【論 文
1
UDC :691.
32 日本 建 築 学 会 構造 系 諭文 報 告 集 第 358 号・
昭和 60 年12月 コン
ク リ
ー
ト
の
ア
コー
ス
テ
ィ
ック
・
エミ
ッシ
ョン
特性
と
破壊挙動
に
関
す
る
基礎 的研 究
注 ) 正 会 員 正 会 員 正 会 員小
谷
山
阪
川
田
義
恭
和
夫
*雄
* *夫
** * §1.
まえがき コ ンク リー
トの力 学 性 質の本質を 理 解 するた めに は,
コ ンク リー
トの内部破 壊 機 構 を 十 分に認 識して お く必 要 が あ る。
また,
汎 用性の ある コ ン ク リー
トの破 壊 理 論 を 確 立する ために は,
コ ン ク リー
ト特 有の内部 破 壊 機 構を 可能な 限 り理論に反 映さ せ な け れ ば な ら ない。 コ ン クリー
トの内 部 破 壊 機 構,
と くに微 小ひび割れの 発生・
進展過 程の追 跡お よ び解 明につ い て は,
1960年〜1970
年 代を中心と し て, 世 界各 国で多 方 面 からの検 討が精力的に行わ れ,
い くつ か の有 用な知 見が得られ て い る6}・
7)。
これ らの研 究 を微 小ひ び割れ の観 察 方 法 別に 分 類す ると,
直 接 法 (顕 微 鏡,
X 線な どに よる観 察 ),
間 接 法 (超 音 波 速 度,
応 力 度一
ひずみ度 曲 線上 の特異点 応 力 度,
ひび割れ発 生音などの 測 定 )お よ びモデル解 析 法な どに大 別さ れ る。
し か し, こ れ らの測 定 方 法に は, いずれ も一
長一
短 が ある た め, 調 査 目 的に応じて測 定 方 法 を適 宜 選 択している のが現 状である。
これに対して,
固体内 部の微 小 破 壊に伴っ て発 生する,
可 聴 域よりも ずっ と高 周 波の応 力波 (通 常 Acoustic Emission (以 下,
AE
と略 記 ) と 呼ば れて いる〉 を 測 定の対 象と し たAE
法は, 得られ たAE
を詳 細に分 析する ことによっ て試 験 体内部の微 視 的 構 造 変 化 を 連 続 的に追 跡する こと が可 能で,
金属分野で は すで に計 測システム の一
つ と して定 着して お り, コ ン ク リー
ト工学の分 野で もそ の応 用とい う面で極めて有 効な測 定 手 段に な り うる もの と期 待さ れ てい るs)。
コ ン ク リー
トの AE 特 性に関しては,
すでに 京 都 大 学の一
連の研 究9 }弊
L21を 初 め,
静 的 載 荷 時のAE
挙 動 や繰返 し載荷 時の カ イ ザー
効 果を中心 とし た い くつ か の研究 成果13)−
2°, が報告さ れて い る が,
コ ン クリー
ト工 学の 分 野 にAE
法が適 用さ れ始め たの が 比較 的 最 近で ω 本 論 文は,
文 献1)−
5)を中心に加 筆してとりま と め たもの である。
拿 名古屋大学 教授・
工博 # 三重 大 学 教 授・
工博 魑 寧 名古屋大学 助手 〔昭 和 60 年 4 月 1日原 稿 受 理日,
昭 和 60 年 S 月 2日改 訂 原 稿 受理 日,
討 論 期 限 昭和 61 年 3月末日} あるこ と もあっ て研究成果は乏し く,
い まの ところ定性 的に も定量的にも 不 明な点が多い21 )。AE
法を有用な測 定 手 段 として確 立・
実 用 化する ために は,
さ らに多くの 基 礎 的 デー
タ を集 積 する ことが重 要で ある と考え られ る。
本 研 究で は,
上 記の点 を踏 まえて, コ ン クリー
トの微 視 的 破 壊 挙 動を解 明す る た めの手 段と してAE
法を適 用 し,
コ ン ク リー
ト内 部で 発 生 する AE の基 礎 的 特 性 につ いて検 討し た。
§2.
実 験 方 法 2.
1 実 験の概 要 本 研 究で は,
その調 査 目的に応 じて次に示 す よ うな 5 シ リー
ズ の実 験を行っ た。 1> 実験一1
:本 実 験は, 単調漸 増圧縮 載 荷 時お よび 繰返 し圧縮 載荷 時の コ ン ク リー
トのAE
発生挙動 を調 べ る た めに行っ た。 実 験に は, φ10×20cm の 円 柱 試 験 体 を 使 用 し,
実 験 要 因は水セ メ ン ト比 (WIC=
50,
60 お よ び 70% ), 試 験 材 令 (1,
2お よび4週 ), な ら びに 養 生 方 法 (標 準 水 中 養 生および空 中 養 生 } と した。 2) 実 験一
H
:本 実 験は,
主と して長 期 材 令 下の コ ン ク リー
トのAE
発 生 挙 動 を 調べ る ために行っ た。
試 験 体は, 実 験一
1
と同 様に φ10×20cm 円柱 体と し, 実 験 要因 として水セメ ン ト比 (W
/C
=50,60
お よび70
%) な ら びに空中養生期 間 (0, 1, 2お よ び 4週, た だ し, い ずれの試 験 体 も材 令16週 までは標 準 水 中養 生と し た) を取り上げた。
3) 実 験¶ :本 実験 は,
モ ルタル の割 裂 引 張 破 壊お よび圧縮・
せ ん断 破 壊 時のAE
特 性を調べ る た めに 行っ た。
実 験 要 因は, 水セ メ ン ト比 (WfC =
30,
60お よ び 90%)お よ びせ ん断すべ り角 度 (θ=
0°
,
45°
お よ び60°
)と し た。な お,
本 実 験でに,
母 材モ ル タル (WIC
は一
律に 60 %と し た)とモ デル粗 骨 材 (モ ル タル製,
w /C=
30,
60お よ び go% の 3 種類と し た)間の付着 破 壊 時の AE 特 性を調べ る た めの モ デル実 験 も併わ せ て行っ た。
図一
1 (a)に本 実 験で用いた試 験 体の形 状・
寸 法を示す。
一
一
凸
{
ロ
ロ
wrMalt相
騨
δ
瞳
・
1眇
陶
耽
‘
■
】 (a>実 験一
田6Si
”
’
°
「
o一
Lti
,klY
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,i
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L
」
_ビ止 fum
・
L[
P ] lUfi1[
」
tth1 【Un/
tge 】 (b〕 実 験
一
W
〔モデル粗 骨 材1個 ) (c} 実験一
W
〔モ デル粗骨材5個 ) (d) 実験一
IV〔モデル粗骨材9個 ) 図一
1 試 験 体の形 状・
寸 法剛
o【
rL
夙
u団
.
