1.省エネルギー対策①
○下水道は我が国の年間消費電力量の約0.7%を占める大口需要家(100万kW級の原子力発電所1基分の年間電力使用量)。
○処理水量当たりの
電力使用量原単位はH17年度以降横ばい状況
。
○下水道施設での電力使用量のうち、水処理工程が約5割を占めるが、
水処理に係る電力使用量原単位は若干悪化
。
全国の下水道事業の電力使用量と原単位
電力使用量の内訳
○年間電力使用量 約70億kWh/年(全体の0.7%)
○電力使用量原単位
下水道事業全体:0.499kWh/m3
(H17)
⇒0 492kWh/m3
(H22)
全国の下水道事業の電力使用量と原単位
処理場・
場内ポン
プ
14%
処理場・
その他
ポンプ場
10%
電力使用量の内訳
⇒0.492kWh/m (H22)
14%
処理場・
水処理
48%
処理場・
汚泥処理
21%
その他
7%
0.8
75
80
全国の処理場におけ
る電力使用量合計値
処理水1㎥当たりの
21%
(H23年度)
○電力使用量原単位は、その他(管理棟など)は減少している
処理工程ごとの電力使用量原単位の推移
0.6
0.7
60
65
70
位
(kWh/
年)
kWh/
年)
処理水1㎥当たりの
電力使用量原単位
電力使用量原単位 、そ 他(管 棟な ) 減少 る
が、水処理は若干悪化
水処理工程:0.226kWh/m3
(H17)⇒0.232kWh/m3
(H22)
その他工程:0.046kWh/m3
(H17)⇒0.035kWh/m3
(H22)
104.4 104.7 104.1 102.9
110.0 電力使用原単位推移
(H17年度比)
0.5
50
55
使
用量原単
位
力
使用量
(億
k
100.0 99.4 102.9
100.0 103.1
106.8
90.0
100.0
場内ポンプ
水処理
汚泥処理
(H17年度比)
0.4
35
40
45
電力
使
電
力
2
83.9
80.3
76.5
70.0
80.0
H17 H18 H19 H20 H21 H22
汚泥処理
その他
ポンプ場
※H23年度は節電要請等の影響があるため除外
0.3
30
H8 H10 H12 H14 H16 H18 H20 H22
1.省エネルギー対策②
○省エネルギー対策により
下水道事業の維持管理コスト縮減
が図られるが、エネルギー使用原単位を見ても、対策状況は
処理
○省 ネルギ 対策により
下水道事業の維持管理コスト縮減
が図られるが、 ネルギ 使用原単位を見ても、対策状況は
処理
場ごとに差が大きい
。
○今後、電力会社の
電力料金値上げ
は下水道事業の経営への影響が懸念。
エネルギー使用量原単位の分布
電力会社による値上げの動き
同じ水処理方法・規模の処理場でみても、エネルギー使用原単位の差が大きい。
ネルギ 使用量原単位の分布
2.000
東京電力:平均8.46%の値上げ実施
関西電力:平均9.75%の値上げ実施
九州電力:平均6.23%の値上げ実施
電力会社による値上げの動き
1.600
1.800
m
3
)
標準法(焼却なし)・処理水量1万t/日
九州電力 平均6.23%の値上げ実施
北海道電力:平均7.73%の値上げ実施
四国電力:平均7.80%の値上げ実施
東北電力:平均8.94%の値上げ実施
1.200
1.400
使
用原
単位(
KL
/
千
m
程度でみても、エネルギー使用原単位
の差は2倍程度
下水道維持管理費の内訳
経営への
0 600
0.800
1.000
エネル
ギ
ー
使
標準法等 焼却あり
人件費
19.2%
その他
27.2%
影響懸念
0.200
0.400
0.600
標準法等 焼却なし
高度処理
運転管理委
託費19.3%
汚泥処分費
清掃費1 5%
調査費1.0%
燃料費0.9%
水質測定経
費0.4% 下水道維持管理費
8,879億円/年
(平成23年度)
3
0.000
1 10 100 1,000 10,000 100,000 1,000,000 10,000,000
日平均汚水量(m3/日)
OD法等
修繕費
14.3%
電力費 9.4%
汚泥処分費
4.8%
薬品費2.0%
