2016年度 卒 業 論 文
背面タッチパネルを用いたゲーム中の操作画面の確保に
関する研究
指導教員:渡辺 大地 講師メディア学部 ゲームサイエンス プロジェクト
学籍番号
M0113042
石田 和也
2017
年
3
月
2016年度 卒 業 論 文 概 要 論文題目
背面タッチパネルを用いたゲーム中の操作画面の確保に
関する研究
メディア学部 氏 指導 学籍番号 : M0113042 名 石田 和也 教員 渡辺 大地 講師 キーワード 背面タッチ、ゲーム、携帯端末、タッチパネル、操作方法 近年、様々な小型携帯端末が開発され私たちの生活に欠かせない物になりつつある。そんな 中で日々色々なゲームが排出されているが一部のゲームではタッチパネル操作をする際に自分 の指で画面が隠れてしまい操作しにくいという問題点がある。 この問題に対して本研究では、自分の指を背面に回し直接自身の指を見なくても操作する入 力手法として背面タッチパネルに注目した。この背面タッチパネルでの操作は直接自分の指が 見えず操作が難しいとされている。 この問題を解決する為に、先行研究では特殊なデバイスを使用することや擬似的な触力覚を 生起させることによって解決している。しかし、これらの方法では端末の携帯性を損ねること や、ソフトウェア側に大きな制約が掛かり一般的なゲームには向いていない。そこで本研究で は小型携帯端末に背面タッチパネルを付与することによって、プレイ画面を自身の指で隠して しまう問題点を解決し、自身の指が直接見えなくてもゲームをプレイすることに支障をきたさ ないことを目的とする。この目的を達成するために背面の操作でも問題なく遊ぶことができる 操作方法を探すため、2016年12月に配信されていたAppStoreゲームランキング上位100位 以内のゲームを操作方法毎に分類分けを行った。その結果、9種類の操作方法に分類できるこ とが分かった。 分類した中で、背面タッチでの操作でも問題なくプレイすることができる操作方法と、背面 での操作が難しく不向きと考えられる操作方法を決めた。その中でぷにコン、タッチパット、 マーカー、フリック、特定のオブジェクトやUIをタッチする操作方法を背面タッチパネルを 付けた携帯端末で実際にプレイし、本当に背面でも問題なくプレイすることができるか検証を 行った。その結果、5つの操作方法すべてが背面に不適切であった。しかし、その中で一番背 面での操作に変わっても問題なくプレイすることができる操作方法がぷにコンであることが分 かった。目 次
第1章 はじめに 1 第2章 ゲームの操作方法の分類 4 2.1 操作方法の用語定義 . . . 4 2.2 ゲームの操作方法の分類分け . . . 5 2.3 背面タッチでの操作に適した操作方法の検討. . . 7 第3章 評価実験 9 3.1 ぷにコン操作 . . . 11 3.2 フリック . . . 13 3.3 タッチパット . . . 14 3.4 マーカー . . . 16 3.5 特定のオブジェクトやUIをタッチ操作方法 . . . 17 3.6 考察 . . . 19 第4章 まとめ 20 謝辞 21 参考文献 22図 目 次
3.1 DOOGEEXX5Sの背面タッチを付与した実機 . . . 10 3.2 DOOGEEXX5Sの背面タッチを付与した実機 . . . 11 3.3 ぷにコンを使用したゲーム画面 . . . 12 3.4 ぷにコンを使用したゲーム画面の全体図 . . . 12 3.5 フリックを使用したゲーム画面 . . . 13 3.6 フリックを使用したゲーム画面の全体図 . . . 13 3.7 タッチパットを使用したゲーム画面 . . . 15 3.8 タッチパットを使用したゲーム画面の全体図 . . . 15 3.9 マーカーを使用したゲーム画面 . . . 16 3.10 マーカーを使用したゲーム画面の全体図 . . . 16 3.11 特定のオブジェクトやUIをタッチする操作方法のゲーム画面 . . . 18 3.12 特定のオブジェクトやUIをタッチする操作方法のゲーム画面の全体図 . . . 18表 目 次
