• 検索結果がありません。

投資情報 増資資金など外貨資本金の人民元転がさらに厳格に規制 ~ 税務当局から関連証明書類が発行されない等の混乱も ~ 2008 年秋以降 リーマンショックなど世界的な経済減速により 2009 年には輸出入共に前年度を大きく下回るなど中国においても景気停滞の影響がみられたものの 中国経済は 2010

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "投資情報 増資資金など外貨資本金の人民元転がさらに厳格に規制 ~ 税務当局から関連証明書類が発行されない等の混乱も ~ 2008 年秋以降 リーマンショックなど世界的な経済減速により 2009 年には輸出入共に前年度を大きく下回るなど中国においても景気停滞の影響がみられたものの 中国経済は 2010"

Copied!
12
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

トーマツ チャイナ ニュース

中国の投資・会計・税務情報

Vol.105 August 2011 Contents 投資情報 増資資金など外貨資本金の人民元転がさらに厳格に規制 ~税務当局から関連証明書類が発行されない等の混乱も~ ... 2 中国税務当局による移転価格同期資料(ドキュメンテーション)管理の最新動向

デロイト トウシュ トーマツ中国 発行 「Transfer Pricing Alert」より ... 6

会計情報 連載~企業会計準則シリーズ~ 第14 回 債務再編 ... 7 トーマツ チャイナ ニュース バックナンバー集発刊のお知らせ 『トーマツ チャイナ ニュース Vol.4/Jul.2009-Mar.2011』 ... 10 本ニュースに基づいて、財務上の問題やビジネスの問題に影響があるような意思決定や行動をとられる場合は、下記の点を考慮した上で必ず当法人 の専門家にご相談ください。 1. 本ニュースは、一般的な情報を提供するものであって、各利用者の具体的な事情に即した会計情報を提供するもの、或いは会計、税務、法律、投 資、コンサルティングその他の助言やサービスを提供するものではありません。 2. 本ニュースに含まれている情報は、利用者の参考のためのみに供されるものです。 3. 本ニュースは、その作成後の状況変化等により時機に即していない可能性があります。 翻訳部分の表現については十分吟味をしていますが、日本語では本来の意味を表現できていない箇所がある可能性があります。 発行人:有限責任監査法人トーマツ 中国室 〒100-0005 東京都千代田区丸の内 3-3-1 新東京ビル 電話:03-6213-1075 / ファックス:03-6213-1045 E-Mail:chinanews@tohmatsu.co.jp

(2)

