教師の賞賛が児童の内発的動機づけに与える影響 -賞賛のパターンに着目して-
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(2) 目次. 問題と目的・・・・・・・…. 1. 調査方法・・・・・・・・…. 7. 結果及び考察・・・・・・…. 9. 引用文献・・・・・・・・…. 25. 資料.
(3) 問題と目的 教師は、授業場面において様々な言葉かけをすることで、授業をより円滑に 進行しようと務める。しかし、授業は教師の実践経験や教師力によってのみ、 進行具合が規定されるとは考えにくく、教師と児童の相互作用が進行具合を規 定していると言っても過言ではない。なぜなら、教師と児童の相互作用は、授 業において必要不可欠なものであり、この相互作用によって児童は学習に対す る意欲を高めているとも考えられるからである。. 教師は授業の更なる円滑化と児童の学習意欲を向上させるための手段の一つ として、賞賛を行っていると考える。賞賛は、より親密な人間関係の促進とし ての働きもあるが、本研究において着目するのは、児童の学習意欲を向上させ 得る手段としての賞賛であり、「子どもの行動を高く評価することによって、そ の後においても高い価値を持つ行動に取り組むことを奨励する行為」(新井, 2002)である。上記の定義から、賞:賛が児童の行動を認め、自ら課題に取り組 もうとする児童の内発的動機づけをより高める効果があることが窺える。池田 (2003)は、児童の学;習意欲を育てる言葉かけとして、勉強ができるようにな. るという「自信をもたせる言葉かけ」と「考えることを大切にさせる言葉かけ」. を挙げている。前者は子ども自身に知的成長を意識させるような言葉かけが有. 効であるとし、後者は学習の結果ばかりを重要視するのでなく、学習の過程で 子ども自身が主体的に関わり、自ら考えることを大切にするような言葉かけが 学習意欲を育てるためにはより効果的であるとしている。また、坂本(1986) は、一人ひとりの発言を尊重し、それを生かす賞賛を行うことと学習過程に目 を向け、結果よりも過程での努力を賞賛することが効果的であるとしている。 このような論述は、向井(1994)においても見受けられ、結果よりも結果に至 る過程を含めた賞賛が児童の学習意欲をより高めるとしている。 教師は授業場面において、数多くの賞賛を児童に語りかけることにより、児 童の積極的行動やそれに対する評価によって児童の学習意欲を促進している。 そのような教育的な意図をもってされる賞賛はより円滑な学習内容の定着を図 り、児童自らが学習に向かおうとする姿勢を伸ばしていると考えられる。しか し、前述において有効な賞賛として取り上げられた賞賛も時として、有効的な 効果が認められないことがある。例えば、新井(2002)において取り上げられ た事例がこれに当たると考えられる。たまたまよい点数が得られたとき、「一生 懸命に勉強した」ことをほめられても、努力への期待感は伝わるが、児童は自 分のことを理解してくれないという思いから、的を外した賞賛は悪い結果にな. 1.
(4) り得る可能性がある。言葉は、受け手の立場やその場の状況、送り手と受け手 のこれまでの人間関係などにより、さまざまに解釈される可能性がある(池田, 2003)ことから、教師の賞賛も児童個人による要因や賞賛のパターンなどによ る影響を受け、児童一人ひとりの解釈が異なってくると考えられる。よって、. 児童の学習意欲を高めるための賞賛の要因の1つとして挙げた教師の賞賛のパ ターンに着目した検討を行うことによって、児童に応じた教師の賞賛が児童の 学習意欲に与える影響について考察できると考えられる。ここで、本研究では、 学習意欲を自ら積極的に学習に取り組もうとする気持ち(内部の動因)と捉え、. 学習意欲を内発的動機づけと捉える。内発的動機づけは「行動の目標が行動そ のものであり、また行動することが強化の働きをする動機づけ」である。言い 換えれば、「行動がひき起こされる活動以外の報酬に依存しない」場合が内発的 動機づけである。このように内発的動機づけを捉えると、賞賛が内発的動機づ けに影響を与えることは考えられない。そこで、内発的動機づけと対立する出 発的動機づけは「行動が外的に存在している目標・誘因により誘発され強化さ. れる動機づけ」であり、典型的な例として、賞、罰による動機づけが挙げられ ている。このように、心理学的意味から捉えると、賞賛は外発的動機づけに影 響を与えるものと考えられ、賞賛が内発的動機づけに影響を与えるものとは考 えられない。しかし、鹿毛(1994)によると内発的動機づけは外的環境に促進 的にも抑制的にも規定されるものであり、外からの働きかけと対立するもので はないとされ、内か外かという単純な二項対立的な図式で捉えることはできな いとしている。よって、賞賛が内発的動機づけ、痴話的動機づけのどちらに影 響を与えているかについて明示することはできない。そこで、鹿毛(1994)に よる内発的動機づけの定義を用いる。内発的動機づけとは、「自己目的的な学習 の生起・維持過程」であり、「熟達指向性」と「自律性」という二つの性質をあ わせ持っているものであるとしている。熟達指向性とは認知的動機づけ、好奇 心、挑戦、成就といった概念を統合したもので、知識を深めたり技能を高めた りする方向への学習を指向するという側面である。自律性とは自己決定の概念 化に基づくもので、自ら進んで学習に取り組むという側面である。内発的動機 づけをこのように定義づけることにより、教師が賞賛を行った後、児童自らが 進んで学習できるようになれば、賞賛が内発的動機づけに影響を与えると考え られる。よって、賞賛が外発的動機づけのみに影響を与えるとは考えにくく、 賞賛が内発的動機づけに影響を与える可能性を見出すことができる。そこで、 本研究では、内発的動機づけを上記のように定義し、授業場面における教師の 賞賛が児童の内発的動機づけに与える影響について、特に賞賛のパターンに着 目し、研究を行う。研究を行うに際して、教師の賞賛に着目した研究を取り上 げることで、本研究における課題を明確にしたいと考える。. 2.
(5) 教師の言葉かけの種類に着目した安達・上野・河野・芳賀(2000)の研究で は、小学校5年生を対象に児童がうれしいと感じる教師の言葉かけについて調 査を行っており、ヂえらいね」、「よくできたね」、「すごいね」などの賞賛の言葉. かけが成功場面においてうれしいと感じる言葉かけであるとしている。また、. 白石ら(2000)の研究では、幼稚園に通う3歳から5歳の幼児を対象に観察記 録を行った結果、3歳の幼児が「トイレに行きたい」と言う意思を教師に対し て伝えることができたとき、「ちゃんと言えるようになったね。上手だね」とい. う言葉かけを行っていることを報告している。これにより、幼児は自分でやっ てもできるという自信をもち、次への行動の意欲づけにもなり、賞賛が幼児の 自立を促す働きがあると推察している。. ここで取り上げた研究で報告された賞賛について見ると、安達ら(2000)に おいては、結果への賞賛のみが多く報告されている。安達ら(2000)の研究で は、アンケート作成時に事前に児童がうれしいと感じる教師の賞賛について自 由記述で問い、それに基づいた結果であるため児童がうれしいと感じる賞賛の 可能性の一つとして、結果への賞賛があると考えられる。安達ら(2000)の研 究は、賞賛が内発的動機づけに与える影響についての検討を行っていないが、 本研究の検討を行う上で賞賛の効果の一つとして押さえておくべきであると考 える。ここで、教師の賞賛と動機づけとの関連から賞賛の効果を検討したもの を次に挙げたい。. 教師の言葉かけが学習意欲又は動機づけに与える影響について検討し、教師 の言葉かけの効果について研究したものは、調査対象者の課題遂行量で学習意 欲の向上を考察する研究が挙げられる。このような研究は、調査対象者は幼児 から小学校高学年と幅広く研究がなされ、その中で賞賛は課題遂行量:を:増加さ. せる又は次の行動への意欲づけ(学習意欲の増加)となるとする研究が見受け られる。例えば、深井(1999)では、小学校2年分、4年生、6年生どの学年 でも言語的フィードバックを受けることによって生じる嬉しさの感情は、その まま意欲につながることが明らかにされている。また、桜井(1989)は小学校 6年生を対象に実験課題と質問紙により調査を行った結果、言語的報酬を与え ることによって内発的動機づけを高めることを明らかにしている。桜井(1989) は内発六一出発的動機づけ測定尺度(桜井・高野,1985)を実験課題用に作成 し、内発的動機づけの内部要素についての検討も行っており、言語的報酬を与 えることによって活動への楽しさを高めたことを明らかにしている。ここで、 実験課題で用いられた言語的報酬は「とてもよくできましたね、何秒ですよ」 を含め三つの賞賛であったが、いずれも結果への賞賛であった。このことから、. 結果への賞賛は内発的動機づけを高めると考えられる。. このように、教師の賞賛が学習意欲の向上や動機づけを高めるといった効果. 3.
