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件 名: 日仏外務・防衛相共同記者会見概要
※ファビウス外務大臣及びルドリアン国防大臣の発言及びフランス語の質問に ついては、通訳者の発言を記載しています。 1 発表事項 (ファビウス外務大臣) 皆様、本日はようこそ。私、国防大臣ジャン・イヴ・ルドリアンとともに、 この外務省の公館に、日本の同僚であります岸田文雄外務大臣、それから防衛 大臣の小野寺五典大臣をお迎えしております。今回また岸田大臣と再会できて 大変嬉しく思っております。と言いますのは、何度もお目にかかっております ので、今朝、我々の間で別途、非常に内容の濃い会談をいたしました。ある意 味で、これまでとは「2+2」という新しいフォーマットでの会合の一環なわ けですが、なぜ「2+2」かと言いますと、フランスのオランド大統領が国賓 として訪日をした。これは昨年非常に成功裏に終わった訪問がございました。 そこで安倍首相とともに、毎年一度は外務相及び国防相及び防衛相の間で一緒 に「2+2」という形で会合をやろうという話が出たわけです。これは、極め て珍しいことで、こういうフォーマットを行っている国の数は極めて少ない。 フランスは実は今までこうした体制はロシアとしか行っておりません。このイ ニシアチブはそういう意味で新たな対話の枠組みが出来た、というのは日仏関 係のさらなる強化の新しい段階であると考えております。我々の今回の会談の 中で、安倍首相がフランスへの訪問をなさる、これはフランスの首相からの招 聘がありまして、まだ日付ははっきり決まっておりませんが、おそらく5月に なるかと思われます。この訪仏の際に、また具体的な形で、一連の分野で経済 的にも大学間協力でも、また、若者達の交流、例えばスポーツの交流というこ 日 時 平成 26 年 1 月 9 日 2010~2056 (日本時間) 担 当 大臣官房広報課 場 所 フランス外務省 備 考 日仏外務・防衛大臣会合終了後の共同記者会見2 とが考えられます。東京は、2020年のオリンピックの会場にもなりますの で、そうした分野、さらには国防、防衛、それからイノベーション、それから 原子力エネルギーと、たくさんのテーマを抱えております。ずいぶん長いこと やってきたものもありますが、また首相がいらっしゃる時にあらたな勢いがつ くのではないかと思います。こうしたことで我々今度は閣僚級の「2+2」を 今回行っておりますが、これは昨年の6月に決められたものです。日本とフラ ンスの間には特別なパートナー関係がある。これはアジアというだけではなく、 世界全体で重要なものです。我々として、非常に信頼のパートナーである日本 のことを信頼するパートナーだと考えている。しかも持続的な関係があり、し かも自由、民主主義、それから人権、そして法治国家の価値、さらには平和と いう価値を持っている国である。それからまた、国際秩序を共に重視している。 さらにはアジア、アフリカ、中東、南太平洋でも様々な活動を行っていらっし ゃる。我々としては、日本の国際活動を支援、支持しております。しかもアフ リカ、また、中東での平和維持活動を高く評価しております。その中でも我々 ずいぶん今朝話題になったのですが、日本のコミットメント、特にアフリカの 平和のためのコミットメント、さらには開発のためのコミットメント、といい ますのは、アフリカ大陸というのは我々一緒にこれから益々一緒に活動してい きたいと考えているからです。それからまた、具体的な形での日仏のバイの関 係を進化していきたい。その中でも国際的な危機が出てきています。現在、我々 が直面している問題がある。さらにはグローバルな課題、気候変動のような課 題に一緒に対応していきたい。我々の「2+2」の後に共同のコミュニケが出 ますが、そういう中でこうしたポイントを全て入れていくことになります。具 体的なもの、対策としては海賊対策、さらにはアフリカの平和維持能力の構築 というところを一緒にやっていく、さらには防衛装備品協力、これについても 我々の、両国の国防、それから防衛というところの技術、それから維持、製造 のところの協力ということになると思います。それからまた来年もまた「2+ 2」が今度は日本に場を移して行われますが、今後ともこうした高い安全保障 の野心を見据えながら、今後さらなる特別なパートナー関係の上に今後とも作 業を進めていきたいと思っております。そして我々の関係というものがさらに 広い範囲で深まることを願っております。では、この後ルドリアンの方からも 皆様にも発言してもらいますが、私最後になりますけれども皆様に対して非常
