福祉支援マルチメディアネットワークの構築とその特性解析および応用研究 : 第1報 ネットワーク構築の背景とその特性解析
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(2) 北海道教眉大学紀要(自然科学編)第54巻 第2号. 平成16年2月 February,2004. JournalofHokkaidoUniversityofEducation(NaturalSciences)Vol.54,No,2. 福祉支援マルチメディアネットワークの構築とその特性解析および応用研究. 第1報 ネットワーク構築の背景とその特性解析 ConstructionofaMultimediaNetworkfbrtheSupportofWelfare andanAnalysisofitsPerfbrmanceandApplications. ReportNo.1:TheBackgroundoftheConstructionoftheNetwork. andAnalysisoftheNetwork 山形 積治*1山崎 則明*2 高橋 豊明*3 福地. 敦−3 菊池 貴光−3. *1北海道教育大学旭川校、寧∠旭川市企画財政部情報政策課、*ユ東日本電信電話株式会社. SekijiYamagata*1,Noriaki%mazaki*2,TbyoakiTakahashi*3,. AtsushiFukuchi*3andTakamitsuKikuchi*3 *1AsahikawaCampus,HokkaidoUniversityofEducation (HoknmonTCho9,Asahikawa,Hokkaido,JapanO70−8621;E−Mailyamagata@asa.hokkyodai.ac.jp), *2InformationPolicySectionofAsahikawaCityOfficeand*aNTTEasLJapan. ABSTRACT. The development prqjectfor theAsahikawa welfare support communication system based on the Asahikawa pilot−tOWn multimedia concepthas been underway sinceApri12000.The purpose ofthis researChprq】eCtistoanalyzethenetwork’sperfbrmanCeandseekoutimprovednetworkapplicationsby. constructingGigabit,CATV;andWavelengthDivisionMultiplexing(WDM)systemnetworkstoenric welfareservicesatAsahikawaFukushimura,Whichhasnfteenwelfarein$titutions,1,500handicapped people,andl,000staffsmembers. The objectives ofthis project are to(1)analyze the characteristics ofseamless communications underdiffbrentenvironmentthroughaninteractivemultimediacommunicationssystem,(2)construct and verifyan advanced security system to preventillegalaccess ofindividualin丘)rmation,and(3). experimentalverifytheeditorialsystemfbrmultimediacontents. Wehaveattainedthefo1lowingresults鉦omresearchandtestsconductedbetweenApri12000and March2004.. Concerningot力ective(1),WeSuCCeSSfu11yestablishedaseamlessinfbrmationnetworkandconducted high−bit−ratetWO−WayCOmmunicationsutilizingAudioVideoInterleaving(AVI),Whichis basedon MicrosoftRIFF:ontheregionalintranetCOnStruCtedusingGigabit,CATVandWDMsystemnetworks. Asfbrobjective(2),WeattemPtedtoheightenthethresholdofthesecuritysystemusingtwoauthen− ticationmethods:ICcardsandvitalinfbrmation(nngerprintauthentication).FortheICcardmethod, 1.
