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り注ぐ頃 苗の揺れる田に雪を頂いた山々が映る 木々の緑が濃くなると梅雨の走りの雨が草木を濡 らす しばしば海から吹く冷たく湿った東寄りの 風 ( ヤマセ ) が低温をもたらし 農家は水田の管 理に忙しい 6 月半ばに梅雨入りし ぐずついた天 気がしばらく続くが 7 月下旬 ヒグラシの鳴き声 が夜明け

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蔵王町 水田と蔵王連峰 水田に残雪を頂く蔵王の山並みが映り、植えられ たばかりの苗が風にそよぐ。 図4.4-1 宮城県の地勢と観測地点(2017年1月現在)※ 図中に観測所の位置を示す。赤◎は管区気象台、青◎は特別地 域気象観測所(旧測候所)、緑○はアメダス。 石巻 仙台

4.4 宮城県の気候の変化

4.4.1 宮城県の地勢と気候

宮城県は、東北地方の南東部に位置 し、東は太平洋に面し、北は岩手県、 北西は秋田県、西は山形県、南は福島 県にそれぞれ隣接しており、総面積は 約7,282km2で全国第16位の広さであ る(図4.4-1)。西の県境は奥羽山脈が 南北に走り、北から、栗駒山を含む神 室山地、船形連峰、県最高峰の屏風岳 (1825m)を含む蔵王連峰が連なって いる。奥羽山脈の東になだらかな丘陵 が平行して分布し、河川沿いには台地 が点在している。岩手県境から牡鹿半 島にかけての沿岸部は北上高地が太 平洋に落ち込み、岬や湾、入江が複雑 に入り組んだリアス式海岸となって いる。松島湾の南から山元町に至る海 岸線は単調な砂浜が続き、南の県境は 阿武隈高地により福島県に接してい る。東北最長の河川である北上川は岩 手県から県北を南へ流れ、登米市で旧 北上川と新北上川に分かれ、太平洋 に注ぐ。鳴瀬川、七北田川、名取川 が県の中央部を東西に貫き、福島県 に源を発する阿武隈川が県南を北へ 流れ太平洋に達する。これらの河川の流域には堆積した土砂による平野が発達し、東北地方最大の平 野である仙台平野を形成している。 宮城県の気候は、典型的な太平洋側の特性を示すが、その中でも平野が広がる東部と、山地が多い 西部に大別される。仙台平野から北上高地の南端にかけての東部は、太平洋に面しているため、海風 が入りやすく、夏の暑さはあまり厳しくない。東北地方の中では冬もわりあい暖かく、一年を通じて 比較的穏やかな気候である。奥羽山脈の裾野にあ たる西部は、夏は厳しい暑さはないが、冬は奥羽 山脈をこえる季節風の影響を受け、県内では比較 的降雪の多い地域である。 宮城県の四季 3月に入り、田や沼に群れていた渡り鳥が北へ 向かって飛び立ち姿を消すと、本州南岸を通る低 気圧の影響でしばしば湿った雪が降る。日射しの ぬくもりに溶けた雪の下からはフキノトウが顔 を出す。4月上旬から中旬にかけて桜の便りが平 地から山間部へと通り過ぎて行くと、里山は柔 らかな萌葱色に包まれる。春は「おろし」と呼 ばれる強風が吹き荒れることも多い。5月、移 動性高気圧に覆われ夏を思わせる日射しが降 ※この地図は、国土地理院『数値地図50mメッシュ(標高)平成13年5月1日』および、国土交通省国土政策局『国土数値情 報(行政区域データ)平成28年』をもとに、仙台管区気象台が加工・作製した。

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七ヶ宿町 長老湖の紅葉 鏡のような湖面に不忘山の姿を映す長老湖。蔵王南 麓の森の中にある周囲約2kmの小さな湖である。11月上 旬、色づいたブナやカエデが湖畔を鮮やかに彩る。 り注ぐ頃、苗の揺れる田に雪を頂いた山々が映る。 木々の緑が濃くなると梅雨の走りの雨が草木を濡 らす。しばしば海から吹く冷たく湿った東寄りの 風(ヤマセ)が低温をもたらし、農家は水田の管 理に忙しい。6月半ばに梅雨入りし、ぐずついた天 気がしばらく続くが、7月下旬、ヒグラシの鳴き声 が夜明けの静寂を破ると梅雨明けが近い。夏、仙 台七夕が終わり短い残暑が過ぎると秋雨の季節で ある。9月は年間を通じ最も降水量が多い月である。 雨の合間を縫うように稲刈りが始まる。10月は移 動性高気圧に覆われ晴天が続くことが多く、週末 には、河原は芋煮会を楽しむ人々で賑わう。栗駒 から始まる紅葉が里へと足早に下り、街中の木々 が赤や黄に色づく頃、船形山や蔵王山では初冠雪 の便りが聞かれる。11月に入り、冬の季節風が強 まると、街中でも初雪が舞う。冬、乾いた季節風が奥羽山脈を吹き下ろし、県西部の山沿いに雪雲の 壁が立ちはだかる。突き抜けるような青空をちぎれた雪雲が流れ、足早に街を行き交う人々の頭上を 風花が舞う。西部の山沿いは雪に覆われ、沿岸地域は乾いた冷たい北西風にさらされ、家々の軒先に は野菜や凍み豆腐が揺れている。冬の日射しに照り映える寒椿の濃桃色が次第に色あせると、春は間 近い。 宮城県の気象観測 宮城県内の観測地点として、1926年10月に観測を開始した仙台管区気象台(以下、本文では仙台と記 載)と、石巻特別地域気象観測所(1887年9月観測開始)がある(以下、本文では石巻と記載。石巻は 旧測候所で、現在は無人化され自動観測となっている)。また、1974年からアメダス(地域気象観測シ ステム)の運用を開始しており、2017年1月現在、県内28地点(仙台、石巻含む)で観測を行っている。 仙台の月平均気温、月降水量、月間日照時間の平年値を図4.4-2に示す。 図4.4-2 仙台の月平均気温、月降水量、月間日照時間の平年値 左図は日平均気温・日最高気温・日最低気温の月平均値(℃)、中図は月降水量(mm)、右図は月間日照時間 (h)。平年値は1981~2010年の30年平均値。日照時間は1986年に測器変更があったため、変更前の値を補正し ている(気象庁,2005a)。 (2010 年 12 月の値は暫定) 仙台 仙台 仙台

