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金融機能の変化と地域金融機関の役割

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Academic year: 2021

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AChangeinFinancialFunctionofJapaneseRegionalBanks

NAKANOMitsuhiko Duringthelast13yearsJapaneseeconomyhascontinuouslydeclinedpar- ticularlyinregionalareasexcludingKantoandTokaidistricts.Thedeteriora-tionofregionaleconomieshasaffectedthebusinessperformanceofregional banksalongwiththeincreaseofborrowers'creditrisk. Oneoftheimportantrolesoftheregionalbanksistosupportandhelptheir regionaleconomies'development.Howeverithasbecomequitehardforthem todothatthroughtraditionallendingduetobothconstraintofreducingcredit riskandnecessityofsecuringmanagementstability. Lesseffectsofrelationshipbankingcanbefoundincomparativelylarge regionalbanksthaninsmallonesthoughFSAispressingtheregionalfinan-cialinstitutionsstronglytopushforwardwithrelationshiplending. Theyshouldconsideradjustingtheirfinancialfunctionfromtraditionallend-ingbusinessto"breakthroughinvestment"business.Noexcessivepositive returncannotbeexpectedintraditionallendingbusiness,whereas100%loss wouldbepossible.Venturesornewbusinesscreatorsneedequityinvestment ratherthanlending.TheCLOschemewhichhasbeenlaunchedbyTokyo Prefectureissuggestingaframeworkofrisksharingforanewinvestment scheme.Inthatschemeequityinvestmentinsteadofbankingloanwillbepro-posedutilizingfinancialfundsinregions.Regionalbankswillundertakean equitypart.Regionalindividualinvestorsandinstitutionalinvestorswillbe expectedtoundertakeaseniorpartandamezzaninepartrespectively.Re-gionalbanksarerequestedtohaveadeterminationoftakinganimportant responsibilityfordevelopmentoftheirregionaleconomies.

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金融 機 能 の変化 と地域 金 融機 関の役 割

は じめ に 2011年3月11日 の東 日本 大震 災 に よ って,東 北 地 方 や北 関東 地 方が 大 き く 被 災 し,個 人 生 活 や 企 業 活 動 が 大 きな影 響 を受 けて い る。 こ う した 中で 東 北 地 方 の 地 域 金 融 機 関 も貸 出債 権 の 劣 化 な どに よ って 損 害 を受 け,既 に仙 台 銀 行 や 筑 波銀 行 が 金融 機 能 強 化 法(改 正 法)に 基 づ き公 的 資金 を 申請 し,9月 末 に資 本 注 入 が 実 施 され た。 金 融 機 能 強 化 法(旧 法)の 狙 い は,地 域 金 融 機 関 の 経 営 統 合 を推 進 しそ の 体 力 を強 化 す る こ とに よ って,ひ い て は地 域 経 済 の 活 性 化 に役 立 たせ る もの で あ っ た。 この 趣 旨が リ ーマ ン ・シ ョ ック に よ って 大 き く変 わ り,中 小 企 業 を 中心 と した事 業 者 へ の 円滑 な資 金 供 給 が 目的 とな って い る。 確 か に,リ ーマ ン ・シ ョ ック,東 日本 大 震 災 とい う一 時 的 な災 害 へ の 対 応 策 と して はや む を得 ない 面 が あ る。 だが ,真 に議論 され な くて はな らない の は,平 成 不 況 の 長 期 化 とデ フ レー シ ョンの 進 行 に よ って,日 本 経 済 が 成 長 軌 道 か ら大 き く外 れ て い る 中で,地 方 経 済 の 再 建 をい か に進 め るか, そ の ため に地 域 金 融 機 関 が どの よ う な役 割 を果 たす こ とが で きるか とい う こ とで あ る。 本 稿 で は,1990年 代 初 頭 のバ ブ ル崩 壊 以 降 の地 域 金 融機 関 の経 営 ・財 務 状 況 を踏 ま え た上 で,地 域 金 融 機 関 が 今 後 どの よ う な責 務 を果 た して い くこ と が 可 能 か につ い て 検 討 す る1)。 キ ー ワ ー ド:リ レ ー シ ョ ン シ ッ プ バ ン キ ン グ,地 域 金 融 機 関,証 券 化

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1.本 論 文 の 視 座 2011年3月11日 に 発 生 した 東 日本 大 震 災 は,リ ー マ ン ・シ ョ ッ ク か ら立 ち 直 りか け て い た 日本 経 済 に 大 き な シ ョ ッ ク を 与 え た 。 北 関 東 や 東 北 に 集 中 し て い た 自 動 車 部 品 や 精 密 機 械 部 品 の 供 給 が 途 絶 え,日 本 全 国 で 機 械 工 業 関 連 の 生 産 が 一 時 的 に ス ト ッ プ す る な どの 影 響 が 出 た 。 更 に は,原 発 事 故 に よ る 電 力 供 給 の 制 限 な ど,各 企 業 の 生 産 プ ロ セ ス に 大 き な 影 響 を 与 え た 。 だ が, 景 気 動 向 指 数 と鉱 工 業 生 産 指 数 の 推 移 を 見 る と,2008年9月 の リ ー マ ン ・シ ョ ッ ク発 生 か ら 半 年 後 に は25ポ イ ン ト以 上 下 落 し た の に 対 し,2011年3月 の 東 日 本 大 震 災 発 生 か ら半 年 後 に は7∼8ポ イ ン ト低 下 の 水 準 に ほ ぼ 戻 っ て お り, 震 災 の 実 質 的 な 影 響 は 比 較 的 小 さ か っ た 。(表1-1)。 む し ろ 注 意 す べ き は, 震 災 直 前 の2011年2月 の 鉱 工 業 生 産 の 水 準 が97.9(2005年=100)と2005年 レベ ル を 回 復 して お らず 極 め て 低 水 準 で あ っ た とい う 点 で あ る 。 日本 の 名 目 GDPは 山 一 謹 券 が 自 主 廃 業 に 追 い 込 ま れ た1997年 度 か ら2010年 度 ま で に 減 少 して お り,こ の13年 間 の 名 目成 長 率 は マ イ ナ ス7.4%(年 平 均 マ イ ナ ス0.6%) と な っ て い る 。 そ の 原 因 は,そ もそ も実 質 ベ ー ス で8.4%(同 プ ラ ス0.6%) と成 長 率 が 非 常 に 低 い 上 に,こ の 間 の デ フ レー タ ー が マ イ ナ ス14.6%(同 マ イ ナ ス1.2%)と 大 き く低 下 して い る こ と で あ る 。 こ の 深 刻 な デ フ レ状 況 が 金 融 機 関 の 経 営 に 大 き な 影 響 を 与 え て い る 。 表1-1.景 気 動 向 一 致 指 数 ・鉱 工 業 生 産 指 数 の推 移 2008.08 2008.09 2009.03 2011.02 2011.03 zoii.os 2011.09 (a) 98.2 97.2 71.6 94.3 86.3 90.3 88.9 (b) 103.5 103.6 73.0 97.9 82.7 93.6 90.5 (注)(a)景 気 動 向 一 致 指 数2005年=100,(b)鉱 工 業 生 産 指 数(季 調 済)2005年=100 (資料)景 気 動 向 一 致 指 数:内 閣府 鉱 工 業 生 産 指 数:経 済 産 業 省 1)本 稿 は2011年3月ll日 に発生 した東 日本大 震 災 の影響 につ い ては 考慮 してお らず, そ れ 以 前 の 経 済 状 況 を前提 に 執 筆 して い る 。 も っ と も震 災 の 影 響 は 甚 大 で あ り地 域 の 経 済状 況 が 一 層 深 刻 化 す る とい う点 で は,震 災 に よ って 本 稿 の 論 旨が 変 わ る もの で は な い 。

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低 成 長 とデ フ レ進 行 の 日本 経 済 の も とで,金 融 機 関 は伝 統 的 な貸 出業 務 で は収 益 を伸 ばす こ とが 困 難 に な って い る。 第 一 に,経 済 成 長 の 停 滞 に伴 う投 資 資 金 需 要 の 停 滞 で あ る。 第 二 に,貸 出先 の 業 績 悪 化 に よ る信 用 リス クの 増 加 で あ る。 この ため,金 融 機 関 の 貸 出 は増 加 せ ず,メ ガ ・バ ン ク,地 域 金 融 機 関 を問 わず,増 え続 け る預 金 を国 債 投 資 に振 り向 けて 収 益 を確 保 す る とい う構 図 に なっ てい る。 以 下 で は,金 融危 機(1990年 代後 半 か ら2000年 代前 半) 経 過 後 の 金 融 機 関 の 業 務 状 況 を踏 ま え た う えで,地 域 金 融 機 関 と りわ け地 方 銀 行 に期 待 され る金 融 機 能 を検 討 す る。 なお,本 稿 で は一 般 的 な 呼称 に従 い,都 市 銀 行 を 「都 銀 」,地 方 銀行 を 「地 銀 ⊥ 第二 地 方銀 行 を 「第二 地銀 ⊥ 信 用 金 庫 を 「信 金 ⊥ 信 用 組 合 を 「信 組 」 と表 記 す る。 地 域 金 融 機 関 の 範 囲 は地 銀 か ら信 組 まで と し,範 囲 を地 銀 と第 二 地 銀 の み に限 定 す る場 合 に はそ の 旨明 記 す る。 2.地 域 金 融 機 関 の 財 務 の 状 況 (1)都 市 銀 行,地 銀 の 資金 調 達 ・運 用 構 造(B/S) 本 節 で は,バ ブル 発生 時期 の1987年3月 期 と三 洋 証 券 が破 綻 して金 融 危 機 が 始 ま っ た1997年3月 期,直 近 の2011年3月 期 につ い て,都 銀 と地 銀 の 経 営 ・財 務 状 況 を比 較 す る。 ① 運 用 ・調 達 構 造 の 変 化 まず都 銀 の状 況 を見 る と,87年3月 期 か ら97年3月 期 にか けて預 金,貸 出 金 と もに大 幅 に増 加 した。 そ の 後ll年3月 期 に か け て預 金 は16兆 円 と微 増 で あ っ た もの の,貸 出 金 は80兆 円減 少 した 。 この変 化 は,バ ブル に伴 う貸 出 金 増 加 が 不 良 債 権 処 理 の遅 れ に よっ て1990年 中盤 まで 維持 さ れ た もの の,90 年 代 終 盤 か ら一 気 に処 理 が進 ん だ こ との反 映 で あ る。 他 方,国 債 は97兆 円 と 大 幅 に増 加 し,貸 出金 の 減 少 分 を国 債 投 資 に振 り向 けて い る こ とが わか る。 これ に対 し,地 銀 は97年3月 期 か ら11年3月 期 まで に預 金が40兆 円増 加, 貸 出金 が20兆 円増 加,国 債 が20兆 円増 加 して お り,預 金 増 加 分 が 貸 出金 と 国債 に ほ ぼ均 等 に振 り分 け られて い る。 更 に,地 銀 全 体 の 総 資 産 は87年3月

