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EBMUDの 下 水 処 理 施 設 は 1 日 当 たり1.7 億 ガロンの2 次 処 理 が 可 能 である 現 在 1 日 当 た りの 処 理 量 は 約 8,600 万 ガロンであり 処 理 能 力 は 極 めて 十 分 になる 食 品 廃 棄 物 プログラム は この 超 過 処 理 能

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調

____________________________________ シカゴ

●米国西海岸における堆肥化、有機物リサイクル等の状況について

最近、米国において環境意識が高まりつつあるが、地域により温度差があり、また、地域 の特性に応じて課題や取組みも様々である。カリフォルニア州ではかねてから米国内におい て環境の先進的な取組みが行われており、他州への影響力が強い。このような中、バイオサ イクル西海岸会議と題する会議が開催され、カリフォルニア州を中心に米国西海岸における 堆肥化、有機物リサイクル及び再生可能エネルギーに関する現状や対策等について、情報交 換や意見交換が行われた。以下に、同会議の概要について報告する。なお、図表はすべて会 議資料から引用または作成したものである。

1.有機物リサイクルの取組み

1.1 有機物リサイクルから持続可能な未来へ

Margo Reid Brown議長(カリフォルニア統合廃棄物処理会議(CIWMB))

CIWMBは、カリフォルニア州環境保護庁の一組織である。シュワルツェネッガー知事は、サ ステイナビリティは、最も重要な目標でなければならないとしている。このような知事のイ ニシアティブを背景に、カルフォルニア水素ハイウェイネットワーク(燃料電池インフラの 研究開発)、新しい省エネビルの建築と技術を推進するグリーン建築物イニシアティブ、ソー ラーパネルの住宅及びビルへの導入を推進する百万のソーラー屋根イニシアティブ、海岸線 を保護するために設立されたカリフォルニア海洋保護会議といったプログラムに取り組んで いる。 カリフォルニアにおける廃棄物の処理方法の転換及びリサイクルに関するプログラムは、 毎年150万戸の家庭に電力供給するのに十分なエネルギーを節約している。カリフォルニアで は、100以上の堆肥化及び根覆い施設が稼動しており、毎年、1,000万トン以上の有機物の転 換し、CO2換算600万トンの温室効果ガスを削減している。1991年、カリフォルニアは、廃棄 物の10%を埋立てから転換していた。今日、転換率は、合計8,800万トンの廃棄物において52% になっている。4,200万トンが依然として埋立てされており、うち約2,900トンが転換し得る 有機物である。有機物の転換は、CIWMBの最も高いプライオリティの一つである。長期目標は、 2020年までに廃棄物の転換率を更に50%高め、ゼロ廃棄物州となることである。 CIMWBは、カリフォルニア物質交換プログラム(CALMAX)1を実施しており、これまで破棄 されていた非有害物質の市場を企業が探すことを支援するためのサービスを無料で提供して いる。 1.2 食品廃棄物における資源回収 Sophia Skoda資源回収プログラム・マネージャー(東湾都市公共施設区) 東湾公益事業区(EBMUD)は、東サンフランシスコ湾地区の公共上下水道機関である。上水 システムは130万人に、下水システムは63万人をカバーする。 1 http://www.ciwmb.ca.gov/CalMAX/default.asp

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EBMUDの下水処理施設は、1日当たり1.7億ガロンの2次処理が可能である。現在、1日当た りの処理量は約8,600万ガロンであり、処理能力は極めて十分になる。食品廃棄物プログラム は、この超過処理能力を利用して計画されている。 試験プログラムは、2004年に開始し、1日当たり約20~40トンが仕分けされ、細かくされ た商業食品廃棄物を受入れ、嫌気性消化のための地下タンクに入れる。嫌気性消化により発 生したメタンは、250世帯以上の電力を賄うことができる敷地内にある6MW発電所に送られる。 このプロセスは、廃棄物の量を90%削減する。温室効果ガスの排出量、特にメタンの回収 及び処理においては、堆肥化や埋立てよりも効率的である。 最も難しい問題は、金属小片のような消化されなかった残り物で、粉砕機を破損させ、処 理を遅らせ、劇臭を放つ。 プログラムの効率を最適化させる4つの重要な要素は、技術の分類、廃棄物の機械的破砕 のような前処理、信頼できる廃棄物排出源の確認、設備投資である。 トラック1台分の廃棄物の引渡し費用は、32.50ドルである。目標は、1日当たり100~200 トンの処理能力を持つ商業食品廃棄物の処理施設を最終的に建設し、1.5~3MWのエネルギー を生成することである。

