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軽水炉の機器・配管健全性評価

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Academic year: 2021

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(1)2 主要な研究成果 重点課題 - 設備運用・保全技術の高度化. 軽水炉の機器・配管健全性評価 背景・目的. 軽水炉の安定運転には、様々な機器・配管 等 の 経 年 劣 化を予 測し、各 機 器 等 の 機 能を 維持するための保全技術が不可欠である。 本 課 題では、軽 水 炉 の 構 造 材 料 の 信 頼 性. 主な成果. 1. 向上や保守点検時の作業員の安全性向上に 向け、軽水炉の機器・配管の健全性評価手法. を開発することで、軽水炉の安定運転に寄与 する。. 高 い 安 全 性を有するS N 材 の 高 温 強 度 特 性 の 評 価. 軽 水 炉プラントの 支 持 構 造 物 等に使 用さ. て、引張特性を評価した。降伏点や引張強さ. とするため、原 子 力 発 電 設 備 規 格 材 料 規 格 の策定に必要となる高温条件(~400℃)お よび、シビアアクシデント時の構造健全性評 価を見越した更なる高温条件(~650℃)に. 違いは小さいことを確認した(図1)。この結 果から、SN材の高温強度を室温強度で規格 化した値の温度依存性を示すトレンドカーブ の 近 似 式を導 出し、材 料 規 格 へ の 反 映を可 能とした [Q14006] 。. れて い る従 来 材( 一 般 構 造 用 圧 延 鋼 材:S S 材)に比べ、優れた溶接性と高い靭性を有す る建 築 構 造 用 圧 延 鋼 材( S N 材 )を使 用 可 能. 2. 配 管 減 肉 予 測ソフトウェアF A L S E T の 検 証. 軽 水 炉プラントの 配 管 の 肉 厚 測 定 結 果と の 比 較による予 測 精 度 の 検 証を行っている 配 管 減 肉 予 測ソフトウェアF A L S E Tにつ い て、新たにPWRプラント1基を追加し、PWR プラント4 基 分 の 復 水・給 水 系 配 管( 水 単 相 流 系 統 )の 肉 厚 測 定デ ータ( 合 計 9 8 0 点 )と. 3. の 比 較 を 行った 。そ の 結 果 、残 余 肉 厚 の 予 測精度は、実測値の±10%以内であった(図 2)。また、FALSETによる予測を用いること で、減肉率が低い低温系統配管を除くほとん どの 配 管 部 位に対して 、保 守 的 な 管 理 が 可 能となることを確認した。. ステンレス鋳 鋼 の 熱 時 効 評 価. 一 次 冷 却 水 配 管 等に用 いられるステンレ ス鋳鋼は、高経年化に伴う熱時効*2によって 脆化し、破壊靭性が低下することがある。熱. 時効による脆化を定量化するため、300℃~ 450℃で最大15000時間の熱処理を施し、 破壊靭性値と硬さの測定を行った。時間が増. 4. の 温 度 依 存 性 は 、鋼 種や 板 厚 の 違 いによら ずほぼ同じであり、鋼材のチャージ*1による. 加するにつれて、破壊靭性値は減少し、硬さ は増加する傾向が認められた(図3)。硬さと 破壊靭性値の相関を明らかにすることで、ス テンレス鋳 鋼 の 硬さを指 標として破 壊 靭 性 値を予測できる可能性を示した。. 分 散 剤 添 加による軽 水 炉 一 次 系 線 源 低 減 技 術 の 開 発. 軽水炉一次系の線源低減技術の開発に向 け、線 源となる腐 食 生 成 物 の 除 去 効 果 が 期. 待される分散剤(PAA:ポリアクリル酸)の添 加について、PWR一次系条件におけるPAA. の放射線分解挙動を評価した。 γ線照射試験 によって生 成される化 合 物は主に二 酸 化 炭. 素と酢 酸イオンで あり、軽 水 炉 材 料 の 腐 食 を促進する因子は確認されなかった。また、. P A A 水 溶 液 の 放 射 線 分 解シミュレーション による結果は試験結果と一致し、生成物の大 半はP A Aラジカル*3 の 主 鎖 切 断によって生. じることを明らかにした(図4)[Q14014] 。. *1 溶解炉から取り出される取鍋毎の溶鋼。 *2 材料がある温度に晒されることで、材料特性が時間経過とともに変化する現象。 *3 鎖状の多原子分子構造の中に不対電子(原子間の結合が解離して電子軌道中の電子が1つになった状態) を持ったポリアクリル酸。 38.

(2) 図1 ‌SN材の引張強さに及ぼす試験温度の影響 (SN400B). 図2 PWR ‌ 4プラントの曲管におけるFALSETに よる残余肉厚の予測精度. 鉄鋼材料の高温引張試験方法に関するJIS規格に. PWR 4プラントの復水・給水系統の980点のデー. 適 合するひず み 速 度 条 件( 降 伏 前:0 . 0 0 0 0 7 s 、 -1. 降伏後0.0014s -1 )で、厚さ40mmのSN400Bに. ついて、チャージ の 異なる3 種 の 鋼 材を用 いた引. タの中で、エルボ・曲管640点に対して残余肉厚の. 予測精度を検証し、予測した配管部位の99%は、 実測値の非保守側+10%よりも小さな予測値とな. 張試験を実施し、いずれも同等の引張特性を有す. ることを示した。. 図3 ステンレス鋳 ‌ 鋼 のフェライト相 の 硬さと時 効条件の関係. 図4 PAA水溶液の放射線分解シミュレーション ‌ の結果 (PAA 500ppm、300℃、中性pH) 吸収線量が数kGyまではPAAラジカル の 主鎖切 断が支配的であり、5kGyを超えるとPAAが枯渇す る。それ以上の吸収線量では、分子量の緩やかな変 化が確認されていることから、酸化数の増加と減少 が同時に起こる不均化反応が支配的な段階に移行 するものと考えられる。. ることを示した。. 重点課題 設 - 備運用 保 ・ 全技術の高度化. 時効温度が高いほどフェライト相の硬化が早く進. 行する傾 向を示した。3 0 0 ℃時 効 材につ いては、 8 0 0 0 時 間までは 未 時 効 材とほぼ 同 等 の 硬 さで. あったが、15000時間で硬化の開始が認められた。. 39.

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