(6) があることが明らかになっているが、主に賞賛を教師の言葉かけの種類の一つ として取り扱った研究のため、賞賛のパターンがあることに着目した検討を行 っていない。上記のような研究により教師の賞賛が学習意欲の向上や動機づけ を高める場合があることが明らかになったといえるが、具体的にどのような賞 賛が学習意欲の向上や動機づけを高めるのかについて更に検討する必要がある と考える。次に、教師の賞賛のパターンに着目し、教師の賞賛と児童の動機づ けについて論じた研究を取り上げたい。. 永田・三崎・森(2005)は、大学生を対象に、小学校時代に体験したほめ言 葉や叱り言葉とはどのような特徴を持つのか、さらにそれらは受け手の自尊感 情とどのように関わっているのかについて検討している。教師の賞賛に関連す る内容のみを取り上げると、事態の成立(実現)に至る過程に対する評価(努 力に対する評価)が最も回答数が多く、次いで事態に対する直接的なプラスの 評価、信頼感の伝達、目標の提示の賞賛の回答数が多かった。また、賞賛に対 する感じ方と自尊感情の関連では、賞賛によって受け手の自尊感情が満たされ るという結果を得ている。吉川・三宮(2007)は、大学生を対象に、学習場面 での教師(小学校、中学校、高等学校や塾・予備校の先生)と生徒・児童の言 葉のやりとりに焦点をおいて、学習に対するやる気をなくした言葉は何か、や る気が出た言葉は何かを調査し、ニミュニケーションの実態を明らかにしてい る。やる気をなくした言葉は、「お前じゃできないだろう」という「予想・判断」. に関する回答が最も多く、受け手に対する否定的な言葉や受け手に対する誤っ た認識に基づく言葉という特徴が見出された。また、やる気が出た言葉は、「国 語のセンスあるねえ」、「よく頑張りましたねえ」という「人物評価」に関する 回答が最も多く、受け手に対する肯定的な評価や言葉かけという特徴が見出さ れた。これらの研究は大学生を調査対象にすることで、小学校又は大学入学ま でに印象深く残っている教師の言葉かけについて調査した研究であるため、児 童に直接調査するものとは異なった研究であると捉えられる。ここで、永田・ 三崎・森(2005)の結果は、小学校の教師が行う賞賛は四つに分類できること を示し、それらの賞賛が児童期において印象深い賞賛であることを示している。 児童期において印象深い賞賛は、学習揚面においても行われていると考えると、 学習場面において印象深い賞賛とは学習への意欲が向上した賞賛と捉えること ができる。よって、小学校の教師が行う賞賛には、四つの賞賛のパターンがあ り、それらが児童の学習意欲を高めていると考えられる。 次に、幼児及び児童を調査対象とした研究を取り上げたい。奥山・新井(1991). は、小学校5年生、6年生を対象に教師の語りかけに関する調査研究を行って いる。やる気がでる教師の語りかけとして、「やればできるじゃないか」、「よく. できたね、次のテストも頑張れよ」といった賞賛が児童のやる気がでる語りか. 4.
(7) けとして報告されている。前者の賞賛は努力過程への賞賛であり、後者の賞賛 は目標提示の賞賛である。このことから、児童にとってやる気がでる賞賛には、. 賞賛のパターンがあることが窺える。井上(1990)は、小学校4年生、6年生 を対象に児童の正答に対する教師の言語的フィードバックが学習意欲及び対教 師感情に及ぼす影響について検討し、教師の言葉かけの一部として、賞賛を取 り上げているが、賞賛にも種類(下位カテゴリー)を設け、検討している。そ こで、賞賛の中では「よく発表したね」という回答内容にかかわらず回答した こと自体についてほめるものより、「○○(くん、さん)はよくできたね」と回. 答児童の能力をほめるものや「よく勉強しているね」と日頃の努力をほめるも のの方が、学習意欲や教師に対する肯定的感情を高めるのに有効であり、その 場での態度のような不安定な特性をほめるよりも児童の能力やβ頃の努力とい った安定した内的な特性をほめる方が効果的であるとしている。また、青木 (2005)は、就学前後の5歳から7歳の子どもを対象に、賞賛の好みの差異が 動機づけに与える影響について検討し、それぞれの年齢でポジティブに受け止 めることの多かった賞賛を受けると、作業量が増加するという結果を得ており、 賞賛の好みの差異が動機づけに影響を与えると示唆している。 上記のような研究により、教師が行っている賞賛は幾種類かのパターンによ って構成され、各々の賞賛によって異なった性質をもっているが、効果は一定 として学習意欲の向上や動機づけを高めることが明らかにされている。しかし、 このような研究において、教師の賞賛のパターンが児童の内発的動機づけに与 える影響については明らかにされているが、児童の学習意欲がどのような要素 において喚起されたのかについての検討はされていない。教師の賞賛のパター ンが内発的動機づけの内部要素に与えている影響についての検討をしなければ、 教師の賞賛のパターンにおける研究が十分であるとはいえないと考えられる。 なぜなら、教師が学習場面において児童の学習意欲を向上させようとして行っ た賞賛であっても、児童語らが課題に取り組めるようになることと賞賛を受け るために課題に取り組もうとすることは、共に学習意欲が向上したと教師は解 釈するが、その効果は異なっていると考えられるからである。よって、教師の 賞賛が児童の学習意欲のどのような要素を喚起しているのかについて検討しな ければ、教師の賞賛の効果がより具体的に示されたとはいえないと考える。そ こで、本研究では、児童の内発的動機づけの内部要素についての考察を行うた め、内発的動機づけの内部要素を挑戦心や知的好奇心などと捉えた内発的一面 発的動機づけ測定尺度(桜井・高野,1985)を用いることによって、教師の賞 賛が児童の内発的動機づけに与える影響について考察する。また、教師の賞賛 のパターンは永田・三崎・森(2005)で示されたように、小学校の教師が行う 賞賛は四つに分類できることから、この定義を用いることによって、教師の賞. 5.
(8) 賛が児童の内発的動機づけに与える影響について、特に賞賛のパターンに着目 し、考察する。. ここで、本研究で用いる内発的一外発的動機づけ測定尺度(桜井・高野,1985) を用いた研究として、桜井(1987)、桜井(1989)を取り上げたい。桜井(1987). は、小学校5年生、6年生を対象に、内発的一外発的動機づけ測定尺度(桜井・ 高野,1985)とコンビテンス測定尺度(桜井,1983)の学習に関する下位尺度 と賞賛・叱責パターンを測定する質問紙を用いて調査を行った。その結果、教 師の賞賛・叱責は両親と比べて影響が大きいことが明らかにされたが、結果と. 考察において、どのような賞賛が内発的動機づけに影響を与えているかについ ての言及はない。次に、桜井(1989)は上述したように、内発的一外発的動機 づけ測定尺度(桜井・高野,1985)を実験課題用に作成することで、結果への 賞賛が内発的動機づけを高める結果を得ている。しかし、賞賛のパターンに着 目していないという課題が見出される。桜井(1987)は、今後の諜題として賞 賛・叱責のパターンについてより詳細な質問紙を作成して検討することを挙げ ており、桜井(1987)及び桜井(1989)において検討されなかった内容につい. て、桜井(1987)と同様に調査対象を小学校5年生、6年生として主に教師の 賞賛のパターンに着目した検討を試みようと考えた。. よって、本研究は、調査対象を小学校5年生、6年生とし、賞賛のパターン を測定する質問項目と内発面一外面的動機づけ測定尺度(桜井・高野,1985) を用いて、授業場面における教師の賞賛が児童の内発的動機づけに与える影響 について、特に賞賛のパターンに着目し、考察する。また、授業場面の中から 先行研究において賞賛が特に印象深く残る場面、より効果を与える場面として 見受けられた成功場面を場面設定することで、賞賛のパターンによる内発的動 機づけに与える影響を考察する。それによって、授業場面において、学習意欲 に繋がる児童の内発的動機づけをより高めやすい教師の賞賛について実践的な 示唆を得ることを目的としている。. 6.