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期 か らll年3月 期 に ほ ぼ倍 増 して い る。 これ は地 銀 が都 銀 に比 較 してバ ブル にお る不 良 債 権 処 理 が さ ほ ど大 き くなか っ た こ と と関 係 して い る。 現 に,地 銀64行 体 制 は 実 質 的 に現 在 も維 持 され て い る2)。 以 上 よ り総 じて言 え る こ とは,97年3月 期 か ら2011年3月 期 にか けて都 銀 は預 金 増 加 を抑 え なが ら運 用 先 を大 幅 に変 化 させ て きた の に対 し,地 銀 は預 金 を集 め て 貸 出金 で 運 用 す るス タ イ ル を維 持 した とい う こ とで あ る。 言 い 換 えれ ば,地 銀 の 貸 借 対 照 表上 の量 的構 図 は この24年 間 に基 本 的 に変 わ っ てい ない 。 具 体 的 に は,都 銀 の 貸 出金 ウ ェ イ ト(貸 出金 の 総 資 産 に 占め る割 合) は87年3月 期 の52.5%か らll年3月 期 に は44.7%に 低 下 し残 高 も22%増 に と どま って い るの に対 し,地 銀 は,同62.6%が 同64.9%と な って お り, 残 高 は2倍 とな って い る。 都 銀 と地 銀 の 運 用 姿 勢 の 違 い は何 に よ る もの で あ ろ うか 。 都 銀 はデ フ レが 長 期 化 す る経 済 環 境 下 で 貸 倒 れ リス クの 高 い 貸 出金 を増 加 させ る よ り も,リ ス クの ない 国債 運 用 を増 加 させ る とい う判 断 を下 した もの と考 え られ る。 他 方,地 銀 が 貸 出 を増 加 させ たの は,地 域 の 資 金 ニ ーズ が 高 か っ た ため で あ ろ う。 但 し,少 な く とも過去14年 間 の貸 出金増 加 は,地 元企 業 に対 す る 「前 向 きの 資 金 需 要 」 か ら発 生 した とは考 え に くい 。 む しろ,シ ン ジケ ー トロー ン な どを通 じた大 都 市 圏 へ の 企 業 へ の 貸 出か,地 方 経 済 の 疲 弊 を反 映 した 「後 向 きの 資 金 需 要 」 に応 え た もの が 大 半 で あ ろ う。 2)2010年5月 に大 阪 府 の池 田銀 行 と泉 州銀 行 が 合 併 して,11年3月 時点 で は63行 体 制 とな っ て い る 。

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表2-1.都 市 銀 行 ・地 方 銀 行 の バ ランスシート動 向 (単 位:兆 円,%) 都銀 87.03構 成 比 97.03構 成 比 11,03構 成 比 11187増 減 率 総資 産/負 債 ・純資 産 318.4100.0% 434.0100.0% 454.8100.0% 42.8% 預 金 NCD コー ノレ 自 己 資 本 216,067.8% 14.44.5% 14.64.6% 6.11.9% 273,162.9% 34.27.9% 31.57.3% 13.43.1% 288,663.5% 27.66.1% 16.53.6% 19.84.4% 33.6% 91.7% 13.0% 224.6% 貸 出金 有価 証券 国債 167,352.5% 32,710.3% 7.32.3% 283,465.3% 53,612.4% 8.62.0% 203,544.7% 150,533.1% 101,422.3% 21.6% 360.2% 1289.0% 地銀 87.03構 成 比 97.03構 成 比 11.03構 成 比 11187増 減 率 総資 産/負 債 ・純資 産 125.3100.0% 201.2100.0% 242.9100.0% 93.9% 預 金 NCD コー ノレ 自 己 資 本 104,383.2% 1.41.1% 2.41.9% 4.13.3% 172,985.9% 2.61.3% 4.52.2% 8.24.1% 212,787.6% 6.12.5% 0.80.3% 12.35.1% 103.9% 335.7% -66 .7% 200.0% 貸 出金 有価 証券 国債 78,462.6% 22,918.3% 7.25.7% 137,368.2% 37,618.7% 10.25.1% 157,764.9% 65,527.0% 30,112.4% 101.1% 186.0% 318.1% (2)収 益 構 造 の変 化 次 に,各 業 態 の 収 益 構 造 を比 較 す る。87年3月 期 には都 銀 地 銀 と もに資 金 運 用 収 益 が 経 常 利益 に 占 め る割合 は90%を 超 え,そ の うち で も貸 出利 息 の 割 合 が 経 常 収 益 の 半 分 以上 を 占め て い た。 ところ が,都 銀 は97年3月 期,11 年3月 期 に は資 金 運 用 収 益,貸 出利 息 の 割 合 が 低 下 し,特 に貸 出利 息 は40% 前 後 に低 下 した。 これ は既 述 した貸 出 金 の圧 縮 と関係 してい る。 これ に対 し, 地 銀 で は貸 出金 利 息、が依 然 と して経 常 収 益 の60%弱 を占 め てお り,収 益 の柱 とな って い る。 この 点 に限 って 言 え ば,地 域 金 融 機 関 は伝 統 的 な銀 行 業 務 の

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ス タ イ ル を維 持 して い る。 他 方,経 常 費 用 の 面 で は,両 業 態 と も長 引 く低 金 利 の 影 響 で 資 金 調 達 費 用 の ウ ェ イ トが 著 し く低 下 して い る。 特 に預 金 利 息 の 割 合 が大 き く低 下 してお り,87年3月 期 か らll年3月 期 にか けて,都 銀 で は 58.6%か ら5.2%へ,地 銀 で は59.3%か ら7.9%へ と低 下 した。 金額水 準 で 見 る と,11年3月 期 に は都 銀 地 銀 と もに0.3兆 円で あ り,同 水 準 とな っ て い る。 同期 の 預 金 残 高 は都 銀 が 地 銀 の1 .4倍 で あ るか ら,調 達 金 利 の 水 準 に 応 じて 機 動 的 に調 達 ソ ー ス を変 更 す る機 能 は都 銀 の ほ うが 優 れ て い る こ とを 示 して い る。 ま た,営 業 経 費 に も違 い が 目立 って い る。 地 銀 は都 銀 に比 べ 規 模 の 利 益 が 小 さ く営 業 経 費 率 が 高 い 点 は従 来 か ら指摘 され てお り,ll年3月 期 に は2.5兆 円 と経 常 費 用 の 半 分 以 上 を 占め て い る。 更 に金 額 水 準 も,都 銀 と地 銀 の差 は87年3月 期 に は0.6兆 円 で あ っ たが,11年3月 期 に は0.4兆 円 に縮 小 して お り,地 銀 の 水 準 は都 銀 に近 づ きつ つ あ る。 この 点 で 地 銀 に は合 併 等 を通 じた合 理 化 余 地 が 残 って い る と指 摘 で きる。 以 上 か ら,都 銀 は預 金 以 外 の 調 達 も強 め つ つ 運 用 面 で は貸 出以 外 に 回 して い るの に対 して,地 銀 は預 金 を吸 収 して 貸 出 に 回す とい う従 来 型 の 銀 行 構 造 を基 本 的 に維 持 して い る と言 え よ う。 どの よ う な銀 行 構造 が 望 ま しい か は経 済 環 境 に大 き く依 存 す るが,マ ク ロ的 経 済 条 件 が 改 善 しない 中で 貸 出の 信 用 リス クが 高 ま って お り,貸 出金 に依 存 した資 金 運 用 が 従 前 に比 較 し厳 し くな って い るの は事 実 で あ る。 この ため 金 融 機 関 に とって 信 用 リス ク を抑 制 す る こ とが 収 益 管 理 の 上 で 重 要 に な って お り,後 述 す る よ う に地 域 金 融 機 関 は金 融 庁 の 旗 振 りの も とで リ レー シ ョン シ ップ ・バ ン キ ン グへ の 取 り組 み を強 化 して い る。

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表2-2.都 市 銀 行 ・地 方 銀 行 の収 益 動 向 (単 位 兆 円,%) 都 銀 87.03 97.03 11.03 経 常 収 益 16.1100.0% 21.2100.0% 7.7100.0% 資 金 運 用 収 益 14,590.1% 16,879.2% 4,761.0% 貸 出利 息 8,754.0% 7,937.3% 3,241.6% 有 価 証 券 利 息 配 当 2,012.4% 1.57.1% 1,114.3% ス ワッ プ 収 益 一 一 4,621.7% 0.22.6% 役 務 収 益 0.53.1% 0.94.2% 1,418.2% 国 債 等 売 却 益 0.63.7% 0.73.3% 0.79.1% 経 常 費 用 14.5100.0% 21.2100.0% 5.8100.0% 資 金 調 達 費 用 11,377.9% 12,056.6% 1,119.0% 預 金 利 息 8,558.6% 4,822.6% 0.35.2% NCD 0.85.5% 0.52.4% O.11.7% 営 業 経 費 2,414.9% 3,315.6% 2,937.7% 経 常 利 益 1.6 O.0一 1.9 当期 利 益 0.7 40.0 1.7一 地 銀 87.03 97.03 11.03 経 常 収 益 6.6100.0% 7.0100.0% 4.7100.0% 資 金 運 用 収 益 6,090.9% 5,882.9% 3,676.6% 貸 出利 息 4,263.6% 3,752.9% 2,859.6% 有 価 証 券 利 息 配 当 1,522.7% 1,622.9% 0,817.0% ス ワッ プ 収 益 一 一 0ユ1.4% O.OO.O% 役 務 収 益 0.23.0% 0.45.7% 0,714.9% 国 債 等 売 却 益 0.23.0% 0.34.3% 0.24.3% 経 常 費 用 5.9100.0% 6.7100.0% 3.8100.0% 資 金 調 達 費 用 3,864.4% 2,232.8% 0,410.5% 預 金 利 息 3,559.3% 1,522.4% 0.37.9% NCD 0.11.5% 0.OO.O% O.OO.O% 営 業 経 費 1,827.3% 2,637.1% 2,553.2% 経 常 利 益 0.7 0.4一 0.9一 当期 利 益 0.3 0.2一 0.5一 (注)87.03期:(a)資 金 運 用 収 益 は,貸 出 利 息+有 価 証 券 利 息 配 当金+そ の他 受 入 利 息, (b)役 務 収 益 は受 入手 数料,(c)国 債 売 却 益 は有 価 証 券 売 却 益, (d)資 金 調 達 費 用 は預 金 利 息+そ の他 支 払 利 、自、(含むNCD利 息)

