第
6
章 実践編
このテキストは,信州大学のソフトウェア開発ベンチャー ArkOak の活動の一環として実施 されている TEX 勉強会の参考資料として作成したものである.LATEX2e 美文書作成入門(奥村 晴彦著,技術評論社)を参考元として作成された.基本は参考元に忠実に作っているが,一部 勉強会という体裁に沿うため変更した点や,知識不足による誤りが含まれている可能性がある. 誤植が発見された際には,随時テキストを更新してゆく所存である. 2015 年 11 月 信州大学繊維学部 応用生物科学系 4 年 丸山翔平6.1
タイトルをつける
making title
タイトルに関しては既にスライドが完成しているため省略6.2
数式の挿入
Equations
数式を挿入するにはいくつか方法がある.ここでは,本文中に記述する方法と,数式を独立 させて記述する方法を紹介する.また,数式を表す上で必要なコマンドを示すが,実践的なエ クササイズ等はスライドにのみ示す.6.2.1
本文内に挿入する数式
本文中に y = ax + b のように数式を挿入したい場合は,単に該当箇所を$マークで囲めばよ い.数式だけでなく,単に数式で用いているフォントで変数などを示したい場合も同様に$で囲 むことで x を x のように出力させることができる.表示の決まりとして,$マークで囲まれた 部分と本文はスペースで開けて記述する.6.2.2
別行立ての数式
数式を本文中でなく独立の行に表示するには,数式を Y=[と Y=] で囲む方法と,equation 環境 に挿入するという方法がある.前者は簡易的な用途で,後者は数式番号が必要な場合や,後述 する参照の指定が可能である.TEX 勉強会 参考資料 6.2. 数式の挿入 EQUATIONS Y =[と Y=] の間に記述した場合 y = ax + b equation 環境に記述した場合 y = ax + b (6.1) 数式番号が不要な場合は基本的に Y=[と Y=] の間に記述すれば良いが,参照のためのラベルを つける必要がある場合や,数式番号を省略したいときなどは,その式のあとに Y=nonumber と 命令する.以下の例は,eqnarray 環境に記述した 3 つの数式のうち,2 番めの式のみ番号を省 略するように命令したものである.ちなみに eqnarray 環境では,複数の数式を記述することが できる.equation 環境では,改行コマンド Y=Y=を入力しても開業されない仕組みになっている ので,今回は eqnarray 環境に記述している. y = ax + b (6.2) y = x2 f (x) = ax3+ bx2+ cx + d (6.3)
その他,数式の体裁に関しては,Wikibooks の「LATEX/Advanced Mathematics」[1] という ページを参考にしてほしい.
6.2.3
主要な数学的コマンド
累乗・添字 累乗・添字は,数値や変数の右上または右下に付与する値である. 累乗の表し方 $ x^3 $ 添字の付け方 $ x_i $ これを本文中で実行すると,それぞれ x3,x iとなる.なお,左の上下に文字を付けたい場合 は,以下のように書く. $ {}^a_bX^c_d $ このように,空の中括弧に添字・累乗を記述すると,a bXdcのように左に小さな文字を付けられ る.添字も中括弧でくくらないと,どこまでがひと続きであるか確認できないため,思わぬエ ラーを生じる可能性がある.例えば, s+t {s}+t {s+t} というようにしてみると,実行結果 はそれぞれs+ t, s+ t, s+tとなる.s+ t というような式は普通用いないので {s}+t のような誤 りをするおそれは少ないが,s+ t, s+tでは意味が大きく変わってしまうので,記述の際には注 意が必要である.TEX 勉強会 参考資料 6.2. 数式の挿入 EQUATIONS 分数 分数を表示するには,Y=frac{}{} コマンドを用いる.1つ目の中括弧に分子を,2つ目の中 括弧に分母を記述する.分線は分子分母に応じて適切な長さにひかれる. $ y = \frac{1 + x}{1 - x} $ これを本文中に記述すると y = 1+x 1−x のように一行の高さに収まるように書かれる.文字の大き さを統一して書きたいときは,数式の始まりに Y=displaystyle と命令することで,y = 1 + x 1− x の ようになる. 和・積分 和を表す Σ や∫ に添字をつけるには,先ほどと同様に やˆを用いる.Σ を表示させるには Y