「
宀○
○ ○
○ ○
○
eH齟
q4
煮
琴
5 CHr1○
隔
匡
3●
騨
181 ヅ ∋o曜
凡
99
「
4) 実 験一
IV
:本 実 験は,
AE 法 を適 用し た破 壊 源 探 査に よ るコ ン ク リー
トの 2次元モデル試験 体の破 壊過程 の追 跡,
モ デル 試 験 体の破 壊過 程 とAE
特性との 関 係,
な らびに在来の破 壊 過 程 追 跡 方 法との相関性につ い て検 討する ために行っ た。
本 実 験で は,
モ デル 粗 骨 材 を1個 (直 径;
5cm ),
5個 (直 径;
5cm )お よ び 9個 (直径;
2.
5cm )含む平 板 状 試 験 体 を 使 用 した。 な お,
実 験一
皿と同 様に,
母 材モ ル タルのWIC
は一
律に60% と し,
モ ル タル 製粗骨材の W /C
は30,
60お よ び 90% の 3 種 類と した。 本 実 験で用いた試 験 体の形 状・
寸 法を図一
1
(b
)〜
(d
)に示す。 5) 実験一V
:本実験は,
コ ンク リー
トの 圧縮お よ び 割 裂 引 張 載 荷 時の破 壊 過 程の追 跡と,
微 小ひび割れの発 生 機 構の推 定を試み る た めに行っ た。 試 験 体と して は,
圧縮載 荷用に 15×15×30cm 角 柱 体,
割 裂 引 張 載 荷 用 に φ15×10cm の円 柱 体を使 用し, 実 験 要 因は,
水セメ ン ト比 (W
/C =55,65
お よ び・70
%の3
種 類)な ら び 表一1
使 用 骨材の諸性質 No.
Dず oxperi
祀
ntType of己
ggrego しeSize ra門ge 〔 ) Spe匸i「1cgra 》1ty 凵aterab50rption 〔審) Bulkdensitylkg /m」
1 匚又
P,
一
且Exp
、
−
HRlvergrave105己ndRlver
曹
55−
152.
552.
551.
83D,
751590t700 [叩.
7
匸IIExp.
,
IURlversand0
−
1.
22.
502.
1D1520 匚胆.
−
vRlver5凾ndR1 》er gr自ve1 61dss
ba」1so
−
520P2524.
52.
542.
662.
502.
450.
34一
15601520冒
表一一
2 コ ンク リー
トの 調 合表 (の 実験一1
(b)実 験一
ll
團ノC 1t ‘叩 te冂
t くk望m圃
1 甘1C it c。冂
tent lkg/mり Ceπ
mtHater5andG ,、 ,e1 鮒 Ge nt ”aしerSandGra》
e1 00 σ 5574203503DO2 亀D210210ア69828 晒 911 50go8 6089 略 ア043D あ731421522022D5 ア67087259709761001匸ttete】Vic:”ater
−
ce”en し ratioby”eight
.
〔c) 実 験一
田お よ び1V
[騰ote] 冒ノc; ばater
−
cerent eatio by weight・
(d)実 験一
V w⊂(瑚
」nit c。nte囗t :kg加
,
, WCUnft content {kg 加3) Ce nt 冒ot2rSand 〔別 Ce nt 胃a槌rSo
冂
d6rave1 ODO369犂q115 巳13824z33493442B 〜 45 1163 55 1338 704473a2初02 田 2102 τo5275 壁55621060 1000:
1060 1000:
1060 1000置
〔閥ote] Li〆C: Na於r一
匚e nt rntio by veight.
〔Hotes]W〆C:Ua艶广一
ce nt r西匕io by
貿
e19ht,
1:
Rlver gra”
el,
2:
G1己∬
ball5.
に粗 骨 材の品 質 (粒 径=20〜25
mm の川 砂 利および粒 径=
25mm の ガラス玉)とし た。
2.
2 試験体の 製作お よ び養生 方 法 使用材料と して は, 普通 ボル ト ラン ドセ メン ト (実験一
1
,
ll
およ びV
),
早 強 ボル トラン ドセメン ト (実 験一
皿およ びIV
)お よ び表一
1に示す 骨材 を用い た。
各 実 験 ごとの コ ン ク リー
トの調 合 表 を 表一
2に示 す。
コ ンク リー
トの混 練に は,
いず れの実 験 も容 量100
」の 可 傾 式 ミキ サー
を使用 し,
全材料をミキ サー
内
に投入後約 3分 間練り混ぜ た。 試 験 体の製 作には鋼 製 型わ く を使 用し,
打設に際しては棒 状バ イ ブレー
タ を用い て十 分 締 め 固 め を行っ た。 ただし,
実 験一
皿の付 着 試 験 用の試 験 体は,
母 材モ ル タル を打 設 する 3日前に モ ルタル製 粗 骨 材 を製 作し,
モ1
デル粗 骨 材の付 着 面を材 令1日目に ワイヤー
ブ ラシによっ て 目荒し た後,
これ を型わ く内に セ ッ トし て 母 材モ ル タル の 打 設を行っ た。 ま た,
実 験一
W
で使 用し たモ ル タル製粗骨材は,
所 定の高さ と内径を もつ 塩 化ビ ニー
ルパイ プ 製型わ く内にモ ル タル を打 設 して製 作し,
約 8時 間 目で脱 型 後, 型わ く内の所 定の位置に モデル粗 骨材 を配 置し て母 材モ ル タ ル の打 設 を行っ た。 試 験 材 令 は,
実験一1
が1,2
お よ び 4週 ;実験一
肛が16,
17,
18 お よ び20
週,
実 験一
皿お よ び 】V
が 1週,
・
実 験一
V
が 4週 であ る。 な お,
実 験一
皿一
V
の 試 験 体は,
試 験 材 令まで 空 中養生 を行っ た。 2.
