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15. 急性期病院の早期からの緩和ケア ―外来を開設して専従看護師の思うこと(第22回群馬緩和医療研究会)

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Academic year: 2021

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Endoscopic Gastrostomy,以下 PEG)は,低侵襲で術後の 管理が容易であり, 合併症の頻度が少なく, QOL の向上 が期待できる. 今回, 我々は緩和ケア病棟における PEG の導入と予後, そして妥当性について検討した. 【対 象】 2009 年 1月 1日から 2010年 6月 30日までの期間 に西群馬病院緩和ケア病棟で PEG を施行した患者を対 象にした.PEG の適応は,①本人・家族に対して PEG の 十 なインフォームド・コンセントが得られる症例, ② PEG により QOL の向上が得られる可能性が高く, さら に PEG の施行後, 少なくとも約 1∼ 2ヵ月以上の生命予 後が得られる症例に限定している. 【結 果】 べ 160 名が緩和ケア病棟に入院し, 患者と家族に対して, 十 なインフォームド・コンセントを行い, PEG を施行した 患者は 2名であった. PEG の目的は, 2例とも栄養目的 として PEG を施行し, 減圧目的の患者はいなかった. 1 例は, 70代女性で食道がんと肺がんの重複がんの患者. 食道がんによる通過障害を認め, 経口摂取は困難であっ た.もう 1例は,70代男性で悪性胸膜中皮腫の患者.胸膜 中皮腫による食道の圧排・狭窄を認め, 経口摂取は困難 であった. それぞれ PEG 施行後の生存期間は, 124日と 92日であった. 【 察】 PEG を施行し生存期間の 長が得られた. しかし, PEG が長期に及ぶと, 患者は QOL の低下とともに精神的苦痛が増加していく.医療者 もまた, PEG が患者にとって 最善の処置 であったの かといつも悩む. そのため, 医学的・倫理的に PEG が妥 当であったかを検証していくことが重要である. 今回の 2症例とも, PEG 適応のアルゴリズムで, PEG の施行は 医学的にも倫理的にも妥当であったと思われた. 14.鎮静に戸惑う看護師への支援に関する 察 ―かんわケアチームの観点から― 高橋 淑恵,関根奈光子,神宮 彩子 小熊婦仁子,深澤 一昭,望月 裕子 河合 弘進,吉田 長英,平山 功 (群馬県済生会前橋病院 かんわケアチーム) 【目 的】 ある終末期患者を支え, 当該病棟でほぼ初め ての試みとなる鎮静を行った. 本事例を振り返り, 一般 病棟で緩和ケアを行う看護師の戸惑いと, その看護師を 支援するかんわケアチーム (以下, チーム) の課題を探 る. 【事例紹介】 40歳代女性, 独身. 乳癌, 肺転移, 終末 期. 痛みや呼吸困難等症状マネジメントを目的に介入依 頼あり. 【経 過】 患者の苦しみ : この状態がいった いいつまで続くのか……,患者には「将来を失う」という 時間的な苦しみが生じていた. 患者を支えることを意図 してそばにいる,傾聴,タッチング,マッサージ等援助し, 患者が信頼を寄せる関係性もできた. 鎮静について「楽 になるんですね.よかった……」と語り,この苦しみから 解放される将来が見えた患者は, 将来に向けて今を歩む ことができた. 鎮静の意思を伝えてから一週間後患者の 希望で鎮静を開始, 5日後に亡くなった. ・看護師の戸惑 い : 鎮静の意思を捉え実際に鎮静が行われるまでの一週 間を振り返り, 看護師は「鎮静してほしい, 楽になりた いって言っている患者さんに何て声をかければいいのか わからなかった」と語った.また,鎮静後も「しばらくは ケアの時辛そうな表情をしていて……. ごめんね って 言いながらケアしていた」と語り, 悩みながら援助して いたことがわかった. 【 察】 チームには, 患者を支 えるだけでなく, ベッドサイドで援助する看護師を支援 する役割がある. 本事例で看護師は, 鎮静の意思を捉え 実際に鎮静が行われるまでの患者との関わりに戸惑いを 感じていた. 看護師にとって鎮静は死を意味し, 目の前 にいる患者の死を意識しながら関わることに戸惑いが生 じたのかもしれない. チームは, この患者がなぜ鎮静を 受け入れるに至ったかを看護師と話し合い, この苦し みから楽になりたい」という患者にとっての鎮静の意味 を確認し合う必要があった. また, 看護師が抱いていた 鎮静のイメージが現実と異なり, 楽になるための鎮静 なのに何だか苦しそうだ」「これでいいんだろうか」と 藤していた.チームには,鎮静後の患者の反応・患者との 関わり方に 藤する看護師の苦しみを聴く援助が必要と 思われた. 15.急性期病院の早期からの緩和ケア ―外来を開設し て専従看護師の思うこと 久保ひかり,田中 俊行,春山 幸子 小保方 馨,土屋 道代,岩田かをる 阿部 毅彦 (前橋赤十字病院 かんわ支援チーム) 当院は地域がん診療連携拠点病院である. 指定の条件 として, 緩和ケアチームの院内活動が必要であるが, 緩 和ケア外来も追加された. それに伴い「かんわ支援チー ム」は, 2009 年 10月に緩和ケア外来を開設した. 開設し て 7ヶ月だが, 当院の緩和ケア外来を紹介する. 【外来 紹介】 緩和ケア外来」の看板は掲示していない. 場所 は人の出入りの少ない環境を選び, 手術日で 用してい ない整形外科外来で行なっている. 予約制で, 水曜日の 午後 14時から一人 1時間の枠で, 最大 3枠を確保して いる. 主治医, または, 緩和ケア外来を受診した患者自身 の希望で予約可能としている. また, 病院外からの紹介 は, 一度診療科や主治医を決定してから受診としている. 開設してしばらくは専従医一人で対応していたが, 現在 は専従看護師と一緒に行なっている. 診察終了後, 全人 的苦痛の観点でカルテに推奨処方を記載している. 基本 88 第 22回群馬緩和医療研究会

