2013年
度 学位 論 文自然体験活動 の保育者研修 プ ログラム開発 とその効果
兵庫教育大学大学院修士課程
人間発達教育専攻幼年教育コース
自然体験活動 の保育者研修 プ ログラム開発 とその効果
目
次
序 章 第1節
直接体験 の 第2節
自然体験活 第3節
自然体験活 第1章
研 究 目的 及び 第1節
研 究 目的 重 要性 動 の必要性 と現状 動へ の意識 と保 育実践 の問題 方 法 第2節
研 究方法 …… ……… …… …… 第2章
結果 及び 考察 第1節
研修実施後 の振 り返 り会 の質的分析 第1項
振 り返 り会(1回
目)の
分析 第2項
振 り返 り会(2回
日)の
分析 第2節
ア ンケー ト調査の分析 と考察 第1項
ア ンケー ト調 査 の詳 細 第2項
意識調査 アンケー トの事前事後比較 の考察 第3項
意識調査 アンケー トの事前事後比較 の考察 第4項
事後アンケー トの選択回答の考察 (全体 の変化) (個人別 の変化) 10 10 10 ︲6 2 3 5 8 終章 引用・参 考文献序章 第
1節
直接 体験 の重要性 昨今、子 どもの直接体験の不足が懸念 されてい る。筆者 の保育経験 の中で も例 えば3歳
児 クラスでカブ トムシを飼 育 してい く際に、直接触れ るこ とで、幼児 は現実 に生 きてい る ことを感 じ取 つていた。カブ トムシを絵本やテ レビ画面の中の映像で見て 「カブ トムシ」 とい う言葉 と知識 を得 ても、バーチ ャルの認知で しかない。成長 を直接見て、直接角虫れ る こ とで足 をバ タバ タ させ る時の振動や トゲでチクつ とす る感触 な どがあ り子 ども達は心 を 動 かす。 その直接体験 か らきた 「カブ トムシ」 とい う言葉 には感 じ取 った多 くの思いが詰 まってい る。「命」については、「生」 と「死」の違 いを、直接体験 をもつて感 じ取 るこ と が大切 である と考 える。実際、生活 の中で幼 虫か ら育て直接触れて、愛着 をもつたカブ ト ムシが動 かな くなった ことを体験す る。感触 と感情 で 「生Jと
「死」の違いを感 じとるこ とが、現実的な感覚で、『 命 』 を心 に刻 み こんで、理解す るこ とであ る と考 え る。 岡本(2005)は、「社会 の情報化 は今後 さらに進み、子 どもが ヴァー チ ュアル 。リア リテ ィ ヘ の反応 にのみ追われ ることの問題 、そ こで形成 された認知 のあ り方がその後 の発達 を支 配 してい くこ との危 険性 は社会現象 として現れて きてい る と言 つて も過言 で はない。 幼児 期 において、 しつ けにせ よ遊 びで にせ よ、現実の生活 と対人経験 に密 着 した生 の感覚 を し つか り身 に付 けることが必要である。」(1)と述べてい る。 また、文部科学省 の豊かな直接体験推進事業(2006)におい て、体験活動 とは、文字 どお り、 自分 の身体 を通 して実地 に経験す る活動 のこ とであ り、子 どもたちがいわば身体 全体 で対象 に働 きかけ、かかわつてい く活動 の ことである。 この 中には、対象 とな る実物 に実 際 に関わってい く 「直接体験」 の ほか、イ ンターネ ッ トや テ レビ等 を介 して感 覚的 に学び とる 「間接体験」、シ ミュ レー シ ョンや模型等 を通 じて模擬 的 に学ぶ 「擬似体験」があ ると 考 え られ る。 しか し、テ レビゲー ムやイ ンターネ ッ トの普及 に よ り 「間接体験 」や 「擬似 体験 」の機 会が圧倒 的 に多 くなってい る。「疑似体験Jは
、有用 な一 面 も持 っているが、子 どもたちの成長 に とつて、 コ ミュニケー シ ョン能力 の低下等 、負 の影響 を及 ぼ してい るこ ともあるこ とが懸念 されてい る。 そ して、今後の教育 におい て重視 され なけれ ばな らない のは、人・物や実社会に実際に触れ、かかわ り合 う 「直接体験」であるとされ ている。(2) 愛知 県幼児教育研 究協議会 (2006)では、幼児 が「命」を感 じるために とい う議題 におい て 「喜びや悲 しみ、驚 き、戸惑い、感動 な どの様 々な心の動 きは、直接体験 を伴 うこ とで 深 く心 に刻 まれ 、人 間 として豊 か な感性 をは ぐくみ 、生 きてい くた めに必要 な心を形成 し てい く原 点(芽生 え)と な ります。」 と報告 してい る。 また、「幼児期 において、バーチ ャル の世界 に入 り込 めるテ レビ視聴や ゲームを好む子 どもは多 く、積極 的 に取 り込 もうと しま す。内容 に よつては 自分 も共 に感 じた り考 えた りす ることもで き、学ぶ もの もあ ります が、 これ らはあ くまで も擬似的な体験 で しかあ りませ ん。実際 の生活場 面で直接体験す る こと が大切 な幼児期 には、長時間の視聴 は刺激 が強す ぎます。」 とも述べ ている。(3)中央教育審議会 (1996)の答 申の叙述 を見 る と 「子 どもたちに『 生 きる力』 をは ぐくむ た めには、 自然や社会の現実 に触れ る実際 の体験 が必要であ る。子 どもたちは、具体 的な 体験や物事 とのかかわ りを よ りどころ として、感動 した り、驚 いた りしなが ら、『 なぜ、 ど うして』 と考 えを深 める中で、実際の生活や社会、自然のあ り方 を学んでい く。そ して、 そ こで得た知識や考 え方 を基 に、実生活 の様 々な課題 に取 り組む こ とを通 じて、 自らを高 め、 よ りよい生活 を創 り出 してい くことが出来 るのである。 このよ うに、体験 は、子 ども たちの成長 の糧であ り、『 生 きる力』 をは ぐくむ基盤 となっている」 (4)と述 べてい る。 また、飯 島 (2009)は、前記 の答 申よ り「子 どもたちの生 きる力 を育む もの として直接 体験 の重要性 が強調 され てい る。 みず みず しい体験 な くして は、子 どもが さま ざまな知識 や能力 を身 につ けてい くこ とはお ぼつかないので あ る。机 上 の理論 には、感 動 や驚 きがな い とは言 えないが、直接的 な体験 のそれ に比 して著 しく浅薄 なもので あると言 う事 は否 め ない。
J(5)と
し直接体験 の重要性 を指摘 してい る。 第2節
自然体験活動 の必要性 と現状 次 に直接体験 としての 自然体験 について述べ る。 文部省 (現文部科 学省)青
少年 の野外 教育 の振興 に関す る調査研 究者 会議 (1996)による と、 自然体験活動 とは 「自然の中で, 自然 を活用 して行 われ る各種活動 で あ り,具
体的 には,キ
ャンプ,ハ
イキング,ス
キー, カヌー とい つた野外活動,動
植 物や星 の観 察 とい つた 自然 。環境 学習活動,
自然物 を使 っ た工作や 自然 の中での音楽会 といった文化・芸術活動 な どを含 んだ総合的な活動である。」 (6)と 述べ られ てい る。 また、幼児期 の 自然体験活動 は、幼稚 園教育要領 の幼稚 園教育 の 日標 の中で 「自然 な ど の身近 な事象へ の興味や 関心 を育て、それ らに対す る豊かな心情や 思考力の芽生えを培 う ょ ぅにす ること」(7)を挙 げてい る。 また、保 育所保 育指針 において も同様 に、保育原 理 の 保 育 目標 の中で 「自然や社 会 の事象 につ いての興 味や 関心 を育て、それ らに対す る豊 かな 心情や思考力 の基礎 を培 うこと」(8)を挙 げてい る。 これ らは、好奇 心や探究 心 の旺盛 な幼 児期 に 自然 な どの身近 な事象 と十分 に関わ りを持 つ ことで、それ らに対す る興 味関心 を育 て、幼児 の認識や思考、意欲等 の様 々な能力 を養 うことは、心身 を調和的に発達 させ る上 で重要 であることを示 してい る。ペー ター・ヘ フナー(2009)は ドイ ツの正規 の幼稚園 出の 小学 1年生(H4人)と
