ‡ ム 圏 3 ロ凹 会 勘 x 侶.
2o81
10 1 j O(
国 ≡ と》
〉 ヒ OO 」 国 〉.
× 《 Σ T M=
8 O.
OI10
100
1000
1
10
100
tOOO
HYPOCENTRAL DISTANCECKM
}HYPOCENTRAL DISTANCE
CKM
)図
一4
観 測値 と 実 験式 (実線 )との比 較 (最 大速 度 )左一
GR,
右一
RO 実 験 式 ;V =
亅0°.
e「”−
n.
−e’
s・
6 /megx−
〔°・
SSI・LSS/M 6 2‘ 麟 く3−
o 35麟く4一
口 05M《
5−
△ 55麟く ■一
属 ● ‘ 网 く7一
φ 5 75 図一
‘ x 十 4 ゆ ム 3 ロ 20 A 十 D ロ ロ 囗囗 ” 2 100 0 ¶ δ 旧 ω》
1 凵 Σ昂
← ZO需
← 《 = ⊃ O o.
り b9冨
0。
31h←0.
ア7 ⊂H9880“,
A“40, o↓
oo o∂ o舞
ぽ ゜Po o123 4 5 6 MAGNlTUDE 7 8 100 10(
O 田 ωり
凵 Σ一
ト 1ZO一
← 《 = ⊃ O o.
1 logL昌
0.
31M−
O.
77 {HI8凰d旦.
加 Oo, Oo 91ρ
ooo ooも o123 4 5 MAGNtTUDE 図一
一
5 観 測 値と実験式との比 較 (継続 時間)左一
GR,
台一
RO 678式もいくつ かあり
,
その 算 出 方 法の違い によりバ ラ ツキ も 大きい が,
こ こ で は提 案 式の 1例と し て,
Hisada・
AndQ
の式17)を併せ て示し た。
RO での結 果は,
GR よ り バ ラ ツキ が大きいが,
平 均 的に は提 案 式によく合っ て い る。
し か し,
GR の結果は, 大きなマ グニ チュー
ドの デー
タ が少ない た め, 全体 的な傾 向は議論で き ないが, た だマ グニ チュー
ドが小さい 範 囲 (M 〈5)でや や提 案 式よりも継 続 時 間が長く なっ てい る。
こ れ は堆 積 地 盤 内 で の継 続 時 間の伸びも一
つ の原 因 と考え ら れ る。
以 上,
観測記録の最大 振 幅に関 する距 離 減 衰および継 続 時 間につ い て既存の実験 式と比較し た結 果, こ こ で得 られ た範 囲の デー
タにつ いて は, ほ か の地 域で得られ た 結果と大差な く,
こ の 2つ の物 理 量につ い て は,
地 形 お よび地 盤 構 造 等に起因す る特 殊性は存 在せ ず, 岩盤 上 (RO
)の最 大地動, 継続時 間につ いて は実 験 式の適 用 が可 能と考えられ る。
3.
波 形 合 成 方 法 大 地 震の震源 域で発生し た小 地 震 (前震 あるいは余 震) の震動記録 をグリー
ン関 数 とみ な し て大 地 震 時の地 震 動 を推 定す る方 法は,Hartzell
(1978 )s )に よっ て試み ら れ て以 来,
多く の 研究者に よっ て研 究 がな さ れ, その有 効 性 が 示 さ れ て い る。
本 論 文 で はlrikura
(1983, 1986)9}・
lo〕に よ る大地震と小地 震の震 源パ ラ メー
ター
間 に相 似 則が成り立つ と し た評 価 法 を 用い る。
ただし, 相 似 則が完全に成 立し ない 場 合でも以 下の方 法で合 成 が 可 能である。 詳 細は文献に譲ることに し, 簡 単に その波 形 合 成のた め のパ ラ メー
ター
選定 方 法を以下に示す、
(1 > 重ね合わせるべ き小 地 震の 数は,
大 地 震と小 地 震の地 震モー
メ ン ト比に よ り決まる。
(2
) 大 地 震の断層面の分割個 数は, 大 地 震と小 地 震 の断 層 面積比で決め ら れ る。
(3) (2)で分 割さ れ た個々の 小領域か ら, 大 地 震 と小地震のすべ り量 の比に相当す る個 数の小 地 震 が継 続 時 間T
(大 地 震の立ち上が り時 間)内に 生 成さ れ る と考えて,
各小領域か ら 発生する地震 波を計 算す る。 以 上の パ ラ メー
ター
を用いて次に示す (1 )式によ り 大 地 震 時の強 震 動が合 成さ れ る。 σ(t)=
歯歯
IF
〔t−
ts、)*u(t)… ・
・
……
(1
) i−
u−
1r ‘ノ こ こ で,U
(t
)は大 地震の震 動, u (t)は要 素 地 震 の震 動,
r は要 素 地 震の震 源 距 離,
ri∫ は (i,
j
)小 断 層の震 源 距 離である。
また,
ttJ=
(rw−
r。)/β+動ノV で,
r。
は大 地 震の発 霞 点 か らの 距 離,
動 は断 層 面 上の発 震 点か ら (i
, JO 要 素 断層ま で の距 離,
βは伝 播 媒 質の S 波 速 度,y
は破 壊速度で あ る。F
(t)は次の式で与え ら れ る。
14
・ω
一
・(・)・÷
讐
・[
t−
(h −
・)繭
。]
・
・
一一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(2 ) こ こ で,
n’
は任 意の整 数,
τ は大 地 震の ライ ズタイ ム である。
(1}, (Z)式は,
経 験 的グ リー
ン関 数と して用い る 小 地 震の震 動 も予 測の対 象と す る大 地 震の震 動も共に ω 2乗モ デル に従う と し た 場合に有効で あ る (lrikura
,
1986)1°} 。もし,
そ れ ら が ω2
乗モデルか ら外れ る場 合は, 多 少の式の改 良が 必要と さ れ る。
4,
山 崎 断 層に よ る1984
年5
月30
日 (M
≡5.6
)の 本 震の波 形 合 成 前 章に示し た波形合成に 必要なパ ラ メー
ター
を決め る ため,RO
で の記 録か ら地震モー
メ ン ト,
断層面積 を求 め る。
一
.
