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目 次 第 1 章人口の現状分析 1-1. 人口動向分析 1 (1) 人口の推移 1 (2) 人口構成 2 (3) 社会動態の動向 3 (4) 自然動態の動向 産業別人口 11 (1) 産業別人口 11 第 2 章将来人口推計と人口減少が与える影響 2-1. 将来人口推計 13 (1)

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日向市人口ビジョン

日向市

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目 次

第1章 人口の現状分析

1-1.人口動向分析 ··· 1 (1) 人口の推移 ··· 1 (2) 人口構成 ··· 2 (3) 社会動態の動向 ··· 3 (4) 自然動態の動向 ··· 8 1-2.産業別人口 ··· 11 (1) 産業別人口 ··· 11

第2章 将来人口推計と人口減少が与える影響

2-1.将来人口推計 ··· 13 (1) 「社人研」と「日本創成会議」による推計 ··· 13 (2) 人口推計シミュレーションと分析 ··· 16 (3) 将来人口の独自推計 ··· 20 2-2.人口減少が地域の将来に与える影響 ··· 22 (1) 人口減少が地域の将来に与える影響の分析 ··· 22

第3章 人口の将来展望

3-1.日向市を取り巻く状況 ··· 29 (1) インフラ整備の状況 ··· 29 (2) 産業の状況 ··· 31 3-2.今後の課題 ··· 32 (1) 人口流出の抑制 ··· 32 (2) 賃金の格差 ··· 34 (3) 人材の確保 ··· 35 3-3.人口動態に関する市民意識調査 ··· 37 (1) 結婚・子育てに関する意識について ··· 37 (2) 高校生の意識調査 ··· 39 3-4.将来展望 ··· 40 (1) 人口減少対策の方向性 ··· 40 (2) 本市の目指す将来の姿 ··· 41

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第1章 人口の現状分析

1-1.人口動向分析

(1) 人口の推移 図表 1-1 は、日向市の総人口と、人口増減の要因となる自然動態人口(出生数、死亡 数)及び社会動態人口(転入数、転出数)の推移をグラフにしたものです。 日向市の総人口は、1975(S50)年代前半までは、転入数が転出数を上回る社会増と、 出生数が死亡数を上回る自然増が相まり急増していますが、その後は、転出数が転入数 を上回る社会減に転じ、それを自然増が補う形で緩やかな減少傾向が続いてきました。 しかし、2005(H17)年以降、出生数と死亡数がほぼ同数となり、2010(H22)年から は死亡数が出生数を上回る自然減に転じていることから、今後、人口は急激に減少する 恐れがあります。高齢化の進展により死亡数は今後も増加していくことが予想されます。 図表 1-1 日向市の人口の推移

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2 (2) 人口構成 図表 1-2 は、性別、年齢ごとの人口構成を検証するために、日向市と全国の人口ピラ ミッドの形を比較したものです。 17 歳以下の世代については、男女とも全国を若干上回っており、65 歳以上の世代は、 女性が僅かに全国を上回っているものの大きな違いはありません。 大きな歪(ひずみ)が見られるのは、18・19 歳から 40 代半ばまでの世代で、全国に 比較して著しく少ない状況となっています。日向市には、大学などの高等教育機関がな く、希望する就職先が少ないため、高校卒業後、進学や就職により市外に転出し、その まま居住する傾向が高いのではないかと推察されます。 図表 1-2 日向市と全国の人口ピラミッドの比較

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3 (3) 社会動態の動向 ① 人口の純移動の状況 人口の移動状況を把握するために、住民基本台帳に基づき平成 25 年 10 月 1 日から 同 26 年 9 月 30 日までの1年間の転入、転出の状況を分析します。図表 1-3 は、転入 数から転出数を差し引いた人口の純移動の状況を地図に示したものです。 県内外を通して、人口の最大の流出先は宮崎市となっており、1年間で 132 人(転 入数 322 人、転出数 454 人)が流出しています。県外では、関東、近畿、中部地方へ の流出が多く、宮崎県内を除く九州地方では、福岡県が最大の流出先であり、65 人(転 入数 108 人、転出数 173 人)が流出しています。 一方、流入先を見ると、県内では、宮崎県北市町村からの人口の流入が見られ、県 外では、福岡県、大分県を除く九州各県からの流入がみられます。 図表 1-3 人口の純移動の状況

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4 図表 1-4 は、人口の純移動の状況を男女別に示したものです。男性の 96 人に対し、 女性は 135 人が流出しており、女性の方が多く市外に流出しています。 性別によって人口移動の傾向に違いが見られることから、性別に配慮した取組も重 要になります。 図表 1-4 人口の純移動の状況(男女別) ② 5 歳階級別純移動の状況(県外) ここからは、年齢階級ごとの人口の移動状況について分析します。図表 1-5 及び図 表 1-6 は、男女ごとの人口移動の状況を5歳ごとの年齢階級で示したものです。 年齢階級ごとに見ると、男女とも 15~19 歳の年代で転入・転出数が増え始め、20 ~29 歳でピークを迎え、以後、年齢を重ねるごとに移動数は減少しています。 純移動で見ると、15 歳~24 歳の年代が大きな転出超過となる一方、25~29 歳では 転入超過となっており、高校卒業後、進学や就職で一旦市外に出た若者が、一定程度 は戻ってきている傾向が見られます。地域別では、若い世代ほど、特に転出数におい て関東、近畿などの遠方地域への移動が多く見られます。 男女別では、男性が 15~19 歳で転出超過のピークを迎える一方、女性では 20~24 歳がピークとなっています。また、女性の 35~44 歳の世代について、県内市町村への 転出超過が顕著となっています。

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5 人口の移動状況を年齢階級ごとに見ると、転入・転出数いずれも 15 歳~29 歳の年 代が大きなウエイトを占めています。 市内には大学などの高等教育機関がないため、高校卒業直後の進学による転出数の 抑制を図ることは困難ですが、大学等を卒業した 20 代の若者の転入数を増加させる取 組が特に重要になると思われます。 図表 1-5 5歳階級別純移動の状況(全国男性) 図表 1-6 5歳階級別純移動の状況(女性)

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6 ② 5 歳階級別純移動の状況(県内) 図表 1-7 及び図表 1-8 は、住民基本台帳に基づき、宮崎県内の人口移動の状況を、 男女別、年齢階級ごとに示したものです。 転入・転出数は、20~39 歳の若い世代で多くなっています。純移動の状況を見ると、 いずれの年代も転出超過か、転入転出がほぼ同数となる中、25~29 歳男女の転入超過 が顕著に見られます。 地域別では、宮崎市と延岡市との間の人口移動が大きなウエイトを占めており、特 に宮崎市については、60 歳未満のほとんどの年代でいずれも転出超過となるなど、人 口の流出が顕著に見られます。 図表 1-7 5歳階級別純移動の状況(県内移動・男性) 図表 1-8 5歳階級別純移動の状況(県内移動・女性)

