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アライグマ(Procyon lotor)防除事業のための分布域と相対密度に関する研究

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Academic year: 2021

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アライグマ(

Procyon lotor)防除事業

のための分布域と相対密度に関する研究

2016 年

岩 下 明 生

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i 目 次 第 1 章 序 論 ...1 第 2 章 分 布 確 認 手 法 の 比 較 ...8 1. は じ め に ...8 2. 調 査 地 お よ び 方 法 ... 10 3. 結 果 ... 15 4. 考 察 ... 21 5. 小 括 ... 27 第 3 章 密 度 指 標 の 開 発 ... 28 1. は じ め に ... 28 2. 調 査 地 お よ び 方 法 ... 29 3. 結 果 ... 34 4. 考 察 ... 38 5. 小 括 ... 41 第 4 章 分 布 域 と 相 対 密 度 の 経 時 的 な 変 化 ... 42 1. は じ め に ... 42 2. 調 査 地 お よ び 方 法 ... 44 3. 結 果 ... 52 4. 考 察 ... 75 5. 小 括 ... 81 第 5 章 総 合 考 察 ... 82 要 旨 ... 92 Summary ... 97 第 6 章 謝 辞 ... 103 第 7 章 引 用 文 献 ... 104

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1 第1章 序 論 外 来 種 ア ラ イ グ マ (Procyon lotor) は 、 北 米 原 産 の 食 肉 目 で あ る 。 ア ラ イ グ マ は 1970 年 代 に 放 映 さ れ た テ レ ビ ア ニ メ 「 あ ら い ぐ ま ラ ス カ ル 」 の 影 響 に よ り 人 気 を 博 し 、日 本 に ペ ッ ト 目 的 で 大 量 に 輸 入 さ れ ( 宮 下 ,1993;揚 妻 -柳 原 , 2004)、 一 般 家 庭 で ペ ッ ト と し て 飼 育 さ れ た ア ラ イ グ マ は 2 万 頭 以 上 で あ る と 考 え ら れ て い る ( 宮 下 ,1993)。 ペ ッ ト と し て 飼 育 さ れ た ア ラ イ グ マ は 、 成 長 と 共 に 凶 暴 化 す る た め 捨 て ら れ た り 、 手 先 が 器 用 な こ と か ら 脱 走 し た り す る 事 例 が 多 発 し 、1980 年 代 に は 日 本 各 地 で 野 生 化 し た ( Ikeda et al., 2004)。 環 境 省 自 然 環 境 局 生 物 多 様 性 セ ン タ ー(2007)が 行 っ た 調 査 で は 、日 本 の 北 海 道 や 関 東 、中 部 、関 西 、九 州 の 大 都 市 圏 を 中 心 と し て 、全 国 の 27.6 %の 市 町 村 に お い て 野 生 化 が 報 告 さ れ 、 分 布 が 拡 大 し て い る 。 ア ラ イ グ マ は 中 央 ヨ ー ロ ッ パ 、 コ ー カ サ ス 地 方 、 ベ ラ ル ー シ な で も 古 く か ら 野 生 化 し て い る ( 図 1-1)。 ド イ ツ で は 1920 年 代 後 半 と 1930 年 代 に 、 ポ ー ラ ン ド で は 1945 年 か ら 1950 年 に か け て 、そ れ ぞ れ 毛 皮 養 殖 場 か ら の 脱 走 、狩 猟 の た め の 意 図 的 な 導 入 、 ペ ッ ト の 脱 走 な ど の 原 因 に よ り 野 生 化 し 、 中 央 ヨ ー ロ ッ パ を 中 心 に 分 布 を 拡 大 化 さ せ た (Zeveloff, 2002)。 近 年 で は イ タ リ ア や ス ペ イ ン で も 分 布 が 報 告 さ れ て い る (Beltrán-Beck et al., 2012)。 旧 ソ ビ エ ト で は 1930 年 代 に 毛 皮 目 的 で 導 入 さ れ 、コ ー カ サ ス 地 方 と ベ ラ ル ー シ に お い て 分 布 し て い る (Zeveloff, 2002)。 野 生 化 し た ア ラ イ グ マ に よ る 家 屋 侵 入 や 農 作 物 被 害 な ど は 、1990 年 代 に 入 る と 日 本 各 地 で 大 き な 社 会 問 題 と な っ た ( 牧 野 ・ 橋 井 ,2002)。 特 に 農 業 被 害 額 は 2003 年 時 点 で 1 億 円 弱 で あ っ た も の が 、2013 年 に は 3 億 3 千 9 百 万 円 と な り(URL:http://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/h_zyokyo2/h25/index. html; 2015 年 12 月 30 日 版 )、 10 年 間 で 3 倍 以 上 に 増 加 し た 。 ア ラ イ グ マ は 原 産 国 で は 狂 犬 病 や ア ラ イ グ マ 回 虫 症 と い っ た 人 獣 共 通 感 染 症 の 媒 介 者 で あ る

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2 図 1-1 ア ラ イ グ マ が 分 布 す る 国 と 地 域 分 布 図 は URL: https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Raccoon-range.png (2013 年 10 月 11 日 版 ) よ り 改 変 黒 色 の 地 域 は 在 来 分 布 地 域 を 、 斜 線 の 地 域 は 外 来 分 布 地 域 を 示 す こ と が 知 ら れ て い る(Zeveloff, 2002)。2000 年 に は 狂 犬 病 予 防 法 に よ り 輸 出 入 の 際 に 検 疫 を 行 う こ と が 義 務 づ け ら れ 、 ア ラ イ グ マ の 輸 入 量 は 大 幅 に 減 少 し た ( 揚 妻-柳 原 ,2004)。2005 年 に は 外 来 種 の 増 加 と そ れ に 伴 う 影 響 の 大 き さ を 受 け て 、「 特 定 外 来 生 物 に よ る 生 態 系 等 に 係 る 被 害 の 防 止 に 関 す る 法 律( 外 来 生 物 法 )」が 制 定 さ れ た 。こ の 法 律 の 中 で ア ラ イ グ マ は 特 定 外 来 生 物 に 指 定 さ れ 、輸 入 、飼 育 、保 管 、運 搬 、野 外 へ の 放 出 が 原 則 禁 止 さ れ 、都 道 府 県 や 市 町 村 、NPO な ど は 必 要 に 応 じ て 防 除 す る こ と と さ れ て い る 。 以 上 の よ う に 日 本 に お け る ア ラ イ グ マ に 対 す る 動 物 観 は 、 日 本 で は 1960 年 代 は 動 物 園 で 見 る よ う な 珍 獣 と し て 、1970 年 代 に ア ニ メ の キ ャ ラ ク タ ー と し て 、 1980 年 代 に は ペ ッ ト と し て 、 1990 年 代 以 降 は 害 獣 と し て 、 時 代 と 共 に 大 き く 変 化 し て き た ( 表 1-1)。 外 来 生 物 法 制 定 以 前 に お け る 日 本 で の ア ラ イ グ マ の 捕 獲 は 、 鳥 獣 保 護 法 に よ る 有 害 獣 捕 獲 の 許 可 を 受 け て 実 施 さ れ て き た 。 し か し 、 外 来 生 物 法 制 定 以 降 は

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3 表 1-1 日 本 に お け る ア ラ イ グ マ に 対 す る 社 会 的 な 動 き と 野 生 化 の 状 況 1)小 宮( 2010)、2)揚 妻 -柳 原( 2004)、3)阿 部( 1994)、4)宮 下( 1993)、 5)中 村( 1991)、6)牧 野・橋 井( 2002)、7)森( 2012)、8)池 田( 1999)、 9) 神 戸 市 ( 2011)、 10) 環 境 省 自 然 環 境 局 生 物 多 様 性 セ ン タ ー ( 2007) 鳥 獣 保 護 法 に 加 え て 、 主 務 大 臣 か ら 防 除 の 認 定 ・ 確 認 を 受 け れ ば 、 捕 獲 に は 捕 獲 許 可 や 狩 猟 免 許 が 不 要 と な り 、 捕 獲 頭 数 の 上 限 を 設 け る 必 要 も な く な っ た 。 こ の よ う な メ リ ッ ト が 存 在 す る こ と か ら 、2014 年 時 点 で 全 国 の 449 の 都 道 府 県 や 市 町 村 に よ り ア ラ イ グ マ 防 除 実 施 計 画 が 策 定 さ れ て い る( 表 1-2)。各 都 道 府 県 が 防 除 実 施 計 画 を 策 定 す る 前 の 2006 年 以 前 は 全 国 で 年 間 5,000 頭 未 満 の 捕 獲 頭 数 だ っ た も の が 、2006 年 以 降 、全 国 で 年 間 10,000-20,000 頭 程 度 が 捕 獲 さ れ る よ う に な っ た (URL : http://www.env.go.jp/nature/choju/docs/docs2. html;2014 年 4 月 1 日 版 )。中 で も 神 奈 川 県 は 他 都 道 府 県 よ り も 県 全 域 に 対 す 社会的な動き 野生化の状況 1900年代 上野動物園にアライグマが初来園1) と なる。 前半 愛知県の動物展示施設から12頭が 脱走2)。 後半 前半 後半 テレビアニメ「あらいぐまラスカル」が放 映され,アニメキャラクターとなる。 岐阜県 2) と北海道3)にて野生化。 前半 輸入頭数が最大年間1500頭程度と なり4),ペットとして人気となる。 後半 神奈川県にて野生化5) 。 前半 狩猟鳥獣に指定。 東京都6),和歌山県6),岡山県7) にて野生化。 後半 北海道8) と神奈川県6)で被害の顕在化 を受けて有害獣捕獲の開始。 兵庫県にて野生化9)。 前半 狂犬病予防法の対象動物に指定さ れ,輸入量が大幅に減少2)。 後半 外来生物法が制定され,輸入,販 売,運搬,飼育などが禁止される。 各地で防除実施計画が策定される。 九州も含んだ大都市圏を中心に広く 分布10)。 2010年代 前半 外来生物法が改正される。 外来種被害防止行動計画を策定。 1970年代 1960年代 2000年代 1990年代 1980年代

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表 1-2 各 都 道 府 県 に お け る ア ラ イ グ マ の 分 布 、捕 獲 、防 除 実 施 計 画 策 定 の 状 況( そ の 1)

