公立学校教職員の勤務時間制度の運用に関する研究 : 公立小・中学校の勤務時間の割振りの実態と関連して
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(2) ま え が き. 問題点を明かにしていこうとするものである。. 本論文の構成は、第1章で、教職員の勤務時間制度が持 今日の教育現場には、社会を反映して種々、様々な問題. つ意義、その歴史の変遷、そして、どのような法的な根拠. を内包して、教育活動は多様化、多忙化している。この中. のもとに下下時閣制度が位置づけられているかについて述. にあって教師は、教育の専門家として山積する教育課題に. べる。第2章では、教職員の1日のまたは、1週間の具体. 応えるためN.教師の主体的力量を発揮しつつ、学校として. 的な勤務時間がどのような規定のもとに運用されているの. の機能の維持、向上に努め、児童・生徒によりよい教育を. か。たとえば、教職員の動務時間の割振りの決定、教職員. 提供するため、日々、献身的な努力を続けている。. の勤務時間と労働基準法との関係、教職員の正規の勤務時. 教育公務員の職務と勤務態様には、他の公務員には認め. 間の持つ意義について、さらに勤務時間の割振りに関する. られない特殊性がある。これは、人格の完成をめざし、限. 諸要件についてどのように規定されているのかを述べる。. りない可能性を秘めた児童・生徒の能力を引き出すため、. 第3章では、教職員の勤務の特殊性について他の公務員に. 教育公務員としての自発性、あるいは、創造性に基づく勤. は認められない、 「国立および公立義務教育諸学校の教育. 務が要求されるためである。しかしながら、公立学校教職. 職員の給与等に関する特別措置法」 (以下、 「給与特別措. 員の勤務時間については労働基準法をはじめ、条例および. 置法」という。)と教員特殊業務手当について述べること. 規則などで規定されている。教育を通じて国民全体に奉仕. により、教職の特殊性を論じる。第4章では、都道府県教. する教育公務員として、また、人間の成長と発達を願い、. 育委員会へのアンケー・・ト「勤務時間に関する調査」をもと. 実践的指導をおこなう教育の専門家として、よりよい教育. に調査対象都道府県を抽出し、そこから抽出された各都府. を児童・生徒に提供する使命と責任がある。しかし、一定. 県の公立小・中学校の校長にたいして「動務時間の割振り. 量の勤務時間の中では職務の特殊性から消化しきれない教 育活動がある。したがって、教師の自発性に期待するとこ. に関する調査」をおこない、それに基づき、前章の法定さ れた勤務時間と学校現場の削壁時間の運用の実態、および. ろが大であるが、法規などで規定された一定量の勤務時間. 勤務時間にたいする校長の意識について調査結果を分析す. と勤務時間内では消化しきれない教育活動の相克は大きな. る。第5章では、勤務時間の割振りに関する問題点を学校. 課題であると思われる。. 絵食と休憩時間、A型の勤務時間の割振り、部活動と勤務. 本研究では、公立学校の教職員の勤務時間制度の運用に. 時間、そして、勤務時間の割振りの運用の面から論述する. ついての問題点を公立小・中学校の動務時間の割振りの実. よう構成した。. 態を調査することにより、そこから得られた結果をもとに 一1一. 一2一.
(3) (1》.勤務時間の割振りの意義 まえがき. 第1節勤務時間制度の意義 第2節勤務時間制度の変遷 第3節 勤務時間制度の法的根拠. (1) 勤務時間の考え方 (2) 勤務時間の決定. 2.割振りの内容 (2).勤務時間の割振り権者 (3》.勤務時間の割振りの方法. 1,割振りの単位期間 2.割振りの形式. 第3章. 教職員の動務の特殊性. 第1節. 給与特別措置法. (1). 給与特別措置法の制定経過. (2). 超過勤務手当と教職調整額. 教員特殊業務手当. (1).正規の勤務時間. (1). 教員特殊業務手当の意味. (2),勤務を要しない日. 〈2). 教員特殊業務手当の支給条件. =ノ︻コ︻フ. 第2節. ーユー⊥2ノ. 第2節 正規の勤務時間. 1←−←噌←−←. 第1節 動務時間の位置づけ. −﹂−ゐ−三4. 第2章 教職員の勤務時間. 1124. 第1章 教育公務員の勤務時間制度. 1。割振りの性格. 2 2 04 0 13 13 13 23 43 6 6 7 42 4 43 ■ 3 3. 第3節勤務時間の割振り. 目 ≧欠:. (3).休憩時間. 1.休憩時間の法的性格. 第3節 教職員の責務の特殊性. ・ 。 曾 ・ ・ の 55. /. 2.休憩時間の与え方 (4).休息時間. 第4章. 勤務時間の割振りに関する調査. 70. (5).変形労働時間制. 第1節. 調査の目的. 70. 1.変形労働時間制の意味. 第2節. 調査の対象と方法. 72. 2.変形労働時間制の運用. く1). 調査の対象. 72. (2). 調査の方法. 75.
(4) 第3節調査結果 ・・・… 76. [法令略語表]. (1).学校給食の実態と校長の意識 ・・・… 76 (2).部活動の実態と校長の意識 ・・・… 81. 学校法 ……………. 学校教育法. (3).1週間の授業の持ち時間の実態 ・・■■・・86. 給与特別措置法 …. 国立及び公立の義務教育諸学校等の教職員の給与. (4》.勤務時間の割振りの実態 ・・・… 89. 等に関する特別措置法. (5).休憩時間に対する校長の意識 ・・… 994. 給与法 ……………. 一般職の給与等に関する法律. (6)・休息時間に対する校長の意識 ・・・… 97. 教基法..……・…・…・. 教育基本法. (7).A型の割振りに対する校長の意識 ・・… 98. 教特法 ……………. 教育公務員特例法. (8).変形労働時間制の実態と校長の意識 ・… 101. 憲法 ……………. 日本国憲法. (9).教職の特殊性に対する校長の意識 一… 102. 地公法 ……………. 地方公務員法. 地方教育行政法 …. 地方教育行政の組織及び運営に関する法律. 労基法 ……………. 労働基準法. 第5章 勤務時間の割振りの運用に関する問題点 ・・104. あとがき. 参考資料. 1.各都道府県教育委員会への『勤務時間』に関する調査 (1)依頼書 ・. 一 ・ 1. (2)調査用紙. 一 ・ 2. (3)調査結果. 一 ・ 5. 2.各都府県の校長への『動務時聞の運用』についての調査. (1)依頼書 … 10 (2)調査用紙 … 11 (3)調査結果 … 19.
