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調査実施の背景 今日 様々な調査において 仕事上重要な能力の1つとして コミュニケーション能力 が上位にあげられています しかし 一言でコミュニケーション能力といっても 企業で求められるそれは多岐にわたり 具体的にどのような能力がどのような人で重要ととらえられ 各人においてそれぞれのコミュニケーショ

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Academic year: 2021

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2015 年6月 22 日 第一生命保険株式会社(社長 渡邉 光一郎)のシンクタンク、株式会社第一生命経済研究所 (社長 矢島 良司)では、全国に勤務する大企業・中小企業勤務者 1,440 名を対象に職場でのコ ミュニケーションについてアンケート調査を行いました。この程、その調査結果がまとまりまし たので、ご報告いたします。 本リリースは、ホームページにも掲載しています。 URL:http://group.dai-ichi-life.co.jp/cgi-bin/dlri/ldi/total.cgi?key1=n_year 1コミュニケーション能力の重要性の認識 (P.2) ● 重要性の認識が最も高いのは「人に口頭で何かを正確に伝える“話す”能力」 コミュニケーション能力の自己評価 (P.3) ● 自己評価が最も高いのは「書類やメールなどの文章を“読む”能力」 「読む・書く」能力の重要性の認識と自己評価 (P.4) ● 読む能力は大企業の女性管理職、書く能力は大企業の男性管理職で自己評価が高い 「話す・敬語を使う・プレゼンテーションする」能力の重要性の認識と自己評価 (P.5) ● 話す能力の自己評価が低いのは大企業の男性非管理職 1「相手の話をきいて理解する・講習や研修をきいて理解する」能力の重要性の認識と自己評価 (P.6) ● 相手の話を「きいて理解する」能力の重要性認識は高いが、講習や研修などにおいて「きいて理 解する」能力の重要性認識は高くない 1「空気を読む・情報を共有する」能力の重要性の認識と自己評価 (P.7) ● 女性で特に重要性認識が高い「空気を読む」能力 1「リーダーシップ・自己主張」能力の重要性の認識と自己評価 (P.8) ● リーダーシップの重要性認識・自己評価ともに最も高いのは大企業の女性管理職 1「調整・感情コントロール」能力の重要性の認識と自己評価 (P.9) ● 社内での意見・見解や方向性を「調整する」能力の重要性認識・自己評価も大企業の女性管理職 で最も高い 1「共感能力・論理性」の重要性の認識と自己評価 (P.10) ● 論理性の重要性の認識が最も高いのは大企業の女性管理職だが自己評価が最も高いのは大企 業の男性管理職

全国の大企業・中小企業勤務者 1,440 名に聞いた

『仕事をする上でのコミュニケーション能力の

重要性の認識と自己評価』

~ 読む・書く・話す・空気読む・プレゼンテーション能力など ~

≪調査結果のポイント≫ ㈱第一生命経済研究所 ライフデザイン研究本部 研究開発室 広報担当(津田・新井) <お問い合わせ先>

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≪調査実施の背景≫

今日、様々な調査において、仕事上重要な能力の1つとして「コミュニケーション能力」 が上位にあげられています。しかし、一言でコミュニケーション能力といっても、企業で 求められるそれは多岐にわたり、具体的にどのような能力がどのような人で重要ととらえ られ、各人においてそれぞれのコミュニケーション能力が自分にどの程度あると思ってい るかについてまで明らかにされることは少ないのが現状です。 そこで、2014 年に実施した「職場のコミュニケーションに関する調査」から、仕事上の コミュニケーション能力に関するものについて分析しました。ここでは、職場で必要と考 えられるコミュニケーション能力として以下の 15 項目をとりあげています。 これらの結果について、企業規模ごとに正規社員・非正規社員別、管理職・非管理職別、 性別の比較を行うことで、各コミュニケーション能力の重要性の認識と自己評価の実態を 明らかにし、課題の発見を試みました。 ① 書類やメールなどの文章を「読む」能力 ② 書類やメールなどの文章を「書く」能力 ③ 人に口頭で何かを正確に伝える「話す」能力 ④ 相手に応じて適切に「敬語を使う」能力 ⑤ 人前で発表したり報告をする「プレゼンテーション」能力 ⑥ 会話において相手の話を「きいて理解する」能力 ⑦ 講習や研修などにおいて「きいて理解する」能力 ⑧ その場の雰囲気を感じとる「空気を読む」能力 ⑨ 社内での報告・連絡・相談などにより「情報を共有する」能力 ⑩ 社内での意見・見解や方向性を「調整する」能力 ⑪ グループをまとめる「リーダーシップ」能力 ⑫ 相手を不快にさせずに自分の考えを伝える「自己主張」能力 ⑬ 感情的にならずに冷静でいる「感情コントロール」能力 ⑭ 相手の気持ちによりそう「共感」能力 ⑮ 筋道をたててわかりやすく物事を伝える「論理性」