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3.リ レ ー シ ョ ン シ ッ プ ・バ ン キ ン グ の 変 化 (1)リ レバ ン の意 義 リ レー シ ョ ンシ ップ ・バ ン キ ン グ(以 下,「 リ レバ ン」)に は明 確 な定 義 は ない が,一 般 に は債 権 者 た る金 融 機 関 と債 務 者 で あ る企 業 が 長 期 的 な取 引 関 係 を通 じて 情 報 の 非 対 称性 を緩 和 し,双 方 が メ リ ッ トを享 受 す る こ とを言 う。 例 え ば,リ レバ ンの 概 念 につ い てPetersenandRajan(1994)は,「 親 密 か つ 継 続 的 な取 引 を通 じて,企 業 が 資 金 の 貸 し手 に対 し自 らの 業 況 につ い て 十 分 な情 報 を伝 え る こ とで,借 入 コス トが 低 下 した り資 金 の 融 通 を受 けや す くな っ た りす る関 係 」 と述 べ て い る。 つ ま り,リ レバ ン とは金 融 機 関 が 債 務 者 と の 問 に長 期 的 且 つ 親 密 な関 係 を構 築 す る こ とに よ り財 務 諸 表 な どハ ー ド情 報 に は含 まれ ない ソ フ ト情 報 を蓄 積 し,情 報 の 非 対 称 性 を緩 和 ない し解 消 す る こ とにあ る。 この ソ フ ト情 報 は,メ イ ン ・バ ンク ない し準 メ イ ン ・バ ンク な ど取 引 順 位 の 高 い 金 融 機 関 しか 知 りえ ない よ う な排 他 的 情 報 で な くて は な ら ない 。 従 って,リ レバ ンを有 効 とす る に は,第 一 に ソ フ ト情 報 が 存 在 す る こ と,第 二 に長 期 的 な取 引 関 係 を築 くこ とが 前 提 とな る。 第 一 の 点 につ い て,メ イ ン ・バ ンク ない しは準 メ イ ン ・バ ン クが 排 他 的 に 独 占 しう る ソ フ ト情 報 は具 体 的 に存 在 す るの だ ろ うか 。 金 融 機 関 に とって 中 小 企 業 の 重 要 な情 報 とは,企 業 そ の もの の 実 態 は勿 論 の こ と,経 営 者 の 資 産 状 況,経 営 者 の 経 歴,人 的 ネ ッ トワ ー クで あ る。 特 に オ ー ナー 系 の 中小 企 業 にお い て は,経 営 者 一 族 の 資 産 状 況 や 人 的 ネ ッ トワ ー ク に関 す る情 報 が 大 き な比 重 を 占め る こ とに な る。 経 営 者 の 資 質 は重 要 で あ るが,前 者 の 条 件 が 揃 っ た上 で の 付 加 的 情 報 と して の 価 値 に と どま り,最 終 的 な与 信 判 断 に大 きな 影 響 力 を持 た ない 。 しか し,こ う した情 報 はハ ー ド情 報 と して 金 融 機 関 内 で 伝 達 され て こそ 価 値 を発 揮 す る もの で あ り,排 他 的 な ソ フ ト情 報 とな る もの は限 られ て い る。 ソ フ ト情 報 とは,例 え ば経 営 者 一 族 の 資 産 状 況 に関 しエ ビ デ ンス(証 拠)は 取 れ ない もの の 担 当 者 が 認 知 して い る,或 い は債 務 者 の 取 引 先 に担 当 者 が 接 触 し取 引 関 係 を確 認 して い る とい っ た もの で あ る。

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そ もそ もハ ー ド情 報 と して 蓄 積 され ない ソ フ ト情 報 は,金 融 機 関 担 当 者 と 債 務 者 との 人 間関 係 の 中 に存 在 す る もの と考 え るべ きで あ ろ う。 そ うす る と, 金 融 機 関 の 組 織 の 中で 人 間関 係 が 近 接 して い る場 合 に は ソ フ ト情 報 が 継 承 さ れ て い く可 能 性 が あ る。 例 え ば 信 用 金 庫 や 信 用 組 合 は営 業 基 盤 が 比 較 的 限 定 され て い る上 に組 合 員 方 式 を とって い る ため,役 職 者 と債 務 者 の(数 年 間 に わ た る)接 触 頻 度 が 高 い 。 リ レバ ンが 小 規 模 の 金 融 機 関 にお い て 有 効 だ と す る議 論3)は,こ の よ うな取 引構 造 を前 提 と して い る と推 察 さ れ る。 また,一 般 に 日本 の 金 融 機 関 で は担 当者 個 人 に貸 出 の決 裁権 限(ク レ ジ ッ ト ・ラ イ ン) は認 め られ て お らず,与 信 金 額 に よ って 支 店 長 あ るい は審 査 部 ない し役 員 ま で の ラ イ ンで 審 査 ・認 可 す る体 制 を敷 い て い る。 この 場 合 に,ソ フ ト情 報 を ハ ー ド情 報 に置 き換 え る こ とな く取 引 条 件 に反 映 す る こ とは非 常 に困 難 で あ る。 ソ フ ト情 報 と して 活 用 しう るの は,そ の 情 報 を支 店 長 あ るい は審 査 部 ま で 掌 握 して い る場 合 で あ る。 この よ う な債 務 者 は極 め て 限 られ るか,既 述 し た よ う に小 規 模 の 金 融 機 関 で の 長 年 の 取 引 関 係 の 中で ソ フ ト情 報 が 本 部 まで 共 有 され て い る場 合 に限 られ る。 逆 に,一 定 規 模 以上 の金 融 機 関 の場 合 には, 営 業 エ リ アが 広 い 中で 担 当 者 の 転 勤 が あ り,ソ フ ト情 報 の 伝 承 が 困 難 で あ る ため,顧 客 との 人 的 関 係 が 取 引 条 件 に継 続 的 に反 映 され に くい 。 第 二 の 点 につ い て,リ レバ ンが 実 施 され て い れ ば長 期 的 な取 引 関 係 が 構 築 され る可 能 性 が 高 い が,長 期 的 な取 引 関 係 が あ れ ば リ レバ ンが 実 行 され て い る と言 え る だ ろ うか。PetersenandRajan(1994)は リ レバ ンの重 要 な側面 と して メ イ ン ・バ ン ク と して の 取 引 期 間 を指 摘 して お り,リ レバ ン に よ り債 務 者 も金 融 機 関 もメ リ ッ トを享 受 し,結 果 的 に取 引 が 長 期 的 に維 持 され る と し て い る。 しか し,メ イ ン ・バ ン ク と して の 取 引 が 長 期 問継 続 して い るか ら と い って リ レバ ンが 実 行 され て い る或 い は実 行 で きる わ けで は ない 。 日本 で は 3)BergerandUdell(2002)は,リ レバ ンに は金融 機 関の 組 織構 造 が 関 係 す る と指 摘 した 上 で,融 資 決 定 まで の 審 査 階 層 が 少 な い 小 規模 金 融 機 関 の ほ うが,担 当 者 と 役 席 者(支 店 長 な ど)の 間 に 存 在 す る リ レバ ン に関 す る問 題 点 が 緩 和 され る と し て い る 。

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メ イ ン ・バ ン ク と して の取 引年 数 が 米 国 に比 べ て長 い が4>,そ こ に は 日本 固有 の 金 融 取 引 の 特 徴 が 反 映 して い る可 能 性 が 高 い 。 具体 的 に は,①1980年 代 の 半 ば まで は規 制 金 利 下 の 横 並 び条 件 の 環 境 の 中で 貸 出金 利 に ほ とん ど差 が な か っ た,② 不 動 産 担 保 や 第 三者 個 人 保証 な どの 差 し入 れ に よ りス イ ッチ ン グ ・ コス トが 非 常 に高 か っ た,③ メ イ ン ・バ ンク とは従 業 員 取 引 を含 む複 合 取 引 型 で あ る ため 変 更 が 困 難 で あ っ た,な どの 点 が 指 摘 で きる。 従 って,日 本 の 場 合 に は取 引 年 数 の 長 さ を リ レバ ンの 側 面 と して 捉 え る こ とは必 ず し も妥 当 で は ない 。 リ レバ ンに は,金 融 機 関 側 の 能 動 的 な姿 勢 が 前 提 で あ り,金 融 機 関 担 当 者 の 資 質 が 重 要 な要 素 とな って くる。 従 って,リ レバ ン を展 開 す る に は物 理 的 制 約 が あ り,そ の 克 服 の ため に金 融 機 関 に は相 当 の 努 力 が 必 要 で あ る。 結 局,リ レバ ンの メ リ ッ トにつ い て は,「 日本 にお い て も欧米 にお い て確 認 され た よ う な リ レー シ ョ ンシ ップバ ンキ ングの メ リ ッ トが 存 在 す る可 能 性 は あ る。 しか し,そ の メ リ ッ トはそ れ ほ ど大 きな もの で は な さそ うで あ る。 一 中略 一そ の メ リ ッ トが 生 まれ る メ カニ ズ ム に は国 に よ って 違 い が あ る よ う に 見 受 け られ る。」[内 田(2007)]と い う こ とで あ ろ う。 そ うで あれ ば,全 ての 地 域 金 融 機 関 が ひ たす らに リ レバ ン を推 進 す る こ とは適 切 で は ない し,そ れ を行 政 の 指 導 に よ って 行 って もメ リ ッ トは もた らされ ない 。 リ レバ ン を どの 程 度 推 進 す るの か は,む しろ地 域 金 融 機 関 に限 らず メ ガ ・バ ンク も含 め て そ れ ぞ れ の 金 融 機 関 が 自 らの 組 織 構 造 と置 か れ た条 件 に沿 って 判 断 して い くべ きで あ る。 (2)リ レバ ン の評 価 わが 国 にお い て リ レバ ンが 注 目され 始 め たの は,金 融 危 機 が 進 行 して い た 2002年10月 に金 融庁 が 「金 融再 生 プ ロ グ ラム」 を打 ち出 し,中 小 ・地 域金 融 4)メ イ ン ・バ ンク と して の取 引 年 数 は,日 本 で は 半 数以 上 が20年 以 上,ド イ ッ は20 年程 度,ア メ リカ で は 平 均10年 程 度 と言 わ れ て い る 。

