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高齢者家族の福祉社会学的研究

著者

奥山 正司

雑誌名

東洋大学社会福祉研究

7

ページ

66-73

発行年

2014-08

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00006976/

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東洋大学社会福祉研究第7号(2014年8月) ●博士学位請求論文要旨

高齢者家族の福祉社会学的研究

1 研 究 の 背 景 家 族 と い う 集 団 は 、 社 会 の 維 持 存 続 に 欠 か せ な い人間の再生産を行うとともに、家族員の生存に と っ て 必 要 な 福 祉 を 確 保 し て き た 。 こ う し た 家 族 機能と社会との関わりに最も早く注目したのは、 家族機能縮小論で知られるアメリカのOgburn,W. F.,(1886∼1959)である。近代化・産業化との関わ り で 家 族 機 能 純 化 説 を 唱 え た の は 、 同 じ ア メ リ カ のBurgess,E.W"(1886∼1966)であり、さらには 人 間 の 再 生 産 を も っ て 社 会 に 対 す る 家 族 の 基 底 機 能(対外機能)とみ、福祉(well-being)の追求をもっ て個人に対する家族の基底機能(対内機能)とみ た森岡清美(1923年∼)の説などをその代表例と し て み る こ と が で き る 。 い ず れ に し て も 、 こ れ ら の 説 は 、 産 業 化 や 近 代 化 に と も な う 外 部 社 会 の 変 化 に よ っ て 、 家 族 形 態 が 変 化 し 、 そ れ が 家 族 機 能 の 縮 小 を は じ め 、 ざ ま ざ ま な 変 化 を も た ら し た と い う 点 で は 異 論 が な い 。 し か る に 、 日 本 社 会 に お け る 高 齢 者 の 家 族 生 活 の 変 化 に 焦 点 を 絞 っ て 、 家 族形態、家族機能、家族意識の方面から検討する ことは、近年の著しい高齢化や寿命の延びと相俟っ て き わ め て 重 要 な 課 題 で あ る 。 特 に 、 高 齢 者 家 族 の 子 ど も と の 関 わ り や 要 介 護 高 齢 者 と 子 ど も 家 族 と の 関 わ り が ど の よ う に 変 化 し て き て い る か を 検 討することは、外部社会との境界維持作用が強く、 半閉鎖システム(semi-cIosedsystem)としての特 徴 を も っ て い る 家 族 の 一 面 を 明 ら か に す る と い う 意味でもきわめて重要である。 2 研 究 の 目 的 本 研 究 の 目 的 は 、 高 齢 者 の 生 活 に 関 わ る 諸 概 念 奥 山 正 司 を 活 用 し 、 高 齢 者 福 祉 の 観 点 か ら 、 家 族 形 態 、 家 族 機 能 及 び 家 族 意 識 の 面 か ら 高 齢 者 の 家 族 生 活 の 変 化 に つ い て 考 察 す る こ と で あ る 。 こ こ で は 、 高 齢者福祉の概念については、福祉サービスを対象 と し た 狭 義 の 意 味 だ け で は な く 、 高 齢 者 の 安 定 し た生活(wellbeing)に関わる家族の福祉的機能を も含めた広義の内容でとらえている。 S 研 究 の 枠 組 み 1)家族と社会システムとの関係 家 族 は 、 家 族 員 が 安 定 し た 生 活 を し て い く た め には、外部の社会との交換関係に入る必要がある。 産業化した社会では、雇用者はほとんどすべての 資源を外部の社会に依存しなければならない。他 方 、 日 本 の 家 族 に は 、 直 系 制 家 族 か ら 夫 婦 制 家 族 へ と い う 理 念 と し て の モ デ ル 転 換 が 認 め ら れ る 。 特に、大都市地域における直系制家族から夫婦制 家族への転換の経路には、①農山村に育って第二 次 大 戦 後 及 び 高 度 経 済 成 長 期 に 、 中 卒 者 の 集 団 就 職や高卒後の若年層が若年労働力として大都市に 流入し、そこで家族を形成した人々、②最初から、 大都市地域で育って、家族を形成した人々、の二 つの形成パターンがあげられる。 こ こ で は 、 直 系 制 家 族 か ら 夫 婦 制 家 族 へ の モ デ ル転換を考盧しつつ、高齢者家族の変化に影響す ると考えられる外部社会の要因を以下の3つのシ ステムに分けて検討する。①.日本経済の発展とい う経済システムの変化に関わる要因、②、民法改正 の効果や社会保障の発展など法及び政治システム に関わる要因、③、学校教育や社会教育などの文化 システムの変化に関わる要因である。 (1)経済システムの変化