≪調査概要≫

1. 調査対象 全国の企業に勤務する 20~59 歳の男女 1,440 名 2. 調査方法 株式会社クロス・マーケティングのモニターを用いた インターネット調査 3.調査時期 2014 年9月 4. 回答者の主な属性 中小企業 (20~300 人未満) 大企業 (300 人以上) 合計 合計 正規社員 管理職 (部長・課長) 男性 120 120 240 480 女性 120 120 240 非管理職 (係長・役職なし) 男性 120 120 240 480 女性 120 120 240 非正規社員 男性 120 120 240 480 女性 120 120 240 合計 720 720 1,440 1,440 (単位:人)

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コミュニケーション能力の重要性の認識

重要性の認識が最も高いのは「人に口頭で何かを正確に伝える“話す”能力」

図表1 コミュニケーション能力の重要性の認識 まず、全体的な傾向をみるために、仕事をする上での各コミュニケーション能力の重要性の 認識について、調査対象者全体の回答をみました。 仕事をする上でのコミュニケーション能力の重要性について、「重要である」(「非常に重要 である」と「まあ重要である」の合計)が最も高かったのは「人に口頭で何かを正確に伝える “話す”能力」でした(図表1)。これに、「会話において相手の話を“きいて理解する”能力」 「筋道をたててわかりやすく物事を伝える“論理性”」「感情的にならずに冷静でいる“感情コ ントロール”能力」「社内での報告・連絡・相談などにより“情報を共有する”能力」が続い ています。「人前で発表したり報告をする“プレゼンテーション”能力」や「グループをまと める“リーダーシップ”能力」「相手の気持ちによりそう“共感”能力」などは下位に位置し 49.2 46.3 38.9 35.3 38.1 31.7 30.8 33.8 32.5 29.9 26.9 26.0 23.9 27.9 29.3 44.7 46.1 52.4 55.1 51.9 57.8 57.4 54.1 54.9 55.9 58.1 57.8 57.7 50.6 49.2 5.1 6.6 7.4 8.3 8.7 8.1 10.3 10.6 10.3 12.2 12.9 14.2 16.5 18.0 17.5 1.0 1.0 1.3 1.3 1.4 2.4 1.5 1.6 2.3 2.1 2.1 2.1 1.9 3.5 4.0 0% 20% 40% 60% 80% 100% 人に口頭で何かを正確に伝える「話す」能力 会話において相手の話を「きいて理解する」能力 筋道を立ててわかりやすく物事を伝える「論理性」 感情的にならずに冷静でいる「感情コントロール」能力 社内での報告・連絡・相談などにより「情報を共有する」能力 書類やメールなどの文章を「読む」能力 話す相手に応じて適切に「敬語を使う」能力 その場の雰囲気を感じとる「空気を読む」能力 書類やメールなどの文章を「書く」能力 社内での意見・見解や方向性を「調整する」能力 講習や研修などにおいて「きいて理解する」能力 相手を不快にさせずに自分の考えを伝える「自己主張」能力 相手の気持ちによりそう「共感」能力 グループをまとめる「リーダーシップ」能力 人前で発表したり報告をする「プレゼンテーション(発表する)」能 力 非常に重要である まあ重要である あまり重要ではない まったく重要ではない