(5) 第一章 教育公務員の勤務時間制度. 義を愛する心を育てる晴間が多くなり、 「人たるに値 する生活」が営まれると思われる。. 第一節 勧務時聞制度の意義. 教育公務員の勤務時間制度、すなわち、1日に何時 間、1週間に何日勤務し、休暇はどの様な場合にとれ. 勤務時間、休日、休暇等のいわゆる勤務時間制度は. るかなどの職務時間は、 r教育公務員が地方公共団体. 給与制度と並んで重要な勤務条件の一つである。しか. に対し勤務を提供する場合に存する諸条件の申で、自. しな’がら、勤務時間制度は給与制度に比べて、どちら. 己の勤務を提供するかどうか。または、その提供を継. かというと、なおざりにされてきたように思われる。. 続するかどうかを決心するにあたり、当然考慮の中心. それは、 r一つには、職員団体などの運動方針が、い. となる利害関係事項である」。(2)さらに、 r教育公. わゆる給与中心主義であったこと。二つには、給与、. 務員は、 『全体の奉仕者として公共の利益のために勤. 諸手当等は、直接実感として肌身に感じるが、勤務時. 務し、且つ、職務の遂行にあたっては、全力を挙げて. 間制度はもともと給与のうちという感じが強いこと等. これに専念しなければならない』 (地方公務員法第3. が理由として考えられる」。q} これも、諸外国から. の日本人は働きすぎという批判や、高度経済成長にと. 0条)義務を負うものであるから、どのような勤務時 聞制度を設定するかは、公共の利益の維持、向上に直. もなう週休二日制への志向、さらには、人間性の回復. 接影響を与えることになるJ。く3}民主主義社会におけ. の視点から、勤務時間制度の重要性が問われるように. る教育公務員にとって、より豊かな教育公務員活動を. なった。公務員といえども、無定量に勤務をしなけれ ばならないことはないのは、いうまでもない。現行の. 遂行するためにも、人間としてより豊かな生活を築く. 公務員制度は、一定量の勤務を提供し、その反対給付. る。. として、一定の給与の支給をうけるという原則にたっ. 第二節 勤務時間制度の変遷. ためにも、勤務時間制度は重要な意義をもつものであ. ている(給与法第5条)。1週聞、1年間のうちで勤 務のために拘束を受けない日が多ければ多いほど、有. 現行の公務員制度においては、公務員は一定量の勤. 意義な人生を築くための教養を高めたり、余暇に費や. 務を提供し、その反対給付として一定の給与を受けと. したり、自己を省み、思考にふけり、真実を求め、正. るという原則がとられている。したがって、教員に勤. 一1一. 一2一.
(6) 務時間制度がとりいれられたのは、戦後に公務員制度. て俸給が支給されるのではなく、その身分に応じて、. が採用されてからである。公務員制度が採用されるま. 身分相応の俸給が支給されていたのである。. での教員の勤務時間は、 「大日本帝国憲法下におい層て. 「戦後の日本国憲法下における公務員制度は、画期. は、官吏は官吏服務規律により天皇に対し無定量の不. 的な転換がはかられ、公務員なかんずく教育公務員は、. 確定な忠誠義務をおっていたので、官吏の勤務時間と. 天皇の官吏ではなく、全体の奉仕者となるとともに、. いう概念は存在せず、単に官庁の執務時間が定められ. 一定の特殊性はあるにしても、勤労者としての性格を. ていた。たとえば、明治25年の閣令第6号『官庁執. もつことになったのである。すなわち、教育公務員は. 務時間』は、 『事務繁劇の場合においては、上官の指. 無定量の奉仕関係に立つものではなく、勤労の提供の. 揮により、昼夜にかかわらず執務しなければならないs. 対価である報酬によって生計を維持する勤労者となっ. と規定しており、また、大正11年の閣令第6号も『 事務の状洩により必要のあるときは、執務時間外とい. たのである」。(6)昭和22年に制定された労働基準 法は、職務の定量性とともに勤務時間の概念を導入し. えども執務しなければなちない』と規定していた」。. た。つまり、一定量の勤務を提供し、その反対給付と して一定の給与を受ける。この一定量の勤務が勤務時. (4). 教育公務員の身分は官吏待遇とされていたが、その. 間である。. 規律には、若干の特別な規律があった、つまり、 「教. 員の服務に関しては、一般法として官吏服務規律があ. 第三節 勤務時間制度の法的根拠. ったが、小学校令46条は『小学校長及教員ノ進退、 職務二関スル規定ハ文部大臣之ヲ定ム』とあり、文部. 憲法第25条、 「すべて国民は、健康で文化的な最. 大臣の定める規則に委ねられていた。. 低限度の生活を営む権利を有する」と定めるとともに、. 教員の待遇に関しては、明治24年『市町村立小学 校長及教員名称及待遇』によると、小学校長及び訓導. 憲法第27条で、 「すべて国民は、勤労の権利を有し、. は判任官待遇、実績のある小学校長は奏任官待遇とさ. に関する基準は、法律でこれを定める」と規定してい. れ、それぞれの官等俸給令が適用されていた」。【5,. る。このことは、 「勤務条件を私人の自由契約に委ね. したがって、官吏は、定量の勤務に対する報酬とし. ておくと、経済的強者である使用者は、 自己の都合の. 一3一. 義務を負う。賃金、就業時間、休息その他の勤務条件. 一4一.
(7) よいような勤・務条件を経済的弱者である被使用者(労. これは、 「職員の勤務時間制度は、なんらかの形で終. 働者)に押しつけ、労働者の実質的な自由平等を侵害 することになるので、国が立法を通じて勤務条件に関. 極的な使用者である住民の意志に基づかなくてはなら ないことを意味するものである。逆な言い方をすれば、. 与し、労働者の『人たるに値する生活』を保障しよう. 住民が客観的かつ形式的に知るうるような形態(条例、. とするものであるといわれている」。‘7) したがって、. 規則、規程)で勤務時間制度等が定めなければならな. 法律で勤務条件の基準を定めるにあたっては、憲法2. いことを意味するものである。正規の勤務時間におけ. 5条の、 「健康で文化的な最低限度の生活」を営む基. る勤務の対価としての給与が税金に源泉を有する以上. 準を定めなければならないことになる。. 当然の事である」。t8). この憲法の精神を受けて、労働基準に関する法律が、. そして、県費負担教職員の給与、勤務時間その他の. 昭和22年に制定された労働基準法である。 労働基準法第1条に、 「労働条件は、労働者が人た. 動務条件は、地方教育行政の組織及び運営に関する法. 律(以下、「地方教育行政法」という)第42条で、. るに値する生活を営むための必要を下すべきものでな. 「県費負担教職員の給与、勤務時間その他の勤務条件. ぐてはなちない」と、その法の趣旨が明記されている。. については、地方公務員法第24条6項の規定により. これは、勤務時間制度を決定するにあたっての根本理. 条例で定めるものとされている事項は、都道府県の条. 念を示すものである。さらに、労働基準法は、 「この. 例で定める」とされている。このことは、 「一般に、. 法律で定める労働条件の基準は、最低のものであるか. 地方公務員の給与は、職員の身分の属する地方公共団. ら、労働関係の当事者は、この基準を理由として、労. 体が負担し、支給するというのが原則である。このこ. 働条件を低下させてはなちないことはもとより、その. とは、学校の職員についても同様であって、職員の給. 向上を図るように努めなければならない」と、人間に. 与は、学校の設置者である地方公共団体が負担し、支. 値する生活を保障している。. 給する(学校教育法5条、地方自治法204条)。. 地方公共団体の職員について、給与、勤務時間その. しかして、これらの職員の給与、勤務時間その他の. 他の勤務条件の根本基準は、地方公務員法第24条の. 動務条件は条例で定めることとされている(地方公務. 6項で、・「職員の給与、勤務時間その他の勤務条件は、. 員法24の6)。そして、この条例が、職員の属する. 条例で定める」と、勤務時間を条例で規定している。. 地方公共団体の条例であることは勿論である。. 5一. 一6一.
