銘柄フラッシュ(海外企業概要)
ルルレモン・アスレティカ
(lululemon athletica inc.) ティッカー:LULU(ナスダック)
STAGE コード:08649 セクター:一般消費財・サービス 業種:耐久消費財・アパレル
ヨガウェアを中心とする「アスレチック・アパレル」企業
ポイント
コミュニティ形成、スポーツ体験機会の提供により顧客のすそ野を拡大 商品開発の強化、サプライチェーンの改善、E コマース強化が奏功 21/1 期に売上高 40 億ドルが目標。メンズ、アジア等北米以外、E コマースがドライバーに 企業概要
1998 年にカナダで創業した「アスレチック・アパレル」企業。女性向けを中心に、ヨガやランニング、フィットネ ス向けにパンツや下着、トップス、アウター等のアパレル製品のほか、バッグやヨガマット等の関連グッズを 「ルルレモン」ブランドにて開発、製造、販売する。直営店での販売が中心で、2003 年に米国に進出。その 後、豪州や欧州、アジアに店舗網を拡大する。18/1 期に日本に再進出。18 年 7 月末時点の店舗数は 415 (うち米国 275、カナダ 60、豪州 29、中国 16、英国 11、ニュージーランド 6、日本 4 等)。 業績推移
財務データ
18/1期(末) 売上高構成比
〈事業別〉(18/1期、%) 〈地域別〉(18/1期、%) 2018 年 Vol.1 投資情報部 八木 麻由子 総資産 20.0 億ドル 有利子負債 0.0 億ドル 株主資本 16.0 億ドル 営業CF 4.9 億ドル ROE 17.5 % 出所:ブルームバーグ等のデータよりみずほ 証券作成 16 18 21 23 26 0 5 10 15 20 25 30 14/1 15/1 16/1 17/1 18/1 売上高 (年次:2014~2018) (億ドル) (年/月) 出所:ブルームバーグ等の データよりみ ずほ証券 作成 1.91 1.89 1.86 2.14 2.59 1.91 1.66 1.89 2.21 1.90 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 14/1 15/1 16/1 17/1 18/1 非GAAP GAAP EPS (年次:2014~2018) (年/月) (ドル) (注1)GAAP、非GAAPについては5ページ参照 (注2)GAAPは継続事業ベース 出所:ブルームバーグ等の データよりみ ずほ証券 作成 直営店 69 DTC 22 その他 9 米国 72 カナダ 19 北米以外 9 出所:会社資料よりみずほ証券作成 出所:会社資料よりみずほ証券作成銘柄フラッシュ(海外企業概要)
ルルレモン・アスレティカ(LULU)
事業紹介
主な製品は、女性向けのヨガパンツやスポーツウェア等。製品のほとんどが東南アジ ア等米国外で製造され、主に直営店、DTC(Direct To Consumer:直販、E コマース 含む)を通じて販売される。また、その他の販売チャネルとして、アウトレットや期間限 定店舗、ヨガスタジオやフィットネスクラブ等への卸売、提携企業を通じたライセンス 販売等がある。直営店舗未出店の地域に進出する際に、これら販売チャネルを複合 的に組み合わせることで、ブランドの認知度を早期に高めることを狙っている。 ポイント解説
商 品 力 強 化 に 加 え、コミュニティ形 成、スポーツ体験 機会の提供により 顧 客 の す そ 野 を 拡大 ヨガには身体を活性化し、心を落ち着かせる効果があるほか、他のスポーツとの好関 係性、年齢・性別を問わず楽しめること等から愛好者が増加している。また、衣料品 業界では、スポーツをする時だけでなく普段着としても着用できる「アスレチック・アパ レル」が注目を集めている。 女性のスポーツ人口増加やヨガ人気の高まりが同社の業績拡大に追い風となってい る。同社は機能性や着心地、ルックスの良さを追求するため、先進的な素材を用い た商品の開発に注力している。2017 年 6 月よりサイクリング向けの衣料品ブランドの 7mesh と提携した商品を共同開発する等、商品ラインアップを広げている。また、商 品力を強化するだけでなく、ヨガやランニングの教室やイベントを開催することで、ス ポーツを通じたコミュニティの形成を促しており、顧客のアスリート体験の充実につな げている。 2003 年の米国進出以降、豪州、ニュージーランドにも店舗を広げる。15/1 期以降は 欧州、アジアを中心に北米以外での進出を強化している(図表 1)。 図表 1:ルルレモン・アスレティカ 沿革 1998年 カナダにて創業 2003年 米国に進出 2007年7月 ナスダックに上場 10/1期 オンライン販売を開始 2013年3月 ヨガパンツの一部主力商品を自主回収 15/1期 英国、シンガポールに直営店を初出店 16/1期 ドイツ、香港に直営店を初出店 17/1期 中国、韓国、スイスに直営店を初出店 18/1期 日本に再進出 若年女性向け「ivivva」ブランドを大量閉鎖 19/1期 スウェーデンに直営店を初出店 出所:会社資料よりみずほ証券作成銘柄フラッシュ(海外企業概要)
ルルレモン・アスレティカ(LULU)
