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額田寺伽藍並条里図の計測・形状復原の資料(資料編)

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Academic year: 2021

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(1)

 額田寺伽藍並条里図は,右辺,左辺及び地辺が欠損し,また補修に際して欠損部の縫い縮めが行 われている。そこで,現存部分の原形を復原し,さらに欠損部分まで含めた図全体の原形を推定す るために,1986年に史料編纂所が『日本荘園絵図聚影』三のために撮影を行った際に許可を得て 石上・山口英男が計測した数値を用いることとした。当時の計測は,左上を起点に行ったものであ ったので,1992年に復原複製の共同研究を行った際に,右上隅を起点にした計測値に改めた上で, 本資料に掲げる図1「計測図」,図2「辺長図」,図3「復原寸法図」,図4「原形推定図」を作成した。  次に,計測と形状復原の過程を述べる。 (1)四周における布片の辺の長さ(縫代で裏に折れ込んで見えない部分を除く。図1ではイタリ   ック数字),四周の辺および布片の辺で辺長・条里端点を計測した結果により,図1「計測図」   を作成する。計測すべき点の部分の料布が欠損している場合は,周囲の線の延長による仮想交   点をとって計測した。 (2)東西線についてはa,b, c, d, eの5線で,南北線については右辺及び左辺にそれぞれ最も   近い線(f,g)で,それぞれ坪辺長を算出する。坪辺長の数値は,図1の四周に配置した   a−e坪端点表示線に記載する。 (3)現状では,布片A・B・C・D・E・F・Gを縫合してある。欠損部及び全体構成の復原のた   めに,描画計画における坪辺長を検出する。

  坪辺長計測値総和:4307mm

  坪辺長計測例数 :41件   平均坪辺長   :105.05mm (4)図2「辺長図」は,各東西・南北計測線における坪辺長平均値,坪辺長例数を表示したもの   である。 (5)欠損部分の坪辺長を105mm=3.5寸として,欠損部周辺の復原を行い,縫合修理による線の   ズレを補正して図3「復原寸法図」を作成する。これにより,描画された川の幅,上部の欠損   部分の幅を算出する。 (6)布幅2尺4寸,坪辺長3寸5分,里間・条間5分(実際は上部で里間15mm=5分,下部で里   間13mm=4.7分,条間10mmニ33分〔上下段縫目の縫直しにより短くなっていると思われ   る〕),天辺余白1寸8分(現状は,右上で53mm,左上で52 mm)として,条里部分について,   図4「原形推定図」を作成する。この復原により,布片Cと布片Dの間の縫目は,上下二段に   並列させた(経糸方向が左右(地図の東西方向))布の本来の縫目,あるいはそれとほぼ同じ

(2)

国立歴史民俗博物館研究報告 第88集2001年3月 1Φ冷 10やo◎ 塁 § 罷  § =O a 、寸 σ、 o σ、 ⇔ σ1 峯 §

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単位:ミリメートル

図1計測図

位置で縫い直したものであること,布片A・Bの縦長と布片Cの縦長に欠損部(東西線bの修 補縫目の位置)の幅(平均辺長と現在の辺長の差),縫代分(現状では裏面に裏打ち布がある ので計測できない)を合計した長さが2尺4寸の布幅となることがわかる。  本図は,全面に「大和国印」(縦・横約6cm)が踏されていることから,班田図や寺田籍を 利用し大和国司の判を得たものと推定される。そこで,元来,班田図を基図とし平群郡九条三 里・四里,十条三里・四里の4里分の図を合成したものと想定する。

(3)

104.6 101− 104− (96)− 103− 104− 110− 103− 108− 104− (80)一 ・

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l i l    平均辺長      a       −102       −109      b−(93)       −105,      c_108       :::       ゴ:]−1・・       一(88)       d       −(94)       e      ユ 辺長 111 110 109 108 107 106 105 104 103 102 101

12345678

註12

    例数 105.05≒4307÷41 105,1 単位:ミリメートル ()付辺長は例数から除外。

図2辺長図

(4)

国立歴史民俗博物館研究報告 第88集2001年3月 ロ ね 法巴 ﹄ 1㌫ {一8,ご 占NO ͡

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50

一 ω N忘 →木 巴逡 o◎ く◎ ω 8 ωば 陪N =Φ 奏o 巳ω 浅O ω や O ωご d   100 50 0  単位:ミリメートル e 註 1.四周の左・右に,天から4本目の東西線cを基準にして,右辺・左辺における条里東西    線復原端点と天辺・地辺復原位置を示す。四周の天地に,3里西辺南北線hを基準とし    て,東西線a,b, c,d,eにおける条里南北線交点位置と右辺・左辺復原位置を示す。   2.()は平均辺長値105mに調整するための計算式。()内の左の数値は現状の辺長値,    +,一の右の数値は平均辺長値との差(すなわち,欠損部の幅)を示す。   3.図中の数値は残された部分の長さ。横位は東西方向の長さ,立位の数字は南北方向の長    さ。 図3復原寸法図

(5)

689 627    9

−47ー

折畳目で破断 折畳目で破断

1覇鍵覇灘購遜

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灘鞭礁灘購鵠灘難難雛雛灘難 ←折畳目 632で破断か 一一

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1寸8〃テ 2尺いナ 5分 尺い1’ 寸1分   上段 条間       5分 一条分  35寸×6坪=2尺1寸 天辺余白       1寸8分 縫代       7分 計(布幅)   下段 一条分 地辺余白 縫代 註1アミ部分が現存部分 2尺4寸       言†(布巾畠)      図4原形推定図   分 分  −Q㎡ WJT︵

12

尺︵ 2 土 、 4 尺 2 (7)上述のような計測値とその操作の結果,料布は,幅2尺4寸(72cm弱)の8世紀の布(調布   の規格幅)を上下に2段に縫い合わせて画面を構成していること,現状は原形の右・左と下部   が欠損している,ことがわかった。現状は,右辺縦1109cm,左辺縦113.4cm,天辺横669cm,   地辺横72.7cmであるが,原形は縦約140 cm,横140 cm以上となる。 (8)なお,右辺が三里のほぼ中央,左辺が四里のほぼ中央に当たるので,現状の左辺・右辺は縦   畳み筋線b(布片A・Bと布片Cとの間)はほぼ九条の南北中央に当たるので横畳み筋であ   ったのではないかと推測される。東西線d(布片Eと布片Fとの間)は,ほぼ東西に流れる川   が顔料(緑青)により劣化したために生じた欠落部を,残存部の縁同士で縫い合わせたところ   である。布片Dと布片Eとの間,布片Dと布片Gとの間,布片Fと布片Gとの問にも,川が顔   料(緑青)により劣化したために生じた欠損部がある。布片Aと布片Bの間の破断は,小手池   の顔料(緑青)による欠落により生じた破れである。        (東京大学史料編纂所,国立歴史民俗博物館共伺研究員)

参照

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添付資料 2.7.3 解析コード及び解析条件の不確かさの影響評価について (インターフェイスシステム LOCA).. 添付資料 2.7.4

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