2.廃棄物処理データの記録

2.1 カリフォルニアにおけるゴミ処分の状況及び特徴付けデータ Lorraine Van Kekerix氏(カリフォルニア統合廃棄物処理会議(CIWMB))

カリフォルニア統合廃棄物処理法(AB939)が1989年に通過した。AB939は、固形廃棄物の 処理方法の転換目標を1995年までに25%、2000年までに50%と設定した。転換データは、転 換が何を意味するのかという定義の違いといった政治的な問題を含んでいるため、収集が容 易ではなく、不完全で任意の協力によるものであった。 廃棄物の処理方法の転換のデータは、単に推計である。各地区における研究により、廃棄 物の年間総発生量が測定された。今年が基準年になる。後年の廃棄物発生量は、人口及びそ の他の変化により調整され推計される。実際に処理された総量のみ毎年計測される。この処 理量は、その年の推計転換率を決定するために、その年の調整発生量と比較される。処理に は、処理される場所にかかわらず、全てのタイプの運搬業者からの全ての固形廃棄物の排出 源を含む。データは、特徴、廃棄物の物質毎の構成により区分される。 ウェブ上の年次電子レポートが、処理報告のために開発されている。固形廃棄物の特徴付 けデータベースは、オンライン上でアクセスでき、地区、事業グループ、物質の種類により 検索可能である。 2003年について見ると、固形廃棄物が4億200万トン排出された。内訳としては、有機物30%、 建築廃材22%、紙21%の順に多い。

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図表1 カリフォルニアにおける廃棄物の内訳 カリフォルニア転換率測定システム2、カリフォルニア廃棄物特徴付け研究3について、詳 細はCIWMBのウェブサイトに公表されている。 2.2 全米廃棄物処理データベースの作成 Scott Kaufman氏(コロンビア大学地球科学センター) 現在、主に2つの一般廃棄物研究がある。一つは、年に約2回出版される環境保護庁/フ ランクリンの一般廃棄物正確情報であり、もう一つは、これも年に約2回出版されるバイオ サイクル/EECの米国ゴミ情勢(SOG)である。 環境保護庁/フランクリン・レポートの手法は不明確である。目標は、マテリアル・フロ ー手法を用いた全米の概観である。データは、商務省、センサス局、産業研究が出所である。 バイオサイクル/EECレポートは、全50州の関係政府機関に対する調査及びその他の調 査による。 廃棄物処理割合(リサイクル、埋立て、WTE(廃棄物からエネルギー))は、上記2調査 において似ているが、総量(トン)には大きな乖離がある。バイオサイクル/EEC調査レ ポートは、環境保護庁/フランクリン・レポートよりも廃棄物総量が50%大きい。環境保護 庁/フランクリン・レポートは、廃棄物総量を過少に報告している可能性がある。 環境保護庁/フランクリン・レポートの長所は、物質別のような特徴付けデータが正確で 詳細な点である。バイオサイクル/EECレポートの長所は、州毎の廃棄物データが埋立て 地やWTE施設から広範に直接報告されている点である。 コロンビア大学とEECは、州、地区毎に参照し得る全米廃棄物処理データベース4の構築 を試みている。しかし、標準化されたデータが存在しない。ある州は、州レベルでデータを 収集し、ある州では市レベルでのみ、また、ある州では施設レベルでのみ収集している。こ 2 http://www.ciwmb.ca.gov/LGCentral/sitemap.htm 3 http://www.ciwmb.ca.gov/WasteChar/WasteStudies.htm 4 http://www.seas.columbia.edu/earth/recycle/