(3) 山形 培治・山崎 則明・高橋 豊明・福地 敦・菊池 毘光. werealizedhighsecurity,throughtheuseofanIDandpasswordaswellaspublic−keyandsecret−k systembasedauthentication.Forthenngerprintauthenticationmethod,WeSetOuttOVerifytheeffects Of the di鮎rencesin and thickness of fingerprlntS,gender,SWeating stage,and specinclnJuries.. However,WeWereunabletocollectenoughdatatoreachaconclusionfromthestandpointofprlVaCy. In regard to objective(3),We COnStruCted a web server utilizing an editorialsystem to deliver contentsthroughtheWorldWideWeb(WWW).. In this report,We Willprovide a detailed explanation ofthe characteristics ofthe Fukushimura MultimediaNetworkwhichwasdesig・nedtobeseamless.. はじめに. 平成12年4月以来,旭川市においては,通信・放送機構(mO)のマルチメディア・パイロットタウン構 想に基づく「北海道旭川市福祉支援情報通信システムの開発・展開事業」が展開されてきた. 本事業の骨子は,福祉サービスの充実を目指L,ギガビット網,CATV綱,WDM(WavelengthDivision Multiplexing:波長分割多重)装置網で構成される地域イントラネットを構築し,旭川市春光台地区にある 福祉村(15の福祉施設,入所者1,500人,従業者1,000人)の支援に当たるためのネットワークの性能分析,お よびネットワーク活用の研究である. 研究の目的を要約すると(1)インタラクティプメディア通信システムにおける,異なった環境下のシームレ. ス(継ぎ目の無い)通信特性の解析,(2)高度な個人情報アクセスに対するセキュリティシステムの構築と検 証,(3)マルチメデディアコンテンツ編集機構の実験的検証とコンテンツ製作,の3本柱である.. 平成12年から平成16年3月にわたる研究・試験の結果は,次のようになった. (1)については,ギガビット網,CATV網,WDM装置,で構成された地域イントラネット上で,シpムレス 接続が可能になり,MicrosoftRIFFに基づくAVI(AudioVideoInterleaving)ファイル形式の導入により, 3次元CG等の高ビットレート信号の双方向通信を行うことが可能となった. (2)については,ICカードを用いる方法と,バイタル情報(指紋)による識別を併用し,セキュリティの敷 値を高める方法をとった.ICカードによる方法は,IDとパスワードおよび一般に普及している秘密キーと公 開キーを用いる方法を併用し,高いセキュリティを実現した.他方,指紋認識にっては,紋様の相違,指紋 の濃淡,性別,発汗状態,けが等による異常状態の下での実験的検討を加えたが,プライバシーの関係から 収集データーが少なく結論を出すことができなかった. (3)については,映像圧縮技術を用いたデジタル編集システムを導入し,編集後のコンテンツをWWW (WorldWideWeb)で配信するwebサーバを構築し,各施設のホームペpジなどのコンテンツを作成した. 第1幸削こおいては,(1)のシームレスに設計された,「福祉村マルチメディアネットワーク」の特性について 詳細に述べる.. キーワード:情報バリアフリー,ネットワーク活用,シームレスネットワーク,AVI(AudioVideo. Interleaving),ネットワドクセキュリティ,認証システム,福祉の情報化 CATV,WDM,データグロp ブ(CyberGlove),ヒューマン・インタ,フェ,ス,アクセシビリティ.
(4) 福祉支援マルチメディアネットワーク. 1.情報バリアフリーへの道程. 1−1 法的根拠 1990年にADA’90(AmericansWithDisabilitiesActof1990:1990年アメリカ障胃者法)が制定され,障 害にもとづくあらゆる差別が禁止された.同法第401節で聴覚障害者および言語障害者の中継サービス(Re− 1ayService)が規定され,「障害があっても健常者と同等の通信サービスが受けられる」ことを通信業者に義 務づけたIJ.このことば,画期的な内容であり,当然他の種類の障害者も情報通信へ参加する道を開く結果 となった.更に,1998年に同法に関連する「米国リハビリテーション法508条」が改正され,2001年6月か ら強制力を持つようになった.. 近年我が国においても,法律等の整備が進み高齢者や障害者を取り巻く情報環境を欧米並みに改善する方 向が打ち出された.. 「心身障害者の利便の増進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事業に関する法律(平成5年5月26日 法律54号)」2)が誕生し,障害者に対する情報通信のアクセシビリティが保障されるようになった.しかし, アメリカで施行された,ADA’90と異なり,罰則の規定が無く,関係者や関係機関の善意に任される点に不 満が残るものの一歩前進といえる.この法律の第1条には理念が高々とうたわれている.以下条文を示す. 「第1条 この法律は,社会経済の情事糾ヒの進展に伴い身体障害者の電気通信利用の機会を確保すること の必要性が増大していることにかんがみ,通信・放送身体障害者利用円滑化事業を推進するための措置を講 ずることにより,通信・放送役務の利用に関する身体障害者の利便の増進を図り,もっで情報化の均衡ある 発展に資することを目的とする」.. また,同年に「心身障害者対策基本法(昭和45年5月21日法律84号)」の大幅改正がなされ,それに伴い 「障害者基本法(法律94号)」3)が整備された.