C A N C E R,2 (1992) 21
相模湾初記録のニシキエ ビ
池 田
等
ニシキエ ビ (P anu lirus ornatus) はイセエ ビ類 中の最大種で, イ ン ド・ 太平洋 の熱帯海域 に広 く 分布 し, 日本では紀伊半 島が北限 とされている.
1991
年8
月
19
日, 神奈川県横須賀市佐 島沖合 (水深10 - 20
m ) に仕掛 けた イセ エ ビ底刺 し網 によって本種 の雄1
個体が採集 され, これは相模 湾初記録 と思われ るので報告す る. 得 られたニシ キエ ビの測定値 は次 の通 りである. 体重 :340
g (水揚 げ時 に計 った もの) 体長 :213.0
m m 甲長 :96.5
m m 甲幅 :56.5
m m 従来, 相模湾 に知 られ るイセエ ビ属 の種類 には 普通 に見 られ るイセエ ビ (P .jaP onicus) のはかに ケブカイセエ ビ (P . hom arus), ゴシキエ ビ (P . verisicolor) がある. しか し, ケブカイセエ ビ, ゴ シキエ ビは極稀で, これまでに採集 された両者 の 数 は合計 して も数個体 にす ぎない. この ことか ら ニシキエ ビを含 めて, 熱帯性 のイセエ ビ類が相模
湾で世代交代 しているとは考 えに くい. それ らの 幼生 が黒潮暖流 に乗 って相模湾 に到達 し, ここで 成長 した もの と推察 され る. こうした ことか ら, 相模湾のよ うに分布 の境界 とな る海域で は, 極稀 に見つか る種類 の中に真 の 分布 と異 な った "一時的な分布'' を しているもの が相当数 あるので はないか, とい うことを付 け加 えてお く. 終わ りに, ニシキエ ビ水揚 げの情報 をお知 らせ 下 さり, 入手 に便宜をはか っていただいた新倉浩 義民 に厚 くお礼 申 し上 げる.H itoshi IK E D A : A new record of Panulirus ornatus (F abricius) (C rustacea, Palin uridae) from Sagam iB ay.
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