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4.4.2 宮城県の気温の長期変化

年平均気温の長期変化 仙台、石巻の年平均気温の推移を図4.4-3に示す。 仙台では100年あたり2.3℃の割合で上昇している。仙台の上昇率は、東北地方の気象台及び特別地 域気象観測所の中では最も大きく、2.1.1で述べた日本の年平均気温の値の約2倍であり、地球温暖化 の影響に加えて都市化の影響も大きいと考えられる。長期的な変化傾向を除くと1940年代半ばの低温 の時期、1950年代後半から1960年代前半にかけての高温の時期、1980年代の低温の時期を経て、1980 年代の終わりに大きく気温が上昇し、1990年頃から高温の年が多くなっている。石巻では100年あたり 0.8℃の割合で上昇している。1900年代半ばから1910年代初めに低温の時期があり、その後の変化の特 徴は仙台と同様である。 地点名 統計期間 長期変化傾向 備考(観測所移転等に伴う統計切断等) 仙台 1927~2016年 2.3℃/100年 石巻 1888~2016年 0.8℃/100年 図4.4-3及び付表 仙台、石巻の年平均気温の推移 図の青線は各年の年平均気温(℃)、赤線は5年移動平均値、直線は長期変化傾向を表す。付表の長期変化傾 向で、*を付加した値は信頼度水準95%で統計的に有意な値、**を付加した値は90%で有意な値、無印の値は99% で有意な値であることを示す。「-」は、統計的に有意な長期変化傾向が見出せないことを示す。 季節別平均気温の長期変化 仙台、石巻の季節別平均気温の推移を図4.4-4に 示す。 仙台ではすべての季節で、石巻では春・秋・冬 の気温が上昇しており、冬の上昇率が仙台で100年 あたり3.0℃、石巻で100年あたり1.1℃と最も大き い。また、石巻の夏の気温には上昇傾向が明瞭に 現れているが、仙台、石巻ともに夏の上昇率が最 も小さく、2.1.3で述べた東北地方の特徴と同様で ある。 仙台では、春は1984年の低温や2015年の高温が 顕著である。夏は1993年の冷夏、2010年の暑夏な ど数年おきに顕著な低温や高温が現れている。冬 は1945年の寒冬、1949年と1989~1993年の暖冬等 が顕著で、夏と同様に概ね数年おきに顕著な低温 や高温が現れている。 石巻では1902年や1913年などの冷夏が顕著であり、その後の期間の各季節の変化の特徴は仙台とほ ぼ同様である。 川崎町 ポピーの花畑 国営みちのく杜の湖畔公園の丘一面にピンクの花が 揺れる。5月の日射しが眩しく降り注ぎ、蔵王の残雪は 山頂付近に残るのみとなった。 信頼度水準 99%で有意 石巻 変化率:0.8℃/100年 仙台 変化率:2.3℃/100年 信頼度水準 99%で有意

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地点名(季節) 統計期間 長期変化傾向 地点名(季節) 統計期間 長期変化傾向 仙台(春) 1927~2016年 2.6℃/100年 石巻(春) 1888~2016年 1.0℃/100年 仙台(夏) 1927~2016年 1.3℃/100年 石巻(夏) 1888~2016年 0.6*℃/100年 仙台(秋) 1927~2016年 2.5℃/100年 石巻(秋) 1887~2016年 0.7℃/100年 仙台(冬) 1927~2016年 3.0℃/100年 石巻(冬) 1888~2016年 1.1℃/100年 図4.4-4及び付表 仙台、石巻の季節別平均気温の推移 図の折線は季節別平均気温(℃)とその5年移動平均値、直線は長期変化傾向を表す。春は3月~5月、夏は6 月~8月、秋は9月~11月、冬は前年12月~2月の3か月平均値である。付表の長期変化傾向で、*を付加した値は 信頼度水準95%で統計的に有意な値、**を付加した値は90%で有意な値、無印の値は99%で有意な値であるこ とを示す。「-」は、統計的に有意な長期変化傾向が見出せないことを示す。 石巻 変化率:2.6℃/100年 仙台 石巻 変化率:1.0℃/100年 仙台 石巻 変化率:2.5℃/100年 仙台 変化率:0.7℃/100年 変化率:3.0℃/100年 仙台 石巻 変化率:1.1℃/100年 変化率:1.3℃/100年 変化率:0.6℃/100年 信頼度水準 99%で有意 信頼度水準 99%で有意 信頼度水準 99%で有意 信頼度水準 99%で有意 信頼度水準 99%で有意 信頼度水準 95%で有意 信頼度水準 99%で有意 信頼度水準 99%で有意