森 の幼稚 園出の小学1年生 (230人)の
担任教諭 に質 問表調査 を行 なってい る。その調査結果 で 「「動機付 け 。忍耐・集 中」「社交的行動」「授業 中の協働 」の 各領域 は、個 々の分野が反復反 映 した と思 われ 、それ に よつて森 の幼稚 園出の子 どもたち は他 の子 どもたちに比べ得 を してい る、す なわちこの子 どもたちは1年
生在学 中の担任教 諭 か ら優れ た (評点)一
数値 が与 え られ てい る。」(9)と述べ てい る。ここでい う森の幼稚園 とは幼稚 園の固有の建物 は存在せず 、子 どもたちは新鮮 な空気の戸外 で 「風 と天気」 の下 で遊ぶ。森 は、踊 り、走 り、飛 びはね、遊 び、身 を隠 しtど
ろん こにな り、その他 い ろい ろな こ とに豊富 な場所 を提供す る。前項 で述べた よ うに、 自然 にお け る直接 体験が減 少する子 どもた ちの生活環境の 中で、特 に幼稚 園や保育園だけで も上記 の森 の幼稚 園の よ うな 体験 が幼児期 に必要 になって くる と考 え られ る。 この よ うに、 自然体験活動 の必要性 を述べてきたが、その現状は ど うであろ うか。 中央 教育審議会(2008)が『 青少年 の現状等 につ いて』 にお いて全 国の公立小学校 の小学生 に調 査 した資料 で、 自然体験 について 「ほ とん どした ことがない」害1合を平成10年と平成 17 年 で比較 してい る。 その中で 「キャンプを した こ とがほ とん どない」割合が 38%か ら53%に 増加 してい る。「海や川 で貝 を取 つた り魚 を釣 つた りした こ とがほ とん どない」 は 22%か ら 40%に 増加 してい る。「チ ョウや トンボ、バ ッタな どの昆虫をつかまえた ことがほ とん どな い」は19%から35%に増加 してい る。「海やり││で泳 いだ ことがほ とん どない」につ いては10% か ら25%と倍 以上 に増加 してい る とい うデー タが出てい る。この ことか ら、身近 な 自然体験 を含 め、 自然の中で活動す る青少年が減少 してい る。 とい う分析結果 を述べている。(1の 例 えば、ボーイスカ ウ トとガール スカ ウ トの減少傾 向につ いて も同様 に、調 査結果 がで てい る。 ボーイスカ ウ ト日本連盟 のホームページに活動 については 「生命 を尊重す る心、 仲 間 と話 し合 つて協力す る心、モ ラルや正義感 、 自然や美 しい ものに感動す る心な どが子 どもたちの 「生 きる力」の基礎 とな ります。社会奉仕活動や、 自然 の中での体験な どを多 く取 り入れ た、ボーイ スカ ウ トの様 々な活動 を とお して、青少年の、健 全な心 と体の育成 に貢献 したい と、私 たちは、強 く願 つています。」 とある。(11)この よ うな活動 を行 ってい る団体 も平成 10年度 に 120144人 (就学前年 の幼児 ∼ 中学生
)い
た会員数が、平成 13年度 には 103912人 、16年度 には 94084人 、19年度 には 80440人 と減少 してい る。 この よ うな 調査結果 よ り子 どもの生活 か ら自然体験活動 は減 つている と推測 され る。 第3節
自然体験活動へ の意識 と保育実践 の問題 田尻(2005)は保育者 に 自然体験活動 に対す る意識調査 を行 つてい る。 その 中で現代 の子 どもに 自然体験活動 は必要 であるか とい うアンケー ト調査 を実地 し 97.7%の 保 育者 が必要 であると答 えてい る。その理 由 として 「期待感いっぱいで外 に飛び出す」「野外 での遊びを 自 ら見つ け出 してイ メー ジが次 々わ き広 が る」「自然 の変化 に気付 くこ とが多 くなる」「虫 や植 物 に興味を持 ち保育者 に見せ にきた り、集 めて遊ぶJ「図鑑や絵本 が好 きにな り調 べた りす る」「自分が育ててい る飼育物 にや さしく関われ るよ うになる」 とアンケー トで 80%以 上 の保育者 が答 えてい る。す なわ ち 「自然 とかかわ る保育」 に関心の高い保 育者は、 自然 との触れ合 いに対す る意義 を感 じ、その こ とが幼児 の発達 に具体的 に影響 を与 える とい う こ とを経験的に感 じてい ることが分かつた と指摘 している。(12) では実際、 自然体験活動 は幼児達 に どの よ うな効果 をもた らすのか。 山本 ら(2005)は 自 然 体験活動 を多 く取 り入れ てい る幼児教室 の卒園児 と全国調 査 の実態 とを比較 してい る。 そ の調査結果か ら、幼児期 に豊富 な 自然体験活動 を行 うこ とは、卒園後 も多 くの 自然体験 活動 を行 うことにつ なが り、幼児 に対 して 自然体験活動 を行 う重要性 を示唆す るもの にな つた と言 えると述べてい る。(1⇒坂井 田(1991)は、 うさぎの飼 育に よつて、幼児達の思考概念 が ど う変化す るか といつた調査 を行 つてい る。 そ の 中で、 うさぎに飼 育 を通 して触 れ る 前 はアニ ミズム思考 の絵画 だつた ものが、飼 育後 は、 うさぎの特徴 を よ く見 た絵画 に変化 した。 この ことか ら、直接 体験 を通 して、観察力や客観的な考 え方や見方が出来るよ うに なった と述べ てい る。(1→ さらに、坂井 田(2002)は、園での芋 ほ り活動 で活動前 と後 で は子 どもの絵画 において直接体験 を行 うことで、芋の概念 が形成 され、その ことが絵画表 現の 中に反 映 され た と述べてい る。°①この よ うに 自然体験活動 においての飼育や栽培 な どの直 接体験 は、幼児 の発達段階 に良い影響 を及 ぼす こ とが考 え られ る。 また、山下 ら (2005)の先行研 究では、飼 育活動 は
9割
の幼稚 園・保育園で行 われ てい るこ とがア ンケー ト結果か ら導 き出 され てい る。 その中で も管理 の しやすい 虫がよく飼 わ れ てい る。飼育 をす るにあたっての問題 点 も多々挙 げ られてお り、その中に担任の負担が ある。 そ して、飼育の知識 に対す る研修 を希望す る保 育者 が9割
に も関わ らず7割が その 機 会 が ほ とん どない と答 えてい る。 虫は保 育 の中で飼 育す るにあた り問題 点 が少 ない保育 材料 だ と述 べてい る。 また 「や さ しさ 。思いや りが育つ、死 生観(命の大切 さ)を伝 え るこ とができ,自然 。生 き物 との触れ合 い を体験 させ られ る、科学的な態度や力が育つ、仲 間関 係 に好影 響 がある」な どの期待 をもつて保育 し、教育効果 も期待通 り得 られ た と保育者 は ア ンケー トで答 えてい る。 そ して、乳児 に とつての飼育活動 は保育者 の関わ りが大 き く、 その活動 によつて 自然 に対 しての興味や愛着 に繋が る と言 つてい る。蝶 を数年 にわた つて 飼 育す る こ とに よ リー回 日の変態 を知 るこ とか ら、何度 も飼 育 を繰 り返す こ とによ り、変 態 を期待 し蝶 になつて逃がす までの見通 しが持て るよ うにな ると言 つている。「探究心 とし ての興味 。想像力」「ちい さい ものへのや さしさ、思いや り」な どの、人間の成長過程 の心 の育 ちに、アゲハ との出会 いが重要 な役割 を果た している と述べてい る。また、飼育 にお い ての直接体験 を行 うことによ り、描画活動 の変化 は、活動前 はアニ ミズム的 なものだつ たが活動後 は飼育物 を的確 に表現 した ことや、ジェスチャー表現 に対 しては活動後 は飼育 (17) 物 の細かい表現 も行 われた ことを述べてい る。 さらに、アメ リカの海洋生物学者 で作家 の レイチ ェル・L.カー ソン(1993)は、晩年 、子 ども との関わ り方 について、『 セ ンス・ オブ 。ワンダー』 を著 した。 その書 の中に、 「生 まれ つ きそなわってい る子 どもの “セ ンス 。オブ・ ヮンダー=神