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れらの情報源をすべて統合するのは、無理が生じる。 州全体のリサイクル率を計算してみているが、依然として予備段階である。EECは、週 毎のデータを取得中である。カリフォルニアは、総廃棄物の転換率は実際には50%以下、場 合によっては30%近い水準かもしれない。 図表2 カリフォルニア一般廃棄物データ(2005年) 埋立て 42,089,545 建築廃棄物(差引き) 9,133,431 有害廃棄物(差引き) 126,269 特殊廃棄物(差引き) 2,904,179 一般廃棄物埋立て計 29,925,666 WTE(廃棄物からエネルギー) 830,630 廃棄物総量 30,756,296 カリフォルニアのリサイクル シングルストリーム物資源回収施設 3,547,143 マルチストリーム物資源回収施設 598,333 混合廃棄物資源回収施設 1,566,491 建設廃材資源回収施設 703,043 物資源回収施設リサイクル計 5,711,968 有機物 堆肥 4,730,081 処理 5,138,031 ADC(差引き) 2,100,000 農業(差引き) 394,724 下水処理(差引き) 394,724 有機物リサイクル計 6,978,663 総リサイクル量 12,690,631 トン 割合(%) 一般廃棄物埋立て計 29,925,666 69% 一般廃棄物 WTE 計 830,630 2% リサイクル計 12,690,631 29% 一般廃棄物発生量計 43,446,927 一人当たり一般廃棄物発生量 1.20 トン/人

3.廃棄物処理のための転換技術

3.1 カリフォルニアにおける転換技術インフラの開発 Fernando Berton氏(カリフォルニア統合廃棄物処理会議(CIWMB)) カリフォルニアは、年間800億トン(乾燥)のバイオマス資源がある。1998年から2004年に かけて転換率が増加しているが、これは、廃棄物排出量が増加する一方で、処分される廃棄 物の量が本質的に同じ水準であるためである。 2005年に処分された4,200万トンのうち、2,300万トンは生物起源のものであり、570トンが

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転換施設で使用され得るプラスチック及び繊維である。 カリフォルニアの再生可能エネルギー・ポートフォリオ基準は、当初、2017年までにエネ ルギー需要の20%を再生可能エネルギー源により満たすよう要求していた。この期限は2010 年に前倒しされるとともに、その後毎年1%ずつ増加させることとなった。シュワルツェネ ッガー知事は、これを2020年までに33%とするよう強化した。カリフォルニアは、現在、再 生可能エネルギーによりエネルギー需要の11%を満たしている。 バイオ燃料生産は、エタノール、バイオディーゼルその他のバイオ燃料の生産及び使用目 標を設定した知事令S-06-06によって管理される。カリフォルニアの燃料使用目標は、2010 年までにバイオ燃料20%、2020年までに40%、2050年までに75%と定められている。更に、 再生可能エネルギー・ポートフォリオ基準によりエネルギーの20%は、バイオマス起源でな ければならない。 現在処分されているバイオマスの潜在エネルギーは、原油換算4,700万バレルであり、プラ スチック及び繊維を含めれば7,100万バレルとなる。これは、2650MWの電力を発電し得るもの であり、あるいは、約3億ガロンのガソリンに相当するバイオ燃料が製造し得る。 図表3 バイオマスからの潜在エネルギー アルゴンヌ国立研究所によれば、温室効果ガスの削減の観点から、セルロース系エタノー ルは、トウモロコシと比較して効率がはるかに高い。トウモロコシから生産するエタノール は、温室効果ガスを18~29%削減するのに対し、セルロース系エタノールによる削減は、85 ~86%に達する。 エネルギー省の補助金は、6件の様々なタイプのバイオリファイナリーに対して助成して いる。カリフォルニアで実施されるもの5は、植物廃棄物及び木材からエタノールを生産する。 2009年に稼動する時の生産能力は、1日700トン、年間1,900万ガロンとなる。 5 http://bluefireethanol.com/