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機 関 の 不 良 債 権 処 理 につ い て の 考 え方 を導 入 す る こ とを明 らか に した時 期 か らで あ る。 そ の 趣 旨 は,金 融 機 関 の 不 良 債 権 問 題 を解 消 す る ため に,金 融 機 関 自身 が 債 務 者 の 業 況 を十 分 に把 握 し,業 況 の 改 善 を促 す こ とにあ っ た。 金 融 庁 の リ レバ ン推 進 は,既 述 した よ う な純 粋 な非 対 称 性 の 解 消 に と どま る も の で は な く,金 融 機 関 が 起 業 支 援 や 事 業 再 生 を通 じて 中小 企 業 の 活 性 化 を図 る とい う領 域 に まで 踏 み 込 ん だ もの とな って い る5)。しか し,中 野(2010)が 指 摘 す る よ う に金 融 機 関 と中小 企 業 に は認 識 の ギ ャ ップが 存 在 して お り,リ レバ ンに対 す る 中小 企 業 の 評価 も,「創 業 ・新事 業 育 成 」 や 「事 業 再 生 」,「担 保 ・保証 人 に依存 しな い融 資 等 」 の項 目で 「消 極 的」 との評 価 が 多 い(表3-1)。 これ らの 項 目は,金 融 機 関 に とって リス クが 高 か っ た り,特 別 の 負 担 や 専 門能 力 が 要 求 され た りな ど,必 ず し も積 極 的 に推 進 で きる項 目で は ない 。 この 点 で も,日 本 の リ レバ ンは金 融 機 関 に とって か な り負 担 の 重 い もの とな って い る。 中小 企 業 の 側 か ら政 策 を推 進 す る 中小 企業 庁 も,「金 融機 関が 『経 営 方 針 ・事 業 計 画 の作 成 サ ポ ー ト』 の13.3%で あ るの に対 し,中 小 企 業 で は 3.0%と 低 く,中 小 企業 と金 融機 関 との 間 に経 営 方 針 ・事 業 計 画 の作 成 に関す る認 識 の 相 違 を確 認 す る こ とが で きる」(中 小 企 業 白書2010年 版)と 述 べ て お り(表3-2),現 状 の リ レバ ンに行 き詰 ま りが あ る こ とを示 唆 してい る と言 え よ う。 2011年 度7月 に金 融庁 が公 表 した リ レバ ン ・ア ンケ ー ト調査 結 果6)は,ア ン ケ ー ト項 目の 体 系 が 変 わ って お り過 年 度 と単 純 に比 較 で きない が,そ の 中で も近似 して い る項 目を見 る と,創 業 ・事 業 開拓 支援 は,積 極 的評 価(「 積 極 的 」 と 「や や 積 極 的 」 との合 計,以 下 同 じ)29.7%,消 極 的(「 消 極 的 」 と 「や や 5)金 融 庁 「リ レー シ ョ ン シ ップ バ ンキ ン グの 機 能 強 化 に関 す るア ク シ ョン プ ロ グ ラ ム 」(2003年3月),同 「地域 密 着 型 金融 の機 能 強 化 に 関 す る ア ク シ ョンプ ロ グ ラ ム(平 成17∼18年 度 」(2005年3月) 6)平 成23年5∼6月 実 施 した 調 査 で あ るが,基 本 的 に平 成22年 度 の 地 域 密着 型 金 融 に対 す る評価 で あ る。 平 成23年 調 査 よ り調 査 項 目が 変更 され て お り,平 成22年 度 以前 の 調 査 と単 純 に は 比 較 で きな い が,近 似 項 目が あ るた め 本 稿 で はそ れ を比 較 の対 象 と した 。

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消 極 的 」 の 合 計,以 下 同 じ)24.9%,「 どち ら と もい えな い」29.2%で あ り, 積 極 的 評 価 が 消 極 的 評 価 を上 回 っ た。 平 成20年 度,同21年 度 に は下 回 って い た こ とを考 え る と,リ レバ ンの 定 着 に よ って 金 融 機 関 の 姿 勢 が 評 価 され 始 め た と も考 え られ るが,積 極 的 評 価 の 水 準 そ の もの は低 下 して お り,ま だ十 分 に評 価 で きる状 況 に は ない 。 次 に 「経 営 改 善 支 援 」 につ い て は,積 極 的 評 価44.9%,消 極 的評 価18.9%で あ り,過 年 度 の 「経 営 相 談 ・支援 機 能 強 化 」 に比 較 して 積 極 的 評 価 が 高 ま って い る。 これ は金 融 庁 に よ る金 融 機 関 へ の 取 り組 み 強 化 指 示 に よ る結 果 で あ ろ う。 ま た,金 融 機 関 側 も経 営 改 善 が 債 務 者 区分 の 上 位 遷 移 を もた ら し信 用 コス トの 引 き下 げ につ なが る こ とか ら,積 極 的 に取 り組 んで い る と思 わ れ る。 これ に対 し,「事 業 再 生 ・業 種 転換 支 援 」 は 積 極 的 評 価21.3%,消 極 的評 価21.0%,「 どち ら と も言 え ない」34.8%で あ り,過 年 度 よ りほ とん ど変 化 が ない 。 これ は,事 業 再 生 支 援 は金 融 機 関 に と って 損 益 面 で の 影 響 が 大 きい だ けで な く,再 生 ス キ ー ムの 策 定 が 容 易 で ない こ とを反 映 して い る。 以 上 の よ う に リ レバ ンの 評 価 に はバ ラ ッ キが あ る。 この 背 景 に は,経 営 指 導 や 事 業 再 生 に関 す る金 融 機 関 の 物 理 的 か つ 質 的 能 力 に は限 界 が あ り,金 融 機 関 の 数 に比 べ 金 融 庁 の 言 う とこ ろの リ レバ ン対 象 の 中小 企 業 の 数 が 圧 倒 的 に多 い 点 が ネ ック とな って い る こ とが あ る。 ま た,債 務 者 で あ る 中小 企 業 に とって は,目 先 の 資 金 繰 りが 最 も重 要 で あ り,先 行 き不 透 明 の 経 済 環 境 の 中 で は事 業 計 画 の 立 案 は後 回 しにせ ざ る を得 ない とい う事 情 が あ る。 この よ う な状 況 下 で は,こ れ まで の リ レバ ンの 取 り組 み は評 価 で きる もの の そ の 手 法 を再 考 す る必 要 が あ る。 経 営 相 談 や 事 業 再 生 な どに は専 門家 の 組 織 的 な投 入 が 必 要 で あ り,金 融 機 関 へ の 過 大 な期 待 は 回避 す べ きで あ る。 地 域 金 融 機 関 に とって リ レバ ン を どう捉 え るか,そ の 範 囲 を どこ まで 広 げ るか は今 後 の 大 きな課 題 で あ る。

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表3-1.金 融 機 関 の リレバ ンへ の取 り組 み に対 す る中 小 企 業 の評 価 (単位:%) 積極的 消極的 創業 ・新事業支援強化 33.9(33.3) 36.1(41.4) 経営相談 ・支援機能強化 41.9(412) 33.2(38.7) コ ンサ ル テ ィ ン グ能 力 18.5 *36 .010.4 事業再生 20.4(22.1) 34.9(442) 担保 ・保証人に依存 しない融 資等 29.8(33.8) 47.4(47.9) 企業 の将来性 ・技術力評価 20.9(23.3) 49.1(51.4) 人材育成 26.2(29.9) 34.6(36.2) 地域活性化 28.2(31.8) 36.5(37.6) (注)*「 どちらとも言 えない 」,()内 は平 成20年 度 。 (資料)金 融 庁 「平 成21年 度 における地域 型 密 着 金融 の 取 り組 み状 況 について」 表3-2.中 小 企 業 が 金 融 機 関 に求 め るサ ービ ス (単位:%) 長短貸出*金 利 引 下 迅 速 貸 出 将来性評価 実績 評価 顧 客紹介 計 画 支 援 信用強化* 中小企 業 22.321.6L3.0 8.9 6.0 6.9 3.OII6.8 金融機 関 9.09,136.6 17.1 5.6 7.65 18.312L.3 (注)*長 短 貸 出… 長期 資金 と短 期 資 金 それ ぞ れ を合 計 したもの,信 用 強化 …金融 機 関 自身の 信 用 力 強 化 (資料)中 小 企 業 白書2010年 版

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(3)リ レバ ン の 「進 化 」 金 融 庁 は金 融 改 革 プ ログ ラ ムか らス ター トした リ レバ ン を推 進 す る一 方 で, 地 域 金 融 機 関 の 健 全 性 確 保 の ため に不 良 債 権 処 理 の 厳 格 化 を求 め て きた。 し か し,リ ーマ ン ・シ ョ ック に よ る急 激 な景 気 落 ち込 み の 中で 中小 企 業 の 資 金 繰 り対 策 と して2008年11月 に貸 付 条件 緩 和 債 権 の取 り扱 い を大 幅 に緩 和 し, 同債 権 が 不 良 債 権 とな らない よ う に措 置 を講 じる よ う方針 転 換 した7)。そ の1 年 後 の2009年11月 に は金 融 円滑 化 法 が 成 立 し,金 融 機 関 は債 務 者 か ら返 済 期 限 延 長 の 要 請 が あ れ ば,貸 付 条 件 の 変 更 等 を行 う よ う努 め る こ とが 定 め ら れ た 。 更 に,2011年3月31日 に金 融 円滑 化 法 を1年 間 延長 し,同 時 に 「円滑 化 指 針 」8)と「改 正 内 閣府 令 」 の改 訂 を行 っ た。 「円滑 化 指針 」 で打 ち出 され た 方 針 が,金 融 機 関 に よ る 「コ ンサ ル テ ィ ング機 能 の発 揮 」 で あ る 。 「円滑 化 指 針 」 は 円滑 化 法 延 長 に付 随 して お り時 限 的 な指 針 で あ る と と もに,対 象 は借 入 金 の 期 限 が 延 長 され た債 務 者 で あ る。 これ に対 し,同 様 の 内 容 が 「中小 ・ 地 域 金 融 機 関 向 けの 総 合 的 な 監督 指 針 改正 案(以 下,「 中小 指 針 改 正 案 」)」に 盛 り込 まれ た。 「中小 指 針 改 正 案 」 は恒 久 的 な措 置 で あ り,対 象 は金融 機 関 と 取 引 す る全 て の 中小 企 業 で あ る。 即 ち,「 コ ンサ ル テ ィ ング機 能 の発 揮 」 は, 今 後 の リ レバ ンの 柱 の 一 つ と して 位 置 づ け られ たの で あ る。 この 方 針 が 打 ち 出 され た背 景 に は,中 小 企 業 経 営 の 前 提 とな るマ ク ロ経 済 7)金 融 機 関 が債 務 者 の 経 営 再 建 又 は 支 援 を図 る こ と を 目的 に,金 利 の 減 免,返 済 期 限 の 延 長 な ど債 務 者 に 有 利 とな る よ うな 条 件 変 更 に応 じた 場 合 には,当 該 債 権 は 貸付 条 件緩 和 債 権 とみ な され,原 則 的 に要管 理 債 権 と して15%程 度 の 引 当金 計 上 が金 融 機 関 に 求 め られ る 。 例外 と して,実 現 可 能 性 の 高 い 抜 本 的 な 経 営 再 建 計 画 が あ り3年 以 内 に正 常債 権 とな る と認 め られ る 場 合 に は,貸 付 条 件 緩和 債 権 に は 該 当 しな い 。 また,中 小 企 業 再 生 支 援協 議 会 の 支 援 の 下 で 計 画 が 策 定 され た 場 合 に も貸付 条 件緩 和 債 権 に 該 当 しな い 。 金 融 庁 は リー マ ン ・シ ョッ ク に よ る急 激 な 経 済情 勢 の悪 化 に対応 す べ く,2008年11月 に 緊急 措 置 と して貸 付 条 件 緩和 債 権 の 基準 見 直 し を行 い,実 現 性 の 高 い 再 建 計 画 の 期 間 を3年 か ら原則5年 へ,最 長10 年へ と延 長 し,同 時 に1年 以 内 に 再 建 計 画 が 策 定 で き る見 込 み が あ れ ば 貸付 条 件 の 変 更 を取 り扱 え る こ と と した 。 さ ら に金 融 円 滑 化 法 に よ り,金 融 機 関 が 貸 付 条 件 の 変 更 に応 じや す い よ うに して い る 。 8)い わ ゆ る 「金 融 円 滑 化 法 」 の1年 延 長(2012年3月 末 まで の期 限延 長)に 伴 い, 金融 庁 は 金 融 監 督 に 関 す る 指針 を策 定 し(「円 滑化 指 針 」),同 時 に開 示 ・報 告 資 料 の簡 素 化 を図 る た め の 臨 時 措 置 と して 内 閣 府 令 を改 正 した(「 改 正 内 閣 府 令 」)。