1)環 境 省 自 然 環 境 局 生 物 多 様 性 セ ン タ ー( 2007)、2)URL:http://www.env.go.jp/ nature/choju/docs/docs2.html; 2014 年 4 月 1 日 版 、 3) URL: https://www.env. go.jp/nature/intro/4control/akunin.html;2014 年 11 月 12 日 版 、4)仙 台 市( 2014)、 5)鳥 取 県( 2008)、6)URL:http://www.pref.shimane.lg.jp/admin/region/kikan/ chusankan/choju/araiguma.html; 2015 年 12 月 13 日 版 ) る 1km2あ た り の 捕 獲 頭 数 が 最 も 高 く 、積 極 的 な 捕 獲 が 実 施 さ れ て い る( 表 1-2)。 野 生 動 物 の 個 体 数 は 把 握 が 困 難 で あ る こ と か ら 、 外 来 種 の 防 除 に つ い て も 順 応 的 管 理 を 用 い る こ と が 推 奨 さ れ て い る ( 環 境 省 自 然 環 境 局 外 来 生 物 対 策 室 , 2014)。 外 来 種 に お い て 順 応 的 管 理 を 行 っ て い く た め に は 、 そ の 対 象 地 域 の ど こ に 分 布 し て い る の か 、 ど の く ら い の 生 息 数 が い る の か と い っ た 情 報 が 必 須 で あ る 。 ア ラ イ グ マ の 分 布 や 生 息 数 を 調 べ る 手 法 と し て は 、 捕 獲 や 痕 跡 、 自 動 撮 影 カ メ ラ 、 ア ン ケ ー ト 、 行 政 に 寄 せ ら れ た 捕 獲 ・ 目 撃 ・ 被 害 記 録 に よ る も の が 外来生物法 制定前 1998-2004 外来生物法 制定後 2005-2011 都道府県 市区町村 NPOなど 北海道 ○ 8.5 6.4 36.0 1 131 4 青森県 ○ 0.2 0.1 1.2 0 6 0 岩手県 × 0.0 0.0 0.0 0 0 0 宮城県 ○4) 0.0 0.0 1.2 0 0 0 秋田県 × 0.0 0.0 0.0 0 0 0 山形県 ○ 0.5 0.1 0.0 0 0 0 福島県 ○ 0.5 0.0 0.0 0 0 0 茨城県 ○ 2.0 0.0 3.8 1 0 0 栃木県 ○ 4.1 0.0 0.4 1 0 0 群馬県 ○ 5.5 0.2 8.6 0 0 0 埼玉県 ○ 22.3 3.2 329.1 1 0 0 千葉県 ○ 43.9 7.8 186.6 1 0 0 東京都 ○ 13.4 2.2 44.6 2 0 1 神奈川県 ○ 42.4 186.9 389.1 1 0 0 新潟県 × 0.0 0.0 0.0 0 0 0 富山県 × 0.0 0.3 0.0 0 0 0 石川県 ○ 3.4 0.1 13.5 0 2 0 福井県 ○ 7.5 0.9 56.3 1 17 1 山梨県 ○ 0.0 0.2 6.4 1 0 0 長野県 ○ 1.6 0.0 0.3 0 0 0 岐阜県 ○ 15.6 5.9 26.9 1 22 0 静岡県 ○ 1.8 1.1 1.6 0 1 0 愛知県 ○ 21.6 12.5 43.3 0 11 0 分布 の有無 分布 メッシュ率 (%)1) 捕獲密度(100km2)2) 防除実施計画の認定・確認数3)

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表 1-2 各 都 道 府 県 に お け る ア ラ イ グ マ の 分 布 、捕 獲 、防 除 実 施 計 画 策 定 の 状 況 ( そ の 2)

1)環 境 省 自 然 環 境 局 生 物 多 様 性 セ ン タ ー( 2007)、2)URL:http://www.env.go.jp/ nature/choju/docs/docs2.html; 2014 年 4 月 1 日 版 、 3) URL: https://www.env. go.jp/nature/intro/4control/akunin.html;2014 年 11 月 12 日 版 、4)仙 台 市( 2014)、 5)鳥 取 県( 2008)、6)URL:http://www.pref.shimane.lg.jp/admin/region/kikan/ chusankan/choju/araiguma.html; 2015 年 12 月 13 日 版 ) あ る 。 こ れ ら の 手 法 に は メ リ ッ ト や デ メ リ ッ ト が 存 在 す る こ と か ら 、 防 除 事 業 の 立 案 者 は こ れ ら の 調 査 手 法 の 特 性 を 理 解 し た 上 で 、 現 状 に 即 し た 最 適 な 調 査 手 法 を 選 択 す る 必 要 が あ る 。 ア ラ イ グ マ の 分 布 調 査 に つ い て み る と 、 都 道 府 県 単 位 の 広 域 調 査 に お い て は 捕 獲 記 録 や 目 撃 記 録 、 ア ン ケ ー ト が よ く 用 い ら れ る ( 神 奈 川 県 , 2005; 環 境 外来生物法 制定前 1998-2004 外来生物法 制定後 2005-2011 都道府県 市区町村 NPOなど 三重県 ○ 6.0 0.1 25.1 0 9 0 滋賀県 ○ 7.9 0.0 29.0 0 16 0 京都府 ○ 40.9 14.1 120.9 1 23 0 大阪府 ○ 52.3 35.0 320.4 1 0 0 兵庫県 ○ 53.3 6.3 260.4 0 40 0 奈良県 ○ 12.0 0.9 78.2 1 23 0 和歌山県 ○ 45.6 38.9 199.0 0 22 0 鳥取県 ○5) 0.0 0.0 2.7 0 11 0 島根県 ○6) 0.0 0.0 4.4 0 1 0 岡山県 ○ 0.6 0.1 0.0 0 4 1 広島県 ○ 0.5 0.0 0.3 0 4 0 山口県 ○ 0.6 0.0 0.6 0 0 0 徳島県 ○ 2.5 0.0 1.2 1 0 0 香川県 ○ 3.7 2.3 81.1 0 15 0 愛媛県 ○ 0.6 0.0 0.0 0 2 0 高知県 × 0.0 0.2 0.0 0 0 0 福岡県 ○ 2.6 0.2 5.5 0 18 2 佐賀県 ○ 3.8 0.4 55.3 0 19 0 長崎県 ○ 7.3 2.3 128.3 0 19 0 熊本県 × 0.0 0.0 0.0 0 6 0 大分県 ○ 0.3 0.2 0.2 0 12 1 宮崎県 ○ 0.0 0.5 0.0 0 0 0 鹿児島県 × 0.0 0.1 0.0 0 0 0 沖縄県 × 0.0 0.0 0.0 0 0 0 分布 メッシュ率 (%)1) 分布 の有無 捕獲密度(100km2)2) 防除実施計画の認定・確認数3)

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6 省 自 然 環 境 局 生 物 多 様 性 セ ン タ ー ,2007; 大 阪 府 立 環 境 農 林 水 産 総 合 研 究 所 , 2013; Hayama et al., 2006)。 し か し 、 こ れ ら の 手 法 は 山 林 な ど の 人 間 活 動 の 低 い 地 域 に お い て、動 物 種 の 分 布 を 過 小 評 価 す る 可 能 性 が あ る (Gese, 2001; 環 境 省 自 然 環 境 局 生 物 多 様 性 セ ン タ ー ,2004)。 分 布 調 査 に は 痕 跡 調 査 や 自 動 撮 影 調 査 な ど の 現 地 調 査 も 用 い ら れ る 。 な か で も 自 動 撮 影 調 査 は 現 在 、 哺 乳 類 に お け る 生 息 状 況 の 調 査 法 と し て 主 流 と な っ て い る ( 安 田 ほ か ,2014)。 こ れ ら は 捕 獲 記 録 や ア ン ケ ー ト な ど と 比 較 し て 高 コ ス ト で あ る が 、 人 間 活 動 が 少 な い 地 域 で も 安 定 し た 調 査 精 度 で 分 布 把 握 が 可 能 で あ る 。 高 コ ス ト へ の 対 応 と し て 、 岩 下 (2015)は 足 跡 ト ラ ッ プ の 一 つ と し て 、ス タ ン プ 板 を 開 発 し た 。こ の 調 査 法 は 安 価 で 入 手 し や す い 材 料 を 用 い て い る こ と 、 機 材 の 作 成 や 調 査 手 順 が 簡 便 で あ る こ と 、 お よ び 得 ら れ る 足 跡 が 鮮 明 で あ る こ と を コ ン セ プ ト と し て い る 。 し か し 、 ス タ ン プ 板 に つ い て そ の 有 効 性 や 特 徴 が 理 解 さ れ て い な い 。 本 研 究 の 第 2 章 に お い て は 、 ス タ ン プ 板 調 査 の 有 効 性 を 検 証 す る た め 、 ア ラ イ グ マ な ど の 中 型 食 肉 目 の 生 息 確 認 を 目 的 と し た ス タ ン プ 板 調 査 と 自 動 撮 影 調 査 の 調 査 効 率 を 比 較 し た 。 外 来 種 を 根 絶 さ せ る た め に は 、 捕 獲 な ど に よ り 個 体 を 除 去 す る こ と で 、 分 布 域 の 縮 小 化 や 生 息 密 度 の 低 下 を 実 現 す る 必 要 が あ る 。神 奈 川 県 は 2006 年 に 第 1 次 ア ラ イ グ マ 防 除 実 施 計 画 を 策 定 し た 。こ の 計 画 は 5 年 ご と に 見 直 す こ と に な っ て お り ,2011 年 に は 第 2 次 ア ラ イ グ マ 防 除 実 施 計 画 に 移 行 し 、全 国 に 先 駆 け て メ ッ シ ュ 単 位 で の ア ラ イ グ マ 管 理 が 導 入 さ れ た ( 神 奈 川 県 ,2011)。 第 1 次 防 除 実 施 計 画 中 に は 、 一 部 地 域 に お い て 本 種 の 相 対 密 度 が 低 下 さ せ た 事 例 も 報 告 さ れ て い る 。 こ う し た 防 除 事 業 を 評 価 す る た め に は 、 ア ラ イ グ マ 密 度 の 経 時 的 な 変 化 を 把 握 す る こ と が 必 須 で あ る 。 神 奈 川 県 で は 防 除 を 計 画 的 に 実 施 す る た め に 、 ア ラ イ グ マ の 捕 獲 記 録 や 目 撃 情 報 か ら 分 布 域 と 捕 獲 効 率 の モ ニ タ リ ン グ を 行 い 、 分 布 域 と 相 対 密 度 の 把 握 を 行 っ て い る ( 神 奈 川 県 ,2011)。

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捕 獲 効 率 ( 捕 獲 檻 に よ る 捕 獲 努 力 量 あ た り の 捕 獲 頭 数 ;Catch Per Unit Effort; CPUE) は 、 イ ヌ 科 動 物 、 ネ コ 科 動 物 、 イ タ チ 科 動 物 に お い て 相 対 密 度 の 指 標 と し て 有 効 で あ る と さ れ て い る (Gese, 2001)。 ア ラ イ グ マ に お い て は 北 海 道 の 有 害 駆 除 デ ー タ か ら 得 ら れ た 捕 獲 効 率 は 、 除 去 法 に よ り 推 定 さ れ た 生 息 密 度 と 正 の 相 関 が あ り 、 生 息 密 度 の 指 標 と し て 有 効 で あ る こ と が 報 告 さ れ て い る ( 環 境 省 北 海 道 地 方 環 境 事 務 所 ・EnVision 環 境 保 全 事 務 所 ,2008)。こ の た め 、 捕 獲 効 率 は ア ラ イ グ マ の 防 除 事 業 の 評 価 で 用 い る こ と が 推 奨 さ れ て い る ( 環 境 省 自 然 環 境 局 野 生 生 物 課 外 来 生 物 対 策 室 ,2014)。 自 動 撮 影 調 査 か ら 得 ら れ た 撮 影 効 率 ( カ メ ラ の 稼 働 日 数 あ た り の 動 物 撮 影 回 数 ) は 、 食 肉 目 調 査 で 用 い ら れ る 密 度 指 標 の 一 つ で あ る ( 金 子 ほ か ,2009; O’Brien, 2011)。ア ラ イ グ マ に お い て は 自 動 撮 影 カ メ ラ に よ る 撮 影 率 ( 全 有 効 撮 影 回 数 あ た り の 動 物 撮 影 回 数 ) と 除 去 法 に よ る 推 定 生 息 密 度 に は 有 意 な 正 の 相 関 が あ る と 報 告 さ れ て い る が ( 安 藤 ほ か ,2003)、 撮 影 効 率 と 捕 獲 効 率 に よ る 検 証 は 行 わ れ て い な い 。 本 研 究 の 第 3 章 で は 、 自 動 撮 影 デ ー タ の 密 度 指 標 と し て の 有 効 性 を 検 討 す る た め 、 ア ラ イ グ マ の 防 除 事 業 に よ る 密 度 指 標 と 自 動 撮 影 調 査 に よ る 密 度 指 標 の 関 係 を 調 べ た 。 外 来 種 の 根 絶 を 達 成 す る た め に は 、 分 布 域 の 縮 小 化 や 生 息 密 度 の 低 密 度 化 を 実 現 す る 必 要 が あ る 。そ こ で 第 4 章 で は 、 複 数 の 分 布 確 認 手 法 か ら 分 布 域 を 、 捕 獲 記 録 か ら 相 対 密 度 を 調 べ 、 分 布 域 と 相 対 密 度 の 経 時 的 な 変 化 を 検 証 し た 。 上 記 研 究 で 得 ら れ た 知 見 か ら 、 第 5 章 の 総 合 考 察 で は 都 道 府 県 単 位 で ア ラ イ グ マ 防 除 事 業 を モ ニ タ リ ン グ す る 際 に 有 効 な 調 査 手 法 を 提 案 し た 。