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4.4.3 宮城県の雨・雪の長期変化

年・季節別降水量の長期変化 仙台、石巻の年降水量の推移を図4.4-5に示す(脚注1)。2地点とも年降水量に変化傾向は見られな い。仙台では、1940年代初めまで少雨期が続き、その後は十年程度の周期で多雨期と少雨期が現れて おり、1970年代から1990年代にかけては、年降水量が1000mm以下の年が度々見られる。 地点名 統計期間 長期変化傾向 備考(観測所移転等に伴う統計切断等) 仙台 1927~2016年 - 石巻 1888~2016年 - 図4.4-5及び付表 仙台、石巻の年降水量の推移 図の棒グラフは各年の年降水量(mm)、折線は5年移動平均値を表す。付表の長期変化傾向で、*を付加した値 は信頼度水準95%で統計的に有意な値、**を付加した値は90%で有意な値、無印の値は99%で有意な値である ことを示す。「-」は、統計的に有意な長期変化傾向が見出せないことを示す。 仙台、石巻の季節別降水量の推移を図4.4-6、図4.4-7に示す。 仙台では全ての季節の降水量に変化傾向は見られない。石巻では夏・秋・冬の降水量に変化傾向は 見られないが、春の降水量は減少傾向が現れている。なお、冬の降水は主に雪によるものである(脚 注2)。 脚注1)1968年1月に転倒ます型雨量計の観測開始により、観測値の最小位数を 0.1mm 刻みから 0.5mm 刻みに変更した(気 象庁,2005a)。なお、冬期は加熱装置付きの機器を使用している。 脚注2)降水量の観測は、円筒型の雨量計に捕捉された雨の量(雪の場合、溶かした水の量)を測定することにより行われる が雪の捕捉率は風速が大きくなると低下し、少なめに観測される。その割合は測器の形状によって異なると指摘されてい る(横山ら,2003)。なお、ここでは測器の形状及び風速による降水量の補正は行っていない。 石巻 仙台 仙台 仙台 仙台 仙台

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地点名(季節) 統計期間 長期変化傾向 備考(観測所移転等に伴う統計切断等) 仙台(春) 1927~2016年 - 仙台(夏) 1927~2016年 - 仙台(秋) 1927~2016年 - 仙台(冬) 1927~2016年 - 図4.4-6及び付表 仙台の季節別降水量の推移 図の棒グラフは季節別降水量(mm)、折線は5年移動平均値を表す。春は3月~5月、夏は6月~8月、秋は9月~ 11月、冬は前年12月~2月の3か月合計値。付表の長期変化傾向で、*を付加した値は信頼度水準95%で統計的に 有意な値、**を付加した値は90%で有意な値、無印の値は99%で有意な値であることを示す。「-」は、統計的 に有意な長期変化傾向が見出せないことを示す。 地点名(季節) 統計期間 長期変化傾向 備考(観測所移転等に伴う統計切断等) 石巻(春) 1888~2016年 -28.7** mm/100年 石巻(夏) 1888~2016年 - 石巻(秋) 1887~2016年 - 石巻(冬) 1888~2016年 - 図4.4-7及び付表 石巻の季節別降水量の推移 図の棒グラフは季節別降水量(mm)、折線は5年移動平均値、直線は長期変化傾向を表す。春は3月~5月、夏 は6月~8月、秋は9月~11月、冬は前年12月~2月の3か月合計値。付表の長期変化傾向で、*を付加した値は信 頼度水準95%で統計的に有意な値、**を付加した値は90%で有意な値、無印の値は99%で有意な値であること を示す。「-」は、統計的に有意な長期変化傾向が見出せないことを示す。 石巻 石巻 石巻 変化率:-28.7mm/100年 石巻 信頼度水準 90%で有意

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年最大日降水量の長期変化 仙台、石巻の年最大日降水量の推移を図4.4-8に示す。 仙台、石巻ともに変化傾向は見られない。仙台では、過去3回、日降水量250mmを超える大雨が発生 している。1948年9月16日から17日にかけて、アイオン台風が千葉県から金華山沖を北東進したため、 仙台では、9月16日に日降水量312.7mm、16日16時に日最大1時間降水量94.3mmを観測した。県北を中心 に総降水量400mmを超える大雨となり、江合川、鳴瀬川、迫川が決壊し、県南でも阿武隈川が氾濫し、 田畑流失や家屋の被害が多大となり、県内の死者42名、床上浸水16000棟以上と大水害となった(気象 庁,1967、仙台管区気象台,1995)。 地点名 統計期間 長期変化傾向 備考(観測所移転等に伴う統計切断等) 仙台 1927~2016年 - 石巻 1888~2016年 - 図4.4-8及び付表 仙台、石巻の年最大日降水量の推移 図の棒グラフは各年の年最大日降水量(mm)、折線は5年移動平均値を表す。付表の長期変化傾向で、*を付加 した値は信頼度水準95%で統計的に有意な値、**を付加した値は90%で有意な値、無印の値は99%で有意な値 であることを示す。「-」は、統計的に有意な長期変化傾向が見出せないことを示す。 大雨日数の長期変化 仙台、石巻の日降水量50mm以上の年間日数の推移を図4.4-9に示す。 仙台では100年あたり2.5日の割合で増加している一方、石巻では変化傾向は見られない。 地点名 統計期間 長期変化傾向 備考(観測所移転等に伴う統計切断等) 仙台 1927~2016年 2.5日/100年 石巻 1888~2016年 - 図4.4-9及び付表 仙台、石巻の日降水量50mm以上の年間日数の推移 図の棒グラフは各年の日降水量50mm以上の年間日数、折線は5年移動平均値、直線は長期変化傾向を表す。付 表の長期変化傾向で、*を付加した値は信頼度水準95%で統計的に有意な値、**を付加した値は90%で有意な値、 無印の値は99%で有意な値であることを示す。「-」は、統計的に有意な長期変化傾向が見出せないことを示す。 変化率:2.5日/100年 仙台 石巻 仙台 石巻 信頼度水準 99%で有意