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第一の要因は、戦後、特に高度経済成長期(1955 年以降)を通して実現した産業化や都市化である。 大都市地域での労働力需要の不足が農村から大都 市部へ若年層を中心とした広範な労働力の地理的 移 動 を 促 し た 結 果 、 若 い 人 々 が 地 方 の 親 元 を 離 れ て大都市地域に居住することになり、新しい家族 形 成 を 促 し た 。 第 二 の 要 因 は 、 所 得 水 準 の 上 昇 が 若年層の核家族の経済的自立を促進し、住宅金融 公庫を利用したマイホームの建設や住宅公団(現 在の都市UR機構)の入居を可能にし、家族の形成 を促進した。こうした日本経済の発展と所得の増 大は、①家族の小家族化と、②家族内での夫婦平 等化の変化をもたらした。 (2)法及び政治システムの変化 明治時代から第2次大戦後の民法改正に至る1947 年までは、家制度として、事実上、家産は家長で ある個人(主に長男)の所有であること、家(イ エ)は国家と天皇に従属する末端機構であるとし て い た 。 戦 後 、 民 法 改 正 に よ り 、 直 系 制 家 族 を 支 えていた家制度が廃止され、夫婦平等の理念が認 め ら れ る よ う に な っ た 。 そ の 結 果 、 高 齢 者 の 扶 養 義 務 や 相 続 の 権 利 は 子 ど も 全 員 が 平 等 と な り 、 社 会 福 祉 や 社 会 保 障 の 適 用 も 権 利 と し て 徐 々 に 拡 大 し て い っ た 。 特 に 年 金 制 度 に つ い て は 、 家 族 は も とより親族間扶養の規範意識を後退させるととも に、家族内での世代間関係を弱める結果となった。 さらに新たに導入された介護保険制度についても、 家 族 意 識 や 家 族 関 係 に 同 様 の 影 響 が み ら れ る よ う になった。 (3)文化システムの変化 明 治 時 代 の 教 育 勅 語 や 修 身 で は 、 天 皇 へ の 忠 誠 心 の 酒 養 を 軸 に 、 孝 行 ・ 柔 順 ・ 勤 勉 な ど の 徳 目 を 教 育 し て 、 あ る べ き 家 族 像 が う え つ け ら れ た 。 戦 後、新しい憲法の下に、学校教育や社会教育では、 その教育理念による男女平等の観念の浸透、夫婦 制 家 族 理 念 の 普 及 等 が 拡 大 し て い っ た 。 ま た 、 大 衆文化やテレビを筆頭にした各種メディアの普及 により、新しい家庭像やそれにまつわる考えや思 想が国民一般に一層浸透していった。 2)高齢者の家族生活の変化についての分析 枠組 博 士 学 位 請 求 論 文 要 旨 「 高 齢 者 家 族 の 福 祉 社 会 学 的 研 究 」 / 奥 山 正 司 前述の3つの社会システムは、(1)家族形態、(2)家 族機能、(3)家族意識、の三つの次元で高齢者の家 族 生 活 に 変 化 を も た ら し て い る の で 、 そ の 点 か ら 分析検討する。 (1)家族形態 家 族 形 態 は 、 家 族 が 何 人 の 成 員 か ら な っ て い る か と い う 家 族 規 模 の 面 と ど の よ う な 続 柄 の 成 員 か ら 成 り 立 っ て い る の か と い う 家 族 構 成 の 面 の 2 つ の面から考察することができる。前者は量的な側 面であり、後者は質的な側面である。 (2)家族機能 家 族 が 小 規 模 化 し 、 家 族 機 能 が 縮 小 す れ ば 、 家 族集団内におこる病気や怪我などの危機に対する 力 が 弱 ま る こ と か ら 、 家 族 の 危 機 対 処 能 力 は 弱 体 化する。特に、高齢者のいる世帯が小規模化し、 夫 婦 の み の 世 帯 や 一 人 暮 ら し 世 帯 が 増 加 す れ ば 、 経済的自立の能力はともあれ介護負担能力は著し く低下する。現代社会の家族では、従来もってい た七つの機能のうち、愛情以外の六つの家族機能 は 企 業 ・ 学 校 ・ 政 府 な ど の 専 門 的 な 制 度 体 に 収 敏 されて、家族からはほとんど消失したか弱体化し てしまったといわれる(Ogburn,WF.,1933、森岡、 1987)。他方、家族機能が縮小しても、二つの根本 的 な 家 族 機 能 が 残 っ て い る と さ れ る 。 そ の ひ と つ は、子どものための第一次社会化、もうひとつは、 成 人 の パ ー ソ ナ リ テ ィ の 安 定 化 で あ る 。 し た が っ て、急増している夫婦のみ世帯の高齢者や一人暮 らし高齢者には、別居している子どもとどのよう な つ き あ い を 行 っ て い る の か と い う ソ ー シ ャ ル サ ポートやネットワークが重要となる。 (3)家族意識 家 族 意 識 と は 、 家 族 の 制 度 ・ 家 族 関 係 ・ 家 族 生 活 に つ い て 人 々 が も つ 価 値 づ け と 規 範 意 識 、 及 び 家族行動の選択に現れる態度をいう。本論文では、 個 人 の 生 活 の な か で の 家 族 意 識 ・ 家 族 規 範 と 世 間 一般としての介護規範意識の両面から分析し考察 している。 4 研 究 対 象 と 研 究 方 法 各章論文の全体を通じて、高齢者の家族生活と そ の 変 化 を 規 定 す る 諸 要 因 を 、 家 族 の 形 態 、 家 族 機能、家族意識の概念からなる分析枠組の下で総

