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国際バカロレア導入と IB 教員養成のニーズ 国際バカロレア導入とIB IB 教員養成のニーズ 国際バカロレア導入と 教員養成のニーズ IB-PYP グローバル人材の育成は 3歳からの グローバル人材の育成は 3歳からの IB-PYP と小学校英語から と小学校英語から 鈴 木 克 鈴木 義 克義

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国際バカロレア導入と IB 教員養成のニーズ

国際バカロレア導入と IB 教員養成のニーズ

~グローバル人材の育成は、3歳からの IB-PYP と小学校英語から~

鈴 木 克 義

はじめに:2021 年度からの小学校教員採用数急減に備えよ  小学校教員の採用数は、第2次ベビーブームによる児童増、 団塊の世代教員の大量退職などで 2000 年頃から新規採用が 増え、小学校教員養成をする私立大学は 05 年度には 51 校だっ たのが、13 年度には 156 校と3倍以上に増えた。  ところが広島大大学院教育学研究科の山崎博敏教授による と、子どもの人口減少の影響をもろに受け、採用は 2021 年 度から急減し、25 年度には今より約5千人減の約1万7千 人にまで落ち込むという。(図表1、朝日新聞 2014-9-14)  初等教育課程を持つ教育学部は、生き残りをかけて定員の縮小など対策を迫られるが、こ うした状況の中で 2020 年度以降も確実に採用が見込まれるのが、全国2万1千校以上の小 学校で教科化が行われる英語専修の教員と、文部科学省が導入を進めている国際バカロレア (IB)カリキュラムで教えられる教員である。 2018 年までに IB スクール 200 校、小学校英語の教科化で、教員の争奪戦が起こる!  2013 年の6月、日本政府は「日本再興戦略- JAPAN is BACK -」を閣議決定し、3つ のアクションプランを掲げ、一-2-⑦グローバル化等に対応する人材力強化の中で「2020 年までに日本人留学生を 6 万人(2010 年)から 12 万人へ倍増させる。優秀な外国人留学生 についても、2012 年の 14 万人から 2020 年までに 30 万人に倍増させること(「留学生 30 万 人計画」の実現)を目指す」と目標を示し、さらに「一部日本語による国際バカロレア(IB) の教育プログラムの開発・導入等を通じ、国際バカロレア認定校等の大幅な増加を目指す (2018 年までに 200 校)」という、非常に具体的な数値目標を掲げた。(2013-6-14 首相官邸 ウエブサイト)  小学校段階からの英語教育についても、「小学校 5、6 年生における外国語活動の成果を今 年度中に検証するとともに、小学校における英語教育実施学年の早期化、指導時間増、教科化、 指導体制の在り方等や、中学校における英語による英語授業の実施について、今年度から検 討を開始し、逐次必要な見直しを行う」とし(同上)、2014 年には「3年生から外国語活動 を始め、コミュニケーションの素地を養う」「5年生以降では、英語を専門とする教員を活用」 という教科化・専科化の提言が出された。(朝日新聞 2014-10-8)  これは 2016 年の学習指導要領の改訂に反映され、2020 年度に全面実施の予定だという。 図 表 1:朝日新聞「20年度を境 に縮む教員採用」2014-9-14 朝刊