3.1 ぷにコンでの操作時の計測されたタイム . . . 12 3.2 フリックでの操作時の計測されたタイム . . . 14 3.3 タッチパットでの操作時の計測されたタイム . . . 15 3.4 マーカーでの操作時の計測されたタイム . . . 17 3.5 特定のオブジェクトやUIを触る操作方法での操作時の計測されたタイム . . . 18第
1
章
はじめに
日々、様々なAndroid やiPhone などの小型携帯端末で遊ぶことができるアプリケーション ゲームが排出されている。その中で、小型携帯端末でゲームをするとき、直接的な操作と操作画 面を広くする為にタッチパネルを用いているのが一般的である。しかし、この小型携帯端末で使 われているタッチパネルを使用してゲームをプレイするときに、操作している自身の指で画面が 隠してしまうことがある。これによってアクションゲームにおいては瞬時の判断に迫られる操作 の時に見えづらいことや、ゲームをプレイしている最中に画面を指で隠している為、ゲームの進 行に支障をきたす場合がある。このことからタッチパネルによる前面での操作ではなく、画面を 隠す要素である自身の指を、背面に回すことが有効であると考えられる。この背面での操作に適 したデバイスとして背面タッチパネルが挙げられる。画面が隠れてしまい見えなくなってしまう 問題点を背面タッチパネルを付けることによって解決している研究が数多くある。だが、この背 面タッチパネルとは端末背面でのタッチ操作による入力を可能にするデバイスである為、自分の 指を背面に回してしまい直接自分の指を見ることができず正確なタッチ操作をすることが困難で ある問題点が存在する。 この問題に対して平岡茂夫ら[1]はガラパゴスケータイの画面を液晶画面を大きく利用するために、ボタンを背面に配置し操作する指の位置をユーザーにフィードバックする機能を持たせた BehindTouch を提案し、操作性の問題を解決する手法を提案した。また久野ら[2] の研究では、 背面タッチパットは背面に円筒型状の白色ビーズをiPhoneの背面に固定させ、これを触感条件と して個数を変えた何種類かの端末を用意しどれが一番精度よくタッチすることができたかを確か めている。指を背面に回すことで直接見えない為、正確な操作が難しい問題点を物理的な触覚を 付与することによって問題点を解決している。この他の手法として岡田ら[3]のポインティングデ バイスによる片手での携帯端末の操作の支援や日高ら[4][5]のスマートフォンの片手操作をより 快適にするデバイス開発と操作手法を提案されている。廣木桂一ら[6][7]によるHybridTouchで は従来型携帯端末の背面にタッチパットを装着し、前面の物理キーを減らし前面の画面領域を確 保している。更に岩渕ら[8]のように透過率の高いディスプレイを使用することによって背面での 操作の難しさを解決している。このように背面で操作する際に直接自分の指が見えず正確な操作 をすることができない問題点に対して特殊なデバイスを用いることによって解決している研究が ある。しかし、これらの研究で使われているデバイスは、デバイスを使用しない一般的なゲーム の操作を考慮していない。また、小型携帯端末の小さくて持ち運びやすいというメリットを損な うものであった。 物理的な触覚以外で背面の正確なタッチ操作を行う研究として国分新ら[9][10][11]の擬似的な 触力覚を提示している研究が挙げられる。この研究では視覚情報をコントロールすることによっ て擬似的な触力覚を生起させるPseudoHapticsに着目し、背面から押した際にディスプレイの視 覚情報を変化させる事で柔らかさを提示させている。しかし、このPseudoHapticsを利用した擬 似的な触力覚の提示は、擬似触覚を考慮したシステムを構築しなくてはならず、ソフトウェア側 に大きな制約がかかる。 古屋ら[12]は自分の指で画面が隠れてしまい見えづらいという問題に対してタッチパネルを 使用し、片手で端末を持ちながら文字入力を行う手法を提案している。この研究では人差し指に
