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MALDI-TOF/MSを用いた非放射性レセプターアッセイ法の開発:新規アンジオテンシン類のAT1レセプター結合能の評価

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(1)

MALDI-TOF/MSを用いた非放射性レセプターアッセイ

法の開発:新規アンジオテンシン類のAT1レセプター

結合能の評価

著者

増田 拓朗

学位授与機関

Tohoku University

URL

http://hdl.handle.net/10097/56560

(2)

MALDI-TOF/MS を用いた非放射性レセプターアッセイ法の開発:

新規アンジオテンシン類の

AT1

レセプター結合能の評価

東北大学大学院薬学研究科生命薬科学専攻 臨床分析化学分野

(3)

略語 一覧

ACE: angiotensin converting enzyme Ang I: angiotensin I (アンジオテンシン I) Ang II : angiotensin II (アンジオテンシン II) Ang III: angiotensin III (アンジオテンシン III) Ang IV: angiotensin IV (アンジオテンシン IV) Ang (1-7): angiotensin (1-7) (アンジオテンシン(1-7)) Ang (1-9): angiotensin (1-9) (アンジオテンシン(1-9)) Ang A: angiotensin A (アンジオテンシン A)

Ang C: cyclized Ang P (アンジオテンシン C) Ang P: pyruvamide Ang II (アンジオテンシン P) ARB: AT1 receptor blocker

AT1: angiotensin II type 1

AT2: angiotensin II type 2

B/F: bound free

Bmax: maximum binding (最大結合量)

CAP: carboxy-peptidase (カルボキシペプチダーゼ)

CHCA: α-cyano-4-hydroxycinamic acid (α-シアノ-4 ヒドロキシ桂皮酸) CHO: Chinese hamster ovary

DHB: 2,5-dihydroxybenzoic acid (2,5-ジヒドロキシ安息香酸) ESI: electrospray ionization (エレクトロスプレーイオン化) GABA: γ-aminobutyric acid

Ile: isoleucine (イソロイシン) IS: internal standard (内標準物質)

(4)

Kd: dissociation constant (解離定数)

Ki: inhibition constant (阻害定数)

LC: liquid chromatography (液体クロマトグラフィー)

MALDI: matrix-assisted laser desorption ionization (マトリクス支援レーザ ー脱離イオン化)

MS: mass spectrometry (質量分析法)

MS/MS: tandem mass spectrometry (タンデム質量分析法) NEP: neutral endopeptidase (中性エンドペプチダーセ) ONE: 4-oxo-2(E)–nonenal

Pro: proline (プロリン)

RAS: renin angiotensin system (レニン・アンジオテンシン系) RRA: radio receptor assay (ラジオレセプターアッセイ)

Tris: tris(hydroxymethyl)aminomethane (トリスヒドロキシメチルアミノメ タン)

Tyr: tyrosine (チロシン) Sar: sarcosine (サルコシン)

S/N: signal-to-noise ratio (シグナルノイズ比)

SELDI: surface-enhanced laser desorption ionization (表面増強レーザー脱離 イオン化)

TFA: trifluoroacetic acid (トリフルオロ酢酸) TOF: time-of-flight (飛行時間型)

(5)

序論 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 第一章 MALDI-TOF/MS による Ang II 検出系の最適化 第一節 目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6 第二節 実験結果及び考察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 第二章 同位体希釈法によるAng II の定量 第一節 目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 第二節 実験結果及び考察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12 第三章 AT1レセプターアッセイの洗浄条件最適化とバリデーション 第一節 目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15 第二節 実験結果及び考察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16 第四章 飽和法によるAng II の AT1レセプター結合能の測定 第一節 目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18 第二節 実験結果及び考察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20 第五章 競合法による各Ang 類の結合能の測定 第一節 目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 第二節 実験結果及び考察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26 結語 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31

(6)

謝辞 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32

実験の部 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33

(7)

- 1 - 序論 レニン・アンジオテンシン系(RAS, Fig. 1)は生体内での水電解質1)、心臓血管 系と腎臓での血圧調節に重要な役割を持つ1, 2)RAS の生理活性の大部分はアン ジオテンシン(Ang)Ⅱというペプチドにより発現される。この Ang II はプリカ ーサーであるアンジオテンシノーゲンがレニンにより切断され、さらに

angiotensin-converting enzyme (ACE)により切断されることで産生される3, 4)

Ang II は心臓、脳、腎臓、すい臓等で働き5, 6)、その生理活性は主に2つのレセ

プターであるAng II type 1(AT1)及び type 2 (AT2)レセプターにより発現される

2)。これら2つのレセプターは主に細胞膜上に発現している。AT1レセプターは 7回膜貫通型の受容体で、ホスホリパーゼC とカルシウムイオンにより活性化 されるGq共役型の受容体である7, 8)。AT1レセプターは、副腎皮質、脳下垂体、 心臓を介して、各々、アルドステロンによる血管収縮、バソプレシンによる水 分再吸収促進、心筋細胞肥大等を惹起し、最終的に血圧上昇をもたらす5, 6, 9) 一方、新生児で多く発現するAT2レセプターの生理機能は、未だ不明な部分が