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コミュニケーション能力の自己評価

自己評価が最も高いのは「書類やメールなどの文章を“読む”能力」

図表2 コミュニケーション能力の自己評価 仕事をする上でのコミュニケーション能力の自己評価について調査対象者全体の回答をみる と、「能力あり」(「十分あると思う」と「まああると思う」の合計)とする割合は、上位から 「書類やメールなどの文章を“読む”能力」「会話において相手の話を“きいて理解する”能 力」「その場の雰囲気を感じとる“空気を読む”能力」などとなっており、「グループをまとめ る“リーダーシップ”能力」「人前で発表したり報告をする“プレゼンテーション”能力」「相 手を不快にさせずに自分の考えを伝える“自己主張”能力」などは下位に位置しました(図表 2)。 14.3 14.0 15.9 12.2 15.4 11.3 12.7 10.3 10.7 9.8 8.9 9.9 6.5 7.9 7.5 62.6 56.8 54.8 56.7 52.8 55.6 53.8 48.8 47.7 48.2 47.4 45.6 43.7 34.8 34.8 19.2 24.6 24.3 26.2 26.4 28.2 28.1 32.7 35.1 35.8 35.6 35.3 40.4 39.7 39.5 3.9 4.6 5.0 4.9 5.4 5.0 5.3 8.2 6.6 6.2 8.1 9.3 9.5 17.6 18.2 0% 20% 40% 60% 80% 100% 書類やメールなどの文章を「読む」能力 会話において相手の話を「きいて理解する」能力 その場の雰囲気を感じとる「空気を読む」能力 講習や研修などにおいて「きいて理解する」能力 話す相手に応じて適切に「敬語を使う」能力 社内での報告・連絡・相談などにより「情報を共有する」能力 書類やメールなどの文章を「書く」能力 人に口頭で何かを正確に伝える「話す」能力 筋道を立ててわかりやすく物事を伝える「論理性」 相手の気持ちによりそう「共感」能力 社内での意見・見解や方向性を「調整する」能力 感情的にならずに冷静でいる「感情コントロール」能力 相手を不快にさせずに自分の考えを伝える「自己主張」能力 人前で発表したり報告をする「プレゼンテーション(発表する)」 能力 グループをまとめる「リーダーシップ」能力 十分あると思う まああると思う やや不足していると思う 非常に不足していると思う

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「読む・書く」能力の重要性の認識と自己評価

読む能力は大企業の女性管理職、

書く能力は大企業の男性管理職で自己評価が高い

図表3 「読む・書く」能力の重要性の認識と自己評価 「書類やメールなどの文章を“読む”能力」について「非常に重要である」とした人が最も 多かったのは大企業の女性非正規社員で、44.2%を占めました(図表3)。これに大企業の女 性管理職、大企業の女性非管理職が続いています。一方、読む能力が「十分あると思う」と回 答した人は大企業の女性管理職で 21.7%であるのに対し、大企業の女性非正規社員と大企業の 女性非管理職では 15%程度でした。 「書類やメールなどの文章を“書く”能力」について「非常に重要である」と回答した割合 は、大企業の男性管理職で 44.2%と最も多くなっています。これに大企業の女性管理職、大企 業の女性非管理職、中小企業の女性管理職が僅差で続きました。全体として大企業の女性で読 む・書く能力を重視する人が多いことがわかります。自己評価は、読む能力とかなり近い傾向 を示しており、管理職で比較的高い傾向があります。読む能力・書く能力ともに、自己評価は 中小企業の男性非正規社員と中小企業の女性非管理職、大企業の男性非管理職で低くなってい ました。 (%) 24.2 35.8 25.8 28.3 18.3 33.3 36.7 43.3 24.2 40.8 25.0 44.2 25.8 40.0 26.7 30.0 16.7 31.7 44.2 43.3 26.7 41.7 25.0 38.3 14.5 18.5 12.9 8.5 7.4 18.8 18.3 21.7 9.2 14.3 12.2 15.0 12.8 17.6 12.2 7.7 5.6 17.1 20.8 16.7 6.7 11.8 9.6 12.6 0 10 20 30 40 50 男 性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 管理職 非管理職 管理職 非管理職 正規社員 非正規社員 正規社員 非正規社員 中小企業 大企業 書類やメールなどの文章を「読む」能力 <非常に重要> 書類やメールなどの文章を「書く」能力 <非常に重要> <十分ある> <十分ある>