3 に悲しいことがありました。実は、日本で爆発があって、たくさんの方が亡く なったということで、我々哀悼の意を心から表したいと思います。そしてまた、 犠牲者になった方、それからまた家族にもこの心から哀悼の意を、非常に悲し い事故が起こったようですので、それに哀悼の意を表したいと思います。以上 でございます。それでは文雄さん、お願いします。 (岸田外務大臣) それでは私の方から発言をさせていただきます。まず、先ほどファビウス大 臣の方から、我が国で発生しました事故に対する哀悼の意の表明がありました。 こうしたお気持ちに感謝を申し上げます。その上で、先ほどファビウス大臣の 方から、今回の日仏「2+2」開催に至るまでの経緯、さらには意義につきま してご説明がありました。2014年初頭に、私も今年の最初の外国訪問先と してフランスを訪問させていただき、この歴史的な初めての日仏「2+2」に 出席できますこと、大変嬉しく思っております。今回の日仏「2+2」、これ は今後の両国間の協力に新しい弾みと方向性を与え、さらには安全保障、防衛 の協力の分野に新しい次元を開くものであると認識しております。ホストであ りますファビウス外務大臣、そしてルドリアン国防大臣に心から感謝を申し上 げたいと存じます。今回の会合は、昨年12月、我が国におきまして「国家安 全保障会議」という新しい会議体がスタートし、そして国家安全保障戦略、新 しい防衛大綱が策定された直後に開催されました主要国との初の閣僚会合と いう位置付けにあります。国家安全保障戦略に明記されました「欧州との連携 の重要性」に鑑み、私と小野寺大臣から国際協調に基づく「積極的平和主義」 を説明し、フランスの両大臣から歓迎をいただきました。また、今回の会合は 昨年のオランド大統領の訪日で示されました「特別なパートナー関係」を具体 化する重要な取組と認識をしております。会合では「防衛装備品及び輸出管理 制度の協力に関する対話の枠組み設置」、また「海賊対処における協力強化」 に合意するなど大きな成果があったと認識しています。このような成果を着実 に実施することで、日仏安全保障、防衛協力の具体化、進展が国際社会の平和 と繁栄に貢献する姿を国際社会にしっかりと発信をしていきたいと考えてお ります。私からは以上です。 (ルドリアン国防大臣) ちょっと付け加えます。小野寺さんの方からも、また私、実はシンガポール
4 でも夏にお目にかかりまして、そのときに分ったのですが、何と嬉しいことに 戦略的な方向性というのが日仏で実は一致している。というのは、今、日本の 外務大臣の方から話があった、先日公式に採択された新防衛大綱、更には「積 極的平和主義」、更には防衛白書が出た。これと同じようにフランスでも防衛 白書が出ておりますので、そうした「見直しの時期」ということでも丁度同じ 時期、タイミング、サイクルとしても同じなのです。新防衛大綱に関しては、 小野寺大臣が私との個別会談の中でいろいろご説明をして下さいました。その 中で特に「パートナーシップをフランスと持っていきたい」ということがはっ きりと明記されている。また、我々の防衛白書でも同じように「我々のアジア でのプレゼンスが重要だ。そして日本とのパートナー関係が大事だ」というこ とが再度その中で強調されております。そしてまた平和国家としての協力態勢、 連携というものが述べられています。我々のオペレーショナルな協力、その中 でも海上安全、海洋の安全に関するものは我々に対しても重要なものでありま すし、それはマラッカ海峡だけではなくアフリカの角の地域、更にはギニア湾 といった所に関しても二国間の関係が非常に模範的な形で強化されておりま す。その中でも二つ申し上げておきたい。それは、アフリカに関して非常に充 実した協力体制がある。