清掃費1.5%
2.下水汚泥の有効利用(エネルギー化①)
○下水汚泥中の固形物の約8割は有機物としてエネルギー利用が可能である。下水汚泥エネルギー化率は約13%(平成23年度
末)であり、
平成17年度約7%に比べ倍増しているが、未だ低い水準
にある。
○下水汚泥の消化工程から発生する消化ガスによる発電は、全国41箇所、年間1.4億kWhの発電量(約4万世帯の使用電力量に
相当 平成23年度末)で近年増加。
○自治体により固形燃料化されている事例は広島市 愛知県 福岡県等の7件にとどまっているが 横浜市 大阪市 埼玉県等
○自治体により固形燃料化されている事例は広島市、愛知県、福岡県等の7件にとどまっているが、 横浜市、大阪市、埼玉県等
で事業化に向けた取組が進められている。
下水汚泥エネルギー化率
下水汚泥のエネルギー化の実施個所の推移及び事例
○消化ガス発電の実施個所 27箇所(H17)⇒41箇所(H23)
○固形燃料化の実施個所 1箇所(H17)⇒7箇所(H25)
約7%(H17)⇒約13%(H23)
汚泥燃料
【消化ガス発電の実施個所数と電力量の推移】
【固形燃料化の事例】
消化ガス
11.8%
汚泥燃料
0.8%
緑農地利
用
10 1% 31 33
41
35
40
45
120
140
]
発電電力量 箇所数
10.1%
バイオマス
として未利
用
27 28 28 28
20
25
30
80
100
発電設備設
置
力量[千
kWh
]
広島市西部水資源再生センター【炭化】
(平成24年度より稼働)(100t-wet/日)
用
77.3%
5
10
15
20
40
60
置
処理場数[
箇
発電電
(平成23年度)
4
0
5
0
20
2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
箇
所]
※下水汚泥エネルギー化率:下水汚泥中の有
機物のうち、ガス発電等エネルギー用途に
有効利用された割合
宮城県県南浄化センター【造粒乾燥】
(平成21年度より稼働)(50t-wet/日)
2.下水汚泥の有効利用(エネルギー化②)
○下水汚泥エネルギー化率が低水準にある原因としては、
コストが大きい
ことと、規模が小さく、
スケールメリットが働かない
処理
場が多くある。
○その他、
人材不足
により導入検討・維持管理ができないとの声(第5・6回委員会検討課題と関連)
余剰消化ガスを有効利用しない理由 固形燃料化を実施しない理由
余剰消化ガスを有効利用しない理由 固形燃料化を実施しない理由
【質問事項】
平成24年度末時点において、
「消化槽がなく エネルギー化を行っていない」
【質問事項】
平成24年度末時点において、
「消化槽はあるが 有効利用は行っていない」 「消化槽がなく、エネルギ 化を行っていない」
「消化槽はあるが、有効利用は行っていない」
「消化槽があり、消化ガスの有効利用は行っているが、余剰ガスが3割
以上である」と回答した処理場に対し、固形燃料化を行わない理由につい
て質問
(複数回答可 総回答数 2 611)
「消化槽はあるが、有効利用は行っていない」
「消化槽があり、消化ガスの有効利用は行っているが、余剰ガスが3割以
上である」と回答した処理場に対し、余剰ガスを有効利用しない理由につ
いて質問
(複数回答可 総回答数 496)
5
出典:下水道ビジョンに関する調書(資源・エネルギー編)
(複数回答可 総回答数:2,611)
(複数回答可 総回答数:496)
2.下水汚泥の有効利用(リンの利用)
○世界的な食糧需要の急増やリン鉱石の主要産出国である中国、アメリカの輸出制限等により、リンの価格が乱高下。リンを輸
入に頼る我が国では、安定的なリン資源の確保に懸念。 さらに、世界のリン鉱石埋蔵量は偏在。
○農業・食品に関わるリンの輸入量約56万トン/年のうち約1割が下水道を経由。しかし、その
有効利用は約1割
(主にコンポス
ト)。ほぼ横ばいで推移(平成17年度31万DS-tから平成23年度33万DS-t)
○リン利用しない理由は
コストが大きい
ことと 規模が小さく
スケールメリットが働かない
処理場が多くある 人材不足の声も
