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JAIST Repository: 科学技術人材の職業選択に関する考察

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Academic year: 2021

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JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/

Title

科学技術人材の職業選択に関する考察

Author(s)

石井, 正道

Citation

年次学術大会講演要旨集, 16: 391-394

Issue Date

2001-10-19

Type

Conference Paper

Text version

publisher

URL

http://hdl.handle.net/10119/6689

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す

るものです。This material is posted here with

permission of the Japan Society for Science

Policy and Research Management.

(2)

2C

Ⅰ 0

科学技術人材の 職業選択に関する 考察

0

石井正道

大工学 ) 1 はじめに 技術革新や新しい 産業のアイデアは 人間の頭脳から 生まれてくる。 社会が異なれば 人々は異な る 行動することは、 過去の研究によって 示されている [1][2L 。 科学技術人材も 同様と考えられる。 このため、 今まで学んできた 米国の起業に 関する政策が 日本では十分でないこともあ りうるであ ろ う 。 日本の科学技術人材により 適した政策を 検討する必要があ る。 本論文は、 日米の科学技術人材の 中で起業を希望する 人、 す な れ ち 潜在的な起業家について 比 較を試みるものであ る。 比較によって 日本の潜在的な 起業家の特徴を 理解し・起業を 促進させる 適切な政策の 検討に資することを 目的とする。 2 データについて 本研究で使用するデータは 科学技術政策研究所による 研究

[3]

で収集されたものであ る。 日本 は 東大と東工大、 米国はⅣ 11T の 1 9 6 0 、 1 9 7 0 ・ 1 9 8 0 、 及び 1 9 8 5 年の全工学部卒 業生を対象に 同内容のアンケート 調査が 1 9 9 1 年春に実施された。 回収されたアンケート 票の 数は東大・東工大が 1 1 6 2 ( 回収率 2 5. 0 %L 、 MImT は 9 2 5 0 同 4 5 8 %) であ る。 本 アンケート調査ではキャリアに 関して次の質問があ る。 質問 : あ なたは現在どのようなキャリアパスを 望んでいますか。 ( 次の選択肢より 1 っ 選択する。 ) 1) 既存企業や組 誠 で出世する。 2) 自分の会社を 設立し、 発展させる。 3) 大学の教授等になり、 教育や研究を 行う。 4) 独立した技術者・ 技術エキスバートになる。 目 その他 6) 特に無し 2) を選択する人が「起業を 希望する人」ということができ、 これを中心に 分析を行 う 。 3 分析 拮果 3. 1 起業を希望する 人の割合 東大・東工大と MITT の卒業生は希望するキャリアの 6 つの選択に関して 図 1 に見られる分布 となる。 この二つの分布について 独立性検定を 行 うと 有意差判定確率 P<0.01 となり有意差が 認 められる。 東大・東工大と MTT の希望するキャリアの 分布は異なると い える。 内容をみると、 「自分の会社を 設立し、 発展させる。 」を選択した 人は、 MTT では最も多く 2 5. 7% を占めており、 東大・東工大の 1 0. 4% に比べ 2 倍以上となっている。 東大・東上 大で一番多いのは「既存企業や 組 誠 で出世する」 4 0. 2% であ る。

(3)

図 1 東大・東工大と

MIn

工学部卒業生希望するキャリア 分布 ( 割合 ) ロ 既存企業や組織で 出世する 東大・東工大 巨 自分の会社を 設立し、 発展さ せる コ 大学の教授等になり、 教育庁 研究を行う 口 独立の技術者・ 技術封ス げ - ト になる MIT Ⅰその他 ロ 特に無い

0%

m

40% 60% l00 兆 次に「自分の 会社を設立し、 発展させる。 」を選択した 人の割合を卒業年別に 見てみよう ( 図 2 参照 ) 。 東大・東工大は 卒業 年 が一番古 い 1 9 6 0 年卒業生 ( アンケート 時 卒業後 3 1 年 ) で の 割合が 1 3. 2% で一番大きくなっている。 一番小さいのが 1 9 8 0 年 8. 60/A, であ る。 両者 の 違いについては 母 比率の差の検定で 有意差判定確率 P<O.OR で有意差が認められる。 凡 11T は逆に 1 9 8 5 年卒業が一番大きく 2 9. 1 % であ る。 一番小さいのは 1 9 7 0 年卒の 2 0. 6% であ る。 両者の違いは 母 比率の差の検定で 有意差判定確率 poo.05 で有意差が認めら れる。 以上より、 「東大・東工大工学部卒業生の 起業を希望する 割合は卒業後年数が 経て大きくなる ことがあ る。 一方、 M I T は同割合が小さくなることがあ る。 東大・東工大と M I T 卒業生の 卒業後の年数と 起業を希望する 人の割合の関係は 異なる。 」と い える。 図 2 東大・東工大と

MTT

工学部卒業生起業希望者卒業年別割合

東工大

1 9 8 5 年 1 9 8 0 年 1 9 7 0 年 1 9 6 0 年 3. 2 起業を希望する 人のモチベーション 起業を希望する 人は、 どのようなモチベーションを 持っているのであ ろうか。 その手がかり

(4)

