平成21年3月
北海道国際物流戦略チーム
輸送手段検討グループ
平成20年度の航空輸送分野の取り組み
取り組み1.新千歳空港における貨物輸送手段の向上
・国際航空貨物の輸送頻度・路線向上を図るため旅客チャーター便を活用した貨物輸送の検討
取り組み2.新千歳空港における航空貨物取り扱い機能強化
・貨物用スポットの整備による貨物上屋との連携強化
・国際貨物地区と国内貨物地区間の貨物移動の円滑化検討
取り組みの方向性
○道内産品の輸出拡大に向けて、航空輸送を道内産品の有効な輸出手段とするためにはコンテナ
の搭載可能な機材で多頻度に目的地まで直接運航することが重要
○そのためには、年間を通じて安定的に一定量の需要を確保することが条件となり、当面は、貨物需
要の掘り起こしのための取り組みも必要
平成20年度の航空輸送分野の取り組み
高雄空港 今回の輸送経路 新千歳 → 高雄 既存輸送経路 新千歳→成田→高雄 既存輸送経路 新千歳→台北→高雄 台北空港 <経路イメージ> 新千歳空港 成田空港
旅客チャーター便による貨物輸送実施概要
平成17年の制度改正により、旅客チャーター機により貨物輸送が可能となった事を受け、新千歳空港
―高雄空港間の国際旅客チャーター便を利用し、新千歳空港から貨物直行輸送を実施し、長所・課題
を把握。併せて、輸出品の現地販売実績などを調査。
実施日時:平成20年12月25日 12時45分(日本時間) 新千歳空港発 平成20年12月25日 17時50分(日本時間)※ 高雄空港着 ※台湾現地時間16時50分 輸送経路:出発地 新千歳空港 目的地 高雄空港 荷主・販売協力:(株)耕人舎 輸送貨物:牛乳、チョコレート、バター、チーズ など 1.2トン 販売場所:台湾・高雄市ショッピングモール「夢時代」内「北海道百貨」 フォワーダー:日通航空 航空会社:中華航空 使用機材:B737-800 旅客チャータ機 (160人乗り 2トン貨物搭載可能) (今回1.5トンを貨物スペースとして確保) (手積みにて搭載) 用機者 :台湾の旅行会社 2中華航空
台湾の旅行会社
(用機者)
日通航空
(フォワーダー)
国土交通省航空局
①旅客チャーターの契約の締結 (新千歳空港~高雄空港) ②航空会社が貨物同送について旅客便用機者からの同意取得 (同意書) ③航空会社が貨物室の使用者(フォワーダー)との間で輸送 (貨物室の利用)に関する契約の締結 ④用機者からの同意書及び貨物輸送 の契約書を添えて、フライト日の10日 前までに国土交通省に申請し、認可旅客チャーター便の貨物利用の手続きフロー
耕人舎
(荷主)
高雄への商品 輸送契約 平成17年9月の国土交通省航空局通達により、旅客チャーター便の貨物室部分(ベリースペース)のチャーターが旅客チャーター便による貨物輸送のための手続き
<11月10日> <12月12日> <12月8日> 12月25日 新千歳空港から高雄へフライト (備考)旅客チャーター便による貨物輸送スケジュール
11/10 11/11 12/7 12/8 12/11 12/12 12/19 12/20 12/21 12/22 ~ 12/24 12/25 12/26 12/30 12/31 1/1 1/2 45日前 44日前 18日前 17日前 14日前 13日前 6日前 5日前 4日前 3日前 1日前 当日 1日 5日 6日 7日 8日 中華航空 日通航空 荷主 ~ ~ ~ ~ 用機者(旅行代理店)と貨 物輸送同送の契約締結 商品発注 SIACTへ商品到着 輸出作業 国土交通省へ申請 フライト 貨物輸送の契約 輸出商品絞込み 輸出通関 通関開始 通関終了 商品販売開始 12:45(日本時間) 新千歳空港出発 17:50(日本時間) 高雄空港到着 (フライト時間約5時間) 12月25日(木) 4 27日、28日が休日のため 通関作業は3日間旅客チャーター便によるメリットと課題