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7 図表 1-10 日向市への通勤通学者数 ③ 通勤通学率及び昼夜間人口比率の状況 次に、宮崎県内の人口の移動について見ていきます。図表 1-9 は、日向市からの通 勤通学率の状況を示したものです。通勤通学率が最も高いのが延岡市の 8.66%で、以 下、門川町(4.71%)、宮崎市(2.21%)と続き、その他の市町村についてはいずれも 1.0%を下回っている状況です。 図表 1-9 日向市からの通勤通学率 また、図表 1-10 の日向市への通勤通 学者数をみると、門川町の 2,331 人が 最も多く、次いで延岡市の 1,631 人と なっています。 交通アクセスの向上によって、「働く 場所」と「住む場所」が分かれる傾向 もありますので、市外から通勤される 方に住んでいただけるような取り組み も必要となります。

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8 (4)自然動態の動向 ① 合計特殊出生率と出生数の推移 図表 1-11 のグラフは、国、県、市の合計特殊出生率※1と県の出生数の推移を示した ものです。2013 年の合計特殊出生率は、全国平均が 1.43 で、宮崎県は 1.72 と沖縄県 の 1.94 に次ぐ全国第2位で、全国平均を 0.3 程度上回る形で推移しています。 本市の 2013 年の合計特殊出生率は、1.79 と県平均を上回っておりますが、現在の 我が国における人口置換水準※2は概ね 2.07 とされており、将来の人口減少を抑制して いくためには、合計特殊出生率の更なる向上が求められます。 図表 1-11 合計特殊出生率と出生数の推移 平成 22 年に「国立社会保障・人口問題研究所※3(以下「社人研」という。)」が実施 した「出生動向基本調査(図表 1-12 参照)」では、九州・沖縄ブロックにおける子ど もの数に関する数値がすべて国の平均を上回っており、宮崎県及び本市の合計特殊出 生率は、今後も国を上回る形で推移していくと予想されます。 図表 1-12 出生動向基本調査 出生動向基本調査(独身者調査) 出生動向基本調査(夫婦調査) 結婚意思あり 平均希望子ども数 平 均 理 想 子ども数 平 均 予 定 子ども数 完 結 出 生 児数 (男性) (女性) (男性) (女性) 全国 86.3% 89.4% 2.04 2.12 2.42 2.07 1.96 九州・沖縄 89.3% 87.9% 2.11 2.26 2.65 2.33 2.16 ※1 合計特殊出生率:人口統計上の指標で、一人の女性が一生に産む子どもの平均数を示す。この指標によっ て、異なる時代、異なる集団間の出生による人口の自然増減を比較・評価することができる。 ※2 人口置換水準:人口が増加も減少もしない均衡した状態となる合計特殊出生率の水準のこと。現在の日本 の人口置換水準は 2.07(平成 24 年社人研)。 ※3 国立社会保障・人口問題研究所:厚生労働省により設置された機関で、人口研究・社会保障研究はもとよ り、人口・経済・社会保障の相互関連についての調査研究を通じて、福祉国家に関する研究と行政を橋渡し し、国民の福祉の向上に寄与することを目的としている。

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9 ② 男女別未婚率の推移 図表 1-13、1-14 は、本市の 20 代から 30 代の男女別未婚率を示したものです。平成 7 年から平成 22 年までの 15 年間では、男性・女性ともに「35-39 歳」における未婚率 が国や県と同様に上昇傾向となっております。「出生動向基本調査」では、男女ともに 90%近くが「結婚の意思がある」と回答していますので、若者の結婚の希望を実現す る取り組みが求められます。 図表 1-13 20 代から 30 代未婚率(男性) 図表 1-14 20 代から 30 代未婚率(女性) ※H22 年国勢調査より作成(死別・離別は除く) 84.9 80.9 85.3 84.8 55.6 56.0 55.1 61.2 30.6 33.5 36.8 37.7 18.0 20.7 26.9 29.0 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 1995 2000 2005 2010 20-24歳 25-29歳 30-34歳 35-39歳 78.6 74.9 80.5 79.0 44.9 45.4 44.6 49.7 20.4 24.5 27.1 27.4 9.1 15.1 18.8 21.5 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 1995 2000 2005 2010 20-24歳 25-29歳 30-34歳 35-39歳

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10 ③ 離婚率とひとり親家庭の推移 図表 1-15 は、国・県及び本市の離婚率の推移を示したものです。宮崎県は、国の平 均よりも 0.25 から 0.3 ポイント程高く、さらに本市の離婚率は、2003 年から 2007 年 まで 2.79、2008 年から 2012 年までが 2.35 と県平均よりも高い状況にあります。 図表 1-15 離婚率の推移 ※人口動態調査より作成 図表 1-16 は、本市の母子世帯、父子世帯の推移を示しています。平成 7 年から 22 年にかけて母子世帯、父子世帯ともに倍近く増加しています。 また、平成 25 年版子ども・若者白書(内閣府)によると、「大人が 1 人の世帯」の 相対的貧困率は 50.8%(2 人以上では 12.7%)と高く、結婚生活を維持することが子 どもの貧困の減少や第 2 子以降への出産につながることも期待できます。 図表 1-16 日向市の母子世帯、父子世帯の推移 ※H22 年国勢調査より作成 2.40 2.31 2.33 2.27 2.30 2.18 2.13 2.08 2.15 2.07 2.13 2.06 2.03 2.01 1.98 2.00 1.98 1.86 1.86 1.83 1.5 2 2.5 3 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 宮崎県 全国 日向市 1,146 1,830 2,036 2,249 151 268 319 348 0 500 1000 1500 2000 2500 1995 2000 2005 2010 母子世帯数 父子世帯数 2.79 2.35

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1-2.産業別人口

(1) 産業別人口 ① 男女別産業人口の状況 図表 1-17 は男女別の産業人口及び特化係数(市のx産業の就業者比率/全国のx産 業の就業者比率)をグラフにしたものです。 男性では、「製造業」への従事者が最も多く、以下、「建設業」、「卸売業、小売業」 と続きます。女性では、「医療、福祉」が最も多く、次いで、「卸売業、小売業」、「製 造業となっています。 特化係数で見ると、2を上回っているのが、男性の「漁業」及び「農業、林業」と なっており、次いで「複合サービス事業」及び「建設業」が高い値を示しています。 一方で、男女とも「情報通信業」の特化係数が著しく低い状況となっています。 図表 1-17 男女別産業人口