多い。このものは心血管系を介して、NO 産生、Nuclear Factor κB 阻害、心筋

肥大阻害等をもたらし、血管拡張、抗炎症作用等を通して、AT1レセプターの作

用と拮抗する事も示唆されている10-14)。これらレセプターを対象にした医薬品

としてAT1レセプター阻害剤 (AT1 receptor blockers, ARBs)があり、高血圧や

慢性心疾患、脳卒中、糖尿病性ネフローゼ等の心血管系疾患の治療薬として広

く用いられている15)。このARBs のスクリーニングには、候補となるリガンド

のレセプターへの結合能を測定するレセプターアッセイが不可欠である。また、 薬物動態学や薬物遺伝学の観点で、様々なアンタゴニストを比較する際にも有

用な手段である。さらにレセプターアッセイはAng (1-7)や Ang A 等の新規 Ang

(8)

- 2 - ーの機能研究や20, 21)、新規リガンドの同定には21, 22)、主に放射性同位体を用い たラジオレセプターアッセイ (RRA)が行われている。RRA では放射性元素で標 識したリガンドとレセプターを発現させた細胞や細胞膜等をインキュベーショ ンし、未結合のリガンドを洗浄後、放射活性を測定する (Fig. 2)。RRA は感度、 選択性の点から、広く用いられているが、適切な標識体選択の困難さ、放射性 廃棄物等が問題となる23)。これまでに放射性同位体を用いない方法としては、 蛍光物質を用いたものが検討されている23, 24)。しかし、これらの方法はレセプ ターかリガンドを蛍光物質で標識する必要があり、リガンドの結合能に影響を 与えると考えられる。一方近年、感度選択性に優れる質量分析法 (mass spectrometry, MS)による試みも行われている。MS を用いたレセプターアッセ イの報告としては、液体クロマトグラフィー(LC)/MS を用いたドパミン、セロ トニン、ニューロキノン受容体25)、LC/タンデム MS (MS/MS)を用いたベンゾ

ジアゼピン受容体26)、γ-aminobutyric acid (GABA)-A 受容体27)の報告がある。

RAS の生理活性を MS で測定した報告は、表面増強レーザー脱離イオン化 (SELDI)-飛行時間型(TOF)/MS を用いて ACE 1、ACE 2 活性を測定した報告が

あるものの28, 29)、AT1レセプター結合能をMS により測定した報告はない。そ

こで本研究では、マトリクス支援脱離レーザーイオン化 (MALDI)-TOF/MS を 用いた非放射性レセプターアッセイ法の開発を目的とした(Fig. 3)。第一章では

マトリクスやプレートの検討により、Ang II の高感度な測定条件を最適化した。

第二章では安定同位元素標識体を内標準物質 (internal standard, IS)に採用し、

定量性の確認を行った。第三章ではレセプターアッセイの洗浄条件の検討とZ’

値によるバリデーションを行った30)。第四章では飽和法により最大結合量や解

離定数を測定した。第五章では競合法により、各リガンドの阻害定数を測定し た。

(9)

- 3 - AT1レセプター: 血管収縮・血圧上昇作用 AT2レセプター: 血管拡張・抗炎症作用 RAS経路

Ang I

angiotensinogen renin

Ang II

ACE 副腎皮質 アルドステロン 合成促進 血管収縮・ナトリウム 再吸収促進 バソプレシン 分泌促進 水分再吸収促進 心筋細胞肥大 脳下垂体 心臓 NO産生促進 血管 Nuclear Factor κB阻害 抗炎症作用 血管拡張 心筋細胞 肥大阻害 心臓

Fig. 1 RASとAT

1

, AT

2

レセプターとの関係

血管

(10)

- 4 - R ・感度が高い ・参考データが多い ・放射性標識体の合成が必要・標識体と非標識体の結合能に差 ・放射性同位体の取り扱いが困難 利点 欠点 Radiolabeled ligand R Unlabeled ligand 結合・洗浄・分離 Receptor 放射性標識体を検出

Fig. 2 放射性同位体レセプターアッセイ法

(11)

- 5 - ・非標識リガンドとレセプターの結合を直接測定可能 ・簡便、標識体の合成が不要 MSにより直接検出 Receptor 結合・洗浄・分離 Unlabeled ligand Unlabeled ligand

Fig. 3 MSを用いたレセプターアッセイ法

(12)

- 6 - 第一章 MALDI-TOF/MS による Ang II 検出系の最適化 第一節 目的 近年、MADLI やエレクトロスプレーイオン化 (ESI)などのソフトなイオン化 法の開発に伴い、MS はペプチドやタンパク質等の生体高分子の強力な分析ツー ルとなった。とりわけ、MALDI-TOF/MS は迅速な測定が可能なことからタン パク質分析だけでなく酵素活性の測定等にも利用されている28, 29) MALDI-TOF/MS の検出感度はマトリクスの種類や使用する MALDI プレート によって、大きく左右される31-33)。そこでまず、MALDI-TOF/MS による Ang II の高感度分析を達成するため、ペプチド・タンパク質分析に汎用されるα-シア ノ-4 ヒドロキシ桂皮酸 (CHCA)と 2,5-ジヒドロキシ安息香酸 (DHB)を検討し た (Fig. 4)。また、マトリクス決定後のさらなる高感度化を目的にサンプルプレ ートの形状も検討した。ちなみにプレートによる高感度化の一例として、μFocus plate を糖ペプチド測定に応用し、汎用されるステンレスプレートの 1.5-2.5 倍 の検出感度を得た報告がある31)。このプレートは、外側を疎水性膜で、中心を 親水性膜で被覆した特徴を持ち、サンプル液滴は、プレートの中心に濃縮され、 これにより感度の改善が可能となる (Fig. 5)。そこで、この μFocus plate を用 いた検討も併せて行った。