第22条の第3項に情報閲」用等の規定が設けられ,(1:国及び. 地方公共団体の電気通信及び放送の役務の利用に関する障害者の利便の増進に関する責務,(2)電気通信及び 放送の役務が定められている.. 1−2 情報化と障害者 郵政省と厚生省の連携で「高齢者,障害者の情報通信利用に対する支援の在り方に関する研究会」を平成 12年1月に立ち上げ,高齢者・障害者による情報通信の利用に対する人的支援及びウェブアクセシビリティ の確保に向けた課題と方策の検討を開始し,次のように提言している4J.. (1)IT(情報通信技術)の発展が高齢者・障害者の自立や社会参加などを可能にする. 〔2)介護保険制度の創設や社会福祉基礎構造改革により,福祉が「『措置』から『契約』へ」と変貌を遂げ る中,契約当事者たる高齢者・障害者自身が必要な情報を受発信するためには,情報通信の利用が欠か せない状況となっている.. (3)デジタル情報格差,いわゆるデジタル・ディバイドの問題として,年齢・障害といった要因により利 用面での格差が生ずる可能性のある高齢者・障害者による情報通信の利用は,こうしたデジタル・ディ バイドに関する問題の一つとして,地球規模で取り組んでいくべき課題となってきている. (4)高齢者・障害者による情報通信の利用が具体的に進むためには,利用に必要なITが開発されるだけで なく,そのITを用いた製品・サービスが実際に利用されるようになることが必要である. (5)実際の利用に当たっては,対面/一対一/双方向による人的支援が重要であり,中でも高齢者・障害 者による利用に関しては,障害の種類・程度によって必要な支援の内容が一般の場合と異なる,などの 事情に配慮した人的支援が必要である..
(5) 山形 積治・山崎 則明・高橋 豊明・福地 敦・菊池 貴光. 1−3 e−」apan戦略の中での扱い e−Japan2002プログラムにおいては,2001年7月にIT戟略会議,JT戦略本部を創設し,「我が国が5年以 内に世界最先端のIT匡l家になる」という目標を掲げ,具体的な行動計画を定めた「e−Japan重点計画」を 策定した.. この中での高齢者・障害者のIT活用に関しては,重点計画目標の「7.横断的課題の(2)デジタル・ディバ イドの是正」で扱われている.「項目2の年齢・身体的な条件の克服」に次の記述がある5).「年齢,身体的 な条件により情報通信技術の利用機会及び活用能力の格差が生じないよう,高齢者や障害者等に配慮した① 情報提供等のバリアフリー化や②情報通信関連機器・システム等の開発を推進する.」. 1−4 新障害者基本計画での扱い 2003年から2012年の向こう10年間の政府が関係者の理解と協力によって取り組むべき障害者施策について の基本方針を定めたもので,重点的に取り組むべき課題の中で,障害者の経済的自立,地域社会の中での安 心した生活基盤の整備としで情報通信手段の抜本的整備があげられている.その(1)基本方針で,「情報通信 技術の活用により,障害者の個々の能力を引き出し,自立・社会参加を支援するとともに,障害によりデジ タル・デバイドが生じないようにするための施策を積極的に推進するはか,障害特性に応じた情報提供の充 実を図る.」と謳われている.更に,(2)施策の基本的な方針では,a)情報バリアフリー化の推進(支援者養 成,支援拠点づくり,使いやすい情報機器開発,わかりやすい行政情報),b)社会参加を支援する情報通信 システムの開発・普及(電子投票の導入,障害者のIT利用促進,SOHOなどITを活用した障害者の就業),. c)情報提供の充実(都道府県の責務,放送番組のバリアフリー化,公共情報のバリアフリー化),d)コミュ ニケーシ. ョン支援体制の充実(障害者に対応した通訳者の養成研修と派遣など)があげられている6).. 2.福祉村マルチメディア・ネットワークの構築. 2−1 旭川市における「福祉村マルチメディアネットワーク」 高度情報化の中で,多くの地域が「地域情報化」に向けてさまざまな試案を示している現況である.旭川 市においても平成10年3月,旭川地域情事馴ヒ協議会で検討した結果「旭川地域情報化ビジョン」の中で,「旭 frr地域情報ハウェイ構想」を打ち出した15).この構想の中の一つが障害者や高齢者者のnormalizations,re− habilitationsを促進し,入所者のQOL(QualityofLifb)を保証するための「福祉村マルチメディア推進事 業」である14・15). 旭川市の福祉村といわれる春光台地区には15箇所の福祉施設(児童施設・障害者施設・高齢者施設)があ り,約1500人の入所者と1000人の従業者がこの村に所属している,本試みは,この地区のIT革命である.事 業目的,個業概要及び開発が期待される実用例をTablelに示す.この内苓を開発システムと結びつけたコ ンセプト囲がFig.1である. 「旭川地域帖幸酎ヒビジョン」における基本理念である「情報と共生するまち‖旭川−リを実現するため,地域. 情報化社会へのさきがけをなす事業として,平成12年7月,TAO(通信・放送機構)の支援により,春光台 地区「福祉村」にある11カ所の施設にネットワークを敷設し,旭川市役所,市立病院,ポテト(旭川CATV センター),AMIC(旭川医療情報センター)等をギガビットネットワーク,CATV綱等の情報伝送方法の興 なる回線網で接続し,福祉情報支援地域イントラネットを形成した.この福祉村マルチメディア・情事屋システ. ムのハード環境のブロックダイヤグラムをFig.2に示す.以下この地域イントラネットを「福祉村マルチメ ディア情報システム」または,「福祉支援情報通信(ネットワーク)システム」と言うト12−. 4.