よる端末背面で扇状スライド入力を実装し検証を行っている。しかし、小型携帯端末でのゲーム をプレイする際に、古屋らの研究のように片手の人差し指だけの操作では操作範囲が限られる。 その為、両手や複数の指を使用するゲームをする際に、人差し指だけを使用した操作方法は適さ ない。 ここまで紹介してきた先行研究では、特殊なデバイスの付与や物理的な触覚以外での触力覚を 提示することによって、背面での操作をする時の正確なタッチをすることが困難な問題点を解決 している。しかし、これらの手法では小型携帯端末でのゲームをプレイする際、端末の携帯性を損 ねることやソフトウェア側に大きな制約が掛かり一般的なゲームには向いていない。そこで本研 究では、小型携帯端末に背面タッチパネルを付与することによって、プレイ画面が自分の指で隠し てしまい邪魔になってしまうという問題点を解決し、自身の指が直接見えなくてもゲームをプレ イすることに支障をきたさないことを目的とする。この目的を達成するために背面の操作になっ ても問題なく遊ぶことができる操作方法を探すため、2016年12月に配信されていた AppStore ゲームランキング上位100位以内の操作方法を調べ、検証した。この100位以内の中で同じ操作 方法で背面にしても遊ぶことができる操作方法のゲームが複数見つかったため、どの操作方法が 背面に適しているかプレイしたゲームを操作方法毎に分類分けを行った。この分類分けを行った 中で、背面タッチパネルを実装した携帯端末で問題なくゲームを進行することができる操作方法 を明らかにし、前面での操作と比較して支障なくプレイすることができるか検証を行った。その 結果、検証を行った操作方法がすべて不適切であることが分かった。 本論文の構成を以下に述べる。第2章では直接自身の操作点である指が見えないため精密な操 作を要求しない操作方法のアプリケーションゲームを探すために現在配信されているアプリケー ションゲームの操作方法の分類分けについて述べる。第3章では第2章で分類分けした操作方法 の中で背面タッチパネルでの操作に適した操作方法を使用したゲームを制作し、前面と背面とで 操作の差がどれほどあるか検証について述べる。4章で本論の結論を述べる。
第
2
章
ゲームの操作方法の分類
本章ではゲームの操作方法の分類分けについて述べる。まず2.1節で本章で使う操作に対する 用語定義について述べる。2.2節では調査した操作方法の分類分けについて述べる。2.3節では 2.2節で分類分けした中で背面に適した操作方法を述べる。2.1
操作方法の用語定義
本章において、操作に対する用語を以下に定義する。 • タッチ 画面上のUIやオブジェクトに触った瞬間に反応する操作方法のこと。 • ドラッグ ドラッグとは動かしたい対象をタッチし続ける、そのまま目的の場所まで対象を動かし、 目的の場所で指を離す操作方法である。 • フリック 動かしたい対象を移動させたい方向に画面を指でさっと払う動作で動かす操作方法のこと。 • タップ画面上のUIやオブジェクトを触ってから離す操作方法である。ドラッグのように触った 場所から移動してはならず触った位置で指を離さなくてはならない。
2.2
ゲームの操作方法の分類分け
アプリケーションゲームでは現在どのようなものがあるのか、2016年12月に配信されていた AppStoreのゲームランキングTOP100を調査した。その中でゲームを進めていく上で戦闘画面 やキャラクターの移動画面といった、そのゲームを遊ぶために必要な基礎となる操作が、どのよ うな操作をするかをゲームのチュートリアルをプレイして確認してみたところ9種類ほどの操作 方法に分類できることが分かった。以下にその9種類の操作方法を示す。 1. 特定のオブジェクトやUIをタッチする 画面内にあるオブジェクトやUIをタッチする操作方法である。触ってから離すまでが一 連の操作であるタップと違い触るだけの操作方法である為、リズムゲームのような音楽に 合わせて指定された場所をタッチするゲームによくある操作方法である。特定のオブジェ クトやUIをタッチするゲームとして、アイドルマスターシンデレラガールズ スターライ トステージ[13] が挙げられる。 2. ドラッグ 動かしたいオブジェクトをタッチして続け、目的の位置まで指を動かし指を離す操作方法 である。パズルゲームのように触った位置を基準に盤面のパズルを動かしたり、タッチし た位置からスライドして同じ物を触り続けてオブジェクトを消していくゲームによくある 操作方法である。ドラッグ操作を使用するゲームとしてパズル&ドラゴン[14] が挙げら れる。 3. タッチして引っ張る画面上の弾き飛ばしたいオブジェクトをタッチしてから引っ張り、引っ張った先で指を離 すことで引っ張った方向とは逆の方向にオブジェクトが進んでいく操作方法である。