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の 環 境 が 全 く好 転 して い ない ため,い く ら リ レバ ン を推 進 し貸 付 条 件 を緩 和 して も中小 企 業 の 経 営 状 況 は一 向 に改 善 せ ず,最 終 的 に は経 営 破 綻 に至 り貸 付 債権 が不 良 債権 化 してい た こ とが あ る。 この状 況 に対 処 すべ く,今 回の 「コ ンサ ル テ ィ ング機 能 の 発 揮 」 で は金 融 機 関 に対 して リ レバ ンの 「経 営 相 談 」 を一 層 強 化 す る こ とを求 め る と とも に,ソ リュー シ ョ ン提 案(問 題 解 決 提 案) の 類 型 を提 示 す る 中で,「 事 業 の持 続 可 能性 が見 込 まれ な い先 」 に対 して は債 務 整 理 や 自主 廃 業 の 決 断 を迫 る場 合 もあ る こ とを示 した。 これ は,更 に一 歩 「進化 」 した リ レバ ンの推 進 で あ る。 確 か に将 来展 望 の な い債 務 者 に対 し貸 出 条 件 の 緩 和 を続 けて い て も限 界 が あ る。 従 来 か ら金 融 機 関 は慎 重 な判 断 の も とに債 務 者 に対 し自主 廃 業 な どの 提 案 を して きたが,今 回の よ う に金 融 庁 に よ って 例 示 され る こ とに なれ ば 中小 企 業 へ の イ ンパ ク トは相 当 大 きな もの とな る。 金 融 庁 の 指 導 の も とに リ レバ ンが 「進 化 」 して い け ば 金 融 機 関 と りわ け地 域 金 融 機 関 の 機 能 は債 務 者 の 事 業 性 を判 断 す る機 能 を強 め て い くこ とに な り,ま さ に貸 出先 の 命 運 を左 右 す る こ とに な る。 言 い 換 えれ ば 金 融 機 能 を使 っ た 中小 企 業 の リス トラ或 い は 「整 理 」 で あ る。 しか し,「整 理 」 す る だ けで は地 域 経 済 の 再 生 支 援 に は力 不 足 で あ る。 「中小 指 針 改 正 案 」 で は, コ ンサ ル テ ィ ング機 能 の 発 揮 と同時 に地 域 金 融 機 関 に対 し地 域 の 面 的 再 生 へ の 積 極 的 な参 画 を求 め て い るが,こ れ を具 体 的 に進 め て い くため に地 域 金 融 機 関 が 自主 的 に どう関 与 す るの か が 重 要 で あ る。 4.金 融 機 能 の 変化 (1)地 域 経 済 と地 域 金 融 疲 弊 す る地 域 経 済 の 下 で 金 融 機 関 と りわ け各 県 の 金 融 機 能 にお い て 重 要 な 地 位 を 占め る地 銀 は,ど の よ う な機 能 発 揮 を求 め られ るで あ ろ うか 。 既 に, 金 融 機 関 の 規 模 拡 大 が 地 域 経 済 の 拡 大 を もた らす 時 代 は終 わ り,長 引 く不 況 の 中で 預 金 が 増 加 して い る に もか か わ らず 貸 出金 が 伸 びず,地 域 経 済 が 縮 小 す る時 代 に入 って い る9)。貸 出 金 の減 少 は,地 域 経 済 の 停滞 が 原 因で貸 出需 要 9)金 融 深化説 と収束仮 説に関す る議論は,山 根 ・筒井(2009)な どを参照の こと。

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そ の もの が 減 少 す る と と も に,信 用 リス ク の 増 加 に よ っ て 金 融 機 関 が 貸 出 に 慎 重 な 態 度 を 取 っ て い る こ との 反 映 で あ る 。 金 融 危 機 が 発 生 す る 直 前 の1996年 度 と リ ー マ ン ・シ ョ ッ ク 直 前 の2007年 度 の 県 別 名 目総 生 産 を 比 較 す る と,こ の11年 問 に 全 県 合 計 平 均 で わ ず か0.4% の 増 加 に す ぎ な い(表4-1)。 単 純 年 平 均 に 換 算 す る と0.036%で あ り,ま さ に ゼ ロ 成 長 で あ る 。 こ の 中 で 特 に 減 少 が 著 しか っ た 上 位3県 は,兵 庫 マ イ ナ ス13.1%,高 知 マ イ ナ ス10.3%,北 海 道 マ イ ナ ス10.2%で あ る 。 主 と して 北 海 道 ・東 北 地 方 と関 西 ・山 陰 地 方 で 減 少 が 目立 っ て い る 。 逆 に 増 加 し た 県 は,三 重ll.4%,愛 知7.9%,静 岡5.6%,埼 玉5.3%な ど 自動 車 生 産 の 増 産 の 恩 恵 を 蒙 っ た 地 域 で あ っ た 。 な お 東 京 は8.8%の 増 加 を 示 して お り,輸 出 基 地 を 抱 え る 地 域 と 同 様 に 一 定 の 経 済 規 模 拡 大 を 実 現 して い た 。 次 に 名 目県 民 所 得 の 増 減 を 見 る と,減 少 し た 上 位 県 の 顔 ぶ れ は 同 じで あ る が,減 少 幅 が 大 き く な っ て い る(表4-1)。 上 位 県 は ほ と ん ど が10%以 上 の 減 少,全 県 平 均 で も2.5%の 減 少 で あ っ た 。2007年 度 の 県 民 所 得 が1996年 度 を 上 回 っ た の は,増 加 率 が 高 い 順 に 東 京13.0%,三 重7.9%,沖 縄6.6%,静 岡4.0%,愛 知3.5%の わ ず か5県 で あ っ た 。 リ ー マ ン ・シ ョ ッ ク 前 に も か か わ らず 所 得 環 境 が 冷 え 込 ん で い た こ と,東 京 一 極 集 中 で あ っ た こ とが わ か る 。 そ の 後2008年9月 の リ ー マ ン ・シ ョ ッ ク の 影 響 で 東 海 地 域 の 景 気 も 一 気 に 悪 化 し,2008年 度 の 段 階 で1996年 度 の 水 準 を 上 回 っ て い た の は,沖 縄 と東 京 の 2県 と な っ て し ま っ た 。 生 産 ベ ー ス で は9県 が1996年 度 を か ろ う じて 上 回 っ た が,所 得 ベ ー ス で は 日本 経 済 は1996年 度 の 水 準 に 逆 戻 り し て し ま っ た の で あ る 。 県 別 の 預 金 ・貸 出 金 の 状 況 を 見 る と(表4-2),経 済 規 模 が 縮 小 し て い る に もか か わ らず 預 金 残 高 は 増 加 し,他 方 で 貸 出 金 は 著 し く減 少 して い る た め, 結 果 的 に 県 ベ ー ス の 預 貸 率1°)は低 下 の 一 途 を 辿 っ て い る(表4-3)。 預 金 増 加 率 と貸 出 金 増 加 率 の 乖 離 が 最 も著 しい の は 東 京 で,そ の 結 果 と して 預 貸 率 は 10)一 般 に 預 貸 率 は あ る 金 融機 関 あ る い は 金 融機 関 の 集 合 体(都 銀,地 銀 な ど)に 用 い られ る概 念 で あ る が,こ こで は便 宜 的 に 県 単 位 で の 貸 出 金 の 預 金 に対 す る比 率 と して 使 用 して い る 。

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1998年 度 の166%か ら2007年 度 に は100.9%に 低 下 し た。 そ れ で も東 京 は 100%を 維 持 して お り,預 金 が 貸 出 金 に充 当 され る状 況 で あ る。 これ に対 し, 名 目県 別 総 生 産 の 減 少 県 で 預 金 増 加 率 と貸 出金 増 加 率 の 乖 離 が 最 も大 きい 大 阪 府 で は,県 ベ ー ス の預 貸 率 は1998年 度123.5%(貸 出超 過)か ら2007年 度 に は74.2%(預 金 超 過)に 低 下 した。 東 京,大 阪 な ど都 市 部 にお け る貸 出の 減 少 と預 貸 率 の 低 下 は不 良債 権 の集 中 的 な処 理 の 反 映 で あ る と考 え られ るが, 全 国的 な預 貸 率 の 低 下 は 日本 経 済 全 体 の 弱 さ を反 映 す る もの で あ る。 預 金 ・貸 出金 の 状 況 と県 別 総 生 産 の 相 関 関 係 を見 る と,県 別 貸 出額 と名 目 県 別 総 生 産 の 問 に は正 の相 関 関係 が観 察 され る。例 え ば,大 阪 で は96年 度 か ら07年 度 に か け て 県民 所 得 が100.0か ら91.0へ と9%減 少 したの に対 し, 県 別 貸 出額 は100.0か ら70.3と 約30%減 少 した(図4-1)。 他 方,同 期 間 に 預 金 は17.1%増 加 して い る。即 ち預 金 と県 別総 生 産 の 問 には逆相 関が 見 られ, 貸 出 に 回 らない 預 金 は既 述 した通 り国債 投 資 に振 り向 け られ て きた。 しか し, 国債 投 資 は金 融 機 関 の 安 定 収 益 に は寄 与 して も,中 央 財 政 の 再 配 分 機 能 が あ る とはい え地 域 経 済 の 直 接 的 な発 展 に寄 与 す る とは考 え に くい 。 地 域 金 融 機 関 は,国 債 投 資 の 収 益 と増 加 す る預 金 の 活 用 を地 域 の 発 展 に どう活 用 す るか を検 討 しな くて は な らない 。 表4-1.名 目県 別 総 生 産,名 目県 民 所 得 の 変 化(1996年 度 ∼2007年 度) (単位:%) 名 目県別 総生 産 名 目県 民所得 北海道 ③ △10.2 高知② △10.3 北海 道③ D14.2 高知 ① △17.8 岩手⑨ △6.0 長 崎⑧ △6.4 岩 手⑤ △11.7 長崎 ⑦ △11.0 新潟④ D7.6 (参 考) 新 潟⑨ D9.7 (参 考) 富 山⑨ △6.0 全 県 0.4 富山⑨ D9.7 全 県 △2.5 大阪⑩ △5.8 東 京 8.8 大 阪⑥ D11.1 東京 13.0 兵庫① D13.1 静岡 5.6 兵 庫⑧ D10.5 静 岡 4.0 奈 良⑦ △6.5 愛 知 7.9 奈 良② D14.3 愛知 3.5 鳥取⑥ △6.9 三重 11.4 鳥 取④ D13.1 三重 7.9 愛媛⑤ △7.0 沖縄 8.4 愛 媛③ D14.2 沖縄 6.6 (注)県 名 のあとの丸 数 字 は減 少 率 の順 位 を示 す 。 (資料)内 閣府 「県 民 経 済 計 算 」