投資情報

増資資金など外貨資本金の人民元転がさらに厳格に規制

~税務当局から関連証明書類が発行されない等の混乱も~

2008 年秋以降、リーマンショックなど世界的な経済減速により 2009 年には輸出入共に前年度を大きく下回るなど中国に おいても景気停滞の影響がみられたものの、中国経済は 2010 年に入り堅調に推移し、2010 年 6 月以降、人民元レートの 変動が再開されています。一段の人民元高の進行や貿易収支の拡大による外貨準備高の積み上がり、不動産を始めと する資産価格の上昇を見込み、海外からの資金流入は依然、継続しています。 今般、このようなマクロ経済状況を背景に、2008 年 8 月 29 日付け「外商投資企業の外貨資本金支払及び人民元転管理 の関連業務操作問題の改善に関する通知」(匯綜発[2008]142 号、以下 142 号通達と省略)よりも外貨資本金の人民元転 時の取扱いをさらに厳格化した「外商投資企業の外貨資本金支払・人民元転管理の改善に係るオペレーション問題につ いての補充通知」(匯綜発[2011]88 号、以下“88 号通達と省略”)」が 8 月 1 日から施行されています。関連証憑の確認手 続きの厳格化により、人民元転した/人民元転予定の資金が、経営範囲に適合した資金使途で使用されるよう、規定さ れています。 詳細は、以下の通りです。 1. 142 号通達について 88 号通達は、これに先立ち 2008 年 8 月 29 日付けにて公 布された 142 号通達を補充、追加する内容となっています ので、142 号通達を、まず説明します。 142 号通達により、資本金の人民元転は「外商投資企業の 外貨資本金を兌換して得た人民元資金は、審査認可機関 の認可した経営範囲内で使用しなければならず、別段の 規定がない限り当該人民元資金を国内における持分権投 資に用いてはならない」と規定され、投資行為を経営範囲 に含めることが可能な投資性公司を除き、原則、増資資金 等を用いた現地法人からの再投資が禁止されました。 さらに、従来は出資金の払込みや増減資など、登録資本 残高に移動が有る場合に必要とされた験資(出資検証)に 関し、142 号通達では払込み時に験資済の資本金であって も外貨から人民元に変換(以下、“人民元転”)する際に、都 度、会計事務所による験資や験資報告(出資検証報告書) の発行が必要となりました。さらにまた 5 万米ドル相当超の 手元資金(運転資金や給与・賞与等に限定)や、設備資金 142 号通達:外貨資本金・人民元転申請時の要資料(*1) ① 外商投資企業の外貨登記 IC カード ② 資本金⇒人民元転資金の支払指示書(支付命令 函) ③ 資本金⇒人民元転資金の使途証明書類 ・ 商業契約書 or 受取人発行の請求書(契約書の 主要条項・金額・受取人・銀行口座番号・資金使 途等を含む) ・ 人民元借入の返済原資とする場合、“当該借入 金が経営範囲内の使途で使用済”の旨の説明書 提出が必要。 ④ 会計事務所発行の直近一期の験資報告書 ⑤ 前回の人民元転による資金が支払指示書通りに 対外支払済とする確証書類や使用状況明細リス ト及び、会社公印や財務印の押印された発票等 のコピー ⑥ 銀行が必要とするその他の書類 *1:但し、5 万米ドル相当以下且つ自社の手元資金 であれば、③、⑤は不要。

(3)

の購入には金額にかかわらず、商業契約書(原文:商業合同)や前回の人民元転時における関連資料(会社公印 や財務印の押印された発票等のコピー)の提出が要求され、実務的にも厳格に運用されています(前頁表を参照の こと)。 2.88 号通達の概要 88 号通達は、前述の 142 号通達を補充、追加する内容となっています。88 号通達による主要な追加、変更点は、以下 3 点です。 (1) 外貨資本金の人民元転申請時、銀行に対し前回(142 号通達)で要求された関連証憑に加え、さらに追加資料の提 出を要求  前回の資本金の人民元転資金を、支払い指示書通りに支払った発票等の関連証憑原本  税務当局 HP から発票真偽確認結果をアウトプットし、当該写しに会社印または財務印を押印したもの  発票真偽確認結果が HP 上で確認できない場合、税務当局が発行した真偽鑑別証明資料に会社印または財 務印を押印したもの ⇒従来、5 万ドル相当以下の手元資金の人民元転では不要とされた関連証憑の提出が金額にかかわらず義務付 けられています。また従来は関連証憑では原本の提出は要求されていませんでしたが、支払い指示書通りに支払 った発票等の関連証憑原本1や当該発票が偽造ではないことの証明書類を、併せて提出することを要求しています。 北京市では、88 号通達に要求されている 3 種類の発票真偽確認が税務当局 HP で検索可能ですが、上海市では 発票真偽確認のうち一部は税務当局 HP での確認は困難であり、検索可能範囲に地域差が生じています(HP での 発票真偽確認の詳細は、後述)。 88 号通達は外貨管理局が単独で公布し、税務当局との連携が必ずしも図られていないため、当該真偽鑑別証明 資料を発行しないとする税務当局もあります2。発票真偽確認結果が HP 上で確認できない場合に通達上で要求し ている、税務当局による真偽鑑別証明資料が発行されないとの、実務上の問題も既に発生している模様です。 (2) 銀行は、提出された発票の真偽を確認後に、払い出しが可能  上記(1)で提出された確認結果の写しを審査し、税務当局の HP にアクセスして検査を行う  HP 上で確認できない場合、税務当局が発行した発票真偽鑑別証明資料により人民元転を実施する  また、資本金口座からの人民元転や払い出し金額が、払込み資本の累計発生金額(原文:貸方累計発生額) の 95%以上に達した場合、銀行は当該企業が実行した人民元転に相応する関連証憑に対し、真実性審査を 行い、企業の人民元転申請書に「口座の 95%資金の人民元転発票を審査済」を明記し、銀行印を押印後に、 資本金残金の人民元転または支払手続きを行うことが出来る。 ⇒偽造発票での人民元転を防ぐ為、88 号通達で銀行による確認手続きが新たに追加されました。但し、上記と 同様に実務上の問題が発生しています。 また、人民元転金額が資本金口座の 95%に達した場合、銀行が従来の関連証憑に対し、資金使途や発票など の真実性審査を実施した後に、残額の人民元転または支払手続が認められることとなり、併せて手続きの厳格 1 中国語原文:按照支付命令函対外支付的発票等相関凭証原件。 2 デロイト トウシュ トーマツ中国のヒヤリングによる。