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東洋大学社会福祉研究第7号(2014年8月) 合 的 か つ 統 一 的 に 分 析 し 、 検 討 す る 。 あ わ せ て そ れ ぞ れ の 時 代 的 変 化 と そ の 規 定 要 因 や 世 代 差 を も 考 察 す る 。 さ ら に 、 高 齢 者 家 族 と 子 ど も 家 族 と の 関 係 を 視 野 に 入 れ つ つ 、 家 族 介 護 の み な ら ず 、 介 護 の 社 会 化 及 び 介 護 の 外 部 化 と も い わ れ る 家 族 介 護 か ら は み 出 す 保 健 福 祉 サ ー ビ ス や 介 護 保 険 サ ー ビスとの関わりをも考察する。研究対象は、主に 大 都 市 の 高 齢 者 家 族 に 焦 点 を 当 て る が 、 こ れ と 併 せて、農村の高齢者家族をも比較対象としてとり あ げ る 。 国 際 比 較 の 観 点 か ら は 、 家 族 形 態 、 家 族 意 識 ・ 家 族 規 範 等 に 関 わ っ て 、 欧 米 諸 国 や ア ジ ア とりわけ韓国の高齢者家族を比較対象として横断 的に考察し、どのような点で共通性や相違点がみ られるのかを考察する。家族形態に関しては、か つ て 日 本 の 伝 統 的 ・ 典 型 的 な 家 族 で あ っ た 三 世 代 家 族 を と り あ げ 、 そ の 家 族 規 範 意 識 や 態 度 に つ い て、姑・嫁・孫娘の世代間関係や世代差を分析する。 さ ら に 、 夫 婦 制 家 族 を モ デ ル と す る 高 齢 者 夫 婦 の み の 世 帯 や 一 人 暮 ら し 世 帯 の 動 向 を 縦 断 的 研 究 に よ っ て 分 析 す る と と も に 、 そ れ ぞ れ の 世 帯 と 子 ど も家族との関係を考察する。 い ず れ の 研 究 対 象 も 縦 断 的 研 究 や 横 断 的 研 究 を 駆 使 し て 行 っ た の が 最 大 の 特 徴 で あ り 、 意 義 が あ るものとなっている。 5 論 文 の 構 成 はしがき 第 1 章 三 世 代 同 居 家 族 の 比 較 研 究 一 姑 ・ 嫁 ・ 孫 娘を対象として− 第 2 章 家 族 の 介 護 負 担 及 び 介 護 規 範 意 識 に 関 す る 日 韓 比 較 研 究 一 東 京 と ソ ウ ル ー 第 3 章 高 齢 者 の 家 族 ・ 親 族 か ら の サ ポ ー ト 意 識 一国際比較研究の意義と課題一 第 4 章 介 護 保 険 制 度 下 に お け る 農 村 の 高 齢 者 介 護一主に東北農村の事例を通して‐ 第 5 章 家 族 の 保 健 ・ 福 祉 的 支 援 機 能 と 社 会 的 要 因一一般高齢者への横断研究と脳血管患 者への縦断研究から− 第 6 章 大 都 市 転 入 高 齢 者 の 生 活 と 同 居 子 と の 関 係一東京都下の場合一 第 7 章 大 都 市 に お け る 老 夫 婦 の み の 世 帯 の 追 跡 研 究 第 8 章 高 齢 者 の 子 ど も と の ソ ー シ ャ ル ネ ッ ト ワ ー ク ー一人暮らしおよび夫婦のみ高齢者の追跡 研究一 第 9 章 単 身 高 齢 者 の 社 会 経 済 的 生 活 と 家 族 支 援 付論Farmers'Successorsandthelmmigration ofFemaleAsianSpousesinRuralJapan(第 4章関連) あ と が き − 要 約 と 課 題 一 6 各 章 の 要 約 は し が き で は 、 本 研 究 の 背 景 、 研 究 目 的 、 家 族 と社会システムの関係及び家族生活の変化に関わ る研究枠組み、研究の対象と方法などについて論 じた。 第1章では、三世代女性家族(姑・嫁・孫娘) の 同 居 ・ 別 居 ・ 中 間 形 態 別 の サ ン プ リ ン グ に よ る 比較調査を基にして、彼女らの扶養に関する態度 や 意 識 、 世 代 間 の 相 互 援 助 ・ 交 流 や 役 割 関 係 を 分 析し、世代間扶養や公的サービスへ期待する意識 の動向を把握した。 分析方法は、家族の四つの機能(経済的援助・ 家事援助・身体的ケア及び相談)について、老年・ 中年・若年の各世代をクロス集計により分析した ほか、とくに、世代ごとの四つの局面の組合せ(「レ スポンスパターン」)分析と三世代の回答の組合せ (「レスポンスセット」)分析を行い、とくに、後者 では世代ごとの多面的な局面の関連を考察した点 に特徴がある。分析結果は、まず、レスポンスパター ンの分析では、全体的な傾向として、経済的援助 では、各世代とも家族に頼るという傾向が強いが、 世 代 が 老 年 か ら 下 が る に つ れ て 公 的 扶 養 に 頼 る 傾 向が強まっていた。世代間の態度・意識のギャッ プは老年と中年、中年と若年、老年と若年で有意 だが、とくに老年と若年のギャップが大きい。家 事援助では、頼りとする人・社会的資源について は経済的援助とほぼ同様の傾向が認められるが、 世 代 が 下 が る に つ れ て 「 ボ ラ ン テ ィ ア ・ ホ ー ム ヘ ルパーなどの公的サービスに頼る傾向が強まって いた。身体的ケアでは、頼りとする人・社会的資 源及び世代間意識のギャップともに前者の局面と