引っ 張る長さによって動かしたいオブジェクトの移動量が増減できる。タッチして引っ張る ゲームとしてモンスターストライク[15]が挙げられる。 4. フリック 動かした物を動かしたい方向に画面上を指で払う動作で動かしていく操作方法である。メ ニュー画面の操作のような細かく指示を出すようなことには向かず移動手段や物を投げる といった行動に使われる傾向がある。ポケモンGOのように特定のオブジェクトを触って からフリックするものと画面のどこからでもフリックして反応する物の2種類のパターン がある。フリック操作でゲームが進行するゲームとしてTemple Run[16]が挙げられる。 5. タッチパット 画面上にアナログスティックを模したUIを設置し、これをタッチして動かす操作方法で ある。UIとして配置しなくてはいけない為、場所を圧迫してしまうが移動するというアク ションを操作する箇所だということが見ただけで分かりやすい。タッチパットを使用する ゲームとしてモンスターハンターポータブル2nd G for iOS[17]が挙げられる。 6. ぷにコン方式 画面の好きな所を触り、そこを始点に8方向に動かした方向にオブジェクトを動かすこと ができる。株式会社コロプラで有名な操作方法であり、画面のどこからでも操作できるた め敢えて移動するためのUIを画面上に設置する必要がないため、少ないUIでアクション RPGをすることができる。この操作方法を使っているゲームとして白猫プロジェクト[18] やドラゴンプロジェクト[19]などがある。 7. マーカー 主人公や動かしたい対象をタッチした方向に動かす時や、動かしたい対象の目的地をタッ
チすることで目的地まで自動的に移動させる操作方法である。これは移動するコマンドを 画面から省き他のUIを優先して配置したい時に使われる手法とみられる。基本的に能動的 に動かせるものが一つしかない場合のみに成立しタッチした位置に誘導させる。オブジェ クトをタッチした時はそのオブジェクトの情報やそれに対してのコマンドを表示させる。 8. 特定の位置をタップする 画面で指示されたボタンをタップをすることで進行していく操作方法である。、オセロのよ うにルールに則って特定の場所をタップするボードゲームに多い操作方法である。タップ 操作ができるゲームではタッチ操作と違い、タッチした位置から離れたところで指を離す と操作をキャンセルすることができる。 9. ゲーム画面上のUI以外のどこを触っても反応する 画面上のUI以外のどこをタッチしてもゲームを進めることができる操作方法である。基 本的な操作が「ジャンプ」や「攻撃」しかなくそれを画面をタッチすることで行うため操 作方法が簡単である。
2.3
背面タッチでの操作に適した操作方法の検討
背面タッチパネルの操作では操作面が裏であるために自分の指が直接自分の目で確認すること ができない為正確なタッチをすることが難しい。そのため今回9種類に分類したこの手法の中で も自分の操作点である指を直接みなくても操作に支障がない操作手法としてぷにコン方式、タッ チパット、マーカー、フリックの4種類を提案する。この4つの操作方法は正確なタッチ操作を 要求されずどこを触っても操作することができる操作法であり、指を直接見えなくても問題なく 操作することができると考えた。背面に適した操作方法とそうでない操作方法で差があるか検証 を行う為、4種類以外の直接操作点が見ることができず操作することが難しい方法として特定のオブジェクトやUIをタッチ操作する方法を追加した計5種を検証した。第3章で検証結果を述 べる。
第
3
章
評価実験
前章での分類分けの中から操作するときに正確なタッチ操作を要求しない操作方法としてぷに コン、タッチパット、マーカー、フリックの4種類、そうでない操作方法として特定のオブジェ クトやUIをタッチする操作方法の計5種類の操作方法を背面で同じ操作でプレイしても問題な くプレイができるか検証した。 検証の方法としてそれぞれの操作方法で自分が操作できるキャラをゴールまで導いていく簡単 なゲームを実装し、背面を実装した端末とそうでない普通に前面で操作する端末の両方をプレイ してもらいそれぞれのゴールについたタイムを比較した。