(4)

化が実施されています。 (3) 手元資金の人民元転は、1 回 5 万ドル相当、1 ヶ月の累計金額が 10 万ドル相当を超えないこと ⇒上記、(1)、(2)は、従来よりも手続きが煩雑化、また時間を要すると予想されるものの、主として手続き上の追加 規制であり、現行取引の可否にはさほど影響を与えませんが、(3)は人民元転可能な金額に限度額を設けており、 例えば子会社の資金繰り支援のために増資をした場合など、従来と異なり、増資資金を全額人民元転することが 困難となるケースも発生すると予想され、子会社の資金調達スケジュールに直接的な影響が出る可能性もありま すので、留意が必要です。 3.税務当局 HP による発票真偽確認、および税務当局による証明資料の発行 88 号通達では、税務当局 HP から発票真偽確認結果をアウトプットするよう、要求されており、取引内容により以下 3 つ に分かれています。  増値税専用発票:国税局増値税 HP による仕入発票認証結果明細  増値税普通発票:国税局 HP による確認結果明細  営業税発票:地税局 HP による確認結果明細 現在、中国全土を繋ぐオンラインが完備されておらず、各地の国税・地税当局の HP にアクセスして確認する必要が あります。地域ごとにオンラインの整備状況が異なっており、 上述の通り、北京市では上記 3 種類全ての検索が可能で す。一方、上海市では、営業税発票、増値税普通発票は上 海市税務当局 HP 上で検索が可能ですが、後者はオンライ ン・システム上の制約により、全ての発票が検索可能の状 況ではありまません。 88 号通達における税務当局の HP 上で検索できない場合 に“税務当局が発行する”とされる真偽鑑別証明資料につ いて、少なくとも上海市、広州市では、現時点では発行され ていない模様です3。上述の通り 88 号通達は、外貨管理局 のみが公布し、税務当局との連携が図られていないため、 他地域の税務当局の多くが、ほぼ同様の対応と考えられま す4 88 号通達は施行直後であり、通達が改定されるのか、運用 上での確認要件の緩和が実施されるかは未定ですが、外貨管理局を始めとする関係当局の早急な対応による改善 が望まれます。 3 デロイト トウシュ トーマツ中国のヒヤリングによる。 4 但し、一部地域では真偽鑑別証明資料の発行を法規により定めており、真偽鑑別証明資料の内容にもよるが、税務当局により発行 される可能性がある(為参考:2011 年 5 月 5 日付け「重慶市国家税務局関于発布《普通発票真偽鑑定管理弁法(施行)》的公告」)。 【発票真偽確認結果の例】

(5)

4.まとめ 88 号通達は、主として資金使途の確認手続きの厳格化など手続き面での煩雑化を主とした通達ですが、新たに 1 回お よび 1 ヶ月累計の人民元転限度額が設定された点においては、例えば 5 万ドル相当超であれば従来のように増資資金 の全額を一度に人民元転することが認められないなど、企業の資金繰りに直接的に影響を与える可能性があります。 人民元転スケジュールを計画的に行い、前倒しで払込みを実行するなどの対応が生じるケースもあると思われます。 また、実務上の問題点として、通達上、要求されている税務当局からの証明資料が発行されない等の事態もみられて います。施行直後であり、通達の改定が実施されるのか、運用上での確認要件の緩和が実施されるのか、今後の動向 に注視が必要であり、現時点において外貨資本金の人民元転を計画する企業は、外貨管理当局だけでなく、税務当局 への確認が必須と考えられます。 さらに茲もと、外貨資金の流入に係る外貨管理規制は強化の方向にあり、今後、一段の資本取引規制の強化も否定で きません。その意味では、88 号通達だけでなくマクロ経済環境の現状を鑑み、現地法人の資金調達においては、調達 手段の多様化の検討や、短期だけでなく中長期的なスパンでの資金調達計画の検討も必要でしょう。

