<原著>中年男性におけるなわとび時の跳躍周期に依存した筋,腱-弾性系関与に関する筋電図学的研究
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(2) . 川崎医療福祉学会誌 原 著. 中年男性におけるなわとび時の跳躍周期に依存した 筋,腱ß弾性系関与に関する筋電図学的研究 山口英峰 宮川 健 小野寺 昇. 要 約.
(3). 本研究は ,中年男性におけるなわとび時の跳躍周期に依存した筋,腱 弾性系関与の影響について明. 名の被験者が本研究に参加した.被験者は つのグループ( 群: 群 , 群: 群)に分類された . 群と 群の平均年齢は ,それぞれ 歳( 平均値 標準偏差), 歳であった.なわとびのテンポは 回分であった. 測定項目は床反力と表面筋電図であった .筋と腱の弾性系関与は , ( :筋放電の消 失から足が床から離れる地点までの時間間隔)と ( が観察される区間の床反力の積分 値)で評価した.さらに と は,接地時間と床反力の全力積に対する の割合を求 めた .接地時間と , の関係について検討すると ,接地時間と , の間に有意な負の相関関係が観察された . 群の傾きは , 群と比較して低い値を示した .傾き が低いことは ,跳躍周期が変化しても筋,腱
(4) 弾性系関与割合はあまり変化しないことを示している. これらの結果は ,下腿三頭筋群の弾性系は 歳代で低下し始めていることを示唆する. らかにすることを目的とした .. . . . 緒. . 加齢や不活動に伴い低下すると推測される.. 言. 筋や腱組織の弾性については ,測定機器の進歩に. 我々は ,歩行や階段の下りなど 様々な反動動作を. 伴い様々な新しい方法が開発され ,多くの研究が報. +, ら. . 日常生活において活用している.反動動作の特徴は,. 告されてきた .. 筋の短縮性収縮に先立って伸張性収縮が 生じ るこ. 歩行時の筋と腱組織の動態を観察し ,離地前に内側. とである.このことによって弾性エネルギーが直列. 腓腹筋の筋放電はみられないものの ,筋,腱複合体. 弾性要素に蓄えられ ,次の短縮時にエネルギーの一. 及び 腱組織の長さは急激に短くなることを示した .. 部が放出されると考えられている . 一方,. ! " は , 歳歳までの計#名(男子名, 女子名)の被験者を対象に ,年齢と反動動作と の関係について反動なし の垂直跳び( $% )と反動 を利用した垂直跳び( &% )を用いて検討し ,'( ( &%
(5) $% )の結果からジャンプ時の弾性エネルギー. +,(- ら. .. . は超音波法を用いて. はヒトの腱にトランスデュー. サーを埋め込み,ホッピング中のアキレス腱張力を 測定し ,筋放電が消失しても腱はなお張力を発揮し 続けていることを報告した .これらの報告は ,速い 周期において伸筋が張力を発揮すべき伸展相に筋放 電が消失することを示している.これらの報告から,. の利用率が加齢に伴い低下することを報告した .つ. 身体上昇期に筋放電が消失し ても運動が遂行でき. まり,反動動作の活用に加齢が影響するとういう興. る要因として,筋,腱 弾性系の関与が推測される.. 味深い知見である.秋谷と根本
(6) は ,ホッピング動. 我々は ,身体上昇期の外力と筋放電消失の時間間隔.
(7).
(8). )を筋,腱
(9) 弾性系関与の指標として表わし ,な わとびにおける跳躍周期と筋,腱)弾性系関与の割合. 作時の中高年者の伸長 短縮サイクルに関して ,加. ). (. 齢に伴い筋,腱 弾性系の利用が低下することを報告. "* ら. した.. . は , 日間のベッドレスト時の不. について検討し ,跳躍周期が速くなるに従い弾性系. 活動から ,筋量及び筋機能の低下のみならず腱組織. 関与の割合が高くなることを明らかにした .この. の機能も筋同様に低下することを明らかにした .こ. ことから ,加齢に伴い筋 ,腱 弾性系関与の割合が. れらの知見から ,筋,腱 弾性系としての利用率は ,. 低下するならば ,.