国際バカロレア導入と IB 教員養成のニーズ

〜 グローバル人材の育成は、3歳からの IB-PYP と小学校英語から 〜

鈴木 克義

はじめに:2021年度からの小学校教員採用数急減に備えよ 小学校教員の採用数は、第2次ベビーブームによる児童増、 団塊の世代教員の大量退職などで2000年頃から新規採用が増え、 小学校教員養成をする私立大学は05年度には51校だったのが、 13年度には156校と3倍以上に増えた。 ところが広島大大学院教育学研究科の山崎博敏教授によると、 子どもの人口減少の影響をもろに受け、採用は2021年度から急 減し、25 年度には今より約5千人減の約1万7千人にまで落ち 込むという。(図表1、朝日新聞 2014-9-14) 初等教育課程を持つ教育学部は、生き残りをかけて定員の縮小など対策を迫られるが、こうした 状況の中で2020年度以降も確実に採用が見込まれるのが、全国2万1千校以上の小学校で教科化が 行われる英語専修の教員と、文部科学省が導入を進めている国際バカロレア(IB)カリキュラムで 教えられる教員である。 2018年までにIBスクール200校、小学校英語の教科化で、教員の争奪戦が起こる! 2013 年の6月、日本政府は「日本再興戦略 – JAPAN is BACK -」を閣議決定し、3つの アクションプランを掲げ、一-2−⑦グローバル化等に対応する人材力強化の中で「2020 年 までに日本人留学生を 6 万人(2010 年)から 12 万人へ倍増させる。 優秀な外国人留学生 についても、2012 年の 14 万人から 2020 年までに 30 万人に倍増させること(「留学生 30 万 人計画」の実現)を目指す」と目標を示し、さらに「一部日本語による国際バカロレア(IB) の教育プログラムの開発・導入等を通じ、国際バカロレア認定校等の大幅な増加を目指す (2018 年までに 200 校)」という、非常に具体的な数値目標を掲げた。(2013-6-14 首相官 邸ウエブサイト) 小学校段階からの英語教育についても、「小学校 5、6 年生における外国語活動の成果を 今年度中に検証するとともに、小学校における英語教育実施学年の早期化、指導時間増、 教科化、指導体制の在り方等や、中学校における英語による英語授業の実施について、今 年度から検討を開始し、逐次必要な見直しを行う」とし(同上)、2014 年には「3年生か 図表1:朝日新聞「20年度を境に 縮む教員採用」2014-9-14 朝刊

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ナショナルスクールを中心に 27 校(うち、日本の学習指導要領に基づく一条校は7校)と いう IB 導入校が、2018 年までに 200 校に増えるわけだから、いくら日本語 IB を導入する とはいえ到底間に合いそうもないように思えるが、2015 年に開校の中高一貫公立校である 札幌開成中等教育学校では、11 歳からの IB-MYP と 16 歳からの DP(ディプロマ・プログ ラム)導入を決めた。都立国際高等学校も導入を表明しており、今後公立学校に一気に広が る可能性がある。日本語 DP といっても、体育や芸術など一部英語で行わなければいけない 科目は残る上、DP 取得者を受け入れる世界の大学は英語による授業が大勢なので、既存の IB スクールも含め、英語 DP 取得を目指す学校は多いだろう。  小学校の英語については影響はもっと甚大で、全国に小学校は2万1千校以上あるわけだ から、教科化によって少なくとも1校に1人以上、英語専修の教員が必要になる。当初は担 任への研修で間に合わせる自治体もあるだろうが、1997 年に小学校英語を必修化した韓国 の例を見ても、いずれ専科教員による授業へ移行せざるを得ないので、初等教育課程を持つ 教員養成系の大学は、早急に英語専修の養成課程を設置する必要に迫られている。  さらに、公立小学校の英語教科化と低年齢化で、従来のような小学校英語で差別化がで きなくなる私立では、IB カリキュラムを導入して各教科を英語で教えるイマージョン教育、 幼稚園段階から英語で保育する幼小連携教育などが進むと思われるが、ここでも人材不足は 深刻なので、英語 IB で幼小を教えられる教員は引く手あまたの状況になるだろう。   国際バカロレアの歴史  バカロレア(baccalauréat)とは元々フランス語で、大学などの高等教育機関に入学する ための資格およびその国家試験のことで、1808 年にナポレオンによって導入され、現在で も6割以上のフランス国民がバカロレアを取得している。(Wikipedia)  国際バカロレアの歴史は 1920 年、スイスのジュネーブに国際連盟が設立され、その職員 の子弟のために 1924 年、ジュネーブ国際学校が開設された事に始まる。同年、まだ大正 13 年だった日本でも、横浜インターナショナルスクール(YIS)が開設されている。  その後 1960 年代の初頭から、転勤で世界各地を移動する国際職員の子どものため、どの 国でも認められる大学入学の資格(DP=diploma)と、国際的なカリキュラムを作ろうとい う動きが始まり、1967 年に国際バカロレア機構(IBO)の第1回総会が開かれ、1970 年に は国際バカロレア試験が正式に開始、公式の国際バカロレア・ディプロマガイドが発行され ている。(福田 2014)  IB のカリキュラムは当初から、従来の学校の「自分の頭を事実で満たす」教育から、「未 来の学生が自身の知識を使うことを学ぶ」というスタイルを先取りしていた。  ヨーロッパ発の国際バカロレアはその後、北米で急速に広まり、アジアにも広がって、 1990 年には世界 70 カ国、290 校で導入された。  さらに 1994 年には 11 ~ 16 歳対象の中等プログラム(MYP)が開発され、1997 年には 3 ~ 12 歳対象の初等プログラム(PYP)が加えられた。