秘 さや不思議 さに 目をみ は る感性"を
いつ も新鮮 にた もちつづ けるためには、わた したちが住 んでい る世界の よろ こび、感激 、神秘 な どを子 どもと一緒 に再発見 し、感動 を分 かち合 って くれ る大人が、す くな くともひ とり、そばにい る必要があ りますJと
い う一説 がある。(1の保育園 におい て、 保 育者 は、 ここで言 うところの大人 に成 り得 る存在 で ある。保 育者 が子 どもた ちの感 性 に 寄 り添い、一緒 に発 見の喜びや感動 を分 か ち合 う感性 を持 つ と共 に、 自然体験活動 にお け る リー ダー の役割 を理解 し、スキル を習得す ることに よ り、幼児 の 自然体験活動の意義が よ り広が りを持つ もの とな る と考 える。 この よ うに、子 どもに とって 自然へ の感動 に共感 して くれ る大人の存在が重要であると考 える。 しか しなが ら、井上(2008)は、保 育現場 において、若年 の保 育者 達 には子 どもに 自然 を十分 に伝 え られ る実践技量 がない こ とを指摘 してい る。 そ こで、保 育者 の 自然体験活動ヘ の知識や技量 を高 めるための研修 の重要性 を述べてい る。(lの 田尻(2004)は、幼児期 に 自然 体験 が必要 である こ とは、保 育者養成校 の指導者 も良 く理解 してお り、養成 内容 に も 自然 体験 を充実 させ る授業 を取 り入れ る重要性 は理解 してい る。 しか し、現状 はカ リキ ュ ラム の多忙 さ、 自然 を机上 に持 ち込む こ との難 しさ等 が理 由で、実践 され ていない と述べ てい る。(19) さらに、遠藤 ら(2003)は担任 が飼育物 の管理 を負担 に感 じてい る こ とや、適 正飼養 のな さ、昆虫嫌 いか ら、小動物 を短期 間で飼育 してい る園は比較 的少 ない と調査結果か ら述ベ てい る。ゆのまた、栗原 ら(2008)は、飼 育 当番 とい う形 にせ よ、 自由に触れ合 うにせ よ、何 よ り大切 な ことは、生 き物 と触れ合 う経験 を積み重 ねてい くことが大切 である と述べ てい る。 しか し、学生へのアンケー ト調査 によ り、昆虫嫌 いな学生が 58.2%もい ることが分か つた。 この ことは、子 ども と昆虫 との関わ りにお ける援助等 に影響 を及 ぼす こ とも考 え ら れ る。 日常的に昆 虫は、 どの保育現場 において も見 られ るものであ り、子 どもたちも興味 を示 す身近 な生 き物であるので保育者 になつた ときの関わ り方が重要 となって くる と述ベ てい る。°D井上 ら(2009)も、動物飼育の実施 には既存 の設 定環境 よ り保育者 の意図が重要 で あ るこ とや、地域や幼保 、公私 にかかわ らず、保 育者が動物飼育 の意義 と正 しい飼 育方 を理解 し、実践に導入反映 させ てい くこ とが必要で あると述べた上 で、保育者養成 の時点 で保育者志望学生の飼育経験や動物観 が望 ま しい状況 でない ことや 、生物形態 の認識 力 も 低 下傾 向で あるこ とを指摘 してい る。 さらに、それ を補 う養 成教育 が実施 され てお らず、 動物飼育経験や基礎知識 がないまま現場 に出てい る実態であることを述べてい る。ゆ" ここまでの先行論文等で、 自然体験活動 は子 どもに とつて有益な面が多いが現状では減 少傾 向 にあ り、保育現場で も、 自然 を十分 に伝 え られ る実践技量がない保育者 が増 えてい るこ とが分かってきた。では、現代の子 どもが幼児期 に、個人差はあれ ど多 くの時間を過 ごす幼稚園や保育所 で充実 した 自然体験活動 を経験す るためには、 どの よ うな環境が望 ま しいかを本研究で考 えてい きたい。 注 (1)岡本夏木 (2005)『幼児期』岩波新書
pp.156157
(2)文部科学省 (2006)『体験活動 とは』豊かな直接体験推進事業 (3)愛 知県幼児教育研究協議会(2006)『幼児が「命」を感 じるために』 (4)文部科学省 (1996)『生きる力』の答 申の叙述 中央教育審議会 (5)飯島 敏 文 (2000)『 情報化社会 にお ける子 どもと教育』 大阪教育大学紀要. 49(1).59-67 (6)文部科学省 (1996)『青少年の野外教育の振興に関する調査研究者会議』 (7)幼稚園教育要領、第1章総則の2幼稚園教育の 日標 (3)(8)保育所保育指針第 1章 総則、1保 育の原理の
(1)保
育の目標 (9)ペーター・ヘフナー (2009)『 ドイツの自然 。森の幼稚園』公人社pp.94
(10)中 央教育審議会 (2008)『 青少年の現状等について』(11)ボ
ーイスカウ ト日本連盟『 ボーイスカウトとは』http:/んw.scout.or.jp /index.htm1 2014.1.6 (12)田 尻由美子(2005)『自然 とかかわる保育で育つ力についての評定基準と実証 的研究の試み』精華女子短期大学研究紀要.31.2735
(13)山 本裕之、平野吉直、内田幸一(2005)『幼児期に豊富な自然体験活動をした 児童に関する研究』国立オ リンピック記念青少年総合センター研究紀要.5. 69-80(14)坂
井 田節 (1991)「動物 の飼育体験が幼児 の思考 の発達 に及 ぼす影響」 聖徳 学園岐阜教育大学紀要.22.203-212
(15)坂
井 田節 (2002)「園外保育 のい もほ り体験 が幼児 の絵画表現 に及 ぼす影響」 岐阜聖徳 学園大学紀要.41.111
(16)山 下久美 首藤敏 元 (2005)『幼稚 園・保育園 の動物飼 育状況 と飼育体験効 果 に関す る研 究展望 子 どものムシ との関わ りに関す る研究 に注 目して』埼 玉大学教育学部 附属教育実践総合セ ンター紀要.4.177-188 (17)レイチェル・L.カー ソン (1993)『センス 。オブ・ヮンダー』佑学社(18)井
上美智子 (2008)『 自然 とのかかわ りの観点か らみた現職保育者研修 の実 施実態』 教育福祉研究.34.1-6
(19)田尻 由美子 (2004)『「自然 とかかわる保育」の実践的保育指導力の養成 につ いて』 精華女子短期大学研究紀要.30.31-42(20)遠
藤 翠、中村 陽一 、渡邊 ユカ リ(2003)「幼稚園にお ける飼育の実態 に関 す る研究 2」 日本保育学会大会研究論文集.56.230-231(21)栗
原 泰子(2008)『
保育養成学生の動物 との関わ りについて』り│1村学園女 子大学研究紀要.19(2).2738
(22)井
上 美智子 。無藤 隆 (2009)「幼稚園 。保育所 における自然体験活動 の実 地実態2-動
物飼育の実態―」教育福祉研究.35.17
第1章
研究の 目的 及び 方法第
1節
研 究の 目的 自然体験活動 を園児 に とつて充 実 した もの にす るには、前述 した よ うに子 ども達 に関わ る人的環境 が重要 になって くると思われ る。園児 に関わる身近 な大人 の一人 である担任 が、 自然体験活動 を計画 した り、 日常 にある身近 な 自然事象 に共感 た り、一緒 に感 動す る こと が理想 である。しか しなが ら、虫嫌 いな養成校 の学生が多いこ とや適正 な飼養 のな さな ど、 保 育現場 において、若年 の保 育者 達 には子 どもに 自然 を十分 に伝 え られ る実践技量が ない こ とが指摘 されてい る。 そ こで、保育現場 において充実 した 自然体験活動 を行 なってい くには、担任 が どの よ う な研修 を受 けれ ば良いかを調べ る とともに研修 内容 を開発 し、その効果 を分析 してい く。 その結果 、今後 の保育現場 の 自然体験活動 をよ り良い ものにす るた めに役立つ ことを 目的 とす る。足立 ら(2007)は保 育養成校 の学生 を対象 に 自然体験活動 の授 業実践 で学生た ちに、 どの よ うな変化 が あつたかをア ンケー ト調査 してい る。結果 として、学生た ちの自然への 意識 が向上 し意義 が ある満 足度 の高い演習 になった こ とが述 べてい る。(Dまた、峰 ら(1998) は、園内外 の 自然環境 を活用す るための保育者対象 の講義形式での園内研修 をおこない事 後 ア ンケー ト調査 を行 なってい る。 その中で4年