(8) しかしながち、県費負担教職員についてこの原則は. 労働者を保護する立場から動務時間制度等が実効ある. 適用がない。けだし、県費負担教職員は、市町村の設. ように保障するため同法に定める基準に達しない労働. 置する学校に勤務し、市町村の公務員として市町村の. 条件は、その限りにおいて無効とし、無効となった部. 教育事務に従事しているが、その給料その他の給与は. 分は同法で定める基準によることとされるなど強行法. 都道府県の負担とされているからである。そこで、本. 規であることを明確にしている(労働基準法13条〉」. 条の規定を設けて、地方公務員法と市町村学校職員給. 。(11) したがって、地方公務員には、蛍働基準法が原. 与負担法との問の調整をとることとされたのである」。. 則的に適用される(地方公務員法第58条3項)こと となっているので、勤務時間に関する条例は、労働基. (9). つぎに、勤務時間制度を運用するにあたっての基本. 準法に適合するものでなくてはならない。. 原則を法的根拠に基づいて述べよう。. 各都道府県は、上述した根拠にもとづき学校職員の. 地方公務員法第14条で、 「地方公共団体は、この. 勤務時間条例を定め、さらに、教育委員会規則として、. 法律に基づいて定めちれた給与、勤務時間その他の勤. 同条例の施行規則を定めている。. 務条件が社会一般の情勢に適応するように、随時、適. 当な措置を講じなければならない。」また、同法第2 4条5項は、 「職員の勤務時間その他の職員の給与以 外の勤務条件を定めるにあたっては、国及び他の地方 公共団体の職員の間に権衡を失しないように適切な考 慮が払われなければならない」としている。これは、. 「原則として、条例主義をとる職員については、条例 提案権及び議決権が地方公共団体側にあることかち、. 法律的には、地方公共団体に対して、動務条件を決定 する条例等を社会情勢に適応して弾力的に措置するよ う義務づけているものである」。“e} さらに、 「労働基準法は、労働基準の最低を定め、 一一. V一. 一8一.
(9) ]. [. (9) 新訂 逐次解説 地方教育行政の組織及び運. 営に関する法律 木田宏著 第一法規 昭和. 注. 61年 P257∼258 (10) 地方公務員の勤務時間、休日、休暇 小原昇. 軍学陽書房 昭和62年 P9. 著学陽書房 昭和62年 P86. 東京都の教職員人事管理 秋山久編集 ぎょ. (11) 前掲書 P65. ︵. ︶ ︶ 1 2 ︵ . 地方公務員の勤務珍聞、休日、休暇 小原昇. うせい 昭和58年 P38. ︵. ¥3ノ ︶. ︵ . 前掲書 P38 学校運営硬究 結城忠執筆分 明治図書 昭. 和47年5月号 P124 ︶ ︵ . 前掲書 P125. ︶. ■一へ. 東京都の教職員人事管理 秋山久編集 ぎょ. うせい 昭和58年 P39. 著学陽書房 昭和62年越P15. ︶. ︵. ︶ 7 8 ︵ . 地方公務員の勤務時間、休日、休暇 小原昇.. 前掲書 P85 −9一. 一10一.
(10) 第二章 教職員の勤務時間. 第一節 勤務時間の位置づけ. 時間外勤務については後章で述べることにする。 教職員の勤務は、一一一一般の公務員のように、一定時間. 働いて一定量の業務を処理するのとはことなり、児童 (1) 勤務時間の考え方. ・生徒を対象として、教育を行うことが中心である。. 戦前においては、官吏は忠実無定量の勤務を行う義. したがって、勤務時間の実態を正確に把握することは、. 務を負っていたので勤務時間という概念は存在しなか. 非常に困難である。たとえば、クラブ活動での生徒の. った。これに対して、戦後の公務員制度においては、. 引率、教材研究、運動会の準備、校外指導、放課後の. 勤務時間の概念がとり入れられ、公務員は一定量の勤. クラブ活動の指導、PTAの会合への出席など、どれ. 務を提供し、その反対給付として一定の給与を受け取. を勤務とみなし、勤務とみなさないか、判断に困ると. るという原則にたっている。この原則をあらわしたも. ころである。この勤務時間に関する考え方として、 「. のが労働基準法である。. 教育作用は、本来学校の吋外を問わず行われるべき性. 勤務時間の定義としては、 「広義では、狭義の勤務. 格のものであるから、本質的に教員には勤務時間を定. 時間に、休日、休暇等の勤務条件を含めた意味に用い. めることができないのだ」(3, と1日24時間が勤務. られ、狭義では、職員が、上司の指i揮監督を受けて、. であるかのような考え方があるが、このような考え方. 原則として、その職務のみに従事しなければならない. が正しいといえるかどうか。憲法第27条には、 「す. 下聞である」(1, との定義がある。. べて国民は、勤労の権利を有し、義務を負う。賃金、. また、勤務時間は、 「正規の勤務時間とそれ以外の. 就業時間、休息その他の勤務条件に関する基準は、法. 勤務時間に分けることができ、前者は、恒常的勤務時. 律でこれを定める」とあり、さらに、労働基準法第1. 間とでもいうべく、前者における勤務の対価(反対給. 条で、 「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を. 与)として一般に給料(本俸)が支給され、後者は、. 営むための必要を充すべきものでなくてはならない」. 臨時的勤務時間とでもいうべく、後者における勤務の. と労働者の保護を唱えている。しかし、上述のような. 対価として一般公務員の場合、時間外勤務手当(超過. 勤務時間の考え方では、教員の勤務時間について規定. 勤務手当)などの給料以外の特別の手当が支給される」. している現行の法律や条例、規則などはすべて破棄す. (2) という2つの側面がある。正規の勤務時間および. べきであるという議論になりかねない。しかし、上述. 一11一. 一12一.
(11) のような考え方も教員の教育に対する心構え、いいか. の使命である。にもかかわちず、45分の休憩時間と. えれば、道徳論としては理解できるところである。. 子供の怪我の看護とが別々に考えちれるならば、それ. 「勤務時間は、給与と並んで、重要な勤務条件の一. は、法律論と道徳論を同じ次元において論理だけを優. つとして、労使の交渉事項とさえされている。このよ. 先した考え方である。 「教員の勤務時間を考えるに当. うな時代に、教員の勤務時間を道徳論だけで処理しよ. たって、教育界の先輩達が、法律論と道徳論を区別し、. うとするのは、世はジェット機時代に変わっているの. 現代において、その法制的整備は常識に属するもので. に、プロペラ飛行機のベテラン操縦士が旧式の技術を. あることを理解し、さちに、その法制上の制約は、制. ひけちかしているのに似ていないであろうか。いかに. 約としつつも、その基盤のうえに教育者の良心や情熱. 使用者といえども、いかに管理職者といえども、拘束. の喚起をはかっていくならば、明朗にして、活気にみ. 時間をこえてまで、労働者を意のままに使用すること. ちみち、しかも教育効果の顕著な向上が期待できる」。. はできない」。(4, したがって、 「教員が、たんなる. (6). 筋肉労働や単純作業に従事する労働者でないこと『は当. (2)勤務時間の決定. 然のこととしても、さりとて、以上のごとき近代的な. 地方公務員である教職員の勤務時間の決定は、各地. 労使関係の範ちゅう外におかれている者でないことも. 方公共団体の条例で定められるのであるが、県費負担. 明かである。憲法第28条の労働基本権が働いて賃金 を得る者一般に適用される以上、教員の勤務時間を法. 教職員については、給与負担者である都道府県の条例. 律的に処理する態度は、どうしても必要なのである」。. 時間を決定するにあたっては、 「社会一般の情勢に適. ⊂5}ゆえに、教員の勤務などは時間に拘束されるべき. 応するように地方公共団体によって、随時適当な措置. ではないと主張して、法律で定められている教員の勤. が講じられなければならない(情勢適応の原則)し、. 務時間を否定する態度は、戦前の無定量の勤務を要求. 国及び他の地方公共団体の職員との間に均衡を失しな. した、官吏服務規律に似て時代錯誤と言わざるをえな. いように適当な考慮が払われなければなちない(均衡. い。. の原則)」(7, と、地方公共団体に弾力的に配慮する. たとえば、休憩時間であっても、子供が怪我をした. よう義務づけている。さらに、地方公務員法第46条. 場合、一生懸命に看護にあたるのが教育に携わるもの 一一. P3一. で定められる(地方教育行政法第42条)。この勤務. (勤務条件に関する措置の要求)で、 「職員は、給与、 一14一.