中華航空 台湾の旅行会社 (用機者) 日通航空 (フォワーダー) 国土交通省航空局 監理部国際航空課 耕人舎 (荷主)輸送システムとしての課題
旅客チャーター便が運航されるという情報にエアラインと 共有できる方法が必要 遅くともフライトの1ヶ月前には運航情報をフォワーダー が共有できることが必要 契約 1 他社が、新千歳-高雄の定期便、チャーター機を運航していないため、自社が旅客チャーター便で運航される独自路線の高雄行きの直行貨物の需要に対応できることは大きな強み。 2 旅客チャーター便へ貨物を搭載することで、としては、旅客、貨物両方の部門で利益を確保できるように配慮する必要がある。貨物部門としての売上が増える。ただしエアライン 4 高雄は、定期の直行便がなく経由便を利用せざるを得ない地域であるため、旅客チャーターを利用した直行便は、輸送時間を短縮させることができる点がメリット。鮮度が重要な商品、日持 ちしない商品、リードタイム短縮が必要な商品の輸送ニーズに対応できる。 3 旅客チャーター便が運航されるという情報をいかにエアラインと共有できるかが重要。 旅客チャーター便の運航情報を得てから、実際に搭載を希望する荷主企業を探して営業をする には、遅くともフライトの1ヶ月前には運航情報をフォワーダーが共有できることが必要 4 旅客チャーター便の不定期なタイミングと荷主企業の輸送ニーズのタイミングとが一致しないとには販売できない点が大きな課題である。 こ 5 旅客チャーター便は、旅客数などによって使用機材が様々である。ペースに制限があり、コンテナを使用しない手積みであるため、搭載できる貨物の量や種類が小型機の場合には、貨物ス 限定されてしまう。 6 賞味期限が短い商品の輸送リードタイムを最短とし、間を確保することが可能となった。 限られた賞味期間に対して、長い販売期 7 これまで利用していなかった高雄空港を利用したが、大きな問題もなくスムーズに商品の輸入を行うことができた。 今回の旅客チャーター便では、輸送コストが既存航空便(経由便)よりも高かった。物流コストは 台湾での小売価格を左右するため、物流コストを低減し、台湾の消費者層に対する適切な価格 設定を行なうことで、商品の販売を拡大させ、育てていくことが求められている。 6 船で輸送した場合の運賃と比較して、今回の運賃設定が高いという反応があった。燃油サー チャージが高かったために、一層割高感を感じられたようである。 旅客チャーター便は運航が不定期であることから、運航が確定した後で当該チャーター便の運 航情報や貨物スペースの販売について、フォワーダーや荷主と効率よく情報提供できる仕組み が必要 1 2 メリット 3 5 課題 荷 主 ( 耕 人 舎) フォ ワー ダー ( 日 通 航 空) 旅客チャーターを利用した直行便が、所要時間の観点では、既存の経由ルートと比較して最も 優位である。 【既存の経由ルートで所要時間が最も短いのは、新千歳~香港~高雄便。新千歳~台北~高雄便は、香港経 由よりも半日程度余分に時間がかかる。新千歳~成田~高雄便の場合には、高雄行きフライトの前日には成 田に到着している必要があるため、所要時間は最も長い。】 貨物のハンドリング手数料は、ハンドリング会社との一括契約に含まれているので、日本側、台 湾側共に今回追加コストは発生していない。 航 空 会 社 ( 中 華 航 空) ※成田経由に比べ高額であるが、台北経由に比べ安くなる・北海道産品の 販売が好調 ・ロットが集まる ・輸送実績の増 ・輸送実績に応じ通関がスムーズ ・輸送費の低廉化