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国際バカロレア導入と IB 教員養成のニーズ 3歳からの IB-PYP 導入校が急速に増えている  日本への導入は東京のセントメリーズ・インターナショナルスクールが 1979 年に IB-DP を導入したのが第一号で、その後 80 ~ 90 年代はインターナショナルスクールを中心に DP の導入が進み、2000 年に初めて一条校の加藤学園が DP を導入、その後 MYP も導入して、 2010 年前後からは続々、いわゆる英語イマージョン校が DP を採り入れている。  世界に目を向けると、2014 年6月現在で 147 カ国 3,791 校が IB を導入しているが、2008 年から 2013 年までの推移を見ると、DP が 1,851 校から 2,402 校へ 30% の増加、MYP が 663 校から 1,004 校へ 51% の増加、PYP が 493 校から 1,038 校へと 111% の大幅な増加となっ ている。(文部科学省、福山 2014)  下記の表を見ても、当初国内で IB を導入した学校は DP が多かったが、インターナショ ナルスクールでは PYP の導入が進んでいることがわかる。一条校への PYP 導入もこれか らなので、日本の幼稚園免許、小学校免許を持った IB 教員の養成が急務である。 国際バカロレアの認定校(図表2:文部科学省 2014 年 6 月現在) 3歳からの IB-PYP 導入校が急速に増えている 日本への導入は東京のセントメリーズ・インターナショナルスクールが 1979 年に IB-DP を導入したのが第一号で、その後 80〜90 年代はインターナショナルスクールを中心に DP の導入が進み、2000 年に初めて一条校の加藤学園が DP を導入、その後 MYP も導入して、 2010年前後からは続々、いわゆる英語イマージョン校が DP を採り入れている。 世界に目を向けると、2014 年6月現在で 147 カ国 3,791 校が IB を導入しているが、2008 年から 2013 年までの推移を見ると、DP が 1,851 校から 2,402 校へ 30%の増加、MYP が 663校から 1,004 校へ 51%の増加、PYP が 493 校から 1,038 校へと 111%の大幅な増加と なっている。(文部科学省、福山 2014) 下記の表を見ても、当初国内で IB を導入した学校は DP が多かったが、インターナショ ナルスクールでは PYP の導入が進んでいることがわかる。一条校への PYP 導入もこれか らなので、日本の幼稚園免許、小学校免許を持った IB 教員の養成が急務である。 国際バカロレアの認定校(図表2:文部科学省 2014 年 6 月現在)

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保育士は外国で取得の資格容認へ  英語が使いこなせるグローバル人材を育成するためには、幼少期からの英語保育が欠かせ ない(2010, 2011 鈴木)。そこで考えられるのが、英語圏からの外国人保育士の導入、英語 が使える日本人保育者の養成、そして英語圏での保育者養成や研修である。  保育士資格は近い将来、幼稚園教諭と一体となって「保育教諭」という名称が与えられる ことになっているが、政府は極度に不足している保育士の需要を満たすために、国家戦略特 区で外国で取得した保育士資格を容認する考えである。(朝日新聞 2014-6-16)  たとえばオーストラリアでは、レベル3という保育士の資格が最短6カ月で取得可能なの で、IB 校を経験した外国人保育士を採用して IB-PYP 校に配置したり、日本人の IB 教員 を目ざす学生をオーストラリアに留学させ、小学校教員免許に加えて保育士の資格を短期で 取らせて、3歳からの IB-PYP 導入校に就職させるといった事が可能になってくる。  静岡市内で 2014 年4月に開園した NB インターナショナルキンダーガーテンでは、教育 方針として「国際バカロレア認定校を目指す」とウエブサイトに明記しており、今後 IB-保育士は外国で取得の資格容認へ 英語が使いこなせるグローバル人材を育成するためには、幼少期からの英語保育が欠か せない(2010, 2011 鈴木)。そこで考えられるのが、英語圏からの外国人保育士の導入、 英語が使える日本人保育者の養成、そして英語圏での保育者養成や研修である。 保育士資格は近い将来、幼稚園教諭と一体となって「保育教諭」という名称が与えられ ることになっているが、政府は極度に不足している保育士の需要を満たすために、国家戦 略特区で外国で取得した保育士資格を容認する考えである。(朝日新聞 2014-6-16) たとえばオーストラリアでは、レベル3という保育士の資格が最短6カ月で取得可能な ので、IB 校を経験した外国人保育士を採用して IB-PYP 校に配置したり、日本人の IB 教 員を目ざす学生をオーストラリアに留学させ、小学校教員免許に加えて保育士の資格を短 期で取らせて、3歳からの IB-PYP 導入校に就職させるといった事が可能になってくる。 静岡市内で 2014 年4月に開園した NB インターナショナルキンダーガーテンでは、教