(6)

中国税務当局による移転価格同期資料(ドキュメンテーション)管理の最新動向

デロイト トウシュ トーマツ中国 発行 「Transfer Pricing Alert」より

最近、私どもが中国大陸の各省及び市の税務当局との非正式的なコミュニケーションを通じて入手した情報によると、現 在、税務当局は 2010 年度の移転価格同期資料の管理及び検査を一層強化しようとしているようである。例えば、上海市 の各区の税務局は、管轄地域に所在する各企業に対して一定の期限までに同期資料報告書の提出することを要求して いる。上海閔行区の税務当局は、管轄地域に所在する同期資料の準備要件を満たした企業に対して 7 月 15 日までに同 期資料報告書を提出するように要求していた。国税発[2009] 2 号文(以下、「2 号文」)では、移転価格同期資料は、税務 当局からの要求があった日から 20 日以内に提出しなければならない、と規定されているが、現時点では、既に 2 号文に規 定されている同期資料準備期限(2 号文では、2010 年度の同期資料は 2011 年 5 月 31 日までに準備すべきであると規定 されている)を経過していることから、税務当局が管轄地域に所在する企業に対して移転価格同期資料の提出を要求する 際には、前述した 20 日間の猶予期間よりも短く設定される可能性があり、この様な提出期限の早期化の傾向は最近の実 務執行において散見されている。 以上の様に中国大陸の税務当局は、現在、管轄地域に所在する企業に対して 2010 年度移転価格同期資料を積極的に 検査しており、提出期限も短く設定されている状況から、以下のことを提案する。  現在、2010 年度移転価格同期資料報告書を準備中である企業の場合、同期資料報告書の完成を促進し、なる べく早期に報告書の最終版を完成させること。  現在においてまだ 2010 年度移転価格同期資料報告書を準備していない企業の場合、移転価格税制に基づき同 期資料を準備する義務があるか否かについてまず確認されること。移転価格同期資料を準備する義務がある場 合には、移転価格同期資料報告書を早急に作成されること。移転価格同期資料の準備義務がある会社の判断 基準とは、具体的には以下の通りである。 (1) 2号文に基づき、年間の関連売買取引の合計額が 2 億元以上、若しくは、その他の関連者間取引金額が 4,000 万元以上、となっているか否か(本条件が同期資料作成準備義務の有無の重要な判断標準の一つで ある)。 (2) 2010 年度が欠損となっており、かつ、国税函 [2009]363 号文(以下、「363 号文」)で述べる限定された機能とリ スクを負う企業であるか否か。この場合、上述の 2 号文で規定されている同期資料準備の判断基準を満たす か否かに関わらず、同期資料を準備・提出しなければならない。 なお、「限定された機能とリスクを負う企業」の定義に関して、明確な関連法規が存在しないことから、中国における移転価 格リスクの管理上は、税務当局が現在積極的に企業の同期資料報告書の提出の要求を短期の提出期限を設けて要求を 開始したことを鑑みて、限定された機能とリスクを負う企業であるか否かについての判断が困難であり、かつ、欠損である 場合には、積極的に関連のリスクを評価して同期資料準備の必要性について検討することを提案する。

(7)