(9) 調査方法 調査対象. T県東部の公立小学校6校の児童。5年生159名(男子72名、女子87名)、. 6年生176名(男子99名、女子77名)の計335名(男子171名、女子164 名)である。. なお、計14名(男子8名(5年生1名、6年生7名)、女子6名(5年生4 名、6年生2名))を分析から除いた。 調査時期. 2007年11.月下旬 調査手続き. 「賞賛のパターンを測定する質問項則と「内発的一外発的動機づけ測定尺 度」が同時に実施された。学級ごとに担任が回答の仕方を説明した後、担任が 回答の開始の指示を行い、児童が質問項目を黙読し、回答する方式をとった。 回答の仕方や質問項肩の意味がわからない場合は、挙手をして、担任に確認し た。. 調査内容 ・賞賛のパターンを測定する質問項目 井上(1990)、奥山・薪井(1991)、安達・上野・河野・芳賀(2000)、永田・. 三崎・森(2005)の研究を参考に、場面及び賞賛のパターンを設定し、質問項 目を作成した。質問項目は、「あなたが、○○したとき、あなたの先生はどのよ うにほめてくれますか」という質問に、4つの賞賛パターンの中から、自分に あてはまるものを一つだけ選択する、という方式である。以下に、場面設定及 び賞賛のパターンの設定の内容について明記する。. 場面設定は、授業場面の中から先行研究において、教師の賞賛が特に印象深 く残る場面、より効果を与える場面として見受けられた成功場面を選定し、4 つの場面を設定した。具体的には、「授業中に発表して、よい意見が言えたとき」、. 「授業中に、あなたがノートをきれいに書いているのを先生が見たとき」、「あ. なたが積極的に手をあげているとき」、「テストでいい点数がとれたとき」の4 つである。. 7.
(10) 次に、賞賛のパターンの設定は、主に永田・三崎・森(2005)の研究を参考 に行い、各場面における賞賛を以下のように定義した。. ①結果への賞賛は、事態(結果)に対する直接的なプラスの評価を表す賞賛 である。rよい意見が言えたね」など事態(結果)を直接ほめるものを指す。 ②努力過程への賞賛は、事態の成立(実現)に至る過程に対する評価を表す 賞賛である。「がんばって、よい意見が言えるようになったね」など事態の成立 に至る意図的な過程(行為)をほめるもの(努力に対する評価)を指す。また、. 本研究では、①との区別を明確につけるため、「がんばって」という言葉を付記 することによって、努力に対する評価をより伝えやすい形式をとった。. ③信頼を伝達する賞賛は信頼感を伝えることで、当該事態(能力・結果)に 対するプラスの評価を表す賞賛である。「あなたなら、よい意見を言ってくれる と思っていたよ」など信頼感を伝達することでほめるものを指す。 ④目標提示の賞賛は、目標を提示することを通して、当該事態(能力・結果) に対するプラスの評価を表す賞賛である。「これからも、よい意見を言ってね」. などの閉標の提示(継続の示唆)をすることでほめるものを指す。. ・内発的一点発的動機づけ測定尺度. 内発三一外発的動機づけ測定尺度(桜井・高野,1985)を用いた。回答方式. は4項目の中から、自分にあてはまるもの1つだけを選択する、という方式を とった。なお、4項目とは「イ」の「あてはまる」、「イ」の「だいたいあては まる」、「ロ」の「あてはまる」、「ロ」の「だいたいあてはまる」である。. 本測定尺度は、挑戦、知的好奇心、達成、認知された因果律の所在(以下、 因果律の所在とする)、内生的一外生的帰属(以下、帰属とする)、楽しさ、と. いう6つの下位尺度で構成されている。挑戦は、困難な課題に挑戦しようとす る傾向を、知的好奇心は、拡散的好奇心により様々な課題に接近し情報を収集 しようとする傾向を、達成は、教師や友達に頼らずに課題に取り組もうとする 傾向を、因果律の所在は、ある課題を遂行する意図が個人によって引き起こさ れていると認知するのか、それとも環境によって引き起こされていると認知す るのかという傾向を、帰属は、ある課題をすることそれ自体が目的になってい る(内生的帰属)のか、それともその他に日的があり、そのために当該課題を することは手段となっている(外生的帰属)のかという傾向を、楽しさは、内 発的動機づけにより活動したときの楽しさを、それぞれ測定している。各下位 尺度は、5項霞で構成されている。. 8.
(11) 結果及び考察 賞賛のパターンを測定する質問項目 各揚面において、選択された教師の賞賛のパターンを場面ごとに集計した(表. 1,表2,表3,表4)。ほぼ全ての場面において、結果への賞賛が、教師の賞賛 で最:も多かった。. ここで、授業場面において、教師の賞賛のパターンに性別及び学年で差異が. あるかについて検討するため、カイニ乗検定を行った。場面1では、性差及び 学年差は認められず、場面4においても性差及び学年差は認められなかった。 場面2における結果への賞賛を選択した児童は女子に多く、目標提示の賞賛 を選択した児童は男子に多く、性差が認められた。また、結果への賞賛を選択. した児童は6年生に多く、目標提示の賞賛を選択した児童は5年生に多く、学 年差が認められた。場面3においては、努力過程への賞賛を選択した児童は女 子に多く、目標提示の賞賛を選択した児童は男子に多く、性差が認められた。. 表1.場面1における賞賛のパターン別人数 選択肢. 場面1. w年. ①. ②. ③. ④. 向島. 5年男子. 37(52.D. 16(22。5). 2(2.8). 16(22.5). 71(1◎0.0). 5年女子. 48(57.8). 14(16.9). 0(0.0). 21(25.3). 83(10◎.0). 6年男子. 60(65.2). 16(17.4). 2(2.2). 14(15.2). 92(100.0). 6年女子. 49(65.3). 14(18.7). 0(0.◎). 12(16.0>. 75(100.0). 合計. 194〈60.4). 60(18.7). 4(1.2). 63(19.6). 321(100.0). (カッコ内は、全体に占める割合を示す。単位は、%). ①:結果への賞賛②:努力過程への賞賛 ③:信頼を伝達する賞賛④:目標提示の賞賛. 9.
(12) 表2.揚面2における賞賛のパターン別人数 場面2. 選択肢. w年. ①. ②. ③. ④. 合計. 5年男子. 23(32.4). 12(16.9). 3(4.2). 33(46.5). 71(100.0). 5年女子. 58(69、9). 3(3.6). 2(2.4). 20(24.1). 83(10◎.0). 6年男子. 56(60,9). 10(10.9). 1(1.1). 25(27.2). 92(100.0). 6年女子. 58(77.3). 1(1.3). 1(1.3). 15(20.0). 75(100.0). 合計. 195(60.7). 26(8.1). 7(2.2). 93(29.0). 321(100.0). (カッコ内は、全体に占める割合を示す。単位は、%). ①:結果への賞賛 ②:努力過程への賞賛 ③:信頼を伝達する賞賛 ④:目標提示の賞賛. 表3。場面3における賞賛のパターン別人数 選択肢. 場面3. w年. ①. ②. ③. ④. 合計. 5年男子. 29(4◎.8). 11(15.5). 6(8.5). 25(35.2). 71(10◎.0>. 5年女子. 34(41.0). 24〈28.9). 1(1.2). 24(28.9). 83(100.0). 6年男子. 38(41.3). 22(23.9). 5(5.4). 27(29.3). 92(100.0). 6年女子. 24(32.0). 36(48.0). 1(1.3>. 14(18.7). 75(100.0). 三里. 125(38.9). 93(29.0). 13(4。0). 90(28.0). 321(1◎◎.0). (カッコ内は、全体に占める割合を示す。単位は、%). ①:結果への賞賛 ②:努力過程への賞賛. ③:信頼を伝達する賞賛④:目標提示の賞賛 表4.場面4における賞賛のパターン別人数 場面4. 選択肢. w年. ①. ②. ③. ④. 合計. 5年男子. 42(59.2). 12(16.9). 4(5.6). 13(18,3). 71(10◎.0). 5年女子. 56(67.5). 12(14,5). 4(4.8>. 11(13.3). 83(100.0). 6年男子. 62(67.4>. 14(15.2). 2(2.2). 14(15.2>. 92(100.0). 6年女子. 48(64.0). 17(22.7). 2(2.7). 8(10.7). 75(100.0). 合計. 208(64.8). 55(17.1). 12(3.7). 48(15.0). 321(100.0). (カッコ内は、全体に占める割合を示す。単位は、%). ①:結果への賞賛 ②:努力過程への賞賛 ③:信頼を伝達する賞賛 ④:目標提示の賞賛. 10.