タイムを計る際に普段使い慣れていな い背面での操作をするため1つの操作方法に対して3回プレイしてもらい数回プレイすることで どの程度タイムが変化するか計測も行った。また、普段前面でのタッチパネルの操作と違い使い 慣れていない背面タッチパネルの操作では、1,2回目のタイムは検証に適さないため3回目の検証 結果のみを使用する。実験結果の表に記載されている被験者が同じ場合は、表上で同じアルファ ベットで表記する。今回使用した背面タッチパネルを実装した端末はSIMフリースマートフォン DOOGEEX5Sの背面同士をくっつけ互いに通信して擬似的な背面タッチパネルを実現した。図 3.1、図3.2 は実際に使用した実機である。ゲームエンジンはUnityを使用し、株式会社モノビット[20]のMonobitUnityNetworking で端末同士の通信を行い相互のゲーム画面を共有している。
図3.2 DOOGEEXX5Sの背面タッチを付与した実機
3.1
ぷにコン操作
どこから触ってもその触った位置を起点としたタッチパットが出てきて操作することができる ぷにコンのような操作方法で自キャラをゴールまで移動するゲームを前面と背面の2種類用意し た。図3.3と図3.4は実験に用いたゲーム画面と全体図である。これを被験者にプレイしてもら いそれぞれのタイムを測定した。表3.1は実際に計測した時間である。 結果として平均値を見ると若干背面での操作時間の方が長い結果となった。また、前面のタイ ムを基準とした時の背面のタイムの割合は約102%であった。図3.3 ぷにコンを使用したゲーム画面 図3.4 ぷにコンを使用したゲーム画面の全体図 表3.1 ぷにコンでの操作時の計測されたタイム 被験者 操作方法 1回目 2回目 3回目 A ぷにコン 29.63 26.38 29.40 ぷにコン背面 29.35 28.20 30.24 B ぷにコン 27.50 26.99 29.20 ぷにコン背面 27.19 27.17 27.22 C ぷにこん 26.32 25.64 27.34 ぷにコン背面 31.07 29.23 27.78 D ぷにコン 27.45 27.07 28.79 ぷにコン背面 28.57 33.14 28.84 E ぷにコン 28.28 26.60 27.12 ぷにコン背面 28.64 39.29 31.68 F ぷにコン 26.81 25.82 27.60 ぷにコン背面 32.01 31.92 28.78 平均値 ぷにコン 27.67 26.42 28.42 ぷにコン背面 29.47 31.49 29.09
3.2
フリック
フリックをすることによりフリックした方向に一定の距離を移動する自キャラをゴールまで 移動していくゲームを前面と背面の2種類を用意した。図3.5と図 3.6は実際に用いたゲーム画 面と全体図である。これを被験者にやってもらいそれぞれのタイムを測定した。表3.2は実際に 計測した時間である。結果として、前面と背面の平均のタイムを比較すると背面の方が時間が掛 かっていることが分かった。また、3回目の前面のタイムを基準とした時の背面のタイムの割合は 約206%であった。 図3.5 フリックを使用したゲーム画面 図3.6 フリックを使用したゲーム画面の全体図表3.2 フリックでの操作時の計測されたタイム 被験者 操作方法 1回目 2回目 3回目 A フリック 6.98 5.94 5.08 フリック背面 21.34 13.08 14.03 B フリック 13.56 8.05 6.59 フリック背面 12.23 15.23 10.50 C フリック 6.76 6.00 6.17 フリック背面 14.34 13.56 14.87 D フリック 8.89 8.34 6.07 フリック背面 17.65 14.55 14.09 E フリック 7.86 8.56 5.57 フリック背面 17.92 11.81 10.95 F フリック 5.15 6.13 5.61 フリック背面 11.38 8.46 7.96 平均値 フリック 8.2 7.17 5.85 フリック背面 15.81 12.78 12.06
3.3
タッチパット