会計情報

連載~企業会計準則シリーズ~ 第 14 回

債務再編

1. はじめに 今回は、「企業会計準則第12号 – 債務再編」(以下、「12号準則」)について解説します。 12号準則は、総則、債務者の会計処理、債権者の会計処理、開示の4章から構成されています。12号準則が定め る債務再編の取扱いは、基本的には国際財務報告基準(IFRS)の考え方を踏襲した内容となっています。 2. 国際財務報告基準(IFRS)との比較 国際財務報告基準(IFRS)には債務再編を単独で取扱う基準はないものの、IAS39号あるいはIFRS9号で「金融負 債の認識の中止」が債務再編に関連する規定になると思われます。12号準則もIFRSと基本的な考え方は同じであり 、12号準則のほうがより詳細な規定となっています。 3. 債務再編の定義 12 号準則第 2 条では、「債務再編とは、債務者に財務上困難な状況が生じた場合に、債権者が債務者との合意ま たは裁判所の裁定に基づき譲歩する事項を指す」と定義されています。また、12 号応用指南では、「債務者に財務 上困難が生じている」とは、「債務者の資金繰りに困難が生じている、経営の悪化またはその他の原因により、債務 者が既定の条件で債務を弁済することが不可能または弁済する能力がなくなった状況」と説明され、「債権者が譲 歩する」とは、「財務上困難が生じている債務者が現在または将来に再編する債務の帳簿価額を下回る金額または 価値で債務を弁済することに同意すること」と説明されています。 12 号準則第 3 条で、債務再編として下記方法が例示されています。 (1) 資産による債務の弁済 (2) 債務の資本への転換 (3) 上記(1)(2)の方法によらない債務の元本の減額、債務の利息の減額等、その他の債務条件の変更 (4) 上記 3 つの方法の組み合わせ等 4. 債務者の会計処理 (1) 資産による債務の弁済 (ア) 現金による債務の弁済 現金による債務弁済の場合、再編する債務の帳簿価額と実際に支払う現金との差額を当期の損益に 計上することが要求されています。 (イ) 非現金資産による債務の弁済 非現金資産による債務弁済の場合、再編する債務の帳簿価額と譲渡する非現金資産の公正価値との 差額及び譲渡する非現金資産の公正価値とその帳簿価額との差額を当期の損益に計上することが要求 されています。なお、12号応用指南では、非現金資産が棚卸資産である場合には販売取引として処理し、

(8)

その公正価値により収益を認識すると同時に対応する原価を認識し、非現金資産が有形固定資産、無形 資産である場合には、その公正価値と帳簿価額との差額は営業外収益もしくは営業外支出に、非現金資 産が長期持分投資である場合、その公正価値と帳簿価額との差額は投資損益に計上すると定められてい ます。 (2) 債務の資本への転換 債務を資本に転換する場合、債権者が債権を放棄し代わりに保有する株式の額面総額を株式資本金( あるいは払込資本金)として認識し、株式の公正価値総額と株式資本金(あるいは払込資本金)との差額 は、資本剰余金として認識し、再編する債務の帳簿価額と株式の公正価値総額との差額は、当期の損益 として計上する必要があります。 (3) 上記(1)(2)の方法によらない債務の元本の減額、債務の利息の減額等、その他の債務条件の変更 12号準則第7条によれば、債務条件を修正する場合、債務条件を修正した後の債務の公正価値を再編 後の債務の記帳金額とし、再編する債務の帳簿価額と再編後の債務の記帳金額との差額は、当期の損 益として計上することとなります。また、修正後の債務条項が条件付未払金に関連し、かつ、その条件付 未払金が「企業会計準則第13号―偶発事象」の引当金の認識条件を満たす場合には、その条件付未払 金を引当金として認識する必要があり、再編する債務の帳簿価額と、債務再編後の記帳金額及び引当金 の合計金額との差額を当期の損益に計上することとなります。 (4) 上記 3 つの方法の組み合わせ等による債務の弁済 現金による債務弁済、非現金資産による債務弁済、債務の資本への転換、債務条件の修正等の方法 の組み合わせにより債務再編を行う場合、支払った現金、譲渡した非現金資産の公正価値、債権者が保 有する株式の公正価値の順に、再編する債務の帳簿価額と相殺し、相殺後、12号準則第7条に基づき処 理する必要があります。 5. 債権者の会計処理 (1) 資産による債務の弁済 (ア) 現金による債務の弁済 現金による債務弁済の場合、再編する債権の帳簿価額と実際に受け取る現金との差額を当期の損益 に計上することが要求されています。 (イ) 非現金資産による債務の弁済 非現金資産による債務弁済の場合、譲り受けた非現金資産をその公正価値に基づき記帳し、再編する 債権の帳簿価額と譲り受けた非現金資産の公正価値との差額を当期の損益に計上することが要求されて います。 (2) 債務の資本への転換 債務を資本へ転換する場合、保有する株式の公正価値を債務者に対する投資として認識し、再編する 債権の帳簿価額と株式の公正価値との差額を当期の損益に計上することが要求されています。 (3) 上記(1)(2)の方法によらない債務の元本の減額、債務の利息の減額等、その他の債務条件の変更