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8 第2章 分 布 確 認 手 法 の 比 較 1. は じ め に 外 来 種 防 除 を 計 画 的 に 実 施 す る た め に は 、 分 布 情 報 は 最 も 重 要 な 項 目 の 一 つ で あ る 。 ア ラ イ グ マ に お い て は 捕 獲 記 録 や 目 撃 記 録 、 ア ン ケ ー ト な ど を 中 心 に 広 域 的 な 分 布 が 把 握 さ れ て い る( 野 生 動 物 保 護 管 理 事 務 所 ,2005;環 境 省 自 然 環 境 局 生 物 多 様 性 セ ン タ ー ,2007;大 阪 府 立 環 境 農 林 水 産 総 合 研 究 所 ,2013)。 こ れ ら の 調 査 手 法 か ら 得 ら れ る 情 報 は 、 低 コ ス ト で 広 範 囲 で の 調 査 が 可 能 で あ る た め 、 広 域 的 な 調 査 に 用 い ら れ る 。 反 面 、 こ れ ら の 調 査 か ら 得 ら れ る 分 布 情 報 が 人 間 の 居 住 エ リ ア に 集 中 す る た め 、 山 林 な ど の 人 間 活 動 が 少 な い 地 域 で は 情 報 が 得 ら れ 難 い(Gese,2001;環 境 省 自 然 環 境 局 生 物 多 様 性 セ ン タ ー ,2004)。 そ の た め 、 そ の 様 な 地 域 に お い て は 、 動 物 種 の 分 布 を 過 小 評 価 す る 可 能 性 が あ る 。 他 方 、 自 動 撮 影 調 査 や 痕 跡 調 査 と い っ た 一 般 的 な フ ィ ー ル ド 調 査 は 、 捕 獲 記 録 や ア ン ケ ー ト な ど と 比 較 し て 高 コ ス ト で あ る が 、 人 間 活 動 が 少 な い 地 域 で も 安 定 し た 調 査 精 度 で 分 布 把 握 が 可 能 と な る 。 ア ラ イ グ マ の よ う な 食 肉 目 の 仲 間 は 夜 行 性 で 、 行 動 圏 も 広 い 種 が 多 い た め 、 直 接 観 察 に よ る 調 査 は 困 難 で あ る 。 さ ら に 広 域 的 に 捕 獲 調 査 を 行 う 場 合 も 膨 大 な 調 査 コ ス ト が 掛 か り 長 期 的 ・ 経 年 な 調 査 は 困 難 で あ る 。 そ の た め 、 足 跡 を は じ め と す る 各 種 の 痕 跡 か ら そ の 動 物 種 の 生 息 状 況 を 把 握 す る 痕 跡 調 査 が 開 発 さ れ て い る (Gese, 2001; Ray, 2008)。 特 に ア ラ イ グ マ に お い て は 特 徴 的 な 足 跡 を 残 す た め ( 加 藤 ,2015)、 こ の 特 徴 さ え つ か め ば 足 跡 か ら の 専 門 家 で な く と も 種 同 定 は 容 易 で あ る 。 こ う し た 非 侵 襲 的 な 調 査 は 、 捕 獲 が 不 要 な 点 で も 実 用 的 で あ る 。 し か し 、 痕 跡 調 査 は 特 別 な 機 材 を 必 要 と し な い 反 面 、 季 節 や 天 候 に よ っ て 痕 跡 の 残 り や す さ が 異 な る ( 塚 田 ほ か ,2006)。 そ こ で 、 足 跡 を 意 図 的 に 得 る 方 法 と し て 、 地 面 に 動 物 の 足 跡 が 残 り や す く し た 場 所 を 人 為 的 に 作 り 足 跡 を 得 る「 ト ラ ッ ク ス テ ー シ ョ ン 」、こ れ に さ ら に 誘 引 物 を 用 い る「 セ ン ト ス

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テ ー シ ョ ン 」、板 の 表 面 に 粘 着 シ ー ト や 印 刷 機 の ト ナ ー な ど を 付 け 、誘 引 物 に よ り 動 物 を 誘 引 し て 足 跡 を 得 る 「 ト ラ ッ ク プ レ ー ト 」 と い っ た 足 跡 ト ラ ッ プ が 開 発 さ れ (Gese, 2001; Ray, 2008)、 欧 米 を 中 心 に 食 肉 目 の 生 息 状 況 調 査 に 広 く 用 い ら れ て い る (Linhart and Knowlton, 1975; Zielinski et al.,2005; Gregory and Harris, 2001)。

ト ラ ッ ク ス テ ー シ ョ ン や セ ン ト ス テ ー シ ョ ン で は 足 跡 を 付 着 さ せ る た め の 部 材 と し て 土 や 砂 を 用 い る た め 、 そ の 部 材 自 身 は 入 手 し や す い が 鮮 明 な 足 跡 は 得 ら れ 難 い 。 ト ラ ッ ク プ レ ー ト で は 足 跡 を 付 着 さ せ る た め の 部 材 と し て 粘 着 シ ー ト の 接 着 面 を 用 い る た め 鮮 明 な 足 跡 が 得 ら れ 易 い 。 し か し 、 そ の 反 面 、 粘 着 力 を 維 持 す る た め に 定 期 的 に シ ー ト の 交 換 が 必 要 で あ り 、 手 間 が か か る 。 こ れ ら の こ と か ら 東 京 農 業 大 学 野 生 動 物 学 研 究 室 で は 安 価 で 入 手 し や す い 材 料 で あ る こ と 、 機 材 の 作 成 や 調 査 手 順 が 簡 便 で あ る こ と 、 得 ら れ る 足 跡 が 鮮 明 で あ る こ と を コ ン セ プ ト と し た 足 跡 ト ラ ッ プ を 開 発 し た 。 こ の 足 跡 ト ラ ッ プ ( 以 下 よ り ス タ ン プ 板 と す る ) は 足 跡 を 得 る た め の 部 材 と し て 取 り 扱 い が 容 易 な 黒 セ ル ス ポ ン ジ ゴ ム と 消 石 灰 を 、機 材 の 基 部 と し て ベ ニ ヤ 板 を 用 い て 足 跡 を 得 る( 岩 下 , 2015)。 こ れ ま で 著 者 ら の 研 究 室 で は こ の ス タ ン プ 板 を 用 い て 中 型 食 肉 目 の 相 対 密 度 や 利 用 度 の 調 査 に 用 い て き た ( 後 藤 ほ か ,2005; 安 藤 ほ か , 2008)。 現 在 、 哺 乳 類 に お け る 生 息 状 況 の 調 査 法 と し て は 自 動 撮 影 調 査 が 主 流 と な っ て い る ( 安 田 ほ か ,2014)。 近 年 は カ メ ラ の デ ジ タ ル 化 が 進 み 、 機 材 価 格 や 維 持 管 理 費 用 も 以 前 よ り 安 く な り 、 使 い 勝 手 の 簡 便 化 が 進 ん で い る 。 こ の よ う に 足 跡 ト ラ ッ プ 調 査 と 自 動 撮 影 調 査 は 調 査 目 的 や 研 究 規 模 な ど に よ っ て 使 い 分 け る こ と が 適 切 で あ る 。 し か し 、 両 調 査 法 の 特 徴 を 予 め 把 握 し て お か な け れ ば 、 調 査 法 の 適 切 な 選 択 が で き な い 。 こ れ ま で 食 肉 目 を 対 象 と し て 、 セ ン ト ス テ ー シ ョ ン や ト ラ ッ ク プ レ ー ト な ど の 足 跡 ト ラ ッ プ と 自 動 撮 影 調 査 の 調 査 効 率 の 比 較 し た 研 究 が 行 わ れ 、 両 手 法 の 有 効 性 が 検 証 さ れ て い る

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(Foresman and Pearson, 1998; Gompper et al., 2006; McKinney and Haines, 2010)。 し か し 、 ス タ ン プ 板 調 査 に お い て は そ の 有 効 性 が 検 証 さ れ て い な い 。 本 章 で は 、 ス タ ン プ 板 調 査 と 自 動 撮 影 調 査 の 調 査 効 率 を 比 較 す る こ と で 、 ア ラ イ グ マ を 中 心 と す る 中 型 食 肉 類 調 査 に お け る ス タ ン プ 板 調 査 の 有 効 性 を 検 証 し た 。 2. 調 査 地 お よ び 方 法 1) 調 査 地 調 査 は 1) 神 奈 川 県 厚 木 市 と 伊 勢 原 市 に ま た が る 丹 沢 山 地 周 辺 の 里 山 林 で あ る 日 産 中 央 公 園 (N:: 35°24′42″、 E: 139°19′49″) お よ び 2) 鎌 倉 市 内 の 住 宅 地 に 囲 ま れ た 都 市 緑 地 で あ る 広 町 緑 地 (N: 35°18′49″、 E: 139°0′39″) で 行 っ た 。 里 山 林 は 面 積 約 18ha で 、 丹 沢 山 地 か ら は 道 路 や 農 地 な ど に よ り 分 断 さ れ て い る が 、 動 物 は 調 査 地 と 丹 沢 山 地 を あ る 程 度 、 行 き 来 で き る と 考 え ら れ 、 調 査 地 周 囲 の 丹 沢 山 地 に は ニ ホ ン ジ カ (Cervus nippon、 以 下 シ カ ) や ニ ホ ン ザ ル (Macaca fuscata、 サ ル ) と い っ た 大 型 哺 乳 類 、 ニ ホ ン ア ナ グ マ (Meles anakuma、ア ナ グ マ )や 、ニ ホ ン テ ン(Martes melampus、テ ン )な ど の 中 型 哺 乳 類 と い っ た 森 林 性 の 強 い 哺 乳 類 が 生 息 し て い る ( 安 藤 ほ か ,2007)。 里 山 林 は コ ナ ラ(Quercus serrata)が 優 占 す る 落 葉 広 葉 樹 2 次 林 か ら 構 成 さ れ て い る 。 緑 地 の 周 囲 は 農 地 や 住 宅 地 が 広 が っ て い る 。 都 市 緑 地 は 鎌 倉 市 の 南 西 部 に 位 置 す る 面 積 は 約 48ha の 緑 地 で あ り 、 周 囲 は 住 宅 地 で 囲 ま れ て い る 。 こ の 緑 地 に は 谷 戸 の 湿 地 、 コ ナ ラ が 優 占 す る 落 葉 広 葉 樹 2 次 林 、 常 緑 広 葉 樹 林 、 針 葉 樹 植 林 が モ ザ イ ク 状 に 含 ま れ て い る 。 広 町 緑 地 は 丹 沢 山 地 や 関 東 山 地 と は 地 形 や 距 離 に よ り 完 全 に 孤 立 し て お り 、 上 記 し た よ う な 森 林 性 が 強 い 哺 乳 類 は 生 息 し て い な い( 鎌 倉 市 緑 政 都 市 部 み ど り 課 ,2003)。