(12) 勤務時間その他の勤務条件に関して人事委員会または. 当局』にあたる」。uo)これについて、判例は、 「学. 公平委員会に対して、地方公共団体の当局により適当. 校管理規則によって教職員の1週間の勤務時間の割振. な措置が執られるべきことを要求することができる」. り、有給休暇の承認、職員の宿日直分担が校長の権限. と、勤務時間については、措置要求できる事項であり、. とされている場合、教職員をもって組織する職員団体. そして、職員は、職員団体を結成し(地方公務員法第 52条3項)、地方公共団体の当局と交渉することを. は職員の1週間の勤務時間、有給休暇および宿日直の 問題について校長と交渉する権限を有し、校長には交. 認めている。 「職員団体が交渉することのできる地方. 渉に応ずる義務がある」 (浦和地裁 昭和37年9月. 公共団体の当局は、交渉事項について適法に管理し、. または決定することができる地方公共団体の当局であ. 29日判決)と述べている。 このように、教職員の勤務時間の決定に当たっては、. る(地方公務員法第55条4項)」。{8,. 地方公共団体が適切な措置を講じなければならないと. ところで、 「公立学校の職員団体の交渉については、. 同時に一方で、教職員に当局と交渉することが認めら. 特例が設けられている。すなわち一つの都道府県の公. れているし、人事委員会、公平委員会に適当な措置が. 立学校の職員のみで組織する職員団体は、都道府県の. 執られるべきことを要求することができるようになっ. 人事委員会の登録を受け、したがって、このような登. ている。. 録を受けた職員団体に対して交渉に応ずべき地位にた つ地方公共団体の当局は、都道府県の教育委員会であ. 第二節 正規の勤務時間. ..る(教特二丁21条の4第1項)」。⊂g⊃ したがって、. 勤務時間については、勤務時間条例の改正、企画、立. (1) 正規の勤務時間. さらに、 「『分会交渉』あるいは『職場交渉』とい. 正規の勤務時間とは、給与特別措置法第11条に、 「公立の義務教育諸学校門の教育職員(管理職手当を. われるものがある。これは、職員団体が校長(教頭). 受けるものを除く)を正規の勤務時間(給与法第14. を当事者として行う交渉である。校長の当事者能力に. 条の規定に相当する条例)の規定による勤務時間をい. ついては、学校管理規則によって校長の権限とされて. う。………」とあり(同法第7条には、国立の義務教 育諸学下等の教育職員について同様の規定がある)、. 案の権限を持つ県教育委員会が当局となる。. いる事項については、校長は、交渉の相手方である『 一15一. 一16一.
(13) 給与法第14条には、 「職員の勤務時間は、休憩時間. どの社会的要請も強くなり正規の勤務時間内ではとう. を除き、1週間について40時間を下らず48時聞を. てい処理できない実態がある。また、休憩時間につい. こえない範囲において、人事院規則で定めるJと規定. ても、児童・生徒の安全管理の面からみてこれを完全. している。つまり、労働基準法第32条の1項に規定. にとることは難しいし、特に昼休みに学校給食を実施. している労働時間の範囲内で、国立の義務教育諸学校. している学校では、休憩時聞を確保することは困難で. 等の教育職員は人事院規則で、公立の義務教育諸学帆. あるといわれている。このように、教職.員の正規の勤. 手の教育職員は条例で正規の勤務時間を定めるとして. 務時聞に関しては、現行制度下において多くの聞手点. いる。たとえば、東京都の学校職員の勤務時間条例第. が存在している。. 3条では、 「職員の正規の勤務時間は、休憩時間をの. ぞき、1週間について40時間を下らず48時聞をこ. (2) 勤務を要しない日. えない範囲内において、東京都教育委員会(以下「教. 勤務を要しない日とは、 r職員が、本来、勤務義務. 育委員会」という。)が定める」と規定し、同条例第. を課されていない日、勤務から解放された自由な日」. 4条では、 r教育委員会は、前条の規定による正規の 勤務時間を、暦日を単位として日曜日から土曜日まで. (11)をいうもので、労働基準法第35条の1項で、 「. の6日間に割り振るものとする」と定めている。そし. 使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休 日を与えなければならない」とした休日のことをいう. て、同条例施行規則第2条では、 r条例第3条第1項 lr規定する職員の正規の勤務時間は、1週間について. のである。一般に、勤務を要しない日は、日曜日であ るが、必ず日曜日でなければならないということはな. 44時間とする」と定めている。 現在、公立学校職員の正規の勤務時聞は、石川県の. い。条例、規則では、原則として、日曜日を勤務を要. 1週40時間、山口県の1週41時間45分そして福 岡県の1週42蒔間45分をのぞき、1週44時間と. 以外の日を勤務を要しない日とすることができるよう. されており、一般公務員と同様の規制をうけているの. 体育祭や文化祭あるいは参観日を日曜日におこなわな. であるが、学校教育の進展につれて、クラブ活動、学. ければならない場合や、日曜日をはさんで修学旅行を. 校行事等の教育活動面の増大、交通指導、校外補導な. おこなわなければならない場合などがよくあり、原則. 一17一. 一18一. しない日として、特別に必要のある場合には、日曜日 に規定している例が多い。たとえば、学校においては、.
(14) として、勤務を要しない日と定められている日曜日に、. 「学校の教員の勤務時間を管理する校長の判断による。. 教員に勤務が命じられる場合がよくある。. しかし、どちらかといえば、労働基準法の要請してい. 勤務を要しない日に教員に勤務を命じるためには、. る週休制の確保という観点かちすれば、勤務を要しな. 一つは、 「勤務を要しない日の振替を行い、当該日を. い日に時間外勤務を命ずることは、臨時緊急のやむを. 勤務日とし、他の日を勤務を要しない日とすることに. えない場合に限定し、勤務の必要があらかじめ予測で. よって、当該日に通常の勤務を命ずる」c12》方法であ. きる場合は、勤務を要しない日の振替をおこなうとい. る。他の一つは、 「時間外勤務(労働基準法にいう休. う方法によって措置するのが望ましい」c15)といえる. 日労働)を命じる」(13,方法である。ただし、この場. であろう。. 合には、教員に時間外勤務を命じることのできる場合 に必要な要件をそなえていることが必要である。 (時. (3) 休憩時間. 間外勤務については、第3章で述べる。 ). 1 休憩時間の法的性格. 休日には、これ以外に国昆の祝日がある。 「国民の. 休憩時間とは、 「職員が勤務時間の途中において、. 祝日に関する法律」に定める祝日は、休日とされてい. 勤務から解放され、自己の時間として自由に利用する. るが、これは、 「公務員については、各地方公共団体. ことが保障されている時間」(16》のことである。. の条例や規則で、国民の祝日を休日とする旨定めるこ. 休憩時間の意義について、 「休憩時間とは単に作業. とによりはじめて休日となるわけである。この休日は、. に従事しない手持ち時間を含まず労働者が権利として. 勤務を要しない日とは異なり、本来正規の勤務時間が. 労働からはなれることを保障されて居る時間の意であ. 割り振られているけれども、特に勤務が命じられない. って、その他の拘束は労働時間として扱うこと」と労. 限り勤務しなくてもよいという、いわば特典である。. 働基準法の施行に関する件として、労働次官通牒、〈昭. 労働基準法上の休日と区別する意味でこれを条例上の. 和22年9月13日)で述べられている。そして、−休. 休日という」(14,となっている。したがって、条例上. 憩時間は、 「正規の勤務時間には含まれない時間であ. み休日に勤務を命じても、本来勤務を要する日の勤務. る。休憩時闇のこのような性格から、休憩時間に対し. であるから、代休を必ず.しも与える必要はない。. ては給料は支給されない。職員の精神的肉体的疲労を. 勤務を要しない日に教員に勤務を命じるかどうかは、. 回復させ、職員の勤務条件を図るとともに、勤務能率. 一19一一. 一20一.
