性能設計概念に基づいた基礎設計の原則(地盤コード21)の作成の経緯と今後の展望
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(2) 目的. アプローチ. 要求性能. 包括設計コード アプローチ B. アプローチ A. 固有基本設計コード 固有設計コード. 照 査 の 階 層. と規定している.このことによりこの値の決定に「安全」 等の,地盤調査者や設計者の恣意的な判断が入ることを 避けようとしている.一方で,平均値を求めると言う明 技術者の視点. 性能規定. ユーザー・規制者の視点. 要求. 地盤コード 21 では,地盤パラメータの特性値を平均値. 要 求 性 能 の 階 層. 確な目標を与えることで,地盤調査結果の解釈に必要な 多くの有益な工学的な判断は,これを奨励している. (6)地盤工学の最新の知見に基づく設計コード 各基礎構造別の章においては、下位の基準の作成時に 利用できるような基礎構造物設計の state of the art に基づ. 図-1 地盤コード 21 が提唱する,設計コードの持つべき階層. (3)性能照査方法の標準化と多様化への対応 現在世界的には一方で,1995 年の WTO/TBT 協定以来 の工業製品の性能規定型仕様により,設計の自由度を高 めようという動きがある.他方では ISO や Eurocodes な ど世界やある地域で強力に設計基準の標準化と統一を進 めようと言う動きもある.一見矛盾するかに見える自由 化(=多様化)と統一化(=標準化)の動きに合理的に対処す る必要がある.このような 2 つの方向性を同時に満たす ために,地盤コード 21 の性能照査では,アプローチ A とアプローチ B の 2 種類のアプローチを許す形を取った (図-1).アプローチ A は,完全な性能規定型の照査(設 計)アプローチであり,アプローチ B は,設計基準に基づ く照査(設計)をめざし,「A code for code writers」の役割 を果たすことが意図されている. 設計基準の階層性の最上部に位置する地盤コード 21 は,アプローチ A 及び B の上位に立つコードであり,両 アプローチの調和を計るために考えられたコンセプトで ある.このコンセプトは他には類を見ないものである. (4)「限界状態設計法」に基づいた設計コード 地盤コード 21 は,世界標準として規定されている構造 物の構造的な安全性の照査法の標準を示した「確率に基 づいた限界状態設計法」に基礎を置いた ISO2394 に準拠 している.限界状態を構造物の各種の構造的要求性能と. く設計時の過不足の無いチックリストを作成することを 目指した.このチェックリストを定性的な記述に留める ことで,設計者や設計基準作成者それぞれの要求性能達 成のための工学的判断の余地を十分に残した.また幾つ かの具体的な照査方法を例として付録に付けた.これは 本基準案が,翻訳され国外の技術者の目に触れるとき, 日本の最新の設計技術を知る上で参考になるはずである. (7)情報伝達のフローの標準化と技術者の資格 地盤コード 21 では,地盤構造物設計に関わる情報の伝 達の標準化を意図して,それぞれのプロジェクトのフェ ーズで,調査者,設計者,施工者等が作成すべき報告書 の種類とその内容(項目)について規定した. 国際的な市場の共通化をにらみ,さまざまな技術者の 資格認定も重要な課題となっている.地盤コード 21 では, この問題も視野に入れ,設計技術者,地盤調査技術者の 資格についても規定することを試みた. 4.今後の展望 「国際規格以外のデジュール標準の存在 は基本的に許さない」という国際的な流れの中で ISO 規 格の持つ意味は非常に大きくなっている.2004 年 6 月に CEN の規格となる Eurocode7(EN1997-1) は,ウィーン協 定(1991)によって,ISO 規格の基本的な規格として審議 されることになる.わが国の基礎設計に関する高い技術 レベルを国際規格の中で生かすために残された時間はも うほとんどない.. 置けば, 「限界状態設計法」は,構造物の性能規定型設計 を行う最も優れた設計法,あるいはその一つと考えられ る.. 表-2「地盤コード 21」に関連して行われた活動 実施年月 1999.6. (5)地盤パラメータの特性値設定の標準化 地盤工学における設計では,地盤が自然の提供する材. 2000.3. 料であるため,サイトごとに地盤調査と試験によって地. 2000.9. 盤のパラメータの値を決定しなければならない.設計に おいて同程度の限界状態に対する安全性余裕を考えよう とする場合,この点は工業的に規格化された建設材料を. 2000.9 2000.10. 用いる場合と大きく異なっている点である.このため, 各サイトで求められる地盤パラメータの特性値の決定方. 2001.3. 法をある程度標準化し,その特性値がどのような意味で 地盤の代表値であるかについて設計者の十分な共通理解 が必要である.ところが,内外に既存のほとんどの設計. 2002.4 2004.7. 基準は,工業的規格材料を対象とした構造技術者を中心 として作られてきたため,地盤パラメータの特性値に関 する記述がきわめて不満足である.. - 18 -. 内 容 地盤工学研究発表会(東京)で「我が国の基礎設 計の現状と将来のあり方に関する研究委員会」 による DS 開催. 上 記 委 員 会 報 告 の 一 部 と し て 、「 地 盤 コ ー ド 21(ver.1)」を公表・配布(ver.1 は、0,1,2,4 章のみ) 「土と基礎」Vol.46,No.9 において基礎設計のあ り方に関する小特集.7 編の関連論文. 土木学会 ISO 対応特別委員会会誌「土木 ISO ジャーナル」紹介記事.Vol.4,pp.5-19. 第 45 回地盤工学シンポジウムにおいて上記研究 委員会の報告書を、シンポジウム資料(別冊) として配布. 「基礎設計基準化検討委員会」報告書にて「基 礎設計基準化委員会」の設置を示唆. IWS 鎌倉において、 「地盤コード 21(Ver.2)」の英 訳を公表(Proceedings に掲載). 地 盤 工 学 会 研 究 発 表 会 ( 新 潟 ) で DS 開 催 . 「 DS-3 : 新 し い 基 礎 設 計 基 準 に 向 け て 」 と 「DS-4:Eurocode7(地盤設計)の批判的評価と対 応戦略」(TC23).
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