輸送経費について
・発地側(日本)におけるフォワーダーへの支払い
- 航空運賃、通関手続代行料、梱包料金、諸税・ 諸経費など・着地側〔台湾)におけるフォワーダーへの支払い
- 通関・検疫手続代行料、関税支払代行料、貨物 保管料(保税区域内)、諸税・諸経費など (輸送重量約1.2トン)補助なしでは輸送経費が割高
(今回は1.6倍) 商品価格が高額 なため販売が不振 売れないため ロットが集まらない 輸送費が高額 輸送経費内訳 悪循環 (取り組み案) ・航空輸送に資する、かつ北海道ブランドの付加価値向上に資する貨物に対する補助制度の実施 ・コストダウンに直結する貨物量(ロット)の確保に向けた荷主間の情報共有 ・航空会社、フォワーダーへのコストダウン取り組み①実績(量・回数増)による輸送経費ダウンの取り組み
②北海道産品の輸出拡大のための支援策
<今後の取り組むべき課題>
好循環悪循環を回避するために、航空輸送経費等の低廉化が必要
6今回の輸送費(補助有り)
参考:補助がない場合
輸送経費
約92万円
約150万円
台湾輸入手続きについて
台湾通関にあたり、加工品の添加物の確認が厳しくなっている。今年から栄養成分表示が義務付けられた。日 本から台湾に輸出する場合には、通関条件確認の徹底が必要。特に、混載貨物では1種類でも問題があると、 すべての荷物の通関が停滞してしまう。 特定の商品が検疫においてトラブルが続くと当該商品がすべての取り扱い会社において輸入停止となってしま う。トラブルを避けるため、荷物を出す側、受ける側双方で事前の情報交換・確認が重要。 物産展も良いが、ある程度決まった商品を定期的に輸送すれば、台湾当局も実績に応じ対応してくれる 日本・台湾両検疫当局が指定している選果場で農薬や防虫のチェックを行っているものは台湾での検疫・通関 が円滑。北海道も台湾への輸出促進を図るためには、検疫当局との関係強化や施設の整備が重要と考える。 (十勝の選果場でナガイモを扱っている) ○ ○ ○ ○台湾フォワーダーへのヒアリング結果
小型機の貨物輸送促進
新千歳空港への導入、更なる普及について検討
【新千歳空港旅客定期便就航路線】 路線 航空会社 週便数 機材 路線 航空会社 週便数 釜山 大韓航空 3 (S)B737-900 上海 中国東方航空 3 (S)A320 仁川 大韓航空 7 (L)A330-300 北京 中国国際航空 2 (S)B737-700 エバー航空 7 (L)A330-200 大連 中国南方航空 2 (S)A319 中華航空 6 (S)B737-900 ユジノサハリンスク サハリン航空 1 (S)B737-200 香港 キャセイパシフィック航空 4 (L)A330-300 グアム コンチネンタル航空 4 (S)B737-800 台北 (L)B777-300 (S)319新千歳空港においてコンテナが搭載可能な路線は3路線(台北、香港、仁川)のみであり、貨物の
取扱は、この3路線に集中(輸出98%、輸入93%)しており、コンテナが搭載できない小型機が就航
している路線は貨物輸送にあまり活用されていない。
魚介類輸送における水漏れ対策、温度管理が重要となる貨物など輸送貨物の特性に見合った汎用性のあるコンテナ (梱包材)が重要 内寸120cmX60cmX50cm、 耐荷重約850kg、自重約 5.5kg。高強度であり、水漏 れに対応し、小型航空機でも 安全な輸送サービスを提供 小型機用の貨物コンテナ例 800mm 1010mm 760mm ―20度から20度の間で温度管理が可能。 従来のドライアイス式に比べ、 温度の逸脱が少ない。 約300kgまで梱包可能。また、 すべての機材に搭載可能小型機の利用促進
8○平成22年3月供用予定