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同様の傾向がみられた。ただ、老年世代と中年以 下の世代との間では、身体的ケアについてのニー ドに大きな違いがみられた。個人的な相談や話し 相手では、各世代とも家族に頼るという傾向が強 いが、それは世代が下がるにつれて低くなる一方、 友人に頼りたい傾向が高くなっていた。各世代と も 、 相 談 に 関 し て は 、 前 記 の 三 つ の 局 面 へ の ニ ー ドとは異なり、「カウンセラー・民生委員・相談員」 といった公的サービスにはほとんど期待しておら ず、世代間のギャップはこの局面でとりわけ大き いことがうかがわれた。 第2章では、研究の対象となっている日本と韓 国(正確には東京都とソウル市)の家族意識・規 範についての共通点と差異を述べたうえで、調査 結果から明らかにした。共通点としては、両国と もに儒教文化圏、あるいは中国文化圏に属してお り、家父長制家族、祖先崇拝及び男尊女卑の文化 が 伝 統 と し て 残 津 し て い る こ と 及 び 両 国 と も に ご く短期間に経済成長を遂げ、欧米先進諸国に類例 のない経済発展と出生抑制が同時に進行している こ と 。 一 方 、 相 違 点 と し て は 、 日 本 で は 家 父 長 的 な 家 族 制 度 の 廃 止 に 力 点 を 置 い て き た が 、 韓 国 は 子どもの親孝行に対する義務の強化と同居の奨励 な ど 、 伝 統 的 な 家 族 制 度 を 保 持 し よ う と し て い る こと及び韓国は経済成長と老人福祉をはじめとす る様々な社会政策の整備が日本より一歩遅れてい るという点である。調査結果の要介護高齢者に関 しては、東京では、ADLが低いほど、介護者の 身体的負担感に影響を与えていたが、ソウルでは そのような傾向はみられなかった。精神的状態に 関しては、両市ともにそれに問題があるほど介護 者の身体的負担感に影響を与えていた。社会的負 担 面 で も 同 様 で あ っ た 。 ま た 、 両 市 と も 、 年 齢 が 高いほど身体的負担感が高かった。世帯の収入は 社 会 的 負 担 感 と の 関 係 に つ い て は 、 東 京 で は 相 関 がみられないが、ソウルでは、身体的負担感に影 響を与えており、世帯収入が高いほど軽い負担感 と な っ て い た 。 世 間 一 般 の 例 を 想 定 し た 子 ど も が 親の世話をするという介護規範意識は、両市とも 高く、かつ東京よりソウルの方が高いことが明ら か に な っ た 。 し か し 、 ソ ウ ル で は 、 子 ど も へ の 高 い依存傾向がみられる反面、東京では私的な責任 博士学位請求論文要旨「高齢者家族の福祉社会学的研究」/奥山正司 と 社 会 的 な 責 任 の 共 存 へ 回 帰 し て い る 傾 向 が み ら れた。 第3章では、「高齢者の生活と意識に関する国際 比較調査」をてがかりとして、①高齢者の社会学 的 な 国 際 比 較 研 究 の 意 義 や 調 査 方 法 上 の 問 題 点 に ついて整理し、②日本の高齢者へのサポートの特 質 や 子 ど も や 孫 と の つ き あ い か た 方 及 び サ ポ ー ト の受け手側としての高齢者にどのような特徴がみ られるのかを、米国や韓国など他の4か国と比較し ながら考察した。 調 査 項 目 は 、 高 齢 者 に 対 す る 精 神 的 サ ポ ー ト と して「心配事や悩み事の相談」、手段的サポートと して「病気で悩んだときの介護」と「経済的に困っ た り お 金 が 必 要 な と き の 援 助 」 を と り あ げ た 。 サ ポ ー ト の 提 供 を 期 待 し て い る 相 手 に 注 目 し て 分 析 し た 結 果 は 、 5 か 国 と も 共 通 し て 、 配 偶 者 や 子 ど も(同居・別居にかかわらず)への期待がことの ほか大きかった。日本を含め、アジア3か国では、 配偶者や子どもへの期待が大きいが、「親しい友人・ 知人」に対する期待は、心配事などの相談を除い てはきわめて小さかった。これに対して、アメリカ・ ドイツといった西欧社会では、配偶者や子どもへ の期待とともに、「それ以外の家族・親族」や「親 しい友人・知人」への期待もきわめて大きいこと が 明 ら か に な っ た 。 ア ジ ア の 国 々 で は 、 サ ポ ー ト 関係において、「心配事などの相談」といった精神 的 サ ポ ー ト を 除 け ば 、 家 族 と 家 族 以 外 の サ ポ ー ト を明確に区別する傾向がみられるのに対し、欧米 社 会 で は 家 族 と 家 族 外 の サ ポ ー ト 関 係 を む し ろ 連 続的な介護資源として位置づける傾向がみられた。 第4章では、「高齢者介護の農業経営に与える影 響 に 関 す る 研 究 」 の 成 果 を 利 用 し た 。 本 章 は 、 農 村 地 域 の 高 齢 者 介 護 が 大 都 市 の 高 齢 者 の そ れ と ど のように異なっているのかを検討するためのもの である。山形県最上町を対象地域とし、事例調査 を中心とした数種類の量的・質的調査によってそ の実態を把握した。その結果、要介護高齢者の家 族介護の特徴は、ほとんどの農家が農外兼業に依 存しており、高齢者の介護は現在でも老親と同居 し て い る 子 ど も 家 族 の も と で 、 伝 統 的 な 家 族 の 介 護規範に支えられていた。大都市高齢者の子ども との高い別居率、子ども世代における伝統的な介