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3.2 南カリフォルニア転換技術実証プロジェクト Coby Skye氏(ロサンゼルス郡公共事業部) カリフォルニアで埋立てされるものの80%は、有機物である。現在、焼却及び堆肥化技術 のみが規制されている。転換技術は、明確な認可又は規制の手順がない。ロサンジェルス郡 は、転換技術タスクフォースを設置し、転換技術評価レポートを採択した6。このレポートは、 実証設備に関する計画を立案しており、同設備とともに物質回収設備を設置することを推奨 した。 実証プロジェクトは、ロサンジェルス郡公共事業部、技術サプライヤー、物質回収設備運 営者による官民パートナーシップとなる。郡は、このプロジェクトを助成支援するため、固 形廃棄物処理手数料(埋立て手数料)を活用する予定である。 現在、プロジェクトへの参画者として検討されている技術サプライヤーが5社ある。 図表4 実証プロジェクトにおける技術サプライヤー候補 技術サプライヤー 技術の種類 Arrow Ecology 嫌気性消化 Changing World Technology 熱的解重合 International Environmental Solutions 熱分解

Interstate Waste Technologies 熱分解/ガス化 Ntech Environmental ガス化 また、技術サプライヤーとパートナーを組むことが検討されている物質回収設備(MRF) が5ヶ所ある。うち4ヵ所の施設は、地域における開発を目指して、ロサンジェルス郡の外 にある。 図表5 実証プロジェクトにおける物質回収施設候補 物質回収施設(MRF) 場所 地域リサイクル/資源回収社MRF ロサンジェルス郡 デルノルテ地域リサイクル・ゴミ処理場 ヴェントゥーラ郡 ペリスMRF/ゴミ処理場 リバーサイド郡 レインボーゴミ処理社MRF オレンジ郡 ロバート・A・ネルソンゴミ処理場・MRF(RANT) リバーサイド郡 プロジェクトの主要目的の一つは、将来のプロジェクトを効率化するための新しい認可及 び法的手続きを構築することである。このプロジェクトの参加するため、技術サプライヤー は既存の施設(試験工場またはそれ以上の規模)を参照案件として視察及び評価のために開 放しなければならない。最終評価報告が完成した後、技術サプライヤーの交渉が始まり、ロ サンジェルス郡としては2008年の早い時期に建設を開始させたいとしている。 6 www.lacountyiswmtf.org

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3.3 機械的生物学的処理技術の欧州における動向 George Savage上級副社長(CalRecovery社) EUの埋立て指令は、未処理の有機物を埋め立てることを禁じている。廃棄物処理体系は、 有機物の埋立て量の削減を目指している。埋立て指令は、1995年レベルとの比較における埋 立てに許される生分解性廃棄物の割合について目標を設定している。2006年は75%、2009年 は50%、2016年は35%である。2004年、欧州の一般廃棄物の44%が埋立てされた。 一般に処理技術としては、物理的化学的、生物学的、熱的処理の3種類がある。物理的(機 械的)処理は、一般にRDF又はバイオ原料の製造に用いられ、化学処理は、エタノール生 産に用いられる。生物学的処理は、嫌気性消化、堆肥化、加水分解等である。 機械生物学的処理は、機械的処理による一般廃棄物の前処理が参照され、その後に堆肥化 又は消化が続き、埋立て前の物質を安定化させる。その狙いは、有機物の含有量が極めて低 く、埋立てに適した残留物を生産することである。 欧州では、約5,000万トンの一般廃棄物が、420のWTE(廃棄物からのエネルギー回収) プラントにおいて熱的に処理される。これは、2,000万MWhの電力、5,000万MWhの熱量を生成 する。ドイツ、フランスは、WTEプラント又は処理される廃棄物量が最も多い。 有機廃棄物処理については、2004年は、850万トンの堆肥が生産された。 有機物の嫌気性消化については、87の嫌気性消化装置により、年間300万トンの処理を行う 能力がある。農場における約5000のふん尿・有機物混合消化プラントは、主にドイツ、オー ストリアにあり、家畜肥料や他のバイオマスを処理している。ドイツでは、バイオガスプラ ントが、1990年に100あったものが、2005年に2800まで増加した。 欧州指令2001/77/CEは、再生可能エネルギーを促進するため、エネルギー生産者に対して、 50MWhのエネルギー生産毎にグリーン証明書(GC)を授与している。また、金融上のインセ ンティブを与えており、その量は各国や期間によって様々である。 これらの法的命令及び金融支援は、生物学的処理の拡大を促進している。投資に対して回 収は5年以内にできる。また、大気汚染防止が強力になされている。なお、プラントの平均 的な大きさは、欧州では小さくなる傾向にある。

