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第 1 章 計数 / KPI とは

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Academic year: 2021

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第 1 章

計数/KPIとは

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計数/KPI管理とは

「計数」とは、本来、「計算して得られる数値」のことをい います。そしてビジネスにおいては、さまざまな業務におけ る目標が数値化されて、それを「計数」と呼んでいます。そ して計数を用いた業務活動の管理を「計数管理」といいま す。 ま た 欧 米 で は「KPI( 主 要 業 績 評 価 指 標:Key PerformanceIndicators)」という用語が使われ、日本でも、 たとえば「物流KPI」といったように用いられることも少な くありません。 そこで本書では計数、KPI、あるいは指標についてはたん に「計数」と用語を統一したうえで解説することにします。 計数管理が必要とされるのは、現場改善、あるいは経営改 善について、具体的な目標数値を設け、その数値と現状がど れくらいかけ離れているか、そして目標とする数値に到達す るのはどうしたらよいのかといった方策を決めるうえでとて も役に立つからです。 「改善の成果が出ました」、「効率化が実現できました」と いっても、それがどの程度できたかということは具体的な数 値以外では実感しにくいからです。経験や勘だけに頼る業務 改善ではなく、科学的な改善を実現することが可能になるわ けです。また、目標値だけではなく、「業界におけるレベル としてこれくらいの数値であってほしい」という標準値も公 表されている資料などにより知ることもできます。「業界の 標準値よりも該当する計数の数値が低いから標準値に近づけ よう」という努力もなされるわけです。

基本的な計算

計数管理で使われる数値は簡単な計算式で算出されるもの がほとんどです。電卓を用いて加減乗除を行う程度です。複

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雑な計算、たとえば微分積分や線形代数などの知識は求めら れることはありません。 ただし、そうした簡単な計算式で求められた数値でも改善 へ向けての大きな目標となります。 たとえば「売上高の大幅アップを目指そう」というより も、「売上高を100億円にしよう」というほうがはっきりと 目標が設定され、そのための方策が見えてくるでしょう。 計数で求められた数字は現場で必要とされている業務レベ ル、サービスレベルなどを可視化するうえで不可欠となるも のなのです。 ただし、なにもかもを数値化すればよいというわけではあ りません。どのような数値、データが必要で、どのようなも のが不要かということを取捨選択していくことも大切になり ます。計数管理を行うことでどのような効率化や高度化が実 現するかということを常に念頭に置きながら、必要な計数に 対して、標準値を把握し、目標値を設定していかなければな らないのです。 なお、計数管理を行う担当者、関係者が理系の方だけとい うことはありません。販売現場、物流現場などでは、むしろ 文系の方のほうが多いことでしょう。ただし、繰り返しにな りますが、計数の計算は簡単な計算で求められるものがほと んどなので、文系の方が戸惑うということはほとんどないで しょう。もっとも数字アレルギーだけは払ふっしょく拭しておく必要が あります。計数に日頃から親しんでおくようにしましょう。 なお、本書では計数の計算式はできるだけ平易に表しまし た。たとえば、「月初在庫高」、「期末在庫高」などとはせず、 たんに「在庫高」といったかたちで表記してあります。

計数/KPIの種類

企業活動の機能、領域、主体、製品などで区分を行い、必 要な計数を設定します。

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現状で最もわかりやすく一般的な区分は機能別の区分とい うことになるでしょう。そこで、調達・仕入れ、在庫・保 管、販売、物流、生産、経営分析といった企業活動における 基本機能を中心とした分類を行います。 また、安全・品質、リードタイム、生産性などの管理項目 をプロセス別に設定し、工場、物流センター、店舗運営など のそれぞれのフィールドにおける達成度を計数を通して診断 するという方法も最近は注目されています。 それぞれのプロセスの安全・品質、リードタイム、生産 性、環境負荷、コストなどに着目し、それぞれの計数を設定 するというものです。 さらにいえば、いずれの視点からの導入に際しても、各計 数の上下バランスなどに十分に配慮したうえで、各区分の主 要計数の下に準主要計数や補助計数を設定することでツリー 状に計数を体系化することもできます。 なお、データ収集が容易でその数値を改善することで業務 の効率化の成果がはっきり現れるように各計数を設定しま す。さらにいえば単発的ではなく継続的に可能なデータをも とに設定できるようにします。 たとえば、調達・仕入れの現場には値入率、商品ロス率、 粗利益率などの計数が考えられます。とくにバイヤーなどの 仕入れの担当者は計数に敏感でなければならないでしょう。 ちなみに工場などで使う部品、資材などを購入することを 「調達」、小売店などが商品を消費者に販売するためにそろえ ることを「仕入れ」といっています。 調達したり、仕入れられたりした商品や部品・資材、ある いは工場で生産された完成品などは、実際に使われたり、売 られたりするまでは「在庫」として蓄えられることになりま す。その在庫、さらにはその保管についても知らなければな らない計数があります。在庫回転数、在庫日数、交叉比率な どをしっかり押さえておくことで効率的かつ合理的な在庫管 理が可能になるのです。