日本はアタランタ作戦に参加して下さっていますし、 それからまた日本の部隊がジプチに駐在もしていらっしゃる。また、マラッカ 地域で言えば我々がステークホルダーとして ReCAAP 体制にこの海上輸送の安 全な状況を取り戻したいという、そうした協力体制を含むことにしております。 この ReCAAP、今現在のトップは日本の方が務めております。そういう意味で対 話の枠組みを提携という考え方で行っていく、これを実は委員会という形で二 つ行っていきます。一つは製造の方の委員会と、もう一つR&D及び研究関係。 それはナノテクやサイバーディフェンスのような形のもの。更には新世代のヘ リコプター、それから潜水艦の推進機関、更には海上の無人機、ロボットとい うことで、こうした2014年の4月に防衛装備品に関する会合を東京で行う ことになっております。それと平行して輸出管理に関するそれぞれの管理体制 の情報の交換も行うことになっております。我々いろいろな項目につきまして、 特に今緊張が高まっている部分の情報を交換いたしました。その中でも日本が いかにこうしたアフリカの危機の克服という観点に関して日本の貢献が大き いということがよく分っております。それからまた「2+2」の中で日本の更
5 なる協力体制というものを踏まえながら作業を進めてまいりたいと思います。 ありがとうございました。 (小野寺防衛大臣) まず「2+2」の会合におきましては、フランスが今抱えておりますアフリ カ、中東といった安全保障環境についての説明があり、そして日本側からは、 東アジアを巡る安全保障環境についての説明を行いました。両国ともそれぞれ の安全保障環境についての認識は一致し、そして特に、力による一方的な変更 ではなく対話に基づく、そして国際的なルールに基づいて様々な問題は解決し、 また海洋の航行の自由は確保されるべきということでお互い理解が深まった と思っております。また、私の方からは特に新防衛大綱についてのお話をさせ ていただきました。そして安倍総理がこの日本の安全保障戦略の中の基本とし てお考えなのは、「過去の痛切な反省に立って日本は二度と戦争は起こしては ならないと考えており、同時に二度と戦争の惨禍に苦しむことがない世界を作 らなければいけない。アジアの友人、世界の友人と共に、世界全体の平和の実 現を考える国でありたい。」このことを総理は繰り返しお話をしております。 このことを基に私どもとしては防衛大綱、防衛戦略、そして日本の防衛力整備 に努めていきたいと思っております。また、先ほど東アジアの安全保障環境の ことについてお話をした中で、まず日仏の中で特に防衛分野での装備協力につ いては、これから技術開発も含めて対話の窓口を作りしっかりとした形で協力 関係を構築していくことで一致をしたと思っております。また同時に、東アジ アの厳しい安全保障環境の中で輸出管理措置につきましては、私の方から安全 保障に向けての様々な考え方についてお話をさせていただき、今般、日仏間で 輸出管理制度に関する対話の枠組みということも合意したということであり ます。いずれにしても私どもとしてはこれから日仏共にこの東アジアを含め世 界の平和のためにしっかりとした努力をしていきたいと思っております。なお、 これから防衛当局の間では、太平洋における協力強化、特にフランスが行って おります南十字星の訓練等に日本の海上自衛隊として積極的に参加をしてい きたいと思っておりますし、アフリカにおける情報面での連携、ソマリア沖ア デン湾での海賊対処における協力強化、東アジア及び南太平洋地域における能 力構築支援など、これは先程のルドリアン国防大臣との間で合意をさせていた だきました。今後とも日仏の防衛分野での協力関係の強化に努めてまいりたい