(15) の増進、不注意による災害の予防という重要な役割を. 追加して、休憩時聞を1時聞となるようにしなければ. 果たす」(17)ものである。. ならない。. 休憩時間制度が設けられた目的は、 r労働者を完全. 教職員の場合には、児童・生徒を引率して修学旅行. に仕事から切り離して休息せしめ、労働による疲労の. 等宿泊を伴う業務に従事するときなどには、最高8時. 回復と労働の負担軽減を計ろうとすることにある(東. 間の範囲内で睡眠時間を付与することになっている。. 京高裁、昭和40年4月27日)」(18)と述べている。. 東京都の学校職員の勤務時間条例第8条で、 「職務の. また、休憩時間は、 「勤務を要しない日が、原則とし. 性質により特別の勤務を命じる場合は、睡眠時間を勤. て、 1日24時間、勤務から解放される日(耳聞)で. 務耳聞の途申に与えることができる」とし、さらに、. あるのに対して、休憩時間が拘束時間中の部分的な自 由時間である点において異なる」。(1g,さらに、 「手. 同条例施行規則第4条で、 r条例8条に規定する睡眠 時間は、正規の勤務時間に含まれない」とあり、同規. 持ち時間は、現実に仕事に従事していない点では休憩. 則2項で、 「睡眠時聞は、8時間をこえない範囲内に. 時間と類似するが、あくまでも勤務時間であり任命権. おいて与えるものとする」としている。. 者の指揮命令の下にある時聞において休憩時聞とは異 なるものである」。〔2e》. 2 休憩時聞の与え方. 労働基準法第34条によれば、勤務時間が6時聞を こえて8時間以下である場合には、少なくとも45分、 8時間をこえる場合には少なくても1時間の休憩時間. 休憩時間の与え方については、労働基準法上の3つ. を与えなければならないとしている。条例や規則にお. て一斉に与えなければならない」そして、 「休憩時間. いては、月曜日から金曜日までは勤務時間が8時間で. は自由に利用させなければならない」などである。. あるので45分の休憩を置き、勤務時間が4時間であ. r途申に与えなければならない」とは、勤務時間と. る土曜日には休憩時間が置かれていないのが通例とな. 勤務時間の間に休憩時間を配置し、勤務による疲労の. っている。なお、時間外勤務をおこなうときの休憩時. 回復と勤務の負担軽減を図ることを目的としているの. 間については、正規の勤務外聞が8時間の場合におい. である。したがって、勤務時間の最初や最後に置くこ. ての業務のとき、時間外勤務の途中に15分の休憩を. とは、違法であり、また、休憩時間の趣旨にも合わな. 一21一. の制約がある。すなわち、休憩時間は、 「勤務時聞の 途中に与えなければならない」 「休憩時間は原則とし. 一22一.
(16) いことであり、許されないことである。そして、本研. と述べ、判例にも、 「休憩時間の自由利用といっても. 究の第4章の勤務時間の割振りの実態調査で勤務時間. それは、時間を自由に利用することが認められたもの. の最後に15分の休息を置き、そのすぐ前に45分の・. にすぎず……従業員は、労働契約上企業秩序を維持す. 休憩時間を配置している割振りの実態があるが、休息. るための規律に従う義務があり……」(最高裁、昭和. 時間(次の項で述べる。)は動務時間であるので、休. 52年12月13日)と判じている、また、 「授業の. 憩時間を勤務時間の途中に与えたことにはなるが、こ. 合間の休憩時間が自由に利用することのできる時間で. れは、7時間以上も勤務が継続しても、いっさい休憩. あれば労働基準法第34条にいう休憩時間である(労. が与えられないことになり、法の趣旨からして、明か. 働基準局長回答、昭和23年5月14日、基発第76. にはずれた措置といわざるをえない。. 9号)」。そして、休憩時圃申の外出許可制について. 「一斉に与えなければならない」ことについては、. も、 「事業場内に置いて自由に休憩しうる場合には必. 業務の運営上必要な場合にあっては、行政官庁の許可. ずしも違法にならない(労働基準局長回答、昭和24. を受けて交代制または、個々の教職員別に休憩時間を. 年4月18日、基発第1024号)」などのような労. 与えることも認められている(労働基準法第34条2. 働省の行政実例もある。. 項のただし書)。特に、学校現場においては、昼休み 時間申の児童・生徒の事故の防止や非行の防止といっ. (4) 休息時間. た安全管理や生徒指導などが重要な仕事であり、また、. 「休息時間は、一定時間の勤務を続けた場合の軽い. 給食指導にともない、給食指導を行う教員とそうでな. 疲労を回復し、職務能率の増進を図ることを目的とし. い教員を別々に休憩させる必要も考えられる。. て、正規の勤務時間中に付与される、いわゆる手休め. 「自由に利用させなければならない」とは、労働者. の時間をいうものである」。〔21)休息時間は、労働基. を完全に仕事から切り離し、しかも、拘束されない時. 準法上の定めはなく、国家公務員について、人事院規. 間という趣旨に基づくものであるが、 「休憩旧聞の利1. 則15−1(職員の勤務時間等の基準)第8号によっ. 用について事業場の規律保持上必要な制限を加えるこ. て認めちれた制度である。地方公共団体もそれに基づ. とは休憩の目的を害さない限りさしつかえない」(労. いて勤務時間条例に規定されているものである。休息. 働次官通牒、昭和22年9月13日、基発第17号). 時間は、勤務時間であり、給与の対象となっているの. 一23一. 一24一一.