(10).
(11). も低下すると推測される.. 川崎医療福祉大学大学院 医療技術学研究科 健康科学専攻 川崎医療福祉大学 医療技術学部 健康体育学科 仙台市青葉区星陵町 番 号 東北大学 (連絡先)山口英峰 〒 .
(12) #. 山口英峰・宮川 健・小野寺 昇. の有意な低下が認められれば ,加齢による筋,腱.
(13). 弾性系の低下を筋電図学的に明らかにすることがで きると考える. そこで本研究は ,なわとび時の跳躍周期に依存し.
(14). た筋,腱 弾性系関与の割合を指標にして ,加齢が.
(15). 筋 ,腱 弾性系関与の割合低下に及ぼす影響につい て筋電図学的に明らかにすることを目的とした . 方. 法. . . . . . . . の腓腹筋(. り込んだ .全ての試技において,メトロノームのリ. .対象 健康な成人男性名を被験者とし た .身体特性 は ,年齢. .歳( 平均値 標準偏差 ),身長 ! ,体重# , であった .被験者 の年齢分布は歳から 歳であったため,若年男性 ( : 群)# 名,及び中年男性( : 群) # 名に分類して検討した . 群の 身体的特性は ,年齢 歳(平均値 標準偏差), 身長 #! ,体重# , であった. 群の身体的特性は ,年齢 歳(平均値 標準 偏差),身長 ! ,体重 #, であっ た .全ての被験者に本研究の目的,方法を十分説明 し ,研究の趣旨を理解したうえで研究に参加するこ との同意を得た .. . 2 白金皿電極)を用い,双極誘導にて右脚 ( = -!:5 ), ヒラメ筋( :$;7 )の筋電位をマルチテレ メー タシ ステム( 日本光電2 >6
(16) 2 時定数 ? ! )によって誘導した.電極間距離は と した .電極間抵抗は , 以下であった.それぞれの 信号は, @: で A 変換( 09-7*. 2 A - )した後,パーソナルコンピュータに取. (. . . . ズムと跳躍が合致した. 跳躍を測定値とした .. . と の算出 先行研究 に従い,筋放電の消失から足が床から 離れる地点までの時間間隔( : ) を筋 ,腱
(17) 弾性系が外力発揮に寄与する時間的要素 と推測して検討した( 図 ).また, が観察され る区間の床反力の積分値( )を筋 ,腱
(18) 弾性系が外力発揮に寄与する量的要素と推測し て 検討した . は ,接地時間に対する の割合. .なわとびの測定条件 なわとびは ,両足での一回旋一跳躍とした .なわ とびの跳躍周期は,単相性波形である , , , , , 回分( ,/ /- :$0 )の # つを設定した .被験者は ,実験に先立ちリズ ムに合わせたなわとび練習を行い,メトロノームの リズムとなわとびの跳躍周期が一致することを一人 一人確認した後, # 種類の跳躍周期をメトロノーム ( $1
(19) 2 服部セイコー)のリズムに合わせて跳躍し た .全ての跳躍周期で跳躍高が等しくなるように指 示した .全被験者は同じなわ( ! 社製 3/ -/ 4+ )を使用し ,各個人が跳びやすいなわの長 さに調節した.また,全ての被験者の靴( ! 社製 56774186 )を統一した . .測定項目 床反力はフォースプレート( "-2 .&&2 $9:- )を用いて計測した .計測された床反 力の信号から接地時間,滞空時間,垂直方向成分の 床反力( 以下 ,床反力とする)の最大値を求めた . 膝関節及び足関節角度変化は ,ゴニオメーター( 電 気計測販売 ""2 5;4;66 < . )を用い て記録した.関節角度は ,立位姿勢を 度としてそ れぞれの角度変位を評価した .筋電図は ,表面電極. 図.