般 に遠 方 場で のS
波の 変 位フー
リエ ス ペ ク トル振 幅U
(T}は,
震 源ス ペ ク トル に距 離 減 衰,
伝 播 経路の 粘 性 減 衰および観 測 地 点の 地 盤 構 造に基づ く増 幅 率 等を 考 慮 し,
(3)式の よ うに表さ れ る。
u
・・)一獣
響
)・備 跚・
…・
…・
・
・
… こ こ で,R
(θ,
φ)は ラ ディエー
ショ ンパ ター
ン係数,
M。(T>は震源スペ ク トル で T−
。 ・ で地 震モー
メ ン ト に一
致 する。 ρは媒 質の 密 度,V
。 はS
波速度,
X
は震 源 距 離で ある。
Q
は伝播経路の粘 性減 衰を表す.
Q
値,
H (T)は観 測 地の地 盤の増 幅 率であ る。
Q
値 (S 波 )の周 波 数 依 存 性につ い て は,
種々 の地域で求め ら れており
,
Biswas and Aki (1984
)1s 〕か らQ
、
の み 引 用し,
図一
6に示す。 図に はAkamatsu (1980) 19 〕 1♂
一
2 10−
tQs t(∫3 1σ、
σ・1
♂
t
、。
、。 ・ FREQUENCY (Hz 》 図
一
6Qs
の周 波 数依 存 性 (文 献 18)に加 筆 )10n
10
’
310
−
4D
寉SPI _
ACEMENT
SPECTRUM
1
(ゴ50 .1
くCM
SEC
)
No.
13 fc Ω 9 ω,
21.
0
10
FREQUENCY
(Hz
)io2
図一
7 変 位ス ペク トルー
定 値お よ びコー
ナー
周波数 を求め る方 法 による近 畿 地 方の 小さい 地震か ら得られた値お よ びIwata
andIrikura
(1988 )2°〕に よ る 日本 海 中 部 地 震か ら得ら れ た値 を加筆し た。 図か ら
Q
値は周 波 数f
と.
と も に大き く な り,
その周波数 依 存 性は地 域によ り異 な るこ と がわ か る。
こ こ では,
近 畿 地 方で得ら れ たAkamatsu
の結 果を用い る。 す な わ ち,
Q
=
=
110N/ア
とし てスペ ク トル のQ
値 補 正 を行っ た。一
方,
地 盤の増 幅 率H
(T
) は用いる観 測記 録 が 岩 盤露 頭 部で の もの である ため増 幅 は考慮せず, 自由地 表面の影 響の みを考 慮し て2と仮 定 し た。
(3 )式か ら岩盤 露 頭 部で得ら れ た 15の地 震のう ち表一
2に示す 浅い地 震の み13地震につ い て S 波の震 源 変 位スペ ク トル を求め,
例え ば図一
7に示 す よ うに低 振 動 数 域で一
定,
高 振 動 数域で ω一
2に比 例す る そ れ ぞ れ の漸 近 線の 交 点を 求 め,
コー
ナー
周 波 数fc
とし た。
また, 低 振 動 数側で の変位ス ペ ク トルー
定 値 9。を 求め,
(4)式か ら地 震モー
メ ン トM
。を求め た。
表一
2 観測 地 震の諸元 (岩 盤 露 頭 部 )No
,
Date Lρ it岨e Latitude Epi・
dist・
Depth 籃巳9囗i加dede日
・
ロin・
deg・
印in・
k皿 聖皿 J遵A 1 1983/04/且0 23:55 135 25.
0 2 1983/06/1119:10 135 12.
6 3 1983/06/17 08:25 1S5 6.
1 41983 /OT/0505 :4B 匙356.
3 5 1983/07/29 19:22 135 5.
9 6 19S3/11/25 io:18 135 24.
5 7 19S4/05/05 02:13 135 4t.
5 8 1984〆05/30 09:39 134 35.
6 9 1984/05〆ae O9:5且 134 36,
1 10 1984/05!30 10:03 134 3了,
4 11 1984/06/02 16:13 134 35,
4 12 1984/06/15 00:39 135 26.
且 13 1984/06〆25 20:52 135 7.
5 * 19S7〆05〆09 且2:53 135 24.