(6) 福祉支援マルチメディアネットワーク. Tablel 旭川市福祉支援情報通信システム展開事業. 旭川市「福祉支援情報通信システム展開事業」 システム構成. 高速大容量ギガビット網・WDM,同軸CATV網・インターネット網・公衆回線網等 で、福祉村・市役所・ケーブルテレビ局・その他関係協力団体等をシームレス接続 する。 研究開発の方向. 福祉情報サービスの効率的な提供と高齢者・障害者の社会参加を可能にする「福 祉情報通信システム」を実現するため、通信レート制御や符号化方式の動的切替 制御技術、コミュニケーションメディア相互変換技術、複合認証・暗号化技術等を 利用した、複数システムの一体的な構築・研究開発を行う。 実施の効果. 福祉の情報化に資する最先端の情報通信・放送技術の統合等に係る技術的ノウ ハウを始めとしたシステム開発、これに係るノウハウーデータ等を取得するとともに、 実際の負荷の下での継続した運用データ等を収集する。 評価の方法. 実際の利用に供した場合の利用者の評価等、利用状況についてのデータ収集も 行う。. 福祉支援ネットワーク・システムの研究開発の目的 複合型セキュリティ. 医療支援方式. インタラクテチイブ. マルチメデディアコン. 通信システム. テンツ編集システム. 認証方式. 認証局開設. Fig.1福祉支援ネットワークシステムの目的と研究開発. 暗号化技術. *高齢者・障害者の通信による社会参加 *遠隔福祉・遠隔医療等ネットワーク活用地域福祉 *情報ボランティアの育成と地域情報の発信 *セキュリティシステムの開発・情報管理と基盤整備. 複合認証. セキュリティシステム. 多様なフォマッ トデータ保存. コンテンツ 配信伝送. 複合的画像 取り込編集. 交流支援方式. シームレス 通信機能. 遠隔福祉・遠隔. 大型画面表示 相互映像通信. マルチメデディア.
(7) 山形 療治・山崎 則明・高橋 豊:明・福地 致・菊池 章光. ・拉+タ︵既・存︶. CATV盤置︵既存︶. 1CカードR/W. 情報育己信支援 サーバ. モニタ施設(11ケ所). 旭川ケーブルテレビ(株) eATV網. 身体辞書者爾鳶絨敬愛間 老人保俸施設サニーヒル 旭川肢体不自由児総合療育センター 旭川市保健福祉部旭川市緑風苑 旭川市保健福祉部旭川市つつじ苧個 社会福祉法人敬生会戦生闇 社会権址法人敬生会歓心眉 社会福祉法人新生会希望苧飽 社会福祉法人愛警会璧苦園 社会福祉法人旭川1成会やすらぎ置 社会福祉法人旭川水芝会ケアハウスルハイム. Fig.2 旭川市福祉支援ネットワーク全体のブロックダイヤグラム. 2−2 福祉柑マルチメディアネットワークの目的7∼12). 本ネットワークの目的は,(1)インタラクティブメディア通信システムMPEG−2映像通信システムの構築 と評価,(2)データグローブ信号を用いた三次元インタラクティブメディア通信システムの構築と評価,(3)高. 度プライバシー(福祉・医療)情報に対するセキュリティシステムの開発実験,等の主として研究開発を行 うことと(4)具体的な事業の展開に対するシステムの構築とコンテンツ開発である.. コンテンツ開発の基本理念は,福祉村住民のノーマライゼーションをトータルに支援する地域からのサー ビスを受けるのみならず,福祉村自体が地域への「サービス提供者」となることを目指す.福祉村住民と地 域住民のシームレスな心のi,っながり」を支援することを目的とし,各種のサービスを提供するものである. ネットワーク上で実施される主な事業を示したのがFig.3である.. 本マルチメディアネットワークのコンテンツ開発の狙いとするところは,特に,外出することが困難な施 設利用者を本ネットワークを用いて,社会参加させようとすることにおいた.また,ネットワークを用いた 情報の授受として, (1)各種医療機関との連携による保健・医療・福祉サービスの提供,(2)緊急通報システムとの連携,(3)CATV との連携によるコンテンツ開発,(4〕各種公共機関・施設との連携による情報提供サービス,(5)社会参加の機 会の提供,(6)在宅就業支援サービス,(7)各種ボランティアへの参加支援サービス,(8)生涯学習への参加支援 サービス,等々があげられる14・15).