3 測 定 方 法 1) 実 験一
1
:本 実 験で は,
図一
2 (a )に示 すAE 計 測シス テム を用い て,
.
リング ダウン方 式による 10秒ご との AE 発生 数 と AE 累 積 数を 測定し た。 AE 測定 装 置 の各機器の計測レ ベ ルは,
予備実験の結果に 基づ い て次 の よ う に設 定し た。
(
i
) 増幅度 :50dB (プリァ ン プで 20dB ,
メ イン.
ア ンプで 30dB ) (ii
) (iiD
(iv
) フ ィ ル ター
バ ン ド幅.
100kHz〜
ユMHz ディス ク リレ ベ ル :250mV セン サー
:AE −
903M
(共 振周 波 数=
約 300kHz
)1)$pecimen 2) Sensor 3】 Pre
−
AJnpllrier 4)D↓scrimlnator 5) Rate 〆Total Counしer 6) D±gital Prlnter 7〕 X−
Y Recoeder 8) Data Recorder (a)実験1
1) 2) 3} 4} 5⊃6
⊃7
) 1) Specimen 2) Sgnsor3 ) Pre−
ArnPl工f⊥er 4) Discr⊥m 工na℃or 5) Rate 〆Total Coun しer6) Synchro
−
Scope 7 】 Dlgltal Pcintev (b) 実 験一
] 図一
2AE 計 測 装 置のブロッ クダイヤグラ ム 1)2) 3, 4) 5} 6) 7 8) 9} 10) Il, 1} 5pec 重men 2) 5enserl盈
:
;鰍 諜
冨1
搬
鷭
9
し含
雲
、9
留
e「7) Trans ±ent Me
剛
Ory 8〕OSC±110scepe 9〕 「 unct ⊥O冂
GeneratOr lO} Pen Reco :der11} Daし a Reoorder (c)実 験
一
皿一V
な お,
実験一1
で は デ ィス ク リレ ベ ルを や や高く設 定 し た が,
これ は載 荷に使用 し た高剛性圧縮試 験機の油 圧 ユ ニ ッ トか ら発 生す る雑 音 を 除 外す る た め である。
2) 実 験一
ll
:本 実 験で は,
図一
2 (b
}に示 す よ うな AE 計 測シ ス テ ム を用い て,
リン グ ダ ウン方 式に よ る 10秒 ごとの AE 発生数,
AE
累 積 数,
ならび にAE
波 形を測 定し た。
な お,
実 験一
皿で は,
AE 波 形を写真撮 影す る際に用い た シ ン クロス コー
プの 感度を高く設定 し た ため,
周 辺 雑 音の影 響 を除 外 する目的で,
増 幅 度を実 験一
1
よりも若 干 小 さく設 定 し た。
各機器の設定レ ベ ル は次の通りである。
(1
)増 幅 度 :40dB (プ リァ ンプで 20dB ,
メ ィン アンプで 20dB ) (ii
) フ ィ ル ター
バ ン ド幅 :10kHz〜
1 MHz (iii
) デ ィスク リレベ ル :200 mV (iv
)センサー
:AE −
903M
3> 実 験一
〜
V
: こ れ らの実 験で は, 図一
2 (c)に 示 し た AE 計 測シ ス テ ム を用い て リング ダ ウン方 式に よる 10秒ご との AE 発 生 数とAE 波 形を測 定し た。 本 計測 シ テ ス テ ム で は,
セ ンサー
か ら検出されたAE
波 形賎 ま ず トラ ンジェ ン トメ モ リー
(サンプリング間 隔 :1μs,
サンプ リング個 数 :1024
個 /チ ャンネル)に一
時 記 憶さ れ た後,
デ ジタ ルデー
タレコー
ダに記 録さ れ る。
AE
波 形の周 波 数 解 析は,
デ ジタ ル デー
タ レコー
ダに記 録 され た デー
タ を大 型 計 算 機へ 直接 転 送 して行っ た。 な お,
破 壊 源 探 査を行 う際に必 要な AE 波 形は,
ペ ン書 きオ ッ シロに出力 し た。
AE 測 定 装置の各機器の計 測 レ ベル は次の よ う に設 定し た。
(i
) 増 幅 度 :50dB (プリ アン プで 20dB , メイン ア ンプで 30dB ) (ii
) フ ィ ル ター
バ ンド幅.
10kHz〜
300 kHzqii
) ディ スク リレベル :20
mVGv
) セン サー
:AE −905
S
(周波 数解析用,
共 振周 波 数=
約 1MHz ),
AE−
903 M (破 壊 源 探 査 用 ) た だ し,
実験一
皿で は,AE
の周 波 数 特 性に及ぼ す セ ンサー
の周 波数特性の影 響に つ い て も調べる た めに,
上 記のAE −905
S
セ ン サー
以外に,
AE−
903M
お よびAE −
901S
セ ンサー
(共 振周波 数= 約 150kHz
>に よっ て検 出さ れ た AE 波 形につ い て も周 波 数 解 析 を行っ た。
な お,
実 験 ¶〜
V
で は,
ディ ス クリレベ ル (20mV )を,
実 験一
1
およびH
の約 1/10に設 定してい るが, これは実 験 皿一V
で は載 荷 装 置と し て通 常の油 圧 試 験機を使用 し た ため,
実 験一
1
およびll
で用い た高 剛 性 圧 縮 試 験 機 付 属の油 圧ユ ニ ッ トから発 生 するよ うな高い レペ ル の雑 音が なか っ た ためである。
2.