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「話す・敬語を使う・プレゼンテーションする」能力の

重要性の認識と自己評価

話す能力の自己評価が低いのは大企業の男性非管理職

図表4 「話す・敬語を使う・プレゼンテーションする」能力の重要性の認識と自己評価 「人に口頭で何かを正確に伝える“話す”能力」の重要性の認識についてみると、中小企 業・大企業ともに女性管理職では6割を超えました(図表4)。大企業の女性非管理職と中小 企業・大企業の女性非正規社員でも6割近くに及んでいます。自己評価については、大企業の 女性管理職で「十分あると思う」(19.3%)とする割合が最も多くなっている一方で、大企業 の男性非管理職では非常に低くなっています。 「話す相手に応じて適切に“敬語を使う”能力」では、中小企業・大企業ともに女性非正規 社員で「非常に重要である」とする割合が高くなっていました。自己評価は中小企業・大企業 の女性管理職に次いで、中小企業・大企業の女性非正規社員で高いことがわかります。 「人前で発表したり報告をする“プレゼンテーション”能力」についてみると、重要性の認 識は大企業の女性管理職で 45.0%と高いですが、自己評価は大企業の男性管理職が僅差で最も 高くなっています。また、全体的に大企業の女性は「非常に重要である」とする割合が中小企 業の女性に比べて高い傾向がありました。 (%) 35.0 61.7 46.7 42.5 35.0 56.7 53.3 64.2 40.8 58.3 38.3 57.5 16.7 38.3 29.2 25.0 19.2 44.2 22.5 40.8 20.0 38.3 26.7 48.3 27.5 34.2 29.2 22.5 16.7 24.2 39.2 45.0 27.5 36.7 15.0 34.2 6.8 14.3 9.2 4.2 6.2 11.7 14.2 19.3 4.2 11.9 6.9 15.1 12.8 21.0 14.2 12.6 8.8 19.2 18.5 23.5 4.2 16.9 11.1 20.8 6.0 9.3 8.0 3.8 1.0 5.8 15.0 14.4 6.8 8.0 6.3 8.0 0 10 20 30 40 50 60 70 男 性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 管理職 非管理職 管理職 非管理職 正規社員 非正規社員 正規社員 非正規社員 中小企業 大企業 人に口頭で何かを正確に 伝える「話す」能力 <非常に重要> 話す相手に応じて適切に 「敬語を使う」能力 <非常に重要> 人前で発表したり報告をする 「プレゼンテーション」能力 <非常に重要> <十分ある> <十分ある> <十分ある>

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「相手の話をきいて理解する・講習や研修をきいて理解する」