5 34 32.
934 8.
934 10.
334 8.
934 9,
534 13.
834 53.
434 57.
634 56.
834 56.
534 57.
734 13.
434 10.
534 8.
6 09344855315917 22333169939132152334437868968 111111 37865366903546 333a 凪 a41 琢 4
,
5 鼻 翫 塩 瓢 *:5章で用いる 対 象 地 震 表一
3 観測地震の震源パ ラ メー
ター
NaS8is皿ic 皿oロent Corner fr閃 uencyFault
arett
Date Andrevs
’
Mm Mo (dyn・
c■) (dyn・
c囗) A皿dre鴨’
fc fc (Hz) (Hz》 bア Sato(1973) (km2) 1234567890123 11
1 1 1983/04/10 23:55 且98
.
3/06/11 且9:LO 1983/06〆17 0臼:25 1983/OT/05 05;4B lgS3/07/29 19:32 1983ノニ1/25 10:18 1984 /05 /05 02:i3 1984/05/30 09:39 1984/05/30 09:51 1984/05/30 10;03 1084/05/02 16:13 1984/06/16 00:39 1984/06/25 20t52 0.
211E十220.
642E壱220.
155E十230.
540E十220、
557E十220.
254E畢220.
117E暑240.
2皇8E十250,
591E十240.
535E十240.
697E十230,
411E十220.
316E寺23 0.
218E十220.
633E十220.
135E十230
.
593E十220.
594E十220.
256E十220.
142E十240.
233E十250.
572E十240.
521E十240.
7T7Ef230.
518E十220.
322E十23 8455206344762 5323 郵 4,
2LLLa32,
4458028910333 5,
a 詠 a4.
鼻 LaLLa 包 2。
0.
130.
330.
600.
260.
240.
211,
IB5、
06 (8.
1) 3.
093.
740.
710.
350,
?1 ( ) 余震域から求め られ た値
Mo=4
πρ7・
yl
Ωo/R
(θ,
φ)・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(4)こ こ で
,
ρ= 2.
79/cm3,
Vs
=
3.
7km /s,
R (θ,
φ)=
0
.
63 〔Boore
andBoatwright
(1984)2’)に よ る平 均 的な 値〕と し た
。
本 合 成 法は大
,
小 地 震が先に述べ た よ うに,
Aki (1967)z2)の示 した ω 2 乗ス ケー
リ ングモ デル に従う と 想定し て 公式 化さ れ たもの で ある ため,
そ の適 応 性を調 べ る。
Andrews (1986>23} は,
震 源 ス ペ ク トルが ω 2乗 モデル によっ て規定さ れ る と し,
コー
ナー
周 波 数と変 位 ス ペ ク トル の一
定 値を決 定す る Automated objective method を提 案 し た。 す な わ ち,
ω 2乗モ デル の変 位ス ペ ク トル D(f
)は,
(5 )式によ り与え ら れ る。
90
D(∫)
=
1+(f
/コ
tJi) i.
… ’
… ’
… ”… ””
く5 ) こ こで,9
。は変位ス ペ ク トル の一
定値,fc
はコー
ナー
周波 数で あ る。
彼は単 純化の た め に速度ス ペ ク トル (V
(f
)==D
(f
)/2”f
)を 用い,
(6),
(7 )式か ら (8),
(9 )式の よ うに コー
ナー
周 波 数お よ び変 位ス ペ クトルー
定 値 を 得た。
・D−
・∬
酬 ∫)d
∫・
・
……・
…一 ……一 ・
(・)sv
−
2∬
yw
∫・
……・
………・
……・
…・
(7
) 丿墜=
1/2π(sV
/SP
)1/2…・
…・
……・
……噛
…
(8
>90=
(2SD /πノ∂】/2………
………・
…・
…
(9 ) 地震モー
メ ン トM。は前 述し た よ うに,
(9) 式の Ω。 を (4
>式に代入 する ことに よ り得ら れる。 表一
3に前 述のHand・
readingMethod
お よ びこ こ で の Andrews のAutomated
Ohjective
Method に よっ て 得られたfc
とM
。の値を 示す。
また, 図一
8および図一
9に は両 方 法に よっ て得られ たfc
とM。の それ ぞ れの 関 係を示す。 こ 10.
O(
N 巴 ρ 1 00 = 卜 凵 =亀
ω ミF
凵 【 OZ < 》 ロ > OZ 凵 ⊃ 〇 四 口 匹 匡 凵 Z 匡 OO O.
1 0.
1 1.
O IO.
e CORNER FREQUENCV BY HAND冒
READING{Hz}
図
一
8 Hand・
reading method と Andrews’
automatedeb 亅ective method によっ て得られた コ
ー
ナー
周 波 数の関 係一
16
一
れ らの図か ら, 両 方 法に よ り得ら れ る 地震モー
メン トは よ く一
致 し て い るが,
コー
ナー
周波 数に つ い て は,
Hand−
reading に ょっ て求め ること が 難 しい 場 合 が あ り,
地 震モー
メ ン トほ どの一
致度は ないが, 全体的に は ほ ぼ 良 好な結 果であり,
こ こ で示し た デー
タに関す る 限 りω 2 乗モ デ ル に従う もの と考え ら れ る。
断 層 面 積は一
般に は余震 域か ら決め ら れ る が,
小 地 震 に対し て は観測 上の 制約か ら一
般に は因 難であ り,
ほ か の推 定 方法 が 必 要 で ある。
そ こ で,
種々 の断 層モデル によ り,
地 震 波の コー
ナー
周 波 数 と 断 層 面 積との関係が研 究さ れ て きた24〕
・
z5}。
こ こ で は,
Sato
andHirasawa
(1973
>:4)に よるコ
ー
ナー
周 波数f
.