(8) 福祉支授マルチメディアネットワ←ク. 旭川市福祉支援情朝通信システム開発・展開事業. Fig.3 旭川市福祉支援ネットワークシステム及びネットワーク上で展開される事業. 旭川市福祉支援情朝通信システム. Fig.4 旭川市福祉支援情報通信システムのハード構成 2−3 福祉村マルチメディアネットワークのハード構成 地域情報ネットワークはギガビット・イーサネットとケーブルテレビ網による地域イントラネットワーク. 7.
(9) 山形 構治・山崎 別明・高橋 豊明・福地 敦・菊地 貴光. として整備し,その上に各種コンテンツを提供するシステムを構築した.地域イントラネットワークのハー ド構成をFig.4に示す.福祉村地域においては,北海道療育園がメイン施設となり,ここに実験用の資材 (サーバ,デ←タグローブ等)を設置した.画像系のコンテンツを供給する役割は旭川ケーブルテレビがマ ルチメディアセンターとなり,ネットワーク上を流れる個人情報などを保護する認証局を旭川保健医療情報 センター(AMIC)が担当することとした.旭川市立病院は,医療情報及び緊急医療への参加,旭川市にお いては,行政及び福祉情報サービス提供を行い,市役所第二庁舎にある市消防署の緊急出動連絡網との連携 もとった.Fig.4の太線で示されている各施設を結ぶバックボーンは,1Gbps光ファイバーである7・8).. 3.インタラクティブメディア通信システム. 3−1 シームレス通信特性の解析 インタラクティブメディア通信システムにおける,異なったネットワーク環境下のシームレス通信特性の 解析は,(1)計測器による伝送特性実験と,(2)人の視覚による所謂人間工学的な実験を行った.. 3−1−1 CRCエラー監視実験. 福祉支援情報ネットワークにおいて,多地点間のリアルタイムMPEG2(MovingPictureExpertsGroup Phase2)の双方向通信時の動的帯域制御手法の動作特性を検証するために,CRC(CycleRedundancy Checking)エラー告示を実装したプロトタイプのアップT)ケーションを作成し,複数地点間で同時双方向通 信を行い,ネットワークの動的特性を実験的に調べた.4地点中任意の3地点での双方向MPEG2リアルタ イム通信の実施図をFig.5に示す.. 4地点中任意の3地点でのMPEG−2リアルタイム通信 マイク. カメラ. _ノ. Codec PC M肝EG−2 エンコーダ 叩EG−2 デコーダ(Ⅹ2). _. マイク カメラ. Codec PC MPEG−2 エンコーダ. MPEGt2 デコーダ(Ⅹ2). Fig.5 MPEG−2(MovingPictureExpertsGroupPhase2)のリアルタイム通信実験. ′.