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表4-2.預 金 ・貸 出 金 の増 減 率(1998年 度 ∼2007年 度) (単位:%) 預金 貸 出金 北海 道 9.7 高知 0.3 北海道 △16.7 高 知 D1.9 岩手 7.1 長崎 4.0 岩 手 △3.8 長 崎 021.6 新潟 3.8 (参 考) 新 潟 △16.7 (参 考) 富 山 6.5 全県 18.2 富山 △6.4 全 県 016.7 大 阪 17.1 東京 28.4 大阪 X29.7 東 京 021.9 兵庫 11.2 静 岡 9.5 兵 庫 △19.9 静 岡 10.0 奈 良 .・ 愛知 18.5 奈 良 D7.0 愛 知 017.4 鳥取 10.9 三重 11.2 鳥 取 △2.0 三 重 D6.8 愛媛 16.1 沖縄 25.4 愛 媛 21.6 沖縄 15.3 (資料)日 本 銀 行 「都 道 府 県 別 預 金 ・貸 出金 残 高 」 表4-3.都 道 府 県 別 の 預 貸 率 (単位:%) 1998年 度 2007年 度 北海 道 91.6 高知 65.1 北海道 69.5 高知 63.7 岩手 59.2 長崎 79.3 岩 手 53.1 長崎 59.8 新潟 71.2 (参 考) 新 潟 57.1 (参 考) 富 山 75.6 全県 104.6 富山 66.5 全県 73.7 大 阪 123.5 東京 166.0 大阪 74.2 東京 100.9 兵庫 78.0 静 岡 73.2 兵 庫 56.2 静 岡 73.6 奈 良 56.3 愛知 :1 奈 良 45.6 愛知 56.4 鳥取 69.1 三重 63.0 鳥 取 61.0 三重 52.8 愛媛 78.1 沖縄 85.1 愛 媛 .. 沖縄 78.3

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図4-1.大 阪 府 の貸 出 金,預 金 と県 民 所 得 の相 関 関 係(1996年 度=100) 120.0 110.0 100.0 県 民90 .0 所 得80 .0 70.0 60.0

/一

ム,1ノ

4

ノ ザ

  …

91.0/70.3 ■IIII圏 60.0 70.0 80.0 90.0 貸 出 100.0110.0 120.0 120.0 110.0 100.0 県 民90 .0 所 得 80。0 70.0 60。0 100.0/100.0

叉:議

T7 91.0/117 IIII ll 60.0 70.0 80.0 90.0 預 金 100.0110.0 120.0

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(2)地 域 金 融 機 関 の経 営 の方 向性 地 域 経 済 の 疲 弊 は金 融 機 関 の 経 営 に大 きな影 響 を及 ぼす 。 この ため 地 域 金 融 機 関 自 らが 地 域 の 再 生 に積 極 的 に関 わ って い か な くて は な らない 。 リ レバ ン もこの よ う な危 機 意 識 の も とに金 融 庁 に よ って 推 進 され て きた。 一 方 で, バ ブ ル崩 壊 と不 良 債 権 処 理 の 過 程 の 中で 地 域 金 融 機 関 の 統 合 に よ る経 営 の 安 定 と金 融 機 能 の 維 持 ・強 化 を図 るべ く金 融 機 能 強 化 法 が 施 行 され,旧 法 で2 行,改 正 法 で13行 に公 的 資 金 が投 入 され た(表4-4)。 しか し,同 法 の改 正 法(08年12月 成 立 ・施 行)で は上 記 の趣 旨 が薄 れ て,公 的資 金投 入 は必ず し も経 営 統 合 を前 提 とせ ず,公 的 資 金 投 入 は む しろ 中小 企 業 の 資 金 繰 りの ため の 貸 出維 持 が 主 な 目的 とな っ た。 結 果 的 に は地 域 金 融 機 関 の 統 合 再 編 は進 ま ず に,従 来 型 の 銀 行 ス タ イ ルが 温 存 され て い る。 だが,地 域 経 済 の 疲 弊 は止 ま る こ とな く,地 域 金 融 機 関 の 経 営 安 定 そ の もの を確 保 す る こ とが ま さ に重 要 な課 題 とな って い る。 以 下 で は二 つ の 方 向 性 を検 討 す る。 表4-4.金 融 機 能 強 化 法,同 改 正 法 による公 的 資 金 投 入 行(西 暦) 投 入時 期 金融機 関名(本 店所在 地県 名、投 入金額(億 円)) 06年12月 紀 陽HD(和 歌 山 、315)、 豊 和 銀 行(大 分 、90) 09年3月 北 洋 銀 行(北 海 道 、1000)、 福 邦 銀 行(福 井 、60)、 南 日本 銀 行(鹿 児 島 、150) 09年9.月 み ち の く銀 行(青 森 、200)、 き らや か 銀 行(山 形 、200) 第 三 銀 行(三 重 、300)、 山 梨 県 民 信 組(山 梨 、450) 09年12月 東 和 銀 行(群 馬 、350)、 高 知 銀 行(高 知 、150) 10年3月 フ ィ デ アHD北 都 銀 行(秋 田 、130)、 宮 崎 太 陽 銀 行(宮 崎 、130) 11年9月 仙 台 銀 行(宮 城 、300)、 筑 波 銀 行(茨 城 、350) (注)1.公 的 資 金 投 入 の根 拠 法 は,06年12月 は 旧法,09年3月 以 降は改 正 法 。 2.公 的 資金投 入 方 法は,山 梨 県民 信組 は信 託 受益 権 方式,そ れ 以外 は優 先株 式 ・転換 型 。 (資料)預 金 保 険 機 構 「金 融 機 能 強 化 法 に基 づ く資 本 増 強 実 績 一 覧 」及 び 各 社 決 算 資 料

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第 一 は,戦 略 的ALMの 採 用 で あ る。 低 金利 状 況 を活 用 して低 い 調 達 コス ト で 普 通 預 金 を集 め,こ の 一 定 部 分 を コ ア預 金(流 出 しない 預 金)と 位 置 づ け る。 これ をベ ース に 国債 投 資 を拡 大 す る方 法 で あ る。 短 期 金 融 市 場 で 低 金 利 状 況 が 続 け ば,こ のALMに よ りほ ぼ リス クな しで 国債利 回 り と普 通預 金 利 率 の 差 額 を収 益 とす る こ とが で きる。 都 銀 と地 銀 の 国 債 保 有 残 高 と普 通 預 金 残 高 の 比 率 を見 る と,87年3月 期 には そ れぞ れ36.0%,40.0%と ほぼ 同水 準 で あ った 。 こ れが11年3月 期 に は都 銀 の 国債 保 有残 高 は101.4兆 円(87年3月 期 比13.9倍),普 通 預 金 残 高 は140.2兆 円(同6.9倍)に な っ た(表4-5)。 これ に対 し地 銀 は,国 債 保 有 残 高 が30.1兆 円(同4.2倍),普 通 預 金 残 高 が 97.5兆 円(同5.4倍)と 普 通 預 金 の増 加 率 が 国債 の 増 加 率 を上 回 った 。 この 結 果,都 銀 の 同比 率 がll年3月 期 に は72.3%に 達 して い るの に対 し地 銀 は 30.9%に と ど まっ てお り,地 銀 はALM上 の観 点 か らは 国債 投 資 を拡 大 す る余 地 が 大 きい 。 しか し,こ の 方 法 は短 期 的 な収 益 拡 大 とい う観 点 で は正 しい も の の,こ れ だ けで は地 域 金 融 機 関 が 果 たす べ き長 期 的 な地 域 再 生 支 援 に は繋 が らない 。 戦 略 的ALMに よる収 益 を どの よ うに地 域 に還 元 してい くか まで踏 み 込 んで 検 討 しな くて は な らない 。 第 二 は,「 恒 久 的 リ レバ ン」 の推 進 であ る。既 述 した よ うに現 状 の リ レバ ン は顧 客 側 の 評 価 が 必 ず し も高 くな く,そ れ は リ レバ ンの コス トとな って 金 融 機 関 の 収 益 を圧 迫 して い る。 つ ま り,時 間 と人 員 を充 当 す る割 に は債 務 者 か らそ の 対 価 を受 け取 る こ とが で きない とい う課 題 が あ る。 これ は,中 小 企 業 に は有 料 で 経 営 相 談 を依 頼 す る慣 習 が ない こ とや,対 価 を払 って 単 発 的 な経 営 指 導 を受 けて も必 ず し も具 体 的 な成 果 に結 びつ か ない こ と,金 融 機 関 同士 の 激 しい 競 争 の 中で は金 融 機 関 側 が コス トを犠 牲 に して リ レバ ン を遂 行 せ ざ る を え ない こ とな どが 原 因 で あ ろ う。 そ こで,「 恒 久 的 リ レバ ン」 は,貸 出先 の 経 営 課 題 に踏 み 込 ん だ提 案 を継 続 的 に実 施 し,同 時 に地 域 の 集 積 情 報 を活 用 す る こ とで 債 務 者 の 経 営状 況 を改 善 す る こ とを 目的 と して い る 。 こ の結 果 金 融 機 関 は貸 出金 利 の ダ ン ピ ン グ競 争 に陥 る こ とな く,リ ス ク負 担 に見 合 う 貸 出金 利 の 「定 価 販 売 」 が 実 施 で きる とい う考 え方 で あ る。 この 考 え方 は正

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当 で あ り,本 来 で あ れ ば金 融 機 関 は債 務 者 の リス ク に見 合 う コス トない し リ タ ー ンを要 求 し,債 務 者 はそ れ に応 え るべ きで あ る。 しか し,現 実 に は オー バ ー ・バ ン キ ン グ状 態 の 中で 金 融 機 関 同士 が 激 し く競 争 して お り,債 務 者 に 正 当 な コス トを要 求 で きる状 況 に は ない 。 ま た,平 時 で あ れ ば 「恒 久 的 リ レ バ ン」 対 象 先 は少 数 で 済 むが,現 状 の 不 況 下 で は対 象 先 が 多 す ぎ,金 融 機 関 側 の 質 的 ・物 理 的 能 力 に限 界が あ る。結 局,「 恒 久 的 リ レバ ン」 を推 進 して も 収 益 に結 びつ け られ る可 能 性 は小 さい 。 以 上 の よ う に考 え る と,両 者 を別 々 に推 進 す るの で は な く,収 益 面 と地 域 支 援 を結 合 させ た経 営 を展 開 す べ きだ とい う こ とに な る。 だが,全 て の 地 域 金 融 機 関 に この よ う な経 営 を期 待 す る こ とは,規 模 の 面 で も質 の 面 で も困 難 で あ る。 そ もそ も地域 金 融 機 関 とい う概 念 は2000年 前 後 の金 融 危機 へ の対 処 の 中で 使 われ 始 め た もの で あ り,そ こで は地 銀 か ら信 組 まで 一 括 りに され て い るが,そ れ 以 前 は地 銀,第 二 地 銀,協 同組 織 金 融 機 関 と明 確 に分 類 され て い た。 地 域 の 面 的 再 生 支 援 とい う 目標 に即 して 考 えれ ば,地 銀 とそ れ 以 外 の 地 域 金融 機 関の役 割 は 区別 す べ きで あ る'1)。つ ま り,地 域 金 融 機 関,と りわ け 一 定 規 模 を誇 る地 銀 は,戦 略 的ALMで 獲 得 した収 益 を 「恒 久 的 リ レバ ン」 を更 に進 化 させ た新 た な形 で 地 域 の 発 展 につ な げ る とい う,よ り発 展 的 な役 割 を模 索 す べ き段 階 に来 て い る。 11)地 銀 と第 二 地 銀 の持 ち株 会 社 ない し統 合 会社,大 手 信 金 な ど地 域 に よ って 様 々 な 状 況 が あ り,そ れ ら を排 除 す る もの で は な い 。 こ こで は地 域 にお け る有 力 な金 融 機 関 と して 地 銀 を代 表例 と した 。