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12 ② 男女別・年齢階級別産業人口の状況 図表 1-18 は、男女別、年齢階級別の産業人口をグラフにしたものです。 「農業」、「林業」、「漁業」など一次産業分野において従事者の高齢化が顕著に見られ、 特に農業においては、男女とも従事者の 80%近くが 50 歳以上という状況になってい ます。 さらに、「建設業」や「運搬・郵便業」の男性の従事者も 50%近くが 50 歳以上とい う状況になっています。こうした、高齢化率の高い産業については、今後の高齢化の 進行により、急速に就業者数が減少する可能性が考えられるため、新規就業者の掘り 起しや後継者の育成など、早急な対応が求められます。 図表 1-18 男女別・年齢階級別産業人口

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第2章 将来人口推計と人口減少が与える影響

2-1.将来人口推計

(1) 「社人研」と「日本創成会議」による推計 ① 人口推計 図表 2-1 は、「社人研」(「日本の地域別将来推計人口」(平成 25 年 3 月推計))と「日 本創成会議※(以下「創成会議」という。)」により推計された日向市の将来人口をグ ラフにしたものです。 社人研推計準拠(パターン 1)と創成会議推計準拠(パターン 2)を比べてみると、 2060 年の本市の人口は、パターン1が 40,445 人、パターン 2 が 35,096 人となり約 5,000 人の差異が生じます。 65 歳以上の総人口に占める割合は、パターン 1 が 38.0%、パターン 2 が 44.4%と なり、2010 年と比較するとパターン1が 13.1%、パターン 2 では 19.5%増加すると 予測されています。 図表 2-1 人口推計 ※ 日本創成会議:10年後の世界・アジアを見据えた日本全体のグランドデザインを描き、その実現に向けた 戦略を策定すべく、産業界労使や学識者など有志により立ち上げられた組織(座長:元総務相・元岩手県知 事 増田寛也)。 ■パターン 1(社人研推計準拠) 主に 2005 年から 2010 年の人口の動向を勘案しコーホート要因法を用いて将来人口を推計。移動率は、 2015 年から 2020 年までに定率で 0.5 倍に縮小しその後一定と仮定。 ■パターン 2(創生会議推計準拠) 社人研推計をベースに、移動に関して 2010 年から 2015 年の推計値から縮小せずに、概ね同水準で推移 するものと仮定している。

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14 ② 小中学校区別人口推計 次に、社人研の将来推計に基づく各小中学校区別の人口推計を図表 2-2 に示します。 市内の小学校区のうち、減少率が最も高いのは坪谷小学校区で 69.0%、次いで美々 津小学校区(58.8%)、東郷小学校区(57.7%)と続きます。 また、中山間地域だけでなく、細島小学校区(42.6%)、富髙小学校区(39.2%)な どの市街地でも人口減少が進むことが予測されますので、地域の担い手不足による集 落機能の低下や空き家の増加による治安の悪化等が懸念されます。 図表 2-2 小中学校区別 人口推計 ※住民基本台帳をもとに社人研推計により算出 ①2010年(人) ②2060年(人) 減少率 (100%-②/①) 日知屋小学校区 4,490 2,836 36.8% 細島小学校区 2,169 1,244 42.6% 日知屋東小学校区 9,542 6,575 31.1% 16,201 10,655 34.2% 平岩小学校区 2,548 1,403 44.9% 2,548 1,403 44.9% 美々津小学校区 (幸脇小学校区含む) 2,180 912 58.1% 寺迫小学校区 1,409 787 44.1% 3,589 1,700 52.6% 富高小学校区 8,337 5,067 39.2% 塩見小学校区 2,574 1,469 42.9% 10,911 6,536 40.1% 財光寺小学校区 8,414 5,415 35.6% 財光寺南小学校区 6,797 4,842 28.8% 15,211 10,257 32.6% 大王谷小学校区 10,131 7,137 29.6% 10,131 7,137 29.6% 東郷小学校区 2,787 1,178 57.7% 坪谷小学校区 709 219 69.0% 3,496 1,398 60.0% 63,227 40,445 36.0% 東郷中学校区 日向市全体 富島中学校区 平岩中学校区 美々津中学校区 日向中学校区 財光寺中学校区 大王谷中学校区

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15 図表 2-3 は、中学校区別の将来の人口予測を示したものです。 人口が比較的多い富島中学校区、財光寺中学校区においても、2060 年には約 3 割が減 少することが予測され、平岩中学校区、美々津中学校区、東郷中学校区では、いずれ も人口が 2,000 人以下になることと予測されます。 また、大王谷中学校区は、他地区と比べてゆるやかに人口が減少していくと予測さ れますが、これは、区画整理事業等によって、近年住宅地が造成されたため比較的若 い世代の方が多いことが要因と考えられます。 図表 2-3 中学校区別 将来人口予測

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16 ③ 人口の減少段階 人口減少は、大きく分けて3つの段階を経て進行すると言われています。「第1段階」 は、若年人口(15 歳未満)が減少し、老年人口(65 歳以上)は増加する時期、「第2 段階」は、若年人口の減少が加速化し、老年人口が維持から微減へと転じる時期、「第 3段階」は、若年人口の減少が一層加速化し、老年人口も減少していく時期とされて います。 本市の状況を社人研の将来推計人口に当てはめると、図表 2-4 のとおり、「第1段階」 が 2010 年から 2025 年、「第2段階」が 2025 年から 2040 年、「第3段階」が 2040 年か ら 2060 年となることが伺えます。 人口減少のスピードは、「第1段階」ではそれほど速くはないものの、「第2・3段 階」では急激に人口が減少する可能性が高く早急な対策が求められます。 図表 2-4 人口減少段階の分析 ※社人研推計より 生産年齢人口(15 歳から 64 歳) (2) 人口推計シミュレーションと分析 ① 人口推計シミュレーション 合計特殊出生率や純移動の変動により、将来の人口がどう推移するのか影響度を分 析するため、社人研推計準拠(パターン1)のデータを用いた下記の推計条件におけ るシミュレーション結果を図表 2-5 に示します。 推 計 の 条 件 シミュレーション 1 パターン1において、合計特殊出生率が 2030 年までに人口置換水準で ある 2.1 まで上昇し、その後維持すると仮定した場合。 シミュレーション 2 パターン1において、合計特殊出生率が 2030 年までに人口置換水準で ある 2.1 まで上昇し、かつ人口移動が均衡したと仮定した場合(転入・ 転出数が同数となり、人口移動がゼロとなった場合)