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11 2) 方 法 (1) ス タ ン プ 板 調 査 と 自 動 撮 影 調 査 の 比 較 中 型 食 肉 目 を 調 査 対 象 と し て ス タ ン プ 板 に よ る 動 物 種 検 出 率 と 自 動 撮 影 に よ る 動 物 種 検 出 率 を 比 較 し た 。 里 山 林 で は 基 本 型 ス タ ン プ 板 調 査 を 2007 年 3-12 月 に 、自 動 撮 影 調 査 を 2007 年 6-12 月 に 、幅 合 わ せ 型 ス タ ン プ 板 調 査 と 自 動 撮 影 調 査 を 2008 年 6 月 -2009 年 1 月 に 行 っ た 。 都 市 緑 地 で は 基 本 型 ス タ ン プ 板 調 査 を 2007 年 2 月 -2008 年 1 月 に 幅 合 わ せ 型 ス タ ン プ 板 調 査 と 自 動 撮 影 調 調 査 を 2008 年 6 月 -2009 年 1 月 に 行 っ た 。各 調 査 地 の 調 査 量 な ど の 詳 細 は 表 2-1 に 示 し た 。 a) ス タ ン プ 板 調 査 足 跡 ト ラ ッ プ と し て 、以 下 の 2 タ イ プ の ス タ ン プ 板 を 作 成 し た 。基 本 型:縦 90 cm×横 30 cm×厚 さ 0.5 cm の ベ ニ ヤ 板 の 中 央 部 に 縦 30 cm×横 30 cm×厚 さ 1 cm の 黒 セ ル ス ポ ン ジ ゴ ム を 貼 り 付 け た も の( 図 2-1-A)。作 成 コ ス ト は 830 円( ベ ニ ヤ 板 260 円 、黒 セ ル ス ポ ン ジ 550 円 、木 工 用 ボ ン ド 20 円 )/台 だ っ た 。 完 成 時 の 重 量 は 1.3 kg と な っ た 。 幅 合 わ せ 型 : 基 本 型 ス タ ン プ 板 の 横 幅 と け も の 道 の 横 幅 に 隙 間 が 生 じ る 場 合 が あ る た め 、 動 物 の す り 抜 け を 防 止 す る た め に ス タ ン プ 板 の 大 き さ を け も の 道 の 横 幅 に 合 わ せ て 調 節 し た 。ス タ ン プ 板 の 大 き さ は:縦90-120 cm×横 30-60 cm、 黒 セ ル ス ポ ン ジ ゴ ム:縦 30-60 cm×横 30-60 cm の 範 囲 で 調 節 し た( 図 2-1-B)。 ス タ ン プ 板 で 用 い る ベ ニ ヤ 板 は 、縦60 cm×横 30 cm×厚 さ 0.5 cm か ら 縦 90 cm ×横 30 cm×厚 さ 0.5 cm の 2 種 類 を 必 要 に 応 じ て 組 み 合 わ せ て 大 き さ を 調 節 し た 。作 成 コ ス ト は 最 大 で 2,980 円( ベ ニ ヤ 板 700 円 、黒 セ ル ス ポ ン ジ 2,200 円 、 木 工 用 ボ ン ド 80 円 ) /台 だ っ た 。 完 成 時 の 重 量 は 最 大 3.4 kg と な っ た 。

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12 表 2-1 各 調 査 地 に お い て 実 施 し た 調 査 の 手 法 と 期 間 、 調 査 量 *:台 数 の カ ッ コ 内 の 数 字 は ス タ ン プ 板 と 自 動 撮 影 カ メ ラ を 併 設 し た 地 点 を 示 す ― : 調 査 を 実 施 し て い な い 図 2-1 ス タ ン プ 板 の 設 置 風 景 。A:基 本 型 ス タ ン プ 板 、B: 幅 合 わ せ 型 ス タ ン プ 板 。 調査地 調査手法 期間 基本型 2007年3月-12月 20 1,435 自動撮影 2007年6月-12月 22 880 幅合わせ型 70 自動撮影 24 基本型 32 1,035 自動撮影 ― ― 幅合わせ型 69 自動撮影 42 2,995 (388) (427) (―) TN* 3,476 (416) 都市緑地 (―) 2008年6月-2009年1月 (10) 台数* 2007年2月-2008年1月 里山林 (9) 2008年6月-2009年1月 (14)

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13 黒 セ ル ス ポ ン ジ ゴ ム と ベ ニ ヤ 板 は 木 工 用 ボ ン ド で 貼 り 付 け た 。 ス ポ ン ジ ゴ ム に 覆 わ れ て い な い 板 の 両 端 に 消 石 灰 を 刷 毛 で 塗 布 し 、 け も の 道 上 に 設 置 し た 。 動 物 が 板 の 消 石 灰 の 上 を 踏 み 、 さ ら に 黒 い ス ポ ン ジ ゴ ム を 踏 む と 、 黒 い ス ポ ン ジ ゴ ム に 白 い 足 跡 が 残 る 。 異 な る け も の 道 を 選 定 す る た め に ス タ ン プ 板 同 士 は 5-10 m 以 上 の 間 隔 を 空 け て 設 置 し た 。 選 定 し た け も の 道 の 道 幅 は 平 均 49±SD 22 cm だ っ た 。 ス タ ン プ 板 は 設 置 し た 翌 日 に 見 回 っ て 足 跡 の 有 無 を 記 録 し 、 こ の 作 業 を 月 に 3-7 回 程 度 繰 り 返 し た 。 足 跡 が 得 ら れ た 場 合 は 、 そ の 場 で 1 次 同 定 を 行 っ た 。 得 ら れ た 足 跡 は ス ケ ー ル と 一 緒 に 撮 影 し た 。 撮 影 し た 足 跡 の 画 像 を モ ニ タ ー 上 で 表 示 し 、 必 要 に 応 じ て レ フ ァ レ ン ス 標 本 を 用 い な が ら 2 次 同 定 を し た 。ス ポ ン ジ 上 に 残 さ れ た 足 跡 か ら 種 同 定 を 行 う た め 、 ホ ン ド タ ヌ キ (Nyctereutes procyonoides、 タ ヌ キ )、 ア ナ グ マ 、 ア ラ イ グ マ 、 ハ ク ビ シ ン (Paguma larvata)、 イ エ ネ コ (Felis silvestris catus)、 ア カ ネ ズ ミ (Apodemus spciosus)、 ド ブ ネ ズ ミ (Rattus norveticus) は 生 体 か ら 、 ニ ホ ン イ タ チ (Mustela itatsi、 イ タ チ )、 テ ン 、 ニ ホ ン ノ ウ サ ギ (Lepus brachyurus、 ノ ウ サ ギ )、 ク リ ハ ラ リ ス (Callosciurus erythraeus) は 死 体 か ら 、 そ れ ぞ れ ス タ ン プ 板 を 用 い て 足 跡 を 採 取 し 、 レ フ ァ レ ン ス 標 本 を 作 成 し た 。 足 跡 標 本 が 作 成 で き な か っ た 種 に つ い て は 既 存 の 文 献 15)を 参 考 に し た 。得 ら れ た 足 跡 は 可 能 な 限 り 動 物 種 を 判 定 し た 。 中 型 哺 乳 類 程 度 の 大 き さ の 不 鮮 明 な 足 跡 が 得 ら れ た 場 合 は 中 型 哺 乳 類 と し て 、 そ れ 以 外 の 大 き さ の 不 鮮 明 な 足 跡 が 得 ら れ た 場 合 は 種 不 明 と し た 。 見 回 り の た び に 雑 巾 で 足 跡 を 拭 き 取 り 、 消 石 灰 を 刷 毛 で 追 加 塗 布 し た 。 動 物 に よ り 黒 セ ル ス ポ ン ジ ゴ ム が 破 損 し た 場 合 は 張 り 替 え た 。 ス タ ン プ 板 が 積 雪 や 落 葉 で 覆 わ れ て い た 場 合 、 雨 の た め に 足 跡 や 消 石 灰 が 流 さ れ た 場 合 、 人 に よ る い た ず ら が 確 認 さ れ た 場 合 は 、 解 析 か ら 除 い た 。

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14 b) 自 動 撮 影 調 査 自 動 撮 影 に は フ ィ ル ム 式 FieldNote( 麻 里 府 商 事 製 ) を 使 用 し た 。 カ メ ラ は 100-130 cm の 高 さ に 、光 軸 の 俯 角 30-70°で カ メ ラ 前 方 2-3 m の 範 囲 が 映 り 込 む よ う に 設 置 し た 。同 一 個 体 の 重 複 カ ウ ン ト を 防 ぐ た め に 、10 分 以 内 の 同 一 種 が 複 数 回 撮 影 さ れ た 場 合 は 撮 影 回 数 を 1 と し た 。 1 枚 の 写 真 に 複 数 の 個 体 が 写 り 込 ん で い る 場 合 は 、 そ の 写 り 込 ん だ 最 大 個 体 数 を 撮 影 回 数 と し た 。 自 動 撮 影 カ メ ラ の 導 入 コ ス ト は 1 台 あ た り 28,500 円 ( FieldNote Ⅱ a: 28,000 円 、 ベ ル ト が 500 円 )だ っ た 。カ メ ラ 本 体 、フ ィ ル ム 、電 池 、ベ ル ト な ど の 設 置 に 必 要 な も の 全 て を 含 ん だ 重 量 は 0.6 kg と な っ た 。 c) 併 設 調 査 ス タ ン プ 板 の 相 対 密 度 指 標 と し て の 有 効 性 お よ び ス タ ン プ 板 に 対 す る 動 物 の 反 応 を 調 べ る た め に 、 ス タ ン プ 板 調 査 の 調 査 地 点 の 中 か ら 、 任 意 の 場 所 を ス タ ン プ 板 と 自 動 撮 影 カ メ ラ を 併 設 す る 調 査 地 点 と し て 選 定 し た 。 自 動 撮 影 カ メ ラ は 選 定 し た 調 査 地 点 に お い て 100-130 cm の 高 さ 、光 軸 の 俯 角 30-70°の 範 囲 で 、 カ メ ラ 前 方 の ス タ ン プ 板 が 写 り 込 む よ う に 設 置 し た 。 (2) 解 析 各 調 査 手 法 に お け る 生 息 確 認 に 必 要 な ト ラ ッ プ ナ イ ト を 調 べ る た め に 、 ト ラ ッ プ ナ イ ト の 増 加 の 推 移 に 伴 う 哺 乳 類 の 種 数 の 推 移 を 調 べ た 。 そ れ ぞ れ の 動 物 種 が 検 知 さ れ る ま で に 要 し た ト ラ ッ プ ナ イ ト 数[Latency to First Detection: LTD( Zielinski et al., 1997) ]を 設 置 地 点 毎 に 調 べ た 。 こ れ に よ っ て 得 ら れ た LTD を も と に 、確 認 さ れ た 中 型 食 肉 目 の 種 数 が 閾 値 に 達 す る 日 数 を 最 終 到 達 日 数 と し て 調 査 地 点 ご と に 調 べ た 。出 現 頻 度 と LTD の 関 係 を 調 べ る た め 、各 調 査 手 法 に よ り 得 ら れ た 中 型 食 肉 目 の 種 ご と の 出 現 頻 度 と LTD の 相 関 関 係 を 調 べ