と 円形ク ラ ック の半 径 r との 関 係 を示 す 次 式を用いて断層面積S
(S =
πrZ)を 求め た。
r=
Cs・
V 。/f
。’
…一 …・
…・
…・
…………・
・
…・
(lo) こ こ で, (10)式に示す係 数C
。は破 壊 速 度VR
とS
波 速 度Vs
との比に依 存 する値であ り, こ こで は ぬ=0.9
Vs
と し た時の 値.
す な わ ちC
。=
0.
295 を 用い る。
(注 : こ の値は文 献2G }の pp.
82ユの 表 よ り 求 め た もの で あ る。
)表一
3には得ら れ た断 層面積も合わ せ て示し た。
た だ し,
山 崎 断 層の本震につ いては,
余 震 域か ら断 層 面 積が求め られて い る。
表一
3の 中で 山崎断 層の 本 震はNo ,
8
であり,
要 素 地 震と して考え ら れ る余 震はNo .
9, 10, 11の 3個で ある。
文献 t7) に よ る と,
ほ と んどの余 震は本 震とほ ぼ同じ発震機 構を有す る が, ただNo .
9の 最 大余震は本 震と少し異 なっ て いること が示さ れ て お り, ま た要 素地 震 と して は な るべ く本 震に比べ て小さい 地 震が好ま しい た め, こ こ で は No.
11を要素地震と し て用いた。以上め 結果か ら波 形 合 成に必 要な 地震モ
ー
メン ト比お よび断層 面 積比が得られ るが,
さ ら に次に 示 す 断 層の幾 何 学的な 量 お よ び断 層 運 動を表す 量 が 必要で あ る。
t5§
t°聖
望
1e4 臣9
§ 《2
盍
’
11cfe
薙
詈
0 22 袰 109語
函 co 2t lO 1♂1 1022 t♂s loN 1♂sSEISM ■C MOMENT BY HAND
−
READ ■NO(OYNExCM ,
図
一
9 Hand・
ieading method とAndrews’
automated objectivemethod によっ て得ら れ た 地震モ
ー
メ ン トの関係 o(ユ) 本震の 断 層 面の走 向 φ。 , 傾 斜 角 θ, くい違い
の方向λ (幾 何 学 的な量)
(2) 断層 面の長さ
L ,
幅W
(静 的な物理 量)(
3
) 本 震の断 層形 成 時間 τ,
破 壊 速 度VR,
破壊の出 発 点, 破 壊の進行 方 向 (運 動 を記 述す る 量〉
た だし
,
(1)の くい違い の 方 向は, 本震 と小 地 震と も同じ と仮 定で き る と き や,
ま た た と え それ ら が異なっ て も,1Hz
以 上の 高 周 波 数の 震 動で はRadiation
pat−
tern が明 瞭で な い こ と が知 ら れて お り, こ こで は考慮 す る 必要が ない28 )。
山崎断 層に関 して は
,
京大防災研 究 所の鳥取微小 地震 観 測 所におい て, 高精 度な地 震 観 測 が 実 施さ れ て お り,
こ こ で用いる地 震につ いても 多数の デー
タ が得ら れ,
本 震の震 源 過 程 等につ い て詳し くまとめ られ てい る27)。
し た がっ て こ こ で は, 本震の各パ ラ メー
ター
につ いては文 献ZT}を 引 用 して表一4
に 示す。 本 震 と 要 素 地 震 (余震) との地 震モー
メ ン ト比は,
表一
3か ら 30程 度と な り,
ま た断 層 面 積 比は 12 程度と な る。 した がっ て, 前述の 波形 合 成のた めの パ ラメー
ター
選定 方 法に従い, 図一
ユ0 に那 す ように,
は じ めに本震の断 層 面 を16分割 し,
各 小領 域に割り当て られ る小 地 震の 数 を2とす ること に よ下
w 表一
4 山崎 断 層の震 源パ ラメー
ター
Strike
翼46°” Dip An81e 80°
S” 配akoA
黯8:e.
O00 Fault Are己 8.
1 2 (掌) 飛upturo 騨01.
2.
5 肚區!sgo Risg Ii厘e 0.