(10) 福祉支援マルチメディアネットワーク. CRCは,誤り検出に広く利用されるアルゴリズムの一つで,パリティチェックに比べてバーストエラー(ま とまってデータが欠落する)の検出に優れている. 実験. 実験の方法は,CRCのエラー検出機能を利用して,CRCでエラーをEndtoEndで検出し,送信速度のビッ トレイトと遅延時間の相関をみた.その結果,ネットワークの負荷の状態により,ビットレートが変化し, 動的帯域制御手法が適正に働くことを確認した,最も離れており,WDM装置,ギガビット網,CATV網等の 異種回綽が介在する北海道療育園,旭川第二庁舎間の双方向通信においても,遅延時間は1msec.以下で, このネットワーク網は,初期の目的どおりシームレスに働いていることが確認できた19). 評価. 高品質映像通信による臨場感通信や,実時間情報の提供が可能となることにより市民との交流,福祉施設 内から外部へのアクセス等,活性化を引き出し,高齢者・障害者の社会参加に寄与することができる.また, 福祉施設等からインタラクティブに,高齢者・障害者が会議等への参加ができ,地域社会活動への参加や交 流を促進することができる.. 3−1−2 三次元信号の伝送特性 データグローブで発生させた三次元情報がリアルタイムでギガビットネットワーク,各種モデム,CATV ケーブルを通して伝達する情報の評価を行った.具体的方法は,データグローブで発生させた三次元信号に よってアニメーションを動作させ,送信側と受信側のアニメーションの動きを比較して評価するものである. アニメーションの動きとデータグローブの動きは,Table2に示すように1対1で対応させている.データ グローブは,左右の手にはめ5本の指を同時に「開く」,「握る」,その手を「上げる」,「下げる」の4動作の. 組み合わせでアニメーションの動きを10通りにコントロールするようにソフトを組んだ.実験の方法とアニ メ動作の一場面をFig.6に示す.. TabTe2 データグローブと3D−CGアニメーションの動作対応表. H. G. ア=メーションパターン設定嘉 ■. ⊆. J. 設≡ファイル出力. カテゴリー1:運動 手の状態 バターン. 2. 右手. n. (D. ②. ③ ㊥ アニメーション. 走る. l. 大ジャンプ. ∼⑤. 中段蹴り. ′トジャンプ l. 2. 3. 走る. 4. 5. 6. 団. 前官返り. 9 凸 団 匹 く7 前方国手云 †則転. 9 固 団 巴, 団 中段蹴り 走る. 10 匹フ 団 D ∠ゝ 右手を大きく糎 る 両手を膿る. t. 便男売主圭. 手の状態 バ々−、ノ≡音雷嘉 ≡王室≡‡云i誼夏巨ズ:∈更地ノ. コリー2 こ ジェスチャー. アニメーション 」ユ】劇】. 飛び込み育苛季云.
(11) 山形 横治・山崎 則明・高橋 豊明・福地 敦・菊池 日光. @北海道療育園. Fig.6 3D−CG Character(アニメーション)動作情報通信の実験方法 実験. 平成13年度まで使用した情報処理,ネットワークのシステムは,Fig.7に示すように,データグローブ16) や3次元位置センサで発生した全てのデータを相手に伝送していた.データを受け取ったコミュニケーショ ンメディア変換用端末はその都度3次元アニメーションを生成するため,システムに大きな負荷が掛かり, 誤動作が多かった.この負荷を軽減する目的で,Fig.Bに示すような,3次元アニメーションの生成とデータ の送受信を違う端末で処理させることで負荷分散を図った.しかし,この構成では療育園側でディスプレイ される内容とCATV側でディスプレイされる内容に人の視覚で認知できるはどの再生遅延を生じる場合が あった20).. Fig.7 3D−CG キャラクタ動作情報伝送システムのハード構成図 10.
(12) 福祉支援マルチメディアネットワーク. 旭川ケーブルテレビく林). 北海遭療育園. l. l. 【≡重】 データA形式. こ. Fig.8 データグローブよって発生させた3D−CGキャラクタ動作情報すべてを伝送する通信方式. AVI方式を採用した3Dデータの伝送 ブ哩Jllケーニブルテレビ(株〉. ]ヒ海i草療育園. データA形式 (D左手拝]ク【コープデータ. 口. 一タセ”コ;一夕センサつ・・・. センサほデータ・・・. ラエー一夕B形式 AⅥファイルⅡ). Fig.9 データグローブよって発生させた3D−CGキャラクタ動作情報をAVIファイル方式による通信 11.