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国際バカロレア導入と IB 教員養成のニーズ

IB-PYP/MYP カリキュラムの特徴

 IB といえば、これまでは「知の理論(TOK)」や「社会奉仕活動(CAS)といった、特 徴のあるカリキュラムで知られる、16 歳からのディプロマ・プログラム(IB-DP)につい て語られることが多かったが、今後は IB-DP の教員を国内で調達することが非常に困難で あることに加え、小学校段階、あるいは就学前のプリスクールから英語で教育を行うインター ナショナルスクールの増加に伴って、IB-PYP を採用する学校が増えそうだ。  東京圏では 2020 年のオリンピック開催に向け、外国人向けマンションやインターナショ ナルスクールをつくるため、特区で規制緩和をするという。(朝日新聞 2014-10-2)  東京インターナショナルスクール(TIS)は 1994 年に開校という、東京の国際学校とし ては後発に属するが、創立者の坪谷ニュウエル郁子さんが2人の娘のために探した学校があ まりに費用が高かったので、自分でつくってしまったというユニークな学校である。  設立後早い時期から、ちょうど誕生したばかりの IB-PYP と MYP をカリキュラムに採 り入れ、その縁で坪谷さんは IBO のアジアパシフィック地域理事に就任している。 2013 年には各国大使館に囲まれた南麻布の地に移転したが、TIS はプリスクールから中等 部までにとどめ、高等部進学を希望する生徒には横浜インターナショナルスクール(YIS) を勧めているそうである。  私は 2014 年の6月に TIS を訪ねたが、ちょ うど学年の最終日で、体育館では1年間の学習 の成果が展示してあった。  最も特徴的だったのが、7年生が作ったソー ラーカーで、「僕たちは 13 歳で、このソーラー カーをつくった」と誇らしげに書いてある。  IB-MYP ではこのような、プロジェクトを 通じて必要な事を学んでいくという、探究型の 学習を行っているのである。  さらに、教育が行われる現地の言葉も必修で 学ぶことになっているそうで、日本語の展示も あちこちで見られた。TIS では日本人の優秀な IB 教員が、探究型の日本語教育を原則日本語 で行っている。この教員養成も、今後は必要に なるだろう。  なお、IB-PYP と MYP については、すべて 現地語で行っても良いそうで、その意味でも DP より先に普及が進みそうだが、英語が公用 語のインターナショナルスクールや英語イマージョンスクール(一条校)では、英語圏の大 学に進む生徒が多いこともあって、引き続き英語で行うことになるだろう。ただ外国人教員 の採用が非常に難しくなっているので、保育教諭や小学校教諭の資格を持った、優秀な日本 人 IB 教員の需要が増すに違いない。 IB-PYP/MYP カリキュラムの特徴 IB といえば、これまでは「知の理論(TOK)」や「社会奉仕活動(CAS)といった、特徴 のあるカリキュラムで知られる、16 歳からのディプロマ・プログラム(IB-DP)について 語られることが多かったが、今後は IB-DP の教員を国内で調達することが非常に困難であ ることに加え、小学校段階、あるいは就学前のプリスクールから英語で教育を行うインタ ーナショナルスクールの増加に伴って、IB-PYP を採用する学校が増えそうだ。 東京圏では 2020 年のオリンピック開催に向け、外国人向けマンションやインターナシ ョナルスクールをつくるため、特区で規制緩和をするという。(朝日新聞 2014-10-2) 東京インターナショナルスクール(TIS)は 1994 年に開校という、東京の国際学校とし ては後発に属するが、創立者の坪谷ニュウエル郁子さんが2人の娘のために探した学校が あまりに費用が高かったので、自分でつくってしまったというユニークな学校である。 設立後早い時期から、ちょうど誕生したばかりの IB-PYP と MYP をカリキュラムに採 り入れ、その縁で坪谷さんは IBO のアジアパシフィック地域理事に就任している。 2013年には各国大使館に囲まれた南麻布の地に移転したが、TIS はプリスクールから中等 部までにとどめ、高等部進学を希望する生徒には横浜インターナショナルスクール(YIS) を勧めているそうである。 私は 2014 年の6月に TIS を訪ねたが、 ちょうど学年の最終日で、体育館では1年 間の学習の成果が展示してあった。 最も特徴的だったのが、7年生が作った ソーラーカーで、「僕たちは 13 歳で、この ソーラーカーをつくった」と誇らしげに書 いてある。 IB-MYP ではこのような、プロジェクト を通じて必要な事を学んでいくという、探 究型の学習を行っているのである。 さらに、教育が行われる現地の言葉も必 修で学ぶことになっているそうで、日本語 の展示もあちこちで見られた。TIS では日 本人の優秀な IB 教員が、探究型の日本語 教育を原則日本語で行っている。この教員 養成も、今後は必要になるだろう。 なお、IB-PYP と MYP については、すべて現地語で行っても良いそうで、その意味でも DP より先に普及が進みそうだが、英語が公用語のインターナショナルスクールや英語イ マージョンスクール(一条校)では、英語圏の大学に進む生徒が多いこともあって、引き 続き英語で行うことになるだろう。ただ外国人教員の採用が非常に難しくなっているので、