6 と思います。 2 質疑応答 Q:尖閣諸島問題についてお話になりましたか。 A(岸田外務大臣):東アジア情勢につきましては、中国あるいは北朝鮮、こ ういった国々の情勢について、私そして小野寺大臣の方からご説明をさせて いただきました。こうした議論を通じて、この海洋の自由は、海洋国日本に とりまして大変重要な課題であるという考え方についてご説明をさせてい ただきました。こうした状況につきまして、フランスの両大臣にも熱心に耳 を傾けていただいたと感じています。是非、我が国は今後とも地域の平和と 繁栄のために冷静かつ毅然として対応していきたいと考えております。そし て、対話を中心にこの地域の安定を図っていきたいと考えています。こうし た我が国の考え方について、引き続きフランスの理解を得ていきたいと考え ています。 A(ファビウス外務大臣):この点についてですが、勿論日本のお二人からお 立場をご説明してくださいました。東京でも申し上げましたが、日本の皆様 に対して共和国大統領の方からフランスはそうした主権に関する問題には 立場をとらないということは申し上げております。ただし、それは懸念であ ることははっきりしています。アジア地域というのは世界の中でも、ここで の安全保障が世界の安全保障の問題に繋がります。従って、こうした太平洋 地域、アジア地域の問題というものは、対話によって解決されることを望み ますし、また自由な航行の権利というものが確保されることも望むものです。 そういう意味で、あらゆる対話が重要である。それは私どもからは強調いた しました。全てのチャンネルが使われるべきだ。我々としては、この地域の 中で、我々日本の友人だからこそ、それからまた中国の友人でもあるからこ そ、お互いの間にある緊張をもっと緩めるような何らかのやり方をとっても らいたいと望むのです。 A(小野寺防衛大臣):日本としては常々、中国側に海上の安全のための連絡 メカニズム、ホットラインというものを作りましょうと。何かこの海域にお いて問題が起きたときに、すぐに現場レベルでも国レベルでも対話ができる ホットラインを作りましょうという話を私自身からも中国側の方々にお話
7 をさせていただいております。まだ、このホットラインについて対話の再開 ということが起きておりませんが、これからも日本側として、対話について は中国側に求めていきたいと思っております。 Q:ファビウス大臣は3日後に重要な会合がありますよね、先程おっしゃった ように。この一連の会合がありますけれども、シリアの会合です。果たして こうしたこのジュネーブ2に参加するのかどうか問うところです。そこから 反対派が一体出てくるのかどうか、その見通しはどうですか。これについて お話はなさいましたか。それからルドリアン大臣に質問です。サウジアラビ アに最近、大統領と共に訪問なされました。その際に30億ユーロというも のを支援するということになっておりますが、果たしてこれはレバノン政府 の方から何らかの要請があったのでしょうか。 A(ファビウス外務大臣):それについては、日本とフランスの関係というこ との質問をしてもらいたいと思うのですが、まずシリアについて。私は、実 は3日前に国連事務総長の潘基文氏からジュネーブ会合への招請書をもら いました。これは1月22日です。予定どおりということになれば、まずモ ントルーでやることになるでしょう。そこでまずお互いの立場を表明し、更 に24日にシリアの代表団とそれからブライニー氏の参加が予定されてい ます。我々としては、勿論支持をしたいと思っています。つまり、こうした ジュネーブ会合、ジュネーブ2を支持したい。もうそれは始めから言ってい ることですが、あくまでも解決は政治解決だと。これは強調しております。 フランスの言っていることを始めから聞いていたら、ここまで悲劇的な状況 にはならなかったのではないかと思っています。初めて私は外国の皆さんを お迎えすることになる。我々は7月から実はシリアの友人会合というものを やってまいりました。当時、バッシャール・アル・アサド氏、それから国連 事務総長の潘基文氏はその人間のことを「人道に対する犯罪者」だと言って いまして、そうした人間が国の将来を保証することはできないと言っていま す。そうした中での将来の見通しですが、2012年の6月、7月のあの時 点では、全くプレゼンスはなかったし、テロリズムも実はなかったのです。 ある意味で、結局何らの動きをとって、もっといい方向に動かすべきだと私 どもは言ってきましたが、それが聞き届けられなかった。その間にアメリカ の大統領選挙もありましたし、いろいろな国内での意見の割れもありまして、
