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「ナノ構造発光材料/色素複合体におけるエネルギー移動:―直線偏光度の測定による評価―」

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Academic year: 2021

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(1)「ナノ構造発光材料/色素複合体におけるエネルギー移動   一直線偏光度の測定による評価一」 教科・領域教育学専攻 自然系コース(理科). M09179C 播磨 昇 はじめに.  近年、半導体物性の応用物理学分野におい. を世界で初めて確認することができた。さら. てホーラスシリコンやホーラスアルミナの研. にホーラスアルミナ/色素ナノ複合体におい. 究はそれ自体のフォトルミネセンスを発光デ. てもホーラスアルミナから色素分子へのエネ. バイスに利用することを目指しでなされてき. ルギー移動を、これまで用いられたことのな. たが、現時点ではレーザー発振条件を満足す. い直線偏光度測定による方法を用いて評価す. るまでの発光は、世界的に見て実現はされて. ることができた。. いない。そこで考えられたのがホーラスシリ コンやホーラスアルミナを母体として活用し、. 実験の手順. その固体中に混入した色素を発光させるとい. 1).試料の作成. う発想である。今回研究に用いたローダミン.  Si結晶の結晶面(100)に形成された酸化. 色素(Rh110)は既に液体状態で色素レーザ. ホーラスシリコン(OPSi)層、およびアルミ. ーに使用されているものである。. ニウム基板を陽極酸化して得られたホーラス.  一方、レーザー色素自体を光エネルギーで. アルミナ層に青色光吸収色素(青色色素). 励起するとき、その光エネルギー吸収帯の波. Rh110を混入して試料を作成した。. 長範囲が狭いのが欠点であることが既に知ら れている。そこで逆に母体自体のエネルギー. 2).発光スペクトノレの測定. 吸収帯が広くとれる性質を利用し母体から効.  作成した試料に励起波長514.5nmと. 率よく色素にエネルギーを移動させることに. 457.9nmのアルゴン(Ar+)レーザ]と励起. より色素を発光させるという方法が考えられ. 波長410nmの半導体レーザーを照射し、サ. ている。. ンプルから放射されるフォトルミネセンス.  そのような研究の流れの中で、本研究は母. (PL)を測定した。. 体から色素へのエネルギー移動の評価を直線 偏光度の測定とその分析による方法を用いて. 3).直線偏光度の測定. 行ったものであり、特に従来の研究では報告.  偏光方向が垂直方向に調整された各レーザ. されていない酸化ホーラスシリコンのファー. ー光を試料に照射し、PLの測定値から定義. ストバンドから色素分子へのエネルギー移動. 式に基づき直線偏光度Pを計算した。. 一346一.

(2)  次の図1.は色素を混入した試料にレーザー. 縞諭. 光を照射したときの母体の発光中心から色素.  今回の酸化ホーラスシリコン/色素ナノ複. 分子へのエネルギー移動の状況を表したもの. 合体の研究における実験は、青色発光(ファ. である。この場合、色素のフォトルミネセン. ーストバンド)OPSiサンプルから色素分子. スの励起光に平行な成分I〃と垂直な成分I⊥. へのエネルギー移動を直線偏光度の測定を用. から求まる直線偏光度Pの値は0.5以下とな. いて定量的に証明したものとしては、世界で. り、発光中心の直接発光のときよりも小さく. 初めての観測であると考えられる。これは. なる。. OPSiが色素に対する増感物質としても使用 できる可能性を示した点でも意味深い。. 発光中心            発光中心 ’. 〃 (双極子モ            (双極子モ メント). 、!.  一方、ホーラスアルミナ/色素ナノ複合体の. 1㌧4. E ’、               E 、 一. 研究では直線偏光度の測定を用いた方法によ.  ’、 、. (エノ              (エネルギー移動 〃 ^。  品ミ  (図1、)        PL がある場合). り母体から色素分子Rh11Oへのエネルギー 移動の存在証明をこれまでにナノ複合体で示.       色素分子            P」1一∫!く05. されたエネルギー移動に関する研究とは別の.              イー十∫⊥. 角度から示すことができた。. 結果と考察.  さらに、ホーラスアルミナが酸化ホーラス.  酸化ホーラスシリコン、ホーラスアルミナ. シリコンに比べて極めて秩序立った構造を持. は、共に色素を混入した複合体において母体. っていることがSEM画像などの解析から明. から色素へのエネルギー移動を示すと見られ. らかとなり、そのような構造の異なる母体に. る直線偏光度Pの低下を示す測定結果(図2.. 共通の色素を混入したそれぞれのナノ複合体. 参照)が得られた。          O.5. から発せられるルミネセンスの偏光成分の際 271eV{4579nm〕e貫。. 立った相違が、今回の研究の主題である直線.        ^o・4.        婁.        1111 レ. 偏光度の測定と分析によって初めて定量的に 確認されたと言える。.  このような色素ナノ複合体における未知の. (図2.酸化PSi 。.1. の場合)    。 1,5         2         2.5.    Pho−on8n6㎎ツ{eV〕. P値特性が何を意味し、そして何に由来する のかを理解し探求して行くことは、今後のナ.  さらに複合体からの発光は、エネルギー移. ノ複合体におけるエネルギー移動研究におけ. 動後の色素分子からの発光が支配的であり、. る新たな課題となるのではないかと希望する. その発光強度が母体の発光に比べて著しく高. ところである。. いことからエネルギー移動の大半は発光を伴 わないことが分かった。結果として母体から の非輻射型のエネルギー移動が関与している. 主任指導教員  庭瀬 敬右. と考えられる。. 指導教員 小山英樹. 一347一.

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