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(27) ). . 中年男性と筋,腱 弾性系との関係. は ,床反力の全力積に対す の割合を求めた. , は ,5 ,$;7 についてそれぞれ算出した .筋放電 を求めた. る. . . . の消失地点は,先行研究 を参考に,安静時筋放 電の標準偏差に. を掛けた値を下回った点とした .. .統計処理 各測定値は,全て平均値 標準偏差で表した.跳躍周 期の変化に対するそれぞれのパラメーターは,
(28) 9B ; 9( -/ - で 検 定し , 有意性が認められた場合は ,$
(29) 9
(30) " 検定を 用いて / (! テ スト を 行った . 群と 群の各測定値の変化の差は,9
(31) 9B ; 9( -/ -で検定した.接地時間 と , の関係は単相関と単回帰分析 で検討した.危険率( / ) 未満を有意な差とした.. . 結. 果. .接地時間と , の関連について 図 に 群( 歳)と 群( 歳 )の典型. 図". $0 )にも関わらず , 群では 群と比較して 5 ,$;7 ともに筋放電消失点が遅くなった .つま り, は , 群より 群が短いことを示す. の関係に 図 に,接地時間と , ついて 5 ,$;7 のそれぞれについて示した.全て 的な筋放電パターンを示した .同じ 跳躍周期(. . の測定項目に対して有意な負の相関関係が観察された (. / ).表 は,接地時間と ,. . の関係について相関係数と傾きを個人別に検討した ものである.年齢が. 歳をこえる被験者 , の傾き. についてみると ,他の被験者と比較して小さな値を 示した .. .跳躍周期と力学的な測定項目との関連について 図 に跳躍周期と力学的な測定項目の関係につ いて示した .体重あたりの床反力の最大値( ),膝 関節の最大屈曲角度( * ),足関節の最大背屈角度 ( ! )と接地時間( )は , 群 , 群ともに跳 躍周期の違いに対し て有意に変化し た( / ). 一 方 ,滞空 時 間( )は , 群に おい て 有意な.
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(39) .. 山口英峰・宮川 健・小野寺 昇 表. Æ
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(48) % . . 図#. 群の間に有意差は観察されなかった .これ 群と 群は,ほぼ同じ跳躍高で. らのことから. なわとびが行われたと考えられた .さらに ,滞空時. いて. 群では $0 に対して $0 と $0 で有意に低値を示した .これらのこと から , 群は速いリズムにおいて他の周期と同じ. た(. 高さで跳躍することが困難になったと推測された .. 変化が 観察された .膝関節角度と足関節角度にお. 群と 群の群間に有意な差が観察され / ).その 他の測定項目に 関し ては . 間において.
(49) ). 中年男性と筋,腱 弾性系との関係 接地時間と. ,. の関係について. をもった被験者は児童と同様に筋放電が残存するこ. は ,全ての測定項目に対し て有意な負の相関関係. とを明らかにした .つまり,筋放電の残存は筋や関. . 群と 群の接地時間に対する と の変化を比較すると , 群 の傾きは 群の傾きよりも低い値を示した.そこ で,さらに詳細に検討するために,接地時間と , の関係について個人の相関係数と傾き についてに検討した .特に年齢が 歳をこえる被験 者 , の傾きが他の被験者と比較して小さな値を示. が観察された .. . . した.傾きが低いことは ,跳躍周期が変化しても筋,.
(50). 節などにかかる負荷を減少させようとする保護作用 が働いている可能性が考えられる.これらのことか. ). ら ,本研究においても加齢にともなう筋,腱 弾性系 関与の割合低下には ,あえて速い跳躍周期には対応 しないことで筋や関節など の保護作用として働き ,. の制御として筋電図学的に観察され たものと考える.今後,上位中枢と筋,腱
(51) 弾性系の このことが. 関わりについて検討する必要があると考えられた .. 腱 弾性系関与割合はあまり変化しないことを示し ている.これらの結果は ,加齢による下腿三頭筋の. ま と. め. 利用率にも個人差が存在することを推測させる.こ.