=sumˆn {i=1} とすると∑ni=1が,∫ を表示させるには Y=intˆa b とすると∫baが出力される.本 文中に上付き文字や下付き文字を表示させようとすると∑n i=1のように右に移動してしまう.こ れを回避するには,分数の時も用いた Y=displaystyle を数式のはじめに命令する.そうすると n ∑ i=1 のように表示できるようになる.この表示方法では行間が開いてしまうため,和記号を小さく して一行に収めるには, $ \textstyle\sum\limits_n^{i=1} $ と Y=sum に命令を付与することで,i=1∑ n という出力が得られる. ギリシャ文字 α や β といったギリシャ文字は,数式モードでのみ使うことができる.Y=alpha のようにギリ シャ文字の読み方がそのまま文字のコマンドとなる.大文字のギリシャ文字を出力したい場合 は,Y=Lambda のように読みの一文字目を大文字にすると λ は Λ となる.ちなみに,α の大文 字は A(アルファベットの a の大文字)と同じためこの方式では出力されない(未定義の命令 とエラーが出る).この方式で大文字が出力できるのは,アルファベットと大文字を共有しな い以下の11文字である. γ : Γ δ : ∆ θ : Θ λ : Λ ξ : Ξ π : Π σ : Σ υ : Υ ϕ : Φ ψ : Ψ ω : Ω (6.4) その他(追記予定) • 行列 • 極限等,矢印を必要とする数式
TEX 勉強会 参考資料 6.3. 図の挿入 FIGURES
6.3
図の挿入
Figures
図を表示するには,専用のパッケージを読み込む必要がある.パッケージについてはここが 初出であるため,パッケージについても簡単に説明する.図の挿入方法のほか,キャプション の付け方もここで紹介する.6.3.1
TEX
における図・グラフィック
Microsoft Office などに始まるオフィスソフトでは,図の挿入はドラッグ・アンド・ドロップ で簡単に行うことができる.また,取り扱うことのできるファイル形式も多様で,ユーザーが 配慮する機会は減少している.TEX では図表の挿入にはコマンドを打ち込んだり,ファイル形 式に限定があったりと,煩雑な事柄がおおい.しかし,レポートや論文作成にあたって,美し い文章に美しい図を挿入できるということは極めて重要である.通常の PNG 形式の図の挿入 方法に加えて,ボケる心配のない EPS 形式の図の取り扱いについても紹介する.6.3.2
Y
=usepackage
コマンド
Y =usepackage コマンドは,プリアンブルに記述してパッケージを読み込むための命令である. TEX におけるパッケージとは TEX の機能を拡張したり,新しい機能を追加するために用いるも のである.この文書を記述する際にも多数のパッケージが読み込まれており,例えばヘッダの カスタマイズや後述する表の罫線の拡張などがそうである. 図を挿入するためには,このコマンドを用いて graphicx というパッケージを読み込む必要が ある.TEXWorks を用いて文書作成を行う限りでは,graphicx パッケージは以下のように書く と決まって覚えてしまえば良い. \usepackage[dvipdfmx]{graphicx}オプションとして dvipdfmx という指定がある.これは.tex ファイルをコンパイルしてできる.dvi ファイルを,より閲覧のしやすい形式である.pdf ファイルに変換するソフトウェアのことであ る.図を挿入する際に TEXWorks では dvipdfmx が実質的に仕事をしているため,この指定が 必要となる.他の環境を使う場合は,dviout, dvips, pdfTEX などが指定されることもある.