(17) で、勤務義務が存在している。したがって、休憩時間. 規定している。この人事院規則をうけて、地方公共団. と趣旨は似ているが、性格の異なるものである。. 体では、休息時間の長さについては、 「4時聞につき. 次に、休息時間の性格については、・一つは、 「休息. 15分」とやや弾力的な規定になっているところが多. 時間に特に勤務を命じられない限り、あるいは職務の. い。また、休息時間の配置については、 「勤務時間の. 都合上当該休息時間にも勤務しなくてはならない実態. 始めと終わりに置いてはいけない」と規定していると. がない限り、休息時間にはお茶を飲むことも、煙草を. ころが多いが、なかには、 「特に定めはない」(大阪. 吸うことも、または本を読むことも自由であり…ただ. 府、福岡県、鳥取県など〉や、 「始めと終わりに置く. し休息時間は動務時間に含まれるもので当然に任命権. ことができる」(東京都、青森県、長崎県など)とし. 者の指揮監督下にある時間であるから、職場を離れて. た都府県もある。. 自由な活動ができるというものではない」。t22,二つ めは、 「休息時閲の趣旨、圏的から制度として設定さ. れた場合でも、休憩時間のように必ず付与されなくて. 〈5) 変形労働時間制. はならないものではない。正規の勤務時間に含まれる. 1 変形労働時間制の意味 労働基準法第32条2項に、 「使用者は、就業規則. という性質から『できる限り』または『職務に支障の. その他により、4週間を平均して1週間の労働時間が. ない限り』付与されるものであるs。く23}三つめは、. 「休息時間として定めらられた時限には付与されなく. 48時間を越えない定めをした場合に置いては、その 定めにより前項の規定にかかわらず、特定の日におい. とも、他の時間に休息時間に相当する時間を付与する. て8時間又は48時間を越えて、労働させることがで. ことにはなちないし、付与されなかった時間を累計し. きる」と規定している。このことを変形労働時間制と. それに相当する時間を他の日に勤務免除することにも. いっている。変形というのは、1日8時間、1週48. なちないものである」。{24}. 時間の勤務時間と異なった動務時間制のことをいうの. 休息時間について、人事院規則15−1では、 「お. である。ここで、 「その他」とは、地方公共団体の条. おむね4時間連続する正規の勤務時間ごとに、15分. 例、規則をさす(労働基準局長回答、昭和36年11. の休息時間」と規定している。また、 「休息時間は、. 月17日、静回収第2150号)。したがって、公立. 勤務時間の始めと終わりに置くことはできない。」と. 学校の教職員の勤務時間は条例、規則で定められるの. 一25一. 一26一.
(18) であるから、変形労働時間制も条例、規則の定める範. に画一的に律することができない面がある。したがっ. 囲内で実施することになる。また、1週間の勤務時間. て、その取扱いには学校管理上の必要性により弾力的. を44時間としている場合には、1週間44時間の範. な運用を図る必要があり、その方法とし、て、労働基準. 囲内で特定の日に8時聞を越えて、勤務時間を定める. 法の枠内で変形労働時間制の採用が考えられるわけで. ことができ、さらに、条例、規則で4週間を平均して、. ある。変形労働時間制を採用する場合については、法. 1週間の勤務時間が44時間を越えない範囲内で変更 できるとしている場合には、特定の日において8時間、. 令上制約はないが、運用上特に必要な公務を処理する 場合に限られるべきであろう」‘26}と、文部省が「教. 特定の週において44時間を越えて勤務時間を定める. 員の勤務時閲に対する質疑応答」のなかで応えている。. ことができることになる。ここで労働基準法32条2 項の、 「特定の日」または「特定の週」とは、 「予め. 8時間を越えて労働させる日又は44時間を越えて労. 2 変形労働時間制の運用. 働させることが具体的に定めちれている週…学校では、. 実際の運用にあたって、1週間44時間の枠内で、 「特定の日」の勤務時間を8時間を越えて定めるとき. 学校教育法施行規則第24条の規定に基づき、学校行 事などの計画を予め立案し、施行しているが、この行. ’も、4週間の勤務時間を定めなければならないのは、. 事計画に定められた行事予定日又は週は、労働基準法. 第32条2項でいう『特定の日』又は『特定の週』に 該当するか」(25,との疑義について、 (労働基準局長. 回答、昭和36年11月27日)見解のとおりである と回答している。. それでは、学校現場に変形労働時間制が採用される 場合とは、 「学校の教育の事業は、いまだ心身の発達. 段階にある児童・生徒を教育するものであり、一般公. 労働基準法の趣旨が、 「変形労働時間制の採用にあた. っては、労働者の過重負担をさけるために、労働時間. の調整を最高限度4週間のうちにしなければならない とともに、労働者が生活設計をたてることができるよ. うに、少なくても4週間分の労働時間をあらかじめ定 めなければならないということである。したがって、. 1週間44時間の枠内で勤務時間の調整をするとして も、4週間分の勤務時間を定めることが必要」‘27}と 解されているからである。. 務員の事務とは、異なる特殊性をもっている。そのた め、教員の勤務時間は、一般の官庁職員のそれのよう 一一. Q7一. 一28一.
(19) 国立学校の教員については人事院規則15−1の規 定により4週間を平均して1週44時間となるように. この変形労働時間制によって割り振られた時間は、. 正規の勤務時間を割り振ることができるようになって. 間を越えることがあってもこれは時間外勤務とはなら. いる。しかし、公立学校の教員については労働基準法. ないのである。. 第32条2項の規定に基づき、条例などに人事院規則. このような変形労働時間制について、本研究で行っ. とおなじ旨の規定を設ける必要がある(地方公務員法. た各都道府県教育委員会の実態調査では、変形労働時. 第24条5項)。ところが、「給与特別措置法の施行. 間制の採用を認めている都道府県と認めていない都道. によって、教員の時間外勤務は限定された業務につい. 府県は、およそ半数つつであった(参考資料1の(3). てのみ命じなければならないかち、それ以外の業務に. )。文部省の学校運営を円滑にしょうとする要請と学. ついて時間外勤務を命じるような変形労働時間制の採. 校現場の勤務条件の適正化を求める要求とが相剋して. 用は法の趣旨に反する」㈱⊃との意見がある。しかし、. いる実態があるかちであろう。. 正規の勤務時間となるので、かりに、特定の日に8時. 「給与特別措置法によって現行の勤務時間制度は変わ. 地方公務員法第46条(勤務条件に関する措置要求). るわけでなく、俸給は正規の勤務時間に対する報酬で あるという建前も変更されるわけではない。そうする. および地方公務員法第55条(交渉)で、変形労働時 間制の採用に関することは勤務時間その他の勤務条件. と、学校運営の長期的な見通しにたって変形労働時間. に該当するものであるから、当然措置要求することが. 制を採用し、原期として時間外勤務をおこなわさない. できる事項である。したがって、変形労働時間制の採. とする従来の方針は、さちに徹底する必要がある」。. 用を認めていない都道府県もあることは理解できる。. {2g,文部省訓令第3条は、 「教育職員については、正. その一例として、東京都教育委員会と職員団体との間. 規の勤務時間の割振りを適正に行い、原則として時間. の確認事項として、 「正規の勤務時間は週44時間と. 外勤務は命じないものとする」と述べ。さらに、前記、. し、その割振りは原則として、月曜日かち金曜日まで. 次官通達の第2の5で、 「勤務時間の割振りを適正に. は8時間、土曜日は4時間とする。変形労働時間制は. 行うためには、労働基準法第32条2項の規定の活用. 条例化しない(勤務条件に関する確認事項、昭和47. について考慮すること」とあり、変形労働時間制の採. 年3月、確認)」(3e}という事項がある。. 用をうながしている。. 今日のように多忙化、多様化した教育現場にあって、 ・一. Q9一. 一30一.