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15 た 。 ス タ ン プ 板 と 自 動 撮 影 カ メ ラ の 出 現 頻 度 の 関 係 を 調 べ る た め に 、 ス タ ン プ 板 と 自 動 撮 影 カ メ ラ を 併 設 し た 調 査 地 点 に お い て 、 両 調 査 法 に よ る 動 物 出 現 頻 度 の 相 関 関 係 を 調 べ た 。 動 物 に よ る ス タ ン プ 板 へ の 反 応 を 調 べ る た め 、 併 設 地 点 に お い て 自 動 撮 影 調 査 で 撮 影 さ れ た 写 真 を も と に 、 動 物 の ス タ ン プ 板 に 対 す る 反 応 を 調 べ た 。得 ら れ た 写 真 は 1)ス タ ン プ 板 の 上 を 通 過 、2)ス タ ン プ 板 の 付 近 に い る 、3) ス タ ン プ 板 の 横 を 通 過 の 3 つ に 分 類 し た 。 統 計 解 析 に は 統 計 ソ フ ト R for Windows 3. 1. 0 ( URL: http://www.r-project.org/; 最 終 確 認 日 2014 年 4 月 16 日 ) を 用 い た 。 3. 結 果 レ フ ァ レ ン ス 標 本 を 作 製 し た 種 の ほ と ん ど の 種 に お い て は 鮮 明 な 足 跡 が 得 ら れ 、 目 視 に よ り 種 同 定 が 可 能 で あ っ た 。 し か し 、 ア カ ネ ズ ミ と ド ブ ネ ズ ミ の レ フ ァ レ ン ス に つ い て は 大 き さ 以 外 で 目 視 に よ る 種 同 定 が 困 難 で あ っ た 。 ノ ウ サ ギ に つ い て は 足 裏 の 毛 が 邪 魔 で 肉 球 が ス ポ ン ジ に 着 か ず 、 鮮 明 な レ フ ァ レ ン ス 標 本 が 得 ら れ な か っ た 。 (3) 出 現 頻 度 の 比 較 両 調 査 地 に お い て 、 ス タ ン プ 板 調 査 と 自 動 撮 影 調 査 に よ っ て 確 認 で き た 種 数 と 出 現 頻 度 を 表 2-2 に 示 し た 。 中 型 食 肉 目 の 合 計 出 現 頻 度 は 、 い ず れ の 調 査 地 で も ス タ ン プ 板 調 査 の タ イ プ を 問 わ ず 、 自 動 撮 影 調 査 の 方 が 有 意 に 高 く (Steel-Dwass 法 ,P<0.01)、 自 動 撮 影 調 査 は ス タ ン プ 板 調 査 の 4-6 倍 多 く 出 現 を 検 知 で き た 。 し か し 、 基 本 型 ス タ ン プ 板 調 査 と 幅 合 わ せ 型 ス タ ン プ 板 調 査 の 中 型 食 肉 目 の 合 計 出 現 頻 度 に 有 意 な 差 は な か っ た (Steel-Dwass 法 , P=0.32-0.90)。 両 調 査 地 と も に い ず れ の 手 法 に お け る ネ ズ ミ 類 の 出 現 頻 度 に は 有 意 な 差 は み ら れ な か っ た (Steel-Dwass 法 ,P=0.51-1.00)。 両 調 査 地 と も に

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表 2-2 足 跡 ス タ ン プ 板 調 査 と 自 動 撮 影 調 査 の 動 物 出 現 頻 度( 回 /100 日 )

*:P<0.05、 **:P<0.01、 ND: 分 布 せ ず 、 - : 発 見 で き ず

い ず れ の 手 法 で も イ タ チ 類 は 確 認 す る こ と が で き な か っ た 。 里 山 林 に お い て キ ツ ネ と テ ン は 幅 合 わ せ 型 ス タ ン プ 板 調 査 と 自 動 撮 影 調 査 で の み 確 認 さ れ た 。 イ ヌ (Canis lupus familiaris)、 ノ ウ サ ギ 、 シ カ は 自 動 撮 影 調 査 で の み 確 認 で き た 。 都 市 緑 地 に お い て は い ず れ の 手 法 で も イ タ チ 類 を 除 い た そ の 地 域 に 分 布 す る 全 哺 乳 類 を 確 認 で き た 。 ク リ ハ ラ リ ス の 出 現 頻 度 は い ず れ の ス タ ン プ 板 調 査 よ り も 自 動 撮 影 調 査 の 方 が 有 意 に 高 か っ た (Steel-Dwass 法 ,P<0.01)。 (4) 発 見 種 数 の 推 移 各 調 査 地 に お け る 調 査 量 の 増 加 に 伴 う 哺 乳 類 の 確 認 種 数 の 推 移 を 図 2-2 に 示 し た 。里 山 林 に お け る 基 本 型 ス タ ン プ 板 調 査 で は 4 夜 /台 で 4 種 を 確 認 で き 安 定 し 、40 夜 /台 以 降 さ ら に 増 加 し 、54 夜 /台 で 最 終 確 認 種 数 の 6 種 を 達 成 し た 。幅 基本型 幅合わせ型 自動撮影 基本型 幅合わせ型 自動撮影 中型食肉目合計 4.2 4.4 23.5** 10.9 15.2 72.6** タヌキ 0.6** 0.2 2.2** 4.5 4.0 27.5** キツネ ― 0.03 0.4 イヌ ― ― 0.8* 0.1 0.1 2.7** アナグマ 2.4 2.0 10.8* テン ― 0.1 0.2 イタチ類 ― ― ― ― ― ― アライグマ 0.1 0.1 0.2 2.5 5.1 19.2** ハクビシン 0.4 0.3 0.8 2.3 0.7 3.4 イエネコ 0.6 1.8 8.0 1.4 5.3* 19.9** ノウサギ ― ― 0.7* サル 0.6 0.1 1.9** シカ ― ― 0.3 クリハラリス 1.2 1.0 22.6** ネズミ類 0.4 0.7 0.6 1.9 1.0 2.0 種不明 0.6** 0.1 0.1 1.8* 0.3** 0.0 中型哺乳類不明 1.7** 1.4** 0.1 2.9** 1.9** 0.0 鳥類 1.3* 0.6 12.7** 2.3 1.0 7.6** 哺乳類種数 6 8 11 6 6 6 TN 1,435 3,476 1,699 1,035 2,995 2,297 ND ND ND 里山林 都市緑地 ND ND ND ND

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17 図 2-2 各 調 査 手 法 に お け る 調 査 量 の 増 加 に 伴 う 発 見 種 数 の 推 移 黒 色 実 線 : 基 本 型 ス タ ン プ 板 ( 里 山 林 n=20, 都 市 緑 地 n=32) 灰 色 実 線 : 幅 合 わ せ 型 ス タ ン プ 板 ( 里 山 林 n=70, 都 市 緑 地 n=69)、 黒 色 破 線 : 自 動 撮 影 カ メ ラ ( 里 山 林 n=46, 都 市 緑 地 n=42) 合 わ せ 型 ス タ ン プ 板 調 査 で は、調 査 量 の 増 加 と 共 に 徐 々 に 確 認 種 数 が 増 加 し 、 16 夜 /台 で 7 種 を 確 認 し 、35 夜 /台 で 最 終 確 認 種 数 の 8 種 に 達 成 し た 。こ れ ら に 対 し て 自 動 撮 影 調 査 で は 15 夜 /台 で 9 種 を 確 認 で き 安 定 し 、 41 夜 /台 以 降 さ ら に 増 加 し 、47 夜 /台 で 最 終 確 認 種 数 の 12 種 を 達 成 し た 。ス タ ン プ 板 調 査 で は 確 認 で き な か っ た シ カ や ノ ウ サ ギ 、 イ ヌ を 確 認 で き た 。 都 市 緑 地 に お い て は い ず れ の ス タ ン プ 板 で も 調 査 量 の 増 加 と と も に 確 認 種 数 が 徐 々 に 増 加 し 、 基 本 型 ス タ ン プ 板 調 査 で は 14 夜 /台 で 、 幅 合 わ せ 型 ス タ ン プ 板 調 査 で は 31 夜 /台 で 最 終 確 認 種 数 の 6 種 を 達 成 し た 。自 動 撮 影 調 査 で は 1 夜 /台 で 最 終 確 認 種 数 の 6 種 を 達 成 し た 。 (5) 動 物 種 別 の 必 要 な 調 査 量 里 山 林 に お け る 中 型 食 肉 目 の LTD を 表 2-3 に 示 し た 。中 型 食 肉 目 の 最 大 到 達 種 を 達 成 す る た め に 必 要 な 調 査 量 は 基 本 型 ス タ ン プ 板 調 査 で は 平 均 28.9 夜 /台 、 幅 合 わ せ 型 ス タ ン プ 板 調 査 で は 23.5 夜 /台 、 自 動 撮 影 調 査 で は 24.2 夜 /台 と な り 、 い ず れ の 手 法 に も 有 意 な 差 は み ら れ な か っ た (Steel-Dwass 法 , 0 3 6 9 12 0 10 20 30 40 50 60 70 80 確 認 種 数 1台あたりの稼働夜数 里山林 0 3 6 9 12 0 10 20 30 40 50 60 70 80 確 認 種 数 1台あたりの稼働夜数 都市緑地

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18 表 2-3 手 法 間 に よ る 中 型 食 肉 目 の 平 均 LTD( 夜 /台 ) の 比 較 *:P<0.05、 **:P<0.01、 ND: 分 布 せ ず 、 - : 発 見 で き ず P=0.66-0.99)。種 ご と に み る と タ ヌ キ 、ア ナ グ マ 、ハ ク ビ シ ン の LTD に は い ず れ の 手 法 間 に 有 意 な 差 は み ら れ な か っ た が (Steel-Dwass 法 ,P=0.10-0.99)、 ア ラ イ グ マ に お い て は 有 意 で は な い も の の 自 動 撮 影 調 査 よ り も 幅 合 わ せ 型 ス タ ン プ 板 調 査 の 方 が 早 い 傾 向 が み ら れ た (Steel-Dwass 法 ,P=0.08)。 イ エ ネ コ の LTD で は 自 動 撮 影 調 査 の 方 が い ず れ の ス タ ン プ 板 調 査 よ り も 有 意 に 早 か っ た (Steel-Dwass 法 ,P<0.05)。 都 市 緑 地 に お け る 中 型 食 肉 目 の LTD を 表 2-3 に 示 し た 。中 型 食 肉 目 の 最 終 到 達 種 数 を 達 成 す る た め に 必 要 な 調 査 量 は 基 本 型 ス タ ン プ 板 調 査 で は 平 均 15.7 夜/台 、 幅 合 わ せ 型 ス タ ン プ 板 調 査 で は 25.2 夜 /台 、 自 動 撮 影 調 査 で は 19.3 夜 / 台 と な り 、 い ず れ の 手 法 に も 有 意 な 差 は み ら れ な か っ た (Steel-Dwass 法 , P=0.08-0.93)。 種 ご と に み る と ア ラ イ グ マ で は 自 動 撮 影 調 査 の 方 が い ず れ の ス タ ン プ 板 調 査 よ り も 有 意 に 早 く 確 認 で き た (Steel-Dwass 法 ,P<0.05)。 タ ヌ キ と イ エ ネ コ で は 自 動 撮 影 調 査 の 方 が 幅 合 わ せ 型 ス タ ン プ 板 調 査 よ り も 有 意 に 早 く 確 認 で き た が (Steel-Dwass 法 ,P<0.05)、 基 本 型 ス タ ン プ 板 と 自 動 撮 影 調 査 、 基 本 型 ス タ ン プ 板 調 査 と 幅 合 わ せ 型 ス タ ン プ 板 調 査 に は 有 意 な 差 は み ら 確認率 LTD 確認率 LTD 確認率 LTD 確認率 LTD 確認率 LTD 確認率 LTD タヌキ 40.0 19.6 8.6 26.0 39.1 26.3 37.5 9.5 42.0 15.0 92.9 6.8* キツネ 2.9 34.5 10.9 44.6 アナグマ 45.0 8.9 42.9 9.9 56.5 7.6 テン 2.9 31.5 6.5 15.7 アライグマ 5.0 54.0 5.7 21.5 6.5 45.3 40.6 14.2 47.8 9.4* 85.7 6.8** ハクビシン 25.0 24.4 10.0 24.7 19.6 10.3 28.1 9.1 21.7 22.9 54.8 13.3 イエネコ 25.0 45.0 34.3 24.3 52.2 18.0** 25.0 16.3 56.5 21.9 88.1 8.9** 最終到達 75.0 28.9 58.6 23.5 78.3 24.2 59.4 15.7 66.7 24.1 95.2 19.3 調査地点数 TN 自動撮影 2,297 42 2,995 69 32 1,035 ND ND ND ― ― 1,699 46 3,476 70 1,435 20 自動撮影 幅合わせ型 基本型 里山林 都市緑地 基本型 幅合わせ型