4
解 析 方 法 (1> 周 波 数 解 析 周 波 数 解 析に は FFT 法を使 用して,
得ら れ たAE 波 形の パ ワー
ス ペ ク トルを求め た。 (2
) 破 壊源探 査AE
法を適用 し た破 壊 源 探 査に は, い くつ か の セン サー
に よっ て 同 時 記 録 さ れ た AE の初 動 部 (縦 波の 初 動 〉の到 達 時 間 差 を用い て算 定 する方 法を用いた。 い ま,
基 準と した セ ンサー
(S。)の座 標 を(。α1,。at,。αs), π 番目のセンサー
(Sn
)の座 標 を (nα,, nα!, nas ),
AE
発生源 (X
)の座 標を (畠,
砧,
畠) とす ると,N
個の セン サー
を用い た場 合に は,AE
発 生源 か ら各センサー
へ の距離 (XS 躍)は次 式で表され る。
k xs .
=
Σ (e
,一π
α∂ 2 t!
:
1 こ こに,k
= 2 (2次元的 探 査の場 合) ,3
(3
次元的探査の場 合 ),
η=
0,
1,
……,
ハ1−
1.
(1) また,
縦波 速度 (V
.)が試 験体 内部で一
様で ある も の と仮 定す る と,
距 離 差XS
π一
XS ,は次 式とな る。 XSn−
XSe=
=tne・Vp
k k=
Σ (e
,一
。a‘) 2一
Σ 幅一
。α ‘) 2 i=
1 Si1 (2
)一
24
一
こ こ に, ε
面
番目の センサー
と基 準 とした セ ンサー
に よっ て検 出され たAE
の縦 波 初 動の到 達 時 間 差。 上式 か ら 明 ら か な よ うに,
縦 波 速 度が既 知の場 合,AE
発生 源 を算定す る た めに は, 2次 元 的 探 査で は 3個,
3次 元 的 探 査で は 4個の セ ンサー
が最 低 限 必 要と な る。 式 (2)で表さ れ る非 線 形 連 立 方 程 式は,
両辺 を 2 乗 して直 接 解くこと もで き るso)が,
実 験に よ っ て得ら れ る 到 達 時 間 差に は あ る程 度の測 定 誤 差が含ま れ てい るこ と,
またコ ン クリー
トは金属材料と は異な り極 度に 非 均 質な材 料であ る た め,
縦 波 速 度は試験体内 部で必ずし も一
様で は ない こと などに よ り, 上記の最低限 必要な個 数 の セ ンサー
を用い た 場合,
ど くに双曲 面の交 点 を求める 問 題と な る3次 元 的なAE
発 生源の探査では, ほ と ん ど解を求め ること がで き ない。
そ の た め, 本研 究で は, 最 低 限 必要な個数+1 個のセンサー
を使用し,
式 (2 ) の解 法に準ニ ュー
トン法によ る非 線 形 最 小二乗法を適 用 して AE 発 生 源を統計 的に探査す る方 法を 用い ること と し た。
な お,AE
発 生 源の探 査に際 して必 要な縦 波 速 度 (Vp
>は, 各 荷重 レベ ル ご と に ファ ン ク シ ョ ンジェ ネレー
タに よっ て 10ns の矩 形パ ル スをAE −
901 S セ ン サー
か ら試 験 体に入 力し て測 定し た。
た だ し,
実 験一
IV
の平 板 状 試 験 体で は 2次 元 的に,
実 験一
田お よ びV
では 3次 元 的に破 壊 源の探 査を行っ た。 表一
3お よび図一
3 は,
矩 形パ ル ス に よ る疑 似AE
の入力位置の推 定 結 果 を 示 し た もの で,AE
の入射 角が縦 波の検出さ れにくい 角度で解の収束が悪い 場合に は推定 誤差も大きい が, そ の他の 入力 点で は ほ ぼ10mm
以 内の精度で推定で き る こ と が わ か る。
(3 ) 微 小破壊モー
ドの推定 微小破 壊モー
ドは,
大津2Z) の用いた方法と同様に,
地 震学にお け る 発 震 機 構 と 縦 波 初 動の方 向の分 布 との関係 表一
3 破 壊 源 探 査の推 定 精 度 (3次 元 標 定 )E5し1 聞ted
locaしionPU1 〜e
10Cdtion
閧0
.
瓦 Y Z 民 Y ZErrQr 12 ユ q5 4.
9 2.
4−
3.
3 2、
3 5.
0 0.
1 2.
8−
2.
5 1.
2 4,
0 7,
ア 4,
8 5、
2 2.
1 4,
8 4 コー
50 5 00・
4 03 8 55 2 5 2.
o曹
2、
3曲
3、
4曲
1.
匸・
曹
03負
費
・
SOluしiDn is not conりe「ged禽
脅
SOlut傴on iS ぐonverged 〔 Vnitcm]
[
H.
]
図一
3 破 壊源 探 査の推 定精 度 (2次元標 定 ) ;1
;
::
濡
諜 + 个 (a)Tvpe−
1(一
) 図一
4・
Ψ + (b) Type一
工(+) (c )Type−
− AE 波の初 動 方 向の分 布 と 微 小破 壊モー
ド を参考に して推 定し た。
す な わ ち,
4個ま たは5
個の セ ン サー
一
・
に よ り同 時 記録さ れ たAE
の初動方 向の 分布に よ り,
図一
4に示す よ う な欠 陥の 閉鎖に よ る もの (Type−
1
(一
)型), ひび割れ の開口 によ る もの (.
Type−
1
(+ ) 型}お よびせ ん断すべ り に よ る も の (Type一
韮型)の3
種類の微小破 壊モー
ドに各AE
を分類し た。
§3,
実 験 結 果とその考察3.1
最大耐力時のAE
累積数 実 験一
1
お よび実 験一
ll
に よって得られた最 大 耐 力 時のAE
累積 数と コ ン ク リー
トの圧 縮 強 度 (Fc )との関 係を,
それ ぞれ図一
5(a )および (b)に示す。 これ らの図か ら,
最 大 耐 力 時のAE
累 積 数は 圧縮 強 度 め 増 大と ともに増 加する こと が わ か る。 た だ し,
実験一1
の結 果に よ れ ば,
同一
強 度 時の AE 累 積 数は,
水 中’
養生時よ り も空中養 生時の方が多く なっ てい る が,
実験一ll
の よ うに水 和 反 応 が 十分に進行す る まで (本実験で は材令16
週 まで ) 水 中養生 を行っ た場 合に は, それ以後の空中養生期間の 経 過と と も にAE
累積 数お よび圧縮 強 度は と も に増 大.