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東洋大学社会福祉研究第7号(2014年8月) 護規範の変容、孫の若年世代における近代的な介 護 意 識 と 比 べ て 対 照 的 で あ っ た 。 家 族 介 護 の 特 徴 は、伝統的な三世代、四世代家族が中心で、多世 代 に よ る 家 族 介 護 が 在 宅 で の 介 護 を 可 能 に す る 反 面、介護や家事が嫁(主に長男の妻)に集中する 傾向がみられた。「介護は女性が担うべき」とする 介護規範がいまだに根強く、家族介護をめく、って は 家 族 内 部 で の ジ ェ ン ダ ー バ イ ア ス が 存 在 し て い た。さらに、今日の多世代農家では親の世代と子 の 世 代 が そ れ ぞ れ 独 自 の ラ イ フ ス タ イ ル を も ち 、 介護をめく、って、大都市でみたように、世代間の コンフリクトが存在していた。大都市における三 世 代 女 性 の 分 析 で も 明 ら か な 通 り 、 老 年 世 代 と 中 年世代・若年世代の間には介護意識にギャップが みられ、老齢世代と若年世代とは顕著であり、こ の 点 で は 大 都 市 ・ 農 村 と も 共 通 し た 傾 向 が み ら れ た。介護保険で提供される各種の介護サービスは、 訪 問 介 護 で は な く 、 通 所 型 の 施 設 利 用 に 特 化 し て い る こ と 。 農 業 所 得 の 伸 び 悩 み が も と で 、 介 護 保 険 の 負 担 や 保 険 対 象 外 の 経 費 支 出 の 重 さ が 各 種 サ ー ビ ス の 利 用 を 抑 え か ね な い 面 が あ る こ と 。 一 家 の 生 計 に 直 接 影 響 を 与 え な い 晨 外 兼 業 を 行 っ て い な い 女 性 の 家 族 員 に は 介 護 労 働 の 負 担 が 重 く の し か か っ て い る こ と 。 介 護 の 発 生 に よ る 農 業 経 営 の影響が大きいため、その影響を最低限に抑制し よ う と い う 農 家 の 対 処 行 動 が み ら れ る こ と な ど の 特徴があった。 第 5 章 で は 、 中 高 年 の 家 族 が ラ イ フ コ ー ス の 中 で こ れ ま で ど の よ う な 機 能 を 果 た し 、 ま た 、 そ の 家 族 福 祉 機 能 に ど の よ う な 変 化 が 生 じ て き て い る の か を 、 二 つ の 調 査 よ り 、 明 ら か に し た 。 ① 一 般 の高齢者を対象とし、彼らが社会関係の網目のな かで、どのような支援システムによって各々の健 康 に 関 す る 問 題 に 対 処 し て い る の か 、 と り わ け 高 齢 者 の 健 康 に 及 ぼ す 家 族 の 保 健 福 祉 的 な 支 援 機 能 とそれが占める位置・役割を大都市と農村地域の 間でどのように異なるのかを検討した。②脳血管 疾患患者とその家族を対象とした縦断的調査では、 患 者 が 退 院 し た 2 か 月 後 と 1 年 半 後 の 2 回 に わ た っ て 行 っ て き た 調 査 の 緒 果 か ら 、 介 護 者 に 焦 点 を あ て 、 介 護 者 を と り ま く 支 援 態 勢 の 変 化 を 検 討 した。