(13)

- 7 -

Fig. 4 マトリクスの構造

B

A

(A) CHCA(α-シアノ-4-ヒドロキシ桂皮酸)

(B) DHB(2,5-ジヒドロキシ安息香酸)

(14)

- 8 -

A

B

3 mm

乾燥

0.7 mm

疎水性膜

乾燥

Fig. 5 μFocus plate濃縮の原理

(A) ステンレスプレート上のマトリクス乾燥

(B)

μFocus plate上のマトリクス乾燥

(C) ステンレスプレート上のサンプルスポット

(D) μFocus plate上のサンプルスポット

(15)

- 9 - 第二節 実験結果及び考察

CHCA をマトリクスに用いた場合 25 fmol/spot でシグナルノイズ比

(S/N)=43.6 に比較し、DHB では 2.5 fmol/spot で S/N=126 と検出限界 (S/N=5)

で2.9 fmol/spot から 0.1 fmol/spot と大きく改善された (Figs. 6A, 6B)。μForcus

plate を用いた場合はさらに感度が改善され、250 amol/spot (S/N=47.2、検出限

界26 amol/spot)までの検出が可能であった (Fig. 6C)。今回用いた μFocus plate

のスポットサイズは約0.7 mm であり、汎用されるステンレスプレート (約 3 mm)と比べて濃縮率は約 18 倍程度である (Fig. 5)。ちなみにマトリクス濃度 が薄いと考えられるサンプルスポットの外側で高感度が得られたという報告31) があるため、μFocus plate では、その濃縮効果も考慮しマトリクス濃度を 10 倍 希釈して行った。次章以降は最も高感度な結果だったDHB と μFocus plate の 組み合わせを用いて実験を行った。

(16)

- 10 -

Fig. 6 検出限界の検討

0 50 100 0 50 100 1044 1052 1060 0 50 100 9.5E3 (S/N=527) 250 fmol/spot Ang II 1046.5 1046.6 1.0E3 (S/N=43.6) 25 fmol/spot 2.8E2 2.5 fmol/spot

A

re la ti v e i n te n s it y ( % ) m/z 4.0E4 (S/N=7035) 25 fmol/spot 5.9E3 (S/N=918) 2.5 fmol/spot 7.0E2 (S/N=81.6) 250 amol/spot 4.1E2 (S/N=47.2) 25 amol/spot Ang II 1046.2 1046.2 1046.2 1046.3 1.4E2 2.5 amol/spot 0 50 100 0 50 100 0 50 100 0 50 100 0 50 100 1044 1052 1060 re la ti v e i n te ns it y ( % ) m/z

C

2.4E4 (S/N=2828) 250 fmol/spot 8.5E3 (S/N=958) 25 fmol/spot 9.8E2 (S/N=133) 2.5 fmol/spot 2.8E2 (S/N=126) 250 amol/spot 3.9E1 25 amol/spot Ang II 1046.6 1046.6 1046.5 1046.5 0 50 100 0 50 100 0 50 100 0 50 100 0 50 100 1044 1052 1060 re la ti v e i n te ns it y ( % ) m/z

B

測定条件

装置, Voyager-DE STR (Applied Biosystems);

正イオン検出; リフレクトロンモード;

加速電圧, 20 kV; grid voltage: 64%;

測定範囲, m/z 500-2000;

ショット数, 100

Ang II 2.5 amol-250 fmol/spotのマススペクトル

(A) 飽和CHCA+ステンレスプレート

(B) 150 mM DHB+ステンレスプレート

(C) 15 mM

DHB+μFocus plate

(17)

- 11 - 第二章 安定同位体希釈法によるAng II の定量 第一節 目的 MS を定量分析の手段として用いる際、濃度あるいは絶対量とピーク強度が 必ずしも一致しない場合が多い。例えば、MALDI-TOF/MS の場合、同じサン プルスポット上でもマトリクスの結晶系の違いやスイートスポットの存在によ り大きく異なる。そのため MS による定量分析では、IS、とりわけ安定同位元 素標識体との組み合わせが必要である。MS における安定同位元素標識体の利用 は、IS として、操作中のサンプルの回収率・分解等を補正するのみならず、微 量の測定対象のキャリアとしても働き、定量精度を著しく改善する。そのため バイオマーカー探索、メタボロミクス、プロテオミクス等の研究で汎用されて いる34, 35)。とりわけMALDI-TOF/MS ではサンプルの結晶化のみならず、分離 分析との組み合わせが困難なことから、不純物によるイオン化抑制など、ピー ク強度に影響を与える要因は多い。それ故、物理化学的性質が同等である安定 同位標識体を用いた同位体希釈MALDI-TOF/MS は数多く報告されている36, 37) 一方、安定同位体をIS として用いる場合、天然同位体の影響を考える必要があ る。Ang II の天然同位体存在比は、その組成式 C50H71N13O12より、M:M+1: M+2:M+3:M+4:M+5:M+6 = 100:61.6:21.1:5.2:1.0:0.17:0.024 であり、幅広い濃度範囲で検量線を作成するには、少なくとも+5 以上の質量差 及び十分な同位体純度が IS に要求される。そこで本研究では IS として[13C5, 15N1-Pro7]-Ang II を採用し、次章以降のレセプターアッセイに使用する安定同 位体希釈法によるAng II の検量線を作成した。