間行 なって きて園 内研修 の必 要性 と評価 は高まつているこ とを述べている。C21 この よ うに、学生対象や、保育者対象であっても講義式で座 学中心が多い ものであつた。 また、松 山 (2011)は園外研修 はた くさん あるけれ ど、「学んだ ことを振 り返 る ことが難 し い」「学んだ ことを、 うま く伝 え られ ない」「学びや気付 きを ど うや って 自園で活かせ ばよ いかわか らない」「園内で共有す る時間が もてない」「還元意識 がない」 と5つ
の問題 点を あげてい る。 この よ うな園外研修 での学びの実態 を踏 まえ、職員同士が 「互い に学び合 う」 場 としての 「参加型 園内研修」 の提案 を行 なってい る。③ そ こで、本研 究の園内研修 では、園内の フィール ドで実際 に保育者 が 自然体験活動 を行 い楽 しむすべ を感 じ取 つて もらう体験型研修 を主 としてい る。 さらに上記の こ とも踏 まえ た情報 (意識)共
有型研修 も同時 に行 つてい く。この園内研修 で、保 育者 の意識や実践力、 子 どもとの関わ り方 が どの よ うに変化 してい くか を探 ってい きたい。 第2節
研 究方法 上記 の 目的 よ り、保育実践 を行 う保育者 に とつて 自然体験活動 にお ける研修 が必要 であ るこ とを述べてきたが、実際 に どの よ うな研修 が効果的なのか。Y保
育園で月 に1回
1年 間 に計 11回 の 自然体験 に関す る園内研修 を実施 し、その効果 を以下 の方法で調査 した。1.研
修 内容。対象
:Y保
育園の保 育者 19名 を対象 (勤務年数5年
未満-3人
、5年
以上 10年未満-7
人、10年以上20年未満-7人
、20年以上-2人
) 。研修のね らい :基本的に園内の園庭や畑 な どで直接体験 しなが ら、参加 した保育者 自身 が 自然体験に興味が持 て るよ うな研修 を実施 。ジャンル :虫 。小動物、植物、砂・土 。水、 自然事象、五感 を使 った研修 。実施期間及び方法 :2012年 4月 ∼2013年 3月 の月一回、乳幼児が午睡中の 13時半∼14 時、14時半∼14時半2回で交代 して実施 下記 の表 の項 目の一つ で あるカテ ゴ リー は本研 究 の3つの柱 である直接体験型研修 ・知 識型研修・情報 (意識)共
有型研修 のいずれ かを示 してある。 2012年度Y保
育園で行 つた園内研修 の内容 月 日 ジ ャンル 内容(詳細) カテ ゴ リー 1 4月 25日 虫、小動物 春の虫、小動物を探そ う(国内で虫探 しを してもらいケースに入れて図鑑で調べた) 直接体験型 虫のすみかを作ろ う 畑の端 に木の板を置きその下に集 まる虫を観察 した。 直接体験型 虫の特性、飼い方について(ダンゴムシは昆虫ではないこと、雄雌の見分けかた等) 輌識型 危険な生き物を知 る(身近で園児が触れ ると危険な虫についての知識 を付けてお く) 0識型 2 5月 28日 植 物 春の野草を知ろ う、遊ぼ う。(草笛を吹 く、草のアクセサ リーを作 る等) 直接体験型 春の畑の観察会 (春の畑で春の七草や栽培物を観察 した) 直接体験型 注意す る植物(身近で園児が触れた り食べた りしたら危険な植物の知識を付ける) 輌識型 野草でお茶を作つてみよう(カラスノエンドウやンロツメクサなどをお茶にして飲んだ) 直接体験型 3 6月 27日 砂、上 、水 砂団子作 りを しよ う 直接体験型 砂遊 び を しよ う(砂場 で普段子 ども達 が遊 んでい る砂 遊 び等 を実際 にや つてみ た) 首接体験型 田の観察会(夏野菜の観察 と栽培のポイン ト) 菫接体験型 虫の特性 、飼 い方 につ い て (かぶ とむ し、 カ タツム リ) 知識型 4 8月 2日 直物 麺ちゃんの土作 り〈野菜 くず と微生物を使 つて肥えた土を作る) 直接体験型 夏の畑の観察会(夏の栽培物の観察 と栽培のポイン ト) 直接体験型 色水 で遊 ぼ う(ジップ ロ ック を使 つた草花 の色水遊 び) 直接 体験型 8月 31日 砂、上 、水 尼遊 び を しよ う(畑で普段子 どもが行 つてい るlFL遊び を実際 にや ってみ た) 直接体験型 尼だん ご作 り(畑 の上 を使 つてツル ピカの泥団子 の作 つた) 直接体験型 トロ トロの泥 を作 つて遊 ぼ う(クリー ム状 の泥 を作 り遊 んだ) 直接 体験型 尼遊 び をす る際 の免疫 につ い ての留意 点 知識型 9月 26日 虫、小 動物 大の虫、小動物 を探そ う(コオロギ等を捕まえて、ケースに入れて観察 した) 直接体験型 鳥く虫の飼い方、特性を知 ろ う(コオロギ、鈴虫) m識型 大の畑 を観 察(秋仕込 み の冬野菜 の観 察 と栽培 のポイ ン ト) 直接体験 型7 10月 29日 植 物 どん ぐりで遊ぼ う、食べよう(ドングリを転が して遊んだ り、スタジイを食べた) 体験型 火の畑の観察 (冬野菜の観察 とポイン ト) 直接体験型 市、姫 りん ごを食 べ る(園内採 れ た果実 を味 わ う) 菫接 体験型 大の七草について(春の七草に対 しての秋の七草を知 る) 珈識型 興味の持続についての情報共有 (植物) 青報(意識)共有型 8 12月 5日 自然事象 自然事象 (夕日、月、虹、雲、影、空) 諷識型 影踏み遊び 直接体験型 工につい て(虹が出来 るメカニ ズム知 る) 0識型 尼団子、砂団子について(泥と砂の違いを知 る) 直接体験型 9 12月 27日 植物、五感 草木染め (ビワの葉の染め物 を実際に行 う) 直接体験型 ネイチャーゲーム(視覚、聴覚、触覚を使つた自然遊びを行 う) 直接体験型 1月 20日 砂 、土、植 物 詞庭にお絵描 きをしよう 直接体験型 物的環境の共有(砂場の遊び場環境を参加保育者で話 し合つて情報の共有をした) 青報(意識)共有8 木はなぜ紅葉す るのか、落葉す るのか 輌識型 3月 15日 総 合 1年間国 内研 修 しての振 り返 り 青報(意識)共有I
2.分
析方法(1)振
り返 り会 の 逐 語 録 分 析 ― 園 内 研 修 後 の 振 り返 会 を 逐 語 録 と して 起 こ し、コー ド化 した ものをカテ ゴリー分 け し関係性 を考察 した。(2)ア
ンケー ト調査 ― 園内研修 の事前ア ンケー トと事後 アンケー トの調査 を行 い、 それ ぞれ の分析 と事前事後 の比較分析 、個人 の変化 を事前 事後 ア ンケー トよ り分析 し考察 した。 注(1)足
立 心一、野崎 岡J毅、草薙 恵美子 、結城 孝 治 、松村 澄絵 、松 田 由理 子、 吉 田 充、黒阪 陽一、寺岡 真知子 (2007)「総合的 自然体験活動 の授業実践 とその検討 (2)」 國學院短期 大学紀要.25.A83-Al16(2)峰
岩男 、大沢 力 (1998)「園内外 の『 環境 』 を活用 す る為 の保育者研修 (Ⅳ):平
成9年
度H幼
稚 園 にお ける園内研修 の考察」 日本保 育学会研 究論文 集 (51)18C1181 (3)松 山益代 (2011)『参加型研修 のすす め』 ぎ ょ うせ いpp.27
第2章
結果 及び 考察第
1節
研修 実施後 の振 り返 り会 の質的分析2012年
4月 よ り1年
間行 つた園内研修 の振 り返 り会 として 3月 に感想や意 見交換 の時間 を持 った。保育園児の午睡 中に1回30分
の交代制 で前半 (9名参加 、以下 振 り返 り会① と示す)後
半 (9名参加 、以下 振 り返 り会② と示す)の
2回
の振 り返 り会 を行 った。 第1項