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表4-5.都 市 銀行 と地方銀 行 の国債保 有額 と普 通預 金残 高の比率 (単位:兆 円) 87.03期 97.03期 11.03期 都銀 地 銀 都銀 地銀 都銀 地銀 総資産 318.4 125.3 434.0 201.2 454.8 242.9 国 債保 有残 高(a) 7.3 7.2 8.6 10.2 101.4 30.1 対 総資 産比 率 2.3% 5.7% 2.0% 5.1% 22.3% 12.4% 普 通預 金残 高(b) 20.3 :1 39.6 34.0 140.2 97.5 対 総資 産比 率 6.4% 14.4% 9.1% 16.9% 30.8% 40.1% (a)/(b) 36.0% 40.0% 21.7% 30.0% 72.3% 30.9% (資料)「大蔵省銀行局年報⊥全国銀行協会「財務諸表分析」 5.地 域 金 融 機 関 の 課 題 (1)地 域 経 済 の状 況 既 述 した よ う に,地 域 経 済 は東 京 な ど一 部 を除 き縮 小 が 続 い て い る。 この 原 因 と して,平 成 不 況 に よ る所 得 減 少 と購 買 力 の 低 下,少 子 高 齢 化 に よ る需 要 の 減 少 と需 要 構造 の 変 化,産 業 空 洞 化 に よ る生 産 ・所 得 の 減 少 が 指 摘 で き る。 地 方 で は これ らが 重 層 的 に生 じて お り,事 態 打 開 の ため の 方 策 が 見 出せ ない の が 現 実 で あ る。 特 に,地 方 で は産業 空 洞 化 現 象が 急 速 に進展 してお り, 基 幹 産 業 が 失 われ て い る。 日本 商 工 会 議 所 の2002年 の ア ンケ ー トに よれ ば,「 製 造 業 の 空 洞 化 影 響 に つ い て 」 に対 す る回答 の う ち 「あ る」 が62.4%,「 地 域 の 空洞 化 の状 況 につい て 」 の 問 い に対 す る 回答 の う ち 「深 刻 で あ る」 が73.5%に 達 して い た(表5 -1) 。東 日本大震災後に 「超 円高」が進行 していた2011年7月 の 帝 国 デ ー タ バ ン クの ア ンケ ー トで は,「産業空洞化へ の懸念 について」の問いに対 し,「あ る」 が全 体 で76.5%,特 に中小 企 業 で は77.3%と 大企 業 よ り高 い水 準 とな っ た。 海 外 流 出が 加 速 す る要 因 に つ いて は,「 円 高」,「人件 費が 高 い た め」 が 震 災 に よ る 「電 力 な どの エ ネ ル ギ ー供 給 問題 」 よ りも高 い割 合 を示 した。 即 ち, 産 業 空 洞 化 現 象 は約7割 の 企 業 が 懸 念 す る長 年 に わ た る構 造 的 な問 題 とな っ て お り,エ ネ ルギ ー問 題 な ど震 災 の 一 時 的 な現 象 を除 い た と して も解 決 で き

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ない 状 況 とな って い る。 現 在 の よ う なマ ク ロ経 済 環 境 の 悪 化 が 続 く状 況 で は,リ レバ ン に代 表 され る 中小 企 業 の 現 状 改 善 型 で は限 界 が あ る こ と も事 実 で あ る。 マ ク ロ経 済 環 境 を是 正 す る こ とが 最 も需 要 で あ るが,少 子 高 齢 化 な ど構 造 的 問 題 に対 処 しつ つ 地 域 経 済 の 停 滞 に対 処 す る ため に は,同 時 に既 存 の 枠 組 み を超 えて 現 状 を 前 向 きに ブ レイ ク ・ス ル ーす る対 策 が 必 要 で あ る。 表5-1.産 業 空 洞 化 の 動 向 に関 す るアンケ ート調 査 「地 域 産 業 空 洞 化 の 実 態 調 査 」 … 日本 商 工 会 議 所 ア ン ケ ー ト調 査(2002年) (1)製 造 業 の 空 洞 化 の 影 響 に つ い て ① 「あ る 」(62,4%)、 ② 「な い 」(12.7%)、 ③ 「わ か ら な い 」(24.9%) (2)地 域 の 空 洞 化 の 状 況 に つ い て ① 「深 刻 で あ る 」(73.5%)、 ② 「そ れ ほ ど深 刻 で は な い 」(17.8%)、 ② 「わ か ら な い 」(8.7%) 「産 業 空 洞 化 に 対 す る 企 業 の 意 識 調 査 」 … 帝 国 デ ー タ バ ン ク 調 査(2011年7月 調 査) (1)産 業 空 洞 化 へ の 懸 念 に つ い て ① 「あ る 」(全 体76.5%、 うち 大 企 業73.8%、 中 小 企 業77.3%) ② 「な い 」(3.6%)、 ③ 「わ か ら な い 」(19.9%) (2)海 外 流 出 が 加 速 す る 要 因 ① 「円 高 」(49.2%)、 ② 「人 件 費 が 高 い た め 」(39.5%)、 ③ 「電 力 な ど の エ ネ ル ギ ー 供 給 問 題 」(37.9%)、 ④ 「税 制 」(法 人 税 や 優 遇 税 制 な ど)(28.3%)、 ⑤ 「取 引 先 企 業 の 海 外 移 転 」(26.5%)、 ⑥ 「人 口 の減 少 」(23.4%)、 ⑦ 「新 興 国 な ど海 外 市 場 の 成 長 性 」(22.4%) ⑧ 「経 済 の グ ロ ー バ ル 化 」(21.4%)⑨ 「原 材 料 な どの 調 達 費 用 が 高 い た め 」(12.9%) ⑩ 「為 替 の リ ス クヘ ッ ジ 」(12.0%) (2)地 域 金 融 機 関 の地 域 活性 化 へ の取 り組 み 中小 企 業 庁 は これ まで 地 域 活 性 化 の ため に 中小 企 業 対 策 を実 施 して きた 。 この う ち 中小 企 業 金 融 に関 わ る もの は表5-2の 通 りで あ る。 しか し,こ れ を 見 る と金 額 ベ ース で は資 金 繰 り対 策 が 中心 で あ り,再 生 フ ァ ン ドや 投 資 育 成 関 連 の 金 額 は小 額 に と どま って い る。 この 点 は わが 国 の 中小 企 業 政 策 の 重 要 な課 題 で あ る。

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表5-2.政 府による主 な中小 企業 金融 施策 施 策名 実 施 内容 セ ー フ テ ィネ ッ ト金 融 2011年3月 末 時 点 で4.3兆 円 の 融 資 を 実 施 。 貸付 条件 変更 等の推進 予 算 枠330億 円 、2011年3月 末 時 点 で 信 用 保 証 協 会 保 証7.4兆 円 、 日本 公 庫 、 商 工 中 金 計4.6兆 円 の 条 件 変 更 を実 施 中小企 業再生 フ ァン ド 2003年3月 創 設 以 来 、2010年 度 ま で に22件 の フ ァ ン ド設 立 、 総 額794億 円。当 該 フ ァ ン ドに よ る 投 資 実 績 は10年3月 末 ま で に156社 、 約328億 円 中小企 業投資 育成会社 2011年3月 末 時 点 の 投 資 残 高 は2,223社 、699億 円 (資料)中 小 企 業 白書2011年 版 地 域 経 済 の 再 生 の ため に は,ガ ゼ ル 企 業(新 規 開 業 企 業 の 中で 特 に成 長 性 が 高 く雇 用 創 出効 果 の 大 きい 企 業)の 発 見 と開 拓 が 重 要 で あ る。 新 規 開 業 企 業 の 場 合,初 期 段 階 は資 金 調 達 が 大 きな負 担 で あ り,多 くは 自己 資 金 や 創 業 者 の 親 類 な どか らの 借 入 金 で 賄 って い る。 しか し,次 の 成 長 段 階 に入 る時 点 に必 要 な資 金 を 自己 資 金 で 賄 うの は困 難 で あ る。 他 方,地 域 金 融 機 関 は将 来 に わ た って 自 らの 経 営 を維 持 して い くため に も,地 域 に根 付 い た事 業 の 発 展 を支 援 しな くて は な らな い。 例 えば,佐 藤(2008)は,「 地域 経 済 が発 展 を維 持 す る ため に は事 業 体 も新 陳 代 謝 を繰 り返 し,新 し く地 域 を牽 引 す る事 業 体 が 生 まれ 続 け な けれ ば な らない 。 地 域 経 済 を支 え る事 業 体 と新 た に生 まれ る 事 業 体,こ れ らに資 金 を供 給 して 成 長 を促 す 金 融 機 関 との 相 互 作 用 が 地 域 に 新 しい 資 源 を創 造 し活 力 を注 入 す る。」 と述べ つ つ,現 実 に は新 規 開業 へ の資 金 供 給 の 半 分 は 日本 政 策 金 融 公 庫(旧 国 民 金 融 公 庫)が 担 って お り,民 間 金 融 機 関 は消 極 的 で あ る と して い る。 こ う した指 摘 が あ る一 方 で,地 域 金 融 機 関 で は地 域 振 興 の ため に新 型 融 資 へ の 取 り組 み が 始 ま って い るの も事 実 で あ る。 そ の 一 例 が 日銀 に よ る成 長 基 盤 強 化 を支 援 す る ため の 融 資 制 度(以 下,「 日銀 新 型 貸 出 制 度 」)で あ る。 表 5-3は,地 域 金 融 機 関が 日銀 新 型 貸 出制 度 を活 用 した 貸 出 プ ロ グ ラム の例 で あ る。 各 行 は 日銀 の 示 した環 境 ・エ ネ ルギ ー事 業 医 療 ・介 護 ・健 康 関 連 事 業,ア ジ ア投 資 ・事 業 展 開 な どの18「 成 長 分 野 」 に沿 った形 で貸 出 適用 範 囲