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17 シミュレーション1では、パターン1と比較し、人口が約 4,500 人増加する見込み となり、シミュレーション2では、約 10,000 人増加する見込みとなりました。 図表 2-5 人口推計シミュレーション ② 自然増減、社会増減の影響度の分析 次に、パターン1とシミュレーション1とを比較することで、将来人口に及ぼす出 生の影響度(自然増減の影響度)の分析を行い、シミュレーション2との比較で将来 人口に及ぼす移動の影響度(社会増減の影響度)の分析を行います。 (ア) 自然増減の影響度 2040 年のシミュレーション1(総人口)/パターン1(総人口)の数値に応じて、以 下の 5 段階に整理。 [1]=100%未満、[2]=100~105%、[3]=105~110%、[4]=110~115%、 [5]=115%以上の増加 (イ) 社会増減の影響度 2040 年のシミュレーション2(総人口)/シミュレーション1(総人口)の数値に応 じて、以下の 5 段階に整理。 [1]=100%未満、[2]=100~110%、[3]=110~120%、[4]=120~130%、 [5]=130%以上の増加 ※出典「地域人口減少白書」より

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18 自然増減影響度が「3」「4」「5」と上がるにつれて、出生率を上昇させる施策に 取り組むことが効果的であるとされており、また社会増減影響度が上がるにつれて、 社会増をもたらす施策に取り組むことが効果的であるといわれてます。 図表 2-6 では、本市の自然増減の影響度、社会増減の影響度はともに「2」となっ ており、県内でも影響度が低い自治体に分類されますが(図表 2-7 宮崎県内の自治体 の影響度参照)、人口減少を抑制するためにも合計特殊出生率を向上させる施策やUタ ーンの促進など社会増につながる施策に取り組むことが必要です。 図表 2-6 自然増減、社会増減の影響度 分類 計算方法(2040 年推計人口) 影響度 自然増減の影響度 ① シミュレーション 1 推計人口 53,297 人 ② パターン 1 推計人口 51,128 人 ①÷② = 104.2% 2 社会増減の影響度 ① シミュレーション 2 推計人口 56,088 人 ② シミュレーション 1 推計人口 53,297 人 ①÷② = 105.2% 2 図表 2-7 宮崎県内の自治体の影響度 市町村名 自然増減の影響度 大きい → 社 会 増 減 の 影 響 度 大 き い → 影響度 1 2 3 4 5 総計 1 宮崎市 1 2 都城市 日向市 川南町 門川町 小林市 三股町 綾町 高鍋町 [県全体] 8 3 西米良村 串間市 西都市 木城町 都農町 美郷町 五ヶ瀬町 延岡市 日南市 えびの市 高原町 国富町 新富町 13 4 諸塚村 高千穂町 2 5 椎葉村 日之影町 2 総計 2 13 11 0 0 26

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19 ③ 人口構造の分析 図表 2-8 は、シミュレーション結果を年齢 3 区分別人口ごとに 2010 年と 2040 年の 人口増減率を算出したものです。 パターン1と比較すると、シミュレーション1、2ともに合計特殊出生率が上昇す ることによって「0-14 歳人口」の減少率が小さくなることが分かります。 また、シミュレーション2では、移動が均衡することによって「20-39 歳女性人口」 の減少率が小さくなることが分かります。 一方で、「65 歳以上人口」は全体的に増加傾向にありますが、パターン1とシミュ レーション 1 では大きな差はありません。 図表 2-8 推計結果ごとの人口増減率 (単位:人) 総人口 0-14 歳 人口 15-64 歳 人口 65 歳以 上人口 20-39 歳 女性人口 うち 0-4 歳人口 2010 年 現状値 63,227 9,251 2,914 38,229 15,747 6,789 2040 年 パターン 1 51,128 5,852 1,886 26,224 19,052 4,538 シミュレーション 1 53,297 7,590 2,470 26,655 19,052 4,656 シミュレーション 2 56,088 8,672 2,911 28,905 18,511 5,577 パターン 2 48,498 5,065 1,584 24,324 19,109 3,763 ※バターン 2(創生会議推計準拠)については、図表 2-1 人口推計を参照 (単位:%) 総人口 0-14 歳 人口 15-64 歳 人口 65 歳以 上人口 20-39 歳 女性人口 うち 0-4 歳人口 2040 年 パターン 1 -19.1 -36.7 -35.3 -31.4 21.0 -33.2 シミュレーション 1 -15.7 -18.0 -15.2 -30.3 21.0 -31.4 シミュレーション 2 -11.3 -6.3 -0.1 -24.4 17.6 -17.9 パターン 2 -23.3 -45.2 -45.6 -36.4 21.4 -44.6

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20 (3) 将来人口の独自推計 国が平成 26 年 12 月に策定した「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」(以下「国 の長期ビジョン」という。)では、合計特殊出生率が 2030 年に 1.8 程度、2040 年に人 口置換水準である 2.07 程度まで上昇した場合、2060 年の我が国の人口は約 1 億 200 万人となり、長期的には 9,000 万人程度で概ね安定的に推移すると推計されています。 次に、県が策定した「みやざき創生人口ビジョン」(以下「県創生ビジョン」という。) では、2060 年の目指す姿として「人口減少に対応した社会・経済システムの転換と「新 しいゆたかさ」の実現」が掲げられています。

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21 図表 2-9 のとおり県創生ビジョンでは、2030 年までに合計特殊出生率が段階的に 2.07 まで上昇し、29 歳以下の流出超過を段階的に 30%抑制した場合、2060 年の宮崎 県内の人口は 80 万人を超えると予想されています。 図表 2-9 宮崎県 人口ビジョン(ケース2) 県の推計条件をもとに、本市の将来人口独自推計を図表 2-10 に示します。 この条件下での推計人口は、2060 年時点で 43,635 人と、社人研推計(40,445 人) を約 3,000 人上回り、創生会議推計(35,096 人)を約 8,500 人上回ると予測されます。 ■推計の条件 合計特殊出生率 2030 年に 2.07 まで上昇し、その後維持する。 人口移動 社会動態について、創生会議の移動率をベースとし、29 歳以下 の流出超過を 2030 年までに段階的に 30%抑制する。 図表 2-10 日向市の将来人口独自推計

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22 図表 2-11 は、本市の将来人口独自推計の 3 年齢区分別の推移を示しています。 2060 年の 65 歳以上の高齢化率は 35.9%と、パターン1(38.0%)から、2%程度減 少することが見込まれます(パターン1については 13 ページ図表 2-1 を参照)。さら に、15 歳未満の年少人口は 13.4%とパターン1(10.9%)から 2.5%上昇すると予測 されます。 図表 2-11 日向市の将来人口独自推計(3年齢区分)