として、 「仕事の最終目標」を 質問しているので 比較する。 質問は「あ なたにとって 仕事におけ る最終目標はなんですか。 」 ( 三つ以内の複数選択 ) であ る。 選択肢は表 1 参照のこと。 表 1 東大・東工大と MIT 工学部卒業生起業希望者の 仕事の最終目標

人格形成を行 う

14@

¥2. 2%

49@ 2¥ , S% 仕事そのものを 楽しむ 52@ 45. 2?; 1 10@ 48. 9it> 仕事と家庭のバランス 39@ 33. 9% 57@ 25. 3% その他 2. 6 老 2. 2% 特に無し 0 ・ g え 0 . 4% 回 人 l l5 人 225 人 ( 注 ) 割合 : 選択人数を回答者全人数で 割ったもの。 東大・東工大と MITT の選択の分布に 関して独立性検定を 行うと、 有意差判定確率 Poo.01 と なり有意差が 認められる。 東大・東工大と MIT の「仕事の最終目標」分布は 異なるといえる。 内容をみてみると、 東大・東工大と MTT 両方最も選択が 多いのは 「仕事そのものを 楽しむ」 であ り、 東大・東工大は 4 5. 2% の人が選択し、 MIT は 4 8. 9% でほぼ半数の 人が選択し ている。 ただし、 2 番目に多い項目では 両者の違いがでる。 東大・東工大は「世の 中のためにな る」 4 0. 9 % 、 MlT は「より高い 収入を得る」 3 9. 6 % となる。 次に数量化 3 類により東大・ 東工大と MIT の違いをみる。 「仕事の最終目標」各選択肢の 分布 は図 3 のようになる。 1 軸は私生活の 豊かさ追求 度 ( 私生活 VS 社会的名声 ) 、 2 軸は自己利益 の 追求 度 ( 自己利益 VS 他者との共存 ) を示すと考えられる。 図 3 東大・東工大と MIT 工学部卒業生起業希望者「仕事の 最終目標」選択肢 ( 数量化 3 類 ) i 軸 0 . 12 0 ・ @0 ゥ 余暇活動 0 . o8 0 ・ 06 Ⅰ安定した生活

Ⅰ 身努と 尹もの ◆仕事と家庭のバランス 0.00 一 0.02 Ⅰ自分の事業拡大 収入 ◆世の中のため ウ ソ

格 形成 一 0. 04 0 社会的 @ こ

一 0. 06 ◆名声を得る

0 . 0Z 0 ・ 04 0 ・ o6 0.08 2 軸 大きな影響力

さらに、 東大・東工大と M T T の二つのグループの 属性 月り 重心のポジションをみる ( 図 4 参照 ) 。 これによれば、 2 軸に関して相対的に 東大・東工大は 他者との共存 側 ・ M I T は自己利益側に 位 匿 している。

(5)

生月

Ⅱ重心

仕学厨 立口 7P

と一

二人

東一

東大

"""

0.00000

0.00002

一 0 ・ 00o04 一 0 ・ oo006 00008 一 o. ooo 10 東大・東工大 一 0 ・ 0oo 1 2 000 14 一 0 ・ 0oo 1 6 一 0.00018 Ⅰ 凡 41T 00020 一 0 . 00.3 一 0. 002 一 0. 00l0. 000 0. 001 002 0.003 0. 004 0. 0o5 2 m

4 者 寮 上述の東大・ 東工大及び MIIT の工学部卒業生起業希望者にみられる 違 いが、 日米科学技術大 材の起業希望者に 一般化できると 仮定し考察する。 日本では中高年層が 若年層よりも 起業を希望する 割合が大きく , - 方 米国はその逆であ る、 と いうことが考えられる。 起業に関する 政策について、 日本は米国と 比べ相対的に 重心を中高年へ 向けるべきだろう。 米国のように 比較的若者が 多く起業を希望する 中で起業を促進している - ン ステム と 、 日本のように 比較的中高年が 多く起業を希望する 状況に適するシステムは 異なる可能 性があ る。 最近の研究では、 日本において 研究開発志向型企業はそうでない 企業よりも起業者 平均年齢が高いことが 示されている [4] 。 また、 米国と比較して 起業者の平均年齢が 高いと指摘 する報告書もあ る [5] 。 今後さらに科学技術人材の 中高年起業希望者の 特徴やそれを 促進するし くみの研究を 行う必要があ る。 モチベージョンも 米国と異なる。 相対的に他者との 共存を考え, 「世の中のためになる」とい ぅ 面で日本の特徴が 見られる。 日本の科学技術人材の 潜在的起業家を 起業しやすくするには、 こ の特徴をどれだけ 考慮する必要があ るのか、 そして必要性があ る場合どのようなシステムや 政策 が 効果的なのかは 今後の課題であ る。 参考文献

寿星 茂 .現代の社会構造、 日本評論社

Ⅱ ]@ John@Sabmi , Social@Psychology , WW@ Norton@&@Company , 1994

[31 石井正道、 横尾淑子、 平野干 博 、 工学部卒業生の 進路と職業意識に 関する日米比較、 調査研究資料一

, 2 8 、 科学技術政策研究所、 1 9 9 3

Ⅱ榊原潜則、 近藤一 穂 、 前田昇、 田中 茂 、 古賀歌 人 、 綾部博之、 日本のべンチャ 一企業と起業者に 関す

る 調査研究、 NISTEP-REP0RTNo61 、 科学技術政策研究所、 1 9 9 9

参照

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