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デンマークの公立小学校と IB スクール  インターナショナルスクールというのは、もともと英語ができる親の子どもが集まるわけ だし(TIS には日本人の子どももいる)、優秀なネイティブの先生も集まりやすいので、IB 教育もうまく行って当たり前…と思われるかもしれないので、私は 2014 年の9月、他大学 のツアーに便乗して、英語が第二言語であるデンマークの教育事情視察に行ってきた。  デンマークは人口が 560 万人と少なく(ちょうど北海道並み)消費税が 25%と高いのに、 世界一幸せな国と言われ、教育や福祉のレベルが高く、私は以前から関心を持っていた。  まず訪れたのが、首都コペンハーゲンから北西に車で3時間ほど走った、オーデンセと いう町にある公立小学校である。ここは移民が多く、以前は8割もいたそうだが、現在は 65%ほどが移民の子どもである。  当然、家庭ではイスラム圏などそれぞれ の出身国の言葉が話されていて、デンマー ク語が話せない親も多い。そこで、子ども たちに平等な教育の機会と未来に生きるチ カラを…ということで校長が始めたのが、 必修である0年生(5歳児)からの英語教 育だったのだ。  見せてもらった4年生の英語授業は、日 本の小学校英語のクラスとそれほど変わる ものではなかったが、英語と数学を担当しているというデンマーク人の先生はすべて流暢な 英語で授業を進めており、女性の校長以下、他の先生方の英語も素晴らしく、まるで英語圏 の国に来たようだった。子どもたちも、人なつこく英語で話しかけて来てくれた。  面白かったのは、先生方が授業が終わると午後2時~3時ぐらいで帰ってしまうので、も う少し学校にいてもらうため、校長がコンピューターを備えた仕事部屋を作っていて、週 35 時間労働で、担当科目も2科目まで持つようにお願いしているとのことだった。  日本の長時間労働で、担任がほとんどの科目を教える小学校と比べると夢のようだが、こ のあたりが「世界一幸せ」と言われる所以かもしれない。教育はもちろん無料である。  教室には必ずキッチンが備え付けてあり、先生も子どもも、朝のうちから何か飲んだり 食べたりしながら授業をしているのが印象的 だった。  デンマークではレゴブロックを教育に採り 入れている学校が多く、ここの小学校でも独 立 し た LEGO Education Center が あ っ た。 専任の先生がいて、風車や太陽電池で発生さ せた電力で、電子部品を組み込んだレゴのロ ボットを動かしていた。 デンマークの公立小学校と IB スクール インターナショナルスクールというのは、もともと英語ができる親の子どもが集まるわ けだし(TIS には日本人の子どももいる)、優秀なネイティブの先生も集まりやすいので、 IB 教育もうまく行って当たり前…と思われるかもしれないので、私は 2014 年の9月、他 大学のツアーに便乗して、英語が第二言語であるデンマークの教育事情視察に行ってきた。 デンマークは人口が 560 万人と少なく(ちょうど北海道並み)消費税が 25%と高いのに、 世界一幸せな国と言われ、教育や福祉のレベルが高く、私は以前から関心を持っていた。 まず訪れたのが、首都コペンハーゲンから北西に車で3時間ほど走った、オーデンセと いう町にある公立小学校である。ここは移民が多く、以前は8割もいたそうだが、現在は 65%ほどが移民の子どもである。 当然、家庭ではイスラム圏などそれ ぞれの出身国の言葉が話されていて、 デンマーク語が話せない親も多い。そ こで、子どもたちに平等な教育の機会 と未来に生きるチカラを…ということ で校長が始めたのが、必修である0年 生(5歳児)からの英語教育だったの だ。 