2-2.人口減少が地域の将来に与える影響

(1) 人口減少が地域の将来に与える影響の分析 ここでは、社人研の将来推計人口に基づき、人口減少が地域の将来に与える影響に ついて分析します。 ① 市の財政面への影響 図表 2-11 は、本市の普通会計歳入(決算)の推移をグラフにしたものです。決算 総額は 300 億円前後で推移しており、市税などの自主財源の占める割合は例年3割 強程度と、7割近くを国や県に依存している状況です。 図表 2-11 普通会計歳入(決算)の推移

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23 次に、自主財源の中でも、人口の変動に最も影響を受ける個人市民税について、 分析します。 図表 2-12 は、5歳ごとの年齢階級別に、平成 26 年度個人市民税課税時点におけ る人口、課税者数及び年税額から、それぞれの年齢階級ごとの課税者割合と一人当 たりの年税額を算出したものです。将来の個人市民税額については、まず、社人研 の年齢階級ごとの推計人口に、当該年齢階級の課税者割合と一人当たりの税額を乗 じて各年齢階級の推計税額を計算し、それを合算して算出することとします。 図表 2-12 平成 26 年度個人市民税の課税状況 年齢階級 人 口 (a)[人] 課税者数 (b)[人] 課税者割合 (b/a)[%] 一人当たりの 年税額(円) 0~4 歳 2,872 0 0.0 0.0 5~9 歳 3,007 0 0.0 0.0 10~14 歳 3,106 0 0.0 0.0 15~19 歳 3,251 33 1.0 59,572.3 20~24 歳 2,522 1,258 49.9 45,618.3 25~29 歳 2,921 2,039 69.8 57,504.3 30~34 歳 3,553 2,430 68.40 64,997.9 35~39 歳 4,228 2,977 70.4 80,121.6 40~44 歳 3,996 2,849 71.3 86,563.7 45~49 歳 3,530 2,533 71.8 90,524.2 50~54 歳 3,953 2,831 71.6 97,906.4 55~59 歳 4,574 3,029 66.2 98,457.3 60~64 歳 5,403 2,881 53.2 72,557.2 65~69 歳 4,413 1,822 41.3 71,839.0 70~74 歳 3,737 1,072 28.7 68,524.9 75~79 歳 3,317 786 23.7 128,080.8 80~84 歳 2,730 576 21.1 65,515.3 85~89 歳 1,633 304 18.6 62,959.2 90 歳以上 941 116 12.3 49,234.7 ■個人市民税額の推計方法 ① 年齢階級ごとの税額を算出(下の算出式による。) 社人研推計による5歳 年齢階級ごとの推計人口 × 当該年齢階級の 課税者割合 × 当該年齢階級の 一人当たりの税額 ② ①で算出された年齢階級ごとの税額を合算し将来の個人市民税額を算出

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24 図表 2-13 は、上記の推計方法により求められた将来の個人市民税額及び生産年齢 人口(15 歳~64 歳の人口)の推移をグラフにしたものです。 平成 26(2014)年度で 22 億円だった個人市民税額は、平成 52(2040)年度には 16 億 4 千万円となり、平成 26 年度から比較すると 25%程度の減少が見込まれます。 更に、平成 72(2060)年度では、同年比較で 40%程度減少することが見込まれるな ど、生産年齢人口の減少に伴い個人市民税額が減少していくことが予想されます。 図表 2-13 個人市民税額の推計 次に、歳出面での影響を見ていきます。図表 2-14 は、本市の普通会計歳出(決算)の 推移をグラフにしたものです。中長期的な傾向として、普通建設事業費などの投資的経 費は減少傾向にある一方で、経常的経費は増加傾向が続いています。 経常的経費の中でも、特に増加傾向が著しいのが社会保障費などの扶助費で、平成 25 年度は 67 億円と、平成 12 年度の 35 億円から比較すると2倍近く増加しています。 図表 2-14 普通会計歳出(決算)の推移

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25 図表 2-15 は、社人研の将来推計人口に基づく5歳階級ごとの年齢を人口ピラミッドで 示したものです。2010 年は、55 歳から 64 歳までの比率が高くなっていますが、年を経 るごとに、高齢者人口が増加し、2060 年には 75 歳以上の高齢者が全体に占める割合が 顕著になります。 また、図表 2-16 は、同じく社人研の推計に基づき、75 歳以上及び 65 歳以上の高齢者 一人当たりの生産年齢(15 歳~64 歳)人口を示したものです。平成 22(2010)年時点 では、75 歳以上で 4.7 人、65 歳以上で 2.5 人程度であったものが、平成 72(2060)年 には、75 歳以上で 2 人を割り、65 歳以上でも 1.35 人程度に達する見込みです。人口減 少問題への対応は、市の歳出面、特に、社会保障の面からも早急に取り組まなければな らない課題と言えます。 図表 2-15 人口ピラミッドの推移(社人研推計による)

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26 図表 2-16 高齢者一人当たりの生産年齢人口の推移(社人研推計による) ② 公共施設の維持管理・更新等への影響 現在、市が保有している公共施設(建物)は 357 施設あり、総延床面積は約 30 万㎡ で、用途別の内訳は図表 2-17 のとおりです。延床面積の割合で見ると、小中学校、公 民館等の学校施設や教育施設、公営住宅が全体の約 75%を占めています 図表 2-17 公共施設の用途別の保有状況 施設分類 施設数 建物数 延床面積 面積割合 学校施設 59 284 棟 106,656.3 ㎡ 34.9% 公営住宅施設 26 137 棟 91,941.2 ㎡ 30.1% 教育施設 34 61 棟 30,500.8 ㎡ 10.0% 公営事業施設 12 31 棟 17,135.3 ㎡ 5.6% 福祉施設 29 34 棟 13,566.1 ㎡ 4.4% 庁舎 6 17 棟 12,397.0 ㎡ 4.1% 商工観光施設 23 79 棟 7,714.8 ㎡ 2.5% その他普通財産 9 20 棟 6,915.6 ㎡ 2.3% 消防施設 54 57 棟 5,727.3 ㎡ 1.9% 農林水産業施設 17 22 棟 3,853.9 ㎡ 1.3% その他公共用財産 16 22 棟 3,126.8 ㎡ 1.0% 環境衛生施設 6 11 棟 2,904.2 ㎡ 1.0% 保健衛生施設 3 5 棟 2,288.7 ㎡ 0.7% 都市計画施設 57 64 棟 634.6 ㎡ 0.2% 水道事業施設 4 9 棟 117.2 ㎡ 0.0% その他公用施設 2 2 棟 42.7 ㎡ 0.0% 合 計 357 855 棟 305,522.5 ㎡ 100.0%