その結果、①高齢期家族の家族機能、とり わ け 高 齢 者 扶 養 に み ら れ る 変 化 と 家 族 介 護 の 枠 組 み か ら は み 出 す 夫 婦 の み 高 齢 者 や 一 人 暮 ら し の 高 齢 者 も 著 し く 増 加 す る こ と が 明 ら か に な っ た 。 ま た、②高齢者に関わる家族の保健福祉的機能は全 体 と し て 縮 小 の 傾 向 が 認 め ら れ 、 依 然 と し て 家 族 が 担 っ て い る も の の 、 そ の 役 割 の 一 部 を 外 部 へ の 委讓により、かつ支援提供源が例えば、配偶者が いない場合には同居子が担うという形で、補完的・ 階 層 的 な 関 係 が つ く ら れ て い た 。 ま た 、 保 健 福 祉 的 支 援 の 享 受 の 可 能 性 に は 、 性 差 の 他 、 地 域 差 が みられ、農村部の方が大都市よりも配偶者及び別 居 子 か ら の 支 援 可 能 性 が 低 く 、 逆 に 子 ど も 家 族 か らの支援可能性は大都市の方が農村部よりも低い という傾向がみられた。 第6章では、東京都下の二つの都市に転入した 高齢者とその子どもを対象にした調査により、高 齢者の移動(転居)がどのような状況のもとに行 わ れ 、 ま た 、 転 居 に よ っ て 高 齢 者 が 安 定 し た 生 活 (well-being)が得られたのかを検討した。転入高 齢者の生活状態は主観的にみて「良くなった」項 目は七項目のうち「住まい」と「日常生活への不安」 が 解 消 さ れ た こ と の み で あ り 、 他 の す べ て の 項 目 は変わらないことが明らかになった。とくに、友人・ 知人などの関係は悪くなったとする割合が多くみ られ、高齢者の生きがいに関わる大きな問題が生 じていた。一方、受Ⅲとなった長男家族及び長女 家族は、家庭生活において多くの精神的・身体的・ 経 済 的 な 重 荷 を 抱 え て お り 、 そ の 結 果 、 安 定 し た 生活(well-being)が、双方とも実現きれていない ことが明らかになった。 第 7 章 で は 、 東 京 都 足 立 区 在 住 の 、 子 ど も の い る老夫婦のみの世帯を対象に、4年間の追跡調査 を行った結果を明らかにした。その結果、老夫婦 の 生 活 状 況 と 子 ど も の 居 住 形 態 で は 、 4 年 後 も 子 どもと別に暮らしている対象者が「夫婦二人」と「一 人暮らし」を合わせて8割を超えていること。老 夫婦の子どもとの同居移行の割合は夫婦の生活状 況によって大きく異なり、夫婦のどちらかが欠け た 場 合 に 、 よ り 子 ど も と の 同 居 移 行 が 高 ま っ て い る こ と 。 し か も 、 妻 だ け が 残 さ れ る 場 合 よ り も 夫 だ け が 残 さ れ る 場 合 に 顕 著 に 同 居 移 行 が 高 ま っ て い た 。 老 夫 婦 の 生 活 の 変 化 と 転 居 の 有 無 に よ る 生