1seo (*)余 震 分 布から L,
響
図一
10 山 崎 断 層の断 層モデル り,
全 体の重ね合わ せ数を地震モー
メ ン ト比に一
致させ て合 成を行っ た。
小領域 内に割り当て られ た小 地 震の数 は,
本 震 と小 地 震のすべ り量の違いを補 正 する た めの も の で ある。
本 震お よび余震の記 録は
,
RO お よ びGR
で同時に得 ら れて い るた め,
こ こ では両サイトで の記 録 を用いた。
計 算は発 震 点 をパ ラメー
ター
に して行い, 観 測結果と合 成 結 果の 比 較は (ll )式, (ユ2> 式に示すcorrelationfunction
φ,
amplitude ratio α と,
工学 的に よ く用い ら れ る速 度 応 答スペ ク トル お よ び (13)式に示すスペ ク ト ル強 度S ,
1,
の比 βに よ り行っ た。 φ=[
ズ
∫(ガ}9(孟一
ガ)d
〃(
ズ
ノz〈t)dt ・
ズ
9・ωd
の
v1……・
………・
・
…・
・
…・
・
一
(11) ・一
[
∬
∫・dt
/ズ
朔]
1 /2…・
・
…………・
・
…
(12 > βイ
5 ・v。
{・)・・/fl5
… (・}・・……・
・
…・
(13
)こ こで
,
f
〔t)は合 成 波 形を示し, g(t
)は観 測 波 形 をそれ ぞれ示す。
ま た,Svs
(T)お よびS
. (T
)は,
それぞ れ合成波形お よ び観 測 波 形の減 衰 定 数5
% の速 度 応 答ス ペ ク トル で ある。
図一
ll に GR で の記 録につ い て の比 較 結 果 を示す。
Φ
ii1
1.
6 曾.
4 ts α 1
.
t 1.
t 重.
o o.
9 0.
8 t,
pl
:
:
:
E−W
碣
\
/
率
}
3 2 ,弖
:
S.
P.
:8量art polnt o,
o e.
eΦ
゜・
o.
6 0.
111 α t.
1.
0 口 ‘1.
3, {2.
3, {3.
3} ‘4,
3, S.
P.
21000 11100β
‘1.
3} {2 β, t3,
3 , い.
5 ,S .
P。
‘1,
S, ‘2,
助 ‘昂●
S, (4,
S ) t1,
S) ‘2.
帥 13.
3⊃ “,
s, S,
P.
S.
P.
図一
11 発 震点の位置によ る合 成 結 果の変 化 (GR) 上一
相 関 関 数,
中一
振 幅 比,
下一
ス ペク トル強 度 比図か ら発 震 点 を (4
,
3>と し た場合が,E −W ,
N −S
方 向 成 分と も相関お よ び振 幅の一
致度が もっ と も良く,
ま た その 時の合 成 波 形お よ び応 答ス ペ ク トル は, 図一
12 お よび 図一
13に示す よ う に観測値をよ く再 現して い る。 た だ し,
発 震 点 を (2,
3)と し た 場合で も波 形の振 幅 包 絡形は多少異 なるもの の,
ス ペ ク トル等は よ く再 現で き ている。
ff属
o一
52e 恵。一
2020忌
o一
20E−
Wll
榊
m 己翼自
19.
3N−S
榊
滞
26 葱。一
2e 2e.
0…
…
P OO ●葛
゜一
・
26 2e 言。一
28}
0 図一
12 合 成波形 と観 測 波 形の比較 〔GR > 上か ら合 成に用いた余震 波 形,
合 成 波 形 (発 震点を (2,
3)と し た場合 ),
合 成 波 形 (発 震点を (4,
3>と し た場合 },
本 震の観 測 波 形 をそ れ ぞ れ示す。
次に, RO での デー
タに.
より同 様な計 算を行っ た結 果 を,
図一
14一
図一
16に示す。 堆積地 盤 上に比べ, 短周 期 成分が卓 越 する た め,
全体的に相 関は極端に悪く なっ てい る。
図か ら発 震 点を (2,3
)と し た場合が振幅, 相 関,
振 幅 包 絡 形お よ び応答ス ペ ク トルと も比 較 的観 測 値 を 再 現で き て い る。
ただし,
発 震 点 を (4,
3) とし た場 合, 最 大 振 幅および φ,
a,
βは ほ ぼ良好な もの の, 振幅 包絡形 お よび応 答スペ ク トル と も GR での結果と異な り観 測 値と の一
致 度は よ く ない結果と なっ た。
こ の よ う に RO とGR
とで発 震 点の違いが生じ たの は,
GR の観 測 記 録はサ イ ト特 性の影 響を大き く受け る た め,
震源の 特 性は相 対 的に小さく なっ て いる た め と考え ら れ,
従っ て GR の解 析か らは震 源の情 報は引き出 しに くい こ と による もの と思わ れ る。 な お,
RO での結果に おいて,N −S
方 向 成 分の loHz 付近にあ る観測波 形の ピー
ク は,
合成 波 形に は み られ ない とい う問 題 点は残され てい る。 文 献2η に よる と,
余 震 分 布の 中の本震の 位置は北西 方 向の下部にあOP i 上述の発 震点との整合性がある。
な お,
こ こで は断 層 面 上の破 壊の伝 播 速 度 や すべ り量は一
様で 決 定論的に与えられ る と仮 定して いる。 しか し な が ら,
大 地 震の予測に本手 法を適 用する場 合に は それら の パ ラ メー
ター
は断 層 面 上のゆら ぎ,
すな わ ち不 均 質性をもつ と考え ら れ,
強 震 動の予 測 精 度を検 討す る上で重要な問 題の 1つ で ある。
また,
本 合 成 法は要素地震の震 源 過 程に対し
Single
Shock
を暗 黙に想 定して い るの で,
Mul−
tiple
Shock
の場 合は本 合 成 法を直接用 いるこ と はで き ない。
ただそ の場 合には,
例え ば文献29) に示さ れてい る 方 法は その一
つ の解 決 策であ ろ う。5.