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27 図表 2-18 公共施設の用途別の保有状況(面積割合) また、保有する公共施設(建物)を築年度別に見ると、特に 1970 年から 1980 年代 (昭和 40 年から同 60 年代)までに整備された施設が多く、高度成長期と人口増加を 背景に、学校施設や文化施設など、さまざまな公共施設の整備が進められてきました。 図表 2-19 公共施設(建物)の築年度別の整備状況

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28 現在市が保有している公共施設(建物)のすべてを、現在の規模で将来にわたって維 持することを前提として、今後 50 年間の改修・更新費用を推計すると 1,528 億円が必要 になると予測されています。1年当たりにすると約 30 億円となり、これに、建物以外の 道路や橋梁などのインフラ施設の改修費用等を加えると、1年当たり約 45 億円に達する 見込みです。 人口の減少により、市の予算規模が縮小していくことが想定される中、市が保有する すべての施設を現在の規模で維持・管理していくことは困難です。 少子高齢化による人口構造の変化への対応、既存の公共施設に求められる機能、市民 ニーズの変化への対応、更には生産年齢人口の減少に伴う税収の推移等を考慮した公共 施設の運営、維持管理、更新等の取組が求められます。 図表 2-20 公共施設(建物)の更新費用の推計 図表 2-21 公共施設(インフラ施設)の更新費用推計 項 目 整備所要額 1年当たり 推計期間 道路 461.8 億円 11.5 億円 40 年間 橋りょう 104.3 億円 2.6 億円 上水道(簡易水道含む) 369.5 億円 9.2 億円 下水道(公共下水道・農業集落排水) 264.6 億円 6.6 億円 合 計 1,200.2 億円 29.9 億円

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第3章 人口の将来展望

3-1.日向市を取り巻く状況

(1) インフラ整備の状況 ① 道路網の整備 本圏域を含む宮崎県北地域では、道路網の整備、特に高速道路の開通が住民の 50 年 来の悲願となっていましたが、平成 26 年 3 月に東九州自動車道「日向~都農間」が開 通するなど、交通アクセスは格段に向上しています。更に、平成 28 年春に開通予定で ある「北九州~宮崎間」の全線が整備されると、北九州市までが約 3 時間 40 分で結ば れることになります。 また、熊本県嘉島町と宮崎県延岡市を結ぶ九州中央自動車道も整備が進められてお り、平成 27 年 4 月には「蔵田~北方間」が開通しました。九州中央自動車道が全線開 通すると、本市から福岡市までが 3 時間 10 分で結ばれることになり、重要港湾「細島 港」の利便性はますます高まることが期待されています。 更に、高速道路の整備に併せて、国道 10 号門川日向拡幅事業も進められており、交 通混雑の緩和や交通事故の減少、日向インターチェンジからのアクセス向上が図られ ています。 国道 327 号は、日向市を基点とし、美郷町、諸塚村、椎葉村を経由し熊本県に至る、 日向・入郷圏域住民の生活に欠かせない重要な幹線道路です。今後、東九州自動車道 や国道 10 号とのアクセス向上によ り、地域資源を活かした様々な地域 活性化策の展開が期待されるなど、 本圏域における地方創生の生命線 と言っても過言ではありません。 また、同国道は、入郷地域が有す る国内有数の森林資源を、木材関連 産業が集積する細島港周辺地域へ 供給する木材供給インフラとして も重要な役割を担っています。 細島工業団地では、国内大手の製 材工場が平成 27 年度から操業を開 始し、今後、入郷地域から木材貨物 搬入量の増加が見込まれており、耳 川流域を核とした国内トップの流 通システムを確立するためにも、国 道 327 号バイパス整備を早期に完 成させることが求められておりま す。

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30 ② 細島港の状況 重要港湾「細島港」では、ガントリークレーンの整備と併せ、平成 27 年 6 月には 17 号岸壁に国際物流ターミナルが完成するなど、急速にインフラ整備が進められてい ます。 また、細島工業団地には、これまでの 10 年間で 39 社が進出し 1,100 名の雇用が生 まれています。今後、海・陸の交通体系の整備により交通アクセス性が格段に向上す ることで、細島港は「東九州の物流の拠点」として、背後圏における産業活動の進展 とともに、更なる企業進出も期待されます。 なお、企業の進出により、工業団地の未利用地が約 24ha と減少したため、現在、新 たな臨海工業団地の整備について国や県と協議が進められています。

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31 (2) 産業の状況 日向市の産業別就業者の状況を見ると、第 1 次産業が 7.2%、第 2 次産業が 28.8%、 第 3 次産業が 64.0%となっており(図表 3-1)、全国や県平均よりも製造業の割合が高く なっています。 図表 3-1 日向市の産業別就業者数 図表 3-2 は、本市の製造品出荷額の推移を示したものであります。細島港を中心に 企業立地が進むとともに製品出荷額は年々増加傾向にあり、2013 年には 1,530.8 億円 と大幅に増加しています。 図表 3-2 日向市の製品出荷額の推移

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32 本県は、総面積の約 76%を森林が占める全国有数の森林県であり、その中でも、日 向入郷圏域は、二級河川耳川流域に県森林面積の約 25%を占める豊富な森林資源を有 しています。平成 27 年には国内製材大手の中国木材㈱日向工場が細島工業団地で操業 を開始したことにより、約 260 人の直接的な雇用が創出されるとともに、林業や運輸 業など、間接的な雇用も増加しています。 また、細島港では、日向入郷圏域のみならず県全域の森林資源が中国や台湾等に輸 出されるなど、今後更に国産材輸出に伴う林業再生・雇用増加が期待されるところで す。 ※出典:国土交通省 平成 27 年 5 月 経済財政諮問会議提出資料

3-2.今後の課題

(1) 人口流出の抑制 本市では、5 ページ図表 1-5 及び 1-6「5歳階級別純移動の状況」で示したとおり、15 歳~24 歳の年代で著しい転出超過が見られ、25 歳~29 歳で一定程度の転入超過はある ものの、15 歳~24 歳の転出超過が甚だしいために、全体的な転出超過につながっていま す。 15 歳~19 歳の転出超過は、高校卒業後、大学等への進学や就職などで市外に転出して いることが大きな要因として考えられます。 図表 3-3 は、日向地区にある県立高等学校の 2011 年度(H23)から 2014 年度(H26) の就職内定状況の推移です。市内への就職内定は 25%程度に留まっており、7 割近くは 市外への就職が決まっています。職業系高等学校への聞き取り調査によると、地元(市 内)への就職を希望する学生は多いものの、県外企業の方が募集のタイミングが早く、 多くの学生がそちらに流れてしまうという要因もあるようですので、市内企業と連携し た取り組みが求められます。