6.3.3
図の挿入
単に図を挿入したいだけであれば,graphicx を読み込んだあとに,本文中の図を挿入したい 箇所に以下のように命令すれば良い.
TEX 勉強会 参考資料 6.3. 図の挿入 FIGURES ファイルは文字と同じような扱いのため,前後に改行コマンドがないと文章が続いて表示され るので注意が必要である.これを実際に行うと以下のように表示される. 実用的な面を考慮すると,これだけでは不十分である.サイズの指定や,左右中央寄せ等の変 更が必要な時もある.サイズを指定するためにはオプションを利用する.サイズ指定の方法に は,倍率を指定する方法と,幅・高さの長さを直接入力する方法がある. 倍率を指定する方法は, \includegraphics[scale=N]{filename} (N は倍率;1 が 100%) というように,オプションに scale を指定する.倍率を指定する方法だと,実際の大きさがどれ くらいになるかを把握しにくいので,以下の長さを指定する方法の方が使い勝手がよい.
\includegraphics[width=W truecm, height=H truecm, keepaspectratio]{filename} (W, H はそれぞれ任意の数値) ここでは幅・高さ・アスペクト比の保持を全て命令したが,どれかを省略することもできる.状 況に応じて適切なオプションのみをつけるのが良いと思われる.これを利用して先ほどの図を 縮小表示するようにしたときの実行結果は以下のとおりである. 拡大してみるとわかるが,縮小してもほとんど画質に減衰が見られないのも TEX の利点と言 える.
6.3.4
キャプションをつける
キャプションとは,図のタイトルや,それに付随する,その図を説明する文章である.この 説では,図にキャプションをつけて表示する方法を紹介する.TEX 勉強会 参考資料 6.3. 図の挿入 FIGURES キャプションをつけるには,図が figure 環境に位置する必要がある.図を figure 環境に置く ことで,キャプションをつけるためのほか,図の中央寄せが簡単にできるようになったり,後 述する図の参照で必要となるラベル,詳細な図の配置の設定などが可能となる.figure 環境を 用いて,上記のことを行うには,以下のように記述する. \begin{figure}[hbtp] %figure環境の開始 \centering %中央寄せ
\includegraphics[width=2.5truecm, height=3truecm, keepaspectratio]{figfile.png} %図の挿入 \caption{稲のイラスト} %図にキャプションをつける \label{fig:os01} %ラベル(6.6 引用を参照)をつける \end{figure} %環境の終了 実行結果 図 6.1: 稲のイラスト 実行結果のように,図にキャプションが付属し,より実用的になった.figure 環境の開始に 付属している [hbtp] というオプションは,ページのどの位置に figure 環境の内容を描画するか を指定できるもので,h=その位置;b=ページ下端;t=ページ上部;p=単独ページ を意味して いる.特別なこだわりが無い限り hbtp 全て記述し,必要に応じてオプションを減らすとよい. また,このオプションの順番に優劣は無いので,好きな順番で書いて問題ない.ラベルに関し ては,6 節にて詳細を説明する. また,図は欄外にも記述できる.欄外とは,用紙レイアウトを設定したときに,本文より左 側に位置する実質的な左余白の部分である.今回は詳細な説明はしないが,本文の長さをペー ジの 7 割程度に止め,欄外の長さを Y=setlength コマンドで設定してやると,ページの左側に欄 外が設けられる.欄外に図を挿入するには,Y=marginpar{Y=includegraphics{filename.ext}} と命 令してやれば良い.