(18)

- 12 - 第二節 実験結果及び考察

まず、IS の同位体純度を確認したところ、非標識 Ang II のモノアイソトピッ

ク質量 (m/z 1046.5, M+H)における混入率は 500 分の1以下であり、IS として 十分な純度を有していることが明らかとなった (Fig. 7A) 。一方、Ang II の同 位体ピーク (M+6)が IS のモノアイソトピックピークに重複する比率は 0.1%以 下であり、検量線の高濃度範囲においても影響を与えない事を確認した。Ang II とIS のモノアイソトピック質量のピーク面積比を Ang II 濃度に対してプロッ トし、検量線とした。定量範囲は0.5-20 fmol/spot であった (Fig. 8)。また逆回 帰計算によって求めた各点の相対誤差はすべての濃度で15%以内であった。こ の検量線を用いて、次章以降のAng II のレセプターの結合量を定量した。

(19)

- 13 -

Fig. 7 非標識Ang II及び [

13

C

5

,

15

N

1

]-Ang II

Fig. 7

のMALDI-TOF/MSスペクトル

測定条件

装置, Voyager-DE STR (Applied Biosystems);

正イオン検出, リフレクトロンモード;

加速電圧, 20 kV, grid voltage: 64%;

測定範囲, m/z 500-2000, マトリクス: DHB;

ショット数, 100

1.9 E4 0 50 100 1054.5 1048.5 1046.5 1052.5 1047.5 1053.5 1044 1052 m/z 1060 Ang II [13C5,15N1]-Ang II A

Ang IIとISのマススペクトル

(A) [

13

C

5

,

15

N

1

]-Ang II 250 fmol/spot

(B) Ang II 250 fmol/spot, [

13

C

5

,

15

N

1

]- Ang II 250 fmol/spot

7.6 E3 0 50 100 1052.5 1053.5 1054.5 B

re

la

ti

v

e

i

n

te

n

s

it

y

(

%

)

(20)

- 14 -

Fig. 8 Ang II検量線の作成

1040 1050 1060 1070 1080 0 0 0 100 50 0 5.9E3 20 fmol/spot Ang II 1046.5 4.6E3 10 fmol/spot 9.6E3 5 fmol/spot

re

la

tiv

e

in

te

n

s

it

y

(

%

)

m/z 8.7E3 2 fmol/spot [13C5,15N1]-Ang II 1052.5

A

B

y = 0.0502x + 0.0041 R² = 0.998

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

0

10

20

30

Ang II (fmol/spot)

Ang II濃度

(fmol/spot)

相対誤差(%)

0.5

-2.2

1.0

1.8

2.0

5.6

5.0

-1.4

10

0.57

20

-3.4

C

(A) 検量線試料のマススペクトル

(Ang II, 2-20 fmol/spot; IS, 25 fmol/spot)

(B) 検量線

条件 , 原点を含めない, 重み付け1/X

2

, n=4;

(C) 検量線の各濃度の相対誤差

m

o

n

o

is

o

to

p

ic

p

e

a

k

a

re

a

r

a

tio

(A

n

g

II

/[

13

C

5

,

15

N

1

]-A

n

g

II)

100 50 100 50 100 50

(21)

- 15 - 第三章 AT1レセプターアッセイの最適化とバリデーション 第一節 目的 放射性レセプターアッセイにおいてレセプターとリガンドとのインキュベー ション後に、レセプターに結合したリガンドと、未結合のリガンドとの分離 (B/F 分離)が必要である。非放射性レセプターアッセイでも B/F 分離が必要であ り、これが不十分であると未結合のAng II が非特異的結合として検出され、見 た目の結合量が大きくなる。今回レセプターアッセイのインキュベーションと

ろ過に用いたMultiScreen-FC plate (96-well)は底面にガラスフィルターが付い

ている。そのため、吸引・洗浄する事で、レセプターに結合したAng II はフィ ルター上に残り、未結合のAng II は取り除かれ、容易に B/F 分離が可能である。 そこでまず、本プレートを用いた際の洗浄条件を検討し、洗浄回数と洗浄液中 の残存Ang II の関係を精査した。また、最適化した洗浄条件を用い、Z’値を用 いたバリデーションを行った30)。この値は1-3(最大結合量の SD+最小結合量の SD)/(最大結合量の平均-最小結合量の平均)で計算される。アッセイ条件の最適 化、アッセイ精度を測定する指標であり、0.5 以上でそのアッセイが十分な精度 と判定される。

(22)

- 16 - 第二節 実験結果及び考察

次章の飽和法で使用する最も高濃度 (25 nM)の Ang II を用い、インキュベー

ション後の洗浄液中の残存Ang II 量を求めたところ、1回目、2回目、3回目

でそれぞれ8.98, 1,46, 0.55 fmol/spot であった。本法の Ang II の定量限界は 0.5

fmol/spot であり (Fig. 8)、4回目以降はこれを下回った。また 12.5 nM の Ang II とインキュベーションした場合はそれぞれ 4.77, 0.76 fmol/spot であり、3 回 目以降は定量限界を下回った (Fig. 9)。以上の結果、今後の更なる高感度化も考

