要旨 研究目的 本研究は、人工呼吸器離脱困難患者の調整事例において、急性・重症患者看護 専門看護師の臨床判断からどのような調整プロセスがあるのか明らかにすることである。 研究方法 本研究は、人工呼吸器離脱困難患者の調整を行った経験がある、急性・重症患 者看護専門看護師にフォーカス・グループ・インタビューを行い、その語りの中から臨床 判断による調整プロセスについて質的内容分析をした。本研究は、聖路加国際大学研究倫 理審査委員会の承認を受け実施した。(承認番号 16-A055) 研究結果 対象は、東京都内の病院に勤務する急性・重症患者看護専門看護師9 名であり、 専門看護師経験年数は、1~5 年で平均経験年数 2.8 年、人工呼吸器離脱の事例経験年数は、 2~100 件で平均 29.2 件であった。インタビューの内容から、急性・重症患者看護専門看 護師が行っていた調整は、[調整に関わるきっかけとなった事象]、[情報収集]、[アセスメ ント]、[介入]、[評価]というプロセスを辿っていたことが明らかとなった。[調整に関わる きっかけとなった事象]では【医師が経管栄養を開始しない】、【医師と看護師で離脱に関 して対立がある】などの 6 カテゴリ、[情報収集]では【病状や呼吸状態が落ち着き人工 呼吸器離脱が可能であることを把握する】、【医師の離脱に対する考えを確認する】などの 5 カテゴリ、[アセスメント]では【人工呼吸器の離脱には栄養の改善が必要であると考え る】、【医療チームが連携できておらず治療や離床が進まない】などの4 カテゴリ、[介入] では【看護カンファレンスを開催し知識、スキルの向上を図る】、【医師に栄養やリハビリ について提案する】などの10 カテゴリ、[評価]では【医師や多職種とディスカッション を行うことで治療の方向性が定まり人工呼吸器を離脱することができた】、【お互いに尊重 する関係性が重要であると再認識した】などの5 カテゴリが抽出された。 結論 急性・重症患者看護専門看護師の調整プロセスは、[調整に関わるきっかけとなった 事象]として患者の治療とケアの停滞、医療者間の対立について気づき、医師の治療方針や 患者の身体状況を改めて[情報収集]し、それらの情報を統合することで、人工呼吸器の離 脱が可能かどうか、またどのような援助が必要であるか高度な[アセスメント]をしている ことが明らかとなった。また[介入]は、患者・看護師・医師・多職種・チームなど多方向 に働きかけていることが明らかとなった。さらに[評価]では、人工呼吸器離脱の結果、医 療チームの効果や課題を介入の実施中、及び介入後もフィードバックしていたことが明ら かとなった。
人工呼吸器離脱困難事例に焦点をあてた急性・重症患者看護専門看護師の調整プロセス
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