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を定 め て 取 り組 んで い る。 個 別 行 ご との 実 績 は明 らか で は ない が,日 銀 の 発 表 に よれ ば2011年9月 実 行 の 第5回 分 で 貸 出枠 の3兆 円 に達 した(第5回 分 は 申請金 額 に対 して按 分 して 配分,表5-4)。 第1回,第2回 こそ大 手 行 の実 行 金 額 が 大 きか っ たが,第3回 以 降 は地域 金 融 機 関 の取 り組 み が活 発 に な り, 貸 付 金 額,貸 付 数 と も大 き く増 加 して い る。 これ は新 成 長 分 野 に対 す る資 金 ニ ーズ が 高 い こ とを反 映 した もの だ と考 え られ る。 しか し,他 方で既存貸 出 か らの 実 質 的 な乗 換 え との 指 摘 や,新 規 開 拓 は進 まず 低 金 利 貸 出競 争 に陥 っ て い る との指 摘 もあ り'2),どの程 度 まで新 成 長 分 野 に寄 与 して い る の か は判 断 しに くい 。 仮 に現 時 点 で は乗 り換 えの 貸 出で あ っ た と して も,こ う した貸 出 が 呼 び水 とな って 金 融 機 関 が 独 自の 資 金 を新 成 長 分 野 に貸 し出す こ とにつ な が れ ば,地 域 活 性 化 の 一 助 に は な るで あ ろ う。 しか し,そ もそ も貸 出 を通 じ て の 地 域 支 援 に は限 界 が あ る の も事 実 で あ る。 金 融機 関 と して の 「預 金 保全 」 とい う使 命 を考 えれ ば,リ ス クの 高 い 貸 出 に は慎 重 な態 度 を取 らざ る を え な い 。 ま た,債 務 者 に とって も負 債 形 式 で の 資 金 調 達 は負 担 が 重 く,自 己 資 本 状 況 を重 視 す る金 融 機 関 の 自己 査 定 で は不 利 に働 くこ とに な る。 金 融 機 関 に とって も債 務 者 に とって も,貸 出 に代 わ る何 らか の 資 金 調 達 形 態 が 必 要 で あ る。 12)日 本 経 済 新 聞2010年7月17日 記 事 。 で 返 済期 間 は1年 。 日銀 か ら各 金 融 機 関へ の貸 出 金利 は年0.1%

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表5-3.日 本 銀行 「成長基 盤 強化 を支 援す るための融 資制 度」へ の各行の取 り組 み例 金融 機 関名 特 徴 北海 道銀 行 「道 銀 成 長 基 盤 応 援 フ ァ ン ド」総 額300億 円 、 医療 ・介 護 ・健 康 関連 事 業 、 農 林 水 産 業 ・農 商 工 連 携 事 業 を は じ め18分 野 が 対 象 。 横浜銀行 「成 長 戦 略 分 野 支 援 フ ァ ン ド∼ 輝 き 」 総 額1500億 円 、 環 境 、 健 康 、 ア ジ ア 市 場 な ど同 行 が 定 め る6つ の 成 長 分 野 が 対 象 。 十 六銀行 ・岐阜銀 行 「新 ・成 長 戦 略 フ ァ ン ド」(十 六 銀 行:総 額100億 円 、 岐 阜 銀 行:総 額50 億 円)「 中 部 も の づ く り」 に 関 す る 分 野 、 「ア ジ ア を 中 心 とす る海 外 進 出 」 に 関す る分 野 な ど6分 野 が 対 象 。 京都銀行 「地 域 活 性 化 融 資 プ ロ グ ラ ム 」 融 資 枠1000億 円 、研 究 開発 、 環 境 ・エ ネ ル ギ ー な どの5分 野 が 対 象 百 五銀行 「成 長 分 野 支 援 フ ァ ン ド」 総 額200億 円 、 ア ジ ア 諸 国 にお け る投 資 ・事 業 展 開 、 環 境 ・エ ネ ル ギ ー 事 業 な ど5分 野 が 対 象 。 池 田泉州 銀行 「成 長 基 盤 強 化 支 援 プ ロ グ ラ ム 」先 進 テ ク ノ、環 境 ・地 域 活 性 化 、ア ジ ア ・ チ ャ イ ナ ビジ ネ ス 支 援 、 医 療 ・介 護 の5分 野 に 各100億 円 目途 の 融 資 。 近 畿大 阪銀行 「関西 を元 気 にす る近 畿大 阪成長 分野 フ ァン ド」日銀 が例示 した18分 野が 対象。 鳥 取銀行 「と り ぎ ん 成 長 分 野 強 フ ァ ン ド」 環 境 ・エ ネ ル ギ ー な ど6項 目 が 対 象(日 銀18分 野 、 鳥 取 県 経 済 成 長 戦 略 に お け る戦 略 的 推 進 分 野15分 野)。 阿 波銀行 「あ わ ぎ ん 成 長 基 盤 強 化 フ ァ ン ド」 融 資 枠200億 円 、 医 療 ・介 護 ・健 康 関 連 産 業 の 他 、地 場 産 業 のLED(発 光 ダイ オ ー ド)関 連 を 含 む5分 野 が 対 象 。 福 岡FG 「FFG次 世 代 創 造 プ ロ グ ラ ム 」 日銀 が 定 め る18分 野 が 対 象 。 (資料)日 本 経 済 新 聞2010年7月17日 記 事,日 銀 資 料 と各社 公 表 資料 をもとに作 成 。

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表5-4.日 本 銀 行 による「成 長 基 盤 強 化 を支 援 す るた めの 資 金 」供 給 実 績 (単 位:億 円,社) 第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 残 高 実施 時期 10年9月 10年12A 11年3月 11年6月 11年9月 11年9月 貸付 金額 4,625 9,983 7,221 8,296 1,395 30,000 大手行 3,204 5,987 2,627 2,125 228 13,465 地域 1,106 3,607 4,052 4,551 945 13,585 そ の他 255 389 542 1,620 222 2,949 貸付 先数 47 106 122 126 99 142 大手行 10 12 12 10 7 12 地域 33 90 103 110 87 123 そ の他 4 4 7 6 5 7 (注)1.大 手 行 は,都 市 銀行6行,信 託銀 行4行,あ お そら銀 行,新 生 銀 行,計12行 。地 域 は地 方 銀 行,第 二 地 方 銀 行,信 用 金庫 。「その 他 」は,系 統 上 位 金 融機 関,政 府 系 金融 機 関, 外 国金 融 機 関,証 券 会 社 等 。 2.「残 高 」は小 数 点 以 下 を四捨 五 入 。 (資料)日 本 銀 行 (3)投 資 的分 野 へ の進 出 池 尾(2011)は,現 在 の金 融 状 況 につ い て,「 金 融 の オ リジ ネー シ ョ ン機 能 と 『リス クの 移 転 ・加 工 』 機 能 の 強 化 が 十 分 に図 られ ず,価 値 創 造 活 動 支 援 の 機 能 が 弱 い ま ま今 日に至 って い る。」 と し,「 ハ ンズ オ ン(hands-on)で 企 業 を育 て る とい う プ ラ イベ ー トエ ク イ テ ィ(PE)フ ァ ン ド的 な機 能 を 日本 の 金 融 機 関,と くに地 域 金 融 機 関 が 果 たす こ と必 要 に な って い る とみ られ る。」 と述 べ,そ の 上 で 市 場 型 間接 金 融 を活 用 した リス クの 移 転 ・加 工 機 能 強 化 の 必 要 性 を強 調 して い る。 わが 国 にお け る市 場 型 間接 金 融 の必 要性 は,2000年 代 前 半 の 金 融 危 機 時 か ら盛 ん に言 われ て きた。 そ の 目的 は,間 接 金 融 の も と で 銀 行 に信 用 リス クが 集 中す る こ とを 回避 す る こ とで あ っ た。 しか し,わ が 国で は市 場 型 間接 金 融 は大 き く発 展 す る こ とな く,む しろ相 次 ぐ金 融 資 本 市 場 の 不 安 の 中で,大 企 業 で す ら銀 行 借 入 れ に 回帰 す る状 況 とな って い る。 市 場 型 間接 金 融 の 問 題 点 は,エ イ ジ ェ ン シ ー関 係 が 複 雑 に な って 外 部 か ら 見 え に く く,エ イ ジ ェ ンシ ー問 題 が 発 生 しや す い こ とにあ る。 例 え ば 何 ら

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か の 理 由で 金 融 機 関 の 自己 資 本 比 率 が 低 下 しそ う に な る と,そ の 対 策 と して 貸 出債 権 を証 券 化 して 売 却 す る こ とに な る。 この 場 合 に,金 融 機 関 に はで き る だ け正 常 債 権 を残 し非 正 常 債 権 を切 り出 したい とい う衝 動 が 働 く。 外 部 格 付 け機 能 が 適 正 に働 い て い ない 場 合 に は,こ う した衝 動 が 現 実 に な る可 能 性 を否 定 で きない 。 中野(2005)は,「 現 在 の わが 国の よ うに金 融 機 能 が銀 行 に 集 中 して い る上,合 併 に よ る銀 行 の 集 約 化 や 持 ち株 会 社 方 式 を通 じた 金 融 機 関 の 囲 い 込 み 化 が 進 行 して い る状 況 下 で,投 資 家 の 理 解 度 を十 分 に踏 ま え な い ま ま市 場 型 間接 金 融 を議 論 しう るの か どうか ,ま た健全 に機能 しうるのか どうか の 検 証 が 必 要 で あ ろ う。」 と,市 場 型 問接 金 融 の課 題 を指摘 して い る 。 しか し,米 国で 発 生 したサ ブ プ ラ イ ム ・ロ ー ン問 題 は,証 券 化 に伴 う問 題 点 を明 らか に し,逆 に市 場 型 間接 金 融 に関 す る投 資 家 の リス ク意 識 を高 め る こ とに な っ た。 この ため,懸 念 され たエ イ ジ ェ ンシ ー問 題 は抑 制 され,監 督 体 制 も従 前 に比 較 して 整 備 され て い る。 そ の 意 味 で は,リ ー マ ン ・シ ョ ック 以 降 は,む しろ市 場 型 間接 金 融 を進 め や す い 環 境 に な っ た評 価 で きる。 金 融 機 関 が こ う した環 境 の 変 化 を活 用 で きるか どうか は,金 融 機 関 自身 の 努 力 に 依 存 して い る。 地 域 経 済 の 将 来 を展 望 す る と,地 域 金 融 機 関 は地 域 の 新 規 事 業 へ の 貸 出で は な く,投 資 的 側 面 か ら地 域 支 援 を強 化 す る必 要 が あ る。 具 体 的 に は,地 域 金 融 機 関 が 地 元 フ ァ ン ドを組 成 し,投 資 家 を募 る こ とに な る。 そ の ため に は,相 当 に高 い レベ ルの 事 業 発 掘 能 力 や モ ニ タ リ ング能 力 が 必 要 で あ る。 この よ う な新 規 事 業 支 援 は,主 に地 方 自治 体 が 資 金 を拠 出す る形 で 行 われ て きた が'3),そ の規 模 は十分 で は ない 。 また 中小 企業 庁 レベ ル で も中小 企業 投 資 育 成 株 式 会 社 を通 じて 新 規 企 業 な どへ の 投 資 が 行 われ て きたが,そ の 規 模 は2011年3月 末 で投 資 残 高2223社,699億 円 に と どま って い る。 また,大 手 の 地 銀 で はす で に別 会 社 方 式 で投 資 会社 やベ ンチ ャー ・キ ャ ピ タル を設 立 し, 13)最 近 の例 で は,香 川 県三 豊 市 の 中小 企 業 振 興基 金(1億 円)や 兵 庫 県の ベ ンチ ャー ・ フ ァ ン ド(10億 円)な どが あ る 。

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