特定の位置にあるタッチパットをタッチしてそれを自キャラを動かしたい方向に指を動かすと 進む操作方法を前面と背面の2種類用意した。図3.7と図3.8は実際に用いたゲーム画面と全体 図である。これを被験者にプレイしてもらいそれぞれのタイムを計測した。表3.3は実際に計測 した時間である。結果として前面と背面での操作時間の平均を比べると背面の方が長いと分かっ た。また、3回目の前面のタイムを基準とした時の背面のタイムの割合は約118%であった。図3.7 タッチパットを使用したゲーム画面 図3.8 タッチパットを使用したゲーム画面の全体図 表3.3 タッチパットでの操作時の計測されたタイム 被験者 操作方法 1回目 2回目 3回目 A タッチパット 23.00 20.03 19.14 タッチパット背面 28.14 24.96 28.38 B タッチパット 20.58 19.60 18.52 タッチパット背面 21.09 20.59 19.42 C タッチパット 19.24 19.36 19.26 タッチパット背面 23.68 20.43 23.04 D タッチパット 20.23 19.36 19.04 タッチパット背面 22.67 23.02 25.31 E タッチパット 20.17 21.57 19.44 タッチパット背面 25.03 21.34 21.42 F タッチパット 19.52 20.69 25.05 タッチパット背面 34.26 20.69 25.05 平均値 タッチパット 20.46 20.10 20.08 タッチパット背面 25.81 21.84 23.77
3.4
マーカー
タッチした位置に丸型のマーカーが出現し自キャラはそれを自動的に追尾しこれをゴールまで 導くゲームを前面と背面の2種類用意した。図3.9と図3.10は実際に用いたゲーム画面と全体図 である。これを被験者にプレイしてもらいゴールまでのタイムを測定した。表3.4は実際に計測 した時間である。結果としては3回の平均値全てが背面の方が長い結果になった。また、3回目 の前面のタイムを基準とした時の背面のタイムの割合は約139%であった。 図3.9 マーカーを使用したゲーム画面 図3.10 マーカーを使用したゲーム画面の全体図表3.4 マーカーでの操作時の計測されたタイム 被験者 操作方法 1回目 2回目 3回目 A マーカー 31.77 29.75 28.53 マーカー背面 58.60 41.25 81.20 B マーカー 30.80 29.99 29.23 マーカー背面 55.73 38.46 42.59 C マーカー 30.24 29.53 28.49 マーカー背面 52.23 36.04 40.38 D マーカー 31.32 29.22 28.49 マーカー背面 90.02 58.00 50.93 E マーカー 29.97 28.64 30.93 マーカー背面 37.67 40.71 34.57 F マーカー 31.13 28.29 28.54 マーカー背面 42.13 41.90 42.62 平均値 マーカー 30.87 29.23 29.03 マーカー背面 56.06 42.73 48.72
3.5
特定のオブジェクトや
UI
をタッチ操作方法
画面上にある矢印をタッチして自キャラを矢印を押した方向に動かすことができる。これを前 面と背面の2種類用意した。図3.11と図3.12 は実際に用意したゲーム画面と全体図である。こ れを被験者にプレイしてもらいそれぞれのタイムを計測した。表3.5は実際に計測した時間であ る。結果としては、3回それぞれの操作時間の平均値は背面の方が前面に比べて操作時間が長かっ た。3回目の前面のタイムを基準とした時の背面のタイムの割合は約139%であった。この結果 はこれまでの4つの背面に適した操作方法の結果と比べると3番目に早い結果になった。図3.11 特定のオブジェクトやUIをタッチする操作方法のゲーム画面 図3.12 特定のオブジェクトやUIをタッチする操作方法のゲーム画面の全体図 表3.5 特定のオブジェクトやUIを触る操作方法での操作時の計測されたタイム 被験者 操作方法 1回目 2回目 3回目 A 特定のUIをタッチ 18.72 16.36 16.04 特定のUIをタッチ背面 24.39 23.78 20.06 a 特定のUIをタッチ 17.64 15.08 15.85 特定のUIをタッチ背面 26.67 22.57 19.78 b 特定のUIをタッチ 16.08 16.46 15.66 特定のUIをタッチ背面 25.91 24.51 22.06 c 特定のUIをタッチ 15.15 15.78 16.51 特定のUIをタッチ背面 36.63 24.88 22.29 d 特定のUIをタッチ 16.59 16.19 16.13 特定のUIをタッチ背面 20.04 21.04 28.38 e 特定のUIをタッチ 15.89 14.97 15.21 特定のUIをタッチ背面 24.77 23.53 20.22 平均値 特定のUIをタッチ 16.68 15.81 15.90 特定のUIをタッチ背面 26.40 23.39 22.13