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的には専従医は処方せず, 主治医が処方することにして いる. 【結 果】 2009 年 10月下旬から 2010年 5月下 旬までに, べ 45名 (患者数は 20名)のがん患者が受診 した. 診療科は, 消化器外科 8名, 消化器内科 3名, 乳腺 甲状腺外科 6名, 泌尿器科 2名, 呼吸器内科 1名であっ た. 一日あたりの患者人数は, 平 1.6名で, 診察時間は ひとり平 55 であった. 依頼内容は, 身体的苦痛 85%,精神的 10%,社会的 10%,スピリチュアル 45% (重 複あり) であった. 予約日以外に受診した患者は 5名で, 予約がはいってない日は 3日あった. 複数回受診した患 者は 9 名で, 最高 7回であった. 外来経過中で入院前か ら受診した患者は 14名, 退院後に継続して受診した患 者は 6名であった. 【まとめ】 入院中に依頼の少ない 診療科からの依頼が多かった. また, 入院患者への依頼 内容に比べ, スピリチュアルな苦痛への依頼が多かった. できるだけ外来で経過観察をする診療科もあり, 早期か ら緩和ケアを行うためには, 入院前から介入する緩和ケ ア外来は重要であると える. スピリチュアルな苦痛に 対して, 専従看護師も積極的にかかわりを持っていきた い. 16.緩和ケアに対する認識調査 金子 直美,片山こずえ,赤坂季己江 星野 好美,金子 芳樹,本橋 靖枝 上井 崇智,山部 克己 (桐生地域医療組合桐生厚生 合病院 緩和ケアチーム) 【はじめに】 当院では平成 18年に緩和ケアチームが立 ち上がり院内コンサルテーション活動を開始している. また, 平成 19 年 1月に地域がん診療連携拠点病院に認 可されている. そこで当院職員が緩和ケアをどのように え捉えているのかを知ることを調査し, 緩和ケアに対 す る 認 知 度 や 現 状 を 把 握 し た 結 果 を 報 告 す る. 【目 的】 緩和ケアに対する職員の認識を調査, 緩和ケ ア チームの今後の活動内容の検討 【方法】 対象 : 当院に 勤務する医師 72名, 看護師 352名, 薬剤師 18名, 放射線 技師 18名, 検査技師 27名, 栄養士 6名, リハビリ科 18 名. 1) 期 間 : 平 成 22年 5月 28∼6月 4日. 2) 方 法 : 自記式質問紙調査法 (質問用紙への回答にて研究の同意 を得た). 【結 果】 アンケートの配布 511名, 回答 389 名, 回答率は 76.12%であった. 緩和ケアへの関心は, あ る 40.35%, ややある 45.24%. 当院に緩和ケアチームが あることを知っているは 96.65%, 知らない 3.34%. 緩和 ケ ア チーム へ の 依 頼 方 法 に つ い て は, 知って い る 37.01%, 知らない 59.89%であった. WHO方式がん疼痛 治療の基本原則, 3段階除痛ラダーを知らないは全体で 70%であった. 職種別においては知っているとの回答が 医師, 薬剤師は 70%に対して看護師は 30%以下であっ た. 【 察と今後の課題】 緩和ケアに対する関心は, 全 体の 85%と高さが伺えた. しかし基本的な知識がまだ不 十 であることが明確となった. また医師の回答が 33.3%であったことも, 当院におけるコンサルテーショ ン活動における課題の一つである. また, 緩和ケアチー ムの認知度は高いが依頼方法の認知度は低く, 依頼方法 についてのさらなる周知と簡 さが求められる. 緩和ケ アチームの活動として, 今後も緩和ケアに関する勉強会 を開くなど啓蒙活動を継続していき, 職員の知識向上を 目的とし臨床の資質向上を図っていく.