振 り返 り会① の分析 研修後 の検討 について以下の よ うに2段
階 に分 けて分析 した。 は じめに(1)は
振 り返 り会① の分析 よ り園内研修が参加保育者 に及 ぼす変化 についてである (図 1-1)。 次に (2) は振 り返 り会① の分析 よ り参加保育者 の変化 が、実践や子 どもの様子 に どう関係 している か分析 した ものである (図 1-2)。(1)保
育者 の変化 と体験型・ 知識型・ 情報 (意識)共
有型研修 の関係性 この項 では、前半1回
日(9人
)の
振 り返 り会① の内容 を質的分析 した。方法 としては ボイス レコー ダー に録 り、逐語録 に起 こ し断片化 した ものを コー ド化 しカテ ゴ リー分 け し た。その関係性 を分析 した ものを図示 した もの (図1-1)を
下記 に示す。(A)体
験型研修 `子 ども心に翼れる ・新鮮で楽 しい 。子どもの気持ちが分かつた ・面白かった ・体験 して楽 しき再発見 ・ 保育に活かせる 。ワクワク感を感じた 。自分が体験 して子どもに伝えられた 。楽しかったので覚えてい/● ・ 夢中になれる (率 構:2) ・ 知議・ 体験・ グループワークそれぞれ大切な研修の内容(3)知
識型研修 ・ 知 識1的な の も良か つた ・子どもに伝えると大入になつたときに生きて くる(率傷13) ヽ子どもの曖か らの知識的な経験 も大切 (事幌j3) ・ 原理や理屋が分かつて興味に葉がつた (事例i4) ・知識・体験・ グループワークそれぞれ大切な研修の内容 ・泥砂団子の作り方を知つている率で子どもに伝えられた{事偶:5) ・知らないことが知 られて新鮮(C)情
報 (意識)の
共有型研修‐ ・ ほかの人が言つていることを聞いて、なるほどつて思つた 。議 し合う機会があったら薗内の燎境もよくなる ・ 戦員同士で確認しあうという意味でもよい (事例:6) ,実 践を思い出せる(安全管理なども) ・ 漱見交換もしていきたい 図
1-1
研修実施後の振り返り会①の質的分析 1 保育者の変化 ‐― 実践に活かす ことが出来た 一 一――一一‐ 童1とする前 と後の四季の壼化を子どもたちiミ 議 しさせようとするなど言葉掛けが変わ つた。 ・砂団子 とか証 ん ごとが大人が知ってるか ら やっば り子供にも伝えれ るしそれで職びが 広が つた し,ないかなとおもいます. .子 どもたちの意見が織るように発閻的な 声掛け をするようになつた ・砂避びも型に入れ て型抜をす るだけ じゃな く パケツの なじるづ くりを子 どもと…絡にする ようになった. ギ ‐・ ‐・ ‐ 苦 手 だ つた 虫 が 克服 で きたヾ 壼が本 当i=著手なつたんですけど今年l■ 青虫を可妻がつて育てる ことができま した。 私 も虫書触 った りするのは何年ぶりか分か ら ない ぐらいなんですけども蒻修の中で虫の こと 薇えてもらつた り触 つた りする中で子 どもと ―轄に虫に要蛛 ●持 つた り憾れられ るよ うに なったん じゃないかなあと思います。 この前 も t餞児 さん とカプ トムシの幼虫を維った ときも あま り抵抗がなかったのもそのおかlfかr3‐と おもつています. ・虫が大好きな子供と一緒にトコトンまで な し探 しをす る機会 が増 え、私 も壼き 手 だ つ たけれどもこの研修を通して少しづつなれる 自然恐勁:=対す る意識が変わ つた ,大人が舞犠 を持つて難きになることで手 ども たちl二もつたわってい くんだなと思いま した. 普段なにげなく見ている自然事業でも議識 して みる ことができるようになった。それ は曇性が 良くなったん じゃないかなあと思えるようにも なつた。 襲務懸て壺の世話 をするのではなく どう変化 したかなな どと興味を持つて世話 を するよ う ■なるなど、餞育に対 しての意識が 変わ った, 一 計(A)体
験 型 研 修 、 10 上記の振 り返 り会①の逐語録の関係図の(B)知
識型研 修 、(C)情
報 (意識
)共
有型研修 を、い くつかの事例 をあげて考察す る。(A)体
験型研修 園 内研 修 の振 り返 り会① か ら、保育者 が研修 で直接 体験す るこ とで ―楽 しめた 。夢 中に なれ た 。子 ども心 に戻れ た等 が読 み取れ る コメン トは 「体験型研修 」 に分類 した。 そ して その分類 には以下の よ うな事例が あった。 事例1 「子 どもがや つてい ることで何がそんなに面 白いんや ろ うつて思 うこ とも実際やつてみた らこんなに楽 しかったんや って思 うこともあつた。色水 とかね。」 「さら砂づ くりとか も子 ども達なんでこんなに楽 しんで何回 もや るんや ろ うって思ってた け ど、 自分がや つてみた ら わ―楽 しいな―つて。J 「実際や った ら子 どもの気持 ちが分か るよね。楽 しさ再発見 とい うか。J 「わ―す ごい !とい う子 どもの頃のワクワク感が感 じられたのが良かつた と思います。」 事例 2 「や つぱ り保育 中って安全管理のためにいつぱいアンテナ をはっておかない といけないか ら自分が夢 中になる事 は難 しいけ どこ うい う研修 つてそ うい う夢 中になる機 会 が作れ るよ ね。」 考 察 これ は、振 り返 り会① の話 し合 いの中で、参加保育者 が園内研修 で色水遊びや砂遊 びを 実際大人 同士で行 なってみて、感 じた ことに対 しての コメン トである。通常保 育中に子 ど もた ち と共感 しなが ら一緒 に夢 中になって遊ぶ こ とができれ ばで きれ ば よい のだが、 実際 安 全管理や トラブル 回避 、子 ども同士 の様子 を観察 した り、保育 の準備や保護者対応 な ど 一つ の場所 で一つの遊びに没頭 しに くい現状がある。 そ こで、園内研修 で普段子 どもたち が楽 しんでい る遊 びや、新 しく取 り入れたい遊び を実際大人が直接 体験 し夢 中になって遊 んでみた。 その結果 、上記 の よ うな 「実際に夢 中になって遊 んだ ら面 白かつた。」 とい う声 が多 く聞かれた。保育者 を変化 させ るために、まず は 自然体験活動 においての遊び を直接 体験 し興味 をもつて、楽 しんで も らうことが有効 である と考 える。(B)知
識型研修 振 り返 り会① か ら、保 育者 が研修 で知識 を得 るこ とで 一興 味が持 てた 。実践 に活用 出来 た 。子 どもに伝 え られ た等 が読み取れ るコメン トは 「知識型研修」 に分類 した。そ してそ の分類 には以下の事例 のよ うな内容 の ものがあつた。 事例3知識 的な研修 も良かった よ。「子 どもた ちにこんな こと知 って るか?」 と自慢 げに 教 えてあげ られ た りした ら、先生す ごい と子 どもたちも思 つたのだ ろ うし、そ して 子 どもも、それ をおぼえるで しょ う。 それ を頭 の片隅に覚 えていた ら大人 に なった 時 にそれ が生 きて くる とお もいます。 考察 この事例 は2012年 8月 31日 の研修 内容 「泥だん ご作 り」で得た知識 を使 つて保育実践 した ことについてのコメン トである。実際のエ ピソー ドとしては園庭 の上 よ り畑の土 の方 が ツル ピカ団子 が出来 るといつた研修 を した。 そ して、その後 に保育実践で畑 の土 を使 っ て泥 団子 を作 った ところ子 ども達 が大喜びだった。保育者 が研修 で泥 団子 について得 た知 識 を使 い 自信 を持 って、子 ども達 に伝 える事 で活動 が以前 よ り充実 した。研 修 での知識 が 保 育者 か ら子 どもに伝 わ り、子 どもが大人 になった時 にも得 た知識 と経験 は生 きて くるこ とを事例 の中で も述べてい る。 ただ単に泥 団子作 りをす るの も楽 しい経験ではあるが、保 育者 が上の違 い について知識 を得 た。 そ うす るこ とで今 までザ ラザ ラのまま で終わつてい た泥団子 が ツル ピカにな り、子 ども達が さらなる感動体験す るためのキ ッカケになったの ではないか と考 える。 事例