8 このような悲劇的な状況になっている。もう毎月何千人もの死者が出ている し、しかも13万人以上も死者が出ている。更には、何十万人という国内で の強制移住者が出ている。更には周りの国の関与というものも噂されていま すし、非常に状況が厳しくなってきています。では、政治的な解決を求めて 行くにはどうしたいのか。これはジュネーブで議論をする必要があるのです。 ただ、潘基文氏のレター、これは非常によく書かれていますが、ジュネーブ の目的は何か、それはその中から過渡的政府を作ることだ。それは関係者全 員のコンセンサスを求めていくものだ。ただ、勿論そう簡単に天気の話をす るような、そんなカジュアルな会合ではありませんから、この会合は極めて 難しくなることははっきりしています。では、いったいどうなるか。つまり は、バッシャール・アル・アサド体制というだけではなく、反対派の考え方 も十分に聞いていかなければならないわけです。これをやる必要がある。や らなければどうなるか。バッシャール・アル・アサド氏は、もうテロリスト がはびこるのが嫌だったら私を支持しろと言います。ところが、野党の反対 派の方は、結局もうバッシャール・アル・アサドは嫌だったらテロリストを 支持した方が良いとか言うわけです。しかし、我々としては、バッシャール・ アル・アサドもテロリストも望ましくないと思っていますので、そうした政 治解決を模索しなければなりません。そういう意味で連合国、それからまた 中庸派の穏健派の反対派というものをどうやっていくのか。ただ一方でシリ アの政府側をイランやロシアが支持している、こういう難しい問題もありま す。そうしたところを考えながら、まずはコア・グループと呼ばれる11カ 国の代表を集めて話をします。そこで、アルジャルバ議長(le president Al-Jarba )も出てきますし、そういう中で、新たな解決策ということで、 また1月17日に我々のその会合を受けて、また新たな会合が設定されるこ とになります。そういう意味で、まず、ジュネーブ2のマンデートが尊重さ れることが重要であると思っています。それからまた、ステークホルダーが まず参加をする努力をするべきだ。それからまた、マンデートを十分に尊重 するべきだ。そしてまた、ジュネーブに集まる。しかし、集まっても具体的 な成果が出るか、これはまた難しいところです。政治的な解決策が欲しけれ ば話し合をする必要があるのです。これ何度も何度も私は国際社会に呼びか けていることなのですが、まず、今行っているような攻撃であるとか、また
9 は、一般市民に対する攻撃であるとか、そうした恐ろしい状態を止めるべき である。それからまた、それと平行してジュネーブ2の中で、まず、それを やっている間に人道活動を行い、また砲撃も止めるべきだと強く声を上げて いきたいと思います。 A(ルドリアン国防大臣):我々の回答は非常に短いのです。サウジアラビア の政府の回答は今から10日前のものですが、これは大統領によって承認さ れました。その当時、フランスの幕僚部はニーズの特定というものを行いま した。そして、その上で大統領が決断を下しました。レバノンの大統領との 話し合いです。まず、インベントリーをしなければなりませんが、それは現 在進んでおります。果たして本当にそれが必要なのかどうか。ただ、このイ ンベントリーの内容までを一般的に公表する必要があるとは思いません。 Q:日本とフランスの問題について、関係について質問したいと思いますけれ ども、まず、今日、新たな2つの委員会を設置することを合意したというこ とですけれども、まず、最初のひとつ目、これは両国の4大臣にお伺いした いと思っておりますが、武器とか軍事的に転用可能な汎用品の輸出について の情報交換を進めていくということですけれども、これは日本からすれば、 日本の周辺国に安全保障上の懸念となるものを輸出して欲しくないという ことだと思いますが、その具体的にこの委員会での議論、実効性を高めてい くためにはどうしていきたいと考えていらっしゃるのか、それぞれ日本側、 フランス側に聞きたいと思います。それからもう1点ですけれども、防衛装 備品の共同開発につきましてですが、先ほどフランスの国防大臣の方から新 世代ヘリコプターとか潜水艦の推進機関とか具体的な話がありましたけれ ども、その中身、どういった部分で共同開発していくのか、これについてど ういう展望があるのかということを教えていただきたいと思います。それか らフランス側として日本との防衛協力を行う、開発の協力を行うというのは 何が狙いなのか、その辺をお話しいただければと思います。 A(岸田外務大臣):今回、我が国にとりまして、この特別なパートナーシッ プ関係にありますこのフランスとの間で、この積極的平和主義を具体的にど のように進めていくのか、この積極的平和主義を具体化する協力について議 論をさせていただき、今ご指摘のように2つの委員会、防衛装備品の協力、 そして武器及び汎用品の輸出管理措置、この2つの委員会を設置することで