(9)

12号準則第12条によれば、債務条件を修正する場合、債務条件を修正した後の債権の公正価値を再 編後の債権の帳簿価額とし、再編する債権の帳簿価額と再編後の債権の帳簿価額との差額は、当期の 損益に計上する必要があります。修正後の債務条項が条件付未収入金に関連する場合でも、その条件付 未収入金を資産として認識することはできず、再編後の債権の帳簿価額に含めることはできない。 (4) 上記 3 つの方法の組み合わせ等による債務の弁済 現金による債務弁済、非現金資産による債務弁済、債務の資本への転換、債務条件の修正等の方法 の組み合わせにより債務再編を行う場合、受け取った現金、譲り受けた非現金資産の公正価値、債権者 が保有する株式の公正価値の順に再編する債権の帳簿価額を相殺し、相殺後、12号準則第12条に基づ き処理する必要があります。 6. 開示 12号準則第14、15条では、債務者、債権者に対して財務諸表の注記として開示すべき債務再編に関連する項目 として、以下の項目を規定しています。 債務者 債権者 ・債務再編の方法 ・債務再編の方法 ・認識した債務再編による利益総額 ・認識した債務再編による損失総額 ・債務の資本への転換による株式資本 金(あるいは払込資本金)の増加額 ・債権の株式への転換による投資の増 加額及び当該投資の債務者の株式総 額に占める割合。 ・条件付未払金 ・条件付未収入金 ・債務再編により譲渡した非現金資産 の公正価値、債務から転換された株 式の公正価値並びにその他の債務条 件を修正した後の債務の公正価値の 算定方法及び根拠 ・債務再編により譲り受けた非現金資 産の公正価値、債権から転換された 株式の公正価値並びにその他の債務 条件を修正したあとの債権の公正価 値の算定方法及び根拠

(10)

トーマツ チャイナ ニュース バックナンバー集発刊のお知らせ

『トーマツ チャイナ ニュース Vol.4/Jul.2009-Mar.2011』

本年3 月に採択された中国の「第 12 次五ヵ年計画」では、これまでの「量」を重視した経済成長モデルから、内需 拡大、労働者保護、省エネ・環境保全といった「質」を重視する経済成長モデルへの転換が予想されますが、GDP 成長率は年平均 7%という目標が設定されており、今後も高い経済成長率が見込まれることに変わりありません。 過渡期にある中国では新たな法令・通達類が順次公布されており、中国ビジネスを展開する企業においてはこれら の情報を適時にキャッチアップし、戦略的視野に立ったマネジメントを展開することが必要不可欠と言えるでしょう。 トーマツ中国室では、2002 年 12 月より中国政府当局から公布された法令通達類の日本語による紹介を中心に、 中国の投資、会計、税務に関する情報、また、私共のメンバーファームであるデロイト トウシュ トーマツ中国の各事 務所による現地の最新情報等を掲載した“トーマツ チャイナ ニュース”を発行しており、お陰をもちまして 2011 年 3 月に創刊100 号を発刊するに至りました。 この度、過去の記事の検索にも大変便利なトーマツ チャイナ ニュースのバックナンバー集 『トーマツ チャイナ ニュースVol.4/Jul.2009-Apr.2011』 を発刊いたしましたので、ご案内申し上げます。 中国への進出を検討されている、また、既に中国へ進出されている企業及び現地日系企業の皆様の実務対応の 一助としてお役立ていただければ幸いです。 【ご購入方法】 トーマツWeb サイトの申し込みフォーム(http://www.tohmatsu.com/tcn04/)からお申し込みいただく か、本紙の購入申込書に必要事項を記載の上、FAX にてお申し込みください。