(13) 内発的一外発的動機づけ測定尺度. 次に、内発的一外発的動機づけ測定尺度の下位尺度の項目について内発的動 機づけ傾向の高い反応から、4,3,2,1点と得点化し、各下位尺度の得点を算出し. た(表5)。各下位尺度の得点(以下、内発的動機づけ得点とする)及び下位尺 度の合計得点について、学年の主効果及び性の主効果、学年と性の交互作用に ついて検討を行うため、2要因分散分析を行った(表6)。 学年の主効果は、「知的好奇心」因子、「因果律の所在」因子、「楽しさ」因子. 及び「因子合計」において認められ、いずれの因子においても6年生の得点が 高かった。ここで、桜井・高警(1985)の結果と照合すると、桜井・高騨(1985). において得られた結果と合致していることが確認された。学年の主効果が認め られた因子からは、児童が外的な目標のために学習する傾向が見受けられず、 学習自体のもつ面白さによって学習に従事しようとする傾向が窺えることから、 児童の内発的動機づけ、特に「知的好奇心」、「因果律の所在」、「楽しさ」は加 齢に伴って高くなっていると考えられる。 性の主効果は、「挑戦」因子、「知的好奇心」因子、「達成」因子、「因果律の. 所在」因子において認められ、「知的好奇心」因子、片面律の所在」因子にお いては女子の得点が高く、「挑戦」因子、「達成」因子においては男子の得点が 高かった。ここで、桜井・高野(1985)の結果と照合すると、「挑戦」因子、「知. 的好奇心」因子及び「因果律の所在」因子において同様な結果を得た。以上の ことから、男子は困難な課題に挑戦しようとする、女子は自ら課題を遂行しよ うとし、情報を収集しようとする傾向が推察され、桜井・高野(1985)の研究. からも見受けられたことから、小学校高学年における男子、女子の学習への取 り組み方を示していると考えられる。. 11.
(14) 表5.各学年及び性別における内発的動機づけ得点の平均値、標準偏差 下位尺度. 知的. 挑戦. D奇心. w年・性男1. 5年男子 @{71}. 5年女子 @{83}. 6年男子 @{92}. 6年女子. 13.85 i4.7i). 12.22 i3.98). 13.24 i4、30). 12.64. @{75}. i3。84>. 合計. 12.97. o321}. i4.24). 達成. 因果律. フ所在. 帰属. 楽しさ. 因子合計. 12.99. 16.08. 12.11. 13.39. 14.24. 82.66. i3.69). i2.93). i3.60). i2.96). q3.51). i15。65). 15.11. 14.46. 14.04. 13.34. 14.95. 84.11. i2.91). i2.55). i3.83). i2.91). i3.15). i13.29). 14.11. 15.28. 13.84. 12.98. 15.47. 84.91. i3、36). i3、23). i3、58). i3、36). i3、20). i16、11). 15.48. 14.97. 14.92. 13.64. 15.75. 87.40. i2.71). i2.78). i3.06>. i2.88>. i2.97). i13.29). 14.44. 15.17. 13.76. 13.32. 15.13. 84.79. i3.30). i2.94). i3.65). i3.05). i3.24). i14.70). ({}は人数、()は標準偏差を表す。). 表6.内発的動機づけ得点についての分散分析結果 F値:〈1,317). 性の主効果. 下位尺度. 学年の 主効果. 交互作用. 5.54. 挑戦. *. 知的好奇心. 達成. 23,914. 4,375. **. *. 8,898. 4,120. **. *. 因果律. 14,324. i◎,780. の所在. **. **. 帰属 7,905. 楽しさ. **. 2,832. 因子合計. †. (** :p〈0.01、 * :p〈0.05、 † :p〈0.1). 12.
(15) 上記のような結果から、教師の賞賛のパターンの性差及び学年差が示され、. また内発的動機づけ得点においても各因子、因子合計において性の主効果及び 学年の主効果が示された。. 教師の賞賛のパターンが各場面において児童の内発的動機づけに影響を与え ているのであれば、教師の賞賛のパターンに主効果及び交互作用が見られると 考えた。そこで、各場面における内発的動機づけ得点について3要因(賞賛の パターン×性×学年)の分散分析を行った。各場面において、賞賛のパターン の主効果及び賞賛のパターンと他の要因との交互作用が認められ、教師の賞賛 のパターンと内発的動機づけの因子の関連について場面ごとに考察した。なお、 各場面における教師の賞賛のパターンと内発的動機づけ得点についてまとめた ものを表7∼表10に示した。 信頼を伝達する賞賛は、有効回答数があまりに少数だったため、以後の分析 では、用いないこととした。. 13.
(16) 表7.場面1における教師の賞賛のパターンと内発的動機づけ得点 下位尺度. 挑戦. 学年・ 性別・. 因果律 知的好奇心. 達成. 帰属. 楽しさ. 因子合計. の所在 14.49. 13.78. 16.62. 12.49. 13.41. 15.05. 85.84. (4.110). (3.03). (2.69). (2.66). (2,49). (2.57). (11.07>. 13.00. 11.19. 14.88. 10.88. 13.88. 13.06. 76.88. (4.84>. (3.85). (2,87>. (3.48). (2.28). (4.’07). (16.00). 13.38. 12.75. 15.88. 12.31. 12.81. 13.63. 80.75. (5。45). (4.51). (3.30). (4.85). (3.92>. (3.98). (19.86). 12.10. 14.67. 14.63. 13.83. 13.54. 14.56. 83.33. (4.15). (2.95). (2.49). (3.87). (2.79). (3.45). (14.38). 12.43. !6.00. 13.57. 14.43. 13.50. 16.43. 86.36. (4.05). (3.42). (3.6王). (4.54). (3,37). (3.16). 〈15.58). 12.33. 15.52. i4.67. 14.24. 12.76. i4,86. 84.38. (3.68). (2.36). (1.ア4). (3.38). (2.93). (2。10). (8.67). 13.18. 14.13. 15.23. 14.37. 13.30. 15.47. 85.68. (4.£0). (3.43). (3.21). (3.33). (3.£7). (3.32). (15.99). 12.13. 13.31. 15.25. 12.19. 12.38. 14.75. 80.OG. (4.54). (3,18). (2.44). (3.33). (3.72). (3.26). (16.69). 14.57. 14.93. 15.57. 13.71. 12.07. 16.21. 87.07. (4。69). (3.43). 〈4.36). (4.21). (3.47). (2.72). (17.10). 12.78. 15.73. 15.06. 15.04. 13.94. 15.88. 88.43. (3.83). (2.38). (2.69). (2.92). (2.85). (2.77). (11.87). .13.07. 16.00. 14.93. 15.50. 14.29. 15.79. 89.57. (3.00>. (1.84). (3.05). (2.98). (2.40). (3.19). (12.58). 11.58. 13.83. 14.67. 13.75. 11.67. 15.17. 80.67. (4.83). (4.13). (3,06). (3.67). (2.90). (3.66>. (18.07). ①{37}. 5年. ②{16}. 男子 ④{16}. ①{48}. 5年. ②{14}. 女子 ④{21}. ④{60}. 6年. ②{16}. 男子 ④{14}. ①{49}. 6年. ②{14}. 女子 ④{12}. ({}は人数、()は標準偏差を示す。). ①:結果への賞賛 ②:努力過程への賞賛 ④:目標提示の賞賛. 14.