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33 また、大学等への進学者については、本市には大学などの高等教育機関が無いため、 そのほとんどが市外に転出していると考えられます。進学による市外転出を抑制するこ とはできませんが、大学等の卒業後、地元に戻ってこれる環境を整えることが重要であ ると考えられます。 図表 3-3 高校生就職内定状況の推移 図表 3-4 は、有効求人倍率の推移を示したものです。本市の有効求人倍率は国・県よ り低く推移していますが、近年上昇傾向にあり、最近では 0.8 前後まで回復しています。 いかにして 30 歳未満の若者の市内就職率を向上させるのか、それが本市の人口減少に歯 止めをかける最大の課題と言えます。 図表 3-4 有効求人倍率の推移

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34 (2)賃金の格差 図表 3-5 は、宮崎県と全国の一人当たりの賃金の推移を示しています。宮崎県の平均 賃金は全国よりも約 50 万円から 60 万円程度低く、2013 年では全国で第 44 位となって います。 しかしながら、2013 年の平均消費者物価地域差指数(平均=100)では、宮崎市が全国で 最も低く(97.1)、最も高い横浜市(106.0)と比べると 9.2%低くなっており、宮崎県自体 は、物価も安く生活しやすい環境にあるものの、賃金の格差からより賃金の高い地域へと人 口が流出しているのではないかと推察されます。 特に、25 歳から 29 歳の若年層の賃金は、平均で 300 万円を下回っており若い世代の賃金 を上げる取り組みが必要となります。 さらに、賃金だけではなく、「労働条件の改善」や「働きがいのある職場づくり」など「雇 用の質」を高めることが、若い世代だけではなく働く世代の「生活の豊かさ」への実感につ ながります。 そのためには、地場産業の競争力や労働生産性の向上によって経営の質を改善し、企業の 売上上昇につながるような支援施策が求められます。 図表 3-5 一人当たりの賃金の推移

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35 (3)人材の確保 平成 27 年 3 月に実施した「日向市の商工業及び人口減少に関するアンケート調査」に よると、事業展開を行う上での問題点としては、「受注減・売れ行き不振」が 35.5%と 最も多く、次いで「人手不足・求人難」の 33.3%となっています(図表 3-6)。 図表 3-6 事業展開を行う点での問題点 不足する人材としては、「技能者・熟練工」(45.9%)の割合が最も高く、「営業販売」(34.2%)、 「一般作業員」(29.2%)と続きます。産業別で見ると、「第二次産業」において「技能者・ 熟練工」(75.6%)の割合が7割を超えるなど(図表 3-7)、人口減少が予想される中、次代 を担う人材の確保と育成が急務となっています。 図表 3-7 不足する人材

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36 また、今後、高齢化が進む中で、医療・介護サービスの供給不足とともに介護従事者 も不足することが懸念されています。介護職員数は、介護保険制度の施行後の 10 年間で倍 以上となっていますが、国の推計によると、2025 年には、2012 年の 1.5 倍以上、約 100 万人 の介護職員が必要になると予測されています。国の推計にもとづき、本市の 2025 年の介護職 員数を推計すると、1,483 人の 1.5 倍の 2,225 人となるため、約 740 人の増員が必要です が、現状では、求人を出しても応募がないため職員一人ひとりの負担が増加していると いう問題が生じています。 人口減少社会において、高齢者が安全安心な生活を送るためにも医療・介護環境の充 実とともに、従事する職員の育成や雇用環境の充実を図る取組も求められます。 図表 3-8 国の介護職員数予測 西暦(年度) 2000(H12) 2012(H24) 2015(H27) 2025(H37) 全国推計 55 万人 149 万人 172 万人 243 万人 平成 25 年 6 月社会保障審議会介護保険部会資料より抜粋 図表 3-9 日向市内の介護従事者数 看護職員 介護職員 介護支援専門員 合計 介護従事者数 271 1,123 89 1,483 平成 24 年日向市高齢者あんしん課聞き取り調査より(事業所別計のため延人数) 図表 3-10 日向市の要介護認定者の推移 第 6 期日向市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画より 352 358 373 380 384 389 429 464 404 421 437 450 462 474 524 535 421 474 445 476 503 529 576 633 415 439 428 429 432 437 461 493 390 401 382 388 393 399 451 491 306 343 368 380 400 432 505 573 357 340 328 327 327 328 348 370 2,645 2,776 2,761 2,830 2,901 2,988 3,294 3,559 16.5% 16.7% 16.0% 16.0% 16.1% 16.2% 17.2% 18.2% 10.0% 11.0% 12.0% 13.0% 14.0% 15.0% 16.0% 17.0% 18.0% 19.0% 0人 1,000人 2,000人 3,000人 4,000人 5,000人 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成32年度 平成37年度 要支援1 要支援2 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5 認定率 実績 推計

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3-3.人口動態に関する市民意識調査

人口ビジョン・総合戦略の策定にかかる市民アンケートから、人口動態に関する特徴的 な内容について分析したものを示します。 (1) 結婚・子育てに関する意識について ① 結婚しない理由 合計特殊出生率が低迷している理由の一つとして、全国的に晩婚化が進んでいるこ とが挙げられます。市民アンケートによると「結婚しない理由」として「結婚するこ とのメリットが感じられなくなっている」が 48.8%、「結婚後の家事や育児の負担が 大きい」が 46.5%、「仕事をして、経済力のある女性が増えた」が 38.4%となってい ます(図表 3-11)。 特に女性の結婚しない理由の第 1 位は、「結婚後の家事や育児の負担が大きい」が 53.0%となっています。 図表 3-11 結婚しない理由 ② 希望する子ども数について(既婚者 117 人対象) 既婚者 117 人のうち、子どものいる人の割合は 74.4%で、子どもがいない人は 23.1% となっています。 図表 3-12 は、現在の子どもの数を示したもので、2 人が 30.8%、1 人が 24.8%、3 人以上が 18.8%となっており、2 人以上の子どものいる人の割合が全体の 49.6%とな っています。 図表 3-12 現在の子どもの数 24.8% 30.8% 17.9% 0.9% 23.1% 2.6% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 未婚除く (n=117) 1人 2人 3人 4人以上 いない 無回答