見せてもらった4年生の英語授業は、日本の小学校英語のクラスとそれほど変わるもの ではなかったが、英語と数学を担当しているというデンマーク人の先生はすべて流暢な英 語で授業を進めており、女性の校長以下、他の先生方の英語も素晴らしく、まるで英語圏 の国に来たようだった。子どもたちも、人なつこく英語で話しかけて来てくれた。 面白かったのは、先生方が授業が終わると午後2時〜3時ぐらいで帰ってしまうので、 もう少し学校にいてもらうため、校長がコンピューターを備えた仕事部屋を作っていて、 週 35 時間労働で、担当科目も2科目まで持つようにお願いしているとのことだった。 日本の長時間労働で、担任がほとんどの科目を教える小学校と比べると夢のようだが、 このあたりが「世界一幸せ」と言われる所以かもしれない。教育はもちろん無料である。 教室には必ずキッチンが備え付けてあり、 先生も子どもも、朝のうちから何か飲んだ り食べたりしながら授業をしているのが印 象的だった。 デンマークではレゴブロックを教育に採 り入れている学校が多く、ここの小学校で も独立した LEGO Education Center があっ た。専任の先生がいて、風車や太陽電池で 発生させた電力で、電子部品を組み込んだ デンマークの公立小学校と IB スクール インターナショナルスクールというのは、もともと英語ができる親の子どもが集まるわ けだし(TIS には日本人の子どももいる)、優秀なネイティブの先生も集まりやすいので、 IB 教育もうまく行って当たり前…と思われるかもしれないので、私は 2014 年の9月、他 大学のツアーに便乗して、英語が第二言語であるデンマークの教育事情視察に行ってきた。 デンマークは人口が 560 万人と少なく(ちょうど北海道並み)消費税が 25%と高いのに、 世界一幸せな国と言われ、教育や福祉のレベルが高く、私は以前から関心を持っていた。 まず訪れたのが、首都コペンハーゲンから北西に車で3時間ほど走った、オーデンセと いう町にある公立小学校である。ここは移民が多く、以前は8割もいたそうだが、現在は 65%ほどが移民の子どもである。 当然、家庭ではイスラム圏などそれ ぞれの出身国の言葉が話されていて、 デンマーク語が話せない親も多い。そ こで、子どもたちに平等な教育の機会 と未来に生きるチカラを…ということ で校長が始めたのが、必修である0年 生(5歳児)からの英語教育だったの だ。 見せてもらった4年生の英語授業は、日本の小学校英語のクラスとそれほど変わるもの ではなかったが、英語と数学を担当しているというデンマーク人の先生はすべて流暢な英 語で授業を進めており、女性の校長以下、他の先生方の英語も素晴らしく、まるで英語圏 の国に来たようだった。子どもたちも、人なつこく英語で話しかけて来てくれた。 面白かったのは、先生方が授業が終わると午後2時〜3時ぐらいで帰ってしまうので、 もう少し学校にいてもらうため、校長がコンピューターを備えた仕事部屋を作っていて、 週 35 時間労働で、担当科目も2科目まで持つようにお願いしているとのことだった。 日本の長時間労働で、担任がほとんどの科目を教える小学校と比べると夢のようだが、 このあたりが「世界一幸せ」と言われる所以かもしれない。教育はもちろん無料である。 教室には必ずキッチンが備え付けてあり、 先生も子どもも、朝のうちから何か飲んだ り食べたりしながら授業をしているのが印 象的だった。 デンマークではレゴブロックを教育に採 り入れている学校が多く、ここの小学校で も独立した LEGO Education Center があっ た。専任の先生がいて、風車や太陽電池で 発生させた電力で、電子部品を組み込んだ レゴのロボットを動かしていた。