(20) 種々の業務を勤務時間内でどのように処理すべきかは. 務時聞(給与法第14条に規定する勤務時間)であり、. 重要な課題である。その調整の一つの方法として、こ. 俸給は、正規の勤務時聞による勤務に対する報酬(給. の変形労働時間制を有効に活用することも考えられな. 与法第5条)であるので、職員に、職務に専念する義. くてはならな6のではなかろうか。. 務(地方公務員法第35条)を発生させる時間という. 第3節 勤務時間の割振り. ことになる。したがって、地方公務員法第46条の勤 務条件に関する措置の要求できる時間でもある。これ は、割振りが勤務条件の具体的な決定という性格から. (1) 勤務時間の割振りの意義. 当然のことである。しかし、時間外勤務については、. 1 割振りの性格. 職務専念義務はない(公務員課長回答、昭和26年1. 公立学校の教職員の勤務時間は、通常、各都道府県 の条例における勤務時間条例、規則で一部の県を除き、. 2月12日、地自公発549号)。. 1週44時間と定められている。勤務時間の割振りと は、 「この44時間を個々の曜日に、個々の教員につ いて具体的に確定することである。すなわち、勤務時. 2 割振りの内容 勤務時間の割振りの内容としては、 「①勤務を要す. 聞の割振りは、正規の勤務時間を定めるものであり、. すべき時間の特定、③勤務日における勤務終始時刻の. 臨時的勤務の時間的規制である時聞外勤務などとは異. 決定、④勤務日における休憩時聞の配置、⑤勤務日に. なるものである。したがって、現在の公務員制度にお ける給与の性格は、職員が提供した勤務の量に対する. おける休息時聞の配置」(32)などである。. ①のr勤務日の特定」については、勤務時間条例で、. 反対給付というものである。この面からいうと勤務時. 原則として日曜日を勤務を要しない日とし、特別の事. 間の割振りは、給料(本俸)の対象となる勤務時間に. 情のある場合は日曜日以外を勤務を要しない日とする. 勤務の量を具体的に定めることである」。(31)その具. ことができるとしている。学校行事などで日曜日に行. 体的運用については、校長に任されているのが現状で. 事を計画する場合、日曜日を勤務日とし、日曜日以外. ある。. の日を勤務を要しない日と特定する必要がある。. 次に、割り振られた時間は、前述のような正規の勤. ②の「勤務すべき時間の特定」については、労働基. 一31一. 一32一. る日(以下、勤務日)の特定、②勤務日における勤務.
(21) 準法、条例、規則等により、 1週間の勤務時間、 1日. 結果を生じることになる。これでは、公務員制度の趣. の勤務時間について規定の範囲内で行わなければなら. 旨に反することになる。割振りは、教員に勤務条件を. ない。. 明確にするという上から必須不可欠のことであり、そ. ③の「勤務日における勤務終始時刻の決定」につい. の結果、教育効果の向上が期待されるのである」と応. ては、教職員の勤務の始めと終わりを定めるものであ. えている。. り、学校教育法施丁丁二三46条にいう、授業の終始 時刻とは明かに違うものである。. (2) 割振り権者. ④の「休憩時間の配置」については、労働基準法第. 「動務時間の割振りは、勤務条件の具体的決定であ. 34条の規定に基づき、行わなければならない。. り、公立学校の教職員の勤務時間は条例で定めること. ⑤の「休息時間の配置」については、労働基準法上. とされているから、条例自体で割振りまでも定めるこ. の規定はないが、条例、規則の定めるところにしたが. とができることはいうまでもなく、この場合、割振り. って配置しなければならない。. 権の概念が生ずる余地はない。しかし、教職員の勤務. しかし、、このような勤務時間の割振りの決定が法に・. の特殊性から、条例で個々の割振りまで定めることは. よって規定されているにもかかわらず、学校現場にお. 適当でなく、勤務時間の一一一・■般的基準を設定し、その基. いて適正に運用することが困難であるとする意見(本. 本的規律のみを定めて、具体的事項は割振り権者に委. 研究の実態調査より)が多くある。このことについて、. ねる方法が採用されている」{33)が、この場合の割振. 文部省は、 「教員の勤務時間に関する質疑応答」のな. り権がどこに存在しているのか問題になるところであ. かで「割振りの対象となる勤務時間は、法律上の勤務. る。. 時間であり、校長等の管理の下に、その職務に専念す. 現行の各都道府県の勤務時間に関する条例、規則の. る時間である。教員が提供すべき勤務の量は割振りに. .規定を見ると、 「任命権者が割振りを行う」と規定し. よってはじめて具体化されるのである。もし、割振り. ているところが多い。都道府県立学校職員の場合は、. が不明確のままであるとすると、一方では教員は無定. 任命権者と服務監督権者が同一であるので、割振り権. 量の職務に従事させちれるおそれがあり、また、逆に、. が都道府県教育委員会にあることで、問題はないが、. 全然動務しなくても給与が支給されるという不合理な. 県費負担教職員の場合、都道府県教育委員会が有して. 一一. R3一一. 一34一.
(22) いる権限は、地方教育行政法第37条の任命権である。. が、学校の立地している環境、個々の教職員の勤務内. この第37条について、 「本条にいう任命権とは任命 の権限のみにとどまらず、任用、免職、休職、復職、. 容について、もっともよく把握できるのは、直接教職. 懲戒、給与の決定等身分上の事項一切含むものであるe. に割振り権が与えられている場合が多い。校長の割振. …但し、都道府県の教育委員会は、県費負担教職員の. り権は、 「勤務時間条例でおろされている場合、条例. 服務については、自らこれを直接監督するわけでない. の委任規則からおろされている場合、教育委員会の訓. から、その限りにおいて、地方公務員法の予定する任. 令などで委任されている場合、学校管理規則により専. 命権者とは、その権能が異なっている」。{34》したが. 決させられている場合」‘35)など、各都道府県でいろ. って、都道府県教育委員会には任命権はあるが、服務. いろな規定のし方をしている。. 員を指揮監督している校長である。したがって、校長. 監督権はないのである。県費負担教職員の服務につい ては、地方教育行政法第43条に、 「市町村教育委員 会は、県費負担教職員の服務を監督する」とあり、服. (3) 割振りの方法. 務監督権が市町村にあることが明記されている。した. 1 割振りの単位期間 勤務時間の割振りを行う単位期間については、 「勤. がって、県費負担教職員の勤務条件は都道府県教育委. 務時間の割振りをするということは、勤務時間をあら. 員会の条例で定めるとあっても、勤務時間の割振りの. かじめ規制することである。したがって、毎日、その. ような個々の教職員の服務に関する事項を決定する権. 都度必要に応じて行うことは許されない。…なお、割. 限は市町村教育委員会にあると考えちれる。なお、地. 振りはあらかじめ行わなければならないが、勤務時間. 方教育行政法第43条4項に、 「…都道府県が制定す. が週単位で定まっているという点にかんがみ、もし、. る条例の実施について、市町村教育委員会に対し、一. 平常割り振られている勤務時間を変更して、変形労働. 般的指示を行うことができる」とあるが、それは、勤. 時間制をとる必要性があるときはすくなくとも前週の. 務時間の割振りのような具体的な内容におよぶもので. 終わりまでに割り振っておく必要がある」。㈱)また、. はないと考えられるが現実にはかなりの影響を及ぼし. 割振りの変更については、割振りに関する規程に、割. ているものと考えられる。. 振りの変更について明記し、勤務時間の割振りの変更. 市町村教育委員会に割振り権が存在してるのである. を行う場合は、校長は少なくても、割振りを変更する. 一35一. 一一. R6一.