え、洗浄回数を10 回に設定した。本条件におけるバリデーション結果は、3 回

の実験の平均でZ’値が 0.64 であった。Z’値は 0.5 以上で高い精度で定量できる

(23)

- 17 -

Fig. 9 洗浄回数の検討

0

2

4

6

8

10

0

5

10

A

n

g

II

(

fm

o

l/

s

p

o

t)

洗浄回数

12.5 nM

25 nM

各洗浄回数(1-10回)に含まれるAng II量

(24)

- 18 - 第四章 飽和法によるAng II の AT1レセプター結合能の検討 第一節 目的 リガンドの受容体に対する結合能は、結合の強さの指標である解離定数 (Kd) とレセプターの結合容量の指標である最大結合 (Bmax)により評価される。そこ でまず、用いるレセプターを評価するため、飽和法によりKdやBmaxを求める 事にした (Fig. 10)。これまでの報告されている Ang II の飽和法は放射性同位体 を用いたRRA であり、放射性標識体の[3H]-Ang II, [125I]-Ang II, [125I]-[Sar1,

Ile8]-Ang II 41, 42, 18)等を用いており、Ang II そのもののKdBmaxの報告例は

ない。そこで、本法を用いAng II のKdやBmaxを求めると共に、RRA により報

(25)

- 19 -

Incubate

27℃, 1 hr

Vacuum

MALDI-TOF/MS

Add IS

Evaporate

ZipTip

50% methanol

Incubate

27℃, 1.5 hr

Receptor

Ang II

Wash

Fig. 10 飽和法の概要

(26)

- 20 - 第二節 実験結果及び考察 一般に標識体を用いたレセプターアッセイの飽和法では、全結合量から非特 異的結合量を引くことで特異的結合量を求める。本法でも、多量のリガンドを 加えた場合や、洗浄が不十分な場合には非特異的結合が得られた。本法をレセ プターを加えないで行った場合、非特異的結合量は検出限界以下である事を確 認した。次いで、一定量のAT1レセプターに対し濃度を変えたAng II (0.78-25 fmol/spot)とをインキュベーションし、Ang II の結合量と添加濃度の関係をプロ ットすると、典型的な飽和曲線が得られ (Fig. 11)、Kdは0.96 nM であることが 明らかとなった (Table. 1)。Ang II のKdは報告がないが、放射性同位元素標識

されたAng II 類 [3H]-Ang II , [125I]-Ang II, [125I]-[Sar1, Ile8]-Ang II 41, 42, 18)

の報告がある。[125I]-Ang II は分子量 125 のヨウ素が Tyr4に結合しており、物 性が変わると考えられるが、Kiは0.7 と近い値だった42)。一方、[125I]-[Sar1, Ile8]-Ang II により求めたKd0.2 nM であり、構造が著しく異なるため、低い 値を示した18)。本実験によるAng II と[3H]-Ang II のKd値 (0.9-1.7 nM)とはほ ぼ一致している41)[3H]-Ang II は Ang II の水素を3H に置換している化合物で あるため、物理的性質がほぼ一致し、レセプターへの親和性も一致しているか らであると考えられる。ちなみに本実験で求めたAng II の AT1レセプターへの

(27)

- 21 -

Fig. 11 飽和法による解離定数の測定

Ang II (nM)

b

in

d

in

g

(

p

m

o

l/

m

g

p

ro

te

in

)

AT

1

レセプターの飽和法

(K

d

Ang II= 0.96 nM, B

max

= 10 pmol/mg/protein)

0

10

20

30

0

5

10

15

(28)

- 22 -

Table 1 B

max

, K

d

, K

i

の実験値

と文献値の比較

実験値

文献値

飽和法

B

max

(Ang II)

10 pmol/mg protein

3.3

a

pmol/mg protein

K

d

(Ang II)

0.96 nM

0.9-1.7

b

nM

38)

0.7

c

nM

39)

0.23

d

nM

18)

競合法

K

i

(Losartan)

19 nM

5~20 nM

40)

K

i

(Ang A)

0.96 nM

1.6 nM

39)

K

i

(Ang 1-7)

7.6 nM

8.1 nM

18)

K

i

(Ang P)

42 nM

K

i

(Ang C)

2600 nM

(a) [

125

I]-[sal

1

, Ile

8

]-Ang II のAT

1

レセプターへの最大結合量

(b) [

3

H]-Ang IIのK

d

(c) [

125

I]-Ang IIのK

d

(d) [

125

I]-[sal

1

, Ile

8

]-Ang II のK

d

(29)

- 23 - 第五章 競合法による各Ang 類の結合能の検討 第一節 目的 新規化合物のリガンドとしての評価は、通常競合法が用いられる。RRA にお ける競合法では、一定量の放射性同位元素標識リガンドと各濃度の測定対象と をレセプター上で競合させ、レセプター上の放射活性により、阻害能の指標と なる阻害定数 (Ki)を求める。そこで今回、前章までの条件を用い、放射性同位 体を用いない競合法の開発を企てた (Fig. 12)。また、アッセイ法を評価する目