6.3.5
TEX
が扱えるファイル形式
前項では PNG 形式の図を挿入したが,TEX では他にも様々な形式の図を挿入することがで きる.dvipdfmx をドライバとして指定している場合,PMG 形式の他にも,JPEG 形式,PDF 形式を扱えるほか,TEXworks を使っている場合は GhostScript が同梱されているために EPS 形式も扱うことができる.TEX で画像を挿入する際は,挿入可能なファイル形式さえ把握して いれば,形式によって挿入の方法が大きく異なることはないため,一度にこの項でファイル形
TEX 勉強会 参考資料 6.4. 箇条書きの表し方 ITEMIZE 式について紹介する.また,EPS 形式の図に関しては,フリーソフトを持ちた簡単な図の作成 方法についても紹介するが,本誌では省略するのでスライドを参照されたい. PNG ビットマップ形式ながらも,可逆圧縮が特徴のため,圧縮しても鮮明な画像を維持できる. JPEG 写真等でよく用いられるファイル形式で,ビットマップ画像である.圧縮は非可逆圧縮である ため,圧縮率を上げるとノイズが増え美しくなくなる.
PDF;Portable Document Format
ビットマップ画像だけでなくベクトル図も対応している点で上記 2 つとは異なる.TEX ではこ の形式を用いるのが望ましいが,PDF の出力や編集にはひと手間かかるため,ここでは省略す る.EPS; Encapsulated PostScript
ビットマップもベクトルもどちらも対応できる.PDF が主流になる前はこちらが主に使われて いた. ビットマップ画像は,1 ピクセルが一つの色に対応し,ピクセルの集合体として画像を表現 している.一方のベクトル画像は,ピクセルに色を対応させるのではなく,数式を用いて,曲 線や色を指定することによって画像を表現する.ピクセルに色を対応させる方式とは違って, 拡大してもドットが粗くならず,常に滑らかな画像を表示させることができる.Windows 標準 の Microsoft paint といったソフトで描いたような画像がビットマップ画像であり,Microsoft Office PowerPoint に搭載されている描画ツールで作成したような図がベクトル図だと考えて良 い(Powerpoint の図は EPS 形式には単体では出力できないが).
ベクター描画ができるフリーソフトの一つに,Inkscape がある.Inkscape は元来 Linux 向け に開発されたが,現在はマルチプラットフォームになり,いかなる OS でも利用できる.参考 までに,Inkscape を用いて作成した EPS 形式の画像と,その画像を作成している様子を載せて おく. 図 6.2: Inkscape によるベクトル画像の作成 図 6.3: EPS 形式で出力された画像
6.4
箇条書きの表し方
Itemize
箇条書きは,”• ”から始まるリストのことである.itemize を用いることで,後々のデータの 再利用や,箇条書きの記号を変更する際に便利である.TEX 勉強会 参考資料 6.4. 箇条書きの表し方 ITEMIZE
6.4.1
箇条書きの表し方
最も基本的な箇条書きは,itemize 環境を用いることである.以下のようなコードで,箇条書 きを実装できる. イネの主要な病害として \begin{itemize} \item いもち病 \item 白葉枯病 \item 縞葉枯病 \item 馬鹿苗病 \end{itemize} がある. イネの主要な病害として • いもち病 • 白葉枯病 • 縞葉枯病 • 馬鹿苗病 がある.6.4.2
箇条書きの入れ子
itemize 環境の中で入れ子状に itemize 環境を開始すると,階層化した箇条書きを表すことが できる. 日本以外で主に育てられている品種としては,以下のようなものがある. \begin{itemize} \item インド \begin{itemize} \item バスマティ \end{itemize} \item タイ \begin{itemize} \item カオ・ホーム・マリ \end{itemize} \item イタリア \begin{itemize} \item アルボリオ \item カルナローリ \item ヴィアローネ・ナノ \end{itemize} \item アフリカTEX 勉強会 参考資料 6.4. 箇条書きの表し方 ITEMIZE \begin{itemize} \item ネリカ米 \end{itemize} \end{itemize} がある. 日本以外で主に育てられている品種としては,以下のようなものがある. • インド – バスマティ • タイ – カオ・ホーム・マリ • イタリア – アルボリオ – カルナローリ – ヴィアローネ・ナノ • アフリカ – ネリカ米 がある. 項目の記号の変更 項目の記号は標準では Y=bullet が用いられているが,これを変更したければ, \renewcommand{\labelitemi}{・} とすることで任意の記号に変換できる.ここでlabelitemのあとのiはローマ数字を表しており,深い階 層の記号を変換したければ,これをii, iii, iv,...と指定すればよい.また,その項目のみを変更したい場
合は,単にitemにオプションをつければ良い.