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仙台市 梅雨明け間近 雲の切れ間がみるみる大きくなり、夏の青空が広 がった仙台市街。急速に積乱雲が湧き上がり、午後 は一転雷雨となった。梅雨明けまでは不安定な空模 様が続く。 無降水日数の長期変化 仙台、石巻の無降水日(日降水量1.0mm未満)の年間日数の推移を図4.4-10に示す。 仙台の無降水日数には、増加傾向が明瞭に現れており、石巻では増加傾向が現れている。 地点名 統計期間 長期変化傾向 備考(観測所移転等に伴う統計切断等) 仙台 1927~2016年 7.9*日/100年 石巻 1888~2016年 5.4**日/100年 図4.4-10及び付表 仙台、石巻の無降水日の年間日数の推移 図の棒グラフは各年の無降水日(日降水量1.0mm未満)の年間日数、折線は5年移動平均値、直線は長期変化 傾向を表す。付表の長期変化傾向で、*を付加した値は信頼度水準95%で統計的に有意な値、**を付加した値は 90%で有意な値、無印の値は99%で有意な値であることを示す。「-」は、統計的に有意な長期変化傾向が見出 せないことを示す。 変化率:7.9日/100年 仙台 石巻 変化率:5.4日/100年 信頼度水準 95%で有意 信頼度水準 90%で有意

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アメダスで見た大雨回数の長期変化 宮城県内のアメダスは、1974年に運用を開始し、2016年1月現在、県内28地点で観測を行っている。 仙台や石巻では80年以上の観測データがあるのに比べるとアメダスの観測年数は短いが、地点数が多 いことから、局地的大雨などを気象台等による長期のデータだけを用いるよりも適切に捉える事がで きる。そこで、宮城県内の観測地点のうち、1979年から2015年まで降水量の観測を継続している19地 点のデータから集計した1時間降水量30mm以上、1時間降水量50mm以上の短時間強雨及び日降水量100mm 以上の大雨の年間発生回数を図4.4-11に示す。 図4.4-11に示すように、1時間降水量30mm以上の発生回数には増加傾向が明瞭に現れており、1時間 降水量50mm以上の発生回数は10年あたり0.5回の割合で増加している。日降水量100mm以上の発生回数 は、年ごとのばらつきが大きく、変化傾向は見られない。 一般に、大雨の発生回数は年ごとの変動が大きく、それに対してアメダスの観測期間は比較的短い ことから、長期変化を確実に捉えるためには今後のデータの蓄積が必要である(気象庁,2015)。 年間発生回数 統計期間 長期変化傾向 1時間降水量30㎜以上 1979~2016年 1.2*回/10年 1時間降水量50㎜以上 1979~2016年 0.5回/10年 日降水量100㎜以上 1979~2016年 - 図4.4-11及び付表 宮城県内の1時間降水量30mm以上、1時間降水量50mm以上、日降水量100mm以上の年間発生 回数の推移 宮城県内で1979年から2016年まで降水量の観測を継続している19地点のデータから集計した1時間降水量 30mm以上の年間発生回数(上左図)、1時間降水量50mm以上の年間発生回数(上右図)と、日降水量100mm以上 の年間発生回数(下左図)。直線は長期変化傾向を表す。付表の長期変化傾向で、*を付加した値は信頼度水 準95%で統計的に有意な値、**を付加した値は90%で有意な値、無印の値は99%で有意な値であることを示 す。「-」は、統計的に有意な長期変化傾向が見出せないことを示す。 宮城県 変化率:1.2回/10年 宮城県 信頼度水準 95%で有意 信頼度水準 99%で有意 変化率:0.5回/10年 宮城県

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降雪の深さと最深積雪の長期変化 仙台、石巻の降雪の深さの寒候年合計値の推移を図4.4-12に示す(脚注)。 仙台は2005年10月、石巻は2003年3月に降雪の深さの観測を雪板による観測から積雪計による自動観 測に変更しており、観測データがこの前後で均質ではないため、雪板による観測データを対象として 変化傾向を調べた。2地点とも降雪の深さの寒候年合計値に変化傾向は見られず、2.2.7で述べた東北 太平洋側と同様である。また、各年の値は、おおむね50cmから100㎝の間で変動している。仙台では、 1980年代半ばまで100cmを超える年が度々あったが、1980年代の終わりに急減し、その後は100㎝を超 える頻度は少なくなっている。1984年1月から3月にかけては南岸低気圧が頻繁に通過したため、仙台、 石巻とも度々大雪に見舞われ、仙台の降雪の深さの合計値は148cmに達した。 地点名 統計期間 長期変化傾向 備考(観測所移転等に伴う統計切断等) 仙台 1954~2016寒候年 - 観測方法の変更に伴う統計切断のため、長期変化傾 向は1954~2005寒候年を調べた。 石巻 1954~2016寒候年 - 観測方法の変更に伴う統計切断のため、長期変化傾 向は1954~2002寒候年を調べた。 図4.4-12及び付表 仙台、石巻の降雪の深さの寒候年合計値の推移 図の棒グラフは各年の降雪の深さの寒候年合計値(cm)、折線は5年移動平均値、破線は統計切断時期を示す。 付表の長期変化傾向で、*を付加した値は信頼度水準95%で統計的に有意な値、**を付加した値は90%で有意な 値、無印の値は99%で有意な値であることを示す。「-」は、統計的に有意な長期変化傾向が見出せないことを 示す。 石巻 仙台 脚注)寒候年とは、基本的には前年8月から当年7月までの1年を指す(例えば2009年8月から2010年7月までの1年間を2010寒 候年という)。