105 04 32 0 0 ω
一
⊆ コ O り 凵 く loi 50 100 15e ZOO 250 300 350 Fc〔kgftCtn2) 〔a)実 験一1
1ρ5 04 03 02 り陰 琶 コ O り 凵 く 9 ■ ■ ● ・ o ● ● ● o・ ● o● ● ooo oo ● oo o.
o O 留 o oo o o ■ln
.
air oln water 101 150 200 250 300 350 400 450 Fe(kgf’cm2 ) (b)実 験一fi
図一
5 AE 累 積 数と 圧縮 強 度との関 係に及ぼ す養生方 法の影 響 ● ● ・ ● ● ● o ・ ・ ● o ●●
● ● ・●
● ■ ooo ●ln airloln water
一
一
1
,
0000.
75看
a:0.
50響
0.
25O.
00 0,
00 0.
25 0.
50 0.
75 1,
00 σIFc (a)材 令=
=
1週 1.
OOoO.
7S 召 crO.
50署
O,
25O.
OO O.
OO O,
25 0.
50 0.
75 1.
00 σtFc (b)材 令=
2週 1.
OOoO.
75 冒 a:O、
50署
0.
250.
00 0.
OO O,
25 0.
50 0.
75 1.
00 σ’Fc 〔c)材 令=
4週 図一
6 AE 発生率と相 対 応 力 度との関 係 (実 験一1,
水 中 養 生 時 } し,
両 者はほぼ直 線 関 係にあ る。 な お,
W.
McCabe ら t4; は,
最 大 耐力時の AE 累 積 数は試験 材 令が経過 して強 度が大き く な る ほ ど減少す る と報告し,
本 実 験と は まっ た く逆の 結果を得て い る。W .
McCabe
らが採 用 し た AE 発 生 数の計 測 方 式 (リング ダ ウン計 数 法ま た は事 象 計 数 法 )や デ ィス クリレベ ル など が不 明な た め明確な判 断はで き ないが,
おそ ら く W.
McCabe
らの実 験で は,
通常のAE
発生数の計 測 で は除外 して い る微 小な AE や粘 性 変 形に伴う応 力 波も計測の対象と し ていたもの と 思わ れる。 3.
2 単 調 漸 増 載 荷 時の AE 発 生 状 況 図一
6 (a)〜
(c)に実 験一
1
の水 中 養 生 試 験 体の AE 発 生 率 (最 大 耐 力 時の AE 累 積 数を1.
0と し た場 合の 値)と相 対応 力度 (σ/Fc,
こ こ に,
Fc ;コ ン ク リー
ト の1
軸 圧 縮 強 度)との関係を示 す。 な お,
図 中には応 力 度一
ひずみ度曲線上 の各 種特異点応 力 度 (比 例 限 界応 力 度 (Op),
開 始 応力度 (σi。),
臨界応 力度 (σ。 。)〉に関す る表示 式Z3]を用い・
た場 合の計 算 値 (図 中では,
そ れ ぞ れ “ ●”
,
“0
”
および“ ○” で示して ある)が併 示してあるD こ れ らの 図 か ら,AE
は,一
般に比 例 限 界 応 力 度と呼ば れ る応 力 レ ベ ル (図 中の“
●”
) 程 度まで はほぼ一
定の 頻 度で発 生し た後,臨 界 応 力度と呼 ばれ る応 力レベ ル(図 中の“
○”
) を少 し過ぎるあた り まで はそれ まで よ りも や や 大 き な 頻 度で発 生 し,
その後急 激に頻発 して試験 体 は崩 壊に至る こと が わか る。
ま た,
試験材令にか か わ ら ず,
比 例 限 界 応 力 度か ら臨界応 力 度ま での範囲 で発 生す るAE
の比 率 (AE
発生 率 )は, 水セ メ ン ト比 (WIC
) の減 少と ともに増 大する が, 臨 界 応 力度か ら最大 耐 力 時 までの範 囲の そ れ は,
逆にw
/C
の増 加と と も に増 大す る。
ただ し,
載 荷開始か ら比 例限 界応 力 度まで の範囲で 発 生するAE
の 比率は, 試験 材 令が 1週 の場 合に は w/C
の減 少 と と もに増 大す る が,
試 験 材令が2
週以 上 の場合にはW
/C
の増加 と と もに増大 す る傾 向を示す。 図に は示 し て い な い が, 空中 養生 試験体に お け るAE
の発 生 状 況 も図一
6とほぼ同 様の傾 向で あっ た。
長 期 材 令下の コ ン クリー
トの場 合に は,
図一
7に そ の一
例 を示 す よ うに,
AE の発 生状況 は階 段 状と なり,
い わ ゆる ひ び割れの発 生・
進 展一
拘束一
応力 再 分 配の過 程が若 材 令 下 の コ ン クリー
トの場 合よ り も さ らに明 確に認め られる 1,
00oo,
75看
α:O.
50 ロ く0.
250.
00 0.
OO O.
25 0.
50 0.
75 1.
00 σ’Fc 図一
7AE 発 生率と相 対応 力 度 との関 係 (実 験一
ll,
W/C=
70 %) が,AE
の発 生 状 況と各種 特 異 点 応 力 度 との関 係は,
大 局的に は若 材 令下の コ ン ク リー
トの場合と 同様で ある。
ところ で, これまでに報 告 されて い るコ ンクリー
ト中 の微 小ひび割れの観 察 結 果23}に よ れ ば,
前 述の各 種 特 異 点 応力度とコ ン ク リー
トの破 壊過程は密接な関係が あ る。 すな わち,一
般にコ ンクリー
ト中に は載 荷 前から ブ リー
ジング現 象な ど に よ り骨材 下 面に弱 点 層 (以 下,
こ れを潜在ひび割れ と呼ぶ )が存 在し,
応 力レベルが比例 限 界 応 力 度に達 する と潜 在ひび割れ が骨 材と母 材モ ルタ ルとの界 面に沿っ て進 展 じ始 める (ボン ドひび割れの発 生 )。
また,
応 力レベ ル が開 始 応 力 度に達する と母 材モ ル タル部に新た なひび割れ (モ ル タル ひび割れ)が発 生 し,
さ ら に応 力レベ ルが臨界応 力 度に達す る と上記の ボ ン ドひ び割れ とモ ル タル ひび割れ が連 結して不 安 定ひび 割れ を形 成し, つ い に は試 験 体が崩 壊す る とい う破 壊 過 程を示 す。 しか し,
試 験 材 令が 1週の場 合には,
水 和 反 応が十 分に進 行して いない た め,
水和生成 物の組成は粗 く, 試 験 体 中に は水 和 反応 が 十分に進行し た場 合と 比べ て余 剰 水が多く存 在す る。 その た め.
