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Erythropoietin (EPO) ameliorates obesity and glucose homeostasis by promoting thermogenesis and endocrine function of classical brown adipose tissue (BAT) in diet-induced obese mice

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Academic year: 2021

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論 文 内 容 の 要 旨

論文提出者氏名 幸道 和樹 論 文 題 目

Erythropoietin (EPO) Ameliorates Obesity and Glucose Homeostasis by Promoting Thermogenesis and Endocrine Function of Classical Brown Adipose Tissue (BAT) in Diet-Induced Obese Mice

論文内容の要旨

エリスロポエチン(EPO)は腎由来のペプチドホルモンで、骨髄中の赤血球前駆細 胞上のEPO受容体 (EpoR) に結合し、赤血球造血を促進する。EPOには抗肥満効 果、インスリン抵抗性の改善効果、臓器保護作用の報告があるが、その機序は未 解明である。一方、褐色脂肪(brown adipose tissue, BAT)は熱産生能を持つ臓 器で、エネルギー消費に密接に関与することから肥満/糖尿病治療の標的臓器と 考えられている。今回我々は、外因性EPOが食餌性肥満マウスに対して抗肥満効 果や抗糖尿病作用を発揮するときに古典的褐色脂肪(classical BAT, cBAT)がそ の機序に関与するか検証した。

4 週齢の雄性 C57BL/6J マウスに普通食(脂肪比率 12%)あるいは高脂肪食(High-f at diet, HFD; 脂肪比率 56.7%)を4週間与え飼育した。同時に 4 週間、リコンビナ ントヒトEPO(200IU/kg/回、週 3 回)あるいは生理食塩水(生食水)を腹腔内投 与し、普通食+生食水投与群、普通食+EPO 投与群、高脂肪食+生食水投与群(HF D-Con 群)、高脂肪食+EPO 投与群(HFD-EPO 群)を作成した。体重、食事摂取量、 ヘマトクリット値を1週間毎に測定した。8 週齢時に腹腔内ブドウ糖負荷試験(IP GTT)を実施し、血糖とインスリンを測定した。また呼気ガス分析装置による酸素 消費量(VO2)、サーモグラフィーによる肩甲骨周囲の体表温度、自発運動量の測定

を行った。最後に心臓採血を実施し、血糖、血漿インスリン、血漿コレステロー ル、血漿FGF21 を測定した。肩甲骨間の褐色脂肪(Interscapular brown adipose tis sue, iBAT), 皮下白色脂肪(subcutaneous white adipose tissue, sWAT), 精巣上体白 色脂肪(epididymal white adipose tissue, eWAT)、肝臓を摘出し、重量を計測後、-80°C で凍結保存した。各臓器にてリアルタイム PCR 法で目的とする遺伝子の m RNA および miRNA 発現量を測定した。ウェスタンブロット法で目的のタンパク 質の発現量を測定した。摘出したiBAT、sWAT、eWAT にヘマトキシリン・エオ ジン染色を施行し、光学顕微鏡で観察した。

HFD-EPO 群は HFD-Con 群に比較して有意な体重減少、sWAT・eWAT の重量 の減少を認めた。同様にHFD-EPO 群では VO2の増加、iBAT 周囲の体表温度の

上昇を示した。カロリー摂取量と自発運動量に差はなかった。組織学的にsWAT とeWAT の脂肪滴サイズの縮小を認めた。HFD-EPO 群では iBAT の重量が増加 した。また組織学的に多房性の脂肪滴が増加した。HFD-Con 群と比較して HFD-EPO 群は、空腹時血糖の低下、インスリン抵抗性の指標である HOMA-IR の低下、血漿コレステロール値の低下を認めた。IPGTT の結果は、HFD-EPO 群 で糖負荷後血糖値が低下した。EPO 投与で、iBAT において褐色脂肪の分化に重 要な役割を果たす転写因子PRDM16、PPARα、PPARγ の mRNA およびタンパク 発現が増加した。また同様に脱共役タンパク1(Uncoupling protein 1, UCP1)、 およびUCP1 を正に調節する転写因子 PGC1α の発現量の増加も認めた。EPO/ EpoR の細胞内シグナル伝達経路の1つに JAK2/STAT3 シグナルの存在が知られ るが、HFD-Con 群に比べて HFD-EPO 群でリン酸化 EpoR とリン酸化 STAT3 は有 意に増加した。HFD-Con 群より HFD-EPO 群で β3 アドレナリン受容体のタンパ ク発現量が増加し、その下流にある抑制的シグナルであるMef2c, miR133a が減 少した。HFD-Con 群より HFD-EPO 群の方が肝糖新生遺伝子(酵素)である PEPCK,G6Pase mRNA の発現が減少した。EPO は cBAT における線維芽細胞増殖 因子21(Fibroblast growth factor 21, FGF21)の mRNA・タンパク質の発現を増加し た。肝臓でのFGF21 mRNA には両群に差はなかった。血漿 FGF21 は HFD-EPO 群で増加していた。 今回の実験で我々は、高脂肪食食餌性肥満マウスにおけるEPOの抗肥満効果と 耐糖能改善の機序に古典的褐色脂肪(cBAT)が関与することを証明した。高脂肪 食条件下にEPO投与がcBATにおけるUCP1発現促進による熱産生の増加とcBAT の増殖を誘導することを発見した。交感神経刺激がcBATの増殖を惹起することが 知られているが、EPOはJAK2/STAT3シグナルを介してβ3アドレナリン受容体/Me f2c/miR-133経路を刺激する。その結果PRDM16の転写が促進することでcBATが増 殖(過形成)し、UCP1が増加することが示唆された。またcBATから分泌されるF GF21は肝インスリン抵抗性の改善を示すことが知られるが、我々の実験結果では 外因性EPOによってcBATからのFGF21分泌が促進し、肝糖新生を抑制し糖代謝を 改善することが示唆された。 以上のことから、高脂肪食条件のもとEPOが (1) cBATを直接刺激しエネルギー 代謝を増加する作用をもつこと、(2) cBATの内分泌臓器としての機能を高める作 用をもつことの発見が、今回の研究成果である。本研究は新しい作用機序による 抗肥満症薬や抗糖尿病薬の開発に貢献する発展性が見込まれるため、代謝学およ び内分泌学の医学研究にとって意義深い研究と考えられる。

参照

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