(13) 山形 橙治・山崎 則明・高橋 豊明・福地 敦・菊池 貴光. 原因としては,療育園とCATVに設置されている端末において,データ処理を開始する読み取り位置が異 なるケースが生じたため,双方で違うアニメーションの表示やタイムラグが起きた.. この問題を解決するために開発したシステムをFig.9に示す.アニメーションのAVI(AudioVideoInter−. 1eaving)形式ファイル(Microsoft RIFFに基づく)をコミュニケーションメディア変換用端末のデータベー スに格納している.データグローブで発生させたデータを送信側の療育園の端末でのみで処理し,データに 応じたアニメーションのAVIを再生させる.それと同時にCATV側の端末に対し再生されたアニメーション. を通知する事で,負荷の軽減と再生アニメーションの整合性確保を目指した.実験では療育園のコミュニ ケーションメディア変換用端末で再生されるアニメーションと,CATV網を介してテレビで確認できるアニ メーションの動作の違いと再生までの遅延時間を計測した21). 評価. 福祉や医療情報伝達への活用を考えた場合,タイミングを問題にしない情報と,タイミングが合わないこ とによって大きな事故に繋がる場合もある.タイミングのずれ時間が情報量によって左右されることは,情 報処理システムとしてその信頼性が問題となっていた.. 今回の改善によって,再生されるアニメーションの情報のみを転送する事で,データ量の削減と,療育園 側とCATV側で再生されるアニメーションの整合性を取ることが出来た. AVI形式ファイルを用いた実験の結果は,Table3に示す通り,再生されたアニメーションの動作の遅延時 間は最大でも,50msec以下で,視覚による評価では判別がつかなく,システムの改善によって問題は解決で きた211.. Table3 アニメーション動作によるシステム特性の評価結果. 評価項目. 評価結果. 1分間のデータ送信量の変化. 約130分の1. 送受信間の遅延時間. 50msec.以下. 再生アニメーションの整合性. 100%(視覚的評価). 3−1−3 考察とシステム活用 改善されたシステムでは,複合的なネットワークの動的帯域制御によって回線機能を最大限に活用でき MPEG2による動画情報の伝送もスムースに行えた.3次元情報処理については,AVIファイル方式を導入す ることによって,アニメーションをその都度生成するのではなく,既に生成されたアニメーションをAVI形 式で保存しておき,データグローブの入力に応じてムービーを再生する方式へ変更した.その結果負荷分散 の必要が無くなり,システム自体の簡素化,故障発生率の低減を実現した.遅延時間の測定結果,再生され たアニメの動作タイムラグは50msec以下で,人間の視覚では殆ど判別がつかないまでに改善できた. 本システムを医療や福祉分野に活用する場合,次のような活用例が考えられる.. (1)データグローブをバイタル情報センサとして用い,アニメの動きを評価基準とする,上肢の遠隔リハ ビリテーションシステムとして活用できる1・3).しかし,データグローブの操作は,それほど難Lいもの. ではないが,上肢に重い障害があったり,付随運動があろような身体障淫者には適応が難しいように思 われる.. (2)通常,デTタブローブは,バーチャルめがね(Eyeglasses)と併用され,利用者をバーチャルな世界 12.
(14) 福祉支援マルチメディアネットワーク. へ誘うことに用いられるが16),遠隔地にTVカメラを設置し,データグロー. ブで操作し,遠隔地にある. 様々な世界をのぞけるようなシステムが構築できる.このことによって,移動困難な高齢者や障害者が 居ながらにして別世界に参加することができる.. (3)今回制作したものは,アニメの3次元運動のAVIであったが,手話AVIを作成し,手話による遠隔コ ミュニケーションを行わせることもできる.更に,国別による手話の違いを考慮したAVIを用意するこ とによって,異なった言語間の手話も可能となる.今後,以上のような具体的活用について研究を進め て行く.. 4.まとめ. 地域イントラネット,インターネットにおいて,映像信号の符号化技術を用いたリアルタイムの多地点間 映像信号の受送信や音声通信に臨場感を持たせることが出来た.更に,キャラクタを動作させる3次元形状 データ等を多様なコミュニケーションメディア間で相互通信を実現するシステムを構築することが出来た. 本システムを用いることによって,映像通信装置等により,多種ネットワークインフラ上でのシームレスに 大画面映像表示を行うことが可能になった.我々が今回開発したネットワーク技術を「シームレスコミュニ ケーション技術」と名づけた.また,データグローブ等により手の動きに合わせて3次元形状データを画面 上で動作させることや,変換辞書データベース(AVIファイル形式)を基にキャラクタの動作へ変換する技 術上の問題についても初期の目的を果たすことが出来た.. 