能力の重要性の認識と自己評価

相手の話を「きいて理解する」能力の重要性認識は高いが、

講習や研修などにおいて「きいて理解する」能力の重要性認識は高くない

図表5 「相手の話をきいて理解する・講習や研修をきいて理解する」能力の重要性の認識と自己評価 「会話において相手の話を“きいて理解する”能力」に対する重要性の認識は、大企業の女 性管理職で最も高く、これに中小企業・大企業の女性非正規社員が同割合で続いています(図 表5)。重要性の認識が最も低かったのは中小企業の男性管理職でした。自己評価については、 大企業の女性管理職で最も高く、これに大企業の女性非正規社員が続きました。 一方、「講習や研修などにおいて“きいて理解する”能力」については、人の話をきいて理 解する能力に比べると重要性の認識が全体的に低くなっています。最も高かった大企業の女性 管理職においても、その割合は4割程度です。ただし、自己評価については、概ね人の話をき いて理解する能力の自己評価と同程度となっていました。 人とのコミュニケーションにおいて「きく」のと、聴衆の1人として一方向的に発せられる 情報を「きく」のとでは、「きく」姿勢において大きな違いがあります。重要性の認識につい てはかなりの差があるものの、双方の自己評価に大きな差がないのは、自分に後者の「きく」 能力があるかについて、普段あまり意識していないことも影響しているのかもしれません。 (%) 30.0 50.0 44.2 42.5 33.3 60.0 43.3 64.2 37.5 54.2 36.7 60.0 18.3 27.5 26.7 17.5 20.8 31.7 22.5 40.8 22.5 37.5 21.7 35.8 11.1 17.6 12.5 10.1 3.5 17.5 18.3 25.8 7.6 13.4 10.3 19.3 9.4 16.2 10.2 4.4 2.8 12.8 18.3 24.2 5.8 16.8 9.6 14.4 0 10 20 30 40 50 60 70 男 性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 管理職 非管理職 管理職 非管理職 正規社員 非正規社員 正規社員 非正規社員 中小企業 大企業 会話において相手の話を「きいて理解する」能力 <非常に重要> 講習や研修などにおいて「きいて理解する」能力 <非常に重要> <十分ある> <十分ある>

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「空気を読む・情報を共有する」能力の

重要性の認識と自己評価

女性で特に重要性認識が高い「空気を読む」能力

図表6 「空気を読む・情報を共有する」能力の重要性の認識と自己評価 職場においては、「その場の雰囲気を感じとる“空気を読む”能力」も求められます。重要 性の認識は、大企業の女性非正規社員、中小企業の女性非正規社員、大企業の女性非管理職、 中小企業の女性管理職の順で高く、他の項目で目立っていた大企業の女性管理職が目立たない 結果となりました(図表6)。大企業の女性管理職はコミュニケーションに関する多くの項目 で重要性の認識が他より高くなっていましたが、空気を読む能力については相対的に高くあり ませんでした。ただし、自己評価については大企業の女性非正規社員に次いで大企業の女性管 理職で高く、能力はあると認識している人は少なくありません。一方、空気を読む能力の自己 評価が低いのは、中小企業の男性非正規社員と大企業の男性非管理職でした。 「社内での報告・連絡・相談などにより“情報を共有する”能力」についてみると、大企業 の女性では重要性の認識が一様に高いですが、大企業の男性非管理職や男性非正規社員では低 くなっています。また、中小企業の男性管理職や男性非正規社員でも重要性の認識の低さが目 立ちます。自己評価が低いのは中小企業の女性非管理職と大企業の男性非管理職が同割合で最 下位でした。 (%) 26.7 40.8 30.8 30.8 28.3 45.0 29.2 38.3 23.3 44.2 20.0 47.5 24.2 48.3 35.0 34.2 21.7 41.7 37.5 52.5 28.3 52.5 30.0 50.8 12.8 20.3 13.4 12.7 6.2 22.5 14.2 24.2 6.8 16.8 14.7 25.8 7.7 17.8 10.3 2.5 3.6 14.5 13.3 23.5 2.5 15.1 8.5 15.1 0 10 20 30 40 50 60 男 性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 管理職 非管理職 管理職 非管理職 正規社員 非正規社員 正規社員 非正規社員 中小企業 大企業 その場の雰囲気を感じとる「空気を読む」能力 <非常に重要> 社内での報告・連絡・相談などにより「情報を共有する」能力 <非常に重要> <十分ある> <十分ある>