コ ンク リー
トの低 応 力レ ベ ル での非弾性挙動は,
上 述の微 小ひ び割れ の発 生・
進 展に基づ く変 形よ り も水 分の移 動な どに基づ く粘 性 変 形が卓 越 し,
水セメ ン ト比の大きい もの では,
水 和 生 成 物の組 成は粗く,
分 子 間結合 力も小さい た め,
粘 性 破 壊に よる効 果がさ ら に支 配 的に な る もの と考え ら れ る。 図一
6 (a )に おい て,
試 験 材 令が1週の 試 験 体の AE 発生状況に及ぼ す水セメ ン ト比の影 響か顕著に認 め ら れ るの はこの た めであ ろ う。一
方,
試 験 材 令が 2週 以 上に な る と, 水 和 反 応は か な り進 行し,
水 和 生 成 物の組 成は密で分 子 間結 合 力 も増 大するた め,
コ ン クリー
トの 破 壊 過 程は,
前 述の ひび割れ の発 生・
進 展に よ っ て特 徴一 26 一
付け ら れ る ように な るものと考えられ る。 この場 合, 水 セメン ト比が大きい ほど
,
骨 材と母 材モ ル タル との界 面 層の強度が小さ く,
かつ 骨 材と 母材モ ル タルとの剛性比 は増 大して骨 材 周 辺の応 力か く乱が著し く な る た め,
水 セ メ ン ト比 が小さい コン ク リー
トに比べて低 応 力レ ベ ル か ら ボン ドひび 割 れの 発 生・
進 展は活 発 と な る。
さ らに, 水セ メン ト比が大きい場合に は, モル タル ひび割れ が発 生・
進 展す る際に解 放さ れ るエ ネルギー
は小さ く,
ひ び 割れ の進 展は骨材によっ て容易に拘 束され る ため,
試 験 体 内 部の いたる所で安 定し たひ び割れ の累 積 過 程 を示 し,
φる限 界 点に達し た後,
試 験 体は巨 視 的せ ん断・
す べ り面を形 成し て より漸 進 的に崩 壊する もの と推 察さ れ る。 こ れ に対して水セ メ ン ト比が小 さい場 合には,
ひび 割れの発 生・
進 展の際に解 放さ れ るエ ネルギー
が大きい ため,
’
骨 材による ク ラ ッ ク ア レ ス ト効 果は不確実なもの とな り, 水セメ ン ト比 が 大 きい場 合に比べ て, 規 模の大 きい や や不 安 定な ひび割れの発 生・
累 積が中 応 力レ ベ ル か ら活 発に生 じ る もの と考え られる。
前 掲の図一
6の AE 発 生 状 況は,
以 上の よ うなコ ン クリー
トの破 壊 過 程 と よ く合 致す る。 3.
3 繰返し載 荷 時のAE
発生 状況 (1 > 漸増繰返 し載 荷 時のAE
特 性 実験一
1
の漸 増 繰 返し載 荷 を行っ た試 験体の 10秒ごと の AE 発生数と載 荷 時 間と’
の関 係の一
例を図一8
(a} お よ び (b)に示 す。
これ らの図によ れ ば,
今 回の 実験 の よ うに除荷後休息時間を置かずに直ちに再載荷を行っ た 場合,
試 験材令に か か わ らずあ る荷重レベ ルま で はコ ンク リー
トに も カ イザー
効 果 が 認 め ら れ る。
た だ し,
空 中 養 生を行っ た試 験体で は,
水 中養 生を行っ た試 験体に 比べ て カイザー
効果が不明瞭と な る傾 向を示し,
また比 較 的低 応 力 レ ベ ルか ら 除 荷 時 に おい て AE が 発 生 す る。
これは, 試験 体が乾燥 す るほど収縮ひ び割れな どの潜 在 欠 陥 が増 加す る た め,
載 荷 初 期の段 階か ら微 小ひび割れ の発 生・
進 展が進 行する こと,
お よび すでに発 生し て い る ひび割れの開閉に対する抵 抗 が 大 きい ため,
松本・
西 松・
小泉m ) が指摘して い る よ う な ひ び割れ面の摩擦に ょっ て生 じ るAE
が 発生 し や す く な るこ と,
などに起 因 するものと 思わ れ る。
また,
図に は 爪 してい な い が,
カイ ザー
効果 は,一
般に水セメ ン ト比が大きい コ ン ク リー
トほど 明 瞭に観 察さ れ た。
これまで に報 告されてい るコ ン ク リー
トの カイザー
効 果に関する実 験 結 果に よれ ば, カイザー
効 果が認め ら れ な く な る応 力レベ ルは, 臨 界 応 力 度 と ほ ぼ対 応す るこ と が二, 三 の研 究 者91・
!4)に よっ て指摘さ れ てい る が,
本実験で も,
単調漸 増 載 荷 時 に おいてAE
が頻発し始め た0,
8− O,
9
程 度の応 力 比に な る と,
カイ ザー
効 果が明確に は認め られ なく なっ て い る。
ところで,
残 留ひずみ度は,
材 料の損 傷 度を表す一
指 300’
NiC.
自
o幡
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ー ) OO 20 10
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珍
◎ 100 0 0 5 10 15 20 Time(rnin.
) (b>空 中 養 生 時 図一
8 応 力度およびAE
発生頻度と載荷時間との関係 500 1・
r:−
5u 歸AE
.
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/
コ
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1
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…
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0 4.
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0 ヂ霎
、.
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『 1,
0 105劇
に コ O り 凵 《 が 03 D、
O IO2 0.