近 距 離にお け る中 規 模 地 震の波形合成 4.
で示 したよ うに,
比 較 的 遠 距 離地震で,
震 源パ ラ メー
ター
が観測記録か ら決 定さ れ,
しかも 発震 機 構が本 震 と 2KINE lo O O l t 叫 ω ZO 匹 の 山 匡j
O
.
「 田 》曾
210−
3 10 5 』 0雷
h kOO 曲 07 髄 ^「
,
」
V 孔ハ
6 W一
E , ノ’
1σ20
.
11
.
O PERIOD 〔SEC ) 10 lO2 KIN匚O
O −.
ー 口 の ZO 匡 ω 田 匡 」 0.
」 田 〉 1σ2 1σ3 N−S
h団
o.
05」
9
丶」
、
,
竃
丶
ヘ
ノ’
v「
丶唖
_
「 / , AmgrOhook
一
210 0.
1 1,
0 PER [OD くSEC } 図一
13 合成 波 形と観測波 形の速 度応答ス ペ ク トル で の比較 (GR) 細 線一
合 成波 形 (発 震点を (2,
3>と し た場 合 ) 破 線一
合成 波 形 (発 震 点を (4,
3)と した場 合 ) 太線一
観 測 波 形 Io一
18
一
4 3 2 1 o
.
ol:
1
Φ。.
、1
:
l
o.
o 1.
3 1.
2 1卩
α 1.
o o.
9 0.
B;
:
2β
1
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t43 ca3 }C23)ICI
31234 E
−
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P.
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3} く2、
S , ‘3.
3, “.
3, S.
P、
S,
P.
S.
P,
o.
Φ。.
00 1.
3 1.
2 α1鹽
1 1』 o.
9 0.
e 1.
2 1β
’・
°1
:
:
0.
TS.
P.
,S .
P.
華
図一
14 発 震 点の位 置による合 成 結果の変 化 〔RO) 上一
相 関 関 数,
中一
振 幅 比,
下一
ス ペ ク トル強 度 比 2 KINE lo 00 4 曇
,
ー 旧 の ZO 匹 ω 凵 匡 」 0.
」 山 〉 1σ2 h己
0.
05 E−
W亀
厂
1 7一
’
「
4「
Af量6r8hook・
}
ノ’
ノ「
σ31 σ2o.
11.
0
10 E−
W酌
;
極
晶
t5 葛o一
15 15喜
o一
15 N−
S躯
認
抽
晒
曜
10 葛。一
10{
伸
沸
磁
・
・
一一
「
。− 5ee 3ge 図
一
15 合 成 波形 と観測波 形の比 較 (RO ) 上から合成に 用いた余 震 波 形,
合 成 波形 (発 震 点 を (2,
3)と し た場 合 〉,
合 成 波 形 〔発 震 点 を (4.
3>と し た場合 ),
本 震の観 測 波形 を そ れ ぞ れ示す。
lO2KINE 0 0
」
ー.
1 図 ω ZO 匡 の 山 匡 J O,
」 山 〉 1σ21(O
∫
31σ2
0
.
11
,
0PERIOD (SEC }
PERIOD 〔SEC ⊃ 図
一
16 合成波形と観 測 波 形の速 度 応 答ス ペ ク トル で の比較 (RO〕 細 線一
合 成 波 形 (発 震 点を (2,
3}と し た場 合 ) 破線一
合 成 波形 (発 震 点 を 〔4,
3)と し た場 合 〉 太 線一
観 測 波 形 N−S
h=
0.
05、
L、
,
v、
r’へ 牲1
’
《」
酢A髄6r 8hO6k,
“ 丶、
、 10 同 じであ る余 震 を要素地 震とし て合 成すれば,
か な りの 精 度で再 現で き る こ と が わ か っ た。
こ こ で は, 同じ手 法 に よ り, 震源が近い地 震の場合につ い て検 討す る。
合 成,
の 対 象 とし た地 震はM ;
5.
6の中規 模地 震 (以下 対 象 地震と呼ぶ )であ り,
そ の諸 元 を 表一
2に示す。
こ の地 震の規 模は前 述の 山崎 断 層に よる本 震と同じであるが,
山崎断 層の 地 震 とは異な り, ほ と ん ど前震,
余震の発 生 が み ら れ なかっ た のが特 徴で あ り, そ の発 震 機 構 等に関 す る報告も さ れて いない のが現 状で ある。
そこで,
要 素 地 震と して は対象地震とほ ぼ同一
方 向で若 干 距離の異な る場 所で発 生 したM
= 3,
3 (表一
2に示すNo .6
)の 地 震を用い た。
し た がっ て,
対 象 地 震と要 素 地 震の発 震機 構が同じで あ る とする保 障は ないが,
前 章で も述べ た とtern が 明瞭で な い こ とが 知 られて いるの で
,
発 震 機 構 の違いは無 視 し て も差し支えない もの と考え られる。 対 象 地 震の 記 録は,
装 置の不 調の た めGR
の もの だ けで ある。
し た が っ て,
地 震モー
メ ン ト比とし て は,GR
の 記録 を 用い て変 位スペ ク トルの低 周 波 数で の平坦レ ベ ル か ら求 め,
約 220の値を得ている。
断 層 面 積 比は対象地 震の 断 層 面 積 を 山 崎 断 層と同じ8.lkm2
と考えると,
表一
3か ら38と な り, 断 層 分 割は 図一
17に示 す よ うに 6×6と し た。
し たがっ て,
地 震モー
T
・ 6 5,’
T s … 」噛
、
厂
・
、
」
9
■
f 6に
ヒユ_ _ _
、_ _ _ _
凋
L=
4 km W=
2 km 表一
5 近 距 離 地 震の震 源パ ラ メー
ター
Strike 闘300
脚,
闇450冒
,
閥600冒 仮 定 Oip Aコ810
90
° 腱a ヒo 仙 ‘le 0.