(17) 表8.場面2における教師の賞賛のパターンと内発的動機づけ得点 下位尺度 挑戦. 学年・性別. 因果律 達成. 帰属. 楽しさ. 因子合計. の所在 ①{23}. 5年. 知的好奇心. 14.52. 13.74. 16.91. 12.52. 13.43. 15.09. 86.22. (4,54). (3.89). (2,73). (3.89). (2,98). (2.89). (15.60). 14.67. 11.83. 16.50. 12.00. 13.33. 13.83. 82.17. (3.75). (3。54). (2.58). (2.56). (2.84). (2,89). (1王.33). 13.39. 12.88. 15.42. 11.6i. 13.39. 13.97. 80.67. (4.81). (3.65). (3.00). (3.39). (2,82). (3.80). (15.54). 11.97. 15.19. 14.79. 14.19. 13.55. 14.78. 84.47. (4.20). (3.09). (2.69). (3.69>. (3.05>. (3.38). (14.77). 9.67. 12.67. 13.00. 12.67. 13.◎0. 13.67. 74.67. (4.51>. (2.08). (2.00). (3.21>. (1,00). (2.52). (11.15). 12.9◎. 15.10. 13.50. 13.65. 12.95. 16.10. 84.20. (2.86). (2.5D. (1.99). (4.31). (2.5{}). (2.G5). (7.98). 14.13. 14.93. 15.98. 14.59. 13.80. 16.16. 89.59. (4.06). (2.9£). (2.69). (3.17). (3.i6). (2,89). (i4.◎9>. 10.30. 11.3G. 13.80. 12.10. 11.7◎. 13.30. 72.50. (4.55). (4.03>. (3.61). (4.20>. (4.4◎). (3.37). (20,08). 12.28. 13.40. 14.48. 12.72. 11.68. 14.84. 79.40. (4.20). (3.43). (3.8D. (3.84). (2.93). (3.42). (15.20). 12.95. 15.66. 15.53. 15.19. 13.67. 16.07. 89.07. (3,98). (2.61). (2.5三). (3.10). (3.08). (2.85). (13.27). 12.OQ. 14.◎0. 14.00. 9.GO. 11.00. 12.GO. 72.00. 11.13. 14.67. 12.73. 14.27. 13.60. 14.73. 81.13. (2,95). (3.G2). (2.84). (2.66). 〈2.16). 〈3.31). (11.63). ②{12}. 男子 ④{33}. ①{58}. 5年. ②{3}. 女予 ④{20}. ①{56}. 6年. ②{10}. 男子 ④{25}. ①{58}. 6年. ②{1}. 女子 ④{15}. ({ }は人数、()は標準偏差を示す。). ①:結果への賞賛②:努力過程への賞賛④:目標提示の賞賛. 15.
(18) 表9.場面3における教師の賞賛のパターンと内発的動機づけ得点 下位尺度 挑戦. 学年・性別. 知的妊奇心. 因果律 帰属. 楽しさ. 因子合計. の所在 14.59. 13.24. 16.83. 11.66. 13.31. 14.66. 84.28. (4,41). (3.94). (3.07). (3.35). (2,90). (3.33). (15,95). 12.55. 13.00. 14.64. 11.55. 13.45. 14.36. 79.55. (4。52>. (3。10). (2,34). (3.08). (2.98). (2.91). (12.71). 13.08. 12.12. 15.96. 12.84. 12.68. 13.08. 79.76. (4.95). (3.57). (2.67). (3.83). (2.70>. (3、80). (正4.81). 12.00. 15.56. 14.44. 14.◎6. 13.71. 14.82. 84.59. (3.89). (3.45). (3.07). (4.39). (3.32). (3.68). (15.31). 11.88. 14.92. 14.67. 14.04. 13.17. 14.92. 83.58. (4.55). (2.67). (1,99). (3.91). (2.90). (3.03). (13。31). 12.75. 14.79. 14.25. 14.00. 12.9ゑ. 15.17. 83.88. (3.61). (2.28). (2.38). (3.06). (2.34). (2.6G). (10.73). 13.82. 14.53. 15.76. 14.71. i3.11. 16.11. 88.03. (4.76). 〈3.57). (3.39). (3.65). (き.6ゑ). (3.%). (i7。75>. 12.86. 13.95. 15.77. 13.23. 13.23. 15.64. 84.68. (4.32). (3.85). (3.07). (3.13). (3.75). (3.71). (17.91). 12.52. 13.52. 14.41. 13.07. 12.52. 14.48. 80.52. (3.94). (2.85). (3.2G). (3.67). (2.87). (2.67). (12.71). 13.04. 15.50. 16.04. 15.13. 13.75. 15.75. 89.21. (3.69). (2。75). (2.10). (3.87). (3.44). (2.97). (15.27). 12.33. 15.81. 14.83. 15.03. 13.94. 16.00. 87.94. (3.53). (2.45). (2.70). 〈2.58). (2。53). (2.86). (11.26). 12.36. 14.71. 13.50. 14.57. 12.86. 15.14. 83.14. (4.86). (3.34). (3.48). (2.74>. (2.77>. (3。46). (14.99). ①{29}. 5年. 達成. ②{11}. 錫子 ④{25}. ①{34}. 5年. ②{24}. 女子 ④{24}. ①{38}. 6年. ②{22}. 男子 ④{27}. ①{24}. 6年. ②{36}. 女子 ④{14}. ({ }は人数、()は標準偏差を示す。). ①:結果への賞賛②:努力過程への賞賛④:目標提示の賞賛. 16.
(19) 表10.場面4における教師の賞賛のパターンと内発的動機づけ得点 下位尺度 挑戦. 知的好奇心. 達成. 学年・ 性別. 因果律 帰属. 楽しさ. 因子合欝. の所在 14.60. 13.31. 16.62. 11.95. 13.71. 14.88. 85.07. (4.59). (3.83). (2,77). (3.25). (2,64). (3.20>. (13.79). 12.58. 13.00. 15.08. 11.75. 12.75. 13.17. 78.33. 一. ①{42}. 5年. ②{12}. 男子. r. (4.34). (2.89>. (2,23). (3.11). (2.80>. (2。98>. (13.12). 12.69. 12.08. 15.77. 12.08. 12.31. 13.QO. 77.92. (5.17). (4.17). (3.54). (4.73). (3.50>. (4.45). (20.74). 12.64. 15.14. 14.59. 14.43. 13.89. 14.93. 85.63. (3.80). (3.08). (2。62). (3.77). (2.39). (3.23). (13,70). 11.50. 14.58. 14.42. 13.25. 13.08. 1各。0◎. 82.83. (4.60). (2.57). (2,11). (3.82). (3.73). (3.44). (13.71>. 10.64. i4.91. 13.27. i2.82. 11.27. 14.91. 77.82. (3.80). (2.91). (2.76). (4.26). (3,58). (2.34). (10.8Q). 13.66. 14.65. 15.66. 14.23. 13.34. 15.95. 87.48. (4,i4). (3.24). (£,9i). (3.53). (3.15). (含.91). (14.47>. 12.43. 13.21. 13.93. 13.00. 12.57. 14.0◎. 79.14. (4。27). (3。17). 〈3.34). (3.92). (3.18). (3.66). (18.22). 12.00. 12.79. 14.93. 12.86. 11.64. 15.07. 78.29. (4.77). (3.58). (4.01). (3.53). (4。40). (3.71). (18.58). 12.67. 15.58. 15.31. 14.81. 13.54. 15.75. 87.67. (3.54). (2。59). (2.43). (3.33). (2.94). (2.95). (13,48). 12.06. 15.47. 14.18. 14.82. 13.47. 15.41. 85.41. (4.29). (2.21). (3.36). (2.35). (2.62). (2.83). (io.37). 13.13. 14.38. 14.00. 15.13. 14.00. 16.13. 86.75. (4.49). (4,10). (3.G2). (2.85). (3.46). (3.94). (17.03>. ④{13}. ①{56}. 5年. ②{12}. 女予 ④{11}. ①{62}. 6年. ②{14}. 男子 ④{14}. ①{48}. 6年. ②{171. 女子 ④{8}. ({ }は人数、()は標準偏差を示す。). ①:結果への賞賛②:努力過程への賞賛④:目標提示の賞賛. 17.