的で、代表的ARB である losartan を用いた。更に、Ang II 類似ペプチドモデ

ルとして既知のAng A 及び Ang (1-7)、先に当研究室で見出した新規酸化修飾

Ang II である、pyruvamide Ang II (Ang P)と cyclized Ang P (Ang C)の測定を 行った (Fig. 13)。

(30)

- 24 -

Receptor

Ang II

Competitior

Incubate

27℃, 1 hr

Wash

Vacuum

MALDI-TOF/MS

Add IS

Evaporate

ZipTip

50 % methanol

Incubate

27℃ 1.5hr

Fig. 12 競合法の概要

(31)

- 25 -

Fig. 13 各リガンドの構造

Ang II Ang (1–7) Ang P Ang C losartan Ang A

レセプターアッセイに使用したリガンドの構造

(32)

- 26 - 第二節 実験結果及び考察 結合したAng II 量を加えた losartan 濃度に対してプロットすると、典型的な シグモイド型の競合曲線が得られた (Fig. 14)。このグラフからKiを算出すると 19 nM であった。この値は文献値39) (5-20 nM)とほぼ一致しており、本法の妥 当性が示された。次いで各種Ang II 類 (Fig. 13)も同様に検討した結果、いず れも典型的な競合曲線が得られた (Fig. 15)。ちなみに、今回用いた Ang (1-7)

は既知のRAS 活性がある Ang 様ペプチドで、Ang II が中性エンドペプチダー

セ(NEP)、または Ang I がカルボキシペプチダーゼ (CAP)により切断され、Ang

(1-9)を介してさらに NEP で切断されることで産生される (Fig. 16)16)。Ang

(1-7)は腎臓で産生され、腎機能に影響を与えるという報告がある38)。Ang (1-7)

のKi値は[Sar1, Ile8]-Ang II と Ang II との実験によると 8.0 nM で本実験の結

果の7.6 nM とほぼ一致している (Fig. 15 A●)。Ang A はヒト血漿中から新たに

発見されたペプチドで、高い血圧上昇作用があり、末期的な腎障害患者では濃

度が高い17)AT1レセプターの非常に強いアゴニストで、Ang A は生体内で Ang

II の Asp1の脱カルボニル化により産生され、また高い親和性を持つ (Ki= 0.96

nM)という報告がある18)Ang A の競合曲線 (Fig. 15A▲)から、阻害定数は 1.6

nM であり、これもほぼ一致した。以上、既知の Ang 関連ペプチドについても

Kiがほぼ一致し、本法の妥当性が示された。そこで、本研究室で見出した新規

酸化修飾Ang II にも検討を加えた。その結果、Ang P は Ang II よりも結合能

が低く (Ki=42 nM) (Fig. 15B●)、また、Ang C は本研究で測定した Ang 類中

で最も結合能が低い (Ki=2600 nM)ことを明らかにした (Fig. 15B▲) (Table

1)。Ang P と Ang C は、生理的酸化条件 (CuII/アスコルビン酸)で Ang II から

高収率で得られ、特にAng P は脂質過酸化物由来の 4-oxo-2(E)-nonenal (ONE)

(33)

- 27 -

末端を修飾する事により、AT1レセプターへの親和性を弱め、心血管機能に影響

(34)

- 28 -

Fig. 14 競合法による阻害定数の

Fig. 14

測定(Losartan)

Losartanの競合曲線(K

i

=19 nM )

ra

te

o

f

m

a

x

im

u

m

b

in

d

in

g

log (Losartan, M)

-14

-12

-10

-8

-6

-4

0.0

0.5

1.0

1.5

(35)

- 29 -

Fig. 15 競合法による阻害定数

の測定 (Ang 類)

A

B

(A) 競合曲線 Ang(1-7)(K

i

=7.6 nM), Ang A (K

i

= 0.96 nM)

(B) 競合曲線 Ang P (K

i

=42 nM), Ang C(K

i

=2600 nM)

ra

te

o

f

m

a

x

im

u

m

b

in

d

in

g

ra

te

o

f

m

a

x

im

u

m

b

in

d

in

g

log (ligand, M)

-14

-12

-10

-8

-6

-4

0.0

0.5

1.0

1.5

Anc P

Ang C

log (ligand, M)

-14

-12

-10

-8

-6

-4

0.0

0.5

1.0

1.5

Ang (1-7)

Ang A

(36)

- 30 -

Ang I

Ang A

Ang (1-9)

Ang (1-7)

Ang II

angiotensinogen

ACE

renin

Cu

II

/アスコルビン酸

or

ONE

ACE-2

NEP

NEP

ACE

ACE-2

ACE-2

CAP

脱炭酸

Ang P

Ang C

Cu

II

/

アスコルビン酸

ACE, angiotensin converting enzyme;

ACE-2, angiotensin converting enzyme 2;

CAP, carboxy-peptidase;

NEP, neutral endopeptidase;

ONE, 4-oxo-2(E)-nonenal

(37)

- 31 - 結語 今回、MALDI-TOF/MS によりリガンドを直接測定する事で、放射性同位元 素標識や蛍光標識を用いない新規レセプターアッセイ法を開発した。また、 MALDI-TOF/MS による定量法は、安定同位元素標識した IS を用いる事により、 Z’値は 0.6 高い信頼性をえる事が出来た。また既知の Ang 類や ARB の報告され ている値と矛盾が無く、本法の妥当性が示された。更に、未修飾 Ang II の Kd