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仙台、石巻の寒候年最深積雪の推移を図4.4-13に示す(脚注)。 2地点とも年最深積雪に変化傾向は見られず、2.2.7で述べた東北太平洋側と同様である。1936年1月 25日は発達した低気圧が金華山沖を北東進したため大雪となり、また、2月8日にもまとまった雪が降 ったため、2月9日の仙台の最深積雪は41cmを記録した(気象庁,1967)。仙台、石巻では、最深積雪が 30cmを超えることはまれである。 地点名 統計期間 長期変化傾向 備考(観測所移転等に伴う統計切断等) 仙台 1927~2016寒候年 - 石巻 1989~2016寒候年 - 図4.4-13及び付表 仙台、石巻の寒候年最深積雪の推移 図の棒グラフは各年の寒候年最深積雪(cm)、折線は5年移動平均値を表す。付表の長期変化傾向で、*を付加 した値は信頼度水準95%で統計的に有意な値、**を付加した値は90%で有意な値、無印の値は99%で有意な値 であることを示す。「-」は、統計的に有意な長期変化傾向が見出せないことを示す。 仙台、石巻の日最深積雪5cm以上の年間日数(寒候年)の推移を図4.4-14に示す。 石巻では変化傾向は見られず、2.2.7で述べた東北太平洋側と同様であるが、仙台では、100年あた り9.8日の割合で減少している。 地点名 統計期間 長期変化傾向 備考(観測所移転等に伴う統計切断等) 仙台 1927~2016寒候年 -9.8日/100年 石巻 1989~2016寒候年 - 図4.4-14及び付表 仙台、石巻の日最深積雪5cm以上の年間日数(寒候年)の推移 図の棒グラフは各年の日最深積雪5cm以上の年間日数(寒候年)、折線は5年移動平均値、直線は長期変化傾向 を表す。付表の長期変化傾向で、*を付加した値は信頼度水準95%で統計的に有意な値、**を付加した値は90% で有意な値、無印の値は99%で有意な値であることを示す。「-」は、統計的に有意な長期変化傾向が見出せな いことを示す。 仙台 石巻 変化率:-9.8日/100年 仙台 石巻 信頼度水準 99%で有意 脚注)1990年代以降、積雪の深さの観測を雪尺を用いた観測から積雪計による自動観測に変更した。積雪計への切替時期は、 仙台1999年3月、石巻1998年3月(気象庁,2005a)。

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雪の初終日の長期変化 仙台の雪の初日(初雪)、雪の終日の推移を図4.4-15に示す。 仙台の雪の初終日に変化傾向は見られない。仙台の初雪の平年値は11月24日、雪の終日の平年値は4 月7日で、初雪の最早は11月8日(1981年、1995年)、雪の終日の最晩は5月3日(1991年)である。 石巻の初雪は11月中旬から下旬の年が多いが、12月まで雪を観測しない年もある(図略)。雪の終日 は3月下旬から4月中旬の年が多い(図略)。 地点名(要素) 統計期間 長期変化傾向 備考(観測所移転等に伴う統計切断等) 仙台(雪の初日) 1927~2016寒候年 - 仙台(雪の終日) 1927~2016寒候年 - 石巻(雪の初日) 1951~2016寒候年 - 夜間目視観測の終了(1995年4月1日)に伴う統計 切断のため、1951~1995寒候年の長期変化傾向を 調べた。 石巻(雪の終日) 1951~2016寒候年 - 夜間目視観測の終了(1995年4月1日)に伴う統計 切断のため、1951~1994寒候年の長期変化傾向を 調べた。 図4.4-15及び付表 仙台の雪の初終日(寒候年)の推移 左図は雪の初日(初雪)、右図は雪の終日。赤線は5年移動平均値を表す。付表には石巻も示す。付表の長期 変化傾向で、*を付加した値は信頼度水準95%で統計的に有意な値、**を付加した値は90%で有意な値、無印の 値は99%で有意な値であることを示す。「-」は、統計的に有意な長期変化傾向が見出せないことを示す。

4.4.4 宮城県の真夏日・真冬日などの階級別日数の長期変化

仙台、石巻の夏日(日最高気温25℃以上)の年間日数の推移を図4.4-16に示す。 石巻では増加傾向が明瞭に現れており、仙台では増加傾向が見られる。仙台の夏日日数はおおむね 60日から70日前後で推移している。石巻では、1890年代半ばから1910年代半ばまで夏日日数が30日前 後の年が続いたが、その後はおおむね50日から60日前後で推移している。 夏 日 日 数 仙台 仙台 仙台 信頼度水準 90%で有意 石巻 信頼度水準 95%で有意 変化率:0.8日/10年 変化率:1.0日/10年