(20) 場面1 児童が「発表して、よい意見が言えた」に対する教師の賞賛 場面1における分散分析及び下位検定の結果をまとめたものを表11に示した。 「帰属」因子は、賞賛のパターンの主効果が認められた。ライアン法による多 重比較(以下、主効果及び交互作用が認められた因子はライアン法による多重 比較を行った)を行った結果、結果への賞賛及び努力過程への賞賛を選択した 児童の得点は、目標提示の賞賛を選択した児童の得点に比べ有意に高かった。 「知的好奇心」因子、「因果律の所在」因子、「楽しさ」因子及び「因子合計」. は、賞賛のパターンと性の交互作用が認められた。多重比較を行った結果、f知. 的好奇心」因子及び「因果律の所在」因子においては、結果への賞賛を選択し た男子の得点は、努力過程への賞賛を選択した男子の得点に比べ有意に高かっ た。しかし、「楽しさ1因子及び咽子合計」においては有意な差は認められな かった。賞賛のパターンと学年の交互作用及び賞賛のパターンと性と学年の交 互作用は5%水準では有意な差は認められなかった。. 表11.場面1における分散分析の結果及び下位検定の結果 挑戦. 知的二二心. 達成. 因果律 帰属. 楽しさ. 因子合計. *. *. h。s. h.s. フ所在. A. *. A×B. **. *. 男子. 男子. ①〉④. @〉②. @〉②. A〉④. AXC A×B×C 下位検定結果 @(Pく0.05). (** :p<0.01. * :p<0.05). A:賞賛のパターン B:性 C:学年 ①:結果への賞賛②:努力過程への賞賛④:目標提示の賞賛 「知的好奇心」因子及び「因果律の所在」因子において得られた結果から、 結果への賞賛を行うことは男子に対して努力過程への賞賛を行うことに比べ、. 自ら学習する意欲を高め、他の課題も行ってみようとする児童の内発的動機づ. けをより高めることが示された。これは、場面1において、男子にとってよい 意見が言えたという結果を直接認めることの方が、男子の自ら知識を深めよう とする学習態度を認めることとなり、「またよい意見を言えるように頑張ろう」. という気持ちに繋がることを示していると考えられる。「帰属」因子において得 られた結果から、結果への賞:賛及び努力過程への賞賛を行うことは目標提示の. 賞賛を行うことに比べ再びよい意見を言おうという児童の内発的動機づけをよ. 18.
(21) り高めることが示された。教師が再びよい意見を言ってほしいという願望から 継続への示唆を示す目標提示の賞賛を行った場合、新井(2002)において取り. 上げられた事例と同様な解釈をすると、児童は自ら行動しようという気持ちを 削がれることが考えられる。教師からの意思表示は時に児童の重荷になること も考えられ、継続への示唆を示す目標提示の賞賛は場面1において特にこれに 該当すると考えられる。それに比べ、結果への賞賛及び努力過程への賞賛を行 うことは、児童の学習態度、結果そのものや努力過程を評価することで認める ことになるので、児童自ら行動しようという気持ちを尊重することとなる。以 上のような見解から、結果への賞賛及び努力過程への賞賛を行うことは目標提 示の賞賛を行うことに比べ、児童の内発的動機づけをより高めると考えられる。 場面2 児童が「ノートをきれいに書いている」ことに対する教師の賞賛 場面2における分散分析及び下位検定の結果をまとめたものを表12に示した。 「知的好奇心」因子、「達成」因子、咽果律の所在」因子、「楽しさ」因子及び. 「因子合計」は、賞賛のパターンの主効果が認められた。多重比較を行った結 果、「知的好奇心」因子、「達成」因子、「因果律の所在」因子及び「因子合計」. において結果への賞賛を選択した児童の得点は、努力過程への賞賛及び目標提 示の賞賛を選択した児童の得点に比べ有意に高かった。また、「知的好奇心」因 子において目標提示の賞賛を選択した児童の得点は、努力過程への賞賛を選択 した児童の得点に比べ有意に高かった。「楽しさ」因子においては、結果への賞 賛及び目標提示の賞賛を選択した児童の得点は、努力過程への賞賛を選択した 児童の得点に比べ有意に高かった。場面2において賞賛のパターンと他の要因 との交互作用は5%水準では有意な差は認められなかった。. 表12.場面2における分散分析の結果及び下位検定の結果 因果律 挑戦. 知的好奇心. 達成. *. *. A. 帰属. 楽しさ. 因子合計. *. **. フ所在 *魁. A×3 A×C A×8×C 下位検定結果. ①〉②. ①〉②. ①〉②. ①〉②. @〉④. @〉④. C〉②. @〉④. ①〉④〉② @(Pく0.05). (** :p<0.01. * :p<0.05). A:賞賛のパターン B:性 C:学年 ①:結果への賞賛②:努力過程への賞賛④:目標提示の賞賛. 19.
(22) 上記のような結果から、結果への賞賛を行うことは努力過程への賞賛及び目 標提示の賞賛を行うことに比べ、児童の内発的動機づけをより高めることが示 された。内発的動機づけの内部要素に着目すると、「知的好奇心」因子、「達成」 因子及び「因果律の所在」因子において同様な結果を得た。「楽しさ」因子にお. いて、結果への賞賛及び目標提示の賞賛を行うことは努力過程への賞賛を行う ことに比べ、児童の内発的動機づけをより高めることが示された。ここで、本. 研究における内発的動機づけの定義を用いると、結果への賞賛を行うことは努 力過程への賞賛及び目標提示の賞賛を行うことに比べ、「熟達指向性」つまり知. 識を深めたりする方向へ学習を指向する側面及び噛律性」つまり自ら進んで 学習に取り組むという側面の両側面をより高めていることが示された。場面2 において努力過程への賞賛及び則票提示の賞:賛を行うことは、新井(2002)に. おいて取り上げられた事例と同様な解釈をすると、教師の努力への期待及び継 続への期待を伝えることができるが、常に努力している児童にとっては「いつ もきれいにノートを書いているのに」といった児童の思いを理解していない賞 賛となっている可能性がある。よって、努力過程への賞賛及び目標提示の賞賛 を行うことが児童の日々の姿を見ていなければ不特定な内容を賞賛することに なるのに比べ、事態・結果を認められる、その場においてのみの評価を得られ る結果への賞賛を行う方が、児童の内発的動機づけをより高めると考えられる。. ここで、場面2と他の場面を比較すると、他の場面においては各学年、性別 における教師の賞賛のパターンにある程度の人数が確保されているが、場面2 においては努力過程への賞賛を選択した児童が顕著に少ない傾向にあった。し かし、場面に適合したより的確な賞賛を行う必要性を示唆するものとして必要 と考え、結果及び考察に取り入れた。. 20.
(23) 場面3 児童が「積極的に手を挙げている」ことに対する教師の賞賛 場面3における分散分析及び下位検定の結果をまとめたものを表13に示した。 「達成」因子は、賞賛のパターンの主効果が認められた。多重比較を行った結 果、結果への賞賛を選択した児童の得点は目標提示の賞賛を選択した児童の得 点に比べ有意に高かった。場面3において賞賛のパターンと他の要因との交互 作用は5%水準では有意な差は認められなかった。. 表13.場面3における分散分析の結果及び下位検定の結果 因果律 挑戦. 知的好奇心. 達成. A. 帰属. 楽しさ. 因子合計. フ所在. *. A×B A×C A×B×C 下位検定結果 ①〉④ @(P<0,05). (** :p<0.01. * :p<0.05). A:賞賛のパターン:B:性C:学年 ①:結果への賞賛②:努力過程への賞賛④:目標提示の賞賛 上記のような結果から、結果への賞賛を行うことは目標提示の賞賛を行うこ とに比べ、教師や友達に頼らず課題に取り組もうとする児童の内発的動機づけ をより高めることが示された。 場面3では、児童が「積極的に手を挙げてい る」ことを賞賛しており、積極的に手を挙げていることが賞賛されることによ って、児童は自分の立てた目標が達成され、剛票達成そのものが効果を持つた め、目標提示の賞賛を行うことに比べ結果への賞賛を行うことで自ら課題に取 り組もうとする児童の内発的動機づけをより高めると考えられる。 場面3は井上(1990)において用いられた場面と同様な場面を設定したが、 本研究においては、井上(1990)において得られた努力過程への賞賛が結果へ の賞賛に比べ、児童の内発的動機づけをより高めるという結果は認められなか った。井上(1990)は努力過程への賞賛が他の賞賛と比較して内発的動機づけ をより高めることを実証的に示しているが、調査から約20年経過していること や本研究の結果と合致しないことも含め、努力過程への賞賛が他の賞賛と比較 して内発的動機づけをより高めることについて再度検討する必要があると考え られる。. 21.