\item[★]
6.4.3
番号がついた箇条書き
itemize 環境の代わりに enumerate 環境を用いると,以下のように番号がついた箇条書きを表 示することができる.
TEX 勉強会 参考資料 6.4. 箇条書きの表し方 ITEMIZE イネの分類法 \begin{enumerate} \item 早晩性による分類 \begin{enumerate} \item 早稲(わせ) \item 中稲(なかて) \item 晩稲(おくて) end{enumerate} \item 種子の色による分類 \begin{enumerate} \item 黒米 \item 赤米 \item 緑米 など \end{enumerate} \end{enumerate} イネの分類法 1. 早晩性による分類 (a) 早稲(わせ) (b) 中稲(なかて) (c) 晩稲(おくて) 2. 種子の色による分類 (a) 黒米 (b) 赤米 (c) 緑米 など
6.4.4
項目を記号ではなく見出しにして表示する
itemize 環境の代わりに description 環境を用いると,項目記号の代わりに太字の見出しを表 示することができる イネの分類法 \begin{itemize} \item 種子の色による分類 \begin{description} \item[黒米] 果皮の色が黒い米.胚乳部分は普通の米と同様に白い. \item[赤米] 種皮の色が赤い米.種皮組織が強固で精米によって 完全に取り除くのが難しい.TEX 勉強会 参考資料 6.5. 表組み TABLES \item[緑米] 種皮の色が緑の米.もち米に分類される. \end{description} \end{itemize} イネの分類法 • 種子の色による分類 黒米 果皮の色が黒い米.胚乳部分は普通の米と同様に白い. 赤米 種皮の色が赤い米.種皮組織が強固で精米によって完全に取り除くのが難しい. 緑米 種皮の色が緑の米.もち米に分類される. 上記のように,箇条書きの環境は混在させることが可能である.この箇条書きでは通常の記号 の箇条書きと,見出し付きの箇条書きを混在させている.階層ごとに異なる環境を定義すれば, 好きなように項目を指定することができる.
6.5
表組み
Tables
表の挿入には,他のソフト(Microsoft Office 等)で作成し,出力したファイルを前章の用に 挿入する方法がある.この方法では,挿入する図が通常(PDF や PostScript 形式で出力してい ない限り)画像データとなるため,高精細な表の出力が難しくなる.tabular 環境を用いて表を 記述することで,表のクオリティを下げることなく挿入・表示することができる.6.5.1
表組みの仕方
表組みには前述の通り,tablular 環境を用いる.最も基本形は以下のようなものである. \begin{center} \begin{tabular}{rccrc}順位 & 品種名 & 作付比率(\%) & 収穫高 & 収穫高比率(カッコ内順位)\\ 1 & コシヒカリ & 37.3\% & 3,094,000t & 36.5\%(1)\\
2 & ひとめぼれ & 10.6\% & 842,700t & 10.0\%(2)\\ 3 & ヒノヒカリ & 10.3\% & 805,300t & 9.5\%(3) \end{tabular} \end{center} これを実行すると以下のような体裁で出力される. 順位 品種名 作付比率 (%) 収穫高 収穫高比率 (カッコ内順位) 1 コシヒカリ 37.3% 3,094,000t 36.5%(1) 2 ひとめぼれ 10.6% 842,700t 10.0%(2) 3 ヒノヒカリ 10.3% 805,300t 9.5%(3)
TEX 勉強会 参考資料 6.5. 表組み TABLES それぞれの要素は&マークで区切る必要がある.また,改行コード Y=Y=を行の終わりに記述しな いと,TEX はどこまでが一行なのか判別することができない.また,環境の始まりに {rccrc} の ような箇所がある.これは,列指定を行うもので,各要素を中央に揃える (c) か,左 (l) 右 (r) に 寄せるかを指定することができる命令である.全ての列を指定しないと,改行と列が合わずエ ラーを生じる. 表に罫線を引く
表に罫線を引くには,パッケージ (Y=usepachage{booktabs}) を読み込む必要がある.TEX には 標準で罫線を引く機能が用意されているが,このパッケージを使うと異なる太さの罫線を簡単 に引くことができるため,こちらを採用する.