4
砂 団子 とか泥 だん ごとか大人が知 って るか ら、や っば り子 どもに も伝 えれ る しそれ で 遊 びが広 がった じゃないかな とお もい ます。 事例 5 虹 の作 り方 とか、今までは どうや つた らできるかな― と方 向を試 しなが らや つていた け どもそ の理屈 がわかつたので よかった。 考察 この事例 4と 事例5は
、2012年 6月 27日 の研修 内容 「砂団子作 りを しよ う」、2012年 8 月 31日 の研修 内容 「泥だん ご作 りJ、 2012年 12月 5日 の研修 内容 「虹 を作つてみよ う」の 中で行 った虹作 りや砂 団子作 り、泥 団子作 りに対 しての振 り返 りの コメン トで ある。 それ ぞれ 、直接体験 し興味 を持 ち楽 しんで作 る研修 を行 つた。 そ して、 さらに知識型研修 とし て虹 の出来 る原理や、砂団子 と泥 団子 の違 いや上手 く作 るコツな ども理論的 に伝 えた。事 例4の
「大人が知 つてい るか ら」や、事例5にある 「理屈 が分かつた」 とい う発言は今回 の研修 の知識型研修 の効果 が出てい るこ とが考 え られ る。保育者 が原理や理屈 を理解 した 上 で 自然体験活動 を行 うことで、 よ り実践が充実 した ものになる と考 え られ る。特 に事例4の
泥 団子作 りで、ツル ツル にす る方法 を知 った参加保育者 た ちは研修 中に夢 中にな って 泥 団子作 りを楽 しんでいた。 上手 く泥 団子 を作 る方法や ピカ ピカに光 る原理 な どを知 つて 12泥団子作 りに興 味 を持 ち、それ を子 ども達 に伝 えたい と思 つた こ とが実践 に取 り入れ た要 因の一つ になったのではないだろ うか。 この よ うに、直接体験 しなが ら、そ の 中で理論 的 な知識 を得 ることが参加保育者の変化 に影響 したのではないか と考 え られ る。
(C)情
報 (意識)共
有型研修 振 り返 り会① か ら、保育者 が研修 で情報や意識 の共有 をす ることで 一 (情報)意
識 の共 有 が有用 で ある 。実践 を振 り返 るこ とがで き る等 が読 み取れ るコメ ン トは 「情報 (意識) 共有型研修」 に分類 した。 そ してその分類 には以下の よ うな内容 のものがあった。 事例 6 砂場 の こ とについて話 し合 った時 は 「この道具いい よね !」 とか、「ここに こんなも のがあった らいい よね !」 とかい ろい ろ話 し合 つた よね。職員 同士で確認 し合 うと い う意味で もいいか もしれへんね。 考察 この事例 は2012年 1月 20日 に行 つた 「砂場での物的環境 を考 えてみ よ う」 とい う研修 内容 に対 しての振 り返 り会① の コメン トである。研修 では、子 どもたちが普段使 ってい る 砂場 と遊 び道具等 の物 的環境 を使 い、実際 に保 育者 が楽 しみ なが ら砂遊 び を しなが ら環境 につ いて話 し合 った。 ジャンル と しては情報 (意識)共
有型研修 で あ る。事例6の中 にあ つた コメン トでは、子 どもた ちが普段使 ってい る砂場 の玩具や道具 を参加保 育者たちが実 際 に使 って遊 び なが ら情報や意識 共有 の為 の話 を してい る。普段 の保 育では、安全管 理や 全体 にアンテナ を張 り巡 らしなが ら保育 を行 つてい るため、 ゆっ く り砂遊び を した り、感 じた りした ことをゆつ くり共有す るための話 し合いが取れ ていない こ とが多い。 しか し、 この よ うな園内研修 の機会 に実際 に 自分た ちが道具 を使 って遊 んでみた り、その中で感 じ た りした こ とを、その場で話 し合 う機会 を持 った。振 り返 り会①の分析 (図 1-1)か らも、 情報 (意識)共
有型研 修 は保 育者 の変化 に効果 を持 ち、園内 の環境 を向上 させ るこ とにも 繋 が る有意義 な ものである と考 える。(2)保
育者の変化か らの発展 13振 り返 り会① の逐語録 を さらに分析 してい くと、保 育者 の変化が園全体 の変化 に ど う繋 が ってい くかの関係性 を拾い出す こ とができた。 カテ ゴリーで分 ける と、保 育者 の変化 、 研修後の実践、実践での子 どもの様子、園内研修 の今後であつた。 その関係性 を図示 した ものが下記 (図
12)で
ある。保賓者の変
{L
“操書者の書藁掛けが変わ つた “飼育 に対 しての意鋒が度わ つた 。興味 を持て るよううにな ‐●た ・ 虫に興味を持つたり幾れられるようになつた “大人の斃味が子どもに薇わると思った 。普段から自然率象を意識するようになつた 。感性がよくなつたように思う研修後 実銭
^議育実競 “載場実験 ・ 土作 け実離 Ⅲ躍団子実践 ・ 色水実l m ・ 虫探 し実饒 ・ 国鑑 機べ実践での子 どもの様子
研修内 容が子 ど もの興味 に繁が つた ・ トロ ■日なliCを作 つて雌んで いた ,危険 な虫を意 識する よ うにな つた 。藤庭の地蒟l_お 絵播 き “ネーチ ャを ゲーム “撤 生物 を使 つた土作 り ,お散歩 でも徹 生物 を懸 毬る ‐虫に機れ る、探 し ・ 爆の害 虫摯 リ ・ 野藁 とのお別れ 研修 内書が子 ど もの知裁 に餞が つた 。権れf_‐らい けない虫 を知 る 研隣内容が子 どもの活動の変lLに 盤 が った 。機 くことが警手な子 も結けた 研籐内容が子 どもと保育管 の共鰺に餞が つた "ふるもヽを砂:こ穆 りつ けてサ ラ砂 を作 る ・ さ ら攀の作 り方 ・ 発見の議購 らしさ 研修 内容が一時保 育の子 どもの変 《とに繋が った 。虫に散れ られ るよ うになつた 研修 内容 が在朧 児 と一時保 育児 を繋 げた ,砂の お城 づ くり´:
研修の次年度織続希望 図1-2国
内研 修後 の 振 り返 り会 の 質的分 析 考察 14研 修後 に保 育者 が子 ども達 と共 に研修 の効果 が考 え られ る実践 をい くつか行 つてい るこ とが分析 よ り明 らかになった。飼育実践 に繋がつたのは、実際研修 の 中で見つ けた虫を実 際保 育の 中で育ててみ よ うと思 つたので あ ろ う。 また栽培 については研修 内で畑 の栽培物 の育て方や畑 の変化 を
1年
間通 して見に行 った。 そ こで知 った こ とや体験 した ことを研修 後 に子 ども達 に伝 えた よ うで ある。 土作 りは、保 育 園全体 で取 り組 んだ活動 で あつた。 園 内研修で一度保育者 が体験 してい ることで、実践で子 どもた ち と活動す る時 に取 り組 みや す か った との声 が聞かれ た。泥団子作 り、色水遊 び、 虫取 りと図鑑調 べ は、 自由遊び の時 に気軽 に行 える内容 だつたので、設 定保育 ではない隙間の遊 び時間に行 えて良かった よ う で あ る。 また、実践の中での子 ども達の様子 も振 り返 り会① のコメン トとして出てきた。 そ の 中で も身近 にい る危険な虫たちを研修 で保育者 に伝 えた後、各 クラスに危 険な虫の写 真 を貼 る こ とになつた。 それ によ り、子 ども達 が峰 、ムカデ 、毛 虫な ど毒 を持 ってお り触 れれ ば危 ない生 き物 を意識 す るよ うになった よ うで あ る。 この よ うに、研修 が保育者 の態 度や意識 を変化 させ 、実践 に活 か され てい つた。 しか しそれ だ けでな く、子 ども達 の生 き 生 き とした様子 と危険認識等 の知識 にも繋 がつてい った。 それ を見た保育者 は さらに 自然 体験活動 の大切 さを感 じた よ うであ る。 そ して、それ を実証 す る意 見 として は、保育者 の 中か ら子 どもや 自分 た ちが楽 しく実践 に繋 が る今 回 の研修 を次年度 も引 き続 き行 って欲 し い とい う言葉 がでた ことである。 それは、保育者 自身が変化す る機会 にな り、それが子 ど もた ちの感動や園全体 の良化 に繋 が る と感 じてい るか らだ と考 え られ る。第2項