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活 の 差 に つ い て は 、 4 年 間 の 加 齢 に お い て も 、 老 夫婦は生活費や子どもとの交流頻度、近所づきあ い、親しい友人の有無など、ざまざまな生活条件 で 悪 化 が も た ら さ れ て い た 。 さ ら に 、 借 家 住 ま い の別居老人が転居した場合には、転居していない 持 家 の 老 人 と 比 べ 生 活 の 諸 側 面 に お け る 格 差 が 大 き く 、 不 利 な 条 件 の も と で の 生 活 を 強 い ら れ て い た。そのことから、住宅状況や転居の有無などの 条件によって老夫婦の社会生活が大きく規定され、 老年期の社会階層間格差が拡大していることが明 らかになった。 第8章は、大都市の自立している一人暮らし及 び夫婦のみの後期高齢者を対象にした5年間の追跡 研究の結果をまとめたものである。近年、「介護保 険 」 や 「 高 齢 者 の 医 療 制 度 」 が そ れ な り に 充 実 し て き た と は い え 、 精 神 的 な 不 安 の な い 生 活 を し て い く た め に は 、 子 ど も を 中 心 と し た 社 会 的 な ネ ッ ト ワ ー ク や サ ポ ー ト が 何 よ り も 重 要 で あ る 。 大 都 市圏に居住する高齢者に焦点をあて、子どもとの 間 で 具 体 的 に ど の よ う な 関 係 が 成 り 立 っ て い る の かを、大量調査と事例調査の両面から明らかにし た 。 居 住 形 態 の 変 化 に お い て は 、 配 偶 者 を 亡 く し た場合、男性が子ども世帯と同居する傾向がみら れ る 反 面 、 女 性 は 依 然 と し て 一 人 暮 ら し で 独 立 し た世帯を維持する傾向がみられ、老年後期の男や もめと、寡婦の場合の生活で性差があることが明 ら か に な っ た 。 つ い で 、 子 ど も と の 交 流 頻 度 、 す な わ ち ソ ー シ ャ ル ネ ッ ト ワ ー ク や 生 活 状 況 に つ い ては、①大量調査では加齢とともに子どもとの交 流 頻 度 が 低 下 し て お り 、 仮 説 と は 逆 に 高 齢 者 の 身 体 的 機 能 が 低 下 し て い る 者 ほ ど 子 ど も 側 か ら の 来 訪 が 少 な く な り 、 そ れ を メ ー ル や 電 話 で の や り 取 りで、補完・代替していることが明らかになった。 そ の 意 味 で 、 家 族 の 福 祉 的 機 能 の ひ と つ で あ る 精 神的(情緒的)サポートの重要性が増してきてい ることが浮き彫りになった。②追跡調査では、本 人及び子どもの経済的な生活力が乏しく、日常的 な生活にも支障や不安をかかえる場合には、子ど もからの精神的サポートが期待できない反面、逆 に経済的に恵まれたケースの場合では、親子内(義 理の嫁姑関係を含む)での日常的なコンフリクト が 介 在 し 、 緊 張 関 係 の 高 い 生 活 を 強 い ら れ て い る 博士学位請求論文要旨「高齢者家族の福祉社会学的研究」/奥山正司 ことが明らかになった。 第9章では、単身高齢者数と出現率がどのよう に変化しているのかを時系列及び年齢別に明らか にしたうえで、大都市単身高齢者の経済生活に焦 点 を あ て 、 そ の 基 礎 と な る 所 得 構 造 や 被 保 護 世 帯 と の 関 連 及 び 子 ど も の 家 族 支 援 と し て ど の よ う な サ ー ビ ス が 考 え ら れ る の か を 、 近 年 急 速 に 普 及 し ているIT技術による家族支援ネットワークに焦点 をあて、検討した。単身高齢者の社会経済的な生 活では、相対的にも絶対的にも低所得者層が多く を占め、被保護世帯の中でも単身高齢者が圧倒的 に多くを占めていた。単身高齢者と別居している 子 ど も 家 族 と の 接 触 頻 度 は 、 従 来 、 疎 遠 な 関 係 に あるといわれていたが、今日ではかなり多くなっ ていることが認められた。また、単身高齢者への 家族の支援サービスとしては、ITの普及等によ り、安否確認のサービスがひとつの有効な手段と して機能していることを確認することができた。 家族の包括的な支援から漏れた孤独な一人暮らし の 高 齢 者 に と っ て は 、 地 域 の ネ ッ ト ワ ー ク や 身 近 な自治体の積極的な対応が最後のセーフティネッ ト と な っ て い る こ と か ら 、 こ う し た 家 族 や 地 域 を 中 心 と し た ネ ッ ト ワ ー ク づ く り と そ の 態 勢 の 確 立 がことの外重要な課題であることが判明した。 なお、第4章の関連論文として、Farmers SuccessorsandthelmmigrationofFemaleAsian SpousesinRuralJapanを付論のかたちで付け加え た 。 そ れ は 、 農 村 の 社 会 経 済 的 な 地 位 が 大 都 市 と 比較して相対的に低下するなかで、農村女性の多 くが大都市地域へ流出するために、農家・農村の 一部未婚の男子後継者は年々高齢化し、日本人の 女性と結婚することが次第に困難になってきてお り、その代替としてアジア系外国人妻が増加して き て い る か ら で あ る 。 そ の 結 果 と し て 、 彼 女 ら を 担い手とする農村後継者の老親扶養や家族介護が 重 要 に な っ て き て い る 。 こ こ で は 、 そ の 分 析 の 理 論 的 枠 組 み を 提 示 す る と と も に 、 そ の 実 態 把 握 の ために農村における国際結婚が多くみられる山形 県最上郡を対象地域として、大量調査とケースス タディによりその問題の一端を明らかにした。