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「リーダーシップ・自己主張」能力の

重要性の認識と自己評価

リーダーシップの重要性認識・自己評価ともに最も高いのは

大企業の女性管理職

図表7 「リーダーシップ・自己主張」能力の重要性の認識と自己評価 「グループをまとめる“リーダーシップ”能力」については、その性質上、管理職を中心に 特に求められる能力ですが、とりわけ大企業の女性管理職では重要性の認識も自己評価も他よ り高いことがわかりました(図表7)。「十分ある」とする割合は、大企業の女性管理職で2割 近くに及びますが、大企業の男性管理職では1割強にとどまっています。また、管理職の予備 軍ともいえる非管理職についてみると、中小企業では重要性の認識・自己評価ともに女性より 男性で高いですが、大企業の非管理職では男性より女性で高いとの結果を得ました。 さらに、「相手を不快にさせずに自分の考えを伝える“自己主張”能力」、いわゆる「アサー ティブ・コミュニケーション」の能力についてみると、重要性の認識はここでも大企業の女性 管理職で突出していました。自己評価は大企業の女性非正規社員で最も高くなっています。大 企業の男性非管理職と中小企業の男性非正規社員は、同割合で自己評価が最下位となっており、 うまく自己主張をする能力がないと考えている人が多い様子が浮き彫りとなりました。 (%) 30.0 35.0 23.3 19.2 18.3 23.3 43.3 45.8 23.3 27.5 17.5 28.3 20.8 34.2 22.5 25.0 13.3 29.2 25.0 40.0 15.8 31.7 20.8 33.3 6.1 11.0 8.8 0.9 2.9 6.0 11.7 19.3 1.7 6.3 3.6 10.1 4.3 7.6 8.5 1.7 0.9 9.2 8.3 10.9 0.9 7.8 4.3 12.8 0 10 20 30 40 50 男 性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 管理職 非管理職 管理職 非管理職 正規社員 非正規社員 正規社員 非正規社員 中小企業 大企業 グループをまとめる「リーダーシップ」能力 <非常に重要> 相手を不快にさせずに自分の考えを伝える「自己主張」能力 <非常に重要> <十分ある> <十分ある>

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「調整・感情コントロール」能力の

重要性の認識と自己評価

社内での意見・見解や方向性を「調整する」能力の重要性の認識・

自己評価も大企業の女性管理職で最も高い

図表8 「調整・感情コントロール」能力の重要性の認識と自己評価 「社内での意見・見解や方向性を“調整する”能力」についてみると、重要性の認識は大企 業の女性管理職、大企業の女性非管理職で多く、これに中小企業の女性管理職、大企業の女性 非正規社員が続くなど、全体的に女性で高くなっています(図表8)。男性についてみると、 大企業の男性管理職が35.0%で男性の中では最も高いですが、それ以外は重要性の認識が低い ことがわかりました。自己評価については、中小企業の女性非管理職と大企業の男性非管理職 が同割合で最下位でした。 「感情的にならずに冷静でいる“感情コントロール”能力」の重要性の認識については、大 企業の女性全般と中小企業の女性非正規社員で特に回答が多くなっています。一方で男性は全 体的に重要性の認識が低いのが実態です。自己評価は大企業の女性管理職で最も高く、中小企 業の男性非正規社員で最も低くなっていました。 (%) 25.0 38.3 25.8 25.0 17.5 26.7 35.0 43.3 23.3 40.0 20.0 38.3 23.3 38.3 25.0 36.7 25.8 46.7 27.5 52.5 24.2 45.0 26.7 51.7 7.7 14.3 7.8 2.6 1.8 9.0 11.7 20.2 2.6 10.3 6.9 11.4 6.0 8.3 9.2 5.9 3.6 10.0 14.2 15.0 8.3 13.4 12.0 11.8 0 10 20 30 40 50 60 男 性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 管理職 非管理職 管理職 非管理職 正規社員 非正規社員 正規社員 非正規社員 中小企業 大企業 社内での意見・見解や方向性を「調整する」能力 <非常に重要> 感情的にならずに冷静でいる「感情コントロール」能力 <非常に重要> <十分ある> <十分ある>