○リン利用しない理由は、
コストが大きい
ことと、規模が小さく、
スケ ルメリットが働かない
処理場が多くある。人材不足の声も。
2000
40
45
リン鉱石輸入量 400
-t/
世界のリン鉱石の状況
肥料化された下水汚泥量
その他
1000
1500
ン
鉱石
輸入量
(
千
t)
15
20
25
30
35
40
輸
入単価
(
千
円/
t)
輸入単価
100
200
300
利
用量(千DS
-年)
脱水汚泥 コンポスト
乾燥汚泥
0
500
1
988
1
990
1
992
1
994
1
996
1
998
2
000
2
002
2
004
2
006
2
008
2
010
リ
ン
0
5
10 輸
0
100
H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23
緑農地
利
脱水汚泥 コンポスト
リン利用しない理由
国内のリンのフロ
リン鉱石の経済的埋蔵量(2011年)
リン利用しない理由
国内のリンのフロー
6
出典:下水道ビジョンに関する調書(資源・エネルギー編)
3.下水道事業からの温室効果ガス排出
○下水道から排出される温室効果ガスは、2005年度(H17年度)において約696万t-CO
22/年であったのが、2011年(H23年度)は
約662万t-CO
2/年(我が国全体の約0.5%)。さらに、地方公共団体の事業の中では
大きなウェイトを占める
。
○ただし、
CO
2の310倍の温室効果を有するN
2O
について、排出削減の主な対策である汚泥の高温焼却化は、平成23年度におい
て
目標は100%であったが、実際は約64%に留まる
。また、近年の増加率は横ばいになりつつある。
○原因としては
改築や修繕に要する初期投資コストが大きいことと 維持管理コストが増加すること
○原因としては、
改築や修繕に要する初期投資コストが大きいことと、維持管理コストが増加すること
。
下水道からの温室効果ガス排出量の推移
○焼却炉において燃焼の高度化(燃焼温度を800℃から850℃に上げる)
により N Oを約6割削減
高温焼却率の目標と実績
100
120
(%)
により、N
2Oを約6割削減
○京都議定書目標達成計画においては、2008年度(H21年度)に高温焼
却率を100%にする目標であったが、実際はH23年度においても64%
20
40
60
80
100
実績
計画の目標
0
20
2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012
計画の目標
高温焼却のために焼却炉を改修・維持管理するには、60t炉で設備改修費
が約4億円 年間ユーテリィティ費で約1千万円/年のコスト増の試算
東京都事務事業活動
室効果ガ 排出量
割合
が約4億円、年間ユ テリィティ費で約1千万円/年のコスト増の試算。
高温焼却対策工事概算費用(60t炉) 高温焼却対策ユーティリティ費用(60t炉)
補助
燃料量 電気 合計
800℃
25 575 21 650 47 225
1tあたり
費用
円/t
年間ユーティリティ費用(千円/年)
2 539
単位:百万円
施設能力
項目 60t/日
機械設備費 210
撤去据付費 110
東京都全体の排出量208万t-CO
2
に対し、下水道局は87.6万t-CO
2で
42%を占める。(2008年実績)
東京都事務事業活動温室効果ガス排出量の割合
7
出典:流動焼却炉における高温焼却の推進方策検討調査業務 報告書 平成21年3月 国土交通省
焼却 25,575 21,650 47,225
850℃
焼却 35,805 22,097 57,902
※ユーティリティ消費量は、収支計算結果から補助燃料:1.4倍、電力
使用量:1.02倍として算出
3,113
2,539
撤去据付費 110
電気設備費 54
ダイオキシン
暴露防止対策費 37
合計 411
設備対策
工事概算
費用
出典:下水道事業における地球温暖化防止計画
~アースプラン2010~(東京都)
4.下水道資源の処理場外での活用