購入申込書

有限責任監査法人トーマツ 中国室 行き

お申込みFAX ⇒ 03-6213-1045

お問合せ電話 ⇒ 03-6213-1075 「トーマツ チャイナ ニュース Vol.4/Jul.2009-Apr.2011」 [ ] 冊を申込みます。 お申込み お届け先 貴社名: 部署名: ご芳名: TEL : ( ) 住所: 〒 TEL : ( ) トーマツチャイナニュースのバックナンバーを冊子に纏めた 『トーマツ チャイ ナ ニュース Vol.4/Jul.2009-Mar.2011』 を発刊いたしました。 是非、貴社の中国ビジネスにお役立てください。 B5 判 全 284 頁/1,000 円(税込・送料別途) ※お届けは日本国内のみとなります。

(11)

中国業務に関する主なお問合せ先

有限責任監査法人トーマツ 本部中国室 〒100-0005 千代田区丸の内 3-3-1 新東京ビル Tel:03-6213-1075 / Fax:03-6213-1045 (中国室) 伊集院 邦光 / 原井 武志 / 鄭 林根 / 佐藤 正貴 / 田中 年一 / 古谷 純子 / 平井 美佐子 / 江川 由美子 / 荻原 住予 名古屋事務所 〒450-8530 名古屋市中村区名駅 3-13-5 名古屋ダイヤビルディング3号館 Tel:052-565-5511 / Fax:052-565-5548 高橋 寿佳 / 前田 勝己 大阪事務所 〒541-0042 大阪市中央区今橋4-1-1 淀屋橋三井ビルディング Tel:06-4560-6031 / Fax:06-4560-6039 横山 誠二 / 藤川 伸貴 / 上村 哲也 / 克 兢 谷口 直之(ERS) 福岡事務所 〒810-0001 福岡市中央区天神 1-4-2 エルガーラ Tel:092-751-0931 / Fax:092-751-1035 増村 正之 / 只隈 洋一 神戸事務所 〒651-0086 神戸市中央区磯上通 8-3-5 明治安田生命神戸ビル Tel:078-221-8161 / Fax:078-221-8225 和田 朝喜 税理士法人トーマツ 東京事務所 〒100-8305 千代田区丸の内 3-3-1 新東京ビル Tel:03-6213-3800 / Fax:03-6213-3801 西堀 耕二 / 安田 和子 大阪事務所 〒541-0042 大阪市中央区今橋4-1-1 淀屋橋三井ビルディング Tel:06-4560-8000 / Fax:06-4560-8001 松宮 信也 デロイト トーマツ コンサルティング株式会社 〒100-8305 千代田区丸の内 3-3-1 新東京ビル Tel:03-5220-8600 / Fax:03-5220-8601 近藤 聡 / 野村 修一 デロイト中国各拠点案内 上海事務所

30/F, Bund Center, 222 Yan An Road East, Shanghai, 2,00002 P.R.C. Tel:+86-21-6141-8888 / Fax:+86-21-6335,0003

駐在員:吉田 英司 / 鈴木 健夫 / 渡邉 崇/ 植木 拓磨 / 大厩 隆啓 / 原 国太郎

大連事務所

Room 1503 Senmao Building

147 Zhongshan Road, Xigang Deistrict,Dalian, 116011 P.R.C. Tel:+86-411-8371-2888 / Fax:+86-411-8360-3297

駐在員:田中 昭仁 広州事務所

26/F, Teem Tower, 208 Tianhe Road, Guangzhou, 510620 P.R.C.