高品質映像通信による臨場感通信や,実時間情報の提供が可能となることにより,高齢者や障害者の社会 参加を保障することが出来る17・18). 第2報においては,セキュリティシステム,ネットワーク上のコンテンツ編集システム及びネットワーク の具体的な活用について述べる.. 5.謝辞. 本研究は,「通信・放送機構(北海道旭川市福祉支援情報通信システムの開発・展開事業)」の研究費を得 て行われた事業であり,さらに本研究を推進するに当たり,旭川市企画財政部情報政策課の方々,北海道療 育園の方々の支援を得ました.ここに感謝致します.. 文 献 l)斎藤明子訳,「P.L.AmericansWithDisabilitiesActof1990:アメリカ障害者法(全訳)」現代市館(1992年4月).. 2)「心身障窯者の利便の増進に資する通信・放送身体愕雫者利用円滑化事業に関する法律(平成5年5月26日法律54号)」に関しては例えば, http://www.houko.com./OO/01/hO5/054.で全文を読むことが出来る. 3)「障著者基本法(法律94号)」に関しては例えば,http:〝www.houko.com./00/01/s45/084.で全文を読むことが出来る. 4)「高齢者,陸曹者の情報通信利用に対する支援の在り方に関する研究会報告市,平成12年5月」に関しては,総務省のホームページから入る ことが出来る.. 5)「e−Jpan」や「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法」に関しては,首相官邸ホームページ,http://www.kantei.gojp/jp/singi/it 2/で確認することが出来る. 6)「障害者基本計画(第3次は平成15年から10年間)」はhttp://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kihonkeikakuで全文を見ることが出来る. 7)放送通信機構,■北海道旭川市福祉支援情報通信システムの開発・展開一序業’,成果展開事業研究交換会耶料(その2)平成13年3月,pp,. 13.
(15) 山形 横治・山崎 別明・高橋 豊明・加地 敦・菊地 貴光. 299312. 8)放送・通信機構,‘北海道旭川市福祉支援情報通信システムの開発・展開中業∴ 成果展開等研究開発束業研究域果発よ会賃料(その2)平. 成14年3月,pp,179−192. 9)旭川地域・】■■写報化協議会(会長山形),‘旭川地域情報化ビジョン’,発行旭川市(1998.3). 10)旭川情報ネットワーク研究会(会長J」形),−福祉村マルチメディア推進事業推進計画’,発行旭川市(1999.3).. 11)山形横線‘旭川市福祉村マルチメデディアネットワークの活用∴ 2000PC Conference 論集,pp.109−]10(2000.8). 12)山崎則明,‘旭川福祉村マルチメディア推進事業の取り組み’,PCカンファレンス北海道2001論文集,pp.4041(2001.10). 13)山崎則明,一旭川福祉支援情報通信システムの開発展開’,PCカンファレンス北海道2001論文集,pp.42−43(2001.10). 14)福祉支援情報通信システムの開発・展開事業,http://www2.city.asahikawa,hokkaido,jp/asit/sysfdev.htmlで確認することが出来る. 15)福祉村マルチメディア推進事業,h叫〕://www2.city,aSahikawa,hokkaido.jp/asit/sysftown.htmlで確認することが出来る.. 16)VirtualTechnologies【nc.,’cybergloveRefbrenceManual’ 17)中津真弓,山形槍治,■福祉村マルチメデディア活用による障‘長者の社会参加支援’,PCカンファレンス北海道2001論文集,pp.38Ⅷ39 (2001.10). 18)山形積治,中津真弓,‘重症心身障富者のネットワークによる社会参加の諸問題’,電子情報通信学会技術研究報告,WIT20013842 ぐ福. 祉情報工学),pp.1】6,(2002,3). L9)山形他,‘cRCエラp監視によるビットレートの動的最適化についで,FIT(情報科学技術フォーラム)2002,pP.57−58. 20)山形他‘データグローブを利用した3次元CGキャラククー動作へのメディア変換についで,FIT(情報科学技術フォPラム)2002,pp. 379−38D.. 21)山形他‘福祉支援情報通信システムの構築と活用研究’,FIT(情報科学技術フォーラム)2003,pp.453川454.. (山形積治 旭川校教授) (山崎則明 旭川市企画財政部情報政策課) (高橋豊明 東日本電信電話株式会社) (福地 敦 東日本電信電話株式会社) (菊池貴光 東日本電信電話株式会社). トl.
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