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19 れ な か っ た (Steel-Dwass 法 ,P=0.14-0.98)。 ハ ク ビ シ ン で は い ず れ の 手 法 に も 有 意 な 差 は み ら れ な か っ た(Steel-Dwass 法 ,P=0.07-0.98)が 、自 動 撮 影 調 査 の 方 が 幅 合 わ せ 型 ス タ ン プ 板 よ り も 早 く 確 認 で き る 傾 向 が み ら れ た (Steel-Dwass 法 ,P=0.07)。 ア ラ イ グ マ に お い て ト ラ ッ プ 稼 働 夜 数 の 増 加 に 伴 う 発 見 率 の 推 移 を み る と 、 基 本 型 ス タ ン プ 板 は 22 夜 で 37.5 %と な り 、 幅 合 わ せ 型 ス タ ン プ 板 は 21 夜 で 44.9 %と な り 、 自 動 撮 影 調 査 は 10 夜 で 73.8 %と な り 、 概 ね 発 見 率 の 増 加 が 安 定 し た ( 図 2-3)。 各 手 法 に よ り 得 ら れ た 中 型 食 肉 目 の 出 現 頻 度 と LTD の 関 係 を み る と 、ど の 手 法 に お い て も 出 現 頻 度 が 高 い 種 は LTD が 低 く な る 有 意 な 負 の 相 関 が 得 ら れ た ( 無 相 関 の 検 定 、r=-0.39,P<0.01、n=32)。 (6) 相 対 密 度 と し て の 評 価 両 調 査 地 の ス タ ン プ 板 と 自 動 撮 影 カ メ ラ を 併 設 し た 地 点 に お け る 両 手 法 の 動 物 出 現 頻 度 に は 、 自 動 撮 影 カ メ ラ に よ る 動 物 出 現 頻 度 が 高 い 場 所 は ス タ ン プ 板 に よ る 出 現 動 物 頻 度 も 高 く な る 有 意 な 正 の 相 関 が 得 ら れ た ( 無 相 関 の 検 定 、 r=0.70,P<0.01、n=33)。 (7) ス タ ン プ 板 へ の 反 応 併 設 調 査 地 点 に お け る 自 動 撮 影 カ メ ラ に よ っ て 撮 影 さ れ た 動 物 の 内 、 基 本 型 で は26.0 %、幅 合 わ せ 型 で は 34.0 %が ス タ ン プ 板 の 上 を 通 過 し た が( 図 2-4-A)、 両 者 に は 比 率 に は 有 意 な 差 は み ら れ な か っ た (Ryan 法 ,p>0.05)。 動 物 が ス タ ン プ 板 の 脇 を す り 抜 け る 割 合 は ( 図 2-4-C)、 基 本 型 で 42.9 %、 幅 合 わ せ 型 で 10.6 %の 動 物 と な り 、幅 合 わ せ 型 の 方 が 有 意 に 少 な く( Ryan 法 ,p<0.01)、 ス タ ン プ 板 を け も の 道 に 合 わ せ る こ と で 、 ス タ ン プ 板 の 脇 へ の す り 抜 け を 減 少 さ せ る こ と が で き た 。

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20 図2-3 都 市 緑 地 に お け る ア ラ イ グ マ の ト ラ ッ プ 稼 働 夜 数 の 増 加 に 伴 う 発 見 率 の 推 移 黒 色 実 線 : 基 本 型 ス タ ン プ 板 ( 都 市 緑 地 n=32) 灰 色 実 線 : 幅 合 わ せ 型 ス タ ン プ 板 ( 都 市 緑 地 n=69) 黒 色 破 線 : 自 動 撮 影 カ メ ラ 都 市 緑 地 n=42) 出 現 数 が 多 か っ た 種 に よ る ス タ ン プ 板 へ の 反 応 つ い て み る と( 表 2-4)、ア ラ イ グ マ と イ エ ネ コ は 他 種 よ り も ス タ ン プ 板 の 上 を 通 過 す る 比 率 が 有 意 に 高 か っ た(Ryan 法 ,P<0.05)。ア ナ グ マ は 他 種 よ り も ス タ ン プ 板 の 脇 を す り 抜 け る 比 率 が 有 意 に 高 か っ た ( 図 2-4-C; Ryan 法 ,P<0.01)。 ス タ ン プ 板 の 周 囲 に 出 現 し た 一 部 の タ ヌ キ 、 ア ナ グ マ で は ス タ ン プ 板 の 手 前 で 留 ま っ た り 、 に お い を 嗅 い だ り ( 図 2-4-B) し た あ と に ス タ ン プ 板 の 脇 を す り 抜 け る 行 動 が み ら れ た 。 さ ら に ス タ ン プ 板 調 査 で は 確 認 で き な か っ た ノ ウ サ ギ に お い て、ス タ ン プ 板 を 飛 び 越 え る 姿 が 確 認 で き た ( 図 2-4-D)。 0 25 50 75 100 0 10 20 30 40 50 60 70 80 発 見 率 (% ) 1台あたりの稼働夜数

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21 図 2-4 動 物 に よ る ス タ ン プ 板 へ の 反 応 A: 幅 合 わ せ 型 ス タ ン プ 板 の 上 を 通 過 す る ア ラ イ グ マ 、 B: 基 本 型 ス タ ン プ 板 の に お い を 嗅 ぐ タ ヌ キ 、C: 基 本 型 ス タ ン プ 板 の 脇 を す り 抜 け る ア ナ グ マ 、 D: 基 本 型 ス タ ン プ 板 を 飛 び 越 え る ノ ウ サ ギ 表 2-4 自 動 撮 影 調 査 か ら 得 ら れ た ス タ ン プ 板 の 周 囲 に お け る 動 物 の 行 動 (%) **:P<0.01 4. 考 察 1) 調 査 結 果 の 比 較 本 章 で は 自 動 撮 影 カ メ ラ の 方 が ス タ ン プ 板 調 査 よ り も 動 物 出 現 頻 度 が 4-6 倍 高 か っ た 。 出 現 デ ー タ に お け る ス タ ン プ 板 調 査 と 自 動 撮 影 調 査 の 大 き な 違 い と タヌキ アナグマ アライグマ イエネコ 板の上を通過 24.7 26.5 38.7** 42.9** 板の付近にいる 62.6 46.1 52.8 49.4 板の脇をすり抜け 12.6 27.6** 8.5 7.7 例数(1,233TN) 174 204 284 261

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22 し て は 、 ス タ ン プ 板 で は 一 晩 に 1 回 の 出 現 デ ー タ を 得 ら れ る の に 対 し 、 自 動 撮 影 カ メ ラ で は 一 晩 で 複 数 回 の 出 現 デ ー タ を 得 る こ と が で き る 点 で あ る 。 こ れ は 一 晩 に 複 数 回 出 現 す る よ う な 動 物 種 で は 、 そ の 影 響 が 大 き い と 考 え ら れ る 。 さ ら に 自 動 撮 影 調 査 に よ る ク リ ハ ラ リ ス の 出 現 頻 度 は 、 ス タ ン プ 板 調 査 の も の よ り も20 倍 も の 大 き な 差 が み ら れ た 。ク リ ハ ラ リ ス は 樹 上 性 が 強 い た め( Tamura, 2009)、 本 章 の 動 撮 影 調 査 に お い て も 樹 上 や 地 上 な ど の 幅 広 い 空 間 で 撮 影 さ れ た 。 ス タ ン プ 板 調 査 と 自 動 撮 影 調 査 は 動 物 を 検 知 す る 範 囲 が 大 き く 異 な る 。 ス タ ン プ 板 に お け る 動 物 の 検 知 範 囲 は 黒 セ ル ス ポ ン ジ ゴ ム の 面 積 に 依 存 し 、 本 章 で 用 い た 黒 セ ル ス ポ ン ジ ゴ ム の 面 積 は 、 基 本 型 で は 900 cm2で 、 け も の 道 の 幅 に 合 わ せ た 幅 合 わ せ 型 で は 最 大 で 3,600 cm2と な り 、 さ ら に 立 体 的 な 検 知 は で

き な い 。そ れ に 対 し て 本 章 で 用 い た 自 動 撮 影 カ メ ラ( フ ィ ル ム 式 Field Note IIa) は 焦 点 距 離 が 28 mm で あ る た め 、 カ メ ラ と 地 面 を 真 正 面 に 向 か い 合 わ せ て 、 カ メ ラ の レ ン ズ と 地 面 ま で の 距 離 を 1.5 m と し て 設 置 し た と 仮 定 す る と 平 面 的 な 検 知 範 囲 は 18,380 cm2と な る 。さ ら に カ メ ラ で は 立 体 的 な 検 知 も 可 能 で あ る 。 こ の よ う に ス タ ン プ 板 と 自 動 撮 影 カ メ ラ の 平 面 的 な 検 知 範 囲 に は 5-20 倍 程 度 の 差 が 存 在 す る 。 立 体 的 な 活 動 を す る ク リ ハ ラ リ ス で は 両 手 法 の 検 知 範 囲 の 差 の 影 響 が 顕 著 だ っ た と 考 え ら れ る 。 基 本 型 と 幅 合 わ せ 型 の ス タ ン プ 板 で は 動 物 検 知 面 積 に 最 大 で 4 倍 の 差 が あ っ た 。 そ れ に も 関 わ ら ず 両 タ イ プ の ス タ ン プ 板 調 査 か ら 得 ら れ た 動 物 出 現 頻 度 に は 大 き な 差 は み ら れ な か っ た 。こ れ は 1 地 点 で の 動 物 検 知 範 囲 を 大 き く し て も そ の 効 果 は 限 定 的 で あ る こ と を 示 し て い る 。 導 入 コ ス ト や 設 置 の た め の 労 力 を 考 え る と 幅 合 わ せ 型 ス タ ン プ 板 を 1 台 設 置 す る よ り も 、基 本 型 ス タ ン プ 板 4 台 を 横 幅 30 cm 程 度 の け も の 道 に 別 々 に 設 置 し た 方 が 調 査 効 率 は 高 い と 考 え ら れ る 。 本 章 に お い て 両 手 法 の 動 物 出 現 頻 度 に は 有 意 な 正 の 相 関 が 得 ら れ た 。 自 動 撮