10 一致をしました。そして、これをどのように運用していくのかということで すが、この輸出管理に関する委員会につきましては、まずは両国の関係省庁 の責任者が必要に応じて機能的に会合を行って、この両国の安全保障環境に 関する分析を共有する、これが一つ大切なポイントです。そして、その次に この輸出管理の仕組みについて情報交換を行う、これが2つ目のポイントだ と思っております。そして、この汎用品を含め、互いに感心を有する輸出品 について、相手国に情報提供を求めることができる、こういった枠組みにな ることを想定しております。こうした3つのポイントに加えまして、この緊 急に相手の輸出品について照会を行いたい場合には、従来どおり大使館を通 じて互いに随時情報提供を求めていく。こういったことになると考えており ます。こうした委員会の運用、さらには両国の協力を通じてお互いの輸出管 理制度について理解の促進を図る、そして両国が連携してこの輸出管理の実 効性を高め、地域及びこの国際社会の安全保障環境の改善に貢献していく、 こういった結果に繋がることを期待していきたいと考えています。2点目の 質問につきましては、こうしたこの防衛装備品の協力につきまして、枠組み を作ること、これは勿論重要なことですが、この枠組みづくりと平行して具 体的にどういった装備が対象になるのか、こういった具体的な議論も平行し て進めていくことが大事なのではないか。枠組みと対象となる装備の具体化、 是非これは平行して進めていくことが重要ではないかと私は考えています。 A(小野寺防衛大臣):防衛装備について私の方からお話をいたします。日本 の防衛装備技術については、様々な国から今大変高い関心を持っていただい ております。飛行艇や輸送機、そして様々な技術についての問い合わせ、防 衛協力についての申し出が来ております。日本とイギリスとの間では、昨年 7月に防衛装備の中で特に化学防護に関する共同開発というのが合意され、 現在進んでおります。フランスは大変科学技術の進んだ国でもありますし、 長い間の防衛装備の開発の経験もございます。そういった中で、今日ルドリ アン大臣の方から先ほど言及がありましたが、例えばロボット技術、あるい はサイバー分野、ナノテクノロジーの分野、あるいは無人の航空機、新世代 のヘリコプター等の言及がございました。どのようなことが今後共同開発の 中で研究として一つの方向ができるのかというのが、防衛当局の中で議論を していく必要があると思っております。
11 A(ファビウス外務大臣):では一言、私の方からも。小野寺さんと私は全く 同じ考え方を持っておりまして、まず軍事・科学教育ということで、特に能 力の向上ということで、この点については4月から早速東京で会合をやるこ とになっております。 Q:日本の外務大臣の方から輸出管理というお話がありました。では、ルドリ アン大臣に聞きますが、フランスの方、例えばヘリコプターを中国に売って いますけれども、こういうことに関しても話が出たのでしょうか。フランス は、日本の人々に対して、例えばヘリの着艦装備に関して売っておりますけ れども、そうしたものについての話が出ましたか。そうしたフランスの方針 というものを見直す可能性はあるのでしょうか。それから、今その地域、ア ジアの中でホットな問題になっているのは安倍晋三首相が靖国神社に参拝 をしたということで、それが周辺国に様々な反応を呼んでおります。特にそ うしたところに関して今回、2014年の最初の海外出張ということでフラ ンスにいらしたわけですけれども、こうしたところで果たして安倍首相は今 後ともそうした靖国参拝を続けるのか。