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商品を販売する流通の現場においても、買上率、客単価、 売上高など、多くの計数があります。ぞれぞれの計数の持つ 意味を把握し、「いかに改善すれば売上が向上するか」を論 理的に考えていくことが大切になります。 物流では計数という言い方よりも、「物流KPI」という言 い方が一般的です。トラックの積載効率、倉庫の保管効率、 物流センターにおける誤ピッキング率などが重要です。必要 な計数を把握することで、ブラックボックス化しやすい物流 コストの可視化も可能になります。 生産性については、人時単価、人時粗利益、パート比率な どの計数が重要になってきます。作業者数などをベースに生 産性の高低を可視化できるわけです。 さらにいえばトップマネジメントからの経営分析において も重要な計数を把握することで経営の方向性を定めることが できます。たとえば、損益分岐点売上高、営業利益率、労働 分配率などを知ることにより、会社の利益体質を理解し、よ り収益力の高い企業に発展させることが可能になるわけで す。

調達・仕入れにおける基本的な計数管理の考え方

①いかに発注するかがポイント! 調達・仕入れに関する計数を理解するにあたって、まず調 達・仕入れの基本的なしくみを理解しておきましょう。 調達・仕入れのプロセスとしては仕入れる商品を見定めて から、見積もりを依頼し、その見積もりをもとに価格、納期 などを交渉し、発注するということになります。 新規の発注に際しては、既存の関連商品の在庫状況などを 分析しながら、発注量を決めていきます。また、すでに購買 実績のある商品の補充追加の発注などについては、発注法に 基づいて行われます。 「在庫が減少したときにどれくらい補充するか」というこ

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とは仕入れにおける重要なポイントです。補充発注する量の 見定め方によって過剰在庫や過小在庫が発生してしまうから です。言い換えれば「ムダ、ムリ、ムラなく欠品などを補充 する」ということが仕入れの基本となります。補充発注がス ムーズにいけば最終的にはコスト削減にもつながるわけで す。 発注のベースには「発注の時期を決める」という考え方と 「発注の量を決める」という考え方があります。発注の時期 を決める発注法を「定期発注法」、発注の量を決める発注法 を「定量発注法」といっています。 定期発注法とは商品についてある程度の期間の販売計画を 立てたうえで発注を行っていくやり方です。定期的に決まっ た量を発注します。定期発注法は長期的に需要が安定してい て販売予測の立てやすい定番商品に適しています。 しかし、商品サイクルが短かったり、流行や季節の変化に 左右されやすかったりする商品には向きません。定期的に同 量を発注しても、売れ行きが悪ければ、商品消化率は低下し てしまうことになります。 そこでこの考え方を一歩進めて、「当初定めた在庫量を割 り込んだときに初めて決まった量を発注する」という方法が あります。これが定量発注法です。基準の在庫量となる「発 注点」をあらかじめ設定して在庫量が発注点を下回ったら、 決められた量を発注するのです。 ただしこの場合、適正な在庫量を柔軟に設定し、出荷デー タなどをふまえたうえで仕入れを行うのが望ましいようで す。また、発注の時期については月次、週次、日次など、定 期的に設定し、仕入量だけを小まめに変更していく方法もあ ります。いずれにせよ、在庫が過剰にならないように常に注 視する必要があるのはいうまでもないことです。 ②誤発注に注意! 発注に際しては、誤発注などに十分注意する必要がありま す。また、納期がきちんと守られるのか、守られていない場

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