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国際バカロレア導入と IB 教員養成のニーズ  レゴといえば、本社はさらに1時間ほど内陸部に入ったビルンという町にあって、人口わ ずか 6,500 人という田園地帯だが、レゴの社長が作ったという国際空港があり、ヨーロッパ 各地への直行便が飛んでいる。  ここにはレゴランドという、2015 年には名古屋にもオープンするテーマパークがあって、 それも今回の目的地の1つなのだが、13 年に IB-PYP を導入した英語インターナショナル スクールを作ったというので、視察に訪れた。  さすがデザインの国で、レゴを利用した機能 的な教具があちこちで見られたが、IB-PYP の 理念は忠実に採り入れられていて(忠実にやら ないと資格を剥奪されてしまう)、たとえば「探 究の単元(Units of Inquiry)」と呼ばれる6 つのテーマがあるのだが、これは TIS と同様、 美しく壁にディスプレイされていた。  この中でも「地球に共存する(Sharing the Planet)」というテーマは IB に特有の概念で あり、世界平和のために設立された国際連盟、国際連合の理念を受け継いでいると言えるだ ろう。TIS ではこれを子どもたちが表現したレリーフが飾られていた。 「探究の単元」の6つのテーマは次の通り。 ①自分自身について --Who we are ②私たちが置かれている場所や時代  - Where we are in place and time ③自己の表現方法について  - How we express ourselves ④すべての事はどのように機能しているか  - How the world works ⑤社会を体系づける方法について  - How we organize ourselves ⑥地球に共存する方法- Sharing the planet  IB は決まった教科書があるわけではなく、それぞれの教員がこれらのテーマをもとに、 各学年に応じた学習内容やプロジェクトを考えて、子どもたちに取り組ませるのである。た とえばビルンのインターナショナルスクールでは、How the world works というテーマの 下で、PYP K3(3歳児)と1年・2年生では Life cycles というサブテーマで生命の循環 について学び、8歳~ 10 歳の PYP 3、4、5年生では、Tectonic plates(地殻プレート) というテーマで、地震などの地殻変動について学んでいて、子どもが Tectonic plates の歌 まで作って、バンドで演奏していたのには驚いた。  これは後でレクチャーしてくれた担当の先生が日本に滞在していたことがあり、地震や地 殻変動に興味を持っていたからだそうだ。  次のページに、このスクールの IB カリキュラム一覧表を載せる。(図表3) レゴといえば、本社はさらに1時間ほど内陸部に入ったビルンという町にあって、人口 わずか 6,500 人という田園地帯だが、レゴの社長が作ったという国際空港があり、ヨーロ ッパ各地への直行便が飛んでいる。 ここにはレゴランドという、2015 年には名古屋にもオープンするテーマパークがあって、 それも今回の目的地の1つなのだが、13 年に IB-PYP を導入した英語インターナショナル スクールを作ったというので、視察に訪れた。 さすがデザインの国で、レゴを利用した機 能的な教具があちこちで見られたが、IB-PYP の理念は忠実に採り入れられていて(忠実に やらないと資格を剥奪されてしまう)、たとえ ば「探究の単元(Units of Inquiry)」と呼ば れる6つのテーマがあるのだが、これは TIS と同様、美しく壁にディスプレイされていた。