Tel:+86-20-8396-9228 / Fax:+86-20-3888-1119

駐在員:滝野 恭司 / 板谷 圭一

蘇州事務所

Suite908, Century Financial Tower, 1 Suhua Road, Industrial Park, Suzhou, 215021 P.R.C

Tel:+86-512-6762-1238 / Fax:+86-512-6762-3338 駐在員:粟野 清仁

杭州事務所

Room 605, Partition A, EAC Corporate Office, 18 Jiaogong Road Hangzhou 310013, PRC

Tel: + 86-571- 2811-1900 / Fax:+ 86- 571- 2811-1904 担当:吉田 英司

北京事務所

8/F Office Tower W2, The Tower, Oriental Plaza, 1 East Chang An Avenue, Beijing, 100738 P.R.C. Tel:+86-10-8520-7788 / Fax:+86-10-8518-1218

駐在員:三浦 智志 / 中村 剛 / 久保山 直

天津事務所

30/F The Exchange North Tower No.1

189 Nanjing Road, Heping District, Tianjin,300051 P.R.C. Tel:+86-22-2320-6688 / Fax:+86-22-2320-6699 駐在員:三箇 成幸

深セン事務所

13/F China Resources Building, 5001 Shennan Road East, Shenzhen, 518010 P.R.C.

Tel:+86-755-8246-3255 / Fax:+86-755-8246-3222 駐在員:上田 博規

香港事務所

35/F One Pacific Place, 88 Queensway, Hong Kong Tel:+852-2852-1600 / Fax:+852-2542-4597

アジア パシフィック クラスターリーダー 内村 治

松山 明広 / 杉原 伸太朗 / 後藤 郁子

執筆:有限責任監査法人トーマツ 中国室

(12)

トーマツグループは日本におけるデロイト トウシュ トーマツ リミテッド(英国の法令に基づく保証有限責任会社)のメンバーファーム各社(有限責任 監査法人トーマツおよび税理士法人トーマツ、ならびにそれぞれの関係会社)の総称です。トーマツグループは日本で最大級のビジネスプロフェッシ ョナルグループのひとつであり、各社がそれぞれの適用法令に従い、監査、税務、コンサルティング、ファイナンシャル アドバイザリーサービス等を提 供しております。また、国内約 40 都市に約 7,000 名の専門家(公認会計士、税理士、コンサルタントなど)を擁し、多国籍企業や主要な日本企業をクラ イアントとしています。詳細はトーマツグループ Web サイト(www.tohmatsu.com)をご覧ください。 Deloitte(デロイト)は監査、税務、コンサルティングおよびファイナンシャル アドバイザリーサービスをさまざまな業種の上場・非上場クライアントに提 供しています。全世界 150 ヵ国を超えるメンバーファームのネットワークで、ワールドクラスの品質と地域に対する深い専門知識により、いかなる場所 でもクライアントの発展を支援しています。デロイトの約 170,000 人におよぶ人材は“standard of excellence”となることを目指しています。 Deloitte(デロイト)とは、デロイト トウシュ トーマツ リミテッド(英国の法令に基づく保証有限責任会社)およびそのネットワーク組織を構成するメンバ ーファームのひとつあるいは複数を指します。デロイト トウシュ トーマツ リミテッドおよび各メンバーファームはそれぞれ法的に独立した別個の組織 体です。その法的な構成についての詳細は www.tohmatsu.com/deloitte/をご覧ください。

© 2011 Deloitte Touche Tohmatsu LLC

Member of

参照

関連したドキュメント

 もちろん, 「習慣的」方法の採用が所得税の消費課税化を常に意味するわけではなく,賃金が「貯 蓄」されるなら,「純資産増加」への課税が生じる

・2017 年の世界レアアース生産量は前年同様の 130 千t-REO と見積もられている。同年 11 月には中国 資本による米国 Mountain

当第1四半期連結会計期間末の総資産については、配当金の支払及び借入金の返済等により現金及び預金が減少

しかしながら、世の中には相当情報がはんらんしておりまして、中には怪しいような情 報もあります。先ほど芳住先生からお話があったのは

企業会計審議会による「固定資産の減損に係る会計基準」の対象となる。減損の兆 候が認められる場合は、

平成16年の景観法の施行以降、景観形成に対する重要性が認識されるようになったが、法の精神である美しく

水問題について議論した最初の大きな国際会議であり、その後も、これまで様々な会議が開 催されてきた(参考7-2-1)。 2000