4.バイオ燃料における障害と機会

4.1 カリフォルニアのバイオ燃料目標達成のための活動 Bryan Jenkins教授(カリフォルニア大学デービス校生物農業工学部) バイオエネルギーに影響を与えるカリフォルニア州法及び知事令は過去5年で少なくとも 10本成立した。 知事令S-3-05(2005年6月署名)は、カリフォルニアの温室効果ガスの排出量を2010年ま でに2000年レベル、2020年までに1990年レベルに、2050年までに1990年の80%レベルにする という目標を設定した。 知事令S-06-06(2006年4月署名)は、カリフォルニアのバイオ燃料の生産量を2010年まで に消費の20%、2020年までに消費の40%、2050年までに75%とする目標を設定した。これら の目標を達成するために、カリフォルニアは、生産量を現在から2020年まで平均2%、2050 年まで1.2%拡大する必要がある。 知事令S-01-07(2007年1月署名)は、輸送燃料の炭素強度を2020年までに少なくとも10% 削減するという目標を含んだカリフォルニア低炭素燃料基準(LCFS)の設定を要求して いる。

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AB32は、2006年地球温暖化解決法であり、カリフォルニア大気資源委員会(CARB)に 温室効果ガス削減目標を実施する権限を付与している。カリフォルニアは、2050年までに毎 年4億トン近くの温室効果ガスを削減しなければならない。 カリフォルニアには、2020年の生産目標の達成に必要な年間20億ガロンのガソリンに相当 する十分なバイオマス資源がある。しかしながら、輸送量に比例した分の温室効果ガス削減 目標を達成するためには、さらに10~20億ガロンが必要となる。温室効果ガス削減のための 新技術が開発されなければ、あるいは、他の代替燃料や経済セクターが大幅に削減されなけ れば、この達成は非常に困難である。カリフォルニアの輸送システムにおける更なる根本的 な変化が必要である。 図表6 カリフォルニアの1990~2004年温室効果ガス排出量(百万CO2換算トン/年) 1990年 2004年 90~04年増減 率(%) 成長率 (%/年) ガソリン 120 141 18 1.16 航空機燃料 22 22 0 0.00 石油製品 24 35 44 2.66 他の運輸 8 5 -33 -2.85 商業、住宅及びその他 46 41 -12 -0.89 農林業 35 41 15 1.03 産業 87 101 16 1.04 発電 43 52 19 1.24 輸入電力 38 57 50 2.94 カリフォルニア計 424 494 17 1.10 図表7 知事令S-3-05に基づく温室効果ガス削減目標(百万CO2換算トン/年) 温室効果ガス排出量 温室効果ガス排出目標 1990年 2000年 2010年 (2000年水 準) 2020年 (1990年水 準) 2050年 (1990年の 80%減) ガソリン 120 128 128 120 26 航空機燃料 22 27 27 22 5 石油製品 24 33 33 24 7 他の運輸 8 8 8 8 2 商業、住宅及びその他 46 49 49 46 10 農林業 35 35 35 35 7 産業 87 106 106 87 21 発電 43 52 52 43 10 輸入電力 38 41 41 38 8 カリフォルニア計 424 479 479 424 96