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「共感能力・論理性」の重要性の認識と自己評価

論理性の重要性の認識が最も高いのは大企業の女性管理職だが

自己評価が最も高いのは大企業の男性管理職

図表9 「共感能力・論理性」の重要性の認識と自己評価 「相手の気持ちによりそう“共感”能力」は、一様に女性より男性で重要性の認識が低く、 特に中小企業の男性非正規社員の回答は1割にとどまりました(図表9)。重要性の認識が高 かったのは中小・大企業ともに女性非正規社員で、いずれも 35%以上でした。自己評価は大企 業の女性全般と中小企業の女性非正規社員で高くなっていました。自己評価が最も低いのは大 企業の男性非管理職で、能力が「十分ある」と回答した人は 1.7%でした。 「筋道をたててわかりやすく物事を伝える“論理性”」についてみると、重要性の認識は大 企業の女性管理職で最も高く、6割近くを占めましたが、自己評価としては大企業の男性管理 職が最も高く、2割近くが「十分ある」と回答しており、大企業の女性管理職より高い割合を 占めました。 (%) 15.0 25.8 20.0 25.0 10.0 35.0 20.8 33.3 14.2 32.5 18.3 36.7 27.5 43.3 38.3 35.0 22.5 37.5 45.0 57.5 32.5 49.2 28.3 50.0 6.8 8.5 8.5 5.1 4.6 15.8 12.5 16.8 1.7 14.3 6.0 16.1 10.3 13.4 12.7 5.1 4.6 10.0 18.3 16.7 9.2 9.2 6.0 11.8 0 10 20 30 40 50 60 70 男 性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 管理職 非管理職 管理職 非管理職 正規社員 非正規社員 正規社員 非正規社員 中小企業 大企業 相手の気持ちによりそう「共感」能力 <非常に重要> 筋道を立ててわかりやすく物事を伝える「論理性」 <非常に重要> <十分ある> <十分ある>

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≪研究員のコメント≫

今回の結果から、仕事をする上でのコミュニケーション能力について、いくつかの示唆や課 題が得られました。まずは、個々のコミュニケーション能力の重要性の認識と自己評価につい て、随所で属性別に差がみられましたが、特に差が顕著だったのは、大企業の女性管理職と比 べて大企業の男性非管理職の値が低かった点です。また、中小企業の非管理職における男女差 と比べても、大企業の非管理職における男女差が大きいことがわかりました。非管理職は将来 の管理職予備軍ですが、大企業についてみる限り、男性の非管理職の意識が低い点が目立ちま す。現在、「女性活用」というスローガンのもと、女性のスキルアップやキャリアアップが注 目されていますが、企業を担う次世代の育成としては、男性を中心とするコミュニケーション 能力への意識喚起と能力の向上も、今後の企業の重要な取り組み課題であるといえそうです。 また、大企業の女性管理職におけるコミュニケーションの自己評価が高い点についても注視 する必要がありそうです。従業員満足度調査などでも、管理職が非管理職に比べてかなり肯定 的な職場環境評価をする傾向があり、同一の職場に対する評価に齟齬が生じるケースが指摘さ れています。今回のコミュニケーション能力の評価はあくまで自己評価であり、実際の能力の 有無ではありません。自分のコミュニケーション能力を客観的に評価することは難しいですが、 実際の能力の差以外に、過大・過小評価も影響していると推察されます。職場に対する認識の ギャップを最小化するためにも、管理職と非管理職、非正規社員の相互理解を促進し、多様な 立場の人との活発なコミュニケーションを通じて自己のコミュニケーション能力を多方面から 客観視できる職場環境が求められます。 さらに、プレゼンテーションや自己主張といった能力に対する重要性の認識があまり高くな かった点も今後の課題といえそうです。本稿で国際比較はできませんが、日本人の性質上、自 分を打ち出すことを美徳としてこなかったコミュニケーションスタイルが、今も積極的な発言 を阻んでいるように思われます。周囲との軋轢を最小限にしつつ、きちんと発言ができる環境 を形成し、業務遂行や人間関係形成において必要な情報発信をすべきであるとの認識を持つ人 が増えることで、職場のコミュニケーションも活性化されるのではないでしょうか。 職場において必要とされるコミュニケーション能力は、業界・業態や男女比率などの各職場 の特性に応じて様々であり、今回の調査結果が各職場にそのまま当てはまるものではありませ んが、まずはこれらの実態について各職場で意識をし、それぞれのコミュニケーション能力の 見直しと能力開発の再検討を行っていくことで、従業員満足度の向上や職場のコミュニケーシ ョンの円滑化が見込めるのではないでしょうか。 (研究開発室 上席主任研究員 宮木由貴子)

参照

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