及びBmaxを明らかにすると共に、新規Ang 類である Ang C, Ang P のKiを明ら

かにした。またAng C, Ang P の結果から、Ang II の N 末端修飾が AT1レセプ

タ ー へ の 結 合 能 を 大 き く 低 下 さ せ る こ と も 明 ら か に し た 。 今 回 の MALDI-TOF/MS によるレセプターアッセイ法の試みは、RAS の他のレセプタ ーにも応用可能であり、本法が創薬における各種レセプターのアゴニストやア ンタゴニスト探索等に応用されることが期待される。

(38)

- 32 - 謝辞 本研究を推進するにあたり、終始御懇篤な御指導御鞭撻を賜りました東北大 学大学院薬学研究科臨床分析化学分野教授 大江知行先生に謹んで感謝申し上 げます。 本論文に対し、有益な御助言を賜りました東北大学大学院薬学研究科がん化 学療法薬学分野教授 富岡佳久先生に深くお礼申し上げます。 また、本研究に際し御指導御協力を賜りました東北大学大学院薬学研究科臨 床分析化学分野講師 後藤貴章先生、同助教 李宣和先生に深く感謝申し上げま す。 さらに、MALDI-TOF/MS による分析に際し、御協力を賜りました東北大学 医学系研究科医学研究支援センター共通機器管理室の皆様に厚くお礼申し上げ ます。 最後に、終始支えていただきました東北大学大学院薬学研究科 臨床分析化学 分野の同窓の皆様に、心からの感謝とお礼を申し上げます。

(39)

- 33 - 実験の部

実験材料 試薬

ヒトAT1レセプターはAT1レセプターを高発現させたCHO-K1 細胞を使用し、

PerkinElmer (Waltham, MA, USA)より購入した。ヒト Ang II (DRVYIHPF)、 Ang I (DRVYIHPFHL)、Ang (1-7) (DRVYIHP)、Ang III (RVYIHPF)、Ang IV

(VYIHPF)はペプチド研究所 (大阪、日本)より購入した。[13C5, 15N1-Pro7]-Ang II

はスクラム (東京、日本)より購入した。DHB と losartan は東京化成工業より 購入した (東京、日本)。メタノール、塩化マグネシウム六水和物、リン酸はナ カライテスク(京都、日本)より購入した。水は、Millipore Co. (Billerica, MA, USA)の Milli-Q Integral Water Purification System で精製したものを用い

た。LC グレードのアセトニトリルは関東化学 (東京、日本)より購入した。CHCA、

TFA、Tris-HCl は和光純薬工業 (大阪、日本)より購入した。

装置

μFocus MALDI plate は HUDSON Surface Technology, Inc. (Fort Lee, NJ, USA) よ り 購 入 し た 。 MALDI-TOF/MS 装 置 は 、 Applied Biosystems (Framingham, MA, USA)社製の Voyager DE-STR を用い、データ処理は、同

社製の Data Explorer (Ver. 4.0)により行った。MultiScreen-HTS vacuum

manifold と MultiScreen=HTS FC opaque filtration Plate (1.2 μm glass fiber type C filtration plates)と 96-well collection plate と ZipTip C18はMillipore Co.

(Billerica, MA, USA)より購入した。μFocus MALDI plate は HUDSON Surface Technology, Inc. (Fort Lee, NJ, USA)より購入した。

(40)

- 34 - 実験方法 CHCA 及び DHB の検出限界の検討 マトリクスとして飽和CHCA 溶液 (水/アセトニトリル/TFA=50:50:0.1、v/v/v) または 150 mM DHB 溶液 (水/アセトニトリル/リン酸=50:50:1、v/v/v)0.5 μL と、各濃度 (0.5-500 fmol/μL)の Ang II を 0.5 μL とをステンレスプレート上で 混合し、デシケーター中で乾燥させた。これを MALDI-TOF/MS に付し、S/N を比較した。 μFocus plate の検出限界の検討 15 mM DHB 溶液 (水/アセトニトリル/リン酸=50:50:1、v/v/v) 0.5 μL と各濃 度 (0.05-50 fmol/μL)の Ang II を 0.5 μL とを μFocus plate 上で混合し、デシケ

ーター中で乾燥させた。これをMALDI-TOF/MS に付し、S/N を比較した。

MALDI-TOF/MS による測定

測定は正イオンモードで行い、リフレクターモードで accelerating voltage,

20 kV; grid voltage, 64%; extraction delay time, 100 nsec; low mass gate, 500 Da ; mass range, m/z 500-1500, ショット数 100 回に設定した。Calibration は、 標準物質としてAng IV (m/z 775.37, [M+H]+)、 Ang III (m/z 931.52, [M+H]+),

Ang I (m/z 1296.68, [M+H]+)を外部標準に行った。

Ang II と[13C5, 15N1-Pro7]-Ang II ピークの確認

[13C5, 15N1-Pro7]-Ang II 溶液 (500 nM、水/アセトニトリル=95:5、v/v)、及

びAng II、[13C5, 15N1-Pro7]-Ang II 混液 (各 500 nM、水/アセトニトリル=95:5、

(41)

