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JAIST Repository: プロピレン重合初期における水素の解離と連鎖移動反応に関する研究

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Academic year: 2021

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Japan Advanced Institute of Science and Technology

JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/ Title プロピレン重合初期における水素の解離と連鎖移動反 応に関する研究 Author(s) 飯塚, 武彦 Citation Issue Date 1996-03

Type Thesis or Dissertation Text version none

URL http://hdl.handle.net/10119/2246 Rights

(2)

プロピレン重合初期における水素の解離と

連鎖移動反応に関する研究

飯塚 武彦 (寺野研究室) 1)緒 言 Ziegler-Natta触媒を用いたプロピレン重合において、水素は連鎖移動剤として作 用することが知られている。これまで、プロピレン重合において、水素はポリマ−の成長してい る活性点に分子のまま反応し、Ti−Hが形成すると考えられてきた。しかし、速度論的な解析結 果は生成ポリマ−の分子量の減少は水素分圧の平方根の逆数に比例し、水素は解離して活性点に 作用することが示唆された。また、Teranoらはストップフロ−法の重合においても水素分子が解 離する様な触媒環境下では、連鎖移動反応が生じるということを明らかにした。本研究において は、以上の事実に基づき水素分子が解離して連鎖移動反応に関与すると考え、水素による連鎖移 動反応が生じないストップフロ−法の条件下での重合において、水素解離能力を有する化合物を 触媒系に添加し連鎖移動反応の発生について検討した。 2)実 験 ストップフロ−法を用い、n-ヘプタン(200mL)溶媒中、VesselAにMgCl2担持型 Ti触媒;1.3g,VesselBにtriethyl aluminium(TEA); 14mmol (Al/Ti=30)を加え、水素(4atm)

存在下、0.1秒程度のプロピレン重合を行ない、これを基準とした。また、H2−D2交換活性を

有するPdCl2 を以下の条件に従って添加した 触媒系を用いて、ストップフロ−法によりプロピ

レン重合を行った:(a)MgCl2担持型Ti触媒とPdCl2 を共粉砕しVessel Aに添加し、TEA を VesselBに添加した,(b)MgCl2担持型Ti触媒とPdCl2をVesselAに添加し、TEAをVesselB

に添加した,(c)MgCl2担持型Ti触媒をVesselAに添加し、TEAとPdCl2をVesselBに添加した。

3)結 果 と 考 察 ストップフロ−法による重合では、水素存在下と非存在下で収量、及び分 子量ともに変化しないことが明らかになった。そこで、水素存在下、PdCl2を添加した時の収量、 及び分子量について解析した。(a)の重合条件では分子量が低下し、重合時間に対して一定になっ た。従って、水素分子の解離する部位と重合活性点が同一粒子上に存在する条件下では、水素原 子が活性点に作用し連鎖移動反応を行うことが明らかとなった。また、(b)の条件においても、水 素による連鎖移動反応が生じた。従って、触媒とPdCl2が別粒子でも連鎖移動反応が生じること が明らかとなった。すなわち、水素原子の粒子間の移動が明らかとなった。これまで同様、(c)の 場合にも、連鎖移動反応が生じた(図.1.)。 図1: (a),(b)では触媒側にPdCl2を加えたため、重合 を行う以前にVesselA内でPdCl2による水素原 子が存在している。従って、その水素原子が触媒 上に重合以前に移動していることが考えられた。 しかし、PdCl2を助触媒側に加えた(3)の実験に より、0.1秒以下の非常に短時間の重合領域にお いても水素原子は連鎖移動反応に活性であること が明らかになった。これらの実験結果から、水素 による連鎖移動反応は水素分子が原子状に解離し 活性点に作用することが明らかになった。また、 PdCl2上で解離した水素は、0.1秒以下の短時間 で粒子間を移動し活性点に作用することが明確に なった。 * keywords 水素,プロピレン重合,ストップフロー法,PdCl2,連鎖移動反応

参照

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