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地点名 統計期間 長期変化傾向 備考(観測所移転等に伴う統計切断等) 仙台 1927~2016年 1.0**日/10年 石巻 1888~2016年 0.8*日/10年 図4.4-16及び付表 仙台、石巻の夏日(日最高気温25℃以上)の年間日数の推移 図の棒グラフは各年の夏日(日最高気温25℃以上)の年間日数、折線は5年移動平均値、直線は長期変化傾向 を表す。付表の長期変化傾向で、*を付加した値は信頼度水準95%で統計的に有意な値、**を付加した値は90% で有意な値、無印の値は99%で有意な値であることを示す。「-」は、統計的に有意な長期変化傾向が見出せな いことを示す。 仙台、石巻の真夏日(日最高気温30℃以上)の年間日数の推移を図4.4-17に示す。 仙台では増加傾向が現れており、石巻では10年あたり0.4日の割合で増加している。2010年は全国的 に記録的な猛暑となり、仙台の真夏日日数は観測開始以来最多の48日を記録した。仙台では真夏日が 少ない年も数年ごとに見られ、記録的な冷夏だった1993年は1日だけだった。石巻の真夏日日数はお およそ仙台の半分の年間10日前後であり、1900年代を中心に、真夏日のない年を6回記録している。 地点名 統計期間 長期変化傾向 備考(観測所移転等に伴う統計切断等) 仙台 1927~2016年 0.9**日/10年 石巻 1888~2016年 0.4日/10年 図4.4-17及び付表 仙台、石巻の真夏日(日最高気温30℃以上)の年間日数の推移 図の棒グラフは各年の真夏日(日最高気温30℃以上)の年間日数、折線は5年移動平均値、直線は長期変化傾 向を表す。付表の長期変化傾向で、*を付加した値は信頼度水準95%で統計的に有意な値、**を付加した値は90% で有意な値、無印の値は99%で有意な値であることを示す。「-」は、統計的に有意な長期変化傾向が見出せな いことを示す。 仙台、石巻の熱帯夜(ここでは日最低気温25℃以上の日を便宜的に熱帯夜と呼ぶ)の年間日数の推 移を図4.4-18に示す。 仙台では10年あたり0.3日の割合で、石巻では10年あたり0.1日の割合でそれぞれ増加している。仙 台の熱帯夜日数は、1980年以前はまれにしか現れなかったが、1980年代半ばからは増加して3日以上の 年も現れ、2010年には観測開始以来最多の10日を記録した。石巻の熱帯夜は十数年に1回程度しか現れ なかったが、1980年代後半からは数年おきに現れている。 仙台 仙台 変化率:0.3日/10年 変化率:0.4日/10年 石巻 変化率:0.9日/10年 石巻 変化率:0.1日/10年 信頼度水準 90%で有意 信頼度水準 99%で有意 信頼度水準 99%で有意 信頼度水準 99%で有意

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大衡村 ヤマユリ 群れ咲くヤマユリの香りが、木漏れ日がまだら模様 を作る小道を満たす。昭和万葉の森公園は、四季折々 の花で地域に親しまれている。 石巻市 晩秋のヨシ原 北上川河口から上流10キロ付近までヨシ原が広が り、川を渡る風がヨシの大群落を揺らす。広大な空間 を満たすヨシのざわめきは、環境省が選定した「残し たい日本の音風景100選」に選ばれている。 地点名 統計期間 長期変化傾向 備考(観測所移転等に伴う統計切断等) 仙台 1927~2016年 0.3日/10年 石巻 1888~2016年 0.1日/10年 図4.4-18及び付表 仙台、石巻の熱帯夜(日最低気温25℃以上)の年間日数の推移 図の棒グラフは各年の熱帯夜(ここでは日最低気温25℃以上とする)の年間日数、折線は5年移動平均値、直 線は長期変化傾向を表す。付表の長期変化傾向で、*を付加した値は信頼度水準95%で統計的に有意な値、** を付加した値は90%で有意な値、無印の値は99%で有意な値であることを示す。「-」は、統計的に有意な長期 変化傾向が見出せないことを示す。 仙台、石巻の猛暑日(日最高気温35℃以上)の年間日数の推移を図4.4-19に示す。 仙台の猛暑日は増加傾向が現れているが、年に1、2回現れる程度である。石巻では猛暑日が現れる ことはごくまれで、1888年以降で4回現れただけである。 地点名 統計期間 長期変化傾向 備考(観測所移転等に伴う統計切断等) 仙台 1927~2016年 0.1**日/10年 石巻 1888~2016年 - 図4.4-19及び付表 仙台、石巻の猛暑日(日最高気温35℃以上)の年間日数の推移 図の棒グラフは各年の猛暑日(日最高気温35℃以上)の年間日数、折線は5年移動平均値、直線は長期変化傾 向を表す。付表の長期変化傾向で、*を付加した値は信頼度水準95%で統計的に有意な値、**を付加した値は90% で有意な値、無印の値は99%で有意な値であることを示す。「-」は、統計的に有意な長期変化傾向が見出せな いことを示す。 仙台 変化率:0.1日/10年 石巻 信頼度水準 90%で有意