(52) とびにおける筋,腱
(53) 弾性系の関与も加齢に伴い低. れまで ,加齢と筋力の関係については数多くの研究. 下すると考えられる.このことから ,なわとび時の. ). 筋,腱 弾性系関与割合の質的変化,さらに弾性系の. が行われており,加齢に伴い脚筋力. .
(54). ,握力. . などの筋力減少が報告されている.一方,腱の張力. 加齢に伴い筋,腱 弾性系が衰えることから ,なわ.
(55). 跳躍周期に依存した筋,腱 弾性系関与の割合を指 標にして,若年成人と中年男性の.
(56). を比較し ,加. やスティフネス( 硬さ,あるいは剛性)も年齢の影. 齢が筋,腱 弾性系関与の割合低下に及ぼす影響に. 響を受け ,加齢に伴い低下することが報告されてい. ついて筋電図学的に明らかにした .. 個人の傾きが異なることは ,加齢と個人差の影響に. , の傾きは , 歳を こえる被験者 , の傾きが他の被験者と比較して小 さな値を示した.このことは , 歳代においてすで に下腿三頭筋の が選択的に低下しはじめている. よるものであることを示唆し , 歳代においてすで. ことを示唆する.これらのことから ,下腿三頭筋群. に下腿三頭筋の. が加齢の影響を受け低下し ,このことが筋,腱 弾性. ). る .筋や腱の質的な変化により筋 ,腱 弾性系の 指標とした. が低下し , 群は速い跳躍周期で. の跳躍が困難になったと推測される.このことから,. . が選択的に低下しはじめている. ことを示唆する.これらのことから ,下腿三頭筋群.
(57). 接地時間と. .
(58). 系関与の割合低下に結び付いたと推測された .. が加齢の影響を受け低下し ,このことが筋,腱 弾性 系関与の割合低下に結び付いたと推測された . 小野寺と森本. . 本研究に快く御協力して頂いた被験者の皆様方に感謝申. は,成長にともなう肘関節屈曲張. し上げます.本研究を遂行するにあたり,御協力頂きまし. 力の筋弛緩様式について筋電図及び張力曲線を指標. た川崎医療福祉大学枝松千尋先生,国立循環器病センター. に検討し ,成人では筋放電の消失が張力低下に先行. 山元健太先生,川崎医療福祉大学 期生木村純一氏,石丸. すること,児童では筋放電が残存することを報告し ,. 幸次氏,木葉智広氏,木村純一氏,小牧功憲氏,森夕夏氏. 筋放電が残存する要因として最終共通路に対する抑. に深謝致します.本研究は平成年度川崎医療福祉大学プ. 制系未発達の関与を示唆した .山口ら. . は ,習慣. 性の捻挫をもった被験者を対象に ,同様の手法を用. ロジェクト研究助成( 代表者 小野寺昇)によって実施さ れた.. いて下腿三頭筋の筋弛緩様式について検討し ,捻挫. 文 献. ) ,
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(90) ,*+ , 0. ,0 .. )秋谷一平,根本勇:中高年者における ++
(91) $ の筋放電パターン .身体運動のバイオメカニクス,.
(92) . 山口英峰・宮川 健・小野寺 昇 * ,* .. * )"(
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(119) . )山口英峰,山元健太,枝松千尋,早田剛,宮川健,小野寺昇:なわとびにおける跳躍周期の差異がヒト下腿三頭筋の筋,. + ,. 腱弾性系に及ぼす影響.体力科学,. , 00 .. 0 )山口英峰,山元健太,宮川健,宮地元彦,小野寺昇:なわとびにおける跳躍周期の違いが床反力に及ぼす影響.川崎医. , , 000 .. 療福祉学会誌,. )7 (
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(165) . . , ,!. !! ,! .. . -- ,00 , .. )小野寺昇,森本茂:成長段階における筋弛緩様式について .体力科学,. )山口英峰,枝松千尋,高橋康輝,山元健太,宮川健,小野寺昇:下腿三頭筋における筋弛緩様式について .体力科学,. *( ,. , 00 . ( 平成年 月0日受理).
(166) ). . 中年男性と筋,腱 弾性系との関係.
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