在庫見直しやサプ ラ イ チ ェ ー ン 改 善 、 E コ マ ー ス 強 化が奏功 同社は中期的な成長基盤強化のため、16/1 期より在庫の見直しや配送センターの 拡張等サプライチェーンの改善を積極的に推進したほか、商品開発体制の改革に 取り組んでいる。また、通常店舗に加え、ショッピングモール内の大型店や地域密着 型の小型店等、出店地域に合わせた新たな店舗フォーマットを導入している。E コ マースについては10/1期に立ち上げており、18/1 期 Q3(17 年 8-10 月)にビジュア ル面での改善や動画コンテンツの追加等、リニューアルを行った。また、19/1 期に入 り、モバイル向けチャットアプリ「WeChat」内のストアを立ち上げた。コミュニティのハ ブの役割を果たす店舗とウェブサイトや SNS での各種イベントの紹介を通じてブラン ド力を強化する等、実店舗と E コマースを融合したオムニチャネル戦略が奏効してい る。なお、今後は 18 年後半に日本と韓国向けの E コマースサイトの立ち上げを計画 している。 同社の直営既存店売上高(為替の影響を除いたベース)は 16/1 期以降、増収を維 持しており、DTC(同ベース)は高成長を維持。19/1 期 Q1-2 累計(18 年 2-7 月)で はそれぞれ伸びが加速している(図表 2)。また、粗利益率は 16/1 期を底に 17/1 期、 18/1 期と改善傾向が続いている(図表 3)。21/1 期 に 売 上 高 40億ドルが目標。 メンズ、アジ ア等 北 米 以 外 、 E コ マ ー ス が ド ラ イ バーに 同社が 17/1 期初に掲げた中期計画「2020 ビジョン」では、2021/1 期に売上高 40 億 ドルを目標としている。メンズ事業の比率を 25%に、E コマース比率を 25%に、北米以 外の売上比率を 25%にそれぞれ拡大させる計画である。18/1 期は E コマースを含む DTC の売上高比率が 22%、北米以外の売上高比率が 9%だった(次ページ図表 4、 5)。また、会社側は、19/1 期 Q2(18 年 5-7 月)の決算発表後のカンファレンスコール にて、メンズと E コマースについては、足元の進ちょくが計画を上回るペースとコメント した。 図表 3:粗利益率の推移 (年次:2013~2018) 図表 2:直営店舗数、DTC 売上高、 直営既存店売上高の推移(年次:2014~2019) (注)DTC 売上高、直営既存店売上高は為替の影響を除いた前年同期比。 19/1 期は Q1-2 累計(18 年 2-7 月) 出所:会社資料よりみずほ証券作成 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 40 45 50 55 60 13/1 14/1 15/1 16/1 17/1 18/1 粗利益率 (%) (年/月) -100 0 100 200 300 400 500 600 ▲ 10 0 10 20 30 40 50 60 14/1 15/1 16/1 17/1 18/1 19/1 (店舗) 直営店舗数(右目盛) DTC売上高(左目盛) 直営既存店売上高(左目盛) (%) (年/月)
銘柄フラッシュ(海外企業概要)
ルルレモン・アスレティカ(LULU)
同業比較
ス ポ ー ツ 用 品 市 場、アパレル市場 スポーツ用品業界では、ナイキ、アディダスといった、ウェアからシューズ、用具等幅 広い商品を展開する大手の存在感が大きい(図表 6)。一方、米国の小売売上高のう ち、衣料品は競合が多数存在しており、寡占化が進んでいない市場である。衣料品 のなかでも、女性を中心とするスポーツ人口の増加等からスポーツウェアの日常的な 着用は今後増えるとみられ、「アスレチック・アパレル」の拡大余地は大きいとみられ る。上記スポーツ用品大手 2 社も女性向け、アパレル分野に注力している。 リスク・留意
事項
品質問題によるブランド価値の毀(き)損 2013 年 3 月に、同社のヨガパンツの一部主力商品が同社の品質基準を満たしてい ないことを明らかにし、商品を回収した。同社はサプライチェーンの強化や先進的な 素材を用いた商品開発に注力することで再発の防止に努めているものの、こうした問 題はブランド価値の毀損につながるリスクがあるといえる。 「アマゾン・エフェクト」による値下げ圧力 小売業界では、インターネット小売最大手アマゾン・ドット・コムの事業拡大が既存業 者の業界再編を招く「アマゾン・エフェクト」が脅威となっている。アマゾンは衣料品分 0 2 4 6 8 10 12 14 11/1 12/1 13/1 14/1 15/1 16/1 17/1 18/1 19/1 北米以外の売上高比率 (%) (年/月) 5 10 15 20 25 11/1 12/1 13/1 14/1 15/1 16/1 17/1 18/1 19/1 DTCの売上高比率 (%) (年/月) 図表 4:北米以外の売上高比率の推移 (年次:2011~2019) 図表 5:DTC の売上高比率の推移 (年次:2011~2019) (注)19/1 期は Q1-2(18 年 2-7 月) 出所:会社資料およびブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 (注)19/1 期は Q1-2(18 年 2-7 月) 出所:会社資料およびブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 図表 6:スポーツ用品大手売上高 (直近 4 四半期累計) 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 373 254 51 29 0 100 200 300 400 ナイキ ア デ ィダス ア ンダーアーマー ルルレモン・ ア スレティカ (億ドル)銘柄フラッシュ(海外企業概要)
ルルレモン・アスレティカ(LULU)
GAAP と非 GAAP の差異
GAAP:Generally Accepted Accounting Principles、一般に公正妥当と認められた会計原則。各国で定められており、米 国会計基準(US-GAAP)、日本版 GAAP 等がある。 非 GAAP:実質的な業績動向を示すために、企業が独自に定めた会計原則。リストラ費用、株式報酬費用等の特別項目 が調整されることがある。 銘柄フラッシュ(海外企業概要)は企業の沿革、概要、事業、中長期的な競争優位性等の紹介に重点を置い たレポートです。当該企業の最新の決算情報、ニュース、トピックに関しては、銘柄フラッシュをご参照くださ い。