振り返り会②の分析
15研修後 の検討 について以 下の よ うに
2段
階 に分 けて分析 した。 は じめに(1)は
振 り返 り会② の分析 より園内研修 が参加保育者 に及 ぼす変化 についてである (図 2-1)。 次に (2) は振 り返 り会② の分析 よ り参加保 育者 の変化が、実践や子 どもの様子 に どう関係 している か分析 した ものである (図 2-2)。(1)保
育者の変化 と体験 型 コ知識型・ 情報 (意識)共
有 型研修の関係性 この項 では、後 半2回
日(9人
)の
振 り返 り会② の内容 を質的分析 した。 方 法 としては ボイ ス レコーダー に録 り、逐語録 に起 こ し断片化 した ものを コー ド化 しカテ ゴ リー分 け し た。 その関係性 を分析 した ものを図示 した もの (図2-1)を
下記 に示す。 (A)体験 型 研修 ・子とも心に漢つて行い楽しいつr_. ,実 際撻んで泰 しかったt ・県育申にできない くらい夢中l_なつて後べた。 `事 例 ', ・ 子どももが分か つた、 ・ 子ども心に戻れ た ・ 意れ ていた面 白さを思い音させて くれ た く専秘 │: ・ 思い存分豪 しめた 。またや りたいなと騒えた '体 捜出来て楽 しか つた ・案体験 して分かoた ・ 奥麟の為に自分 が体麟することが大研だと思 った く華例Oi ・ 自PIIが体験 して子 ども適に伝 えれた ,盤 び方や莞最の仕方が集 られて豊 しかった 。自盤の中で撻ぷ楽 しさが分かつた ,自 分たちも楽Lめて表滋 でも使 えそ う (3)知識型研修 .知らないことがいくつもあった 料学的な畑議研修t必 要だと思う ・ 焦墜な虫の写 =│よ子 どもた tjも灘巌 してみ ている ・ 知識 な勉舗になつた ・ 自議の酷 び方や虫の種 類も知ることができた. ・ 難盤が増えると自慢 した くなる .空 、大賤.鱗な_/の自銘事象の導偉小学校の墳習つたことを患い出 した1準察11, 豪燒けF‐・夕焼 けの事を 'じ れた知詳爾俸緩意織 するよ うJtなつた 者 (C)情報 (意識)の共有型研修 ・ 自分 と他の人の感 じ方の連しヽを知れ た ・ グルー ブ,一ウは情緯共有の場になる ・ 鮎 し合 うとい う場を持つ ことは大切である ・ む端動 を話 し合 うのは良う`つた。 (事 例12) ・ 保護者 に会の ことをど う伝えるかの織 し舎いtしたい(準傷12, ・ 結が経験 したことrrもとに したグループF7-ク│ま章見 も出やすい ・一方豹でiまな く、みんなが議員 していけるよ うな機会 モ作って いけたらいいね 。アイデアや、建でどう違んでいるかなど濾し全えたらいいよね:準側,3 ・ 人 と話 し合 う申で色 々共有できることがある 欅 例 う0' グルー プワークで話をしてキ ヤ ンチボルをする方が意ltがある ・ 先準や子どもたちの アイデアが集ま つて盤が りを持てた らいい 。子どもも大人も畑凝やや り方を真僚 して共有 した機 う●lよい 図ら1 研修実施後の振り返り会②の質的分析1
保育者の変4L ― 実践 に 活 か す こ とが出 来 た ・… 1 ・ 朝燒l■の 方や 夕擁 ltの 方 な ど子 供 と一 緒 に 見 る時 i=ち ょつ と意 識 す るよ うFi7●‐りま した 、 '今回め 研修 も十 分 楽 しか つた1サれ ども 自分た ち も 楽 しめ て子 ども た ち に どん どん お ろ して い1する よ う に で きれ「ずしヽい と思 い ま す.毬 酬
尋います。胤環
・研棒の中で虫を触る意義をゆつてくれたり するのt・ちょっと興味を持つてみようかなと おもつて見る機 になりました。 ・ 菫を餞ることを線に伝えるのはすごく難 し か つたですもう虫の蟻い母親Iま多い = ・私は饉とか無理やな一逆になは爆とか カマキリとかそ うゆ う覆 い物は行けるん やけどム=ョ ムニョしたものがもうダメで。 カ プ トムシの幼豊もダメやな一。 でも少 しずつ触 られる虫も増 えてきました " 自然活動l_対する蠍難が変わつた ・ 自然の申で菫ぶ楽 しさもわかつたし知識も ためになりま した。 ・私は記国子も良かつたけど、そういう知雄が 数えてもらつてん つて自構 したりして爆育の 中だけでなく普通にブライベー トの中で そうい う自然を見 る撃鮮の機鵞が変わつたような 気が します。f_‐の しくなりま した, “│●ヽ■ヽヽヽヽ■′ヽ‐■,バ■い│‐,,“● “●●●●│゛ヽ‐●●│′´ “`^"ヽ■ヽ‐●`"ヽ●●′∼‐ヽヽ●●4 ●●′ 上記の振 り返 り会②の逐語録の関係図の(A)直
接体験型研修、(B)知
識型研修、(C) 情報 (意識)共
有型研修のそれぞれでいくつかの事例をあげて考察す る。(A)直
接体験型研修 園 内研修 の振 り返 り会② か ら、保 育者 が研修で直接体験す るこ とで 一楽 しめた 。夢 中に なれ た 。子 どt)心に戻れた等が読み取れ るコメン トは 「体験型研修Jに
分類 した。 そ して その分類 には以下の よ うな内容の ものがあつた。 事 例7 16私 は泥 団子 が楽 しか つた。泥 団子 は小 さい頃 に作 った つき りで、実際園 の子 どもた ち もや つてい るの を見 る とす ごく必死になつてや つてい るのを見て、で も自分たちが一緒 になっ て必死 に作 つた りす る余裕 がな くて今回は結構楽 しめま した。」 事例 8 自分 たちが子供 との頃にや っていた面 白さを忘れ て しまって るん よ。作 るの も楽 しか った し、そのあ とに転が した りす る時に壊れて しまつた りして、これ ちょっ と悔 しいな― とか。 だか らこそ、 こ うい う園内研修の ときに思い存分泥団子な どを作れたか ら楽 しかったです。 考察 事例
7事
例8は
、泥 団子作 りの園 内研修 について コメン トした もので ある。 園内研 修 で は、園内の上 を使 つて、実際泥 だ らけにな りなが らツル ツル の泥団子 の作 り方 を教 えた。 参加保育者 たちは、保 育 中では出来 ない ほ ど夢 中になって 自分 の泥 団子 を作 っていた。研 修 時 間が終 わつて も 「まだや りたい !」 な どの声 が でた こ とか らも、楽 しか ったことが見 受 け られ た。 まず 、多数 の参加保 育者 は子 どもの頃 に泥団子 作 りを していた こ とを、思い 出 して楽 しめた よ うで あった。 そ こで、事例8の
よ うに作 つたあ と転 が した り、壊れ て し まった ときの感 情 を話 して くれた。 そんな幼少期 の思い出を懐か しみなが ら、改めて泥団 子 作 りを して、その時 には理解 していなか ったツル ピカにな る原理 を知 り実際 に試 してみ るこ とで驚 く程上手 くいつたので夢 中になった よ うであつた。方法 と材料 を選 べば、泥団 子 は誰 が作 つて もツル ピカ にな る。座学 で メカニズ ムを知 っただけで は興味や感動 に繋 が りに くい。直接体験型研修 の中で実際 自分 で泥団子 を必死 になって作 り、納得 い くものに なった とい う成功体験が子 ども達 とも実践 したい とい う意欲 に繋がったのだ と考 える。 事例 9 保育 にお ろす に して も実際 自分 が体験 してお くこ とつて大事や な と思 いま した。 自分 が体 験 していた ら子 ども達 に もこんなふ うにす るねんで と伝 える こともで きる し。 考察 実践9は
園全体 で取 り組 んだ畑 の土作 りについてで ある。 土作 りとは給食 室 か ら出 た野 菜 クズや雑 草 とボカシ (優良微 生物 をヌカで培養 した もの)を