- 35 - 検量線の作成

各濃度のAng II 溶液 (1.0-40 nM、水/アセトニトリル=95:5、v/v)を調製し、

この溶液 10 μL に 25 nM [13C5, 15N1-Pro7]-Ang II 溶液 (水/アセトニトリル

=95:5、v/v)を 10 μL 加えた。これを ZipTip C18による脱塩後、MALDI-TOF/MS

に付した。Ang II と[13C5, 15N1-Pro7]-Ang II とのピークエリア比を Ang II 濃度

に対してプロットし、最小二乗法により検量線を作成した。原点は含めず、重

み付けは1/X2で行った。

洗浄液中に含まれるAng II 量の検討

Multiscreen-HTS FC filtration plate を氷冷した wash buffer (50 mM Tris-HCl, pH 7.4)200 µL で 2 回洗浄した。5.6 μg/150 μL の AT1 レセプター懸 濁液 (assay buffer: 50 mM Tris-HCl, 5 mM MgCl2 pH 7.4) 150 μL と 50 μL

の最終濃度12.5, 25 nM Ang II 溶液 (assay buffer)を 27℃で 1 時間 1 インキ

ュベーションし、これを吸引した。氷冷したwash buffer 200 μL で洗浄し、 10 回目までの洗浄液にそれぞれ 25 nM の[13C5, 15N1-Pro7]-Ang II 溶液 (水/ア セトニトリル=95:5、v/v)を 10 μL 加え、窒素により蒸発させ、20 μL の水アセ トニトリル混液 (水/アセトニトリル=95:5、v/v)で再溶解後、ZipTip C18により 脱塩し、MALDI-TOF/MS に付し Ang II を定量した。 レセプターアッセイのバリデーション

Multiscreen-HTS FC filtration plate を氷冷した wash buffer で 200 µL で 2

回洗浄した。最終濃度0.78, 25 nM の Ang II 溶液 (assay buffer)25 μL と 5.6 μg

protein/150 μL の AT1レセプター懸濁液 (assay buffer)150 μL とを 27℃で 1

時間インキュベーションし、これを吸引した。氷冷したwash buffer で 10 回洗

(42)

- 36 - 1.5 時間インキュベーションし、吸引した。50 nM の[13C5, 15N1-Pro7]-Ang II 溶 液 (水/アセトニトリル=95:5、v/v)を 10 μL 加え、窒素により蒸発させ、20 μL の水アセトニトリル混液 (水/アセトニトリル=95:5、v/v)で再溶解後、ZipTip C18 により脱塩し、MALDI-TOF/MS に付し、Ang II を定量した。 飽和法によるKd及びBmax の測定

Multiscreen-HTS FC filtration plate を氷冷した wash buffer 200 µL で 2 回

洗浄した。最終濃度0-25 nM の Ang II 溶液 (assay buffer) 25 μL と 5.6 μg

protein/150 μL の AT1 レセプター懸濁液 (assay buffer) 150 μL とを 27℃で 1

時間インキュベーションし、これを吸引した。氷冷したwash buffer 200 μL で

10 回洗浄し、水/メタノール混液 (水:メタノール=50:50、 v/v) 200 μL を加え、

27℃で 1.5 時間インキュベーションし、吸引した。これに 25 nM の[13C5,

15N1-Pro7]-Ang II を 10 μL (水/アセトニトリル=95:5、v/v)加え、窒素により蒸

発させ、20 μL の水アセトニトリル混液 (水/アセトニトリル=95:5、v/v)で再溶

解後、ZipTip C18により脱塩し、MALDI-TOF/MS に付し、Ang II を定量した。

レセプターアッセイの結合能解析は、GraphPad Prism Ver. 5.04 (GraphPad Software, San Diego, CA, USA)により行った。

競合法によるKiの測定

Multiscreen-HTS FC filtration plate を氷冷した wash buffer 200 µL で 2 回

洗浄した。最終濃度 6.25 nM の Ang II 溶液 (assay buffer) 25 μL と 5.6 μg

protein/150 μL の AT1レセプター懸濁液 (assay buffer) 150 μL と 1.0×10-12 -

1.0×10-5 M の各種リガンド溶液 (assay buffer) 25 μL とを 27℃で 1 時間インキ

ュベーションし、これを吸引した。その後、氷冷した wash buffer 200μL で

(43)

- 37 -

27℃で 1.5 時間インキュベーション後、これを吸引した。これに 25 nM の[13C5,

15N1-Pro7]-Ang II 溶液 (水/アセトニトリル=95:5、v/v) を 10 μL 加え、窒素に

より蒸発させ、20 μL の水アセトニトリル混液 (水/アセトニトリル=95:5、v/v)

で再溶解後、ZipTip C18により脱塩し、MALDI-TOF/MS に付し、Ang II を定

量した。レセプターアッセイの結合能解析は、GraphPad Prism Ver. 5.04 によ り行った。

(44)

- 38 - 引用文献

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Fig. 5 μFocus plate 濃縮の原理
Fig. 7 非標識 Ang II 及び [ 13 C 5 , 15 N 1 ]-Ang II Fig. 7 の MALDI-TOF/MS スペクトル
Fig. 11 飽和法による解離定数の測定
Table 1 B max , K d , K i の実験値 と文献値の比較
+4

参照

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