0 0.
5 1.
O 砺6i
tFc 図一
9 残 留ひずみ度の増 分およ び AE 発生 数と除 荷 時の応 力レ ベ ル との関 係 標と考え ら れ る た め,
これ ま で に も多く の 研究者25}・
26} が 繰 返し荷 重 を受ける コ ン ク リー
トの累積損傷と 残 留 ひず み度の変 化 状 況 との関 係につ い て検討 を 行っ ている。
図一9
は,
漸 増繰返 し載荷を行っ た試 験体の1
サイク ル当 た りの残 留ひずみ度の増分 (A
ε。)お よ び1サ イク ル の 載 荷・
除 荷 中に発生 し た AE の カ ウ ン ト数と除 荷 開 始 時の応 力レベ ル (ai) との関 係 を示し た一
例で ある。 た だし,
図の横 軸は コ ンク リー
トの 1軸 圧 縮 強 度 (Fc
) で除して無 次元 化して ある。
また,
横 軸の座 標 値で“
一”
印がつ いてい るのは, それが 応 力 下 降域で の値で ある こ とを 示す。
図か ら明らか なよ うに,
△ε.とAE
発 生 数の 変化 状況 と は 同様の傾 向 を示す。
換 言すれば,
こ れまで 巨 視 的に試 験 体の表 面ひずみ度の変 化 として捕え てい た コ ン ク リー
トの累 積 損 傷 過 程を,
AE 法を適 用す ること によっ て さ ら に微視的な レ ベ ル で評価す るこ と が可能と 言 え る。一
一
1
、
0 0.
8 8驢
O.
69並
鴇o・
4 o.
2 104 ω 芒 コ O り 凵 く 03 02 D.
O lol O 2 4 6 e 10 12 14 N (a)水 中養生時 1.
o 0,
8 6 4 0 ¢(
の b尸
冨}
」
ω ℃ o,
2 to4劇
匚 ⊇ O り 03 凵 く 2 0 0.
O lol O2468101214 N (b)空 中養生時 図一
10 残 留ひずみ度の増 分およびAE 発 生 数と繰 返し回 数と の関 係 (2 )定 荷 重 繰 返し載 荷 時のAE
特 性 図一
10 (a)お よ び (b
)は, 漸 増 繰 返 し載 荷の場 合 と同様な方法で, 定 荷 重 繰 返し載 荷 を行っ た試 験 体の 1 サイクル当た りの残 留ひずみ 度の増 分 (Aε,)お よ び AE 発生数と繰返 し 回数 (N
)との関 係の一
例 を示し た もの である。
これ らの図によれ ば,
水セ メ ン ト比,
養 生 方 法, 試 験 材 令な どの要 因にか か わ ら ず,
試験 体は,
Aεr が第 1サイク ル以 後減少してほ ぼ一
定 値に収 束 し た 後,
再び増 加に転じ た時 点で破 壊に至る こ と が わ か る。
一
方,1
サイクル当た りのAE
発 生 数は,
繰 返し回 数が 小さい範 囲で は, 上記の Aε。と ほ ぼ同様な変 化 状 況を 示すが, Aε.
が繰 返し回 数に か か わ らずほと ん ど変 化し ない範 囲におい ても各 繰 返 しサ イクル ご と に顕著な変動 を 示し,
試 験 体の内 部 構 造の変 化 状 況 を的 確に捕え て い る こと が わか る。 また,
図には示して いないが,
各 繰 返 しサ イク ルご と のAE
発 生 開 始 応 力レベ ル は,一
般に繰 返しの初 期に おい て はサ イク ル数の増 加に伴っ て若 干 増 大するが, そ の後は ほ ぼ一
定 値 とな り, 破 壊の数 サ イクル前にな ると 逆に減 少する こと が明ら かとな っ た。
さらに,
破 壊 時の 繰 返 し回 数が少ない ほ ど,
繰 返し 上限 設 定 応 力 度に対す る相 対 的 AE 発 生 開 始 応 力 レ ベ ルは載 荷 初 期の段 階か ら小さい 値 を示し た。
定 荷 重 繰 返し荷 重 を受け るコ ン ク一 28 一
リー
トで は,一
般に載 荷 初 期の段 階で繰 返し 回数が増す と と もに再 載 荷 曲線の平 均 勾 配は増 大す るとい う ひずみ 硬 化 現 象ま た は安 定 化 現 象が観 察さ れ る が,AE
発 生 開 始 応 力レベ ル の変 化 状 況か ら, こ の ような ひずみ硬 化 現 象は,
微 小ひび割れ が発 生・
進 展 する と,
試 験 体 内 部の 局 所 的な応力 集中が緩和さ れ,
骨材に よ る ク ラック アレ ス ト効果 な どのた めに新た な ひび割れ が 発生・
進 展 し難 くなる こ とによっ て生じ るものと推察される。 しか し, ひび割れの進 展がある限 界 点に達 する と,
荷 重 を増 大 さ せ な くて もひび割れ は進 展す る ようになる7)t め,
定 荷 重繰返 し荷重 を受け るコ ン ク リー
トは不 安 定 状態へ と移 行し,
つ い に は破壊に 至 る。3,
4 コ ン クリー
トの破 壊 過 程の追 跡 こ こでは,AE
法を応用 し た 破 壊 源 探査と 同 時 記 録 し たAE
波 形の初 動 方 向の 分布に着目 し た微 小破 壊モー
ドの推 定によっ て,
コ ンク リー
トの 内部 破 壊機構を よ り 詳 細に追 跡す る。
(1 )微 小ひび割れの発生・
進展過 程の推 定 1) モ ル タル 試 験 体 :図一
11は,
割 裂 引 張 荷 重を受 け る モ ル タル の破 壊 源 探査結 果を示し た一
例で ある。
こ の図か ら,
微 小ひ び割れ は,
載 荷 初 期の段 階で は主に載 荷 点近傍に 発生す る が, その後徐々 に試験体 中 央 部へ 進 展し,
最 終 的に はこれ らの微 小ひび 割れが連 結して巨 視 的破 壊面を形 成する過 程が読み取れ る。
ま た, 微小ひび 割れの発 生 位 置は, 応 力レベ ル にか か わ らず 巨 視 的 破 壊 面 近 傍の領 域に集 中して い る。
図一
12に, 圧 縮せ ん 断 荷 重 を 受ける モ ル タル の う ち, 水セ メ ン ト比 (W
/C
) が60
%の試験 体に対す る破 壊源探査結 果を示す。 せ ん 断 すべ り角 度 (θ)が60° の場合の結果を示し た図一12
(a) に よ れば, 微小ひ び割れ は, 載 荷 初 期の段 階では巨 視 的 破 壊 面と は直 接 関 係 し ない領 域で発 生す ること が多い が,
相 対 応 力 度 (REL ,
STRESS
>が0.