この中でも「地球に共存する(Sharing the Planet)」というテーマは IB に特有の概念 であり、世界平和のために設立された国際連盟、国際連合の理念を受け継いでいると言え るだろう。TIS ではこれを子どもたちが表現したレリーフが飾られていた。

「探究の単元」の6つのテーマは次の通り。 ①自分自身について--Who we are

②私たちが置かれている場所や時代 --Where we are in place and time ③自己の表現方法について

--How we express ourselves

④すべての事はどのように機能しているか --How the world works

⑤社会を体系づける方法について --How we organize ourselves

⑥地球に共存する方法—Sharing the planet IB は決まった教科書があるわけではなく、それぞれの教員がこれらのテーマをもとに、 各学年に応じた学習内容やプロジェクトを考えて、子どもたちに取り組ませるのである。 たとえばビルンのインターナショナルスクールでは、How the world works というテーマの 下で、PYP K3(3歳児)と1年・2年生では Life cycles というサブテーマで生命の循環 について学び、8歳〜10 歳の PYP 3、4、5年生では、Tectonic plates(地殻プレート) というテーマで、地震などの地殻変動について学んでいて、子どもが Tectonic plates の 歌まで作って、バンドで演奏していたのには驚いた。

これは後でレクチャーしてくれた担当の先生が日本に滞在していたことがあり、地震や 地殻変動に興味を持っていたからだそうだ。

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国際バカロレア導入と IB 教員養成のニーズ 今こそ、小学校英語と IB スクールの教員養成を!  冒頭で述べた、2021 年度からの小学校教員採用数の急減と、欧米の大学に見られる職業 教育へのシフトに影響を受けて、政府は教員養成系と文系学部の削減に動いていると聞く。 それでも確実に需要を増やすのが、2020 年度までに教科化される予定の小学校英語専修の 教員養成と、3歳から始まる IB-PYP の教員養成である。  これら2つは共通点も多いので、たとえば教育学部の初等教育課程の中に英語専修と IB-PYP コースを設けて、英語専修の需要が一巡した後には IB-IB-PYP コースに主軸を置き、小 学校だけでなく保育教諭の資格を取らせて、英語プリスクールやインターナショナルスクー ルへ就職させるのも良いだろう。英語で保育を行うプリスクールの数は増加の一途であり、 外国人保育者だけでなく日本人でも保育英検などを取得し、英語力のある学生は真っ先に内 定が決まる状況が続いている。  おりしも 2016 年度に、お茶の水大学が保育園型の認定こども園をキャンパス内に開設す るというニュースもあり(朝日新聞 2014-9-30)、大学が保育園を持つことは不可能ではなく なっている。ここは思い切って IB-PYP を導入した英語こども園をキャンパス内に持てば、 外国人の教員や留学生も子どもを預けやすくなり、学生の実習園としても地域のグローバル 人材育成にも役に立つ。  ただ、小学校英語も IB 教員の育成も今までなかった教育課程なので、指導する人材が全 く不足している。教員養成系の大学で、採用急減期に生き残りを図ろうと思うなら、すぐに でも準備に取りかかるべきだろう。

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・朝日新聞(2014-9-24)「(人口減にっぽん)20年度を境に縮む教員採用」 ・日本再興戦略 - JAPAN is BACK -(2013-6-14 閣議決定) http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/saikou_jpn.pdf ・朝日新聞(2013-10-24)「英語授業、小3から 小5で正式教科に 文科省方針」 ・朝日新聞(2014-10-8)「英語力『アジアトップ級』へ改善策」 ・朝日新聞(2013-10-04)「『開成』説明会に800人 札幌市立初の中高一貫校」 ・Wikipedia「バカロレア」http://ja.wikipedia.org/wiki/ バカロレア _(フランス) ・福田誠治(2014-7)「国際バカロレアの歴史」学力問題 PT 報告書 国際的な教育プログ ラム「国際バカロレア(IB)」と日本における学びのあり方、国民教育文化総合研究所 ・文部科学省「国際バカロレアについて」http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/ib/ ・福山文子(2014-7)「日本における IB 認定校の現状-学校訪問および IB 教育フォーラム 参加を踏まえて -」学力問題 PT 報告書 国際的な教育プログラム「国際バカロレア(IB)」 と日本における学びのあり方、国民教育文化総合研究所 ・鈴木克義(2010)「英語は小学校からでは遅すぎます!」幼年教育出版 ・鈴木克義(2011)「英語幼稚園・英語託児の必要性と将来性」常葉学園短期大学紀要 ・鈴木克義(2012)「子ども英語から保育英語へ」常葉学園短期大学紀要 ・朝日新聞(2014-6-16)「保育士確保は特区で 試験回数を増加、外国資格も容認」 ・NB インターナショナルキンダーガーテン「教育方針」 http://www.nbik-edu.com/policy.html ・朝日新聞(2014-10-2)「東京圏の特区、具体案 ビル規制緩和/外国人向け施設」 ・坪谷ニュウエル郁子(2014)「世界で生きるチカラ…国際バカロレアが子どもたちを強く する」ダイヤモンド社 ・朝日新聞(2014-9-30)「お茶大に『認定こども園』 文京区が 16 年開設」

参照

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