混ぜ合 わせた物 を土に混ぜ 込 む と良い土が出来上が る とい つた もので ある。 この畑での土作 りは同年 に幼児全 ク ラス で取 り組む ことになっていたので、園内研修 で一度 体験 した ことは効果的であつた。座学 や参 考書 な どで知識 を得 るだけで実践す る よ り、一度 直接 体験す る こ とで実 践 しやす くな った とい う意見 を多数聞 くことがで きた。実際3歳
クラス、4歳
クラス、5歳
クラス のそ れ ぞれ の担任 は園内研修 を受 けていたため、微生物 を感 じ取 る為の言葉掛 けや実践の準備 や方法 を 自分 たちでお こな えていた。 色水遊 びで も実際保育者 が体験 した こ とで実践 に活 かせ た よ うで あ る。色水遊び は もと 17も と普通 の ビニール袋 に水 と花び らを入れ 、袋 の 口を結び 中の花び らを揉む と水に色 が溶 け出 して くる といつた ものであつた。しか し、今 回の研修 では普通の袋 をジ ップ ロック (ジ ッパ ーで 国の開 け閉めを簡 易 にで きる袋
)を
使用す ることを提案 し、実際に保 育者 がそれ で遊 んでみ る といつた研修 内容 であつた。 この提案 は普通 の袋では 口を結ぶ のに保育者 を 頼 り依存 した遊 び になって しま うのに対 し、 ジ ップ ロ ックを使 う事 で子 どもた ちが 自分 た ちで袋 の 回の開け閉めができ、水 の量の調整や色 々な花び らを主体的 に繰 り返 し試 して遊 べ る といつたものである。参加保育者達は 自分たちが直接体験 し色水遊びをす ることで、 ジ ップ ロックを使 う事で子 ども達 の遊びが どの よ うに変化す るかな どを話 し合 いなが ら、 その楽 しさを味わっていた よ うであつた。 その後、実践では2歳
クラスか ら5歳
クラスま でが取 り入れていた。 園内研修 で実際に保 育者が提案 され た物的環境 を使用 して遊 ん でみ るこ とが実践で取 り入れ られ る要因に繋がつた と考察 され る。(B)知
識型研修 振 り返 り会②か ら、保育者が研修で知識 を得 ることで一興味が持てた 。実践に活用出来 た 。子 どもに伝 えられた等が読み取れるコメン トは 「知識型研修」に分類 した。そ してそ の分類には以下のような内容のものがあつた。 事例10
危 険 な 虫 とか は写真 とか でや って くれ たか らお部 屋 に貼 つ てい る危 険 な虫の 写真 は よ く子 どもた ちが見 て意識 してい ます。「これ危 ない奴や!Jと
か言 い なが ら。 考察 4月 に危険な虫を参加保育者 に知 つて も ら うための園内研修 を実施 した。峰や毛 虫等 の 毒 の ある生 き物 の写真 を見せ 、そ の存在 を知 り特性 と刺 され た時 な どの対処方 を知識 型研 修 として取 り入れ た もので あつた。 その研修 で 「この危険 な生 き物 の写真 はお部屋 に貼 つ て子 どもたちにも知 つても らいたい。」 と参加保育者 か ら提案 がでたので、危 険な虫の写真 をA4用
紙1枚
にま とめて子 どもた ちが見 て覚 え られ るよ うに した。事例10は
、そ の写 真 を見 て子 ども達 が意識 す る よ うになった こ とを述べ てい る。 ま さに知識型研修で得 た知 識 が保育 の 中で活 か され た効果 で あろ う。 特 に この時 は参加 保育者 の方 か ら子 ども達 に写 真 で直接伝 えたい とい う意 見がでた。知識研修 が保 育者 に も子 ども達 の様子 に も良い効果 を示 してい る と考 えられ る。 事例11
18自然事象 の研修 のなかで、雲 の話 があつた じゃないです か、あれ とかホン トは小学校 の ときに習 っていて覚 えてることもあるんです よ。虹 のこととかも、水や りを していて こっちやねんね― とか。雲の高 さでの違 い とか 秋 の雲や ね とか。 考察 事例
11は
、研修 で得 た 自然事象 の知識 を、小学校 の時 に学 んだ知識 と重ね合 わせ た り、 保 育 中に水遣 りを してい る ときに意識す る よ うにな つた りした こ とを コメン トした もので ある。自然事象 は用意 しな くて も普段 の生活 の中で 日にす ることも多い内容 で ある。太 陽、 虹 、雲等 を今 まで見ていた ものを研修後 には少 しは意識 して眺めてい るよ うで ある。保育 で も子 どもと一緒 に共感 出来 る内容 としては、夕焼 けや影 な どを一緒 に見ていた。保 育 中 に部屋 に入 つて くる太陽の光で積み木の影や 、外遊びでの 自分 たちの影 の長 さに「わあ― │ 影 が こん なに長 くなって る !」 な どの言葉 が保育者 か ら出た り、夕焼 けの色や雲の形 な ど を子 どもた ち と見 た りしてい る姿が保育 中にあつた。普段 か ら眺めてい る景色 も、知識型 研修 にお ける 自然事象 の少 しの知識 と保 育者 の意識 があれ ば、子 ども との感動 体験 の一つ にな るのであろ うと考 え られ る。(C)情
報 (意識)共
有型研修 振 り返 り会②か ら、保 育者 が研修 で情報や意識 の共有 をす ることで 一意識 の共有が有用 で あ る 。実践 を振 り返 ることができる等が読 み取れ るコメン トは 「情報 (意識)共
有型研 修」 に分類 した。そ してその分類 には以下のよ うな内容 の ものがあった。 事例12
砂場 の環境 を考 えるグループ ワー クで話 し合 うとい うの も良かった し、虫の事 を 保護者 に どう伝 えてい くか とゆ うグループ ワー ク話 し合 いの場 が持 てたの も良かつ た よね。 考察 事例12で
は振 り返 り会②で、自然の大切 さや 虫に触れ合 うことの意義 を虫が苦手 な保 護者 に ど う伝 えた らよいのか とい う議題 が上がった。保育 の 中で親 に対 して 自然の こ とを ど う伝 えてい くかは、保育者 に とつて難 しい ことで あると分 かった。それ と同時に園内研 修 の効果 は子 どもとの実践だけでな く、保護者への発信 に も繋が るつてい くこ とも分 かっ た。園内研修 の中で職員が集 まつて 自然環境 について意見 を出 し合 う事の効果 は、意識 の 共有だけでな く園内の 自然体験活動の活性化 に繋が り、保護 者 に ど う伝 えるか を話 し合 っ た こ とで、園全体で 自然体験活動 を どう取 り組んでい くか を考 える機会 にもなった。この よ うに、参加保育者が個 々で成長 した りす るだけでな く、情報 (意識)共
有型 の研修 を行 うこ とで個人 としての問題提起 が園全体 に広が り、園全体 で意識す るよ うになった。 事 例13
19アイデ アを出 し合 うよ うな機会 だつた りとか畑で どうや つて遊んで るとか話 し合 える と 楽 しい よね。 自分 だけ持 ってい る情報や つた ら出て来 ない こ とも、人 と話 し合 う中で い ろいろ共有できることもあつた よね。 考察 事例
12と
違 い事例13は
、実践 中の遊 び の楽 しさを共有す る とい った ものである。保 育者 同士 で活動 を共有 しなが ら、話 を して考 えや アイデア、保 育実 践 の内容 を伝 え合 うこ とを楽 しんでいた。普段それぞれ の保育者 の 自然体験活動 の知識や情報 を じっ くり共 有す る機会はなかつた。 しか し今回、他 の職員 の持 ってい る情報 を得 るこ とがで き、 自分 自身 の実践 に も活かす ことが出来てい るよ うであつた。 これは、本研究 の情報 (意識)共
有型 研修 の効果 があった と考 え られ る。(2)保
育者 の変化 か らの発 展 20振 り返 り会②の逐語録 をさらに分析 してい くと、保育者の変化が園全体の変化にどう繋 がってい くかの関係性 を拾い出す ことができた。カテ ゴリーで分けると、保育者の変化、 研修後の実践、実践での子 どもの様子、園内研修の今後であつた。その関係性 を図示 した ものが下記 (図