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東洋大学社会福祉研究第7号(2014年8月) 7 研 究 の 意 義 論 文 全 体 と し て は 、 高 齢 者 家 族 を 対 象 と し た 家 族 形 態 、 家 族 機 能 、 家 族 意 識 等 に 関 わ る 変 化 に つ いての縦断的研究及び横断的研究であった。こう した対象と方法がこの論文での最大の特徴であり、 意 義 で も あ る 。 し か も 、 大 都 市 地 域 の 高 齢 者 家 族 には、直系制家族から夫婦制家族へという理念と し て の モ デ ル 転 換 が 強 く み ら れ る こ と が 明 ら か に な っ た 。 た だ 、 そ の 一 方 で は 、 老 年 後 期 の 健 康 状 態 や 配 偶 者 の 有 無 な ど に よ っ て 、 そ の 理 念 が 必 ず しも浸透していないケースもみられ、直系制家族 から夫婦制家族への移行は必ずしも一貫している わけではない。 したがって、老年後期における高齢者の家族生 活 に は 、 事 例 に み ら れ た よ う な コ ン フ リ ク ト や 不 安定な生活が存在し、必ずしも安寧な生活を保証 す る も の と は な っ て い な か っ た 。 今 後 は 、 こ う し た 高 齢 者 家 族 に お け る 生 活 の 不 安 定 さ を い か に 打 開していくかが大きな課題である。そのためには、 社 会 階 層 、 性 差 、 住 ま い の あ り 方 等 の 視 点 を 含 め た数多くの事例を検討し、それに対する級密な対 応策を検討する必要がある。 最後に、各章の論文(付論を含む)は、筆者の こ れ ま で の 研 究 成 果 の 一 部 で あ る 。 そ の 発 表 時 期 は、2000年以前のものが4本、2000年代のものが5 本 で あ る 。 こ の 間 、 日 本 社 会 は 様 々 な 面 で 変 化 し てきたが、とりわけ、高齢者に関わる家族(形態、 機能、規範及び意識など)や社会福祉制度及びそ のサービスはドラステックな変貌を遂げている。 したがって、高齢者への福祉サービスは、2000 年を前後にして、20世紀までの高齢者家族の態様 と21世紀以降の高齢者個人の生活の態様によって 決 定 的 に 違 っ た 対 応 を 迫 ら れ る よ う に な っ て い く と考えられる。 こ れ ま で の 高 齢 者 家 族 へ の 政 府 の 対 応 は 、 ゴ ー ルドプランなど1990年前後から準備されてきたが、 そ れ は 、 高 齢 者 に 関 わ る 社 会 福 祉 の 制 度 的 な 枠 組 み を 抜 本 的 に 再 編 し よ う と し た 介 護 保 険 の 制 度 化 を め ざ す も の で あ っ た 。 ま た 、 社 会 福 祉 基 礎 構 造 改革においては、家族介護からはみ出た高齢者を、 高齢者個人が人としての尊厳をもって、家庭や地 域 の な か で 、 そ の 人 ら し い 安 心 の あ る 生 活 を 送 れ る よ う 自 立 を 支 援 す る こ と で あ る と さ れ て い る 。 さ ら に 、 そ の サ ー ビ ス の 利 用 方 式 は 、 措 置 制 度 か ら 事 業 者 と 利 用 者 の 契 約 に よ る 方 式 に 転 換 す る こ と を 提 唱 し た も の で あ る 。 こ れ は 、 長 年 の 救 貧 的 な 措 置 の 時 代 か ら 高 齢 者 本 人 及 び 家 族 が 自 己 決 定 で き る 契 約 の 社 会 へ と 移 行 し た 大 転 換 の 施 策 で も ある。 い ず れ に し て も 、 国 が 福 祉 国 家 と し て 高 齢 者 家 族に福祉サービスを導入し、高齢者の家族生活や 高齢者個人をいかに充実していくかは、今後のき め細かな対応にかかっている。 そ の 一 方 で 、 国 な ど の 公 的 な サ ー ビ ス で は 解 消 されない高齢者への精神的な支援体制を、子ども を 中 心 と し た 家 族 ・ 親 族 ネ ッ ト ワ ー ク に よ っ て い か に 充 実 し た も の に し て い く か が 大 き な 課 題 に なっていくであろう。 介 護 保 険 の 利 用 料 が 、 あ る 一 定 階 層 以 上 の 高 齢 者にとっては2割負担となるような今日の時期に、 高 齢 者 の 家 族 生 活 及 び 高 齢 者 個 人 の 生 活 と 安 寧 は どのようなかたちで実現可能であるのか、今後も さまざまな方面から考察して行きたいと考えてい る。 < 参 考 ・ 引 用 文 献 > AllenKR,BliesznerR,RobertoKA(2000), FamiliesintheMiddleandLaterYears;A ReviewandCritiqueofResearchinthel990s. ノbuma/of.jl""yagea"dif7eFEm",62:911-926 AnneS.Lee(1980),"AgedMigration"REsea"ho" Agmg,Vol.2 安藤孝敏・古谷野亘他(1995)「地域老人における 転居と転居後の適応」『老年社会科学』Vol.16, No.2,172-178 Antonucci,T、C(1990).SocialSupportsandSocial Relationships.InRHBinstock&L.K.George(Eds.), HandbookofAgingandtheSocialSciences(3rd ed.),AcademiPress.205-226 L.K・George(Eds.),HandbookofAgingandthe SocialSciences(3ced.,)AcademicPress、205-226 Babbie,E.(1986)ResearchDesign.InEarlBabbie, 〃ePIBc"reSbc/a/Reseaz℃方(fourthedition),

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ElderlyinJapanandKorea",6thAsia/Oceania

RegionalCongressofGerontology(June8-ll, 1999,Seoul,Korea 東京都老人総合研究所保健社会学部門(1994)『脳 血 管 疾 患 患 者 及 び 家 族 の 生 活 と 健 康 に 関 す る 縦 断的研究」(報告書) 東京都老人総合研究所社会福祉部門編(1996)『高 齢者の家族介護と介護サービスニーズ』光生館

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