事例検討1>

∼緩和医療 みんなで共有しよう∼ 「難渋・苦渋した症例」 座長:山部 克己 (桐生地域医療組合桐生厚生 合病院) 大井寿美恵 (独立行政法人国立病院機構西群馬病院) 17. 入院した方が正解かもしれない」と言って入院した 肺癌患者の事例 林 愛,柳沢ちぐさ,萩原 洋子 冨沢 陽子,小林きみ江,笹本 肇 (原町赤十字病院) A 氏 50代男性. アルコール性肝障害等で当院通院中. 平成 X 年 Y 月,肺癌疑いで G 病院紹介受診したが,構音 障害出現し, 緊急入院となった. 診断は左 S6の原発性肺 扁平上皮癌の両肺内多発転移, 肝, 左副腎, 骨 (肋骨・左 肩甲骨), 脳転移. H 病院にてガンマーナイフ施行, 再び G 病院で化学療法開始するが, 認知症症状, 発熱出現. CT でも病変増大し, 化学療法は 1サイクルで中止し, Y+1月 31日, 退院. 当院呼吸器内科より緩和ケア依頼 あり, 訪問看護導入した. Y+2月 20日, 食欲不振あり, 妻が心配して入院を希望するが, A 氏は「俺が邪魔なん か?」と拒否.ステロイド処方で食欲改善し,本人希望であ ちこち車で出かけていた.Y+3月 5日,悪寒・戦慄あり, 驚いて救急車を呼び入院. CT 上左肺完全無気肺を認め た. 骨転移痛と咳に対してオピオイドを開始した. 熱は すぐに下がり妻の説得を振り切り 1週間で退院. その後, 呼吸困難の出現で HOT 導入. 再び食欲不振となり, 内服 も数が合わず, 電話で妻に尋ねるが要領を得ず. 心配し た医師が訪問すると, A 氏は内服もおぼつかず痛みを我 慢していた. 妻は自 が変になってしまうと訴えたが, 入院を尋ねると A 氏は黙ってしまった. 貼付剤にロー テーションしたが, 事態は膠着していた. Y+4月 8日, 89

参照

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