booktabs の使い方は,罫線を引きたい箇所に Y=toprule, Y=midrule, Y=bottomrule を命令してや れば良い.
\begin{center}
\begin{tabular}{rccrc}\toprule
順位 & 品種名 & 作付比率(\%) & 収穫高 & 収穫高比率(カッコ内順位)\\ \midrule 1 & コシヒカリ & 37.3\% & 3,094,000t & 36.5\%(1)\\
2 & ひとめぼれ & 10.6\% & 842,700t & 10.0\%(2)\\
3 & ヒノヒカリ & 10.3\% & 805,300t & 9.5\%(3)\\ \bottomrule \end{tabular} \end{center} 出力結果 順位 品種名 作付比率 (%) 収穫高 収穫高比率 (カッコ内順位) 1 コシヒカリ 37.3% 3,094,000t 36.5%(1) 2 ひとめぼれ 10.6% 842,700t 10.0%(2) 3 ヒノヒカリ 10.3% 805,300t 9.5%(3) booktabs のオプションを利用することで,以下のように線を引く位置を任意に変更できる.ま た,列割を特定の要素だけ指定したりすることもできる. 表:主要イネ栽培品種の作付比率と収穫高 統計データ 順位 品種名 作付比率 (%) 収穫高 収穫高比率 (カッコ内順位) 1 コシヒカリ 37.3% 3,094,000t 36.5%(1) 2 ひとめぼれ 10.6% 842,700t 10.0%(2) 3 ヒノヒカリ 10.3% 805,300t 9.5%(3)
TEX 勉強会 参考資料 6.6. 引用 QUOTING
6.6
引用
quoting
図表や式を表すことができても,それを本文中で引用で引用しなければ役立たずである.TeX では Y=ref と Y=label というコマンドを使うことで,自動的に番号を割り振った図表の引用がで きる.ここではそのラベルの付け方と,引用の仕方を紹介する6.6.1
ラベル付けと引用
引用をしたい図表・数式の目印となるのがラベルである.Y=label{ ラベル名 } とすることでラ ベルを指定できる.ラベルは通常参照するものの直後につける.数式・図であれば環境内につ けることで数式・図表番号を参照することができる.章や節の直後にラベルをつけると,章・ 節番号を参照することができる.ラベルをつけることによって出力されるファイルに見た目上 の変化は生じない. ラベル名には文法上のルールは無いが,ラベルが示す要素が図なのか数式なのか,それとも 章なのかを明らかにするために,以下のように書くことが一般的である. ・章番号の場合 \label{sec:章の名称} ・図の場合 \label{fig:図の名称または略称} ・表の場合 \label{table:表の名称または略称} ・数式の場合 \label{eq:数式の略称}6.6.2
引用の仕方
ラベルをつけた図表や数式を引用するには,Y=ref{ 引用したい要素のラベル } コマンドを用い る.この引用の仕方での帰り値は図表・数式番号や節番号のみなので,単体で用いると,「6.6」 のようになる.したがって適切な引用にするためには,図番号なら図 Y=ref{fig:fignum},章番号 なら Y=ref{sec:secnum} 章,という用に説明語をいれてやる必要がある. 以下に,適当な図を引用する際の例を上げる. 図\ref{fig:example}が,引用された図である. \begin{figure} \centering \includegraphics[width=5cm]{examplefigure.eps} \caption{} \label{fig:example} \end{figure}TEX 勉強会 参考資料 6.7. 参考文献の管理 BIBLIOGRAPH 実行結果 図 6.4 が,引用された図である.なお,ラベルよりも前に来る引用コマンドは,最初の実行時 図 6.4: には正しい値を返さない(??と表示される).これは TEX の仕様なので避ける方法はなく,コ ンパイル(実行)を二度行う必要がある.