(24) 場面4 児童が「テストでよい点数がとれた1ことに対する教師の賞賛 場面4における分散分析及び下位検定の結果をまとめたものを表14に示した。 「達成」因子、「帰属」因子及び皇子合計」は、賞賛のパターンの主効果が認 められた。多重比較を行った結果、「達成」因子及び「因子合計」において結果. への賞賛を選択した児童の得点は、努力過程への賞賛及び目標提示の賞賛を選 択した児童の得点に比べ有意に高かった。「帰属」因子において結果への賞賛を 選択した児童の得点は、目標提示の賞賛を選択した児童の得点に比べ有意に高 かった。場面4において賞賛のパターンと他の要因との交互作用は5%水準では 有意な差は認められなかった。. 表14.場面4における分散分析の結果及び下位検定の結果 因果律 挑戦. 知的好奇心. A. 達成. フ所在 *. 帰属. 楽しさ. *. 因子合計 *. A×B A×C A×B×C 下位検定結果 @(P<0.05). (** :p<0.01. ①〉②. @〉④. ①〉④. ①〉②. @〉④. * :p<0。05). A:賞賛のパターン B:性 C:学年 ①=結果への賞賛②:努力過程への賞賛④:旨標提示の賞賛 上記のような結果から、結果への賞賛を行うことは努力過程への賞賛及び目 標提示の賞賛を行うことに比べ、児童の内発的動機づけをより高めることが示 された。内発的動機づけの内部要素に着目すると、「達成」因子において同様な 結果を得た。「帰属」因子において、結果への賞賛を行うことは匿標提示の賞賛 を行うことに比べ、児童の内発的動機づけをより高めることが示された。場面 4において、結果への賞賛を行うことは努力過程への賞賛及び目標提示の賞賛 を行うことに比べ、教師や友達に頼らず再びテストをがんばろうとする児童の 内発的動機づけをより高めることが示された。このことから、「テストでよい点 数がとれた」ことに対して教師は、結果への賞賛を行うことで再びテストをが んばろうとする児童の意欲を向上させることができると考えられる。教師がこ のような場面において効果的と考えがちな努力過程への賞賛は、教師が期待す る程の効果が得られにくい可能性を秘めていることが示唆されていると考えら れる。. 22.
(25) 総合考察及び今後への課題. 教師の賞賛が児童の内発的動機づけに与える影響について、特に賞賛のパタ ーンに着目した研究を行った結果、結果への賞賛が他の賞賛と比較して内発的 動機づけをより高める結果となった。また、教師の賞賛パターンと内発的動機 づけの内部要素について検討を行った結果、結果への賞賛は他の賞賛と比較し て教師や友達に頼らず課題に取り組もうとする内発的動機づけをより高める結 果となった。桜井(1989)において、結果への賞賛が児童の内発的動機づけを 高めることは明らかになっていたが、他の賞賛との比較を検討していないため、 本研究において得られた結果は、新たな視点を提示したと考えられる。ここで、. 井上(1990)はその場での態度のような不安定な特性をほめるよりも児童の能 力やβ頃の努力といった安定した内的な特性をほめる方が効果的であるとし、 努力過程への賞賛は結果への賞賛に比べより効果的であるとしている。しかし、 本研究の結果においては、授業場面特に成功場面で結果への賞賛が努力過程へ の賞賛及び目標提示の賞賛に比べより効果的であるという結果を得た。確かに 井上(1990)の記述のように、努力過程への賞賛は日頃の努力といった安定し た内的な特性をほめる行為である。しかし、授業場面において努力過程への賞 賛を行うには、児童の日々の姿を見ていなければならない。仮に児童の日々の 姿を見ずに努力過程への賞賛を行った場合、努力過程への賞賛は不特定な内容 を賞賛することになり、的を外した賞賛になる可能性がある。よって、児童の その場の姿、事実を認める結果への賞賛を行う方が児童の気持ちに沿った賞賛 であり、授業場面においてより効果的な賞賛と考えられる。 ここで、本研究の結果を踏まえ、二つの視点を提示したい。本研究の結果に おいて、結果への賞賛を行うことは努力過程への賞賛を行うことに比べ、男子. のみ「知的好奇心」因子及び咽果律の所在」因子をより高める結果になった ことを踏まえると、一つ目の視点として、児童の学年、性別を考慮に入れ、教 師の可能な範囲で児童個人に応じた学習意欲を高める賞賛を行うことが望まし いと考えられる。また、本研究において、結果への賞賛が他の賞賛と比較して より効果的である結果を得たが、結果への賞賛を行うのみでは児童の学習意欲 を向上させるための手段の一つとして賞賛を位置づけることはできないと考え られる。そこで、二つ目の視点として、教師は単一的な賞賛を行うことなく、 本研究において取り上げた四つの賞賛のパターンを最低限使い分け、児童の内 発的動機づけをより高める賞賛について模索する必要があると考えられる。教 師には、努力過程への賞賛を行うことカミ児童の内発的動機づけをより高めると. いった認識で、常に児童と接するのではなく、賞賛を使い分け、場面に応じて 賞賛のパターンの豊富さを活かすことで、児童の内発的動機づけをより高めて もらいたいと考える。以上のような視点を考慮に入れ、有効的な賞賛について. 23.
(26) 模索し、より友好的な人間関係を作り上げるためにも本研究において得られた 結果を踏まえ、各場面、児童に応じた賞賛を教師に行ってほしいと考える。 次に、本研究の問題点を踏まえて、今後への課題を考えたい。まず、桜井(1989)、. 井上(1990)、青木(2005)らの先行研究と本研究では、研究方法が異なって いる。具体的には、桜井(1989)は、教:師の賞賛が行われる前と後に質問紙を 用いることで、賞賛が内発的動機づけに与える影響についての考察をし、井上 (1990)は、教師の賞賛が行われることによる児童の学習意欲の高低の変化に ついて考察し、青木(2005)は、教師の賞賛が行われた直後の幼児、児童の作 業量について考察している。しかし、本研究は、教師の賞賛と内発的動機づけ を関連させ、教師の賞賛が児童の内発的動機づけに与える影響について考察し ているが、教師が賞賛を行った後に学習意欲が向上したというその場における 児童の反応(変化)について調査研究を行っていない。そのため、学校現場の 現状を踏まえ、新たな結果を得ることが出来たが、研究方法の違いから、本研 究は、教師の賞賛が児童の内発的動機づけに与える影響についての推測にすぎ ないと考えられる。今後への課題として、上記のような研究方法の違いを踏ま え、本研究で得られた研究の結果を深めるため、再度井上(1990)、青木(2005). のような研究方法で研究することによって、本研究で得られた視点が更に深ま ると考えられる。それによって、より実践的かっ実用的な賞賛を提示できると 考える。. 次に、各場面における人数に偏りが見られたことである。授業場面において、. 教師が行う賞賛には偏りがあると考えられるが、場面2の努力過程への賞賛を 選択した人数や信頼を伝達する賞賛を選択した人数があまりに少数だったこと を踏まえると、教師の賞賛のパターンについて考察するためには、本研究にお ける賞賛のパターンについての吟味が不十分であった可能性が考えられる。そ のため場面2において得られた結果は検討が十分であるとは言えない。よって、 今後への課題は、授業場面において、教師の賞賛に違いがある場面についてよ り吟味する必要があることと教師の賞賛について児童に事前のアンケートを取 るなどして、教師の賞賛のパターンについて明確に把握をする必要があると考 えられる。また、本研究で違いが認められた教師の賞賛について、より細分化 し、授業場面における教師の賞賛のパターンを新たに作成することで更なる検 討ができると考えられる。本研究における場面設定は、授業場面の中から成功 場面を取り上げたが、各教科によって教師の賞賛のパターンに違いがあること も考えられることから、授業場面の場面設定について吟味する必要があると考 えられる。以上のような問題点を踏まえ、再度検討することによって、本研究 で得られた視座に、確固たる意味づけがなされると考えられる。. 24.