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仙台、石巻の冬日(日最低気温0℃未満)の年間日数の推移を図4.4-20に示す(脚注)。 仙台では10年あたり5.7日の割合で減少している。1940年代半ばまでは年間100日を超えていたが、 その後は90日前後となり、1980年代の終わりに大きく減少している。 石巻でも10年あたり1.5日の割合で減少している。石巻は仙台と比べて冬日日数の減少率が小さく、 1980年代の終わりまで年間100日前後で推移していた。その後、やや減少したものの年間80日程度は現 れている。 地点名 統計期間 長期変化傾向 備考(観測所移転等に伴う統計切断等) 仙台 1927~2016年 -5.7日/10年 石巻 1888~2016年 -1.5日/10年 図4.4-20及び付表 仙台、石巻の冬日(日最低気温0℃未満)の年間日数の推移 図の棒グラフは各年の冬日(日最低気温0℃未満)の年間日数、折線は5年移動平均値、直線は長期変化傾向 を表す。付表の長期変化傾向で、*を付加した値は信頼度水準95%で統計的に有意な値、**を付加した値は90% で有意な値、無印の値は99%で有意な値であることを示す。「-」は、統計的に有意な長期変化傾向が見出せな いことを示す。 仙台、石巻の真冬日(日最高気温0℃未満)の年間日数の推移を図4.4-21に示す。 仙台では10年あたり0.4日の割合で減少している。最多は1945年の16日、次に1984年の12日であり、 1990年代以降は現れない年が多くなっている。石巻でも10年あたり0.6日の割合で減少している。石巻 の真冬日日数は変動が大きく、1910年代、1940年代の終わりから1960年代半ば、1970年代に少ない時 期が見られ、1980年代の終わりからは少ない時期が続いている。 地点名 統計期間 長期変化傾向 備考(観測所移転等に伴う統計切断等) 仙台 1927~2016年 -0.4日/10年 石巻 1888~2016年 -0.6日/10年 図4.4-21及び付表 仙台、石巻の真冬日(日最高気温0℃未満)の年間日数の推移 図の棒グラフは各年の真冬日(日最高気温0℃未満)の年間日数、折線は5年移動平均値、直線は長期変化傾 向を表す。付表の長期変化傾向で、*を付加した値は信頼度水準95%で統計的に有意な値、**を付加した値は90% で有意な値、無印の値は99%で有意な値であることを示す。「-」は、統計的に有意な長期変化傾向が見出せな いことを示す。 脚注)日最低気温の日界(1日の区切り時刻)は現在では00時であるが、1939年までは日界を22時としており、1953~1963 年は09時としていた。09時日界及び22時日界による冬日日数は、00時日界によるものと比べ北日本平均でそれぞれ6.7日/ 年と2.3日/年少なく、09時日界及び22時日界による熱帯夜日数は、00時日界によるものと比べ北日本平均でそれぞれ0.1 日/年と0.02日/年多いと指摘されている(藤部,2000)。 仙台 変化率:-5.7日/10年 石巻 変化率:-1.5日/10年 変化率:-0.4日/10年 仙台 石巻 変化率:-0.6日/10年 信頼度水準 99%で有意 信頼度水準 99%で有意 信頼度水準 99%で有意 信頼度水準 99%で有意

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4.4.5 宮城県のサクラ開花・カエデ紅葉への影響

サクラの開花やカエデの紅葉などの植物の季節現象は気温と密接な関係がある(気象庁,2015)。こ こでは、春の現象としてサクラ開花日、秋の現象としてカエデ紅葉日に着目し、その変化と気温の変 化を確認する。 図4.4-22は、仙台のサクラ(ソメイヨシノ)開花日の推移である(脚注1)。サクラ開花と相関が高 い2月~4月の3か月平均気温の推移をともに示す(脚注2)。 仙台のサクラ開花日は早くなる傾向が明瞭に現れている。1980年代の終わりまでは4月中旬に開花す ることが多かった。1984年の春先は気温の低い日が多く、4月28日にようやく開花し、最晩の記録とな った。1990年代以降は4月上旬に開花する年が増加しており、2002年には観測開始以来最早の3月29日 に開花した。仙台では、2月~4月の3か月平均気温は、10年あたり0.2℃の割合で上昇している。 要素 統計期間 長期変化傾向 備考(観測所移転等に伴う統計切断等) サクラの開花日 1931~2016年 -0.8*日/10年 統一基準(脚注1)による観測は1953年以降。 1952年以前の値は参考値。長期変化傾向は1953 ~2016年から求めた。 2~4月の平均気温 1927~2016年 0.2℃/10年 上記に合わせ、長期変化傾向は1953~2016年か ら求めた。 図4.4-22及び付表 仙台のサクラ開花日と2月~4月の3か月平均気温の推移 図の赤線はサクラ開花日、青線は2月~4月の3か月平均気温(℃)。直線は長期変化傾向を表す。1952年以前 の値(○)は参考値。付表の長期変化傾向で、*を付加した値は信頼度水準95%で統計的に有意な値、**を付加 した値は90%で有意な値、無印の値は99%で有意な値であることを示す。「-」は、統計的に有意な長期変化傾 向が見出せないことを示す。 変化率:-0.8日/10年 信頼度水準 95%で有意 信頼度水準 99%で有意 変化率:0.2℃/10年 脚注1)1953年に気象庁で「生物季節観測指針」が制定され、全国で一定の基準による観測業務が開始されたが、これ以前は、 官署ごとに独自の観測を行っていたため、観測データの品質に差がある可能性がある(仙台管区気象台,2005)。そこで、 1952年以前の観測値は参考値とし、1953年以降の観測値から変化傾向を調べた。 脚注2)異常気象レポート2014(気象庁,2015)では、全国のサクラの開花日平年差と2月~3月平均気温平年差との間に負の 相関(相関係数-0.90)があると述べているが、東北地方においてサクラの開花日は全国の中では比較的遅めで、4月に開 花することが多いため、異常気象レポート2005(気象庁,2005b)と同様に、2月~4月の気温との比較を行った。 仙台市 ソメイヨシノ開花 仙台管区気象台敷地内のサクラ標本木。