0
° FaultArga
33.
9k評 (8.
lk面f
) 経 験 式 臓uptum u9匿.
2.
5k 国ノ5eo Rise τi
囗e O.
66s8c (0.
1
開c) … ) 図一
17 対象 地 震の断層モ デ ル 5 葛。一
520 喜o一
202e言
o一
20 20 葛。一
20 E−
W 冖 … 0 OO8 図一
18 対 象 地 震の合成 波 形と観 測 波 形の比 較 (GR) 上か ら合成に用いた 小 地 震,
合成 波 形 (モ デ ルー
1),
合成 波 形 (モデルー
2),
観測 波 形 を そ れ ぞ れ示す。
lo2 00 1
.
1 凵 ω ZO 佳 ω 回 僅 」 O 」 山 》1
σ2 ( ) 山崎 断 層の本 震の値KlNE
E−
Wh=
O.
05 E−
W」
L 广 ♂ 1 ’ ’ ハ8Sm、
旦■98hock ’ , 濡 ’ v、幽
、’
一
∠ !「
「
1σ316
’
20
.
t1
.
O PERIOD (SEC
} 10 図一
19 対象地 震の合 成 波 形 と観 測 波 形の速 度 応 答ス ペ ク トル で の比較 (GR ) 細 線一
合 成 波 形 〔モ デ ルー
1) 破 線一
合 成 波 形 〔モデルー
2) 太線一
観 測 波 形 メ ン ト比が 220程度で あ ることか ら, 小 領 域 内に割り当 て られ る要 素 地 震の数は6と な る。
対 象 地 震の ライ ズタ イムお よ び破 壊速 度 は 表一
4の 山崎 断 層の値を用い る。
一
方,
断 層 面の走 行,
傾 斜 角といっ た幾 何 学 的な 量につ い て は,
過去に発 生し たこの近 傍で の地 震の値を一
っ の 目安と す る と と もに, 走 行につ い て は表一
5の よ うに 3 と お り設 定し た。
以上の パ ラ メ
ー
ター
を設 定し,
図一17
に示すモ デル (モ デルー
1)に より発 震 点を変 化さ せ ることにより,
合成波形と観測 波 形 を 比 較し た結 果の中で最も良 好な も の につ い て図一
18,
図一19
に波 形お よ びス ペ ク トル を それ ぞれ示す。
図か ら合成 波 形の振 幅,
振 幅 包 絡 形と も よ く観 測 記 録を再 現で きている。
また,
応答ス ペ ク トル はピー
ク お よ び応 答 値ともよ く一
致 してい る が,
0.
1秒 お よ び1秒 付 近で合 成 波形の応答 値が若 干 観 測 波よe小 さくな っ て い る。
な おこ こ で示 し た結 果は,
走 行をN
45°
W
と し, 発震 点を (4,
5) と し た 場 合で あり,
走 行 をN30 °
W あ るい はN60 °
W と した場 合で も大き な結 果20
一
の相違は み ら れ な かっ た
。
ち なみ に, 前 述の比較の ため の measure で あ る α とβはそ れ ぞ れ1.
03,0.9
で あっ た。
ま た,
前述の山 崎 断層の場 合 と同様,
発 震点 (4,
5) は断 層の下 部にあた り, 浜田 (1987
) 3°1 の大 地 震の破 壊 は断 層の下 部か ら始ま る とい う調査結 果と符 合す る。
次に, 合 成に必要な対象地 震の パ ラメ
ー
ター
を既存の 経 験 式か ら求め た 場合の結 果を示 す。
マ グニ チュー
ドか ら地震モー
メ ン ト を推 定す る経 験 式 とし て (14
)式のSato
(1979>31} を 用いれば,
対 象 地 震と要 素 地 震の地震 モー
メ ン ト比は 2818 と な り,
断 層 分 割は 14×14,
各小 領 域に割 り当て ら れ る要素地震の数は 14とな る。
こ こ で,
断 層の大きさ (面 積S
)を 推定す る経 験 式と して (15 ) 式のSato
(1979)31)を用 い る。
また,
ラ イズタ イム r は (16>式のGeller
(1976 )32}を用い る 。破 壊 速 度V
, は,
平 均 的 関 係 と して指 摘 さ れ たGeller
(1976)3z }のV
,=
0.