(27) 引用文献 安達紀子・上野三千代・河野久美子・芳賀明子(2000).i教師の言葉かけと児童. の感じ方の関連1一場面ごとの児童がうれしいと感じる教師の言葉がけ一。目 本教育心理学会総会発表論文集, (42),60.. 青木直子(2005).ほめることに関する心理学的研究の概観.名古屋大学大学院 教育発達科学研究科紀要,心理発達科学,52,123・133. 青木直子(2005).就学前後の子どもの「ほめ」の好みが動機づけに与える影響. 発達心理学研究,16,(3),237・246.. 新井邦二郎(2002).ほめられたい・叱られたい子どもの心理.児童心理,56, (18), 2。11.. 深井奈緒(1999>.小学生の達成動機に与える言語的フィードバックの影響.日 本教育心理学会総会発表論文集,(41),498.. 池田洋士(2003).上手にほめて、認める教師.児童心理,57,(16),61・64.. 井上敏明(1990).児童の正答に対する教師の言語的フィードバックに関する研. 究一学習意欲および対教師感情に及ぼす影響一。兵庫教育大学大学院学校教 育研究科平成元年度修士論文(未公刊).. 河野久美子・安達紀子・上野三千代・芳賀明子(2000)。教師の言葉かけと児童. の感じ方の関連皿一児童の自己認知とうれしいと感じる教師の言葉かけの 相関関係一.日本教育心理学会総会発表論文集,(42),62. 鹿毛雅治(1994).内発的動機づけ研究の展望.教育心理学研究,42,(3),345・359.. 三宅和夫・北尾倫彦・小嶋秀夫(1991).教育心理学小辞典.有斐閣. 永田良太・三崎千尋・森敏昭(2005).子どもへの言葉かけに関する研究.学校 教育実践学研究,11,37・44. 中島義明・安藤清志・子安増生・坂野雄二・繁一算男・立花政:夫・箱田裕司(1999).. 心理学辞典.有斐閣.. 大宮俊恵・松田文子(1987)。児童の内発的動機づけに及ぼす教師の外的強化の 効果.教育心理学研究,35,(1),1・8.. 大元誠(1980).幼児の行動分析・・幼児の行動に及ぼす言語的フィ・ドバックの効 果.児童心理,34,(9),1503・1509.. 奥山和夫・新井邦二郎(1991).外発的動機づけからみた教師の語りかけに関す る調査研究.共栄学園短期大学研究紀要,7,45・53 坂本善一(1986).授業にかかわる叱り方・ほめ方.児童心理,40,(7),160・164.. 桜井茂男(1983).認知されたコンヒ。テンス測定尺度佃本語版)の作成教育. 25.
(28) 心理学研究,31,(3),245・249.. 桜井茂男(1987).両親および教師の賞賛・叱責が児童の内発的動機づけに及ぼ す影響.奈良教育大学紀要,36,(1),173・181. 桜井茂男(1989).質問紙法による児童の内発的動機づけに及ぼす言語的報酬と 物質的報酬の効果の比較.実験社会心理学研究,29,(2),153・159.. 桜井茂男・高野清純(1985).内発的一外発的動機づけ測定尺度の開発.筑波大 学心理学研究,7,43・54.. 向井敦子(1994).学習習慣を育てる上手なほめ方・励まし方.児童心理,48, (9), 48憶54.. 関口宏文(1996).教師の外的強化が児童の内発的動機づけに与える影響一賞賛 について検討一.旧本教育心理学会総会発表論文集,(38),190.. 自石敏行・武元英夫・一條孝夫・佐藤悦朗・井上孝之・大久保とし・熊谷恭子・ 佐藤昭彦・平澤和嘉子・由崎敦:子(2000).幼児に対する教師の言葉かけに関す. る研究.宮城教育大学紀要,35,245・253 上野三千代・安達紀子・河野久美子・芳賀明子(2000).教師の言葉かけと児童. の感じ方の関連∬一児童の学校適応感とうれしいと感じる教師の言葉かけ の相関関係一.日本教育心理学会総会発表論文集,(42),61. 吉川正剛・三宮真智子(2007).生徒の学;習意欲に及ぼす教師の言葉かけの影響.. 鳴門教育大学情報教育ジャーナル,4,19・27.. 26.
(29) 謝辞 本研究を進めるにあたって、終始御指導頂いた横川和章先生に心より感謝を 申し上げます。. 調査の実施にあたっては、鳥取市立用瀬小学校、八頭町立郡家西小学校、八 頭町立郡家東小学校、入頭町立船岡小学校、智頭町立智頭小学校、智頭町立山 郷小学校に御協力して頂きました。各校の校長先生並びに5年生、6年生担当 の先生方、児童の皆さんには、御忙しい時期にも関わらず調査協力をして頂き ました。記して感謝を申し上げます。. 本研究を作成にあたって、御指導、御協力頂いた多くの方々に厚く御礼申し 上げます。.
(30)
(31) アンケート. がくねん. くみ. ねん. ●学年・組. くみ. [ 】年[ ]組 まる. せいべつ. ●性別. 男・女(Oをつけてください). こた. かた. くアンケートの答え方について〉. しょうがくせい. かん. かんが. ・これは、小学生のみなさんがふだんどのようなことを感じているか、考え しら ているかを調べようとするアンケートです。 せいせき. かんけい. ただ. こた. こた. ・成績とは関係ありませんので、正しい答えもまちがいの答えもありません。 こた. せんせい とも. おし. あんしん. あなたの答えを先生や友だちに教えることはありませんので、安心して じぶん おも. 自分が思ったとおりに唇えてください。. とも. ・友だちとそうだんしたり、まねをしたりしないでください。 こた. なや. いちばんちか. おも. こた. えら. 答えるときは、あまり悩まずに、一番近いと思う答えを選んでください。 ようし. ひょうし. ぜんぶ. ・アンケート用紙は、この表紙もいれて、全部で5まいあります。 せんせい. い. ・アンケートは先生が『はじめてください避と言ったら、はじめてください。 お. せんせい. し じ. アンケートが終わったら、先生の指示があるまでまっていてください。.
(32) アンケートその1 こた かた. く「アンケートその1」答え方〉 ばめん. せんせい. はな. ことば. き. これからある場面で、先生があなたに話してかけくれる言葉についてお聞 しつもんよ した ばんこう まる きします。下の質問をよく読んで、あてはまる番号1つだけにOをつけて ください。. しつもん. く質問〉 せ わ. あなたが、クラスで世話をしているうさぎに、えさをあげているとき、あ せんせい. なたの先生はどのようにほめてくれますか。. O①きちんとえさをあげているね。 ②がんばって、えさやりができるようになったね。 おも ③あなたが、えさをあげてくれると思っていたよ。. ④これからも、きちんとえさをあげてね。. せんせい. あなたが「先生は」、うさぎにえさをあげているとき、「きちんとえさをあ い. おも. まえ しかく なか. げているね。」と言ってほめてくれると思ったら、上のように①の前の口の申 まる. に○をつけてください。. せんせい. い. 先生が『はじめてください』と言ったら、「アンケートその1』をはじめてく お. せんせい. し. じ. ださい。「アンケートその1」が終わったら、先生の指示があるまでまってい てください。 こた かた しつもん いみ. ひと. て. せんせい き. 答え方や 問の意味がわからない人は、手をあげて先生に匿いてください.
(33) しつもん. く質問1> じゅぎょうちゅう. はっぴょう. いけん. い. あなたが、授業中に発表して、よい意見が言えたとき、 せんせい. あなたの先生はどのようにほめてくれますか。 いけん. ①よい意見が言えたね。 いけん. い. ②がんばって、よい意見が言えるようになったね。 いけん. い. おも. ③あなたなら、よい意見を言ってくれると思っていたよ。 いけん. い. ④これからも、よい意見を言ってね。. しつもん. く質問2> じゅぎょうちゅう. せんせい. み. 授業申に、あなたがノートをきれいに書いているのを先生が見たとき、 せんせい. あなたの先生はどのようにほめてくれますか。 か. ①ノートをきれいに書けているね。 か ②がんばって、ノートをきれいに書けるようになったね。 か. おも. ③あなたなら、ノートをきれいに書いていると思ったよ。. か ④これからも、ノートをきちんと書いていこうね。. しつもん. く質問3> せんせい. さんすう. もんだい. だ. せっきょくてき て. 先生が算数の問題を出しました。あなたが積極的に手をあげているとき、 せんせい. あなたの先生はどのようにほめてくれますか。 せっきょくてき. ①積極的に手をあげているね。 せっきょくてき. て. ②がんばって、積極的に手をあげられるようになったね。 せっきょくてき. て. おも. ③あなたが、積極的に手をあげてくれると思っていたよ。 せっきょくてき. て. ④これからも、積極的に手をあげていこうね。.
(34) しつもん. く質問4> てんすう. テストで、いい点数がとれたとき、 せんせい. あなたの先生はどのようにほめてくれますか。. ①よくできたね。 ②がんばって、できるようになったね。 おも ③あなたなら、できると思っていたよ。 べんきょう. ④もっと勉強して、もっとできるようになろうね。. 「アンケートその1」はこれでおしまいです。 こた. 答えをぬかしているところはないかどうか、よくたしかめてください。 お. せんせい. し じ. たしかめが終わったら、先生の指示があるまでまっていてください。.
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3 学位の授与に関する事項 4 教育及び研究に関する事項 5 学部学科課程に関する事項 6 学生の入学及び卒業に関する事項 7