3.6
考察
上記の評価実験の結果から、基本的には背面タッチパネルでの操作は前面での操作に比べると 長くなってしまうということが分かった。しかし、ぷにコン操作では検証した中で一番前面と同 じくらい速いタイムを出すことができると分かった。フリック操作では、3回目の結果を比べてみ たところ約2倍の時間が掛かることが分かった。この結果からフリック操作は他の操作と比べる と、どこから触っても操作できる操作方法であったが操作時間には背面の方が倍の時間を必要と することが分かった。タッチパットでの操作では、タイムの割合が118%と検証した中で2番目 に早い結果となった。マーカー操作では、3回目の表の前面と背面のタイムの平均値を見ると、背 面の方が圧倒的に時間が掛かっていることが分かった。背面での操作は直接自身の指を見ること ができないため、正確なタッチ操作が難しい。しかし、このマーカー操作では直接自身の指は見 ることができないが前面の画面に現在触っている位置がマーカーとして表示されているため自身 の操作点がどこにあるか分かる。この観点からマーカー操作は問題であった操作点が分かるとい う点では解決している操作方法である。だが、実験の結果からは背面での操作には向いていない ということが明らかになった。また、特定のオブジェクトやUIをタッチする操作方法では、背面 に適さない操作方法として検証したが結果は3番目に速い結果となった。背面に適さない操作方 法が良い結果な理由して触る場所が固定されているタッチ操作は慣れにより速く操作することが できることが考えられる。また、マーカーとフリックがこの操作方法より結果が悪かった理由と して、背面で入力した操作が前面に反映されるまでのラグ顕著に表れたことだと思われる。 以上の5つの評価実験を終えて背面に一番適している操作方法はぷにコン操作あることが分 かった。第
4
章
まとめ
本稿では、小型携帯端末でのゲームをプレイするにあたって、自分の指で画面が隠れてしまい 画面が見えづらいという問題点の解決として背面タッチパネルに注目した。背面タッチパネルを 付与する際に物理的なフィードバックやポインティングデバイスを使用せず小型携帯端末の携帯 性を保ち、背面タッチパネルを付与することによってプレイ画面を自分の指で隠してしまい邪魔 になってしまうという問題点を解決し、背面の操作でも前面と変わらない操作を可能とすること を目的とした。この目的を達成するため背面で操作しても前面と比べて問題ない操作方法を探し 実際に背面タッチを実装した実機を用いて検証を行った。被験者の実験の結果からぷにコンのよ うな画面のどこから触っても操作することができ、動かしたい方向に指を動かせる操作方法が一 番だということが分かったが前面よりタイムが遅い結果になってしまった。以上の実験結果より、 検証した操作方法はすべて不適切であったがその中でもぷにコンでの操作が一番背面操作に適し ていることが分かった。謝辞
本論文の執筆にあたり、ご指導くださった指導教員の方々に心から感謝の意を表します。また、 様々な相談や実験に付き合ってくれた研究室のメンバーに深く感謝いたします。
参考文献
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[18] 株 式 会 社 コ ロ プ ラ. 白 猫 プ ロ ジ ェ ク ト. http://colopl.co.jp/shironekoproject/. 参 照:2017.01.19.
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[20] 株式会社モノビット. Monobit unity networking. http://www.monobitengine.com/mun/. 参照:2017.01.19.