72Vs か ら得る。
Vs
は伝 播 媒 質の S波 速度で あ る。 得られ た各パ ラメー
ター
を表一
5に示す。
(モデルー
2)10gMo =1.
5M
十16.
2………・
・
………・
・
……
(14)log
S ;M −
4.
07・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(
15
)r
=
16Si/2/7π3 /IVs………
………・
t…
(16)
発 震 点を モ デル
ー
1とほ ぼ同じ位 置で ある (10,
12) と し た 場 合の 結 果を図一
18お よ び 図一19
に モ デルー1
の結 果と と もに示 す。 図から最 大 振幅は よ く一
致 してい るもの の,
振幅包絡 形およびスペ ク トル形状は合っ て い る と は言い難い。 ちな み に α, βは そ れ ぞ れ,
a=O.86
, β=
1.
39で あっ た。以上 か ら
.
経 験 的グリー
ン関 数法を用い る場 合,
震源 パ ラメー
ター
が適切であれば, 前 章に示 した合 成結果と 同様か なりよ く波 形 を再 現で き るこ と が示 され た。
し か し,
経験式を用い た場 合に観 測結果を う まく再現で き な かっ たこ とは,
小さ な地震のマ グニ チュー
ドの精 度に問 題 が あ ることも考え られ る と 同時に, 経 験 式が地 域的な 変 化の平 均 値であ るため,
地 震 動評価の対 象と な る地域 (こ こで は近 畿 地 方 )に おけ る経 験 式を用い る必要の あ る こと を示 唆 するものである。
次章では,
4章で得た13 地 震の震 源パ ラ メー
ター
間の関係を求め,
既 存の経 験式 と 比較 検 討し,
経 験 的グ リー
ン関 数 法を強 震 動予測に用 い る場合の 問題 点 を考 察す る。
6.
経 験 的 グ リー
ン関 数 法に よ る強 震 動 予 測の 問 題 点経 験的グ リ
ー
ン関 数 法に よ る波 形 合 成の手 続き に従 い,
中規模 地 震の地 震 動 記 録の合成結果が前 章 まで で示 さ れ た。 将 来 起こ り得る大 地 震の強 震 動 予 測に本 方 法を 適用 する場 合,
合 成の手 続きに従えば, 大地 震と小 地 震 の震 源パ ラ メー
ター
間の 関 係が理 論 的 あるい は経 験 的に 推定さ れ なけれ ば な ら ない。
す な わ ち,
合 成に必 要なパ ラメー
ター
の与え方は,
3章で述べ た と おり であり , 小 地震の重ね 合 わせ数は,
大 地 震と小地震の マ グニ チュー
ドが与え ら れ れ ば 決定で きる ことが望ま しい。
地震モー
メ ン トとマ グニチュー
ドと の関 係 式は多 くの研究 者によ り研究さ れ,
地 域 的に異な るこ と が指 摘さ れて いる。
こ こ で は 4章で得 ら れ た13の 地 震に つ い て の震 源パ ラ メー
ター
間の関係を,
既 存の経 験 式 (マ グニ チュー
ドー
地 震モー
メ ン ト関 係,
地 震モー
メ ン トー
断 層 面 積 関 係な ど)と 比較 検 討し,
地
震の相似則が成り立つ のかどう か など を調べ る 。 こ こで得られた地震モー
メ ン トとマ グニチュー
ド との 関 係 を 図一20
に示 す。
Sato (1979)31)に よれ ば,10gMo =
1.
5M
十16.
2…………
…………・
…
(17
) であ り,
図 か らこ こで得られた結 果は ほ ぼ (17)式を 満 足 して い る。
最 小 自 乗法で地震モー
メ ン トと マ グニ チュー
ドと の関 係を求め る と,
(18)式の よ うにな る。
109M
,=
1,
3』匠 十17.
2・
………・
……・
……・
…
(18 ) 山崎 断 層の本 震 (M =
5.
6),
余 震 (M=
4.
3 )の地 震 モー
メン ト比をこ の 関 係から求めて も48程 度で あ り,
直 接 地 震モー
メ ン トか ら求め た値,
30 と大き な違い は ない。
し か し,
近 距離地震の合 成で用い たM ;
5,
6 とM =3.
3
の 地震の地 震モー
メ ン ト比は (18 >式か ら は 977 とな り,
観測記 録か ら求めた値,
220 と は 大 き く 異 な る。
これ はM
= 5.
6の地震の地 震モー
メ ン ト(GR で の変位ス ペ ク トルー
定 値から推 定 )が同じマ グニ チュー
ドの山 崎 断 層の本震の値より か な り小さい ためであ る。
こ の こと は,
この地震が前 震,
余 震 をほ とん ど伴わ な かっ たSlash
な破 壊に よっ て生 じたこと も一一
つの原因 で あ り,
今後こ の よ うな地 震の取り扱い に は注意 を要す る。 な お,
地震モー
メ ン トに比べ てマ グニ チュー
ドが大きい 地 震 め存在は,
単一
アス ペ リティ モ デル と し てDas
andKostrov
(1986)33)に よ り指 摘され て いる。
も う一
つ の重要なパ ラ メー
ター
である断 層 面 積S
は,
Kanamori
andAnderson
(]975)34)によ り