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4.2 サステイナビリティからバイオエコノミーへ Chery Sullivan氏(ワシントン州エコロジー省) バイオエコノミーは、有機廃棄物を資源へ変えるビジネスと定義される。 ブッシュ大統領の政治イニシアティブ「20 in 10」は、米国ガソリン消費を今後10年間で 20%削減することを目指している。これは、燃費を向上させるために企業平均燃費基準(C AFE)を改定する一方、代替・再生可能燃料を2017年までに350億ガロンに増やすことによ り達成される。ハイブリッド車又は代替燃料車に対して3,400ドルまでインセンティブが付与 される。 ワシントン州は、温室効果ガスを削減するための市場本位のキャップ・アンド・トレード・ システムを創出すべく協力している西部地域気候アクションイニシアティブに参加している。 ワシントン知事令07-02は、2008年に販売される全ての燃料の2%をバイオディーゼル又 はエタノールとすることを要求している。また、州の各機関にハイブリッド車の購入し、ス クールバスのような古い車両にクリーン装置を組み込むことを求めている。 課題は、2020年までに輸入燃料を20%削減すること、2050年までに排出ガスを1990年の50% の水準まで削減することである。 有機物処理ビジョンは、州の有機物処理計画である。エコロジー省は、2005年にバイオマ ス・インベントリの作成、バイオエネルギー評価を行った。ワシントン州は、年間約1,700 万トンの有機廃棄物が発生する。うち約半分が山林におけるもので、4分の1が一般廃棄物 におけるものである。 州は、FruitSmart社やその他の機関との協力による嫌気性消化装置の試験設備、農業ゴミ をペレット化するためのガス化プロジェクトを助成している。メーソン郡地域消化装置は、 酪農廃棄物を用いて実証された。嫌気性消化は、まだ開発途上で小さい規模である。 4.3 リグノセルロース系バイオマスからエタノールへ Zhiqin Zhang博士(カリフォルニア・エネルギー委員会) 公共利益エネルギー研究プログラム(PIER)は、代替エネルギーを調査するため、カ リフォルニア・エネルギー委員会により作られた。電気、天然ガス、運輸を取り扱っている。 年間に8,000万ドルの予算があり、様々なプロジェクトに資金供給している。 カリフォルニアのエネルギー実態については、人口は、現在3,600万人に近づき、全米1位 であるところ、ガソリン消費は、全米1位、エネルギー消費、石油消費、ジェット燃料消費 で全米2位である。カリフォルニアは石油の37%、電気の78%、天然ガスの15%を生成して おり、その他は、他州又は外国から輸入している。 再生可能燃料協会(RFA)のエタノール産業見通し2007年版によれば、2006年のトウモ ロコシ、砂糖からのエタノールの世界生産量は、約135億ガロンであった。うち約55億ガロン が北米(大部分が米国)、47億ガロンが南米(大部分がブラジル)であった。 現在、エタノール生産上位4カ国は、米国(53億ガロン)、ブラジル(45億ガロン)、中国 (10億ガロン)、インド(5億ガロン)である。 米国における年間エタノール生産能力56億ガロンのうち、主要生産州は、イリノイ州(15 億ガロン)、アイオワ州(13億ガロン)、サウスダコタ州(6億ガロン)、ミネソタ州(5億ガ ロン)、カンザス州(2億ガロン)である。既存及び建設中の生産能力のほとんどが中西部に ある。 カリフォルニアには、4つの既存エタノールプラントがあり、年間で計6800万ガロンの生

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産能力がある。 図表8 カリフォルニアの既存エタノールプラント リグノセルロース系バイオマスの処理において難しいことは、微生物で分解できないリグ ニンを除去すること、及び、セルロースを単糖へ分解することである。米国エネルギー省は、 リグノセルロース系エタノールの6件のプロジェクトに対して、今後4年間に総コストの 40%までを対象に、3億8,500万ドルまで助成すると発表した。 ブルーファイヤー・エタノール社は、PIERプログラムから約100万ドルを受けた。 カリフォルニアでは、毎年、約390億乾燥トンの潜在的リグノセルロース原料が発生してい る。これは、年間23億ガロンのエタノールを生産し得る量である。 リグノセルロース系エタノール技術開発主要企業 ・Abengoa ・Alico

・Archer Daniels Midland ・American Process, Inc. ・BRI Energy ・BlueFire ・Ceres ・Colusa ・DuPont ・Dyadic ・Globex

・Green Star Products Inc. ・Iogen Corp.