○エネルギー供給構造高度化法によるバイオガス利用、固定価格買取制度(FIT)による売電など、下水道の有するエネルギー
○ ネルギ 供給構造高度化法によるバイオガス利用、固定価格買取制度(FIT)による売電など、下水道の有する ネルギ
を場内だけではなく、場外で活用していく取り組みが始まっている。 ⇒
固定価格買取制度:設備認定済み 5箇所
○
下水熱の利用
は、省エネ効果、温室効果ガス削減効果があり、処理場外での利用も始まっているが、コストを含めた技術的側
面の課題が多く、展開地も下水処理場やポンプ場の近傍のみの利用に留っている。 ⇒
下水道における熱利用:4箇所増
(H17⇒H25)
(H17⇒H25)
下水道における熱利用の事例
東京都 新砂三丁目地域冷暖房の事例
○平成23年8月26日、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の
調達に関する特別措置法」が成立
固定価格買取制度
東京都・新砂三丁目地域冷暖房の事例
・砂町水再生センターからの処理水によって冷水、焼却炉の排ガスを洗
浄した水(洗煙水)を利用して温水を製造。
・高齢者医療センターなどの冷暖房や給湯に利用(延床面積約24万㎡)。
調達に関する特別措置法」が成立。
○再生可能エネルギー源を用いて発電された電気を、国が定める一
定の期間・価格で電気事業者が買い取ることを義務付けるもの。電
気事業者が買取りに要した費用は、原則として使用電力に比例し
た賦課金によって回収。賦課金 よ 回収。
○既に、横浜市、石川県(以上既設)、栃木県、久留米市、神戸市にお
いて、設備認定済み。
【バイオマス発電に係る調達価格・調達期間(H25年度) 】
【バイオマス発電に係る調達価格・調達期間(H25年度) 】
バイオマス
メタン発酵
ガス化発電
廃棄物
(木質以外)
燃焼発電
※3
燃焼発電
※3
調達価格
(税込)
40.95円
17.85円
調達期間
20年間
20年間
8
【温水製造】
(洗煙水熱の利用)
調達期間
20年間
20年間
まとめ
【省 ネ
ギ 対策】
【省エネルギー対策】
○下水道施設での電力使用量のうち、水処理工程が約5割を占めるが、水処理に係る電力使用量原単位は若干悪化。
○省エネルギー対策により
下水道事業の維持管理コスト縮減
が図られるが、対策状況は
処理場ごとに差が大きくい
。
【下水汚泥等の有効利用】
○下水道は、下水汚泥中の有機物、希少金属であるリンや、温度差エネルギーである下水熱など多くの資源・エネルギーポテ
ンシャルを有するが その利用は未だ低水準
ンシャルを有するが、その利用は未だ低水準。
○原因は、
初期投資に要するコストが大きい
ことと、規模が小さく
スケールメリットが働かない
処理場が多くあること。
○一方で、下水資源・エネルギーの
処理場外での利用
も始まっている。
下水道が有する資源 エネルギ ポテンシャルと利用の現状
注)下記数値はポテンシャルであり、現在の技術で経済的合理性を有する利用可能量ではない。
区分 賦 存 量 利用状況(H23年度)
下水汚泥 下水汚泥発生量
約223万トン/年
発電可能量:40億kWh/年
→約110万世帯の年間電力消費量に相当
エネルギー利用割合
約1割
消化ガス発電:41箇所
固形燃料化:7箇所(H25)
下水道が有する資源・エネルギーポテンシャルと利用の現状
注)下記数値はポテンシャルであり、現在の技術で経済的合理性を有する利用可能量ではない。
下水熱 下水処理量:
約147億m3
/年
熱供給可能量:7,800Gcal/h
→約1,500万世帯の年間冷暖房熱源に相当
下水熱利用
12箇所(H25)
リン 流入するリン:
6万トン/年 我が国の年間のリン輸入量の約1割に相当
利用されたリンの
割合は約1割 肥料利用:33万DS-t
6万トン/年 割合は約1割
【温室効果ガス排出量】
○下水道から排出される温室効果ガスは削減されつつあるが、目標には不十分。
9
道
排
温
効果
減
あ
、目標
分。
○特にN
2O排出削減対策である高温焼却化が進まない原因は、
改築や修繕に要する初期投資コストが大きいことと、維持管
理コストが増加する
こと。