6.7
参考文献の管理
bibliograph
本文中の要素を参照する時はラベルを利用した引用を使うが,参考文献など,外部のデータ を参照する際には参考文献としてリストにまとめておく必要がある.これは通常文書の一番最 後に参考文献リストとして記載し,章番号は付けない.Y=thebibliography というコマンドを使 うと参考文献リストの作成が容易になる.この章では,参考文献リストの作り方と,参考文献 の引用方法について紹介する.6.7.1
参考文献リストの作成
Y=thebibliography 環境は,箇条書き(Y=itemize 環境)の一つと考えられる.itemize 環境内で は,箇条書きでは Y=item コマンドによって要素を羅列していった.一方 thebibliography 環境内 では要素を Y=bibitem コマンドによって羅列していく.Y=bibitem は引数をとり,その引数が参 照名としてラベル名と同様の働きを果たす.具体的には以下のようにつくる. \begin{thebibliography}{5} \bibitem{Wiki:数式} LaTeX/Advanced Mathematics\\ https://en.wikibooks.org/wiki/LaTeX/Advanced\_Mathematics \#cite\_ref-amsmath\_1-11 \bibitem{Wiki:rice} Wikipedia:イネ\\ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%8D \bibitem{美文書} 奥村晴彦『[改訂第5版] \LaTeX2e 美文書作成入門』 (技術評論社,2011) \bibitem{イネ論文}
Jangsu \textit{et al}. "Genetic characterization of weedly rices and the interference on their origins"
\textit{Japanese Journal of Breeding} Vol. 47 (1997) 153-160 \end{thebibliography}
TEX 勉強会 参考資料 6.7. 参考文献の管理 BIBLIOGRAPH
6.7.2
参考文献の参照
図表の引用では Y=ref コマンドを利用してラベルを指定した.参考文献リストからの引用には, Y =cite 参照名コマンドを用いる.これで出力されるのは,大カッコで囲まれた [1] のような記号 である.本来は日本語の文書では大括弧も全角で[1]のように表されるべきだが,ここでは 簡単のためその設定方法は省略する.一般的な参照方法としては,\LaTeX Advanced Mathematicsのページ\cite{Wiki:数式}では,数式を複数行に…
Jangsuら\cite{イネ論文}は,雑草イネの混入による品質の低下を…
というように使う.これを出力すると以下のようになる. 実行結果
「LATEX Advanced Mathematics のページ [1] では,数式を複数行に…」 「Jangsu ら [4] は,雑草イネの混入による品質の低下を…」
なお,「[2] にあるとおり,…」というような,参照番号のみの引用は,論文やレポート作成の ルールからみて正しくないので,作成の際は注意が必要である.正しくは,「Wikipedia[2] にあ るとおり,…」とする.
参考文献
[1] LaTeX/Advanced Mathematics
https://en.wikibooks.org/wiki/LaTeX/Advanced Mathematics#cite ref-amsmath 1-11 [2] Wikipedia:イネ
https://ja.wikipedia.org/wiki/
[3] 奥村晴彦『[改訂第5版] LATEX2e 美文書作成入門』(技術評論社,2011)
[4] Jangsu et al. ”Genetic characterization of weedly rices and the interference on their origins”
TEX 勉強会 参考資料 6.7. 参考文献の管理 BIBLIOGRAPH
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