(23) 週の前週までに、割振りの変更をおこなう職員にその. の割振りを行うのが普通であるが、教職員の職務が他. 旨を周知する必要があると考える。. の公務員とは著しく異なる性格を持つものであり、学 校現場が多様化した中にあっては、教員一律に割振り. 2 割振りの形式. をおこなうことがかえって職務能率の低下をきたすこ. 割振りの形式について、文部省は、 「教員の勤務時. とも考えちれるので教員個々に割振りを行った方がよ. 間に関する基本的事項」の中で、 「①条例、②文書、. い場合もありうる。学校の実情を考え、教育効果が最. ③口頭、④慣行等が考えられるが、①の条例あるいは、. 大限に発揮できる割振りを行うべきである。. 規則で画一的かつ硬直的に定めることは、各学校の実 情に応じた勤務を行わせることができなくなり、効率 的な教育活動ができず妥当でない。②の文書で定める ものとは、割振り権が任されている校長が校内規程の 形式で定めるものである。労働基準法の趣旨からいっ て校長がおこなう割振りは、文書で行い、かつ、それ を教員に周知させる必要があると解される。⑧口頭で 行うことは、明確を欠くばかりでなく、②で述べたと ころがらみて妥当でない、④慣行による割振りは、口 頭によるものより明確でなく、実質的には割振りが行 われていないのと同様であるから、妥当でない」と回 答している。. 次に、教員に勤務時間を割り振る場合、教員一律に 割振りを行うか、それとも個々の教員について割振り を行うのかであるが、勤務時間の割振りとは、個々の. 教員について、具体的に勤務日の勤務時間について決 定することである。一般的には、全員一律に勤務時間 一37一. 一38一.
(24) (15)教育法規の理論と実際 鈴木動著 教育開発研 [注]. 究所昭和59年 P181,182 (16)地方公務員の勤務時間、休日、休暇 学陽書房. (1)新学校管理読本 文部省地方課法令研究会編著. 小原旧著 昭和62年 P121. 第一法規 昭和53年 P93 (2)前掲書 P93. (17)新学校管理読本 文部省地方課法令研究会編著. 第一法規 昭和53年 P111. (3)教育委員会月報 今村武俊執筆分 第一法規. (18)地方公務員の勤務時間、休日、休暇 学陽書房. 昭和43年3月号 P15. 小原昇著 昭和62年 P121. (4)前掲書 P16 (5)前掲書 P17 (6)前掲書 P18. (19)前掲書 P121 (20)’. O掲書 P121. (21)前掲書 P134. (7)東京都の教職員人事管理 秋山久編集 ぎょう. (22)前掲書 P135’. せい 昭和58年 P154 (8)学校経営管理法 渡辺孝三著 学陽書房 昭和. (23)前掲書 P135 (24)前掲書 P136. 61年 P370. (25)教職員人事関係実務必携 第一法規 文部省地. (9)前掲書 P371 (10)前掲書 P371. 方課法令研究会編集 甲和61年 P1104. (11)地方公務員の動務時間、休日、休暇 学陽書房. P44. 小原昇著 昭和62年 P140. (26)教育委員会月報 第一法規 昭和42年6月号. (27)前掲書 P50. (12.)教育法規の理論と実際 鈴木動著 教育開発研. (28)学校運営研究 鈴木動執筆分 明治図書 昭和. 究所昭和59年 P181. 52年2月号 P114. (13)前掲書 P181. (29)前掲書 P115. (14)学校運営研究 菱村幸彦執筆分 明治図書 昭. (30)東京都の教職員人事管理 秋山久編集 ぎょう. 和55年 11月号 P130. せい 昭和58年 P170. −39一. −40一.
(25) (31)新学校管理読本 文部省地方課法令研究会編著. 第三章 教職員の勤務の特殊性. 第一一法規 昭和53年 P100. 第一節 給与特別措置法. (32)教育委員会月報 第一法規’昭和42年6月 (1)給与特別措置法の制定経過. 号 P39 (33)新学校管理読本 文部省地方課法令研究会編著. 給与特別措置法(昭和46年5月28日、法律77. 第一法規 昭和53年 P103. 号)(1, は、教員の給与と勤務時間の特例を定めた法. (34)新訂・逐条解説・地方教育行政の組織及び運営. 律である。そして、この給与特別措置法は、小学校、 中学校、高等学校の教員について、おもに給与の特例. に関する法律 木田旧著 第一法規 昭和61. 年P242,243. 措置を定めたものであるが、給与の特例措置というよ. (35)新学校管理読本 文部省地方課法令研究会編著. りも、勤務時間の特例措置というべき性格のものであ. 第一法規 昭和53年 PlO4. る。. (36)教育委員会月報 第一法規 昭和46年10月. 「昭和23年、国家公務員の給与が官吏俸給令から 15級制の新給与に切り替えられた際、当時、国家公 務員であった国民学校と中学校の教員は、平均1週間. 号 P67. 当りの所定拘束時間が一般職員よりも長い48時間以 上あるものとみなして、一般職員に比し、ほぼ1割高 の切り替えが行われた。これとの関連で、教員につい ては、原則として超過勤務手当を支給しないという方 針がとられたが、超過勤務手当に関する規程の適用を. 排除する措置はとられなかった。その後、昭和24年 1月、国家公務員の勤務時間制度が確立され、週48 時間になった。しかし、教員の給与の1割高はそのま ま維持された」。(2,. このような背景のもとに、文部省は、昭和24年2 一41一一. 一42一.
(26) 月5日の次官通達「教員の勤務時間について」で、 「. 労働させた場合……割増賃金を支払;わなければならな. 勤務の態探が区々で、学校外で勤務する場合等は、学. い。」が適用されること、および、 「給与制度の改正. 校の長が監督することは困難であるので、原則として. で新給与切り替え措置の際における教員給与の有利性. 超過勤務は命じないこと」とし、さらに、昭和24年. が必ずしも明確ではなくなったこともあって、教員の. 3月19日の通達「教員の超過勤務手当について」で. 超過勤務をめぐる法的見解が対立」⊂a} し、超過勤務. は、 「教員の勤務時間については、発学46号をもっ. 手当訴訟の出発点となった翔鶯小学校超過勤務手当請. て超過勤務は原則として命じない旨を通知しましたが、 例外として、左記の勤務(宿直、日直、入試試験事務、. 求事件(昭和25年11月9日){5)や静岡県立学校 教員超過勤務手当請求事件(昭和40年12月21日). 身体検査、学位論文審査)を行う必要がある場合は超. t6). 過勤務手当を支給してさしつかえありません」と、一. ことを指示し、労働基準法第32条の2項の適用を積. など、昭和46年の時点で、県数で25県、人数にす ると13,440人もの教員が超過勤務手当訴訟を起 こしている(朝日新聞、昭和46年2月11日発行)。. 極的に運用するよう勧めている。つまり、変形蛍働時. 超過勤務問題は当時の教育界の最も大きな問題であっ. 間制の採用を示唆したあである。. た。文部省も昭和41年より、 「超過勤務の実態調査」. これらは国立学校への指導通達であるが、 「昭和2. (T} を行い、その結果1週閥当り平均、小学校で2時. 4年2月の『教育公務員特例法の施行について』の通 達により、公立学校についても、執務時間は国立学校. 間30分、中学校で3時間56分、高等学校で3時間. のそれによるものとなるので、前記次官通達を参照の. このような諸般の問題を考慮した人事院は、昭和3. こと、としている.したがって、原則として、超過勤. 9年8月の勧告で次のような指摘を行った。 「最近問. 務を命じないという指導方針は、公立学校の教員にも. 題になっているものに、教員の超過勤務に関する問題. 適用された」(3)のである。しかし、公立学校の教員. がある。現行制度のもとに立つかぎり、正規の時間外. にtt. ヘ、労働基準法第37条(時間外、休日及び深夜の. 動務に対しては、これに応ずる超過勤務手当を支給す. 割増し賃金)、 「使用者が第33条もしくは、前条の. る措置が講ぜちれるべきは当然であるが、他方、この. の規定によって、労働時間を延長し、もしくは休日に. 問題は、教員の勤務時間についての現行制度が適当で. 一43一. 一44一. 部の業務を除いて、原則として、超過勤務を命じない. 30分の超過勤務がなされていることが判明した。.
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