・Lignol Energy Corporation ・Mascoma

・Nova Fuels(maker of Novahol)

・Novozymes ・Poet ・PureEnergy ・Range Fuels ・SunOpta ・Verenium ・Virgin Fuels ・Xethanol 現在、技術は存在するが、商業規模で費用対効果のあることが実証されなければならない。 また、最も効率的なプロセス(例えば、酵素又はバクテリア)が精練されなければならない。 現在のところ、商業規模のプラントは世界中で実現されていない。

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4.4 バイオディーゼルへの移行

Joe Gershen販売・マーケティング担当責任者(Tellurian Biodiesel社)

バイオディーゼルは、米国において最も急成長している代替燃料である。米国バイオディ ーゼル需要は、過去2~3年で急速に成長し、2006年に2.5億ガロンに達した。ほとんどの流 通ネットワークは中西部にあるが、生産地は流通よりも均等に分布している。施設が大型化 する傾向があり、建設中のものについては顕著である。複数の原料を処理できるプラントが より一般的になっている。設備稼働率は、多くの施設で未だ最適化されていないので、実際 の生産能力は推計よりもはるかに小さい。また、原料の入手は大きな問題であり、過剰な生 産設備が潜在的な問題である。 カリフォルニアのディーゼル市場は、現在、年間40億ガロンである。B5(バイオディー ゼル5%)規則により、2億ガロンのバイオディーゼルが必要とされる。生産能力は、まだ 年間1,500万ガロンに満たない。より多くのプラントが建設されているが、そこに供給する原 料が十分にない状態である。低コスト原料の開発に目が向けられるべきである。 様々な連邦及び州政府の優遇措置が、力強いバイオディーゼル市場の発展を継続的に促進 している。多くのメーカは、輸送車両の他に、建設機械、農業及びその他のオフロード車両 においても、バイオディーゼル支援を強化している。 バイオディーゼルは、超低硫黄ディーゼル及び排ガス基準を満たしうる。バイオディーゼ ル及び混合燃料を用いるディーゼルエンジンは、近い将来のクリーンで環境にやさしいエン ジン基盤となる。バイオディーゼルによるNOx排出は、SCRのような後処理の新技術により 解決されるべきであろう。バイオディーゼル産業における最優先課題は、燃料品質の維持及 び保証である。

5.施設訪問

5.1 ミラマー埋立て緑化施設 カリフォルニア州サンディエゴ ミラマー埋立て緑化施設7は、29エーカーの敷地があり、サンディエゴ市により所有及び運 営されている。年間約10万トンの植物性廃棄物やその他の木製パレットのような有機廃棄物 が処理され、堆肥、木材チップ、根覆いを最終製品として製造する。 現場では、粉砕機、ウィンドウ・ターナー、堆肥に混入しているプラスチックを分離する 空気分離機、根覆いの着色装置等の機械が稼動していた。また、堆肥からのガスのサンプル がサンディエゴ州立大学の堆肥研究所の研究者により収集及び分析されていた。散水車が埃 や臭気を抑えるため定期的に地面に水を巻かれていた。 7 http://www.sandiego.gov/environmental-services/miramar/greeneryrecycle.shtml

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(大型機械により粉砕、分別、堆肥化等が行われている。) サンディエゴの住民は、庭ゴミや他の有機廃棄物を無料で持ち込むことができる。住民は また、一定量まで堆肥製品を持ち出すことができ、さらに欲しい場合でも少額で譲り受ける ことができる。需要は、非常に大きいので、堆肥は作られると直ぐに売り切られてしまう。 5.2 EDCO(SANCO)建設廃材リサイクル施設 カリフォルニア州レモン・グローブ EDCO(SANCO)社は、廃棄物の収集・リサイクル企業であり、木材、土、コンクリート、石壁、 カーペット、金属、岩、アスファルト、ボール紙を受け入れている。一般に開放されており、 有害物は、引き取られず、全ての廃棄物は不活性であることが必要となる。 訪問したのは、金属スクラップ、木材、石膏、砂利、土といったものを分別する施設8であ り、同社の他の自動化が進んでいる施設よりも古いものとのことであった。 分類方法としては、ディスクスクリーン、磁石、手作業などがある。3つの機械により、 廃棄物が小、中、大の大きさにより分離されコンベヤで運ばれる。磁気ドラムにより鉄を取 り除く。この施設では、中大型の物体の多くは、手作業により分類される。飛散する粉塵を 8 http://www.edcodisposal.com/public-disposal/cdi-lg.html

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減らすため、天井から頻繁に散水されている。

(多くの人手により分別作業が行われている。)

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