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図4.4-23に、仙台のカエデ紅葉日と、カエデの紅葉と相関が高い9月~11月の3か月平均気温(脚注) の推移を示す(気象庁,2015)。 仙台のカエデ紅葉日は、10年あたり3.9日の割合で遅くなっている。2000年頃までは11月上・中旬に 紅葉する年が多かったが、以降は11月下旬に紅葉する年が多い。9月~11月の3か月平均気温は10年あ たり0.3℃の割合で上昇しており、気温の上昇が紅葉を遅らせている要因の一つと考えられる。 要素 統計期間 長期変化傾向 備考(観測所移転等に伴う統計切断等) カエデの紅葉日 1956~2016年 3.9日/10年 1963~1967年は欠測。 9~11月の平均気温 1927~2016年 0.3℃/10年 上記に合わせ、長期変化傾向は1956~2016年 から求めた。 図4.4-23及び付表 仙台のカエデ紅葉日と9月~11月の3か月平均気温の推移 図の赤線はカエデ紅葉日、青線は9月~11月の3か月平均気温(℃)、直線は長期変化傾向を表す。付表の長期 変化傾向で、*を付加した値は信頼度水準95%で統計的に有意な値、**を付加した値は90%で有意な値、無印の 値は99%で有意な値であることを示す。「-」は、統計的に有意な長期変化傾向が見出せないことを示す。 脚注)異常気象レポート2014(気象庁,2015)では、全国のカエデの紅(黄)葉日平年差と10月~11月平均気温平年差との間 に相関(相関係数0.88)があると述べているが、東北地方においてカエデの紅(黄)葉日は全国の中では比較的早めで、 10月上旬に紅(黄)葉することもあるため、異常気象レポート2005(気象庁,2005b)と同様に、9月~11月の気温との比較 を行った。 変化率:3.9日/10年 信頼度水準 99%で有意 変化率:0.3℃/10年 信頼度水準 99%で有意 仙台市 カエデ紅葉 仙台管区気象台敷地内のイロハカエデ標 本木。

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仙台のヒートアイランド現象

仙台は昔に比べて暑くなったと言われる。仙台 の年平均気温は、100年あたり2.3℃の割合で上昇 しており、地球温暖化による日本の平均気温の上 昇(1.16℃/100年)を大きく上回っている。 仙台の街は、戦後から高度経済成長期にかけて 急速な発展を遂げた。駅周辺には高層ビルや商業 施設が密集し、周辺の田畑は住宅地に変わり、エ アコンや自動車の普及で大量の熱が排出されて いる。都市化は「ヒートアイランド現象」を引き 起こし、地球温暖化の影響を上回る気温上昇をも たらしていると考えられる。 図1に仙台と東京の気温、日本の平 均気温、日本周辺海域の海面水温の 推移を示す。この期間で東京の年平 均気温は100年あたり約3℃上昇して いるのに対し、仙台は2.3℃である。 この上昇率は、東北地方の17地点の 気象台・特別地域気象観測所の中で は最も大きいが、札幌、名古屋、大 阪、福岡といった東京以外の日本の 大都市よりやや小さい。仙台の気温 は、1940年代から1960年頃にかけて、 東京並みの速さで昇温しているが、 1960年代以降は上昇速度が鈍り、日 本の平均気温や日本周辺海域の海面 水温に近い上昇率となっている。 ヒートアイランド現象の影響 は、最高気温よりも最低気温で大 きい。これは、日中は混合層の発 達に伴って都市の余剰熱が上空 へ拡散することで地表面付近で の気温変化量が小さくなるのに 対し、夜間は都市の余剰熱が地表 付近の薄い層に集中することで 地表面付近での気温変化量が大 きくなるためである(藤部, 2012) と考えられる。月別に過去と現在 の違いを石巻と比較してみると (図2)、石巻では、最低気温・最 高気温の上昇量がほぼ等しいの に対し、仙台では最低気温の上昇量が大きい。仙台では都市化の影響として最低気温の上昇量が大き くなっていると考えられる。 図2 仙台と石巻の日最高気温・日最低気温の月平均値の変化量 1981~2010年の30年平均値から1931~1960年の30年平均値を差し引 いた変化量(℃)。赤が日最高気温、青が日最低気温を表す。左図が仙 台、右図が石巻。 仙台 石巻 青葉山から望む仙台市街 高層ビルが立ち並ぶ仙台市中心部。正面の山並み は牡鹿半島、右手奥には太平洋が広がる。 図1 仙台と東京の年平均気温、日本の年平均気温、日本周辺海域の 海面水温の推移(1927~2015年) 赤は仙台、緑は東京、青は日本(国内15地点の平均)、灰色は日本 周辺海域の海面水温(℃)。いずれも年平均値で、1927~1956年の30 年平均値に対する偏差。点は各年の値、折線は5年移動平均値を表す。

参照

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