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38 次に、図表 3-13 に理想としている子どもの数を示します。 理想とする子どもの数は、1 人が 5.1%、2 人が 30.6%、3 人が 27.6%、4 人以上が 5.1%となっており、2 人以上を希望する人が、全体の 63.3%を占めています。 図表 3-13 理想としている子どもの数 この調査から、2 人以上を希望する方(63.3%)は多いものの、「理想」と「現実」 の間には 13.7%ポイントのギャップがあることがわかります。 図表 3-14 では、理想と現実とのギャップの理由を示しています。 「子育ての経済的負担が大きいから」が 76.5%と最も多く、「子どもを産むリスク が高い又は産めない」が 47.1%、「自分の仕事に差し支えるから」が 32.4%となって います。 このようなことから、合計特殊出生率を上昇させるには、子育てへの経済的負担の 軽減や若者が安定した生活を送れるような雇用環境の整備、晩婚化への対応、仕事と 家庭の両立支援などの施策が重要であると考えられます。 図表 3-14 「理想」の子ども数と「現実」とのギャップの理由 5.1% 30.6% 27.6% 5.1% 5.4% 21.2% 5.1% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 39歳以下 (n=297) 1人 2人 3人 4人以上 必要ない わからない 無回答

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39 (2) 高校生の意識調査 日向市内の高校 3 年生を対象に実施したアンケート結果について特徴的なものを示し ます。 ※ 対象者数 526 人 男性 278 人(52.9%) 女性 248 人(47.1%) ① 卒業後の予定 卒業後の予定を聞いたところ、「日向市外に住んで、進学・就職する予定」が 69.0% で、市内は 16.0%と極めて少ない状況となっています(図表 3-15)。 図表 3-15 卒業後の予定について ② 将来の予定 次に、将来、日向市に住みたいかどうかを聞いたところ、日向市に「住みたい」が 19.8%、「住みたくない」と答えた高校生は 26.0%であり、「住みたくない理由」とし ては「買い物が不便だから」(40.1%)、「都会に興味があるから」(36.5%)、「希望す る進学先・就職先がないから」(32.1%)となっており、高等教育機関が無いことや希 望する職種が地元にないため市外へ流出していることがわかります。 図表 3-16 将来、日向市に住みたいか 16.0% 69.0% 15.0% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 高校生 (n=526) 日向市内に住んで、進学・就職する予定 日向市外に住んで、進学・就職する予定 分からない 無回答 19.8% 26.0% 53.6% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 高校生 (n=526) 住みたい 住みたくない わからない 無回答

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3-4.将来展望

(1) 人口減少対策の方向性 本市の人口減少は、高校卒業後、進学や就職等で宮崎市や東京、福岡などの都市部 へ人口が流出する社会減が大きな要因となっています。特に、女性の働く場所は、医 療・介護系が多く、若年女性の働く場所が限られていることも、故郷に戻ってこない (これない)要因の一つであると推察されます。若者や女性の働く場所を増やし、社 会減対策を講じることが、人口減少の抑制へとつながります。 また、本市の合計特殊出生率は、1.79 と全国平均よりも高く、比較的子育てしやす い環境に恵まれていると思われます。若者の働く場所を確保し、安定した生活が送れ るように雇用条件の充実を図ることで、若者の結婚や出産に対する希望をかなえるこ とが可能となり、出生数の増加による自然増も期待されます。 人口減少社会では、1 次産業のみならず技術者や介護従事者などの担い手不足、後 継者不足が懸念されます。将来にわたって「元気で活力ある日向市」を維持するため には、時代を担う人財※の育成が重要です。そのためには、産学官のみならず地域が 一体となって人財育成に取り組む必要があります。 また、都市部から新たな人財を呼び込むことにより、担い手不足の解消や新たな産 業の創造につながることも期待されますので、UIJターンなどの移住・定住施策に ついても地域と連携しながら推進していくことが求められます。 今後は、図表 3-17 のイメージ図のとおり、「雇用の確保」、「若者・女性の増加」、「出 産・子育て」、「人財育成」に一体となって取り組み、まち・ひと・しごとにおける好 循環をつくりだすことが重要です。 図表 3-17 まち・ひと・しごとの好循環 ※ 人財 人を「材料」ではなく地域や企業に貢献する能力を備えた「財産」とみなすものです •教育環境充実 •出会いの創出 •子育て環境の充実 •経済負担の軽減 •安全安心なまち •防災力向上 •地域活性化 •UIJターンの促進 •ベンチャー企業誘致 • ・交流人口の増加 •細島港周辺の産業 集積 •農林水産業の振興 •人財育成 •キャリア教育

しごと

(働く場所 の確保、雇 用環境の充 実)

ひと

(UIター ンの増加)

結婚・

出産・

子育て

(出生数増 加)

まち

(まちの活 性化、住み よいまちづ くり)

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41 (2) 本市の目指す将来の姿 人口減少社会では、社会保障費など将来世代に与える負担の増大や公共施設の老朽 化等による財政運営の悪化など大きな不安がありますので、減少に歯止めをかけるた めには、経済負担の軽減など国がリーダーシップを発揮し、県や地方自治体が一体と なって具体的な施策を講じている必要があります。 社人研の推計によると、本市の 2060 年の人口は約 4 万人、高齢化率が約 38%と大 変厳しいものでありますが、重要港湾「細島港」の整備や東九州自動車道の全線開通 などインフラ整備の進展とともに企業立地も進んでおり、将来の飛躍に向けた好材料 が整いつつあります。 また、合計特殊出生率は 1.79 と全国第 2 位の宮崎県を上回っており、温暖な自然環 境など比較的子育てしやすい環境に恵まれているといえます。 こうした、本市の特性を生かしながら人口減少社会においても「元気で活力ある日 向市の創生」に向け、社会減を抑制し、若者の雇用環境の充実を図ることによって若 者の希望をかなえ、生まれてきた子ども達を地域全体で育てることにより、さらに産 業が活性化し、持続可能な地域社会を維持することを目指します。 ○あらゆる世代の人たちが希望を持って働くことができる ○産学官が連携し、新たな産業分野に挑戦する ○郷土を愛する子どもが育ち、未来を担う若者が地域に根差した仕事に就く ○日向を離れて暮らす人たちや都市圏に住む人たちが、戻り、移り住む ○自然豊かな環境で、働きながら安心して子どもを産み育てられる ○安全で安心なまちをつくり、そこに住む人それぞれが自立した生活を送る

日向市の目指す姿

2060 年数値目標 人口 45,000 人超

★合計特殊出生率 2.07 以上

★29 歳以下の人口流出超過 30%以上抑制

(44)

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日向市人口ビジョン

平成 27 年 10 月発行 日向市 総合政策部 総合政策課 地方創生戦略室 〒883-8555 宮崎県日向市本町 10 番 5 号 電話 0982-52-2111 FAX 0982-52-1455

参照

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