もしそうだとしたらその理由は何な のか。欧州のパートナーに対してどのように説明をするのか、つまり平和を 維持したいとおっしゃるのであれば、日本の首相がこれからも14名もA級 戦犯の合祀されているようなところに参拝をするというのは一体どういう ことなのかお聞きしたいと思います。 A(ファビウス外務大臣):確かにそのホットな質問ということで、1つと言 いましたが一連の質問をして下さいましたね。では私の方から言える回答を したいと思います。まず、靖国問題ですが、これは過去の尊崇の問題であり ますから、また国家の記憶の問題でありますから、非常に機微な問題だと思 っております。これは大変悲劇的な、不幸なことでありましたけれども、国 の過去の記憶に残っているものである。極めてデリケートな問題として、こ れはまずは歴史の専門家に扱ってもらう。それからまた民主的な議論を行う。 それから他国の声に耳を傾けるということが重要だと思います。それから日 本と中国の関係が改善するということは、これは友人としてとても重要なこ とでありますので、そういう意味でも過去を考えるというだけではなく、過 去を乗り越えるという姿勢が必要ではないかと考えます。それからもう一つ、 我々、実際に日本に行ったときにも、先ほど出たヘリの着艦装置について話
12 が出ました。この装備というのは、実は全く何の害も無い、ありふれたもの なのです。全く機微なものではない。確かに数千ユーロ程度のものでありま すし、それからいろいろな民事用にも使われているような装備でありまして、 この件は全くそもそも禁輸のリストにも載っていないようなものでありま すし、欧州のルールにもこの点については、はっきりしたルールがあります ので、それに全く違反しているようなものではありません。従って我々とし ては、こういうふうな形でまとめられるかと思います。 A(ルドリアン国防大臣):では私の方からも補足します。フランスの輸出に 関する問題です。今朝、実は双方、我々の輸出管理システムについての情報 交換を行いました。その中でも、特にデュアル、つまりは軍事転用ができる ような汎用品に関して、透明性を持ったやり方で情報交換しております。で は、岸田文雄さんお願いします。 A(岸田外務大臣):2つ目の質問、この靖国神社に対する参拝につきまして 申し上げさせていただきたいと存じます。まずこの靖国神社という神社がど ういう神社なのか、このことについてまず申し上げなければなりません。靖 国神社におきましては、先の第二次世界大戦のみならず、1853年以降の 明治維新、更には西南戦争をはじめとする我が国国内の動乱、更には日清・ 日露戦争、そしてその後の第一次世界大戦における命を落とされた方々、要 はこうしたこの多くの戦いにおいて、国のために命を落とされた方々、約2 50万人の方々が男女の区別無く、身分も関わらず祀られている。こうした 神社であります。こうした神社に参拝するということは、国のために命を捧 げられた方々に哀悼の意を表し、そして尊崇の念を表し、そして二度と戦い の無い時代を作らなければならない。こうした不戦の誓いをもって安倍総理 は行った次第です。国のリーダーが国のために戦地に倒れた戦没者の冥福を 祈り、そして手を合わせる。こういったことは世界共通のリーダーの姿勢で あると考えております。そして、強調しておかなければならないことは、我 が国の歴史認識、あるいはこの外交姿勢は、全く変化はないということであ ります。我が国は戦後一貫して自由、あるいは民主主義、法の支配、こうし たものを大切にし、アジアの平和と繁栄に実際に貢献をしてきました。こう した価値観、日本国民のアイデンティティーの一部となっており、平和国家 としての歩み、これからも全く変わりはないということを強調しておかなけ
13 ればなりません。中国や韓国の方々の気持ちを傷つけるつもりはないと総理 は発言をさせていただいておりますが、こうした国々の方々の意見につきま しては、謙虚に耳を傾ける用意があります。是非、この対話のドアは絶えず オープンにしながら、対話の実施を大切にしていきたい。このように考えて おります。こうした安倍総理の参拝の真意につきましては、これからも丁寧 に説明を続けていきたいと考えております。 以 上