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23 影 調 査 か ら 得 ら れ た 動 物 の 出 現 頻 度 は 動 物 の 相 対 密 度 と 関 連 が あ る こ と が 知 ら れ て い る(Conner et al., 1983)。こ の こ と か ら ス タ ン プ 板 は 動 物 の 相 対 密 度 を 反 映 で き る 調 査 手 法 で あ る こ と を 示 し て い る 。 た だ し セ ン ト ス テ ー シ ョ ン に お い て ア ラ イ グ マ で は 高 密 度 で あ る 場 合 (10.3-11.4 頭 /km2) は そ の 手 法 か ら 得 ら れ た 相 対 密 度 は 信 頼 性 が 高 く (Nottingham et al., 1989)、 低 密 度 で あ る 場 合 (5.8 頭 /km2) は 信 頼 性 が 低 い こ と が 指 摘 さ れ て お り 、 他 の 相 対 密 度 指 標 と の 併 用 が 推 奨 さ れ る (Séquin et al., 2003) 2) 必 要 な 調 査 量 本 章 で は ス タ ン プ 板 調 査 と 自 動 撮 影 調 査 に お い て 食 肉 目 の 最 大 到 達 種 を 達 成 す る た め に は 、 両 手 法 と も 15~ 30 日 /台 の 調 査 量 が 必 要 で あ り 、 調 査 量 に 大 き な 差 は な か っ た 。こ の こ と か ら 1 台 あ た り ト ラ ッ プ を 1 ヶ 月 程 度 、稼 働 さ せ る こ と で 、 そ の 地 域 の 主 要 な 食 肉 目 を 把 握 で き る と 考 え ら れ る 。 出 現 頻 度 が 一 定 以 上 あ っ た 種 に つ い て は 自 動 撮 影 調 査 の 方 が 、 ス タ ン プ 板 調 査 よ り も 早 く 確 認 で き る 傾 向 が あ っ た 。 こ れ は 上 述 し た ス タ ン プ 板 と 自 動 撮 影 カ メ ラ に よ る 検 出 能 力 の 差 や 動 物 自 身 の 生 息 密 度 が 影 響 し て い る と 考 え ら れ る 。 逆 に 言 う と、出 現 頻 度 が 低 い 種 に お い て は 個 々 の ト ラ ッ プ の 検 出 能 力 に は 影 響 し な い 可 能 性 が あ る 。 ア ラ イ グ マ の 確 認 が 多 か っ た 都 市 緑 地 に お い て 、 ト ラ ッ プ の 稼 働 日 数 の 増 加 に 伴 う ア ラ イ グ マ 確 認 地 点 率 の 変 化 を み る と 、ス タ ン プ 板 は 1 台 あ た り 25 日 程 度 、 自 動 撮 影 調 査 は 1 台 あ た り 10 日 程 度 の 稼 働 夜 数 で ア ラ イ グ マ の 分 布 の 有 無 が 判 別 で き た 。 機 材 の 設 置 密 度 は 本 章 に お い て 検 証 し て い な い た め 、 今 後 の 課 題 で あ る 。 3) 動 物 に よ る ス タ ン プ 板 へ の 反 応 本 章 に お い て ス タ ン プ 板 の 周 囲 に 現 れ た 動 物 の 9-43%は ス タ ン プ 板 の 脇 を表

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24 2-5 ス タ ン プ 板 調 査 と 自 動 撮 影 調 査 の 特 性 す り 抜 け て お り 、 特 に ア ナ グ マ に お い て は 他 種 よ り も す り 抜 け の 割 合 が 2-3 倍 高 か っ た 。 さ ら に ア ラ イ グ マ と イ エ ネ コ に お い て は 他 種 よ り も ス タ ン プ 板 の 上 を 通 過 す る 割 合 が 1.5-1.7 倍 高 く な り 、 ス タ ン プ 板 に 対 す る 動 物 の 反 応 に は 種 間 差 が 存 在 し た 。 ア ラ イ グ マ と ハ イ イ ロ ギ ツ ネ (Urocyon cinereoargenteus) に お い て は 、 セ ン ト ス テ ー シ ョ ン か ら 得 ら れ た 指 標 と 実 際 の 個 体 数 が 逆 転 し た こ と が 報 告 さ れ て い る(Nottingham et al., 1989)。さ ら に コ ヨ ー テ(C. latrans) や ト ラ (Panthera tigris) に お い て は セ ン ト ス テ ー シ ョ ン や 自 動 撮 影 カ メ ラ を 忌 避 す る 個 体 が 存 在 す る こ と が 知 ら れ て い る (Wegge et al., 2004; O’Brien et al., 2003; Randel and Peace, 2009)。 こ れ ら の こ と か ら 動 物 種 に よ る 調 査 機 材 に 対 す る 反 応 は 、 種 間 差 や 個 体 差 が 存 在 し 、 こ れ は ス タ ン プ 板 と 自 動 撮 影 調 査 の 結 果 が 異 な っ て い た 要 因 の 1 つ で あ る と 考 え ら れ る 。 本 章 に お け る シ カ と ノ ウ サ ギ は ス タ ン プ 板 調 査 で は 確 認 で き ず 、 自 動 撮 影 調 査 の み で 確 認 で き た 。 さ ら に ノ ウ サ ギ に お い て は ス タ ン プ 板 を 飛 び 越 え る 行 動 も 観 察 さ れ た 。 足 跡 ト ラ ッ プ 調 査 ( セ ン ト ス テ ー シ ョ ン や と ト ラ ッ ク プ レ ー ト を 含 む ) と 自 動 撮 影 調 査 を 比 較 し た 研 究 で は 自 動 撮 影 調 査 の 方 が 調 査 効 率 の 高 スタンプ板(本研究) 自動撮影カメラ 対象種 地域の主要な中型食肉目 哺乳類全般 調査目的 生息確認 生息確認,相対密度 導入コスト 基本型:830円/台,幅合わせ型:2,980円/台 2万から6万円/台 機材の自作 可能 特別な知識がないと不可能 機材の重量 基本型:1.3kg/台,幅合わせ型:3.4kg/台 FieldNote Ⅱa:0.6kg 見回り頻度 1-3日に1回 2週間から6ヶ月に1回 盗難リスク 低いため人目に付く場所でも設置可能 高いため人目に付かない場所での調査が主 得られるデータ 出現の有無 出現の有無,出現時間,動物の行動など データ取得 見回り間隔に依存 一晩に複数の出現データが得られる 天候による影響 降雨や積雪により足跡の消失,再設置が必要 風や日溜まりにより無効撮影が多発 機材の汎用性 性能が一定のため、汎用性が高い 機種の世代交代により性能差の維持は困難 機材への反応 コヨーテやトラではカメラを回避する個体が いる(Conner et al., 1983; Randel and Peace, 2009)

アライグマとイエネコは板を回避することが少 ないアナグマは板を回避する

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く 適 用 可 能 な 種 が 多 い (Foresman and Pearson, 1998; Gompper et al., 2006; McKinney and Haines, 2010)。 こ れ ら の こ と か ら 地 域 の 主 要 な 中 型 食 肉 目 の 生 息 確 認 に タ ン プ 板 調 査 は で 十 分 な 精 度 を 持 つ が 、 地 域 全 体 の 哺 乳 類 の 生 息 確 認 に は 自 動 撮 影 調 査 を 用 い た 方 が よ り 多 く の 種 を 確 認 で き る た め 効 果 的 で あ る と 考 え ら れ る 。 4) ス タ ン プ 板 調 査 の 特 性 ス タ ン プ 板 調 査 と 自 動 撮 影 調 査 の 長 短 所 を 表 2-5 に 示 し た 。 ス タ ン プ 板 の 用 途 と し て は 主 要 な 中 型 食 肉 目 の 生 息 確 認 な ど の 定 性 的 な 調 査 に は 特 に 有 効 で あ っ た 。 誘 引 物 の 使 用 は 、 調 査 効 率 を 向 上 さ せ る 効 果 が 期 待 で き る (Schlexer, 2008)。 し か し 、 誘 引 物 は 季 節 、 種 間 、 誘 引 物 の 種 類 な ど に よ り 誘 引 効 果 が 異 な り ( 揚 妻 ほ か ,2003; 鈴 木 , 2009)、 動 物 の 通 常 の 行 動 パ タ ー ン を 歪 め て し ま う 可 能 性 が あ る (Brongo et al., 2005)。そ の た め 、相 対 密 度 の 把 握 を 調 査 目 的 と し て い る 場 合 、 誘 引 物 を 用 い た 調 査 設 計 は 慎 重 に 行 う 必 要 が あ る ( 池 田 , 2015)。 た だ し 、 分 布 確 認 と い う 限 ら れ た 目 的 の 場 合 に は 、 調 査 効 率 を 高 め る た め に 誘 引 物 の 積 極 的 な 使 用 が 推 奨 さ れ る と 考 え ら れ る 。 出 現 頻 度 に つ い て み る と 、 ス タ ン プ 板 調 査 は 自 動 撮 影 調 査 と 比 較 す る と 、 デ ー タ 取 得 の 性 質 的 な 違 い と ス タ ン プ 板 の 検 出 範 囲 の 違 い な ど に よ る 影 響 に よ り 、 ス タ ン プ 板 調 査 に よ る 出 現 頻 度 は 低 く な っ た 。 さ ら に ア ラ イ グ マ や イ エ ネ コ で は 他 種 よ り も ス タ ン プ 板 の 上 を 通 過 す る 傾 向 が 、 ア ナ グ マ で は 他 種 よ り も ス タ ン プ 板 を 避 け る 傾 向 が あ り 、 動 物 に よ る ス タ ン プ 板 へ の 反 応 に は 種 間 差 が み ら れ た 。 こ れ は ス タ ン プ 板 調 査 に お い て 出 現 頻 度 に よ る 手 法 間 や 種 間 で の 比 較 が 困 難 で あ る こ と を 示 し て い る 。 ス タ ン プ 板 調 査 は ア ラ イ グ マ や イ エ ネ コ に 対 し て 特 に 有 効 で あ る と 考 え ら れ る 。 ス タ ン プ 板 と 市 販 さ れ て い る 自 動 撮 影 カ メ ラ の 導 入 コ ス ト を 比 較 す る と 、 ス

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26 タ ン プ 板 の 方 が 圧 倒 的 に 安 い 。 そ の た め 、 低 予 算 で 機 材 を 大 量 投 入 し た 広 域 的 な 調 査 が 可 能 で あ る 。 反 面 、 ス タ ン プ 板 調 査 で は 1-3 日 間 隔 で の 見 回 り が 必 要 と な る た め 、 自 動 撮 影 調 査 よ り も 見 回 り コ ス ト が 高 い 。 設 置 場 所 に つ い て は 自 動 撮 影 カ メ ラ で は 不 特 定 多 数 の 人 が 通 行 す る 場 所 で は プ ラ イ バ シ ー や 盗 難 事 故 な ど も 懸 念 さ れ 調 査 が 困 難 な 場 合 も あ る が 、 ス タ ン プ 板 で は そ れ ら の 心 配 は 少 な い 。 ま た 植 物 が 密 生 す る よ う な 場 所 に 自 動 撮 影 カ メ ラ を 設 置 す る 場 合 は 、 植 物 の 揺 れ に よ る 無 効 撮 影 を 減 ら す た め に 環 境 を 改 変 す る 必 要 が あ る 。し か し 、ス タ ン プ 板 で は そ の よ う な 環 境 改 変 を す る 必 要 は な い 。 ス タ ン プ 板 調 査 で は 足 跡 に 明 確 な 識 別 ポ イ ン ト が な い 動 物 種 で は 同 定 が 困 難 で あ る が 、 自 動 撮 影 カ メ ラ で は 画 像 に 写 り 込 ん だ 動 物 の 姿 に よ り 、 種 同 定 を 行 う た め 同 定 が 容 易 で あ る 。 ス タ ン プ 板 調 査 は 自 動 撮 影 調 査 よ り も 動 物 の 検 出 力 に 劣 る が 、 主 要 な 中 型 食 肉 目 の 生 息 確 認 の よ う な 定 性 的 な 調 査 に は 十 分 な 能 力 を 有 し て い た 。 ア ラ イ グ マ や イ エ ネ コ に お い て は ス タ ン プ 板 を 避 け る 傾 向 が 他 種 よ り も 少 な い た め 、 特 に 有 効 と 考 え ら れ た 。 さ ら に 、 ス タ ン プ 板 調 査 で は 低 価 格 で 盗 難 の 可 能 性 も 低 く 、 取 り 扱 い が 容 易 で あ る と い う 利 点 が あ る た め 、 市 民 調 査 や 獣 害 の 加 害 獣 判 定 に 有 効 で あ る 。 他 方 、 自 動 撮 影 調 査 で は ど の 種 に 対 し て も 調 査 の 精 度 や 効 率 が 高 く 、 人 件 費 が 低 く 抑 え ら れ る と い う 利 点 が あ る た め 、 学 術 研 究 や 環 境 ア セ ス メ ン ト に 有 効 で あ る 。 こ の よ う に ス タ ン プ 板 調 査 は 自 動 撮 影 調 査 に な い 特 性 を 持 っ て い る こ と か ら 、 両 者 の 使 い 分 け が 重 要 で あ る と 考 え ら れ た 。 本 章 で 用 い た 消 石 灰 は 強 ア ル カ リ 性 で 人 の 目 に 入 る と 障 害 を 起 こ す こ と が 知 ら れ て お り 、近 年 学 校 の グ ラ ン ド で の 使 用 は 減 少 し て い る( 柏 井 ほ か ,2013)。 こ の こ と か ら 消 石 灰 は 野 生 動 物 に も 悪 影 響 を 及 ぼ す 可 能 性 が あ る 。 今 後 、 ス タ ン プ 板 調 査 を 行 う 際 に は 、 消 石 灰 の 代 用 と し て グ ラ ン ド 白 線 引 き 用 の 炭 酸 カ ル シ ウ ム を 用 い る こ と が 推 奨 さ れ る 。