8以 上の高 応 力 レベ ル に な ると,
そ の ほとん ど がせ ん断すべ り面に 沿っ た領 域で発 生す ること が わ か る。一
方,
θが45°
の 場 合に は,
図一12
(b
}に示 す よ うに, 微 小ひび割れ は せ ん断すべ り面 近 傍 以 外に も試 験 体 下 部で多く発 生す る。
こ れ は, せ ん断すべ り角 度が小さ く な る と,
明確な せん 断 すべ り破 壊か生 じ難く なり,
試 験 体は せ ん断 すべ り面 以 外に図 中の破 線で示す よ う な く さ び型の コー
ンをδ
縛
1
≒
び
甑
巳REL.
SIR匸S51 CHlEo団
.
:
e9 ロ 飄 x 嘱 瀦♂ °じ
,
1齟
4
駲
.
b 8001一
,
53000 兼 246000一
,
9024000XOO
図一
11 割裂 引張荷重を受け るモ ル タ ル の破 壊 源 探 査 結 果CH
.
5巴
\ ×’
CH丶.
1 りe
丶
1
。
譜
○’
暈 CH・
IREL.
STRES51 × 0
.
0−
0.
2 ◎ O.
6,
0.
B Φ 0、
2−
0、
4 殀 9.
8−
1鹽
0 口 0.
4−
0,
6 (a)θ=
60°
の場 合 ULSi H.
d:
H.
5 CH.
:
じト
1一
VLSI匚R匸L
・
S了REsS, X O.
0−
0.
2 0 0鹽
6−
0.
S IREL.
SτRESS適 X OrO−
Or2 0 0.
6−
0.
8 0 0.
2曹
0.
4 竊 0■
8一
且.
O O O・
2−
O・
4 1 0.
8−
1.
0 0 0.
■・
O、
δ 口 0.
4−
0.
5’
(b)θ=
4S°
の場 合 (c)θ=
oeの場 合 図一
12 圧 縮せん断 荷 重 を受け るモ ル タル の破壊源探査結 果 PULSH 試 験体下 部に形 成して破 壊に至る た め で ある。
’
また, 図一
12 (c>の一
軸圧縮載 荷時 (θ=0
うの場 合に は,
微 小 ひび割れ は,一
般に載 荷初 期の段階では ラン ダム な位 置 で発 生す る が,
応 力レベ ル が増すと ともに次第に最 終 的 な巨視的 破 壊 面 近 傍の領 域で多く発 生する傾 向を示すこ と が わ か る。
2) 2次元コ ンク リー
トモ デル試 験体 :図一
13は, 2 次 元コ ンク リー
トモ デル試験体によっ て得られ た破 壊 源 探 査結果 を応 力レベ ル ご とに分類 して示し たもの で あ る。
図に よれば,骨材の数に か か わ らず,
微 小ひび割れ は,
低 応 力レベ ルで は載 荷 面 近 傍に多く発 生するが, 中応 力 か ら高 応 力レ ベ ル になる と,
個 数は少ない が骨 材ま わ り に分布す る よ うにな り, さ らに最 大 耐 力 近く に な ると,
図中の破線で示さ れ る巨視的な ひび割れ面に沿っ て発 生 す る傾向 を示し,
最 終 的な破 壊 面 を形 成してい く過 程が 認 め ら れ る。
モ デル コ ン ク リー
トの破 壊 挙 動に関する既 往の研究成果6]・
7L23] に よ れば, モ デル コ ンクリー
トは,
一
般にまず母材モル タル とモ デル骨 材との界 面にボン ド ひび割れ が発 生し,
つ い で こ のボン ドひ び割れ が 骨材 上 下 端 部の モ ルタル部に進 展して載 荷 軸 方 向の モ ル タル ひ び割れを 引き起し,
これが 載 荷 板 直 下 まで進 展 して崩 壊 に 至 る とい う破 壊 過 程 を 示す こと が多い。
図一
13に示 した破 壊 源 探 査 結 果は,
こ の よ うな特 徴的 な 破 壊 過 程 と よく合 致 する。 3} コ ン ク リー
ト試験体:図には示していないが,
割 裂 引 張お よ びに一
軸圧 縮 載 荷 時の コ ン ク リー
トの破 壊 源 探査結 果は, 前掲の図一
11お よ び 図一
12 (c)の モ ル タ ル試 験 体に よ る結 果 と 類 似し た傾 向 を示 す。 し か し,
解 の収 束が悪く,
決 定で きた破 壊 源 位 置は モ ルタル試 験 体 と比べてかな り少ない。 こ れ は,
本実 験の ように母 材モ ル タル の音 速 (約 3.
7km /s)と骨 材の音速 (川砂利が 約 4.
6km /s,
ガ ラス玉が約 5.
4km /s)が か なり相違す る場合に は, 骨 材 寸 法 が 試 験 体 寸 法に比べ て十 分に小さ く ないと, 試 験 体 内部の音 速 を一
様と仮 定でき な く な る た め と 思わ れ る。
(2
) 微 小 破 壊モー
ドの推 定図
一
14は,
前 掲 の 図一
13 (b
)に示し た 破 壊 源 探査 結 果をAE の発 生機構別に示し た もの で ある。
図一
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4 PUしSE (a}モ デル粗 骨材を1個 含む場 合 (b)モデル粗骨 材を5個 含む 場 合 (c)モ デル粗 骨 材を9個 含む場 合 図一
13 2次 元コ ンク リー
トモ デル試験 体の破 壊源 探 査 結 果と図