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27 5. 小 括 本 章 で は 神 奈 川 県 内 の 哺 乳 類 の 生 息 状 況 が 異 な る 2 つ の 緑 地 に お い て ス タ ン プ 板 を 用 い た 足 跡 ト ラ ッ プ の 有 効 性 を 検 証 す る た め に 、 ス タ ン プ 板 と 自 動 撮 影 カ メ ラ を 「 け も の 道 」 に 設 置 し て 両 者 の 調 査 効 率 を 比 較 し た 。 両 手 法 に お け る タ ヌ キ や ア ラ イ グ マ な ど の 中 型 食 肉 目 の 出 現 頻 度 に は 正 の 相 関 が 得 ら れ た 。 し か し 、 出 現 頻 度 の 値 自 体 は ス タ ン プ 板 調 査 よ り も 自 動 撮 影 調 査 の 方 が 4-5 倍 高 か っ た 。ス タ ン プ 板 調 査 と 自 動 撮 影 調 査 に お い て ト ラ ッ プ を 1 台 あ た り 1 ヶ 月 程 度 、 稼 働 さ せ る こ と に よ り 、 地 域 の 主 要 な 食 肉 目 を 確 認 す る こ と が で き た 。 動 物 の ス タ ン プ 板 に 対 す る 反 応 を み る と 、 ア ラ イ グ マ と イ エ ネ コ で は 他 種 よ り も ス タ ン プ 板 の 上 を 通 過 す る 割 合 が 1.5-1.7 倍 高 か っ た の に 対 し 、 ア ナ グ マ で は 他 種 よ り も 板 の 脇 を す り 抜 け る 割 合 が 2-3 倍 高 く 、 ス タ ン プ 板 へ の 反 応 に は 種 間 差 が 存 在 し た 。 す な わ ち 、 ス タ ン プ 板 調 査 は 自 動 撮 影 調 査 よ り も 動 物 の 検 出 力 に 劣 る が 、 主 要 な 中 型 食 肉 目 の 生 息 確 認 の よ う な 定 性 的 な 調 査 に は 十 分 な 能 力 を 有 し て い た 。 ア ラ イ グ マ に お い て は ス タ ン プ 板 を 避 け る 傾 向 が 他 種 よ り も 少 な い た め 、 特 に 有 効 と 考 え ら れ た 。 さ ら に ス タ ン プ 板 調 査 で は 低 価 格 で 盗 難 の 可 能 性 も 低 く 、 取 り 扱 い が 容 易 で あ る と い う 利 点 が あ る た め 、 市 民 調 査 な ど に 有 効 で あ っ た 。 他 方 、 自 動 撮 影 調 査 で は 調 査 の 精 度 や 効 率 が 高 く 、 人 件 費 が 低 く 抑 え ら れ る と い う 利 点 が あ る た め 、 学 術 研 究 や 環 境 ア セ ス メ ン ト に 有 効 と 考 え ら れ た 。

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28 第3章 密 度 指 標 の 開 発 1. は じ め に 野 生 動 物 の 密 度 指 標 に は 多 く の 手 法 が 開 発 さ れ て い る (Gese, 2001)。 ア ラ イ グ マ に お い て は 、 行 政 が 収 集 し た ア ラ イ グ マ の 有 害 駆 除 デ ー タ に 基 づ く 捕 獲 努 力 量 あ た り の 捕 獲 頭 数 ( 捕 獲 効 率 :CPUE) は 、 除 去 法 に よ る 生 息 頭 数 と 有 意 な 正 の 相 関 が 得 ら れ て お り 、有 効 な 密 度 指 標 で あ る こ と が 確 認 さ れ て い る( 環 境 省 北 海 道 地 方 環 境 事 務 所 ・EnVision 環 境 保 全 事 務 所 ,2008)。 し か し 、捕 獲 に よ る 密 度 推 定 は 、 罠 の 見 回 り や 捕 獲 後 の 処 理 な ど に 多 大 な 調 査 労 力 が か か る ( 日 本 哺 乳 類 学 会 種 名 ・ 標 本 委 員 会 ,2009)。 さ ら に 有 害 駆 除 の デ ー タ に よ る 捕 獲 効 率 は 、 被 害 が 少 な い 地 域 で は 捕 獲 が 実 施 さ れ 難 い た め 算 出 で き な い こ と が 多 い 。 一 方 で 、自 動 撮 影 調 査 は 機 材 自 体 の 低 コ ス ト 化 や 取 り 扱 い の 簡 便 さ な ど か ら 、 カ メ ラ の 稼 働 日 数 あ た り の 動 物 撮 影 回 数 ( 撮 影 効 率 ) は 、 食 肉 目 の 調 査 で 広 く 用 い ら れ る 密 度 指 標 で あ る( 金 子 ほ か ,2009;O’Brien, 2011)。し か し 、Jennelle et al.(2001) は 撮 影 効 率 を 相 対 密 度 の 指 標 と す る 場 合 、 撮 影 効 率 と は 独 立 し た 有 効 性 が 確 認 さ れ て い る 密 度 指 標 と の 関 係 が あ る こ と 示 す 必 要 が あ る と 指 摘 し た 。 自 動 撮 影 調 査 に よ る 撮 影 効 率 は, い く つ か の 動 物 種 に お い て 他 の 相 対 密 度 の 指 標 と 相 関 が あ る こ と が 報 告 さ れ て い る(O’Brien et al., 2003; Carbone et al., 2001; Rovero, and Marshall, 2009)。 ア ラ イ グ マ に お い て は 自 動 撮 影 カ メ ラ に よ る 撮 影 率( ア ラ イ グ マ 撮 影 回 数/全 有 効 撮 影 回 数 )と 除 去 法 に よ る 推 定 生 息 密 度 に は 有 意 な 正 の 相 関 が あ る と 報 告 さ れ て い る が ( 安 藤 ほ か ,2003)、 撮 影 効 率 と 捕 獲 効 率 に よ る 検 証 は 行 わ れ て い な い 。 ア ラ イ グ マ の 防 除 事 業 を 評 価 す る た め に は 、 ア ラ イ グ マ 密 度 の 経 時 的 な 変 化 を 把 握 す る こ と が 必 須 で あ る 。 し か し 、 捕 獲 効 率 に 基 づ く 密 度 指 標 は 、 警 戒 心 の 強 い 個 体 の 存 在 に よ り 防 除 効 果 を 過 大 評 価 す る 場 合 が あ る ( 松 田 ,2012)。

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29 そ の た め 、 捕 獲 と は 独 立 し た 密 度 指 標 に よ る ク ロ ス チ ェ ッ ク が 必 要 で あ る 。 国 内 の ア ラ イ グ マ 対 策 に お い て は 、 神 社 仏 閣 で の ア ラ イ グ マ の 痕 跡 発 見 率 も 密 度 指 標 と し て 有 効 で あ る こ と が 報 告 さ れ て い る ( 浅 田 ・ 篠 原 ,2009)。 し か し 、 こ の 痕 跡 発 見 率 は 種 同 定 が 不 確 実 で あ る こ と 、 木 造 建 築 物 に 残 さ れ た 痕 跡 は 長 期 間 に 渡 っ て 残 り 続 け る こ と か ら 密 度 指 標 と し て の 信 頼 性 は 低 い 。 そ こ で 本 章 で は 、 自 動 撮 影 デ ー タ か ら 得 ら れ た 密 度 指 標 の 有 効 性 を 確 認 す る た め 、 自 動 撮 影 デ ー タ と 既 に ア ラ イ グ マ の 密 度 指 標 と し て 有 効 で あ る こ と が 知 ら れ て い る ア ラ イ グ マ の 防 除 事 業 か ら 得 ら れ た 捕 獲 効 率 の 関 係 を 調 べ 、 自 動 撮 影 調 査 か ら 得 ら れ た ア ラ イ グ マ 密 度 指 標 の 有 効 性 を 検 証 し た 。 2. 調 査 地 お よ び 方 法 1) 調 査 地 神 奈 川 県 南 東 部 の 三 浦 丘 陵 の 林 地 、 南 部 の 大 磯 丘 陵 の 林 地 、 東 丹 沢 山 麓 の 林 地 を 自 動 撮 影 調 査 の 調 査 地 と し て 選 定 し た ( 図 3-1)。 こ れ ら は 概 ね 標 高 100 m か ら 200 m の 丘 陵 地 で 、 最 大 標 高 は 327 m( 大 磯 丘 陵 : 不 動 山 ) で あ る 。 調 査 地 内 は 落 葉 広 葉 樹 林 と 常 緑 広 葉 樹 林 、 針 葉 樹 植 林 が 優 占 し て い る 。 三 浦 丘 陵 と そ の 他 の 地 域 は 、 相 模 川 を 挟 ん で 東 西 に 分 か れ て お り 、 こ れ ら は 市 街 地 に よ り 完 全 に 分 断 さ れ て い る 。 神 奈 川 県 内 に お け る ア ラ イ グ マ の 野 生 化 は 、1980 年 代 後 半 に 鎌 倉 市 で 初 め て 確 認 さ れ ( 中 村 ,2001)、 三 浦 半 島 を 中 心 と し て 県 内 の 平 野 部 を 中 心 に 分 布 を 拡 大 さ せ( 神 奈 川 県 ,2011)、近 年 は 丹 沢 山 地 の 山 麓 に お い て も 分 布 が 確 認 さ れ て い る ( 長 縄 ・ 中 山 ,2007)。 神 奈 川 県 内 で は 2006 年 の 防 除 実 施 計 画 策 定 以 降 、 毎 年 1,000 頭 以 上 の ア ラ イ グ マ が 駆 除 さ れ て お り ( 神 奈 川 県 ,2011)、 こ の 内 、 60 %前 後 が 県 南 東 部 の 三 浦 半 島 周 辺 で 捕 獲 さ れ た も の で あ る 。 県 内 に お け る ア ラ イ グ マ の 生 息 密 度 は

表 1-2   各 都 道 府 県 に お け る ア ラ イ グ マ の 分 布 、捕 獲 、防 除 実 施 計 画 策 定 の 状 況( そ の 1 )
表 1-2  各 都 道 府 県 に お け る ア ラ イ グ マ の 分 布 、捕 獲 、防 除 実 施 計 画 策 定 の 状 況
表 2-2  足 跡 ス タ ン プ 板 調 査 と 自 動 撮 影 調 査 の 動 物 出 現 頻 度( 回 /100 日 )
図 4-24  神 奈 川 県 に お け る 防 除 後 期 ( 2011-2013 年 ) の 捕 獲 効 率 分 布 凡 例 の カ ッ コ 内 の 数 字 は メ ッ シ ュ 数 を 示 す

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